JP3670595B2 - 自動車のグローブボックス構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のインストルメントパネルに設けられるグローブボックスの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の自動車のグローブボックス構造として、例えば、特開2000−85481号公報に開示されるように、インストルメントパネルに開口するようにグローブボックスを設け、該グローブボックスの開口部を開閉するリッドをヒンジによって該開口部の上縁に支持し、さらにこのリッドにアームを設けたものが知られている。このアームは、リッドの裏面における上下方向の略中央部から突出して、前記グローブボックスの開口部の側縁近傍に形成された矩形の貫通孔に向かって延びていて、該貫通孔に挿入されたアームの先端部には、リッドが開放位置となるまで回動したときにそれ以上の開放側への回動を規制するストッパが一体的に形成されている。
【0003】
前記アームのストッパは、全体として鏃(やじり)形状とされていて、アームの先端部から該アームの延びる方向に突出する突片と、この突片の先端から該突片の基端側へ向かって互いに離れるように傾斜して延びる一対の係合片とからなる。そして、リッドの組み付け時には、前記ストッパの係合片をそれぞれ突片側へ弾性変形させながら、グローブボックスの貫通孔へ容易に挿入することができる。一方、組み付け後にリッドを開方向へ操作すると、アームが貫通孔に対して移動していき、該リッドが開放位置となったときに前記ストッパの係合片の端部が貫通孔の周縁裏面部に係合する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の自動車のグローブボックス構造においては、リッドを開放位置からさらに開くように大きな荷重が作用したときに、ストッパの係合片がそれぞれ突片から離れるように大きく折れ曲がってしまい、該ストッパが貫通孔から離脱する虞れがある。このことに対して、係合片ないし突片の剛性を高めることが考えられるが、こうすると、組み付け時におけるストッパの貫通孔への挿入が難しくなり、リッドの組み付け性が悪化するという不具合が生じる。
【0005】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リッドの開放位置を設定するストッパの形状に工夫を凝らして、該リッドの組み付け性を損なわずに、該ストッパの信頼性を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、リッドのアーム先端のストッパを三角形の枠状として、その底辺部を2つに分割するとともに、アームの先端側を二股に分岐させてそれぞれストッパの底辺部に連繋させ、グローブボックスの開口部の側縁に設けられた貫通孔に前記ストッパを挿入する際に、前記底辺部とアームの先端側とが互いに重なるように折り畳まれるようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、インストルメントパネルの車室側に開口部を有するグローブボックスと、該グローブボックスの前記開口部の下端縁部に回動自在に支持されて、該開口部を開閉するリッドと、該グローブボックスの開口部の側縁に設けられた貫通孔と、前記リッドの裏面から該リッドの閉じる方向に延び、前記貫通孔に挿入されたアームと、該アームの先端部に設けられ、前記リッドが開放位置にあるときに前記貫通孔の周縁裏面部と係合して該リッドの開放位置を設定するストッパとを備えた自動車のグローブボックス構造を前提とする。
【0008】
そして、前記ストッパは、前記リッドの閉じる方向に頂点部を有しかつリッドの開く方向に底辺部を有するとともに内部に空間部が形成された略三角形の枠状とし、該ストッパの底辺部を長さ方向の中央部分において2つに分割し、かつこの分割された底辺部の内端にそれぞれ連繋するようにアームの先端を二股に分岐して二股部を形成し、さらに、該二股部とストッパの底辺部との連繋部分を前記ストッパの枠内の空間部側に偏位させ、かつこの連繋部分に薄肉ヒンジ部を形成する構成とする。
【0009】
この構成によれば、アームの二股部とストッパの底辺部との連繋部分が前記ストッパの枠内の空間部側に偏位しているので、リッドの組み付け時に貫通孔へストッパを挿入する際、該ストッパの底辺部及びアームの二股部が、薄肉ヒンジ部を境に互いに重なるように折り畳まれることになり、枠状のストッパをすぼめて、貫通孔へ容易に挿入することができる。一方、このようにしてアームを貫通孔へ挿入した状態でリッドを開方向へ操作すると、該リッドが開放位置になったときにストッパの底辺部が貫通孔の周縁裏面部と係合して、リッドが保持されるようになる。そして、この状態でリッドに対し開方向への荷重が作用したときには、ストッパに加わる荷重はその底辺部だけに集中せず、枠状のストッパ及び二股部を全体として拡げるように作用して、該ストッパ及びアームの二股部に分散するようになり、このことで、該ストッパの破損やアーム(ストッパ)の貫通孔からの抜けを防止して、リッドを開放位置に確実に保持することができる。つまり、ストッパやアームの二股部の剛性を過度に高めることなく、即ちリッドの組付性を損なわずに、ストッパの信頼性を高めることができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記アームをリッドの裏面における車幅方向一側に設ける一方、該リッド裏面の他側には前記グローブボックス内に格納可能なリッド側ボックスを一体的に設け、該リッド側ボックスの車幅方向他側の側壁部外面から車幅方向外方に突出する突出部を設ける一方、前記側壁部外面と対向するグローブボックスの側壁部には、前記リッドが開放位置にあるときに前記突出部と係合して、該リッドのそれ以上の開放側への回動を規制する係合部を設けるものとする。
【0011】
このことで、リッドが開放位置にあるときには、該リッドの車幅方向一側において前記アームのストッパが該リッドの回動を規制するとともに、他側においてリッド側ボックスの突出部が係合部と係合して該リッドの回動を同様に規制することになる。これにより、例えば、リッド側ボックスに物品を収納した状態でリッドを開放する場合のように、リッドに対して開方向への大きな荷重が作用しても、リッドの車幅方向両側が車体前後方向にずれることなく該リッドを車幅方向両側において確実に安定して保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係るインストルメントパネル1を示す斜視図であり、このインストルメントパネル1は、図の左側の部分が車体の左側、図の右側の部分が車体の右側にそれぞれ位置するように、車室の前端側に配設されるものである。尚、この明細書では、単に前側といえば車体前側を、単に後側といえば車体後側をそれぞれ表すものとする。
【0014】
前記インストルメントパネル1の左側の下部には、物品を収納するグローブボックス2が配設されており、このグローブボックス2は、車室に臨むように矩形状の開口部が形成された箱状のもので、全体が樹脂材料からなる一体成形品とされている。さらに、このグローブボックス2の上壁部2aの後端には、車幅方向に並んで3つの取付孔8,8,8が形成されており、この取付孔8,8,8にそれぞれ図示しないファスナーを挿入して、該グローブボックス2をインストルメントパネル1に取り付けるようになっている。また、該グローブボックス2の開口部はその下端部に支持されたリッド3によって開閉される。
【0015】
前記グローブボックス2の前壁部2bには、図2に示すように、左側約半分が右側に比べて前側に深くなるように段部が形成されている。すなわち、前壁部2bの左側の部分がグローブボックス2の前端に位置付けられていて、この左側前壁部2cは、その右縁部から後方へ向かってグローブボックス2の前後方向略中央部分まで延びる中間壁部2dと連続し、さらにこの中間壁部2dは、その後縁部からグローブボックス2の右側壁部2fまで延びる右側前壁部2eと連続している。
【0016】
また、前記グローブボックス2の後端における開口部の全周縁部には、外方へ延出するフランジ部4が形成されている。該フランジ部4の左側フランジ部4aにおける上下方向の略中央部には、詳細は後述するが、前記リッド3から円弧状をなして延びるアーム5が挿入される上下方向に長い矩形の貫通孔6が形成されている。また、グローブボックス2の下壁部2gの後縁部分には、左右方向の両端側においてそれぞれ下側フランジ部4bに亘る切欠部9,9が形成されている。そして、この切欠部9,9内にそれぞれ左右方向に延びる一対の支軸7,7が配設されていて、該支軸7,7が前記リッド3の下端部を回動自在に支持している(図2及び図3参照)。
【0017】
前記リッド3は、共に樹脂材料からなるアウタパネル10とインナパネル11とを有し、図3に示すように、前記グローブボックス2の開口部を閉じた状態で、該アウタパネル10はリッド3の後側に位置してその後面がインストルメントパネル1の表面と連続する一方、インナパネル11は該アウタパネル10の前側に固定されてリッド3の裏面を構成している。
【0018】
前記リッド3のアウタパネル10は、板状の一体成形品とされ、その全周縁部に亘ってインナパネル11側へ突出する周壁部12が形成されている。また、アウタパネル10の左側における周壁部12の上下方向略中央部分に連なるように突出する矩形の台部13が形成され、この台部13から、前記したグローブボックス2の貫通孔6へ挿入されるアーム5が一体的に延びている。
【0019】
一方、前記リッド3のインナパネル11は、前記アウタパネル10の周壁部12の内側に嵌合するように板状に形成され、図示しないが、前記アウタパネル10の台部13に対応する位置に、該台部13と嵌合する形状を有する切欠部が形成されている。さらに、該インナパネル11のアウタパネル10側の面には上下方向及び左右方向にそれぞれ延びる複数のリブ(図示せず)が突設され、それらのリブの先端部分にはアウタパネル10側へ突出する凸片が形成されており、振動溶着機を用いてこの凸片をアウタパネル10に溶着することによってアウタパネル10とインナパネル11とを一体化している。
【0020】
また、前記インナパネル11の右側には、リッド3を閉じた状態で前記グローブボックス2内に格納されるように、上部から下部に亘って前方へ膨出する膨出部15が形成されている。この膨出部15は、リッド3の閉状態のとき、左右方向から見て、グローブボックス2の前記右側前壁部2e近傍における上下方向の略中央に頂点部が位置し、アウタパネル10側に底辺が位置するような大略三角形状の断面を有するとともに、上下方向から見て、上部から下部に亘って略矩形状の断面を有するように形成されている。さらに、この膨出部15は、上側及び後側にそれぞれ略矩形状の開口部16、17を有し、この上側開口部16と後側開口部17との境界部分はインナパネル11の上縁部分によって区切られている。前記後側開口部17は、アウタパネル10とインナパネル11とを前記の如く一体とした状態で該アウタパネル10によって閉塞されるように位置付けられており、このことで、前記膨出部15は、上側のみに開口部16を有する箱状のリッド側ボックス15となり、該開口部16から小物の収納物品をリッド側ボックス15に出し入れする。
【0021】
また、前記リッド側ボックス15の上部には、図示しないが、このリッド3を閉じた状態でインストルメントパネル1側に設けられたストライカーと係合して、該リッド3を閉状態とするロック機構が配設されている。このロック機構の配設部20は、前記膨出部15の上側開口部16と後側開口部17との境界部分から下方に矩形状に突出する箱状に形成され、この内部に前記ロック機構が取付られている。さらに、前記アウタパネル10におけるインナパネル11のロック機構配設部20に対応する部分には、前記ロック機構配設部20と連通する開口部21が形成されていて、車室側から前記ロック機構の操作が行えるようになっている。
【0022】
また、前記のようにアウタパネル10及びインナパネル11からなるリッド3は、該インナパネル11の下端部においてグローブボックス2の前記一対の支軸7,7に対応する部位にそれぞれ一体的に設けられた軸受部22,22によって支持されている。この軸受部22,22は下方に開放する開放部を有するC字形状とされ、その開放部の内寸は前記支軸7,7の外径よりも小さくされている。
【0023】
次に、前記リッド3からグローブボックス2の貫通孔6へ向かって延びるように設けられたアーム5について、主に図4及び図5に基づいて説明すると、該アーム5は、略矩形状の断面を有するとともに、左右方向から見て、全体として前記リッド3の支軸7を中心とする円弧状に延びるように形成されており、リッド3の開閉に伴って該貫通孔6内をその貫通方向に移動する。さらに該アーム5には、その左側面に開口する断面コ字形状の2つの溝部23,23が、互いに隣接した状態で該アーム5の基端部から先端部に亘ってそれぞれ形成されている。
【0024】
また、前記アーム5の先端部には、リッド3が前記支軸7,7周りに開放側へ回動されて開放位置となったときに、前記グローブボックス2の貫通孔6の周縁裏面部6aと係合してリッド3のそれ以上の開放側への回動を規制するストッパ25が一体に設けられている。ここで、このアーム5とストッパ25との連繋部分の構造について、まず、アーム5の先端側について説明する。該アーム5の先端側は、分岐して二股部26,26が形成されていて、この二股部26,26の内側の部分は、図4に示すように左右方向から見て、基端側から先端側に向かって略中央部分までは徐々に拡がっていて比較的急に傾斜するV字状部26aが形成される一方、そこから先の先端側の絞り部26bは先端側に向かって互いに若干、接近するように形成されている。
【0025】
また、前記二股部26,26の外側の部分は、基端側から先端側に向かって略前記V字状部26a対応部分まで互いに略平行に延びるように形成されており、そこから先の先端側の部分は先端側ほど互いに接近するように形成されている。従って、前記アーム5の各二股部26は、先端側ほど薄肉とされている。
【0026】
そして、この二股部26,26に前記ストッパ25が一体的に形成されていて、該ストッパ25は全体として、アーム5の延びる方向、即ちリッド3の閉じる方向に頂点部27を有し、反対にリッド3の開く方向に底辺部28を有するとともに、内部に空間部25aが形成された三角形の枠状とされている。
【0027】
前記ストッパ25の底辺部28は、その長さが前記グローブボックス2の貫通孔6の長手方向の寸法よりも長くされ、かつ長さ方向の中央部分において2つに分割されている。そして、その分割された各底辺部28は、その内端側が薄肉に形成され該内端が前記アーム5の二股部26の先端に連繋されていて、左右方向から見ると、連繋部分は前記三角形の枠内の空間部25a側に偏位しかつ薄肉ヒンジ部30,30を構成しており、底辺部28,28と二股部26,26とが重なるように折り畳み可能となっている。また、該底辺部28,28が二股部26,26に対して傾斜した状態とされているため、両者を容易に折り畳むことができる。
【0028】
さらに、前記ストッパ25の一対の底辺部28,28の外端には、それぞれストッパ25の斜辺部31,31の外端が連繋し、この一対の斜辺部31,31がストッパ25の先端側に向かって互いに接近するように傾斜して延びていて、該一対の斜辺部31,31が互いに連繋する部分が前記ストッパ25の頂点部27となっている。このように形成されたストッパ25は、前記リッド3が開放位置にあるときに、一対の底辺部28,28の外端がそれぞれ前記グローブボックス2の貫通孔6の周縁裏面部6aと係合して、該リッド3を開放位置で保持するようになる。
【0029】
また、前記リッド側ボックス15の右側壁部15aにおける前端近傍には、リッド3の右側において該リッド3の開放位置を設定するために、該右側壁部15aの外面から外方に突出する円形状の突出部40が形成されている。一方、前記グローブボックス2の右側壁部2fには、リッド3の支軸7周りの回動に伴う前記リッド側ボックス15の突出部40の回動軌跡に沿うように長く延びる円弧状のスリット41が形成され、このスリット41に前記突出部40が挿入されるようになっている。このスリット41の後端縁は、リッド3が前記アーム5のストッパ25によって開放位置に保持されるときにリッド側ボックス15の突出部40が係合するように形成されており、該突出部40の係合により、前記アーム5のストッパ25と同様にリッド3が開放位置にあるときにそれ以上の開放側への回動が規制される。
【0030】
次に、前記リッド3のグローブボックス2への組み付けについて説明すると、まず、グローブボックス2の支軸7,7の上方にリッド3の軸受部22,22の開放部を位置付けて、該軸受部22,22を支軸7,7側へ押圧することによって該軸受部22,22を弾性変形させて該支軸7,7を軸受部22,22に嵌合させる。続いて、前記アーム5先端のストッパ25を前記グローブボックス2の貫通孔6の後側に位置付け、そこから前方へリッド3を回動させてストッパ25を貫通孔6へ挿入していく。
【0031】
このときに、図6(a)に示すように、ストッパ25の一対の斜辺部31,31が貫通孔6の上縁及び下縁にそれぞれ当接して、ストッパ25の頂点部27を支点としてそれぞれ底辺部28側の部分が互いに接近するように弾性変形し、前記一対の底辺部28,28とこれに連繋された二股部26,26とが薄肉ヒンジ部30,30によって互いに重なり合うように折り畳まれる。つまり、ストッパ25を上下方向にすぼませて容易に該貫通孔6へ挿入できる。このストッパ25の挿入と略同時に、前記グローブボックス2の右側壁部2fのスリット41に前記リッド側ボックス15の突出部40を挿入する。このようにしてグローブボックス2に組み付けられたリッド3は、支軸7周りに回動して該グローブボックス2の開口を開閉し、また、閉状態にあるリッド3を前記したロック機構によって固定できる。
【0032】
一方、前記リッド3のロック機構を解除し該リッド3を支軸7周りに回動させ、該リッド3が開放位置となったときには、前記アーム5のストッパ25とリッド側ボックス15の突出部40とが、それぞれ前記の如くグローブボックス2の貫通孔6と右側壁部2fにおけるスリット41の後縁部と係合して、該リッド3の左右方向両側が開放位置で保持される。
【0033】
この開放位置にあるリッド3に対して開方向への過大な荷重が作用すると、ストッパ25の底辺部28,28が貫通孔6の周縁裏面部6aから押圧力を受けて、図6(b)に示すように、分割された一対の底辺部28,28が互いに離間するように弾性変形するとともに、斜辺部31,31は頂点部27を支点としてその底辺部28側がそれぞれ互いに離間するように弾性変形することにより、ストッパ25の底辺部28側が全体として拡がり、貫通孔6からの抜けが防止できる。また、このようにストッパ25の底辺部28側が変形することによって、二股部26,26に対してもその先端部分に対して該先端部分を互いに離間させるような力が作用するようになる。すなわち、ストッパ25の底辺部28,28が受ける押圧力をストッパ25の斜辺部31,31及びアーム5の二股部26に分散させて、ストッパ25の破損やアーム5の貫通孔6からの脱落を防止できる。
【0034】
また、前記の如くリッド3の左側が開放位置で保持されているときに、該リッド3の右側において前記リッド側ボックス15の突出部40とグローブボックス2の右側壁部2fのスリット41とが係合しているので、前記リッド3の左右両側において該リッド3の回動を規制して、前記した過大な荷重が作用したときにリッド3の変形を防止して確実に保持できる。
【0035】
以上説明したように、この実施形態では、リッド3の組み付け時においてストッパ25をグローブボックス2の貫通孔6に挿入する際、ストッパ25の底辺部28,28とアーム5の二股部26とが薄肉ヒンジ部30,30によって重なり合うように折り畳まれるので、該リッド3の組み付けを容易に行うことができる。一方、開放状態にあるリッド3に対し開方向への荷重が作用したときには、該リッド3を左右両側で安定して保持できるとともに、ストッパ25に加わる荷重を該ストッパ25の斜辺部31,31やアーム5の二股部26に分散させて確実に保持することができる。
【0036】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、リッド3の左側と右側とにそれぞれアーム5及びストッパ25と突出部40とを設けて該リッド3の開放位置を設定しているが、これに限らず、例えば該リッド3にリッド側ボックス15を形成していない場合には、左右両側に前記アーム5及びストッパ25を設けるようにしてもよい。すなわち、グローブボックス2のフランジ部4の右側に貫通孔を形成し、左側アーム5と同様にリッド3の右側縁部から該右側貫通孔へ向かって突出して該右側貫通孔に挿入されるアームを設け、さらに、この右側のアームの先端部に前記左側アーム5と同様なストッパ25を一体的に形成する。このことによって、リッド3の組み付けをより容易にしながら、リッド3を開放位置で確実に保持することができる。
【0037】
また、前記実施形態では、グローブボックス2を、予め形成されたインストルメントパネル1に取り付けるようにしたが、これに限らず、グローブボックス2はインストルメントパネル1と一体に形成するようにしてもよい。この場合、アーム5が挿入される貫通孔6は、インストルメントパネル1に直接開孔することになる。
【0038】
さらに、リッド3はアウタパネル10とインナパネル11とからなる二重構造とすることなく、単一の構造としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る自動車のグローブボックス構造によると、リッドの裏面からグローブボックスの貫通孔に挿入されるように延びるアームの先端に略三角形の枠状のストッパを設けるとともに、該ストッパの底辺部を分割してこれに連繋するアームの先端側を二股に分岐させて、このアームの二股部とストッパの底辺部とが互いに重なるように折り畳まれるようにしたので、リッドの組み付け性を損なうことなく、ストッパの破損やアームの貫通孔からの抜けを防止して、リッドを開放位置に確実に保持することができる。
【0040】
請求項2記載の発明によると、アームをリッドの車幅方向一側に設ける一方、反対側にリッド側ボックスを設け、さらに、該リッド側ボックスの側壁部にグローブボックスの側壁部の係合部と係合するように突出部を設けたので、開放位置にあるリッドをその車幅方向両側において確実に安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】グローブボックス及びリッドを示す斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】アームを拡大して示す側面図である。
【図5】図4におけるB−B線断面図である。
【図6】ストッパをグローブボックスの貫通孔に挿入する状態を示す拡大断面図(a)、及び、ストッパが該貫通孔と係合した状態を示す拡大断面図(b)である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 グローブボックス
2f 右側壁部
3 リッド
5 アーム
6 貫通孔
6a 周縁裏面部
15 リッド側ボックス
15a 右側壁部
25 ストッパ
25a 空間部
26 二股部
27 頂点部
28 底辺部
30 薄肉ヒンジ部
31 斜辺部
40 突出部
41 スリット(係合部)
Claims (2)
- インストルメントパネルの車室側に開口部を有するグローブボックスと、
該グローブボックスの前記開口部の下端縁部に回動自在に支持されて、該開口部を開閉するリッドと、
前記グローブボックスの開口部の側縁に設けられた貫通孔と、
前記リッドの裏面から該リッドの閉じる方向に延び、前記貫通孔に挿入されたアームと、
該アームの先端部に設けられ、前記リッドが開放位置にあるときに前記貫通孔の周縁裏面部と係合して該リッドの開放位置を設定するストッパとを備えた自動車のグローブボックス構造において、
前記ストッパは、前記リッドの閉じる方向に頂点部を有しかつリッドの開く方向に底辺部を有するとともに内部に空間部が形成された略三角形の枠状とされ、前記ストッパの底辺部が長さ方向の中央部分において2つに分割され、かつこの分割された底辺部の内端にそれぞれ連繋するようにアームの先端は二股に分岐されて二股部が形成され、
該二股部とストッパの底辺部との連繋部分が前記ストッパの枠内の空間部側に偏位し、かつこの連繋部分に薄肉ヒンジ部が形成されていることを特徴とする自動車のグローブボックス構造。 - 請求項1において、
前記アームがリッドの裏面における車幅方向一側に設けられる一方、該リッド裏面の他側には前記グローブボックス内に格納可能なリッド側ボックスが一体的に設けられ、
該リッド側ボックスの車幅方向他側の側壁部外面から車幅方向外方に突出する突出部が設けられる一方、前記側壁部外面と対向するグローブボックスの側壁部には、前記リッドが開放位置にあるときに前記突出部と係合して、該リッドのそれ以上の開放側への回動を規制する係合部が設けられていることを特徴とする自動車のグローブボックス構造。
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