JP3671525B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた電子写真方式の複写装置あるいはプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より提案されている画像形成装置は、静電潜像担持体である感光体表面を帯電装置によって一様帯電し、露光装置によって感光体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像器のトナーで現像して顕像化するものである。現像器は円筒状の非磁性スリーブの現像剤搬送体内に、円筒状の複数の磁極を有した磁石を固定配置した現像剤担持体上にトナーおよび磁性キャリアからなる2成分現像剤を担持し、現像剤担持体上の2成分現像剤を、非磁性スリーブの回転によって搬送し、静電潜像を2成分現像剤に接触させてトナーで顕像化している。
【0003】
上記のような2成分現像方式では、まず現像装置内においてトナーとキャリアを接触させることによりそれぞれ逆極性に帯電させる。反転現像では、感光体をトナーと同極性に帯電させ、露光装置で画像部を露光して除電し、現像担持体を画像部電位と非画像部電位の中間に設定することで、トナーを静電気力で画像部に付着させ現像させている。
正規現像では、感光体をトナーと逆極性に帯電させ、露光装置で非画像部を露光して除電し、現像担持体を画像部電位と非画像部電位の中間に設定することで、トナーを画像部に付着させ現像させている。
いずれの場合もキャリアは非画像部に静電気力により吸引力が働くが、現像担持体との磁気吸引力により非画像部への付着を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、個々のキャリアは粒径や形状の違いによる帯電量および飽和磁化の違い、あるいは帯電量および飽和磁化自体のばらつきによる違いにより、作用する静電気力および磁気力が異なる。そのため、静電気力が強く働くキャリア、あるいは磁気力が弱く働くキャリアは非画像部に付着してしまう。
特に、樹脂に磁性粉を分散させて、粉砕および分級により微粉化して製造されるキャリアでは、上記の粒径や形状のばらつき、または帯電量および飽和磁化自体のばらつきが大きく、非画像部へのキャリア付着が発生しやすかった。
【0005】
非画像部に付着したキャリアは、用紙(記録体)にトナーとともに転写されると、トナー像を熱溶融させて定着させる定着装置で用いられている定着ロール表面を傷つけたり、上記のような樹脂に磁性粉を分散させたキャリアでは、そのまま記録体上に定着され画質欠陥になってしまった。また、キャリアはトナーよりも大きいため、キャリアが付着した部分に隣接したトナー像が記録体に転写されず画像抜けが発生してしまう不都合が発生した。
非画像部へのキャリア付着防止としては、非画像部と現像担持体間の電位差を小さくする方法が考えられるが、この電位差を小さくすると非画像部にトナーが付着してしまう問題が発生してしまった。
【0006】
また、画像としては、図9aに示すようなソリッドの端部においては、フリンジ電界が形成されるため、感光体表面に垂直な電界は図9bのようになり、非画像部にキャリアが付着しやすい状態となった。特に、図10に示すように、高周波数の線が連続するラダーではフリンジ電界が更に強まるので、最も付着しやすい。すなわち、ラダーでは電界が高周波で変化するため、電界変化に追従性の高いキャリアが付着するのである。画数の多い文字においても同様の現象が発生した。
【0007】
通常は現像担持体の磁石の磁極パラメータやキャリアのパラメータ等で、非画像部へのキャリア付着を防止させるようにしているが、上記のように付着しやすいキャリアがふくまれているため、低減できても、非画像部へのキャリア付着をなくすことは困難であった。
この問題を改善する方法が特開平6−27821号公報にが提案されている。これは実使用モードの前に非画像部と現像担持体間の電位差を大きくしておき、現像装置を作用させることで、非画像部に付着しやすいキャリアをあらかじめ強制的に感光体上に排出してしまい、実使用モードでは非画像部にキャリアを付着させない方法である。
【0008】
しかしながら、開示された方法では、一様電界であるため、ラダーや文字部等へ付着しやすいキャリアを排出する電位差に設定してしまうと、ラダーの電位差の変化に追従せず付着することのないキャリアまで排出してしまうことになる。また、電位差を小さくしすぎると、ラダーや文字部等へのキャリア付着を防止できなくなってしまった。
この発明は、以上の技術的課題を解決するためのものであり、非画像部へのキャリア付着を確実に防止できる画像形成装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明の一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光を照射して、画像に対応した静電電位の差による静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像が現像剤担持体に対向したとき、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング工程を有する二成分現像剤を用いた画像形成方法は、静電潜像担持体が現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位で、かつフリンジ電界を形成する画像による静電潜像を形成するキャリア排出用の静電潜像形成工程と、現像剤担持体の電位に対してトナーが現像される範囲の電位差を有する電位差で、静電潜像を形成する画像形成用の静電潜像形成工程を有し、キャリア排出用の静電潜像形成工程により形成される静電潜像は、現像剤担持体に対向したとき、二成分現像剤のキャリアを吸着する構成を基本的に具備する。
【0010】
第2の発明の画像形成方法による静電潜像形成工程は、第1の画像に対応した露光による第1の潜像形成工程と、第2の画像に対応した露光による第2の潜像形成工程を有し、第1の潜像形成工程がポジ露光の場合は第2の潜像工程がネガ露光、第1の潜像形成工程がネガ露光の場合は第2の潜像工程がポジ露光を実行し、現像工程は第1の潜像工程で形成された潜像を正規現像あるいは反転現像する第1の現像工程と、第2の潜像形成工程で形成された潜像をトナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤で現像する第2の現像工程を有し、第1の潜像形成工程においてはフリンジ電界を形成する静電潜像を形成すると共に、第1の現像工程は実行させず、第2の潜像形成工程においては静電潜像担持体を現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位とし、第2の現像工程を実行して二成分現像剤のキャリアを吸着させる構成を基本的に具備する。
【0011】
第3の発明の、一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光照射して、画像に対応した静電電位の差による静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体を備えた現像手段と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング手段を備え、静電潜像担持体上の静電潜像が現像剤担持体に対向したとき、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像がトナーにより現像される二成分現像剤を用いた画像形成装置は、静電潜像担持体が現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位で、かつフリンジ電界を形成する画像による静電潜像を形成するキャリア排出用の静電潜像形成手段と、現像剤担持体の電位に対してトナーが現像される範囲の電位差を有する電位差で、静電潜像を形成する画像形成用の静電潜像形成手段を備え、キャリア排出用の静電潜像形成手段により形成される静電潜像は、現像剤担持体に対向したとき、二成分現像剤のキャリアを吸着させる構成を具備する。
【0012】
第4の発明による画像形成装置は、一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光を照射して、静電電位の差による静電潜像を形成する複数の静電潜像形成手段と、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング手段を備え、静電潜像形成手段は、第1の画像に対応した露光による第1の潜像形成手段と、第2の画像に対応した露光による第2の潜像形成手段を有し、第1の画像に対応した露光がポジ露光の場合は第2の潜像形成手段はネガ露光、第1の画像に対応した露光がネガ露光の場合は第2の潜像形成手段はポジ露光を実行し、現像手段は第1の潜像形成手段で形成された潜像を正規現像あるいは反転現像する第1の現像手段と、第2の潜像形成手段で形成された潜像をトナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤で現像する第2の現像手段を有し、第1の潜像形成手段においてはフリンジ電界を形成する静電潜像を形成すると共に、第1の現像手段は実行させず、第2の潜像形成手段においては静電潜像担持体を現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位とし、第2の現像手段を実行して二成分現像剤のキャリアを吸着させる構成を基本的に具備する。
また、静電潜像担持体に吸着されたキャリアはクリーニング工程、あるいはクリーニング手段によりクリーニングされる構成を具備する。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
この実施の形態は単色画像形成装置に関する。
図1は、単色画像形成装置の一実施例を示す概要図である。この形態において潜像担持体は感光体を用いている。
感光体ドラム1は、表面に負帯電系の有機感光体からなる表面層を有している。感光体ドラム1は帯電器2により一様帯電された後、画像に対応した光を露光する光り書き込み手段3により照射され、静電電位の差による静電潜像が形成される。
静電潜像が形成されたときの表面電位は、例えば、画像部Vlで−100V、背景部Vhで−700Vとすることができる。感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって反転現像され、感光体1上にはトナー画像が形成される。このトナー画像は転写帯電器5によって記録紙P上に転写され、記録紙Pは転写後に剥離帯電器6によって感光体1から剥離され、定着手段(図示せず)によって定着される。
感光体1上の残留トナーはクリーナ7によって除去され、感光体1上の残留電荷は除電ランプ8によって除去される。
【0014】
図2、図3は現像器4を示す。
現像器4の現像剤担持体40は、感光体1と対向して設けられる。そして、回転することによって表面に付着した現像剤を搬送する。感光体1との最近接領域での間隙L1が400〜600μm程度となるように設定されている。
現像剤担持体40は磁石ロール401と現像スリーブ403よりなる。磁石ロール401は内部に複数の磁極が周面に沿って配列され、回転しないように固定して支持されている。磁石ロール401により、現像スリーブ403は周面に沿って磁界を形成しており、この磁界に従って、磁性キャリアと非磁性トナーからなる2成分現像剤が現像剤担持体40の表面に吸着することができるようになっている。
【0015】
現像器4は現像剤搬送撹拌手段41を備え、撹拌手段41により現像剤供給領域に搬送された2成分現像剤は、現像剤供給手段43によって現像剤担持体40に供給され、磁気吸着される。さらに、現像剤担持体40上に吸着された現像剤は現像剤規制部材45によって搬送量が規制されて、感光体ドラム1に対向する現像領域へと搬送される。
現像領域でトナーが消費された現像剤は現像剤担持体40から剥離して、現像剤供給手段43によって再び現像剤搬送撹拌手段41に搬送される。
現像器4内のトナーはトナー供給手段(図示せず)により供給口47から供給され、撹拌手段41によりトナーと現像剤を撹拌してトナー濃度を均一にしながら、矢印に示す方向に循環している。
【0016】
このように構成する現像担持体40と感光体1表面の電位差を説明する(図4参照)。
現像剤担持体40には高圧電源(図示せず)によってバイアス電圧Vbが印加されている。このバイアス電圧Vbは、例えば−500Vである。感光体1表面の画像部Vlで−100V、背景部Vhで−700Vとすると、現像剤担持体40の電位と感光体1の画像部電位Vlとの電位差(現像電位)400Vでトナーが感光体1に現像され、非画像部電位Vhとの電位差(クリーニング電位)300Vでトナーが感光体に付着するのを防止している。ここで、バイアス電圧には必要に応じて交流成分を重畳してもよい。
【0017】
この状態で、2lp/mmのラダーの画像を有する現像試験を試みた。
現像剤としては、平均粒径約7μmのマゼンダ・トナーと平均粒径約50μmで、飽和磁化60emu/gのフェライト粒子に樹脂コーティングして抵抗値制御したものを使用した。現像剤中のトナー濃度は約8.0wt%であった。
感光体1の線速度を160mm/s、現像剤担体41の線速度を320mm/sとし、対向する現像領域で同方向に移動するように回転させて現像した。
この結果、感光体1上の画像の背景部にはキャリア付着は40mm×40mmの領域内に5〜10個であり、2lp/mmのラダーの画像中には20〜30個あり、ラダーの定着画像にはキャリア付着による画像の抜けが発生した。
【0018】
そこで、この実施例では、次に示すモード(キャリア排出用モード)を実行した(図5参照)。
画像形成プロセスにおいて、感光体1の表面は帯電器2によりVhに一様帯電された後、画像に対応した光を露光する光り書き込み手段3により、一様に露光される。このときにバイアス電位Vbと同じとなる、つまり−400Vとなる強度で画像に対応した露光により感光体ドラム1に2lp/mmの全面横ラダー潜像を形成する。
次に現像器4を作用させる。このとき、この電位差ではトナーは感光体1に現像されず、キャリアがクリーニング電位(感光体表面電位Vhと現像担持体Vbとの差)で感光体に吸引される。
この場合、画像形成装置は転写工程は作用させず、記録紙Pも搬送させない。そして、感光体1の回転移動により感光体1に付着したキャリアはクリーナー7により感光体1から除去される。
このモードで3分間作動させ、経過後通常の画像形成をした。
【0019】
画像形成の結果は感光体1上の画像の背景部にはキャリア付着は40mm×40mmの領域内に3個以下であり、2lp/mmのラダーの画像中にはキャリア付着は5〜10個であった。
この結果は従来の画像形成における画像形成結果に対して、ラダーの定着画像におけるキャリア付着による画像抜けが減少した。
また、平均粒径約9μmの黒トナーにおいても同様の画像形成実験を行ったが同様な効果が得られた。
上記のように、この実施例による画像形成装置は、画像形成の前に付着しやすいキャリアを効率的に排出するキャリア排出用の工程を有しているので、ラダーや文字等のフリンジ電界が強くなる画像形成においても、キャリアの付着による画質欠陥、画像抜けがなく良好な画像を形成できる。
【0020】
第2の実施の形態
この実施の形態はカラー画像形成装置に関する。
図6は、2色画像形成装置の一実施例を示す概要図である。
図示する2色画像形成装置は、矢印a方向に回転する負帯電感光体10、感光体10を帯電する帯電器(実施例ではスコロトロン)20、半導体レーザ等からなる第1光書き込み手段30A、第2光書き込み手段30B、第1の現像器400A、第1の現像器400Aと帯電極性が逆で色の異なる第2現像器400B、感光体10上に形成された二色のトナー画像に対し帯電を行い極性を揃える転写前処理帯電器90、感光体10上の二色のトナー像を記録紙P上に一括転写させる転写帯電器50、転写後に感光体10から記録紙Pを剥離する剥離帯電器60、感光体10上の残留トナーを除去するクリーナー70、感光体10上の残留電荷を除去する除電ランプ80を備えている。
【0021】
次に、図7に従ってこの実施例に係る2色画像形成装置の作像工程を説明する。
帯電工程a
感光体表面を一様に帯電(帯電電位Vh)する。
第1露光工程b
画像部をポジ露光して画像部電位をVl1とする第1の潜像を形成する。
第1現像工程c
感光体10の帯電極性と同じ極性のトナーで、第1の潜像の画像部を反転現像(現像バイアス電位Vb1)する。
第2露光工程d
2色目の非画像部(1色目のトナー像部を含む)をネガ露光して、第2の潜像(非画像部電位Vl2とする)を形成する。
第2現像工程e
現像バイアス電位Vb2で感光体10の帯電極性と逆極性で、かつ1色目のトナーとは色の異なるトナーで、第2の潜像の画像部を正規現像する。
これらの工程を経て、感光体上に2色のトナー画像を形成する。
【0022】
この2色画像形成方法は2色のトナーが逆極性であることと、正規現像と反転現像を用いていることにより、1色目のトナー像に2色目のトナーが付着する混色の発生がしにくい。また、1色目のトナーが2色目の現像器に混入し、2色目の色が濁る問題が発生しにくく、2色目の現像前に感光体の再帯電が不要である等の利点がある。
【0023】
この画像形成装置により、下記の状態で、2lp/mmのラダー画像を有する原稿の現像試験を試みた。
第1現像器400Aは現像剤としては、平均粒径約11μmの負帯電青トナーと平均粒径約85μmで、飽和磁化60emu/gのフェライト粒子に樹脂コーティングして抵抗値制御したものを使用した。現像剤中のトナー濃度は約4.0wt%であった。現像剤担体上の線速度は480mm/sとした。
第2現像器400Bは、現像剤が感光体に接触したときに1色目のトナー像を乱さないために、感光体の線速度を160mm/sに対して、現像剤担持体の線速度を208mm/sとして、感光体10との速度差を小さくする。さらに、樹脂キャリアを用いている。樹脂キャリアはポリメチルメタクリレート共重合体35部にマグネタイト65部を混合し、溶融混練後、微粉砕した磁性粉分散型のもので、平均粒径45μm、比重2.7のものである。比重がフェライト系キャリアより小さいため、1色目のトナー像に対する摺擦力が小さい。トナーは平均粒径約11μmの正帯電赤トナーを用いた。
【0024】
電位条件は、帯電電位Vhを−730V、第1画像部電位Vl1を−120V、第1現像バイアス電位Vb1をDC−450Vとし、一方、第2非画像部電位Vl2を−200V、第2現像バイアス電位Vb2をDC−350Vに設定した。
第1現像には現像剤としては、平均粒径約11μmの負帯電青トナーと平均粒径約85μmで、飽和磁化60emu/gのフェライト粒子に樹脂コーティングして抵抗値制御したものを使用した。現像剤中のトナー濃度は約4.0wt%であった。現像剤担体上の線速度は480mm/sとした。
【0025】
画像形成結果は、用紙の背景部に定着された2色目の樹脂キャリアがわずかに認められた。2lp/mmのラダーでは画像部である線に画像抜けがあり、線の周辺には著しいキャリア付着が生じた。
そこで、この実施例では、次に示すモード(キャリア排出用のモ−ド)を実行した(図8参照)。
1色目の潜像形成
第1現像器400Aを感光体10から離間させた状態で、第1の光り書き込み手段30AによりV11の強度で感光体10の全面に2lp/mmのラダー潜像を形成する。
2色目の潜像形成、およびキャリア排出
さらに、第2の光り書き込み手段300BによりVb2の強度で感光体の全面を露光して、第2現像器400Bを作用させる。
このとき、感光体10の電位V11と電位Vb2との電位差により第2現像器400Bのキャリアが感光体10に吸着される。
画像形成装置は転写工程を作用させず、記録紙Pも搬送させない。感光体1の回転に伴い付着したキャリアは、クリーナー70により感光体10から除去される。
このモードで3分間作用させてから、画像形成をしたところ、用紙の背景部には定着された2色目の樹脂キャリアは認められず、2lp/mmのラダーでは画像部である線に画像抜けもなく、線の周辺にもほとんどキャリア付着は認められなかった。
【0026】
反転現像、再帯電して反転現像を繰り返す通常のカラ−画像形成プロセスでは、1色目と同じプロセスを繰り返すので、1色目の静電潜像に対する現像工程を実行しなくとも、2色目の現像工程でキャリアを排出することがないが、上記のように、この実施例の画像形成装置による2色画像形成は、画像形成の前に付着しやすいキャリアを効率的に排出する工程を有しているので、ラダーや文字等のフリンジ電界が強くなる画像形成においても、キャリアの付着による画質欠陥、画像抜けがなく良好な画像を形成できる。
なお、実施例は接触現像方式の画像形成装置を示したが、2成分現像であるならば非接触現像方式の画像形成装置であっても同様の効果を有する。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明はトナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた画像形成において、現像剤担持体の電位に対して、静電潜像担持体にトナーを現像しない範囲の電位で、かつフリンジ電界を形成する静電潜像パターンを形成し、現像器を作用させることにより、キャリアのみを静電潜像担持体に吸着させた後、クリーニング手段により除去する工程を所定時間作動させることにより、現像器中から非画像部へ付着しやすいキャリアを効率よく効果的に排出できる。
そに結果、画像作成時には非画像部に付着するキャリアが減少し、キャリア付着による定着ロール表面への損傷、樹脂キャリアによる定着され画質欠陥の発生を防止する。さらに、キャリア付着による画像抜けが防止でき良好な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる画像形成装置の概要図。
【図2】 本発明にかかる現像器の断面図。
【図3】 現像器内の現像剤の状態の説明図。
【図4】 画像形成装置の作像プロセスを示す説明図。
【図5】 非画像部に付着しやすいキャリアを排出するモードの説明図。
【図6】 本発明にかかる2色画像形成装置の概要図。
【図7】 2色画像形成装置の作像プロセスを示す説明図。
【図8】 非画像部に付着しやすいキャリアを排出するモードの説明図。
【図9】 フリンジ電位の説明図。
【図10】 フリンジ電位の説明図。
【符号の説明】
1 感光体、 2 帯電器、 3 光り書き込み手段、 4 現像器、 5 転写帯電器、 6 剥離帯電器、 7 クリーナー、 8 除電ランプ、 40現像剤担持体、 41 現像剤撹拌手段、 43 現像剤供給手段、 401磁石ロール、 403 現像ロール、 P 記録紙。
Claims (10)
- 一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光を照射して、画像に対応した静電電位の差による静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像が現像剤担持体に対向したとき、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング工程を有する二成分現像剤を用いた画像形成方法において、
静電潜像形成工程は静電潜像担持体が現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位で、かつフリンジ電界を形成する画像による静電潜像を形成するキャリア排出用の潜像形成工程と、
現像剤担持体の電位に対してトナーが現像される範囲の電位差を有する電位差で、静電潜像を形成する画像形成用の潜像形成工程を有し、
キャリア排出用の潜像形成工程により形成される静電潜像は、現像剤担持体に対向したとき、二成分現像剤のキャリアを吸着することを特徴とする画像形成方法。 - キャリア排出用の潜像形成工程は画像形成用の潜像形成工程の実行前に所定の時間作動させてなる請求項1記載の画像形成方法。
- 一様帯電されている静電潜像担持体に複数の画像に対応した露光を順次照射して、静電電位の差による複数の静電潜像を順次形成する静電潜像形成工程と、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像をトナーにより順次現像する現像工程と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング工程を備え、
静電潜像形成工程は、第1の画像に対応した露光による第1の潜像形成工程と、第2の画像に対応した露光による第2の潜像形成工程を有し、第1の潜像形成工程がポジ露光の場合は第2の潜像工程がネガ露光、第1の潜像形成工程がネガ露光の場合は第2の潜像工程がポジ露光を実行し、
現像工程は第1の潜像工程で形成された潜像を正規現像あるいは反転現像する第1の現像工程と、第2の潜像形成工程で形成された潜像をトナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤で現像する第2の現像工程を有し、
第1の潜像形成工程においてはフリンジ電界を形成する静電潜像を形成すると共に、第1の現像工程は実行させず、第2の潜像形成工程においては静電潜像担持体を現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位とし、第2の現像工程を実行して二成分現像剤のキャリアを吸着させるよう構成してなる画像形成方法。 - 第2の現像工程は第1の現像工程が正規現像のときは反転現像、第1の現像工程が反転現像のときは正規現像を実行してなる請求項3記載の画像形成方法。
- 静電潜像担持体に吸着されたキャリアはクリーニング工程によりクリーニングされるよう構成されてなる請求項1,3記載の画像形成方法。
- 一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光照射して、画像に対応した静電電位の差による静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体を備えた現像手段と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング手段を備え、静電潜像が現像剤担持体に対向したとき、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像がトナーにより現像される二成分現像剤を用いた画像形成装置において、
静電潜像形成手段は静電潜像担持体が現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位で、かつフリンジ電界を形成する画像による静電潜像を形成するキャリア排出用の静電潜像形成手段と、
現像剤担持体の電位に対してトナーが現像される範囲の電位差を有する電位差で、静電潜像を形成する画像形成用の静電潜像形成手段を備え、
キャリア排出用の静電潜像形成手段により形成される静電潜像は、現像剤担持体に対向したとき、二成分現像剤のキャリアを吸着させるよう構成してなる画像形成装置。 - キャリア排出用の静電潜像形成手段は画像形成用の静電潜像形成手段の作動前に所定の時間作動させてなる請求項6記載の画像形成装置。
- 一様帯電されている静電潜像担持体に画像に対応した露光を照射して、静電電位の差による静電潜像を形成する複数の静電潜像形成手段と、現像剤担持体と静電潜像担持体上の静電潜像間の電位差により静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、静電潜像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング手段を備え、
静電潜像形成手段は、第1の画像に対応した露光による第1の潜像形成手段と、第2の画像に対応した露光による第2の潜像形成手段を有し、第1の画像に対応した露光がポジ露光の場合は第2の潜像形成手段はネガ露光、第1の画像に対応した露光がネガ露光の場合は第2の潜像形成手段はポジ露光を実行し、
現像手段は第1の潜像形成手段で形成された潜像を正規現像あるいは反転現像する第1の現像手段と、第2の潜像形成手段で形成された潜像をトナーおよび磁性キャリアからなる二成分現像剤で現像する第2の現像手段を有し、
第1の潜像形成手段においてはフリンジ電界を形成する静電潜像を形成すると共に、第1の現像手段は実行させず、第2の潜像形成手段においては静電潜像担持体を現像剤担持体の電位に対してトナーを現像しない範囲の電位差を有する電位とし、第2の現像手段を実行して二成分現像剤のキャリアを吸着させるよう構成してなる画像形成装置。 - 第2の現像手段は第1の現像手段が正規現像のときは反転現像、第1の現像手段が反転現像のときは正規現像を実行してなる請求項8記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体に吸着されたキャリアはクリーニング手段によりクリーニングされるよう構成されてなる請求項6,8記載の画像形成装置。
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