JP3668276B2 - 酸化物単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、酸化物単結晶の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、酸化物単結晶を育成する方法として、いわゆるμ引下げ法によって単結晶ファイバーを形成する方法が注目を集めている。「電総研ニュース」1993年7月号(522号)の4〜8頁には、この方法によってニオブ酸・カリウム・リチウム(K3 Li2-2xNb5+x 15+x、以下、KLNと記載する。)単結晶ファイバーを育成した経緯が、開示されている。
【0003】
これによれば、白金製のセルないしルツボに電力を供給し、抵抗加熱する。このセルの底部に、溶融液の引出し口を形成し、この引出し口の中に、融液フィーダーと呼ばれる棒状体を挿通し、これによって溶融液の引出し口への供給量と、固相液相界面の状態とを共に制御する。溶融液引出し口の口径、フィーダーの太さ、引出し口からのフィーダーの突出長さ等を調整することによって、細径のKLN単結晶ファイバーを連続的に形成している。このμ引下げ法によれば、直径1mm以下の単結晶ファイバーを形成でき、熱歪みの低減、溶融液内の対流の制御、単結晶ファイバーの直径の制御を容易に行うことができ、特に青色第二高調波発生用に適した小型の高品質単結晶を生産できるという特徴を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記のμ引下げ法によってKLN単結晶ファイバー等を量産するために、研究を重ねていた。量産技術として最も重要なことは、ルツボの規模を大きくして多量の溶融物を処理すること、およびこのルツボから単結晶ファイバーを長く連続的に引き下げるようにすることである。そこで、本発明者は、ルツボに投入する粉末の量を5g程度にまで増量し、これに合わせてルツボを大きくし、このルツボに電力を供給して発熱させ、原料粉末をルツボ内で溶融させて、マイクロ引下げ法を実施してみた。
【0005】
ところが、このようにルツボの規模を大きくし、粉末の溶融量を増大させると、ルツボの引出し口から溶融物を引き下げて単結晶を形成することが、きわめて困難であることが判明してきた。具体的には、ルツボを設置している炉の温度を900℃以下に低く設定し、主としてルツボへの通電によってルツボ内の粉末を溶融させると、引出し口付近での結晶成長が良好には行われなかった。即ち、ルツボに供給する電力を大きくすると、溶融液が引出し口で溶融し、結晶化せず、この電力を小さくすると、今度は引出し口付近で固体化してしまい、溶融液を引き出せなくなった。
【0006】
前記した炉の温度を900℃よりも高くすると、今度はルツボの全体が、炉からの輻射熱のために大きく加熱され、引出し口付近での温度勾配が非常に少なくなるために、やはり連続的に結晶成長を行わせることはできなかった。
【0007】
本発明の課題は、μ引下げ法によって酸化物単結晶を製造するのに際して、多量の原料を連続的に処理して、酸化物単結晶を量産できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る酸化物単結晶の製造方法は、溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを使用し酸化物単結晶の原料を溶融ルツボ内で溶融させ、この溶融した原料を、溶融ルツボの開口を通して単結晶育成ルツボへと連続的に供給し、この単結晶育成ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって溶融物を引下げながら酸化物単結晶を育成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって前記溶融物を引き下げながら前記酸化物単結晶を育成するための、酸化物単結晶の製造装置であって:
酸化物単結晶の原料を溶解させるための、開口を備えた溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを備えており、
前記単結晶育成ルツボは前記引出し口を有するとともに、前記溶融ルツボ内で一旦溶融した原料を、前記開口を通して前記単結晶育成ルツボへと連続的に供給できるように構成されていることを特徴とする、酸化物単結晶の製造装置に係わるものである。
【0010】
【作用】
本発明者は、酸化物単結晶のμ引下げ法による量産技術を確立するべく、ルツボを大型化するための研究を続けていたが、ルツボを大型化していくと、引出し口から単結晶ファイバーを引き出せなくなり、この解決は困難であった。本発明者がこの原因を検討したところ、ルツボの底に引出し口を設け、この引出し口から直接に溶融物を引き出すという形態では、ルツボおよび溶融物の熱容量がある程度以上大きくなってくると、引出し口付近に対するルツボおよび溶融物の熱的影響によって、引出し口付近で良好な固相液相界面を形成することができないことがわかってきた。
【0011】
本発明者は、こうした知見にも係わらず、多量の原料を連続的に処理し、単結晶ファイバーを連続的に引出すことができるような方法を追求していたが、この過程で、溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを別個に設け、酸化物単結晶の原料を溶融ルツボ内で溶融させ、この溶融した原料を、溶融ルツボの開口を通して単結晶育成ルツボへと連続的に供給し、この単結晶育成ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって溶融物を引下げながら酸化物単結晶を育成することに想到した。
【0012】
この結果、溶融ルツボで溶融する原料粉末の量を、5g以上といった多量にし、これに合わせて溶融ルツボの容積を大きくしても、酸化物単結晶を連続的に容易に引き下げうることを見いだし、本発明に到達した。
【0013】
しかも、本発明によれば、単に多量の粉末を溶融させて、単結晶ファイバーを連続的に引き出すことができるというだけではない。本発明者は、従来の単結晶製造装置を使用し、しかしそのルツボ内の粉末の量は300〜500mg程度に抑えて、KLN単結晶ファイバーを連続的に引き出した。そして、その組成を精密に測定してみた。この結果、組成として1.0mol%程度の変動が生じていたことを発見した。
【0014】
これに対して、本発明の製造方法によれば、溶融ルツボ内で溶融する原料粉末の量を30〜50g程度にまで増大させ、この溶融物を、単結晶育成ルツボ内の量が300〜500mgになるように連続的に供給した場合でも、KLN単結晶ファイバーにおける組成の変動が、わずかに0.01mol%以下という驚くべき精度にまで減少していたことを発見した。このように、本発明の製造方法および装置によれば、単結晶の組成の均一性を向上させるという観点からも、従来のμ引下げ法と比較しても、驚くべき高精度を実現することができた。
【0015】
この理由は明瞭ではない。しかし、従来のμ引下げ法による製造装置では、ルツボに対して原料粉末を供給して、このルツボの内部で溶融させ、更にこのルツボに設けられた引出し口から単結晶ファイバーを引き出していた。従って、溶融ルツボの温度およびこの中の溶融物の温度は、溶融物が引出し口付近で固体化しないような高温に保持する必要があり、従って単結晶育成点である引出し口付近において、単結晶が固体化するような温度条件、温度勾配を維持することは困難であった。この理由から、たまたま特定の条件で単結晶ファイバーを引出し得たとしても、その組成等に不可避的にバラツキが発生したものと考えられる。
【0016】
これに対して、本発明では、溶融ルツボでいったん原料の溶融を行った後に、この溶融ルツボから単結晶育成ルツボへと原料を供給しており、単結晶育成ルツボは、溶融ルツボにおける高温の熱的影響を受けない。このため、単結晶育成ルツボの引出し口付近における温度条件を、溶融ルツボにおける温度条件とは別個に、独立して設定することができる。この結果、単結晶育成ルツボの引出し口付近の単結晶育成点における温度勾配を大きくして、良好な単結晶を引き出すことができる。
【0017】
この目的のためには、溶融ルツボと単結晶育成ルツボとを、それぞれ別個の加熱機構によって加熱することが好ましいし、また溶融ルツボと単結晶育成ルツボとの間隔を大きくすることが好ましく、このためには、溶融ルツボの下側面に下方向へと向かって延びるノズル部を形成し、このノズル部を通して、溶融ルツボ中でいったん溶融した原料を、連続的に単結晶育成ルツボへと供給することが好ましい。
【0018】
本発明においては、溶融ルツボで原料を溶融させ、このいったん溶融した原料を、単結晶育成ルツボへと連続的に供給する。原料を単結晶育成ルツボ中の溶融物に対して接触させる段階では、原料は溶融状態を保持していることが好ましいが、溶融ルツボの開口から排出されたところで固体化していても良い。ただし、固体化した原料が開口を閉塞しないようにするために、開口付近の固体化物を連続的に引き下げるか、または開口付近の固体物が、単結晶育成ルツボ内の溶融物に接触して直ちに溶融しうることが好ましい。
【0019】
【実施例】
更に、本発明者は、上記した製造装置を使用して、単結晶育成ルツボにおける溶融物の状態と、単結晶の物性との関係について研究した。この結果、単結晶育成部の環境に対して、重力よりも表面張力の方が支配的である場合には、きわめて組成の変動の少ない良好な酸化物単結晶を、連続的に引き出しうることを見いだした。これによって、良好な固相液相界面が形成されるからと思われる。
【0020】
更に、本発明者は、この点について追求した結果、次のような知見を得るに至った。即ち、従来のμ引下げ法においては、ルツボの規模が小さいので、単結晶ファイバーを連続的に引き下げることができたと考えられるが、これは、ルツボ内の溶融物の量が少なく、溶融物がルツボの壁面に対して、その表面張力によって張りつくことから、引出し口へと加わる重力が相対的に小さくなっていたために、ある程度は均質な固相液相界面が形成されたものと推定できる。しかし、ルツボの寸法を大きくすると、引出し口付近において表面張力が支配的な条件が失われたものと推定される。
【0021】
更に、本発明においては、単結晶育成ルツボの育成点付近において、温度勾配を大きくすることが容易である。これによって、溶融物を急速に冷却できる。
【0022】
従って、本発明は、固溶体単結晶を製造する場合に、特に適している。固溶体単結晶においては、平衡条件では組成比率が変動していく性質がある。従来のμ引下げ法を使用した場合には、引出し口付近では平衡条件なので、ちょっとした温度変化や固体化の速度の変化によって、固溶体の組成が変動していたが、こうした原因によるものと考えられる。これに対して、本発明の方法および装置によれば、単結晶育成部付近での急速冷却が可能なので、溶融物の組成を保持することができる。
【0023】
このような固溶体としては、例えば、KLN、KLTN〔K3 Li2-2x(Tay Nb1-y 5+x 15+x〕、Ba1-X SrX Nb2 6 を中心としたタングステンブロンズの構造やMn−Znフェライトを例示することができる。
【0024】
更に、上記した理由から、組成偏析する酸化物単結晶を製造することができる。例えば、LiNbO3 に対してネオジムを固溶させる場合、その偏析係数が1でないことによって、溶融物の組成におけるネオジムの量よりも少ない量のネオジムしか単結晶中に入らない。例えば、溶融物内では1.0モル程度のネオジムが含有されていても、単結晶中には0.3モル程度しか入らない。しかし、本発明によれば、前記したように溶融物をノズル部内で急速に冷却することによって、偏析を招くことなく、溶融物の組成と同様の組成を有する単結晶を製造することができる。これは、他のレーザー単結晶、例えば、Nd、Er、Ybによって置換されたYAG、Nd、Er、Ybによって置換されたYVO4 に対しても、適用することができる。
【0025】
本発明の製造装置においては、ルツボの加熱方法は特に限定されない。しかし、単結晶製造装置の周囲を囲むように、加熱炉を設けることが好ましい。この際、加熱炉を上側炉と下側炉とに分離し、溶融ルツボを上側炉によって包囲し、この上側炉の方を相対的に高温で発熱させて、溶融ルツボ内の粉末の溶融を助けることが好ましい。
【0026】
これに対して、単結晶育成ルツボの周囲に下側炉を設置し、この下側炉の方の温度を相対的に低くすることによって、単結晶育成ルツボの育成部における温度勾配を大きくすることが好ましい。
【0027】
更に、溶融ルツボ内での粉末の溶融の効率を向上させるためには、溶融ルツボの外側の加熱炉のみによって溶融ルツボを加熱するよりも、溶融ルツボ自体を導電性材料によって形成し、この溶融ルツボに電力を供給することによって発熱させることが好ましい。
【0028】
更に、溶融ルツボのノズル部内を流れる溶融物の溶融状態を保持するためには、ノズル部を導電製材料によって形成し、このノズル部に電力を供給することによって発熱させることが好ましい。または、溶融ルツボのルツボ本体部分やノズル部を高周波誘導によって発熱させるための高周波加熱機構を備えることが好ましい。
【0029】
こうした導電性材料としては、特に耐食性の観点から、白金、白金−金合金、白金−ロジウム合金、白金−イリジウム合金、イリジウム等の材料が好ましい。
【0030】
ただし、白金等の耐食性金属は、いずれも抵抗率が比較的に低いので、これに電力を供給して有効に発熱させるためには、ノズル部の厚さを小さくすることによって、その抵抗値をある程度以上大きくする必要がある。例えば、白金によってノズル部を形成した場合には、100〜200μm程度の薄膜によって形成する必要があった。しかし、このように薄い膜によってノズル部を形成すると、構造的に弱くなり、ノズル部が変形して、安定した単結晶の生産が困難になる場合があった。
【0031】
そこで、ノズル部を包囲するように抵抗発熱材を設置し、抵抗発熱材に対して電力を供給することによってこの抵抗発熱材を発熱させることができる。この場合には、ノズル部の方を上述のように耐食性金属によって形成し、これに通電して発熱させることもできるが、電力を供給しなくともよい。このように、ノズル部を包囲する抵抗発熱材の方に主要な加熱機能を付与すれば、ノズル部に要求される発熱の負荷は小さくなり、またノズル部は発熱させなくとも良くなるので、ノズル部の方を厚くする(例えば500μm以上)ことによって、ノズル部の機械的強度を向上させることができ、量産に適した装置とすることができる。
【0032】
更に、本発明の製造装置によれば、溶融ルツボに対して原料を連続的に、または間欠的に供給することができる。なぜなら、溶融ルツボに対して原料を供給すると、その原料の溶解熱によって、溶融ルツボ内の熱的状態に変動が発生し、単結晶の組成の変動等がこれによって発生する。しかし、本発明によれば、溶融ルツボ内でこうした熱的変動が発生しても、単結晶育成ルツボへの熱的影響はきわめて少なく、かつ単結晶育成ルツボの育成部では、平衡状態ではなく、速度論的状態なので、熱的変動の影響をますます受けにくい。
【0033】
本発明は、単結晶ファイバーの製造だけでなく、単結晶からなる板状体ないしプレートの製造に対しても、良好に適用することができる。この具体的方法については後述する。
【0034】
KLN単結晶は、最近、光材料として注目を集めており、特に半導体レーザー用の青色光第二高調波発生(SHG)素子用の単結晶として注目されている。これは、390nmの紫外光領域まで発生することが可能であるので、こうした短波長の光を利用することで、光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が可能である。また、KLN単結晶は、電気光学効果も大きいのて、そのフォトリフラクティブ効果を利用した光記憶素子等にも適用できる。
【0035】
以下、図面を参照しつつ、更に詳細に本発明の実施例を説明する。図1は、単結晶育成用の製造装置を示す概略断面図であり、図2は、単結晶育成ルツボ16の部分を拡大して示す概略断面図である。図3(a)、(b)は、単結晶育成部の状態を模式的に示す断面図である。
【0036】
炉体の内部には、溶融ルツボ7が設置されている。溶融ルツボ7およびその上側空間5を包囲するように、上側炉1が設置されており、上側炉1内にはヒーター2が埋設されている。溶融ルツボ7の下端部から下方向へと向かってノズル部13が延びており、ノズル部13の下端部に開口13aが形成されている。ノズル部13の開口の真下に単結晶育成ルツボ16が設置されている。上側炉と下側炉との境界部分付近に単結晶育成ルツボ16が設置されている。単結晶ファイバーの引下げ部分およびその周囲の空間6を包囲するように、下側炉3が設置されており、下側炉3の中にヒーター4が埋設されている。むろん、こうした加熱炉の形態自体は、種々変更することができる。
【0037】
溶融ルツボ7、ノズル部13および単結晶育成ルツボ16は、いずれも耐食性の導電性材料によって形成されている。溶融ルツボ7の上端Aに対して、電源10Aの一方の電極が電線9によって接続されており、溶融ルツボの下側の折曲部Bに対して、電源10Aの他方の電極が接続されている。ノズル部13の上端Cに対して、電源10Bの一方の電極が電線9によって接続されており、ノズル部13の下端Dに対して他方の電極が接続されている。
【0038】
同様に、単結晶育成ルツボ16の端部Eに対して、電源10Cの一方の電極が電線9によって接続されており、単結晶育成ルツボの端部Fに対して、電源10Cの他方の電極が接続されている。これらの各通電機構は、共に分離されており、独立してその電圧を制御できるように構成されている。単結晶育成ルツボの下に、空間6内にアフターヒーター12が設けられている。
【0039】
なお、炉体(発熱体と耐火物)によってノズル部分の温度勾配が最適化されている場合には、アフターヒーター12は必ずしも必要ではない。
【0040】
上側炉1および下側炉3を発熱させて空間5、6の温度分布を適切に定め、溶融物の原料を溶融ルツボ7内に供給し、溶融ルツボ7、ノズル部13および単結晶育成ルツボ16に電力を供給し、それぞれ発熱させる。そして、溶融ルツボ7内の原料を溶融させて溶融物8を生成させる。この溶融物8は、ノズル部13内の流路15内を流下するが、この間、ノズル部13の発熱とアフターヒーター12とによって、その溶融状態が保持される。
【0041】
この溶融物は、開口13aから単結晶育成ルツボ16内へと流入する。単結晶育成ルツボ16内では、溶融物19が貯留される。
【0042】
または、この開口13aから流下した溶融物を、開口の直下で固形化して多結晶体とし、この多結晶体からなるフアイバーまたはプレートを単結晶育成ルツボ16内へと連続的に供給し、このフアイバーまたはプレートを単結晶育成ルツボ16内で溶融することもできる。
【0043】
単結晶の引出しを開始する前の段階では、図2および図3(a)に示すように、ノズル部17の下端部にある単結晶育成部18では、開口17aから溶融物19が僅かに突出し、その表面張力によって保持されて、比較的に平坦な表面24が形成されている。
【0044】
そして、溶融ルツボとは異なり、単結晶育成ルツボ16では、材料の溶融を行わず、溶融ルツボよりも小さいルツボを使用している。こうした小型のルツボの内部ではルツボ16の垂直な側壁面16aおよび底面16bの形状に沿った形で溶融物19が表面張力によって引っ張られ、この結果、溶融物19の液面23が、内側が凹んだ形状となる。従って、ノズル部17内の溶融物19に対して加わる重力は、単結晶育成ルツボ16の壁面16a、16bに対する溶融物19の接触によって、大きく減少している。
【0045】
この状態で、種結晶25を矢印Gで示すように上方向へと移動させ、種結晶25の端面25aを、溶融物の表面24に対して接触させる。次いで、図3(b)に示すように、種結晶25を矢印Hの方向へと引下げる。この際、種結晶25の上端部と、ノズル部17から下方向へと引き出されてくる溶融物19との間には、均一な固相液相界面(メニスカス)26が形成される。
【0046】
この結果、図1に示すように、種結晶25の上側に単結晶ファイバー20が連続的に形成され、下方向へと向かって引き出されてくる。本実施例では、この種結晶25および単結晶ファイバー20を、ローラー22によって送っている。
【0047】
一方、従来の方法に従い、ルツボ内に投入する粉末の量を増加させた場合には、ルツボの開口から下方向へと向かって、溶融物による膨張部分が形成される。更に、粉末の重量が大きい場合には、粉末を溶融させたときに溶融物が流れてしまい、この状態で種結晶25の端面25aを溶融物に対して接触させると、良好な固相液相界面が形成されない。
【0048】
図4は、他の実施例に係る製造装置におけるルツボの形態を、概略的に示す概略断面図である。図4において、図1にのものと同じ機能部材には同じ符号を付け、その説明は図1における説明を援用することにする。
【0049】
溶融ルツボ7の下端部からノズル部30が延びており、ノズル部30の下端部に開口30aが形成されており、この開口30aから単結晶育成ルツボ16へと、連続的に溶融物またはその固形化体を供給する。
【0050】
溶融ルツボ7およびノズル部30は、いずれも耐食性材料によって形成されている。溶融ルツボ7の上端Aと下側の折曲部Bとに対して、電源10Aの電極が接続されている。ノズル部30の周囲を囲むように、円管形状の発熱体31が設置されている。発熱体31の上端Iに対して、電源10Bの一方の電極が電線9によって接続されており、発熱体31の下端Jに対して他方の電極が接続されている。これらの各通電機構は、共に分離されており、独立してその電圧を制御できるように構成されている。
【0051】
また、ノズル部30を加熱するために、その周囲に図示しない高周波加熱機構を設置し、ノズル部30を加熱して溶融物の供給を制御することも可能であった。
【0052】
上記の各実施例においては、溶融ルツボのノズル部についても、単結晶育成ルツボのノズル部についても、円筒形状のノズル部を使用した。しかし、このような円筒形状のノズル部は、一般的に加工による製作のコストが高い。例えば、白金等の貴金属からなる材料を加工することによって、内径の小さなノズル部を形成することは困難である。
【0053】
そこで、本発明者は、耐食性金属や耐食性セラミックスからなる耐食性部材に溝を形成し、これを他の耐食性部材と貼り合わせたり、接合することによってノズル部を形成した。このノズル部内では、前記の溝が、細長い微細径の溶融物流通孔となる。こうした耐食性部材の形状は、溝を形成する側が平坦面であれば良いが、平板形状のものが好ましい。
【0054】
この際、両方の平板に前記の溝を形成し、両方の平板を貼り合わせるときにこれらの溝を一体化させることで、溶融物流通孔を形成することができる。または、一方の平板に前記の溝を形成し、他方の平板は平坦なままに放置し、両方の平板を貼り合わせるときに、一方の平板上に形成された前記溝によって、溶融物流通孔を形成することができる。こうしたノズル部は、溶融ルツボにも使用できるし、単結晶育成ルツボにも使用できる。
【0055】
更に、本発明者は、単結晶育成ルツボにおいて、ノズル部に複数列の溝を互いに平行に形成し、各溝によって各溶融物流通孔を形成し、各溶融物流通孔から同時に溶融物を流しだすことによって、単結晶プレートを形成することができた。
【0056】
単結晶育成ルツボにこのノズル部を形成する場合には、各溝の幅は0.01mm〜0.5mmとすることが好ましく、各溝の間隔は0.1〜10mmとすることが好ましい。また、これらの各溝の断面形状は、四角形、V字形状、半円形等とすることができる。
【0057】
具体的には、図5(a)に示すように、細長い平板32を準備し、図5(b)に示すように、この平板32の長手方向に延びるように、細長い溝33を形成する。こうした溝33を各平板32に形成し、図5(c)に示すように、各平板32を貼り合わせて、ノズル部34を形成し、ノズル部34の中に溶融物流通孔35を形成する。
【0058】
図5(d)に示すように、ルツボ36の底部36aに、ノズル部34が接合されており、ノズル部34の溶融物流通孔35内を溶融物が流下する。こうした方法であれば、単結晶ファイバーを形成するためのノズル部を、容易に製造することができる。このルツボは、溶融ルツボとしても使用できるし、単結晶育成ルツボとしても使用できる。
【0059】
次に、単結晶プレートを製造するための具体的なノズル部の形態について、好適例を説明する。図6(a)に示すように、平板37に複数列の細長い溝38を、互いに平行となるように形成する。図6(b)に示すように、各平板37を貼り合わせて、平板形状のノズル部39を形成し、ノズル部39の中に複数列の溶融物流通孔41を形成する。40は継ぎ目である。
【0060】
図6(c)に示すように、長方形状の溶融ルツボ42の底部に、ノズル部39が接合されている。この溶融ルツボ42内の溶融物は、ノズル部39の各溶融物流通孔41内を流下し、各溶融物流通孔41から流れだす。このとき、各溶融物流通孔41から流れだした溶融物が、ノズル部39の底面39a上で一体となって流れ、溶融物または多結晶の状態43で、単結晶育成ルツボに供給される。
【0061】
また、図7に示す実施例においては、各ノズル部として管状体46を使用し、各管状体46を配列し、この際各管状体46の外周面が連続するように設置する。ただし、図7においては、ルツボの部分は図示を省略したが、例えば図6(c)に示すようなルツボを使用することができる。各ノズル部46の中には溶融体の流通孔45が形成されており、各流通孔45は各管状体46の下端の底面46aに開口している。
【0062】
ルツボ内の溶融物は、各ノズル部46の各溶融物流通孔45内を流下し、各溶融物流通孔45から流れだす。このとき、各溶融物流通孔45から流れだした溶融物は、各ノズル部46の底面46a上で一体となって流れ、溶融物または多結晶の状態43で、単結晶育成ルツボに供給される。
なお、その下部の単結晶育成ルツボのノズル部も、これと同様の形状のものを短くして使用することにより、前記ファイバー状単結晶の場合と同様に、安定して単結晶プレートを製造することができた。
【0063】
以下、更に具体的な実験結果について述べる。
(実験1)
図1に示すような単結晶製造装置を使用し、本発明に従ってKLN単結晶ファイバーを製造した。上側炉1と下側炉3とによって炉内全体の温度を制御した。ノズル部13、単結晶育成ルツボ16に対する電力供給とアフターヒーター12の発熱とによって、単結晶育成部近辺の温度勾配を制御できるように構成した。単結晶ファイバーの引下げ機構としては、垂直方向に2〜100mm/時間の範囲内で、引下げ速度を均一に制御しながら、単結晶ファイバーを引き下げる機構を搭載した。
【0064】
炭酸カリウム、炭酸リチウムおよび酸化ニオブを、30:20:50の組成比率で調合して原料粉末を製造した。原料粉末約50gを、白金製の溶融ルツボ7内に供給し、この溶融ルツボ7を所定位置に設置した。ノズル部13の外側および内側の横断面の形状は円形とし、外径は1mmとし、内径は0.3mmとし、長さは20mmとした。溶融ルツボ7の平面形状は円形とし、その直径は30mmとし、その高さは30mmとした。単結晶育成ルツボ16の寸法は、原料約1gを収容しうる大きさとした。ノズル部は、外径1.2mm、内径0.8mmのパイプ2mmを使用した。
【0065】
上側炉1内の空間5の温度を1100〜1200℃の範囲に調整し、溶融ルツボ7内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、500〜1000℃に均一に制御した。溶融ルツボ7、ノズル部13に対して所定の電力を供給し、溶融物の単結晶育成ルツボ16への供給を制御した。アフターヒーター12、単結晶育成ルツボ16への供給電力を制御した。この結果、単結晶育成部の温度を1050℃〜1150℃とすることができ、単結晶育成部における温度勾配を10〜150℃/mmに制御することができた。
【0066】
この状態で、20mm/時間の速度で単結晶ファイバーを引き下げたところ、良好なKLN単結晶ファイバーを引き下げうることが判明した。
【0067】
更に、こうして育成した、縦1mm、横1mm、長さ100mmの単結晶ファイバーについて、この単結晶ファイバーを長さ方向(育成した方向)に見たときの組成分布について検査した。具体的には、SHG位相整合波長を単結晶ファイバーの長さ方向の各部分に対して照射し、その出力光の波長を測定した。KLN単結晶の組成が僅かでも変動すれば、その組成変動によって、SHG位相整合波長に変化が生じてくる。
【0068】
この測定を実施したところ、1nm以下の精度、即ち、組成に換算すると0.01mol%以下の、KLN単結晶としてかつてない高い精度で、組成を制御することができた。また、その波長変換効率も、ほぼ±2%以下の測定誤差の範囲内で、理論値とほぼ同一の測定値が得られた。
【0069】
(実験2)
実験1と同様にして、KLN単結晶ファイバーを育成した。ただし、溶融ルツボ7へと間欠的に原料を投入する原料供給機構を、炉内に設けた。また、炉の下に単結晶ファイバーを間欠的に所定長さで切断する機構を設けることによって、連続的に単結晶ファイバーを育成した。単結晶ファイバーの育成が進行してくるのにつれて、育成した単結晶の量および溶融ルツボ7から揮発した成分の量に相当する量の原料粉末を、溶融ルツボ7内へと供給した。こうして、長さほぼ10mの単結晶ファイバーを連続的に形成し、その組成変動を、実験1と同様の方法で測定した。この結果、ほぼ10mの長さの全長にわたって、その組成変動を0.01mol%以下に抑制することに成功した。
【0070】
(実験3)
図6に示すようなノズル部39およびルツボ42を使用し、厚さ1mm、長さ100mmのKLN単結晶プレートを引き下げることに成功した。ただし、平板37としては寸法30mm×30mm×0.6mmの白金板を使用した。この白金板に、ダイシング加工によって溝38を形成した。ただし、溝38の間隔は5mmとし、溝38の幅は0.1mmとした。2枚の白金板を接合することによって、厚さ1.2mmの平板形状のノズル部を形成した。また、単結晶育成用ルツボのノズル部としては、図7に示すようなパイプ状ノズルを並べたものを使用し、外径1mm、内径0.6mm、長さ2mmのパイプ30個を一列にならべて使用した。図6(a)〜(c)を参照しつつ説明したようにして、溶融物を各溶融物流通孔から流した。単結晶プレートの内部でのSHG位相整合波長と変換効率とを測定したところ、前記した単結晶ファイバーの場合と同様の値が得られた。
【0071】
(実験4)
LiNbO3 内にネオジムを固溶させた単結晶を育成する方法に対して、本発明を適用した。ただし、この系においては、例えばCZ法を使用した場合には、ネオジムの固溶量は0.3mol%程度である。
【0072】
酸化ネオジム、炭酸リチウム、酸化ニオブをmol比率で1:49:50の組成比率に調合し、原料粉末を製造した。実験1と同様の単結晶ファイバー製造装置を使用した。上記の原料粉末約50gを溶融ルツボ7内に収容した。上側炉1内の空間5の温度を1250〜1350℃の範囲に調整し、溶融ルツボ7内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、500〜1200℃に均一に制御した。ノズル部13、単結晶育成ルツボ16に対する電力供給とアフターヒーター12の発熱とによって、単結晶育成部近辺の温度勾配を制御した。
【0073】
この際、単結晶育成部の温度を1200℃〜1300℃とし、単結晶育成部における温度勾配を10〜150℃/mmに制御した。この状態で、20mm/時間の速度で単結晶ファイバーを引き下げたところ、良好なNd─LiNbO3 単結晶ファイバーを引き下げうることが判明した。
【0074】
更に、こうして育成した、縦1mm、横1mm、長さ100mmの単結晶ファイバーについて、この単結晶ファイバーを長さ方向(育成した方向)に見たときの組成分布について、EPMAによって元素分析した。この結果、原料粉末における組成ではネオジムの比率を1.0mol%にしたが、単結晶ファイバーでは、1.0mol%に対して±2%の検出限界以下の精度で、組成が制御されていたことが判明した。
【0075】
(比較実験1)
従来の構造の製造装置を使用し、実験1と同様のKLN単結晶ファイバーを作成した。原料粉末の量は500mgとした。ルツボは白金によって作成した。上側炉と下側炉とによって炉内全体の温度を制御した。上側炉内の空間の温度を1100〜1200℃の範囲に調整し、ルツボ内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、500〜1000℃に均一に制御した。ルツボに対して電力を供給し、これによって引出し口からの単結晶の育成、引出しを制御しようと試みた。この状態で、20mm/時間の速度で単結晶ファイバーを引き下げたところ、KLN単結晶ファイバーを引き下げることができた。
【0076】
こうして製造した、縦1mm、横1mm、長さ100mmの単結晶ファイバーについて、この単結晶ファイバーを長さ方向(育成した方向)に見たときの組成分布について、実験1と同様にして検査した。この結果、出力光の波長に、50nmの変動があった。これは、組成に換算すると1.0mol%を越えており、SHG素子用としては、実用上問題があるレベルであった。
【0077】
(比較実験2)
比較実験1において、ルツボから引き出された成分およびルツボから蒸発した成分の量に相当する量の原料粉末を、ルツボへと定期的に供給し、連続的に単結晶ファイバーを育成することを試みた。しかし、一度原料を供給すると、ルツボ内での熱平衡状態が大きく崩れたため、単結晶ファイバーの育成の継続は不可能になった。
【0078】
(比較実験3)
比較実験1において、ルツボの寸法を大きくし、ルツボに最初に投入する原料粉末の量を5gにまで増加させた。上側炉と下側炉とによって炉内全体の温度を制御し、ルツボに対して電力を供給し、これによって引出し口からの単結晶の育成、引出しを制御しようと試みた。
【0079】
しかし、上側炉内の温度を500〜900℃と低く調整すると、ルツボに対する電力供給量を多くして、ルツボ内の原料粉末の融解を促進する必要があるが、この出力を大きくすると溶融物が結晶化しなくなった。一方ルツボへの供給電力を小さくしていくと、引出し口から出る前に溶融物が固体化してしまった。このように、単結晶を引き出す条件を見いだすことはできなかった。
【0080】
一方、上側炉の温度を900℃以上とすると、炉体からの熱輻射によって、結晶成長点である引出し口付近で、結晶化に必要な温度勾配を維持することはできなくなり、やはり単結晶ファイバーを引き下げることはできなかった。
【0081】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、μ引下げ法によって酸化物単結晶を育成するのに際して、多量の原料を処理して連続的に多量の酸化物単結晶を引き下げて形成することができ、しかもこの酸化物単結晶の組成の変動等を防止して、高品質の酸化物単結晶を製造することができる。従って、本発明は、こうした酸化物単結晶のファイバー等を量産する上で、きわめて重要な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る、単結晶育成用の製造装置を示す概略断面図である。
【図2】図1の製造装置において、単結晶育成ルツボ16の周辺を概略的に示す概略断面図である。
【図3】(a)、(b)は、単結晶育成ルツボ16の先端部分の状態を説明するための概念図である。
【図4】本発明の他の実施例の製造装置において、ルツボの構成を概略的に示す概略断面図である。
【図5】(a)は、耐食性材料からなる平板32を示す平面図であり、(b)は、この平板32に溝33を形成した状態を示す平面図であり、(c)は、一対の平板32を接合することによって形成したノズル部34を示す断面図であり、(d)は、このノズル部34を取り付けたルツボ36を示す断面図である。
【図6】(a)は、耐食性材料からなる平板37に複数列の溝38を形成した状態を示す平面図であり、(b)は、一対の平板37を接合することによって形成したノズル部39を示す断面図であり、(c)は、このノズル部39を取り付けた単結晶育成ルツボ42を示す断面図である。
【図7】管状体からなるノズル部46を複数個互いに接触させて直線状に配列した状態を示す破断斜視図である。
【符号の説明】
1 上側炉 2、4 炉内のヒーター 3 下側炉 5 上側炉1内の空間 6 下側炉3内の空間 7 溶融ルツボ 8、19 溶融物 10A、10B、10C 交流電源(通電機構) 12 アフターヒーター 13、30 ノズル部 13a、30a ノズル部の開口 15 溶融物の流路 16、42 単結晶育成ルツボ 17 単結晶育成ルツボのノズル部 18 単結晶育成部 20 単結晶ファイバーないしプレート 22 ローラー 23 単結晶育成ルツボ内の溶融物の液面 25 種結晶 26 固相液相界面(メニスカス) 43 溶融物または多結晶、単結晶等の固化物 46 パイプ状のノズル部 A 溶融ルツボの上端 B 溶融ルツボの下側の曲折部 C ノズル部の上端 D ノズル部の下端 E、F 単結晶育成ルツボの端部

Claims (9)

  1. 溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを使用し:
    酸化物単結晶の原料を前記溶融ルツボ内で溶融させ、この原料を、前記溶融ルツボの開口を通して前記単結晶育成ルツボへと連続的に供給し、この単結晶育成ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって前記溶融物を引下げながら前記酸化物単結晶を育成することを特徴とする、酸化物単結晶の製造方法。
  2. 前記引出し口における前記溶融物の環境に対して、重力よりも表面張力の方が支配的であることを特徴とする、請求項1記載の酸化物単結晶の製造方法。
  3. 前記引出し口から連続的に前記溶融物を引下げながら、前記溶融ルツボに対して定期的または連続的に前記原料を供給することによって、連続的に前記酸化物単結晶を育成することを特徴とする、請求項1または2記載の酸化物単結晶の製造方法。
  4. 前記酸化物単結晶が固溶体単結晶であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の酸化物単結晶の製造方法。
  5. 前記酸化物単結晶が、偏析のある酸化物単結晶であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の酸化物単結晶の製造方法。
  6. ルツボの引出し口の溶融物に対して種結晶を接触させ、この引出し口から下方へと向かって前記溶融物を引き下げながら前記酸化物単結晶を育成するための、酸化物単結晶の製造装置であって:
    酸化物単結晶の原料を溶解させるための、開口を備えた溶融ルツボと、この溶融ルツボよりも容量の小さい単結晶育成ルツボとを備えており、
    前記単結晶育成ルツボは前記引出し口を有するとともに、前記溶融ルツボ内で一旦溶融した原料を、前記開口を通して前記単結晶育成ルツボへと連続的に供給できるように構成されていることを特徴とする、酸化物単結晶の製造装置。
  7. 前記溶融ルツボから下方向へと向かって延び、下端部に前記開口が設けられている、導電性材料製のノズル部と、このノズル部に対して電力を供給することによってノズル部を発熱させるための電力供給機構とを備えていることを特徴とする、請求項6記載の酸化物単結晶の製造装置。
  8. 前記溶融ルツボから下方向へと向かって延び、下端部に前記開口が設けられているノズル部と、このノズル部を包囲するように設置されている抵抗発熱材と、この抵抗発熱材に対して電力を供給することによってこの抵抗発熱材を発熱させる電力供給機構とを備えていることを特徴とする、請求項6記載の酸化物単結晶の製造装置。
  9. 前記溶融ルツボから下方向へと向かって延び、下端部に前記開口が設けられているノズル部と、このノズル部を高周波誘導によって発熱させるための高周波加熱機構とを備えていることを特徴とする、請求項6記載の酸化物単結晶の製造装置。
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