JP3670777B2 - カンチレバーの評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子間力顕微鏡等の走査型プロープ顕微鏡に用いるカンチレバーの固有振動数を検出して、特性を評価する評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カンチレバーの所定の共振周波数fで固有振動させながらカンチレバーを試料表面上に走査し、この走査により得た表面情報から画像を形成するものとして走査型プローブ顕微鏡がある。特開昭63−309802号公報には、尖った先端部を有した片持ちばりを原子間力が発生可能な距離まで、試料表面に近づけた状態で走査し、原子間力に影響されて生じる片持ちばりの振動の固有振動数からシフトを検出し、検出した振動数のシフトを片持ちばりの先端部と試料表面の距離を示す情報として使用することにより、試料表面の像を形成して、測定することが記載されている。
【0003】
このような片持ちばりが前記カンチレバーに相当し、また、固有振動数として走査型プローブ顕微鏡の測定時には、数十Hzから数百Hzまでの中で用途により特定の共振周波数fが用いられる。ところが共振周波数fは、多数個のカンチレバーをウエハーに作製した場合、カンチレバーの製造上、各カンチレバー毎に、あるいはカンチレバーを形成したウエハー毎にバラツキが出やすい。このため、特定の共振周波数fを有するカンチレバーのみを選別して使っているのが実情である。
【0004】
このような特定の共振周波数f1 を有するカンチレバーのみを選別する、即ち、各カンチレバーの固有振動数を検出して共振周波数f1 と一致するか否かを求める装置として、特開平6−201315号公報に記載されている走査型プローブ顕微鏡装置を用いることができる。図8および図9は、この装置を用いてカンチレバーの固有走査振動数を検出して評価する方法を示す。
【0005】
まず、図8に示すように、測定すべきカンチレバー131を接着剤、粘着剤、粘着テープ等によって実際の使用状態と略同じように加振圧電体132の下面に固定する。次いで、振幅検出部136を介して、加振圧電体132を可変周波数で駆動し、加振圧電体132に貼り付けられているカンチレバー131を振動する。カンチレバー131の振動振幅の変位はカンチレバー131の上部に構成されている変位検出器135で検出され、振幅検出部136により処理され、振幅量としてコンピュータ133へ出力される。
【0006】
図9に示すカンチレバー131の振動特性は、横軸に可変周波数、縦軸に振幅量をプロットし、順次可変周波数を変化させた時の振幅量を表している。図9よりカンチレバー131の特性、即ち特定の固有振動数を求め、走査型プローブ顕微鏡の測定時に必要となるカンチレバーの共振周波数f1 と一致しているか否かを評価する。この評価の結果、共振周波数f1 と一致しているときは使用可能とし、不一致のときは使用不可として選別していた。
【0007】
一方、このようにして選別された使用可能なカンチレバーを加振圧電体に貼り付け固定とした状態においてカンチレバーの尖った先端部と試料表面とを近づけすぎた場合など、操作上のミス等によりカンチレバーを破損することがあり、測定に先立って、カンチレバーの交換が必要となる。しかしながら、交換すべき新たなカンチレバーが所定の共振周波数f1 を有しているものであるか否かが不明であると、測定すべき試料を準備した後には、新たなカンチレバーについての特性を評価する必要があり、直ちに走査型プローブ顕微鏡による試料の測定ができない。このため、カンチレバーの破損があっても、所定の共振周波数f1 を有するカンチレバーに直ちに交換できるように多数個準備することが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来技術による走査型プローブ顕微鏡を用い、予めカンチレバーの特性を評価する場合には、カンチレバーを加振圧電体に接着剤等で固定する必要がある。
【0009】
また多数個の良好なカンチレバーを準備するため、他数個のカンチレバーを評価する場合は、加振圧電体の固定部位からカンチレバーを一旦剥がし、次段のカンチレバーと取り替える事が必要であり、剥がしたカンチレバーは変形により使用出来ない状態になる場合がある。また通常使われている半導体プロセスを使用して製作されたカンチレバーは、ウエハー上に複数形成されており、ウエハー上に形成されたカンチレバーの各々を評価するため、抜き取り評価としてウエハー上から1個単位でカンチレバーを複数個切り出し、切り取った1個ずつを加振圧電体に固定して、特性を評価し、全体の評価につなげる検査があるが、この場合にも、剥がしたカンチレバーが変形するので使用できなくなっていた。この為、全数検査、多量サンプルの抜き取り検査ができず、検査効率が悪い。また振動量が加振圧電体およびカンチレバーを保持している固定部分の振動特性に影響され、正確な評価ができないものとなっている。
【0011】
本発明は上記問題点を解決するものであり、請求項1の発明は、ウエハー上に複数形成されたカンチレバーに対し、各々加振する必要が無く、測定時の加振圧電体の脱着回数を減らして、複数個のカンチレバーを破壊せずに高速に評価できるカンチレバーの評価装置を提供することを目的とする。
【0012】
請求項2、3の発明は、上記に加え、ウエハーに複数形成されたカンチレバーに対し、さらに高精度でカンチレバーの評価ができるカンチレバーの評価装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、この支持部材に支持されたウエハー本体を支持する支持部材と、この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、この加振部材によって振動するカンチレバーの少なくとも1つのカンチレバーの自由端部に対向して、カンチレバーの振動を検出し、変位信号を出力する検出手段と、前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記検出手段からの変位信号が入力され、カンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、前記ウエハー本体を支持する支持部材を介して、ウエハーに形成された各カンチレバーの自由端部を前記検出手段の位置に移動させるステージと、を有することを特徴とする。
【0014】
この構造では、加振部材がウエハー本体上に固定もしくは当接して配置されており、加振部材の振動によってウエハー全体が振動し、この信号によってウエハーに形成されているすべてのカンチレバーが振動する。このため、加振部材を個々のカンチレバーに臨ませる必要がなくなり、評価を迅速に行うことができる。
【0015】
請求項2の発明は、カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、この加振部材によって振動するカンチレバーの固定端部に対向して固定端部の振動を検出し、変位信号を出力する第1の検出手段と、前記加振部材によって振動するカンチレバーの自由端部の振動を検出し、変位信号を出力する第2の検出手段と、前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記第1の検出手段からの変位信号と第2の検出手段からの変位信号とが入力され、これらの変位信号を差分してカンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、を有することを特徴とするカンチレバーの評価装置
【0016】
請求項3の発明は、カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、この加振部材によって振動するカンチレバーの振動を検出し、変位信号を出力する検出手段と、この検出手段がカンチレバーの固定端部に対向する第1の位置と自由端部に対向する第2の位置のいずれかに位置するように、前記検出手段と前記カンチレバーを相対的に移動させる移動手段と、前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記第1の位置にあるときの前記検出手段からの変位信号と前記第2の位置にあるときの前記検出手段からの変位信号とが入力され、これらの変位信号を差分してカンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、を有することを特徴とする。
【0017】
この構造は、カンチレバーの固定端部の振動および自由端部の振動の2つの振動情報によってカンチレバーの固有振動数を検出するため、正確な検出が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1はカンチレバーの1個単体の固有振動数を検出して、その特性を評価するための評価装置を示す。同図において、カンチレバー1はその固定端部1aが、支持部材としてのベース10の支持部10aに載置されると共に、その上側の面が下端に圧電素子6を取り付けた押圧部材としてのバネ2によって押圧されている。これによりカンチレバー1はベース10と圧電素子6との間に着脱自在に保持されている。
【0022】
図2(a)はウエハー59を示し、ウエハー本体60と、ウエハー本体60に形成された多数個のカンチレバー1とを備えている。カンチレバー1はウエハー本体60上にマイクロファブリケーション、マイクロマシニングからなる半導体製作技術をベースにして、微細形状に多数個を形成した後、このウエハー本体60より図2(b)で示す点線位置で1個単位で切り出したものである。このカンチレバー1は図2(b)で示す肉薄の先端側が探針5を有する自由端部1bとなっている。なお固定端部1a下面の段差は製造上で形成されるものである。
前記ベース10は、上述した支持部10aを上方に向けて突出した台座部10bと、台座部10bから上方に向けて立設した支柱部10cと、支柱部10cから屈曲して水平方向に伸びた水平部10dとを骨組みの基本構造としている。このベース10の水平部10dの下面にバネ2が配設され、これにより台座部10から突出する支持部10aに載置されたカンチレバー1の固定端部1aを圧電素子6を介して押圧しつつ挟持する構成となっている。
【0023】
このように、保持されたカンチレバー1の探針5の裏側には、自由端部1bから所定の間隔を有して、カンチレバー1の振動振幅を検出する変位センサー4aを有する検出部4が配設されている。この変位センサー4aは周知の光てこ法、ナイフエッジ法又は、臨界角検出法等の原理により作製されている。
【0024】
検出部4は、変位センサー4aで測定されたカンチレバー1の自由端部1bの振動振幅を変位信号として、周波数解析装置としてのスペクトラムアナライザー3に出力するように接続されている。スペクトラムアナライザー3は、カンチレバー1を振動させるための加振信号Aを加振部材としての圧電素子6に出力する。またスペクトラムアナライザー3はこのときの検出部4からの変位信号Bを受け取り、カンチレバー1の振動振幅および位相を計算する。この計算結果は表示部3aで表示される。
【0025】
この実施の形態では、ウエハー本体60から1個単位のカンチレバー1を図2(b)の点線位置で切り出す。次いで、カンチレバー1の固定端部1aをベース10の台座部10bから突出する支持部10aに載置する。そして、固定端部1aの反対側の面に対し、バネ2で付勢された圧電素子6を当接させ、押圧力によりカンチレバー1を支持する。
【0026】
次いでスペクトラムアナライザー3から圧電素子6に対し、周波数を順次変化させながら加振信号Aを印加する。この加振信号Aによりカンチレバー1の自由端部1bは周波数毎に対応した振動を行う。この周波数ごとの振動を変位センサー4aで測定し、かつ検出部4において各周波数の振動振幅に対応した変位信号Bが得られる。この変位信号Bがスペクトラムアナライザー3に出力されて、各周波数に対応した振動振幅が計算される。そしてスペクトラムアナライザー3によって振動状態の最大値が求められ、カンチレバー1の共振周波数が求められ、この数値が表示部3aに表示される。
【0027】
(実施の形態2)
図4は実施の形態2を示し、骨組みの構造が略コ字状のベース10の台座部にステージ12が固定されている。このステージ12には、上部に円錐状のゴム11を配した支柱18を少なくとも3本立設し、各ゴム11の錐頂部を介して少なくとも3点で接することによりウエハー59のウエハー本体60を保持する。ゴム11は圧電素子6によるウエハー本体60の振動を減衰しないようにするためのものである。ステージ12は、クロスステージで構成することにより、X,Y方向に移動可能である。
【0028】
ウエハー本体60上には、図2に示すように複数個のカンチレバー1が形成されている。カンチレバー1はマイクロファブリケーション、マイクロマシニングとからなる半導体デバイス作成技術をベースに微細形状に加工されている。このカンチレバー1はその接続部がウエハー本体60に連設するが、側面および先端側はウエハー本体60と分離されている。そして、カンチレバー1は先端側がさらに3角形状に肉抜きされ且つ肉薄にされた自由端部1bと、自由端部1bよりも肉厚にされて前記3角形状部分を支持する固定端部1aとから構成されている。なお、拡大図(b)で示す点線位置でウエハー本体60から切断されたカンチレバー1は、走査型プローブ顕微鏡の加振圧電体に貼り付けられることになる。
【0029】
カンチレバー1の自由端部1bは先端に探針5を設けた長さ500〜2000μm、幅200μmの窒化シリコンからなり、固定端部1aは、シリコン又はパイレックスからなる。カンチレバー1の固定端部1a上部にはカンチレバーを振動させるための加振部材として、ゴム7に保持された圧電素子6が設けられている。ゴム7は上下に移動可能なローラステージを有するステージ9に支えられて圧電素子6をZ方向に移動可能としている。
【0030】
ステージ9はベース10の水平部10dに固定された取り付け板61に取り付けられている。ファイバー13は、カンチレバー1の自由端部1bの下部に配置され、これによりカンチレバー1の自由端部1bの振動振幅を測定する。このファイバー13は、ファイバーセンサ14を介して振動振幅を振動信号Bとして出力する。スペクトラムアナライザー3は、加振信号Aを圧電素子6に出力し圧電素子6を振動させると共に、この時の振動信号Bを入力するようにファイバーセンサ14に接続されており、振動振幅および位相を計算する、周波数解析装置として機能する。また、このスペクトラムアナライザー3は計算結果の表示部3aを有している。
【0031】
この実施の形態では、ステージ12は、ウエハー本体60全体をX,Y方向で移動させ、圧電素子6をカンチレバー1の固定端部1a上部に位置決めするように操作する。ステージ9を下降し、圧電素子6をカンチレバー1の固定端部1aに押圧する。この時、ゴム7は押圧する圧力がカンチレバー1に急激に作用しないようにする緩衝材の働きをする。
【0032】
圧電素子6はスペクトラムアナライザー3の加振信号Aにより加振され、この圧電素子6が接触しているカンチレバー1は、加振信号Aの周波数で振動する。振動振幅は、カンチレバー1の自由端部1b下部に位置するファイバー13により検出され、ファイバーセンサ14により電気信号としての振動信号Bとなる。カンチレバー1の周波数特性を得るため、スペクトラムアナライザー3は加振信号Aの周波数を順次変化させてカンチレバー1を加振し、同時にカンチレバー1の自由端部1bの振動信号Bの振幅および位相を順次検出し、これを表示部3aで表示する。
【0033】
またスペクトラムアナライザー3は、上記周波数を順次変化させ振幅および位相を検出する方法とは別に、ランダム信号を出力し、入力信号をフーリエ解析する機能を有している。従ってランダム信号により圧電素子6を加振し、振動信号Bをフーリエ解析しても同様の結果が得られる。
【0034】
このような実施の形態では、ウエハー本体60にカンチレバー1が一体化している状態で、カンチレバー1の特性を評価できるので、従来のように加振圧電体の固定部からの剥がし取りの工程が必要なくなる。このため評価したカンチレバー1に対して変形を与えることなく、良好な特性を有する多数のカンチレバーを準備することができる。よってウエハーのカンチレバーの全数検査や多量の抜き取り検査を行うことができるとともに、振動量が加振圧電体およびカンチレバーを保持している固定部位の振動特性に影響されない正確な評価ができる。即ち、カンチレバーの固定端部を直接加振するため、高周波で加振でき、高い共振周波数を持ったカンチレバーの評価が行える。
【0035】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3を示す。ベース10に固定されたステージ12には、3箇所に均等配した円錐状のゴム11が直接固定され、ゴム11を介して3点で接することにより、図2に示すウエハー59のウエハー本体60を保持する。なお、ゴム11は4個以上を均等配に保持してもよい。ステージ12は、クロスローラステージ等で構成されており、X,Y方向に移動可能である。
【0036】
ウエハー59には、図2に示すように複数個のカンチレバー1が形成されている。これはマイクロファブリケーション、マイクロマシニングからなる半導体デバイス作成技術をベースに微細形状に加工される。
【0037】
カンチレバー1の自由端部1bは、先端に探針5(図2参照)を設けた長さ500〜2000μm、幅200μmの窒化シリコンからなり、固定端部1aは、シリコン又はパイレックスからなる。
【0038】
ベース10の水平部に取り付けられる変位センサ51はカンチレバー1の自由端部1bの上部に設けられ、自由端部1bの振動振幅を検出し振動信号Bを出力する。変位センサ51は、光てこ法、ナイフエッジ法又は臨界角検出法等を利用して作られた光変位センサで構成することができる。
【0039】
加振部材としての圧電素子52は、カンチレバー1の基部であるウエハー本体60上に取り付けられ、加振信号Aに従い圧電素子52を振動させる事によりウエハー本体60全体が加振する。スペクトラムアナライザー3は、加振信号Aを圧電素子52に出力して、圧電素子52を振動させると共に、この時の振動信号Bが入力されて振動振幅および位相を計算する。圧電素子52のウエハーへの取り付けは粘着剤による取り付け、あるいは、実施の形態2で示したゴム7とステージ9による取り付けが可能である。
【0040】
この実施の形態では、ステージ12はウエハー本体60全体を移動させ、変位センサ51をカンチレバー1の自由端部1b上部に位置決めする。変位センサ51から出射する検出光は、カンチレバー1の自由端部に当てられ、圧電素子52により振動させられるカンチレバー1の自由端部1bにおける変位を検出している。即ち、圧電素子52は、スペクトラムアナライザー3により出力される加振信号Aにより振動させられる。この振動は、ウエハー本体60全体に伝わって、結果的にカンチレバー1の自由端部1bを振動させる。このとき、ゴム11は、ウエハー本体60の振動を減衰しないように機能する。カンチレバー1の自由端部1bの振動振幅は、変位センサ51により検出され、電気信号としての振動信号Bを出力する。カンチレバー1の周波数特性を得るために、スペクトラムアナライザー3は加振信号Aの周波数を順次変化させてウエハー本体60を加振し、同時にカンチレバー1の自由端部1bの振動信号Bの振幅および位相を順次検出し、表示部3aで表示する。
【0041】
またスペクトラムアナライザー3は、上記周波数を順次変化させ振幅および位相を検出する方法とは別に、ランダム信号を出力し、入力信号をフーリエ解析する機能を有している。従って、ランダム信号により圧電素子52を加振し、振動信号Bをフーリエ解析しても同様の結果が得られる。
【0042】
この実施の形態では、ウエハー本体60全体を加振するため、各々個別に加振部を取付ける必要が無く、装置構成が簡略化できると共に加振部を取り付ける手順が一度で済むため測定時間が短縮できる。また加振部材である圧電素子52を比較的強固なウエハー本体60上に取り付けることにより、非常に壊れやすいカンチレバー1への接触が必要無くなり、操作性が向上すると共に、カンチレバーを安全に評価できる。
【0043】
(実施の形態4)
図7は本発明の実施の形態4を示す。ベース10に固定されたステージ12には、3箇所に均等に配した円錐状のゴム11が直接固定され、ゴム11を介して3点で接することにより、図2に示すウエハー59のウエハー本体60を保持している。なお、ゴムは4個以上でウエハーを保持してもよい。ステージ12は、クロスステージ等からなり、X,Y方向に移動可能である。
【0044】
ウエハー59のウエハー本体60上には、図2に示すように複数個のカンチレバー1が形成されている。これは、マイクロファブリケーション、マイクロマシニングからなる半導体デバイス製作技術をベースに微細形状に加工することができる。カンチレバー1の自由端部1bは、先端に探針5を設けた長さ500〜2000μm、幅200μmの窒化シリコンからなり、固定端部1aは、シリコン又はパイレックスからなる。
【0045】
ファイバーセンサ23に接続されているファイバー22の一端はカンチレバー1の自由端部1bの上部に隙間を設けて配置され、これにより自由端部1bの振動振幅を測定するとともにファイバーセンサ23より振動信号Cを出力する。
【0046】
ファイバーセンサ24に接続されているファイバー21の一端はカンチレバー1の固定端部1aの上部に隙間を設けて配置し、固定端部1aの振動振幅を測定するとともに、ファイバーセンサ24より振動信号Dを出力する。圧電素子52は、カンチレバー1の基部を構成しているウエハー本体60上に取り付けられ、振動することによりウエハー本体60全体を加振する。
【0047】
スペクトラムアナライザー3は、加振信号Aを圧電素子52に印加して、圧電素子52を振動させると共に、この時の振動信号CおよびDが入力されることによりカンチレバー1の振動振幅および位相を計算する。さらに、このスペクトラムアナライザー3は、両者の振幅、位相を周波数軸上で差分し、カンチレバー1の自由端部1bだけの振動特性を得る機能を有している。
【0048】
上記構成において、ステージ12はウエハー本体60全体を移動させ、ファイバーセンサ22の一端およびファイバーセンサ21の一端のそれぞれをカンチレバー1の自由端部1bの上部および固定端部1aの上部に位置決めする。圧電素子52は、加振信号Aにより振動し、ウエハー本体60全体にこの振動を伝え、結果としてカンチレバー1を振動させる。この時ゴム11は、ウエハー本体60の振動を減衰しないように機能する。
【0049】
カンチレバー1の自由端部1bの振動状態は、圧電素子52の振動特性およびその固定端部1aおよびウエハー本体60およびこれを保持しているゴム11等の振動特性がカンチレバー1の自由端部1bの振動特性に含まれている。カンチレバー1の自由端部1bの振動特性だけを外乱より分離し検出するため、スペクトラムアナライザー3は加振信号Aの周波数を順次変化させて、カンチレバー1を加振すると同時に、固定端部1aの振動をファイバー21で検出し、さらに自由端部1bの振動をファイバー22で検出し、振幅、位相情報を得る。両者の振幅、位相を周波数軸上でスペクトラムアナライザー3により差分することによりカンチレバー1の自由端部1bだけの振動特性を得ることができる。
【0050】
スペクトラムアナライザー3は、上記周波数を順次変化させ接続および位相を検出する方法とは別に、ランダム信号を出力し、入力信号をフーリエ解析する機能を有している。従って、ランダム信号により圧電素子52を加振し、振動信号CおよびDをフーリエ解析しこれらの差を計算しても同様の結果が得られる。
【0051】
この実施の形態では、自由端部と固定端部の振動を検出するためファイバー22および21を配置したが、ファイバー21の一端を自由端部および固定端部にスライド移動させる機構を設けても良く、これにより1本のファイバーだけでも同様の効果が得られる。
【0052】
この実施の形態では、カンチレバー1の固定端部の振動特性と自由端部の振動特性を同時に検出し、差分を取るため、正確な評価ができる。またカンチレバー以外の振動特性を固定端部の信号でキャンセルできるため高精度で安定したカンチレバー評価が可能になる。
【0053】
なお、図7では、ウエハー本体60に圧電素子52を粘着剤によって取り付けているが、実施の形態2で示したように、ウエハー内の1個のカンチレバーの固定端部に対して直接に圧電素子を接触させ且つこの圧電素子をゴム7を介してステージ9により押圧し、ゴム11との間でウエハー本体60あるいはカンチレバー1を支持してもよい。
【0054】
なお、以上の実施の形態では、カンチレバーあるいはウエハーは水平状態にしてゴムで支えているが、これに限らず、垂直状態にして支えて実施することもできる。例えば図1に対しては、図3で示すように、カンチレバー1を支持する支持部10aの形状を、カンチレバーの固定端部1aの一面側とカンチレバー1の後端面とを支持するL字形の屈曲形状とすることにより、他の構成をそのままにして測定が可能となる。
【0055】
また図4に対しては、図5で示すように、ステージ12上に、ウエハー本体60の外周側面を支持するための支持用受け部材62を追加する。この支持用受け部材62の底面62aによってウエハー59の落下を防止するとともに、各支柱18のゴム11に対して、ウエハー59を押圧し固定するように、支持用受け部材62の凹部内にバネ63を配し、バネ63に取り付けたレバー64を設けている。このレバー64の進退操作によりバネ63による付勢を解除し、ウエハー59を着脱自在にする。
【0056】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明によれば、複数個のカンチレバーを同時に加振するため、カンチレバーに直接接触せずに複数個のカンチレバーを高速に評価できる。
【0057】
請求項2、3記載の発明によれば、カンチレバーの固定端部と自由端部の振動を検出して周波数解析した後、両者を差分する信号処理部を設けたことにより、カンチレバーの振動特性を高精度に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の側面図である。
【図2】本発明のウエハーの斜視図、(b)はカンチレバーの斜視図である。
【図3】実施の形態1の変形例の側面図である。
【図4】実施の形態2の側面図である。
【図5】実施の形態2の変形例の側面図である。
【図6】実施の形態3の側面図である。
【図7】実施の形態4の側面図である。
【図8】従来装置の側面図である。
【図9】カンチレバーの振動特性図である。
【符号の説明】
1 カンチレバー
2 バネ
3 スペクトラムアナライザー
4 検出部
5 探針
6 圧電素子

Claims (3)

  1. カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、
    多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、
    この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、
    この加振部材によって振動するカンチレバーの少なくとも1つのカンチレバーの自由端部に対向して、カンチレバーの振動を検出し、変位信号を出力する検出手段と、
    前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記検出手段からの変位信号が入力され、カンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、
    前記ウエハー本体を支持する支持部材を介して、ウエハーに形成された各カンチレバーの自由端部を前記検出手段の位置に移動させるステージと、
    を有することを特徴とするカンチレバーの評価装置。
  2. カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、
    多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、
    この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、
    この加振部材によって振動するカンチレバーの固定端部に対向して固定端部の振動を検出し、変位信号を出力する第1の検出手段と、
    前記加振部材によって振動するカンチレバーの自由端部の振動を検出し、変位信号を出力する第2の検出手段と、前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記第1の検出手段からの変位信号と第2の検出手段からの変位信号とが入力され、これらの変位信号を差分してカンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、
    を有することを特徴とするカンチレバーの評価装置。
  3. カンチレバーの固有振動数を検出し、その特性を評価するカンチレバーの評価装置において、
    多数のカンチレバーの各固定端部をそれぞれウエハー本体に接続した状態で形成されたウエハーの前記ウエハー本体を支持する支持部材と、
    この支持部材に支持されたウエハーの一面側における前記ウエハー本体上に固定もしくは当接して配置され、ウエハー本体を介して各カンチレバーを振動させる加振部材と、
    この加振部材によって振動するカンチレバーの振動を検出し、変位信号を出力する検出手段と、
    この検出手段がカンチレバーの固定端部に対向する第1の位置と自由端部に対向する第2の位置のいずれかに位置するように、前記検出手段と前記カンチレバーを相対的に移動させる移動手段と、
    前記加振部材に加振信号を出力すると共に、前記第1の位置にあるときの前記検出手段からの変位信号と前記第2の位置にあるときの前記検出手段からの変位信号とが入力され、これらの変位信号を差分してカンチレバーの固有振動数を検出する周波数解析装置と、
    を有することを特徴とするカンチレバーの評価装置。
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