JP3668307B2 - シート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置 - Google Patents
シート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行するシート状物に含まれるくぼみを検出する方法に関し、特に人工大理石に含まれるピッツといわれるくぼみ(凹部)を検出する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工大理石の表面にはくぼみがあるが、これは人工大理石の表面を研磨したとき、表面付近の内部に混入していた泡が空洞、すなわちくぼみ(ピッツ)となったものである。人工大理石に含まれるかかるピッツの検査は、従来、目視により行われていた。なお、シート状物の欠陥検査方法として、各種の画像処理装置を使用した方法が発表されているが、人工大理石に含まれるピッツの検査を自動化した方法については、見当らない。また、本発明者の一部はフィルムや不織布などの薄いシート状物の欠陥検査装置を開発し、既に特許出願している(特開平5−332950号公報及び特開平6−11458号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の人工大理石のピッツ検査方法は、目視判定のみであるため、作業性が悪く、検出精度も個人差が出て、不安定であった。また、本発明者らが先発明した上記欠陥検査装置を、人工大理石のくぼみ検出に応用した場合、人工大理石の走行状態により、測定値が大幅に変化するという次の問題があった。
【0004】
(1)すなわち、欠陥検査装置による検査と目視による検査を平行して行う場合は、人工大理石は検査途中で一旦、停止し、再度、走行する。停止前後の速度が低下しているときにくぼみを検出すると、速度に反比例した長い画像となる。また、確率としては低いが、停止しているときにくぼみを検出すると、非常に長い画像となる。
【0005】
(2)上記(1)で人工大理石が停止後、幅方向の両端に設けられたローラーなどで人工大理石の傾きを補正している。このとき、人工大理石全体が幅方向に急激に移動する。人工大理石が幅方向に移動しているときにくぼみを検出すると、くぼみの部分の画像が幅方向にずれる。CCDカメラの走査周期の間に、くぼみ画像分の移動があると、1つのくぼみも画像が分離し、複数個の画像となる。
【0006】
したがって本発明は、人工大理石などのシート状物が、検査中にその移動速度が低下したり、移動が停止したり、再度走行を開始したり、停止時に人工大理石などが幅方向に急激に移動したりしても測定条件などを一々変更せずに、くぼみのみを精度良く検出するための方法及び検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
1)くぼみの画像について、長さ(縦、横)、面積を測定する。なお、シート状物の走行方向を縦方向とする。
2)測定時に、膨張処理を行うことで、人工大理石全体が幅方向に急激に移動するときにくぼみがあっても、1個のくぼみとして認識する。
3)測定値により欠陥判定するための測定項目を変更する。
a)縦横比が予め設定した値以下のとき、すなわち、シートが等速で走行している場合は、面積で判定する。
b)縦横比が予め設定した値を超えるとき、すなわち、シートの速度が低下、あるいは、停止した場合は、長さ(横)、あるいは、円換算面積(πD2/4)で判定する(Dは横方向長さ)。
【0008】
すなわち本発明によれば、一方の表面のくぼみを検出すべきシート状物を走行せしめるステップと、
前記表面に対してライン状照明装置により光を照射するステップと、
この照射光が前記表面にて反射して得られる正反射光をラインセンサにて受光するステップと、
前記ラインセンサの出力信号を2値化するステップと、
前記2値化された信号についてランレングス符号化を行うステップと、
前記ランレングス符号化により得られたランレングス符号について膨張処理を行いながら複数のラインにまたがる連結性処理を行うステップと、
前記連結性処理の結果、前記シート状物の走行方向を縦方向とするとき、くぼみの可能性ありとして検出された領域の縦横比を検出するステップと、
前記縦横比が所定値以下のときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の面積を用い、一方前記縦横比が前記所定値を超えるときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の横の長さを用いて、くぼみの検出の有無を判定するステップとを、
有するシート状物のくぼみ検出方法が提供される。
【0009】
さらに本発明によれば、一方の表面のくぼみを検出すべきシート状物を走行せしめる手段と、
前記表面に対して入光を照射するライン状照明装置と、
前記ライン状照明装置からの照射光が前記表面にて反射して得られる正反射光を受光するラインセンサと、
前記ラインセンサの出力信号を2値化する2値化手段と、
前記2値化された信号についてランレングス符号化を行う符号化手段と、
前記ランレングス符号化により得られたランレングス符号について膨張処理を行いながら複数のラインにまたがる連結性処理を行う連結性処理手段と、
前記連結性処理の結果、前記シート状物の走行方向を縦方向とするとき、くぼみの可能性ありとして検出された領域の縦横比を検出する検出手段と、
前記縦横比が所定値以下のときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の面積を用い、一方前記縦横比が前記所定値を超えるときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の横の長さを用いて、くぼみの検出の有無を判定する判定手段とを、
有するシート状物のくぼみ検出装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面と共に、本発明のシート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置の実施の形態を好ましい実施例によって説明する。図1は、本発明の好ましい実施例を模式的に示す図である。複数の回転可能なローラ1が並べて配置され、この上を検査対象2が図中左方向へ走行するものとする。検査対象2は人工大理石シートであり、そのサイズは例えば幅760mm、長さ1500〜3680mm、厚さ数mm〜19mmである。ここで長さと厚さに範囲があるのは、複数種類の人工大理石シートの規格の違いによるものであり、同一規格のシートでのバラツキではない。
【0011】
検査対象2はローラ1上を走行するとき、わずかに振動する。検査対象2の上下方向の振動の大きさは5mm以下である。検査面の上下動(位置の変化範囲)は、厚さのバラツキや振動量を含めて約±10mm以下である。検査対象2の表面には、黒い流れ模様もある。検査対象2はローラ1の回転により、走行時は等速で走行している。しかし、検査の途中で目視を行う目的などの理由で急激に停止することがある。また、検査対象2が進行方向に対して傾くことがあり、この場合、検査対象の傾きを修正すべく幅方向両端に設けられたローラなどで位置の補正を行うこととなる。その場合、検査対象2はほとんどの場合、横方向(進行方向に直角方向)に移動することとなる。目視が終了すると、検査対象2は再度等速での走行を開始する。
【0012】
照明装置3としては、高周波点灯蛍光灯を検査対象2に対して入射角60゜で設置している。照明幅Wは照明装置3から出射される光線の光軸と直角方向に測った実効幅であり、シート状物の幅方向の寸法のことではない。照明装置3による照明幅Wは次の式で求められる。W≧Lsin2α/cosα ここで、L=21mmとするとW=21sin120°/cos60°=36.4(mm)となり、照明幅Wは36.4mm以上必要となることがわかる。そこで、照明装置3として、蛍光管を2灯近接して配置している。また、検査対象2のくぼみ部分に、暗い影を作るようにするため、照明装置3には光の指向性が高いアパーチャ管を使用している。
【0013】
入射角αを大きくするほど、検査対象2の正常部とくぼみ部分の明暗差が大となるが、入射角αを大きくするほど、照明幅Wを大きくする必要がある。入射角αは45°〜70゜の範囲でくぼみを検出できるが、照明幅Wを考慮すると、α=60゜程度にすることが望ましい。受光素子であるラインセンサ4として三菱レイヨン(株)製ラインCCDカメラ(型名 SCC−5000)を3台使用している。このラインCCDカメラは、素子数 5000、クロック 20MHzである。ラインCCDカメラ4は、受光角β=60°で設置されていて、検査対象2からの正反射光を受光するようにしている。ラインCCDカメラ4は、検査対象2の幅方向に、3台設置し、走行する検査対象2を、分解能0.1mm/素子で読み取っている。
【0014】
ラインCCDカメラ4の出力信号は、微分処理回路5へ送られて微分処理されることにより、検査対象2に含まれる各種の模様の影響を防止している。微分処理回路5の出力信号は、画像処理装置6へ送られる。この画像処理装置6のハードウェアとしては三菱レイヨン(株)製造のLSC−100型を用いることができる。画像処理装置6の構成及びその動作については後で詳細に説明する。微分処理回路5の出力は、画像処理装置6により、8ビットでA/D変換された後、予め設定されたしきい値で、2値化され、データ圧縮のためランレングス符号化される。次いで、連続する走査ラインに含まれるランレングス符号の連結性をチェックしながら、くぼみの測定が行われる。ホストコンピュータ7は画像処理装置6の出力信号を受けて測定結果を基に、ディスプレイへの表示、生産ラインへの出力などを行う。
【0015】
図2は、本発明の画像の例を説明するための図である。ピッツ、すなわち欠陥の判定条件は、4〜400画素、縦横比の条件は2と設定している。図2は(a)〜(c)は、人工大理石の走行状態が異なった場合の、同じピッツの画像の例である。(a)は検査対象2が等速で走行しているときに検出したピッツの画像を示している。(b)はシートが急激に停止したピッツの画像を示している。縦が10000画素、横が3画素であり、縦横比が3333である。面積では、ピッツの判定条件を満足していない。しかし、予め設定した縦横比より大であるため、横の長さDから求めた円換算面積(πD2/4)を採用する。円換算面積は7画素であり、ピッツと判定できる。
【0016】
(c)は検査対象の傾きを補正するため、シート全体が幅方向に急激に移動するとき検出したピッツの画像を示している。CCDカメラの走査周期の時間に3画素分、右方向に移動している。このため、1個のピッツが、3個の画像に分割されており、面積は、1、3、1画素となっている。しかし、ランレングス符号の連結性をチェックするとき、膨張処理係数を10画素としているため、1つのくぼみとして測定している。なお、測定時の面積は、膨張処理前の値としている。縦横比は3/7であり、予め設定して縦横比以下であるため、面積の測定値を採用する。面積は5画素であり、ピッツと判定する。
【0017】
図3は画像処理装置6に用いられている後述するCPU(中央演算処理装置)における判定の処理手順を示すフローチャートである。電源が投入されると、ステップ1にてメモリなどをクリアする所定のイニシャライズを行い、ステップS2で連結性処理の結果ピッツの可能性のある画素が検出されたか否かを判断する。ピッツの可能性のある画素が検出されたときは、ステップS3でその可能性のある画素領域の縦横比Rを測定・演算する。次のステップS4で縦横比Rが2を超えているか否かを判断する。Rが2以下のときは、ステップS5で、ピッツを構成する画素領域の面積を採用し、これを計算する。一方、Rが2を超えているときは、縦の長さを無視し、横の長さのみを採用し、これを用いて円換算面積を計算する。ステップS5又はS6が終了すると、ステップS7ではステップS5又はS6で得た面積を用いてピッツの可能性のある領域の面積、すなわち画素数が上記判定条件である4〜400画素の範囲内か否かを判断する。
【0018】
なお、ピッツの判定条件、縦横比の条件は、CCDカメラの分解能、走査周期、欠陥とすべきピッツサイズから、適正値を設定することが必要である。また、横の長さの測定値は、フェレ径(最大長)を測定しているが、シートの蛇行の影響が有る場合は、ピッツの画像のうち、横の長さの最大値を採用すればよい。
【0019】
次に前述の連結性をチェックする連結性処理とランレングス符号の膨張処理について説明する。図4は、図1の画像処理装置6の構造を示すブロック図、図5は、くぼみのパターンを分類して示す説明図、図6は、ランレングス符号をライン間で連結性処理する場合のアルゴリズムを説明するためのフローチャート、図7は、くぼみの判定処理を示す説明図である。
【0020】
図4の画像処理装置6は上述のCPUの他にA/Dコンバータ23、コンパレータ24、ランレングス符号化回路25、メモリ26などを有し、さらにCPUが実行する検査プログラム等が予め格納されたROM(リードオンリメモリ)14と、CPU15の作業エリア等を有するRAM(ランダムアクセスメモリ)13と、ホストコンピュータ7との間で検査条件や検査結果等のデータを転送するためのGPIBインタフェース16を有する。ホストコンピュータ7では、このくぼみ検査装置の検査条件が設定されたり、検査結果が表示等される。
【0021】
微分処理回路5の出力信号は、A/Dコンバータ23により例えば8ビットのデジタルデータに変換され、このデジタルデータは、メモリ26(しきい値メモリ11)の画素毎のしきい値に基づいてコンパレータ24により2値化されてくぼみの幅が検出され、この2値化データがランレングス符号化回路25によりランレングス符号化される。
【0022】
メモリ26は論理指定部27と、ライン数指定部28と、ランレングスバッファ29と、ランレングスバッファ系列切替指定部30と、しきい値メモリ31と基準値メモリ32を有し、CPU(中央処理装置)15の主メモリが用いられる。論理指定部27には予め、検出されるくぼみが白(=「0」)か黒(=「1」)かに応じてセットされ、ライン数指定部28には予め、ランレングス符号化回路25の処理単位のライン数がセットされる。ランレングスバッファ29は、例えば128kBの容量のものが2系統用いられ、ランレングス符号化回路25が符号化し、CPU15が連結性処理するために各系統が交互に用いられる。ランレングスバッファ系列切替指定部30には、ランレングス符号化回路25が用いるランレングスバッファ29の系統がセットされる。
【0023】
しきい値メモリ31には予め、ラインCCDカメラ4の素子間の感度ばらつきや、主走査方向の照明ムラやレンズの歪みを補正するためにラインCCDカメラ4の素子毎の2値化用しきい値が設定される。基準値メモリ32は、透過率または反射率が均一な被検査物を予め読み取った際の各画素のレベルデータを記憶し、この各画素のレベルデータと透過率または反射率の積がしきい値としてしきい値メモリ31に格納される。したがって、コンパレータ24は、ラインCCDカメラ4の素子間の感度ばらつきや、照明ムラやレンズの歪みを補正して各画素を2値化することができる。
【0024】
次に、検査処理について説明する。走行する帯状の検査対象2の表面をラインCCDカメラ4が被検査物の幅方向に走査して一次元画像を読み取った場合、その読み取りにより得られるアナログ信号のレベルは、例えばくぼみの位置においてはくぼみの幅と反射レベルに応じて低くなる。なお、ラインCCDカメラ4の出力信号レベルが画素毎に異なるが、これはラインCCDカメラ4の素子間の感度ばらつきや、照明ムラやレンズの歪みに基づくものであり、微分処理回路5の出力信号についてコンパレータ24がしきい値メモリ31の各画素毎のしきい値により2値化することにより補正される。
【0025】
コンパレータ24により2値化されたデータは、ランレングス符号化回路25により符号化され、CPU15により後述するような連結性処理が行われる。なお連結性処理とは、複数の連続する走査ラインにおけるデータ間で比較しつつ処理することをいう。ここで、記号s(=スタート)をくぼみの始点座標とし、記号e(=エンド)を終点座標とすると、くぼみデータは次のようなランレングス符号で表される。
【0026】
【表1】
ais:n−1行目のi番目のくぼみの始点座標
aie:n−1行目のi番目のくぼみの終点座標
bjs:n行目のj番目のくぼみの始点座標
bje:n行目のj番目のくぼみの終点座標
【0027】
図5は一例として2行分(2走査ライン)のくぼみデータを示し、このくぼみは4種類のパターンに分類される。すなわち、連続パターンでは、1つのくぼみが行間で図5中に矢印で示す副走査方向に連続しており、収束パターンでは、前の行の複数(図では2個)のくぼみが次の行において1つのくぼみに収束しており、分散パターンでは、前の行の1つのくぼみが次の行において複数(図では2個)のくぼみに分散しており、消滅パターンでは前の行の1つのくぼみが次の行において消滅している。
【0028】
図6は、このパターンを分類するために、n−1行目とn行目のくぼみデータのパターンを比較し、連続、収束、分散、消滅の4つのパターンに分類し、消滅時にそのくぼみの測定が終了する連結性処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。まず、ステップS1においてn−1行目のくぼみを示すカウンタiを「0」にセットし、n行目のくぼみを示すカウンタjを「1」にセットし、続くステップS2においてカウンタiを1つインクリメントし、また、カウンタjを1つデクリメントする。
【0029】
そして、n−1行目のi番目のくぼみの始点座標aisがCCDカメラ4の画素数+1でない場合にステップS4以下に進み、連続、収束、分散、消滅の4つのパターンに分類する処理を実行する。なお、この処理では上記ランレングス符号に対してくぼみの幅が中間的に用いられる。
【0030】
【表2】
aia=aie−ais(n−1行目のi番目のくぼみの幅)
bja=bje−bjs(n行目のj番目のくぼみの幅)
【0031】
まず、ステップS4においてn行目のj番目のくぼみの幅bjaが「0」か否かを判別し、「0」の場合にステップS5においてカウンタjを1つデクリメントしてステップS4に戻り、カウンタjが示すくぼみの幅bjaが「0」でなくなるまでこの処理を繰り返す。そして、くぼみの幅bjaが「0」でなくなると、ステップS6においてbjs<aie+w、かつbje>ais−wか、すなわちn−1行目のくぼみの幅を左右にそれぞれ−w、+w画素分だけ膨張した後ai=bjか否かを判別し、ai=bjの場合に ステップS7において収束パターンと判定し、ステップS13に進む。なお、このステップS7では、後述するような副走査方向の膨張処理を主走査方向と同様に共に行って判定する。
【0032】
ステップS6においてai=bjでない場合には、ステップ8においてカウンタjを1つインクリメントした後、ステップS9においてくぼみの幅bjaが「0」か否かを判別し、「0」の場合にステップS8に戻り、カウンタjが示すくぼみの幅bjaが「0」でなくなるまでこの処理を繰り返す。そして、くぼみの幅bjaが「0」でなくなると、ステップS10においてステップS6に示す主走査方向と副走査方向の膨張処理を行った後ai=bjか否かを判別し、ai=bjでない場合にステップS11において消滅パターンと判定し、ステップS2に戻る。
【0033】
ステップS10においてai=bjの場合には、続くステップS12において連続パターンと判定する。ついで、ステップS13においてカウンタjをインクリメントした後、ステップS14においてくぼみの幅bjaが「0」か否かを判別し、「0」の場合にステップS13に戻り、カウンタjが示すくぼみの幅bjaが「0」でなくなるまでこの処理を繰り返す。そして、くぼみの幅bjaが「0」でなくなると、ステップS15において同様な膨張処理を行った後ai=bjか否かを同様に判別し、ai=bjの場合にステップS16において分散パターンと判定する。
【0034】
そして、ステップS17においてカウンタjをインクリメントした後ステップS15に戻り、ai=bjでない場合にステップS15からステップS2に戻り、ステップS2〜S17においてn行目のj番目のくぼみについての処理を繰り返す。
【0035】
そして、ステップS3においてn−1行目のi番目のくぼみの始点座標aisがCCDカメラ4の画素数+1になると、1行分の連結性処理を終了してステップS3からステップS18に分岐し、n行目のランレングス符号bjをn−1行目の ランレングス符号aiに移動する。図6においてai=bjは、n行目のランレン グス符号bjとn−1行目のランレングス符号aiが連結、すなわち1つのくぼみであることを示している。
【0036】
次に、図7を参照してエッジとくぼみの相互識別判断処理を説明する。図7(a)において符号18、18′は実際は1つのくぼみの2値画像を示し、2値化の結果ここでは2つのくぼみとして2値化されている。また、符号18″は別のくぼみの2値画像を示す。したがって、くぼみデータ18、18′とくぼみデータ18″はそれぞれ、1つのくぼみとして判断されなければならない。
【0037】
そこで、図7(a)に示すように濃く示されるくぼみデータ18、18′、18″を主走査方向に±w(=2)画素分、副走査方向にL(=3)画素分膨張し、淡く示されるデータ19、19′とする。この処理は、ステップS6、S10、S15においてランレングス符号の水平方向の連結性判定基準をbjs<aie+w、かつbje>ais−wとし、垂直方向の連結性判定基準を、連結する画像が消滅後に消滅前画像を垂直方向にL画素分継続することにより可能となり、ステップS6、S10、S15においてイエスの場合にそれぞれ収束、連続、分散の各パターンに分類される。すなわち、画素膨張を施すことによって2つのくぼみと認識されていたものが1つのくぼみとして認識され、かつ他の離れたくぼみとは別個のものとして把えられている。よって図7(a)の場合、くぼみの数のカウントは19と19′の2つということとなる。
【0038】
図7(a)に示す画素19、19′は、消滅時のランレングス符号を継続した場合を示し、図7(b)に示す画素19、19′は、消滅時と1行前の状態の変化を継続した場合を示す。図7(b)に示す場合には、膨張画素19、19′がくぼみデータ18、18′の方向に均一に膨張されているので、斜め方向のくぼみを正確に判断することができる。
【0039】
上記図6のフローチャートの処理と前述の図3のフローチャートの処理は、いずれもCPU15実行されるが、これらの処理は例えば時間割込みなどにより順次実行することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置によれば、次の効果がある。
(1)人工大理石が、検査途中で、一旦、停止し、再度、走行しても、くぼみを精度よく検出できる。
(2)上記(1)で人工大理石が停止後、人工大理石の傾きを補正したとき、人工大理石全体が幅方向に急激に移動しても、くぼみを精度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置の実施例を模式的に示す図である。
【図2】 図1の実施例における画像処理の手順を説明するためのピッツ領域の3つの例を示す図である。
【図3】 本発明の好ましい実施例における画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】 図1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 くぼみのパターンを分類して示す説明図である。
【図6】 ランレングス符号をライン間で連結性処理する場合のアルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【図7】 連結性処理で膨張されたくぼみデータを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ローラ(走行せしめる手段)
2 検査対象
3 照明装置
4 ラインCCDカメラ(ラインセンサ)
5 微分処理回路
6 画像処理装置
7 ホストコンピュータ
13 RAM(ランダムアクセスメモリ)
14 ROM(リードオンリーメモリ)
15 CPU(連結性処理手段、検出手段、判定手段)
16 GPIB
24 コンパレータ(2値化手段)
25 ランレングス符号化回路(符号化手段)
26 メモリ
27 論理指定部
28 ライン数指定部
29 ランレングスバッファ
30 ランレングスバッファ系列切替指定部
31 しきい値メモリ
32 基準値メモリ
Claims (3)
- 一方の表面のくぼみを検出すべきシート状物を走行せしめるステップと、
前記表面に対してライン状照明装置により光を照射するステップと、
この照射光が前記表面にて反射して得られる正反射光をラインセンサにて受光するステップと、
前記ラインセンサの出力信号を2値化するステップと、
前記2値化された信号についてランレングス符号化を行うステップと、
前記ランレングス符号化により得られたランレングス符号について膨張処理を行いながら複数のラインにまたがる連結性処理を行うステップと、
前記連結性処理の結果、前記シート状物の走行方向を縦方向とするとき、くぼみの可能性ありとして検出された領域の縦横比を検出するステップと、
前記縦横比が所定値以下のときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の面積を用い、一方前記縦横比が前記所定値を超えるときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の横の長さを用いて、くぼみの検出の有無を判定するステップとを、
有するシート状物のくぼみ検出方法。 - 前記縦横比が前記所定値を超えるときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の横の長さを用いて円換算面積を算出し、その値をもって、前記くぼみの検出の有無を判定するステップを実行する請求項1記載のシート状物のくぼみ検出方法。
- 一方の表面のくぼみを検出すべきシート状物を走行せしめる手段と、
前記表面に対して入光を照射するライン状照明装置と、
前記ライン状照明装置からの照射光が前記表面にて反射して得られる正反射光を受光するラインセンサと、
前記ラインセンサの出力信号を2値化する2値化手段と、
前記2値化された信号についてランレングス符号化を行う符号化手段と、
前記ランレングス符号化により得られたランレングス符号について膨張処理を行いながら複数のラインにまたがる連結性処理を行う連結性処理手段と、
前記連結性処理の結果、前記シート状物の走行方向を縦方向とするとき、くぼみの可能性ありとして検出された領域の縦横比を検出する検出手段と、
前記縦横比が所定値以下のときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の面積を用い、一方前記縦横比が前記所定値を超えるときは前記くぼみの可能性ありとして検出された領域の横の長さを用いて、くぼみの検出の有無を判定する判定手段とを、
有するシート状物のくぼみ検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34972195A JP3668307B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | シート状物のくぼみ検出方法及びシート状物のくぼみ検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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