JP3669055B2 - 通電加熱ガラス - Google Patents

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  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、車両用窓ガラス、建材用ガラス等に有用な通電加熱ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、厳冬期や、寒冷地等においては、汽車、電車、トラック、乗用車等の車両のフロントガラスやリアガラス等に、または建物の窓ガラスに、積雪、着氷、着霜または曇り等が生じ、視界が妨げられる等の問題があり、これらの水分等の迅速な除去は困難である。
【0003】
これに対し、窓ガラスに通電加熱ガラスを使用することが提案されている。従来のこれらの通電加熱ガラスは、たとえば、自動車の窓ガラスであれば、一般に窓枠に対応した略台形形状の枚の板ガラスと、該枚の板ガラス間に持された中間樹脂膜と、上記枚の板ガラス間にあって、窓ガラスの周辺部の上下または左右の位置に一対で設けられたバスバー(通電用電極)と、これらのバスバーに接続されて設けられた透明電熱膜(透明導電膜)とから構成されている。
【0004】
透明電熱膜としては、たとえば、ITO(インジウムとスズの複合酸化物)、薄膜の金や銀等が使用され、バスバーを経由してバッテリー等から透明電熱膜に通電されて窓ガラス等を発熱させ、この熱によって、融雪、融氷、防曇等が迅速に行われる。
【0005】
通電加熱ガラスに使用される透明電熱膜も、近年、各種のものが開発されてきており、より迅速にガラスを加熱できる、たとえば、280V以上の高電圧を印加して加熱するのに適するガリウム含有酸化亜鉛膜等が知られている。
【0006】
これらの通電加熱ガラスでは、ガラスが割れたりクラックが入った場合や、衝突事故時等の際に、その破壊された状態で通電が継続された場合には、割れ方によっては、感電、異常発熱、発火、発煙等の危険な状態になる恐れがある。そのため、バスバーへの給電方法に様々な工夫を施したり、ガラス割れを検知するクラックディテクタを設けたりして、危険回避を図っている。
【0007】
図6に、従来からのバスバーの基本形状を示す。図6に示すように、一組の上辺側バスバー1および下辺側バスバー2には、ガラスの左下側にあるバスバーの片側からそれぞれ給電される(以下、片側給電方式と呼ぶ)。図8も従来の片側給電方式の例を示す図である。
【0008】
この片側給電方式では、バスバーの抵抗が高い場合には、バスバーでの発熱による損失が発生し、透明電熱膜に加えられる電力が小さくなり、電力ロスとなる。また、片側給電方式では、事故等でバスバーが割れると、割れ方次第では、その破壊された部分でスパークまたは異常発熱、ひいては中間樹脂膜の発火を引き起こし危険な場合がある。すなわち、片側給電方式は、バスバーに流れる電流値の大きさまたは割れ方によっては、スパーク、発火、発煙等を引き起こす恐れがあるという欠点がある。
【0009】
これに対し、図7に示すように、上辺側バスバー1および下辺側バスバー2の夫々のバスバーの左右両端に端子を設け、バスバーの左右両端からそれぞれ給電する両側給電方式も提案されている。この方式によれば、左右両側のバスバーおよびガラスの上部で万一バスバーの一部が破損した場合であっても、バスバー破壊部分に電位差が生じず、スパークや異常加熱による発火の発生を抑えうる。
【0010】
また、特開平4−46847号公報には、この両側給電方式を利用し、ガラスの上辺側のバスバー1の、ガラスの左右側辺部近傍に位置する左右のバスバーに流れる電流値を検知することで、ガラスの割れを検知する方式のクラックディテクタも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、両側給電方式における割れ検知方式では、ガラスの左右側辺部でバスバーの破断が生じた場合には割れ検知ができるが、上辺バスバー1が上辺の透明電熱膜と接する部分でバスバーが破断た場合には、電流の変化が小さすぎて検知が精度的に困難であった。特に、前述のような、280V以上の高電圧を印加して通電加熱する場合は、流れる電流自体が通常小さいため、ガラス割れ時の電流変化がきわめて小さく、検出が困難であった。
【0012】
本発明の目的は、車両用窓ガラスや建材ガラスにクラックが生じ、バスバーの一部がいずれの場所で破断等した場合においても、スパークや感電を生じることがない安全性に優れた通電加熱ガラスを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、板ガラスの上下辺のそれぞれに設けられた上辺側バスバーと下辺側バスバーからなる一組のバスバーと、該一組のバスバー間を接続するように板ガラスの表面に設けられた透明導電膜とから構成される通電加熱ガラスにおいて、上辺側バスバーは複数の上辺側バスバーエレメントからなり、該複数の上辺側バスバーエレメントは板ガラスの上辺部において透明導電膜の上辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有するとともに給電部まで延長されており、上辺側バスバーの透明導電膜との接続部分において、前記複数の上辺側バスバーエレメントは互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を有しかつ複数の上辺側バスバーエレメントは該並列部分で透明導電膜と接していることを特徴とする通電加熱ガラスを提供する。
【0014】
すなわち、通電加熱ガラスを構成している透明導電膜の相対する上下の辺にそれぞれ接続される一組のバスバーの上辺側バスバーの形状、特に、該バスバーと透明導電膜との接続部分の形状、を下記に挙げる要件を満たす構成とすれば、上記課題を解決できる。
【0015】
1)接続されている透明導電膜の辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有する複数の上辺側バスバーエレメントからなり、これらのバスバーが互いに接触することなく隣接対面した状態の並列部分を有する。
2)上記1)の複数の上辺側バスバーエレメントが並列部分(以下、単にバスバー並列部という)においてともに透明導電膜としている。
【0016】
なお、本発明においては便宜上紙面の上方を「上辺」と称している。本発明の通電加熱ガラスが組み込まれ、使用される形態によっては、「上辺」部が左側、右側または下側に位置してもよい。
【0017】
前記複数の上辺側バスバーエレメントが、1つの給電部において接続され1本となっている構成とすると、給電部の構造を簡略化できるので好ましい。複数のバスバーエレメントは、2本以上の複数本で用いられるが、実用上は2本とすることが好ましい。
【0018】
なお、本発明において給電部とは、給電端子を介しバスバーに電気が供給されるバスバー上の部位をいう。したがって、バスバー上に給電端子が設けられる場合は、給電部は給電端子の位置と一致する。また、本発明において、開放端とは、バスバーエレメントの給電部以外の端を意味する。
【0019】
【作用】
上記の構成を有する本発明の通電加熱ガラスによれば、バスバーのいずれの位置で破断が発生しても、すなわち、ガラスの上下左右のいずれの側からの破断に対しても、前述した両側給電方式と同様に、電位差を生じないため、破断箇所におけるスパークや異常発熱、発火等を発生することがない。
【0020】
さらに、本発明の通電加熱ガラスにおいては、バスバー並列部における本のバスバーエレメント間の電位差は小さいため、両者の間を流れる電流は少ない。実際、並列部分の本のバスバーエレメントのうちのガラスの外側のバスバーエレメントに流れる電流は、これと並列に並んだ内側のバスバーエレメントに流れる電流よりも小さい。
【0021】
このため、内側バスバーエレメントが破断した場合、内側バスバーエレメントの電流減少比率および外側バスバーエレメントの電流上昇比率は、従来の両側給電バスバーと比較して大きく、電流値モニタによる破断検出性能がより敏感になり、安全性が向上する。
【0022】
本発明の通電加熱ガラスにおいて、さらにガラス板のクラックの発生を電気的に検知できる他のクラック検知手段を設ければ、安全性がさらに向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において使用される板ガラスとしては、普通ガラス、強化板ガラス、部分強化板ガラス等が挙げられる。透明性を損なわない程度にこれらが着色されたものであってもよい。また、これら板ガラスの形状は、建材用ガラス等のような平板状のものに限られず、種々の形状および曲率に加工された曲面状であってもよく、たとえば、各種車両のフロントガラスに使用されるような曲面を有する略台形状であってもよい。
【0024】
また、板ガラスを枚貼り合わせて合わせガラスとして用いてもよく、板ガラスにプラスチックを積層した構成で用いてもよい。
【0025】
使用される板ガラスの厚みは特に限定されず、1.5〜5mm程度の厚みのものを用いるのが一般的である。
【0026】
合わせガラスの場合、枚の板ガラスと、該枚の板ガラス間に挟まれた中間樹脂膜と、上記枚の板ガラスの一方の板ガラス間に設けた一組のバスバーと、該一のバスバー間を接続するように設けた透明導電膜とから構成される。
【0027】
本発明で用いる中間樹脂膜とは、合わせガラスにした場合において、その両面に配設される枚の板ガラスを強固に接着させるとともに、合わせガラスが破損した場合にも、ガラスの破片が飛び散らない作用を有するものであって、通常は、接着性、耐候性および耐熱性等の諸物性が改良されたポリビニルブチラール樹脂膜が好ましく用いられる。この中間樹脂膜の厚みも特に限定されず、約0.2〜0.9mm程度の厚みとするのが一般的である。
【0028】
合わせガラスの製造方法自体は従来公知の方法でよく、枚の板ガラスを、中間樹脂膜を挟持するように貼り合わせ、予備接着、オートクレーブ処理等の工程を経て所望の合わせガラスが製造される。
【0029】
本発明においては、合わせガラスの枚の板ガラスの間に、所望の透明導電膜と、これに接続された一組のバスバーとを設けて通電加熱ガラスとされる。この場合は、いずれか一方の板ガラス、好ましくは、使用時に室内側に位置することとなる板ガラスの中間樹脂膜に面した側の面に、適宜選択した所望の透明導電膜と一組のバスバーとを設けることが好ましい。次いで、該板ガラスと外側に位置することになるもう一枚の板ガラスとを中間樹脂膜の両側から一体的に貼り合わせて製造される。
【0030】
本発明で使用される透明導電膜としては、従来公知の導電材料からなる各種のフィルムがいずれも使用でき、使用目的に応じて適宜な膜を選択すればよい。使用する透明導電膜の種類により印加される電圧が異なるため、透明導電膜に接続されるバスバーは、これらに適合しうるよう形成する。
【0031】
本発明で使用される透明導電膜の具体例としては、たとえば、従来多用されている、比較的低電圧(高電流)で使用される、インジウムとスズの複合酸化物膜であるITO膜や、金または銀の薄膜等が挙げられる。
【0032】
高電圧(低電流)で使用される透明導電膜としては、たとえば、バスバーに288Vの電圧を印加して使用されるITO膜、酸化スズ膜、または、ガリウム含有酸化亜鉛膜等が挙げられる。本発明は、低電圧、高電圧のいずれの電圧が印加されても同等の効果が発揮される。
【0033】
これらの透明導電膜を板ガラス面上に形成するには、従来公知の方法を使用でき、たとえば、真空蒸着方法、スパッタリング方法、電子線ビーム式加熱蒸着方法、スプレー方法、CVD方法等の公知の方法をいずれも採用しうる。
【0034】
また、上記したような方法で形成される透明導電膜に接続され、該透明導電膜に通電させるために設けられる一組のバスバーは、たとえば、銀ペーストを印刷および焼き付ける等の方法で形成される。本発明の通電加熱ガラスは、このバスバーが特定の形状を有することを特徴とする。すなわち、本発明においては、上辺部に前述したバスバー並列部を有する。バスバー並列部における本のバスバーエレメントの間の間隔は、0.5〜30mm程度、特に1〜5mm程度、とするのが好ましい。
【0035】
下辺側のバスバーは、上辺側のバスバーに比べ、その位置や長さに起因し、破断する危険性が低い。したがって、下辺側のバスバーの構成としては、特に限定されず、従来の片側給電方式も採用される。しかし、より安全な両側給電方式と同様の作用を奏する構成とすることが好ましい。
【0036】
たとえば、図1に示すように、上辺側バスバーと同様に、下辺側バスバーは複数の下辺側バスバーエレメントからなり、該複数の下辺側バスバーエレメントは下辺部において透明導電膜の一辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有するとともに給電部まで延長されており、バスバーの透明導電膜との接続部分において、前記複数の下辺側バスバーエレメントは互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を有しかつ複数の下辺側バスバーエレメントは該並列部分で透明導電膜と接している構成が挙げられる。
【0037】
また、図2に示すように、前記の複数の下辺側バスバーエレメントが1つの給電部において接続され1本となっている構成が挙げられる。複数のバスバーエレメントは、2本以上の複数本で用いられるが、実用上は2本とすることが好ましい。
【0038】
さらに、図4に示すように、ループ状となっており、そのループ状のバスバーの一部が透明導電膜と接している構成などが挙げられる。
【0039】
下辺側のバスバーにおいて、バスバー並列部を有する構成とした場合、本のバスバーの間の間隔は、0.5〜30mm程度、特に1〜5mm程度、とするのが好ましい。
【0040】
【実施例】
次に、本発明の好ましい実施例、特に、好ましいバスバーの形状について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例においては、略台形の車両用フロントガラスのガラス板を用いた。
【0041】
[実施例1]
図1は、本実施例の通電加熱ガラスを模式的に示す。本実施例では、一組のバスバーの端部が正極および負極の給電端子5にそれぞれ接続されている。一組のバスバーは、その一方がそれぞれ2本のエレメントを有し、合計で4本のバスバーエレメントで構成されている。図中、4は板ガラスであり、図中に点線で示す板ガラス4と略相似形状のものは、透明導電膜3である。本実施例では、透明導電膜3に、ガリウム含有酸化亜鉛層を有する多層構成の膜を用いた。
【0042】
本実施例のバスバーは、一方の極に接続されるガラスの上辺側のバスバーが1Mと1Sの2本のバスバーエレメントからなり、他方の極に接続されるガラスの下辺側のバスバーが2Mと2Sの2本のバスバーエレメントでそれぞれ構成され、これら4本のバスバーエレメントで一組のバスバーを形成している。そして、ガラスの下辺の左側近傍にあるこれらのバスバーエレメントのそれぞれの端部で、給電部を介して外部電源へと接続されている。また、電流検知機構(図示せず)にも接続されている。
【0043】
なお、本実施例では、給電部がいずれもガラスの下辺の左側近傍に集められているが、たとえば、バスバーエレメント1M2Mの端子をガラスの下辺の左側近傍に設け、バスバーエレメント1S2Sの端子をガラスの下辺の右側近傍に設ける等、それぞれの端子を分けて設けてもよい。
【0044】
本実施例では、さらに、バスバーエレメント1Mおよびバスバーエレメント1Sはその一部が透明導電膜と接続されており、接続されている透明導電膜の一辺の両側近傍にそれぞれ開放端を有するように配置されている。バスバーエレメント1Mおよびバスバーエレメント1Sの透明導電膜と接続されている部分は、互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を構成している。
【0045】
下辺部のバスバーエレメント2Mおよびバスバーエレメント2Sも同様にその一部に並列部分が構成され、透明導電膜と接続されている。
【0046】
すなわち、本実施例においてバスバーは、図1に示すように、ガラスの上辺近傍に1Mと1Sの2本のバスバーエレメントによって並列部分が形成され、ガラスの下辺近傍に2Mと2Sの2本のバスバーエレメントによって並列部分が形成され、さらに、この並列部分を形成する2本のバスバーエレメントがともに透明導電膜の上辺および下辺でそれぞれ接している。
【0047】
この際、並列部分のバスバーエレメントの長さ、特に並列部分の内側のバスバーエレメントの長さを透明導電膜の上下の辺の長さとほぼ同様とするか、好ましくは若干長くなるようにすれば、通電した場合に透明導電膜の全面が通電されるようになるため、好ましい。
【0048】
図1に示すように、透明導電膜の上辺にともに接している2本のバスバーエレメント1M、1Sが、それぞれ、ガラスの側辺近傍に沿って張り巡らされて、ガラスの下辺のいずれかの位置にある給電部に接続されている。
【0049】
上辺側では1Mと1Sの2本のバスバーエレメント、下辺側では2Mと2Sの2本のバスバーエレメント、に外部電源より給電(たとえば、288Vの電圧で給電)され、これらを通じて透明導電膜3に通電されてガラスが加熱される。
【0050】
この場合、実質的には内側にあるバスバーエレメント1Mとバスバーエレメント2Mとによって透明導電膜3に給電され、外側にあるバスバーエレメント1Sとバスバーエレメント2Sとによる給電は補助的な役割しか持たない。このメインバスバーエレメントである1Mまたは2Mのバスバーエレメントが上下左右のいずれかの位置で破断された場合には、瞬間的に補助バスバーエレメントである1Sまたは2Sから電流が供給され、透明導電膜3への通電が継続するため、バスバーの破損部分に電位差が生じず、スパークや異常加熱による発火の発生を抑えうる。
【0051】
また、この際の補助バスバーエレメントの電流の上昇率は非常に大きいため、この電流の変化を検知するようにしておけば、敏感に割れを検知できる。さらに、本実施例においては、バスバー並部がガラスの上辺の近傍にも下辺近傍にも形成されているため、上辺および下辺で割れが発生した場合にも必ず明確な電流変化が発生して、確実に割れ検知ができる。
【0052】
これに対し、先に述べたように、図7に示す従来の両側給電方式でもバスバーに流れる電流値を検知することによってガラスの割れを検知できるが、左右の辺で破断が生じた場合にはよいが、上辺または下辺の透明導電膜とバスバーが接している辺で割れが発生した場合には、電流変化が小さすぎて割れ検知が困難であった。
【0053】
[実施例2]
図2は、本実施例の通電加熱ガラスを模式的に示す。本実施例における一組のバスバーを形成するそれぞれのバスバーは、図2に示すように、上辺側のバスバーエレメント1S、1M実施例1と同様に形成されている一方、下辺側のバスバーエレメント2S、2Mは、並列部分を有するが、1つの給電部で接続されて1本のバスバーとなっており、1つの端子で外部電源に繋げる構造となっている。下辺側の複数のバスバーエレメントは給電部以外では接続されていない。
【0054】
[実施例3]
図3は、本実施例の通電加熱ガラスを模式的に示す。本実施例における一組のバスバーを形成するそれぞれのバスバーは、図3に示すように、実施例1の場合と異なり、1つの給電部で接続されて1本のバスバーとなっている。上辺側の複数のバスバーエレメントは給電部以外では接続されていない。本実施例では、 組のバスバーをそれぞれ1つの端子で外部電源に繋げる構造となっているため、構造を極めて簡略化できる。
【0055】
[実施例4]
図4は、本実施例の通電加熱ガラスを模式的に示す。本実施例における一組のバスバーを構成しているそれぞれのバスバーは、図4に示すように、上辺側のバスバーエレメント1S、1M、実施例1と同様に形成されている。
【0056】
一方、下辺側のバスバー2は、実施例1の場合と異なり、本発明でいう並列部分を構成していない。すなわち、1本のループ状バスバーからなり、その透明導電膜側部分のみが透明導電膜と接続されている。下辺側のバスバーをこのような構成とすることで、下辺側のバスバーが占める面積を小さくできる。
【0057】
[実施例5]
図5は、本実施例の通電加熱ガラスを模式的に示す。本実施例では、実施例1と同様の構造を有するバスバーに、さらにクラック検知手段7を設けている。割れ検知導線7はクラック検知機構(図示せず)に接続されている。このような構成のため、より的確にクラックの発生を検知でき、安全性の高いものとなる。
【0058】
たとえば、実施例1の場合に、透明導電膜3に接する内側のバスバーエレメント1Mまたは2Mが完全に切断されれば、電流検知機構(図示せず)が働き、給電がストップするが、外側のバスバーエレメント1Sまたは2Sのみが破断した場合は(補助的なバスバーエレメントであるため、ガラス自体に異状は起きないが)、バスバーエレメントに流れる電流の変化が小さく、割れ検知機構が充分働かない可能性がある。
【0059】
本実施例ではこのような場合に備え、クラック検知手段として、割れ検知導線7を適宜な位置に設けることによって、バスバーまたは透明導電膜3で生じる電圧の変動を迅速に検知可能としてる。さらにこの検知結果に対応させて、透明導電膜3への通電を遮断できる。
【0060】
クラック検知手段としては、具体的には、たとえば、バスバーまたは透明導電膜で生じる電圧の変動を検知しうるように配線された割れ検知手段、または、バスバーまたは透明導電膜に流れる電流の変動を検知しうるように配線された割れ検知手段等が挙げられる。
【0061】
図5を参照して詳しく説明すると、本実施例では、バスバーの形状を図1に示した実施例の場合と同様にし、さらに、バスバー1および2の給電端子5の近傍に割れ検知導線7を接続し、かつ各バスバーの外側に沿わせて割れ検知導線7を這わせ、ガラスの全ての周辺部近傍に割れ検知線7が配置されるようにした。これにより、ガラスの4のいずれにクラックが発生した場合にも、この割れ検知導線によってクラックの発生を瞬時に知りうる。
【0062】
すなわち、ず透明導電膜3に通電している状態での割れ検知導線7の電圧、抵抗値を検出する。さらにこれらの測定値の変動状態を測定することによって、バスバーや割れ検知導線に生じた切断や破損等の変異による電圧や抵抗の変異が容易に検知される。
【0063】
さらに、この検知結果を、透明導電膜3への通電の制御と連動させることによって、クラック等の発生に対して迅速に通電の遮断等の処置が可能となり、より安全な通電加熱ガラスとなしうる。
【0064】
この際に使用する割れ検知手段としては、上記のように電圧の変動を検知しうるように配線された割れ検知手段の他、バスバーや透明導電膜に流れる電流の変動を検知しうるように配線された割れ検知手段を用いてもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の通電加熱ガラスは、通電加熱ガラスのいずれの場所に割れが生じ、バスバーの破断が生じたとしても、破断箇所でスパーク等が発生せず、さらに割れ検知感度が充分であり、安全性がより向上しており、自動車用などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電加熱ガラスの一例を示す概略図(a)と部分拡大図(b)。
【図2】本発明の通電加熱ガラスの別の一例を示す概略図。
【図3】本発明の通電加熱ガラスの別の一例を示す概略図。
【図4】本発明の通電加熱ガラスの別の一例を示す概略図。
【図5】本発明の通電加熱ガラスの別の一例を示す概略図。
【図6】従来例の通電加熱ガラスを示す概略図。
【図7】従来例の通電加熱ガラスを示す概略図。
【図8】従来例の通電加熱ガラスを示す概略図。
【符号の説明】
1:上辺側バスバー
1M:バスバー1を構成する1つのバスバーエレメント
1S:バスバー1を構成する他のバスバーエレメント
2:下辺側バスバー
2M:バスバー2を構成する1つのバスバーエレメント
2S:バスバー2を構成する他のバスバーエレメント
3:透明導電膜
4:板ガラス
5:給電端子
6:クラック
7:割れ検知導線

Claims (7)

  1. 板ガラスの上下辺のそれぞれに設けられた上辺側バスバーと下辺側バスバーからなる一組のバスバーと、該一組のバスバー間を接続するように板ガラスの表面に設けられた透明導電膜とから構成される通電加熱ガラスにおいて、上辺側バスバーは複数の上辺側バスバーエレメントからなり、該複数の上辺側バスバーエレメントは板ガラスの上辺部において透明導電膜の上辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有するとともに給電部まで延長されており、上辺側バスバーの透明導電膜との接続部分において、前記複数の上辺側バスバーエレメントは互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を有しかつ複数の上辺側バスバーエレメントは該並列部分で透明導電膜と接していることを特徴とする通電加熱ガラス。
  2. 前記上辺側バスバーは、複数の上辺側バスバーエレメントが1つの給電部において接続され1本となっている請求項1に記載の通電加熱ガラス。
  3. 下辺側バスバーは複数の下辺側バスバーエレメントからなり、該複数の下辺側バスバーエレメントは板ガラスの下辺部において透明導電膜の辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有するとともに給電部まで延長されており、下辺側バスバーの透明導電膜との接続部分において、前記複数の下辺側バスバーエレメントは互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を有しかつ複数の下辺側バスバーエレメントは該並列部分で透明導電膜と接していることを特徴とする請求項1または2に記載の通電加熱ガラス。
  4. 前記下辺側バスバーは、複数の下辺側バスバーエレメントが1つの給電部において接続され1本となっている請求項3に記載の通電加熱ガラス。
  5. 下辺側バスバーが、ループ状となっており、そのループ状のバスバーの一部が透明導電膜と接している請求項1または2に記載の通電加熱ガラス。
  6. クラック検知導線が板ガラスの周囲に設けられている請求項1〜5いずれか1項に記載の通電加熱ガラス。
  7. 自動車用板ガラスの上下辺のそれぞれに設けられた上辺側バスバーと下辺側バスバーからなる一組のバスバーと、該一組のバスバー間を接続するように板ガラスの表面に設けられた透明導電膜とから構成される通電加熱ガラスにおいて、上辺側バスバーは複数の上辺側バスバーエレメントからなり、該複数の上辺側バスバーエレメントは板ガラスの上辺部において透明導電膜の上辺の両側近傍に夫々1つの開放端を有するとともに給電部まで延長されており、上辺側バスバーの透明導電膜との接続部分において、前記複数の上辺側バスバーエレメントは互いに間隔を開けて隣接対面している状態の並列部分を有しかつ複数の上辺側バスバーエレメントは該並列部分で透明導電膜と接していることを特徴とする自動車用通電加熱ガラス。
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