JP3668858B2 - ハーフスラブと該ハーフスラブを用いた合成スラブ工法 - Google Patents
ハーフスラブと該ハーフスラブを用いた合成スラブ工法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成スラブ工法に用いる型枠兼用のハーフスラブと該ハーフスラブを用いた合成スラブ工法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より型枠工事や鉄筋工事を省力化するためにプレキャストコンクリート版(PC版)をハーフスラブとして用いた合成スラブ工法が知られている。該工法は型枠兼用のPC版を梁に架設し、その上面に現場打ちコンクリートを打設して硬化後PC版と一体化したスラブを形成する方法であり、各種形状のハーフスラブが用いられている。
【0003】
このハーフスラブを用いた合成スラブにおいては、自重による負担を軽減するためにスラブの軽量化が図られており、その一例としてスラブの内部に空隙を設けたボイドスラブが知られている。この従来例を図4および図5に示す。図4の例では、PC版11の上面に段ボール紙や金網、発泡スチロールなどからなるボイド型枠を設け(図4A)、この型枠が埋設するように周りにコンクリート21を打設することにより内部に空隙15を有するスラブを形成する(図4B)。また図5の例では、普通コンクリートによってPC版を形成する際に、その上面にリブ30を予め一体に形成し(図5A)、このリブ30の間に蓋をして現場打ちコンクリートを打設することによってリブの間に空隙が設けられたボイドスラブを形成している(図5B)。
【0004】
このような、従来のボイドスラブには次のような問題がある。すなわち、図4に示すボイド型枠を用いるものは、段ボール等の型枠材は吸水性が高いため雨天時の施工に適さず、直射日光にも弱く、さらに段ボールや発泡スチロールは燃焼し易いために、これらの型枠付近では溶接バーナ等を用いた配筋施工が制限される。また強度も低いので現場打ちコンクリートの打設時に変形する虞があり、薬品にも弱い。金網等をボイド型枠に用いるものは、このような問題はないがコスト高となる。さらに、これらのボイド型枠は内部空間を形成するものであってPC版の強度に寄与するものではない。
【0005】
一方、図5に示すものは、リブの間に蓋をして現場打ちコンクリートを打設するため施工が煩雑であり、また、予めリブを一体に設けたPC版を形成するのに手間がかかる。すなわち、リブを有するPC版は、コンクリートを流し込む都合上、リブの部分を下側に形成した型枠を用いる必要があり、しかも脱型後、これを反転して使用しなければならない。大型のスラブはかなりの重量を有するのでこの作業が大きな負担となる。
【0006】
【発明の解決課題】
本発明は従来の合成スラブにおける上記問題を解決したハーフスラブとその工法に関するものであって、本発明によれば、剛性が高く軽量で施工性に優れたハーフスラブが提供される。
【0007】
【課題の解決手段】
すなわち、本発明によれば、(1)薄肉プレキャストコンクリート版と該コンクリート版の表面に突設されたリブ部によって形成され、該リブ部は軽量コンクリートによって形成されると共に内部に埋設された鉄筋によって上記コンクリート版に固設されており、該リブ部を設けた表面にコンクリートが打設されて床版が形成されることを特徴とするハーフスラブが提供される。
【0008】
本発明の上記ハーフスラブは、(2)リブ部が中空である上記(1)に記載のハーフスラブ、(3)リブ部の外形断面形状が矩型、半円型、逆L字型あるいはT字型である上記(1)または(2)に記載のハーフスラブを含む。
【0009】
また本発明によれば、(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハーフスラブを、そのリブ部が設けられている面を上向きにして梁に架設し、リブ部を設けた上面にコンクリートを打設して床版を形成することを特徴とする合成スラブ工法、
(5)リブ部の間にコンクリートを打設してリブ部を埋設させた床版を形成する上記(4)に記載の合成スラブ工法が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明のハーフスラブおよびその合成スラブ工法を図面を参照して詳細に説明する。図1(A),(B),(C),(D),(E),(F)は本発明に係るハーフスラブの概略断面図、図2は図1(A)のハーフスラブを用いて形成した合成スラブの概略断面図、図3はこのハーフスラブを梁に架設した状態を示す部分概略斜視図である。
【0011】
(I)ハーフスラブの構造
本発明のハーフスラブ10は、基盤となる薄肉プレキャストコンクリート(PC)版11と、該PC版11の片側表面に突設されたリブ部13によって形成されている。該リブ部13は軽量コンクリートによって形成されており、その内部に埋設された鉄筋によって基盤のPC版に一体に結合されている。すなわち、薄肉PC版11には鉄筋12が所定間隔をおいて縦横に埋設されており、同様にリブ部の内部にも鉄筋14が設けられており、該配筋14の両側下端部がリブ部13の下側に延びてPC版の配筋12に接合されており、これによりリブ部13が基盤のPC版に一体に固定されている。リブ部13の配筋14とPC版の配筋12は溶接などの手段により接合される。
また、本発明のハーフスラブはプレストレスを与えることにより、さらに長スパン化が可能となる。
【0012】
ここで、リブ部13はスラブの版厚を見掛上大きくするためのものであり、従って、リブの外形断面の形状については特に制限されず、任意の形状に形成することができる。例えば、図示するように矩型(図1A,B,C)や半円型(図1D)、さらには逆L字型(図1E)やT字型(図1F)に形成することができる。特に、逆L字型(図1E)やT字型(図1F)は現場打ちコンクリートとの一体化、軽量化、および長スパン化に有利である。
【0013】
また、リブ部13は、スラブに加わる撓み荷重の方向に対して概ね直角にリブ部が配設され、その結合部分においてリブ部と基盤のPC版が一体に結合されていれば、リブ部13の高さに見合う剛性が得られるので、リブ部13はその下面全体がPC版に接合している必要はない。従って、図1(B),(C),(D) に示すように、リブ部13を中空に形成しても良く、またリブ部13と基盤のPC版11との間に空隙を設けても良い(図示省略)。
【0014】
リブ部はPC版とは別に予め形成したものをPC版に取り付けても良く、あるいはPC版と一体に形成し、またはPC版の上面に別途形成しても良い。特に、本発明のリブ部は軽量コンクリートによって形成されるので、普通コンクリートによってPC版とリブ部を一体に形成したものと異なり、PC版とは別に予めリブ部を形成する利点が大きい。
【0015】
予め形成したリブ部をPC版に取り付けるには、軽量コンクリートによって形成したリブ部をPC版の上面に載置し、その下部から延びた配筋をPC版内部の配筋に溶接などにより接合する。
一方、PC版の上面にリブ部を成形するには、まずPC版の配筋と共にリブ部の配筋も組んでおき、普通コンクリートを打ち込んでPC版を成形した後に、その表面から突出しているリブ部の配筋を囲むように軽量コンクリートを打設してリブ部を形成する。
【0016】
本発明においてリブ部の材料として用いる軽量コンクリートには、軽量骨材を用いたものや気泡コンクリートなど、一般に軽量コンクリートと称されるものを用いることができる。軽量骨材としては人工、天然、副産物系のいずれを用いても良い。リブ部を軽量コンクリートによって形成することにより、基盤のPC版とリブ部を普通コンクリートによって形成した従来のリブスラブに比べて大幅にに自重の小さいなハーフスラブが得られる。さらに、リブ部の内部を中空に形成することにより、より一層軽量化することができる。
【0017】
( II )合成スラブ工法
本発明の合成スラブ工法は、図3に示すように、上記ハーフスラブ10をリブ部13が上向になるようにして梁17aと梁17bの間に架設する。その後、ハーフスラブ10の上面に現場打ちコンクリート21を打設し、リブ部13の間を充填してリブ部13が埋設された状態とし、現場打ちコンクリート21の硬化によりPC版11、リブ部13および現場打ちコンクリート21が一体化したスラブを形成する。
【0018】
基盤のPC版およびリブ部は、現場打ちコンクリートとの接合性を高めるために、その表面を粗面仕上とし、あるいはシアコネクターやスタッド等の金具を介設しても良い。なお、現場打ちコンクリートを打設する際には、図2に示すように上端配筋22を設けると良い。上端配筋を設けることによりスラブの強度がより向上する。上端配筋22はハーフスラブ上面に所定間隔をおいて縦横に配設するのが好ましい。該配筋22は工場などでハーフスラブを製造する際に予め設けても良く、あるいは現場において、ハーフスラブを梁間に架設した後に設けても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明のハーフスラブおよびこれを用いた合成スラブ工法によれば、型枠工事や配筋工事が省力化されスラブの施工が容易になる。また、本発明のハーフスラブは剛性が高く、軽量であるため従来のボイドスラブに比べてスパンを2倍程度増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A),(B),(C),(D),(E),(F)は本発明に係るハーフスラブの概略断面図
【図2】 図1(A)のハーフスラブを用いた合成スラブの概略断面図
【図3】 本発明のハーフスラブを梁に架設した状態の部分概略斜視図
【図4】 (A)(B)は従来のボイドスラブの概略断面図
【図5】 (A)(B)は従来のボイドスラブの概略断面図
【符号の説明】
10…ハーフスラブ,11…薄肉プレキャストコンクリート(PC)版,
12…配筋,13…リブ,14…配筋,15…中空部,16…ボイド型枠,
17a、17b…梁,21…場所打ちコンクリート,22…上端鉄筋
Claims (5)
- 薄肉プレキャストコンクリート版と該コンクリート版の表面に突設されたリブ部によって形成され、該リブ部は軽量コンクリートによって形成されると共に内部に埋設された鉄筋によって上記コンクリート版に固設されており、該リブ部を設けた表面にコンクリートが打設されて床版が形成されることを特徴とするハーフスラブ。
- リブ部が中空である請求項1に記載のハーフスラブ。
- リブ部の外形断面形状が矩型、半円型、逆L字型あるいはT字型である請求項1または2に記載のハーフスラブ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のハーフスラブを、そのリブ部が設けられている面を上向きにして梁に架設し、リブ部を設けた上面にコンクリートを打設して床版を形成することを特徴とする合成スラブ工法。
- リブ部の間にコンクリートを打設してリブ部を埋設させた床版を形成する請求項4に記載の合成スラブ工法。
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