JPH0342164Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案はスラブ無支保工施工用プレストレス
導入組立鉄筋トラス補強半プレキヤストコンクリ
ート部材に関する。

「従来の技術」 集合住宅等に於ける長スパン化に対応した半プ
レキヤストコンクリート部材を用いたスラブ無支
保工施工の１つとして、特に曲げ強度、曲げ剛性
共に著しく優れる半プレキヤストコンクリート部
材を採用した既存工法を第２図に示す。

すなわち、図中１は、あらかじめ所定のむくり
を付して製作した上、下主材をダブル鉄筋１ａで
構成し、且つウエブにラチス鉄筋１ｂを組んで成
る組立鉄筋トラスを、リブ型枠中に垂直に配置
し、トラス筋が水平になるまで集中荷重を加え、
この状態を保持したまま当該トラス筋の下半部に
コンクリート１ｃを打設し、蒸気養生等にて強度
を発現させ、前記荷重を解放してプレストレスを
導入してなるプレストレス導入組立鉄筋トラス補
強半プレキヤストリブ材で、叙上構成の組立鉄筋
トラス自体が特に曲げ強度，曲げ剛性共に著しく
優れることで知られるものであるが、これにプレ
ストレスを導入のうえ半プレキヤストリブ材とな
したために、当該リブ材を用いることで、長スパ
ンでもスラブの無支保工施工が可能となつてい
る。

しかして、該リブ材１だけを工場で加工して、
これをスラブ施工現場に搬入し、スラブ上端筋３
の配筋と該リブ材１間に波形鉄板等の蓋板２を敷
込みのうえ無支保工にてスラブ部分のコンクリー
ト４打設を行なうとしてなる。

「考案が解決しようとする問題点」 しかるに、叙上の如きリブ材１によるスラブ施
工にあつては、以下列記の諸難点がある。

(i) リブ材１は夫々が単独に梁に対して端部を架
け載せして架設されるものであるから、姿勢が
安定せず、捻れ、曲がりが生じ易すい。

(ii) 隣接のリブ材１間には、波形鉄板等が必ず必
要で、且つこれが作業床ともなるので、安全
性、手間、材料上の配慮を要すると共に小口塞
さぎの処理が必要となる（波板、デツキプレー
ト等は風で浮く危険があり、止め金物が必要）。

(iii) 現場でのコンクリート打設量はスラブ厚さ分
となり、大である。

(iv) 波形鉄板等が露出するので、天井無しの場合
には美観上の措置が必要となる。

「問題点を解決するための手段」，「作用」 本案は叙上の事情に鑑みなされたもので、その
要旨とするところは、上、下主材をダブル鉄筋と
し、ウエブにラチス鉄筋を組んだプレストレスを
導入の組立鉄筋トラスの下半部にコンクリートを
打設してなるプレストレス導入組立鉄筋トラス補
強半プレキヤストリブ材であつて、該リブ部の上
側端部の一方に肩乗せ段部を付形すると共に他方
に片持ちのスラブ下半部をアングル状に連続付形
させることにより、既述の諸難点を全く解消した
点にある。

「実施例」 以下、これを図に基づいて詳細に説明する。

第１図は本案のプレストレス導入組立鉄筋トラ
ス補強半プレキヤストコンクリート部材を用いた
スラブ縦断図で、図中５は断面がアングル状にリ
ブ部と片持ちのスラブ下半部とを連続した版型枠
中に、あらかじめ所定のむくりを付して製作した
上、下主材をダブル鉄筋５ａで構成し、且つウエ
ブにラチス鉄筋５ｂを組んで成る組立鉄筋トラス
を該リブ部に垂直に配置し、トラス筋が水平にな
るまで集中荷重を加え、この状態を保持したまま
当該トラス筋の下半部にコンクリート５ｃを打設
し、蒸気養生等にて強度を発現させ、前記荷重を
解放してプレストレスを導入してなる本案のプレ
ストレス導入組立鉄筋トラス補強半プレキヤスト
コンクリート部材で、図中６は各部材５のリブ部
側端に段設の肩乗せ段部である。当該断面がアン
グル状の版部材５を工場で加工してスラブ施工現
場に搬入し、型枠兼スラブの一部として相互に隣
接肩持ちさせて敷設する。

しかる後、スラブ上端筋７の配筋をしたうえで
スラブ上半部のコンクリート８打設を行なうこと
によりスラブ上、下半部は一体化され合成スラブ
として作用する。

上述の如く、本案部材５を用いると、スラブ型
枠が、相互持ち合いの載置姿勢安定性と波形鉄板
等の蓋板が一切不要、さらには、スラブ下半のコ
ンクリートがプレキヤスト部材に構成済みのもと
に施工されることとなり、既述の諸難点は生じな
くなる。

尚、図中９はシアコネクターとなるので採用す
るを良しとするスラブ部に下半を埋設の補強用組
立鉄筋を示す。

「考案の効果」 しかして、本案効果を列記するならば次記の如
くである。

(i) 波形鉄板等の材料敷き手間、小口塞さぎが不
要となる。

(ii) 梁への架設は、隣接するものに肩乗せして互
いに拘束するものとなるので、そのまま非常に
安定したスラブ型枠、かつ、作業床となり、安
全性が高い。

(iii) 従来のリブ材と比較して、本案のものの方が
剛性があり、部材に捻れ、曲がりが非常に小さ
くなる。

(iv) 天井を貼らなくても、全面同一材質なので、
リブ付きスラブとして美しい。

(v) 現場でのコンクリート打設量が減り、省力
化、工期短縮に効果がある。

(vi) (iii)により、従来のものより精度が良くなる。

(vii) 肩乗せを介して隣接部材間が連絡されている
ので、部材突き合いの目地が完全に隠蔽され、
目地がなく、仕上げが美しいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本案品、従来品を用いたスラ
ブの縦断面図である。 １……プレストレス導入組立鉄筋トラス補強半
プレキヤストリブ材、１ａ……ダブル鉄筋、１ｂ
……ラチス鉄筋、１ｃ……コンクリート、２……
蓋板、３……スラブ上端筋、４……コンクリー
ト、５……半プレキヤストコンクリート部材、５
ａ……ダブル鉄筋、５ｂ……ラチス鉄筋、５ｃ…
…コンクリート、６……肩乗せ段部、７……スラ
ブ上端筋、８……コンクリート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上、下主材をダブル鉄筋とし、ウエブにラチス
   鉄筋を組んだプレストレスを導入の組立鉄筋トラ
   スの下半部にコンクリートを打設してなるプレス
   トレス導入組立鉄筋トラス補強半プレキヤストリ
   ブ材であつて、該リブ部の上側端部の一方に肩乗
   せ段部を付形すると共に他方に片持ちのスラブ下
   半部をアングル状に連続付形させたことを特徴と
   するスラブ無支保工施工用プレストレス導入組立
   鉄筋トラス補強半プレキヤストコンクリート部
   材。