JP3671527B2 - コイル検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子を取り外すことなく、回転電機のコイルを検査するための検査装置に関するものであり、特に固定子より外側の上コイル及び底コイルの絶縁検査を自動検査するに好適なコイル検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転子を据え付けた状態で回転電機の検査を行う装置としては、特開昭63-228948号公報に示すような装置があり、固定子の絶縁状況やコイルが固定子に正確に押し込まれているかの検査が行われていた。また、固定子より外側のコイルの検査としては、回転子を取り除いた後に人間が行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開昭63-228948号公報に記載される検査装置では固定子の壁面及び固定子の内面に面した部分の上コイルの検査のみ実行できた。このため、底コイルの検査を含めたコイル全体の検査及び固定子より外側にあるコイルの検査ができなかった。そのためコイル端部のロウ付け部で発生した漏水による絶縁不良を検出し、回転子と固定子との絶縁不良を未然に防止するためには回転子を外して人間が検査するしかなく、検査に非常に時間を要した。また、人間が検査するために検査の値にむらが生じやすいという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、回転子を取り除くことなく、特に固定子より外側のコイルの絶縁不良を精度よく検出し、漏水による回転子と固定子との絶縁不良事故を未然に防止できる検査をすることが可能なコイル検査装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のコイル検査装置は、回転電機の固定子より外側に配置されたコイルの側面に接触或いは近接してコイルの物性を測定する検査部と、コイルの側面に対し検査部の位置決めを行うリンク機構と、このリンク機構をコイルに沿って移動させる送り機構と、検査部及びリンク機構を回転子の周回に沿って移動させる周回機構とを備える構成とする。
【0006】
コイル検査装置にこのような手段をもたせ、動作させることで本発明の目的は達成される。
【0007】
尚、コイルとは上コイル及び底コイルの双方を含む表現である。また、回転電機の例として発電機、モータ、誘導電動機等がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例であるコイル検査装置の構成を、回転電機の例として発電機を用い、固定子84よりも外側の上コイル69及び底コイル70を検査する場合について図1から図5を用いて説明する。
【0009】
図1はコイル検査装置の全体構成を示す側面図である。また、図2は図1に示す検査装置をファンリング25に沿ってA−A断面で切断した正面図である。図3はリンク機構の側面図であり、図4は図3の平面図である。そして図5は検査ヘッドを示した三面図である。
【0010】
本実施例のコイル検査装置1は、主に次の手段からなる。コイルを検査する検査部として、固定子84より外側の上コイル69及び底コイル70に接触或いは近接してコイルの物性の測定を行う検査ヘッド7及び検査対象コイル周辺の画像を取得するカメラ8がある。そして、この測定部を移動させる手段として、検査ヘッド7を回転子2の軸の半径方向(図1における上下方向)に移動させる第1の移動手段としてリンク機構5とこのリンク機構5を回転子2の軸方向(図1における左右方向)に移動させる第2の移動手段として送り機構6、回転子2の回転軸と同軸上にあり回転子2を保持するリテーニングリング3の軸回りに周回させるための第3の移動手段として周回機構4がある。そして、これら周回機構4,送り機構6及びリンク機構5を制御する手段として、制御装置9がある。また、その他のものとして、カメラ8の画像を出力するモニタ11、検査ヘッド7の測定したデータを処理するデータ処理装置10と、手動操作時にオペレータが操作する操作盤12がある。以上からコイル検査装置1は構成される。
【0011】
次に各要素の構成について詳細に説明する。検査ヘッド7、送り機構6及びリンク機構5をリテーニングリング3の軸回りに周回させる周回機構4は、回転子2と同軸のシャフト18に取り付ける支持ベルト13、ベース14及び二つの駆動ローラ15a、15bからなる。そして、支持ベルト13は、2本のワイヤー16a、16bと複数のローラ17aを備えたローラベルト17より構成され、ローラベルト17はシャフト18の外周に沿って巻付けられる。ローラベルト17に接続されたワイヤー16aは、ベース14上に設けたフック19に着脱自在に取り付けられ、ワイヤー16bは、ベース14上に設けた巻取り機構20に接続されている。尚、支持ベルトは上記のように複数のローラ17aを備えたローラベルト17でなく、潤滑性に富んだ表面を有する材質のベルトを使用しても良い。
【0012】
ベース14の据え付け手順は、ベース14をリテーニングリング3に着座させた後、支持ベルト13をシャフト18に巻付け、ワイヤ16bの端部をフック19に接続し、巻取り機構20により、所定の張力を与えることで完了する。ベース14の両側面には、ベース14を回転子2の回転軸回りに周回駆動するための駆動ローラ15a、15bが備えられている。また、ベース14の内部には、送り機構6とリンク機構5が備えられている。さらに、ベース14にはリテーニングリング3の端面3aに接する二つの位置決めローラ22a、22b、ファンリング25の端面25aに接する調整ローラ23、及びファンリング25の外周面25bに接する二つの支持ローラ21a、21bが設けられている。調整ローラ23は、調整機構24によりファンリング25の端面25aに押し付ける構成となっている。
【0013】
周回機構4の長手方向は、駆動ローラ15a、15bと支持ローラ21a、21b及び位置決めローラ22a、22b、と調整ローラ23により回転子2の回転軸に概略平行に保持され、さらに、位置決めローラ22a、22bと調整ローラ23により回転子2の回転軸方向の周回機構4の位置が保持される。そして、支持ベルト13の張力によりベース14の駆動ローラ15a、15bがリテーニングリング3の外周面3bに押し付けられ、駆動ローラ15a、15bとリテーニングリング3の間の摩擦力により、ベース14は回転子2の回転軸回りのどの周回位置においても重力に対して安定して静止することができる。一方、駆動ローラ15a、15bを回転させることにより、ベース14はリテーニングリング3の周りを周回移動し、ローラ17aの回転により支持ベルト13はスムーズにシャフト18の周囲を滑ることができる。
【0014】
ベース14の端部には先端にカメラ8を設けたカメラアーム83が設けられ、カメラ8により固定子84より検査ヘッド7の状態を監視できる構成となっている。操作者はモニタ11の画像上の上コイル69、底コイル70の位置を見ることで周回機構4の周回位置決めを行うことができる。
【0015】
送り機構6は、送り駆動モータ26、送り駆動モータ26で駆動されるピニオンギヤ27、ピニオンギヤ27で駆動されるラック28、及び、複数のガイドローラ29から構成される。ピニオンギヤ27を駆動するための送り駆動モータ26を周回機構4のベース14の内側に設置し、リンク機構5を搭載したトレイ30の両側面とベース14の間に、ガイドローラ29が備えられている。ガイドローラ29は、ベース14の長手方向に2列に複数個並べて設置されており、トレイ30の両側面に形成された溝30aを2列のガイドローラ29で挟持することにより、トレイ30をベース14に対してスライドさせることができる。
【0016】
さらに、トレイ30の側面にはラック28を設置し、このラック28をピニオンギヤ27で駆動する。以上の構成から、トレイ30を回転子2の回転軸方向に移動させることが可能で、かつ、ピニオンギヤ27をフリーにすることで、トレイ30をベース14の長手方向に挿入し、また引き抜くことが可能となる。
【0017】
リンク機構5は、トレイ30の内側に搭載されており、検査ヘッド7を回転子2の回転軸の半径方向に移動させ、上コイル69及び底コイル70を測定する位置に検査ヘッド7を移動させるものである。このリンク機構5は、リンク駆動モータ31、ボールねじ32、リニアベアリング33、スライダ34、リンク35a、35b、アーム36、ローラガイド37から構成される。
【0018】
ボールねじ32は、リンク駆動モータ31により駆動され、ボールねじ32とリニアベアリング33との間に取り付けられたスライダ34を移動させる。スライダ34と起伏軸38の周りを回転するリンク35bは、リンク35aにより結合され、起伏軸38に直交する揺動シャフト45を介してリンク35bとアーム36が結合している。中空のパイプからなるアーム36の内部には、プッシュロッド39が備えられている。また、検査ヘッド7は、アーム36の端部に固定された首振りシャフト43を中心に回転支持される。
【0019】
以上の構成から、リンク駆動モータ31を駆動してスライダ34を移動させ、リンク35a、35bを介してアーム36に起伏軸38の軸回りに起伏の動作を行わせる。この動作により検査ヘッド7を回転子2の回転軸の半径方向に移動させることが可能となる。さらに、アーム36は揺動シャフト45を中心に回転子2の回転軸の直交方向(図4における上下方向)に揺動することができ、検査ヘッド7は首振りシャフト43を中心に回転することができる。
【0020】
三角形のガイド溝40aを形成した回転ロック40が検査ヘッド7に設けられている。プッシュロッド39の上端部39aにはピン44が設けられており、プッシュロッド39を上方に押し上げた場合、ガイド溝40aの頂点にピン44が押し付けられ、検査ヘッド7の回転が拘束される。一方、プッシュロッド39が下方に下がった場合は、ガイド溝40aの底辺の幅だけ検査ヘッド7が自由に回転可能となる。
【0021】
また、プッシュロッド39の下端部39bには、一対のローラ41が備えられており、このローラ41はバネ42によってローラガイド37に常に押し付けられる構成のため、アーム36を水平から起こす時にローラ41がローラガイド37に沿って滑走し、アーム36が直立する近傍では、起伏軸38からローラ41までの距離が短くなるようにローラガイド37のローラ41が接触する部分の形状を形成しているので、ローラ41はバネ42のバネ力によってローラガイド37の形状に沿って下がり、プッシュロッド39は中空のアーム36の中をスライドして下がる。
【0022】
さらに、ローラガイド37にはアーム36を挟む二股の腕部37aが形成されており、二股の腕部37aの間のすき間がアーム36の先端方向から起伏軸38に近づくにつれて広がり、所定の距離遠ざかった位置でアーム36の幅とほぼ一致するように構成されている。
【0023】
以上の構成から、アーム36が水平な状態では検査ヘッド7の周回方向の位置及び首振りシャフト43周りに回転が拘束され、アーム36が所定の角度以上起立すると、検査ヘッド7が周回方向に揺動可能、かつ、首振りシャフト43回りに回転可能となる。
【0024】
リンク機構5は、検査ヘッド7を回転子2の回転軸の半径方向に移動させる自由度を持ち、対向するコイル同士の間の所定の位置まで検査ヘッド7を位置決め可能な構成とした。これにより、検査ヘッド7をコイルの検査を行うための所定の位置に位置決め可能となる。また、リンク機構5には検査ヘッド7の側面をコイルの側面に沿わせるように検査ヘッド7の姿勢を変更する少なくとも一つ以上の受動自由度を検査ヘッド7とリンク機構5の間に設けた。
【0025】
さらに、コイルと回転子2との間隙に検査ヘッド7を位置させる初期状態においては受動自由度の運動を拘束し、検査ヘッド7が所定の検査位置の近傍に移動した場合には拘束を解除するロック機構をリンク機構5に備えた。これにより、コイルの曲面部の検査時にも検査ヘッド7の姿勢がコイルに受動的に沿うことが可能となる。
【0026】
以上のような構成としたことにより、送り機構6は、周回機構4に取り付けられ、リンク機構5を回転子2の回転軸方向に移動させる自由度を持つ構成としたことにより、リンク機構5を上コイル69及び底コイル70の所定の位置に位置決めすることが可能となる。また、送り機構6とリンク機構5を制御装置9により協調動作可能な構成としたことにより、回転子2の回転軸と直交する方向に沿って検査ヘッド7を移動させることが可能となる。
【0027】
そのため本実施例は、回転子2の回転軸を中心に放射上に配置された複数の上コイル69及び底コイル70のすべてに対して、リンク機構を位置決めすることが可能となり、回転子を抜かずに固定子84よりも外側のコイルの検査が可能となる。
【0028】
また、リンク機構5を送り機構6から着脱可能な構成とした。これにより、装置移動時に装置を分割できるため装置の取扱が容易となり、プラント毎、測定するコイルの位置毎及び測定対象毎にリンク機構5を交換することも可能となるため、回転子2に面した固定子84の検査も可能となる。
【0029】
検査ヘッド7は、ヘッドフレーム46、ベローズ47、電極板48、倣いローラ49を備えている。ヘッドフレーム46に片方の端部を固定された一対のベローズ47は、空気を注入することで伸長し、可撓性のある導電体からなる電極板48をコイルの側面に所定の力で押し付けることができる。ベローズ47は可撓性のある材料から出来ている。そして、コイルの側面に所定の力で押しつける手段としてベローズ47内に注入するものは空気に限らず液体を用いても良い。
【0030】
また、電極板48は本実施例においては検査ヘッドの左右両側に設けてコイル間に検査ヘッド7を挟み、コイルに電極板48を押しつけることで検査ヘッド7の両側のコイルの導体部から絶縁被覆表面までの静電容量を計測しコイルの絶縁性を検査して、コイル端部から発生する漏水による絶縁不良を検出するようになっている。しかし、左右のいずれか一方のみに設けて片側のみ検査を行うようにしてもよく、また、上側に設けて固定子内部について同様の検査を行うようにしても良い。
【0031】
検査ヘッド7をコイルに沿わせるときの動作を図6を用いて説明する。アーム36が直立したときに検査ヘッド7が周回方向及び首振りシャフト43回りにフリーとなり、送り機構6を駆動して検査ヘッド7を回転子2の回転軸方向に移動させ、倣いローラ49を底コイル70の側面に接触させて倣わせながら検査ヘッド7の姿勢Φを変える。この時の底コイル70の対面方向の移動dは、揺動シャフト45回りの回転により受動的に移動する。揺動シャフト45回りの回転により、検査ヘッド7が底コイル70に対して回転子2の回転軸回りに傾くが、傾きが微小なためこの誤差はベローズ47の変形により吸収可能である。同様の動作で上コイル69にも倣わせることも可能である。尚、倣いローラ49に代えて潤滑性の良い摺動面を持つ部材を取り付けても良い。
【0032】
固定子84近くのコイルは直線となっているため、測定が行いやすいが、この部分のコイルは他のカバーなどにより覆われていることが多く、実際は測定することが出来ない場合がある。しかし、本実施例の検査ヘッド7は上記のように首振りシャフト43により、回転をすることが出来るため、固定子84の端部から離れコイルが曲がっているところでも正確に測定することが出来、同一コイルを複数個所にわたり測定することも容易にできる。
【0033】
制御装置9は、周回機構4、送り機構6、リンク機構5、検査ヘッド7、ベローズ47等の各制御可能自由度を、オペレータによる手動またはプログラムにより自動で動作が可能となっている。これにより、手動操作による検査だけでなく、自動で検査を行うことも可能となる。また、送り機構6とリンク機構5に協調動作を行わせ、検査ヘッド7を回転子2の回転軸の半径方向に任意の軌跡で移動させることも可能となっている。
【0034】
データ処理装置10は、検査ヘッド7に取り付けた電極板48と上コイル69もしくは底コイル70の導体部との間の静電容量等の測定データを計測し、処理を行った後、日時、コイル番号、測定位置などのデータと一緒にファイルに保存する。これにより、測定時点でのコイルの良否が判定可能となる。さらに、定検毎に取得した測定データからコイルの経年変化を判定することが可能となる。
【0035】
次に本実施例で説明したコイル検査装置1を用いた検査作業の流れについて図7のフローチャートを用いて説明する。まず、エンドブラケット(図示せず)等の部品を取り外す(S1)。次に、リテーニングリング3の頂上付近に周回機構4を乗せ、位置決めローラ22a,22bをリテーニングリング3の端面に接触させる。(S2)。次に、支持ベルト13のワイヤー16aをフック19からはずし、治具等を用いて周回機構4の支持ベルト13をシャフト18の周囲に巻掛ける(S3)。次に、はずした支持ベルト13の端部を周回機構4に取り付け、巻取り機構20により所定の張力を支持ベルト13に与える(S4)。
【0036】
次に、装置の各動作部分の動作チェック及びイニシャライズを行う(S5)。次に、オペレータの操作によりカメラ8の画像を見ながら最初の測定位置まで移動する(S6)。次に、送り機構6及びリンク機構5を用いて検査ヘッド7を所定の測定位置に位置決めする(S7)。次に、検査ヘッド7のベローズ47を伸長させて所定の押し付け力で電極板48をコイルに押し付ける(S8)。次に、データ処理装置10により静電容量など測定データを採取する(S9)。
【0037】
採取したデータが正常と判断される場合は、データを記録する。データが正常ではないと判断される場合は、測定位置をずらして再度測定を行う(S10)。この作業を回転子2の回転軸回りに放射状に配置されたコイルすべてに対して周回機構4で周回しながら行う。作業終了時には装置取り付けの手順と逆の手順で装置を取り外す(S11)。
【0038】
以上説明したように本実施例によれば、リテーニングリング3に取り付けられた周回機構4によって回転子2の回転軸回りに周回し、回転子2の回転軸に対して放射状に配置されたコイル近傍に検査ヘッド7を移動できる。さらに、送り機構6とリンク機構5を用いて、回転子2の回転軸方向及び半径方向に検査ヘッド7を移動することができるのでコイルの所定の位置に検査ヘッド7を位置決めすることが可能となる。さらに、検査ヘッド5のベローズ47によって電極板48をコイルの側面に所定の押し付け力で押し付けることが可能となり、コイルの測定を回転子を抜かずに精度良く行うことができる。
【0039】
また、コイルの曲率部分においても検査ヘッド7の姿勢を首振りシャフト43及び、揺動シャフト45回りにフリーとし、倣いローラ49によりコイルの側面に接触しながら検査ヘッド7の姿勢及び位置を変えることが可能なので平行部分と同様に測定することが可能となる。さらに、プラントの違いによるコイル位置、寸法の変化にもトレイ30から上の装置について複数用意し、交換することで容易に対応可能となっている。
【0040】
尚、本実施例においてはシャフト18に複数のローラ17aを接触させて滑らせる構成にしたが複数のローラ17aを潤滑性に富んだ表面を有するものに変更しても同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては電極板48によりコイルの被覆も含めた静電容量を計測する構成としているが、本実施例の電極板48を、例えば超音波探傷子等コイル側面に対して密着して物理量を計測するセンサに置き換えても同様の効果を得ることができる。
【0041】
次に、本発明の他の実施例であるコイル検査装置50の周回機構51の構成を図8を用いて説明する。本実施例の先の実施例同様発電機について適用した場合である。
【0042】
本実施例に示すコイル検査装置50の周回機構51は、リテーニングリング3にリテーニングリング3の側面に回転軸と同心の溝3cがある場合に用いる。周回機構51は、ベース52及び駆動機構53から構成される。駆動機構53は、リテーニングリング3の外周3bに接触し回転子2の回転軸回りの推進力を与える駆動ローラ54とリテーニングリング3の溝3cの壁面に接触する押し付けローラ55と、押し付けローラ55と駆動ローラ54の軸間を調整する調整機構56から構成される。
【0043】
駆動ローラ54をリテーニングリング3の外周3bに当て、押し付けローラ55を溝3cの壁面に当て、調整機構56により軸間を調整してリテーニングリング3を挟持することで周回機構51をリテーニングリング3に固定する。この場合駆動ローラ54は先の実施例の図2に示すものと同様にコイル検査装置50の左右両側に設けた方が良い。また、押し付けローラ55も同様にコイル検査装置50の左右両側に設けた方が良い。
【0044】
本実施例によれば、リテーニングリング3を駆動ローラ54と押し付けローラ55との二種のローラで挟持するだけで回転子2の回転軸回りの周回移動が実現でき、図1に示すような支持ベルト13が不要となり装置の取り付け、取扱が容易となる。
【0045】
次に、本発明の他の実施例であるコイル検査装置57のリンク機構58と検査ヘッドの構成及び動作を図9から図12を用いて説明する。図9は他の実施例であるリンク機構を示す側面図である。図10は図9に示すリンク機構の動作を示した側面図である。図11及び図12は検査ヘッドの構成図である。図11及び図12において、検査ヘッドの回転及び摺動の仕方を破線で示している。
【0046】
本実施例に示すコイル検査装置57のリンク機構58は、四節平行リンクを構成する第1リンク59、第2リンク60、第3リンク61、及び第4リンク62と、第1リンク起立モータ63、第2リンク起立モータ64により構成され、第1リンク59には検査ヘッド73が設けられている。上コイル69の検査時には、まず、第1リンク起立モータ63により第4リンク62上の第5ヒンジ71を引っ張り、第4リンク62を第4ヒンジ68の回りに回転し、これにより第4リンク62に第3ヒンジ67で結合された第3リンク61が駆動され、第3リンク61と第2ヒンジ66で結合された第1リンク59が第1ヒンジ65回りに回転して直立し測定姿勢になる。
【0047】
次に、底コイル70を測定するときには、第1リンク起立モータ63を上コイル測定状態で保持し、第2リンク起立モータ64により第2リンク60の第6ヒンジ72を引っ張り、第2リンク60を第4ヒンジ68回りに回転させ、検査ヘッド73を位置決めして測定を行う。この場合、第3ヒンジ67から第4ヒンジ68の方向は第2ヒンジ66から第1ヒンジ65の方向に平行に維持され検査ヘッド73の姿勢は保持される。
【0048】
検査ヘッド73は、ブロック75に設けた首振りシャフト74の回りに回転支持され、ロックピン76に支持されるブロック75に設けた板バネ77により回転運動を剛性をもって拘束されている。さらに、ブロック75と第1リンク59には相互にかみ合う摺動部75a、及び59aが設けられており、検査ヘッド73を周回方向に摺動支持している。第1リンク59に対する検査ヘッド73の周回方向の位置は、ロックピン78に挟持され、第1リンク59に設けた板バネ79により剛性をもって拘束される。図3に示したリンク機構5の場合、上コイル69と底コイル70の各々の測定において、コイルの曲がった側面に検査ヘッド7を沿わせて設定する場合、双方の測定においてアーム36を垂直に起立させる必要があり、トレイ30の交換により各々の測定位置に合わせアーム36の長さを変えることになる。
【0049】
これに対し、本実施例のリンク機構58を用いるとコイルに対する検査ヘッド73の姿勢を半径方向の移動の間一定に保つことができるため、図3に示したリンク機構5のように上コイル69と底コイル70の双方の測定でトレイ30を交換する必要がなく、一度の装置の設定で上コイル69、底コイル70の双方のコイル検査を実行できる。また、プラントが変わることによるコイルの寸法の変化にもトレイ30を変えることなく対応可能である。さらに、いつも検査ヘッド7の姿勢が一定であり、板バネ77及び79による検査ヘッド73の首振り方向、周回方向の柔軟性により、図3に示した構成と同様にコイルの曲面に検査ヘッド73を沿わせることができる。
【0050】
尚、本実施例では、摺動部75a及び59aによる並進自由度により検査ヘッドの周回方向の移動を支持する構成としたが、図3に示す構成において、リンク35aとアーム36の間をトーションバネ等で剛性結合しても本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0051】
次に、本発明の他の実施例であるコイル検査装置の検査ヘッドの構成を図13を用いて説明する。本実施例のアーム80には、二つの検査ヘッド81及び、82が設けられており、アーム80が起立したときに各々の位置は、コイル69及び70の測定位置に一致するように設置されている。詳細は省いているものの、先の実施例において示したように、摺動シャフトや首振りシャフト等の機能を備え、コイルの位置或いは形状に合わせ電極板をコイルに近接させ、静電容量などの検査を行うことができる。本実施例の検査ヘッドを先に示した他の実施例のところで述べた構成に適用すれば、一度の位置決めで上コイル69、及び底コイル70の検査を行うことも可能であり、効率的にコイルの検査を行うことができ検査時間を短縮できる。
【0052】
以上述べた実施例においては、コイル検査装置は、エンドブラケット(図示せず)を取り外してから取り付ける単独の装置としているが、回転機械の中に予め組み込んでおいても良い。その際には、制御装置9等との接続のためにエンドブラケットに接続用の開閉自在な小窓を設ける、或いは無線により検査装置の各移動手段を制御することが考えられる。このような構成とすることにより、エンドブラケットなどを外さずに自動でコイル検査を行うことのできる、コイル検査装置付き回転機械として使用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コイルの測定及び検査を行う際に回転子を除去する必要がないため、検査のために運転を止める時間を短くすることができる。また、人間が直に検査を行わないので、検査値のむらも少なくでき、所定の測定条件のもとで実施することができる。さらに、回転及び移動が可能な検査ヘッドを用いることにより、コイルの直線部はもとより曲がった部分においても信頼性の高い測定データを高効率で取得することが可能となり、取得データからコイルの良否を判断することが可能となる。
【0054】
また、取得データを位置決めデータと一緒に保存することが可能なため、同一位置でのデータの経年変化を測定することが容易となり、コイルの良否の判断が容易となる。また、プラントの相違による寸法の違いや回転子回転軸の半径方向の測定コイル位置の違いには、あらかじめ用意しておいたアーム部の寸法の異なるユニットをトレイごと交換することによって対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル検査装置を示す側面図である。
【図2】図1に示すコイル検査装置の正面図である。
【図3】コイル検査装置のリンク機構を示す側面図である。
【図4】本発明のコイル検査装置のリンク機構を示す断面図である。
【図5】本発明のコイル検査装置の検査ヘッドの構成を示す三面図である。
【図6】検査ヘッドをコイルに倣わせるときの動作を示す平面図である。
【図7】本発明の動作フローを表わしたフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施例の周回機構を示す側面図である。
【図9】本発明の他の実施例のリンク機構を示す側面図である。
【図10】本発明の他の実施例のリンク機構の動作を示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施例の検査ヘッドを示す平面図である。
【図12】図11に示す検査ヘッドの正面図である。
【図13】本発明の他の実施例のリンク機構を示す側面図である。
【符号の説明】
1…コイル検査装置、2…回転子、3…リテーニングリング、3a…リテーニングリング端面、3b…リテーニングリング外周面、3c…リテーニングリング溝、4…周回機構、5…リンク機構、6…送り機構、7…検査ヘッド、8…カメラ、9…制御装置、10…データ処理装置、11…モニタ、12…操作盤、13…支持ベルト、14…ベース、15a,15b…駆動ローラ、16a,16b…ワイヤー、17…ローラベルト、17a…ローラ、18…シャフト、19…フック、20…巻取り機構、21a,21b…支持ローラ、22a,22b…位置決めローラ、23…調整ローラ、24…調整機構、25…ファンリング、25a…ファンリング端面、26…送り駆動モータ、27…ピニオンギヤ、28…ラック、29…ガイドローラ、30…トレイ、30a…トレイ溝、31…リンク駆動モータ、32…ボールねじ、33…リニアベアリング、34…スライダ、35a,35b…リンク、36…アーム、37…ローラガイド、37a…二股の腕、38…起伏軸、39…プッシュロッド、39a…プッシュロッド上端部、39b…プッシュロッド下端部、40…回転ロック、40a…三角形の溝、41…ローラ、42…バネ、43…首振りシャフト、44…ピン、45…揺動シャフト、46…ヘッドフレーム、47…ベローズ、48…電極板、49…倣いローラ、50…コイル検査装置、51…周回機構、52…ベース、53…駆動機構、54…駆動ローラ、55…押し込みローラ、56…調整機構、57…コイル検査装置、58…リンク機構、59…第1リンク、59a…摺動部、60…第2リンク、61…第3リンク、62…第4リンク、63…第1リンク起立モータ、64…第2リンク起立モータ、65…第1ヒンジ、66…第2ヒンジ、67…第3ヒンジ、68…第4ヒンジ4、69…上コイル、70…底コイル、71…第5ヒンジ4、72…第6ヒンジ4、73…検査ヘッド、74…首振りシャフト、75…ブロック、75a…摺動部、76…ロックピン、77…板バネ、78…ロックピン、79…板バネ、80…アーム、81,82…検査ヘッド、83…カメラアーム、84…固定子。

Claims (2)

  1. 回転電機のコイルの検査を行うコイル検査装置において、前記回転電機の固定子より外側に配置された前記コイルの側面に接触或いは近接して前記コイルの物性を測定する検査部と、前記側面に対し前記検査部の位置決めを行うリンク機構と、該リンク機構を前記回転電機の回転子の軸方向に移動させる送り機構と、前記検査部,前記リンク機構及び前記送り機構を前記回転子の周回方向に移動させる周回機構とを備え、前記回転子と同軸に接続されたリテーニングリングの外周面に接して回転し前記周回機構を周回移動させる駆動ローラと、前記リテーニングリングの側面に接して前記周回機構自体の位置を決める位置決めローラと、前記回転子と同軸上にあり前記リテーニングリングとこのリテーニングリングと間隔をおいて設けられたファンリングとに挟まれたシャフトの外周に巻掛けて、前記シャフトに接する支持ベルトとを前記周回機構に備えることを特徴とするコイル検査装置。
  2. 回転電機のコイルの検査を行うコイル検査装置において、前記回転電機の固定子より外側に配置された前記コイルの側面に接触或いは近接して前記コイルの物性を測定する検査部と、前記側面に対し前記検査部の位置決めを行うリンク機構と、該リンク機構を前記回転電機の回転子の軸方向に移動させる送り機構と、前記検査部,前記リンク機構及び前記送り機構を前記回転子の周回方向に移動させる周回機構とを備え、前記回転子と同軸に接続されたリテーニングリングの外周面に接して回転し前記周回機構を周回移動させる駆動ローラと、前記リテーニングリングの側面に形成された回転軸と同心の円周溝の外周面に接する押し付けローラとを前記周回機構に備えることを特徴とするコイル検査装置。
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