JP3667914B2 - 脚式移動ロボットの遠隔制御システム - Google Patents

脚式移動ロボットの遠隔制御システム Download PDF

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    • B62D57/02Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚式移動ロボットの遠隔制御システムに関し、詳しくはマスタースレーブ方式での遠隔制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシステムとしては、例えば特開平8−216066号公報に開示されているように、ロボットと同一の関節構成を備えた全身装着型のマスター装置をオペレータが装着し、オペレータによるマスター装置の各関節動作に合わせてロボットの各関節動作を行わしめると同時に、ロボットの各関節動作に合わせてマスター装置の各関節動作を行わしめ、所謂対称型バイラテラルマスタースレーブ方式によって、マスター装置とロボットとが同じような姿勢で同じような動作を行うようにしたものが知られている。すなわち、この方式は、マスター装置の各関節の動作角及び駆動トルクと、ロボットの各関節の動作角及び駆動トルクとが互いに比例関係になるように制御するものである。
【0003】
一方、このようなシステムによって、ロボットの操縦を行う場合、オペレータは自己の動作によって、ロボットの転倒等を防止しつつ該ロボットの安定な動作を行わしめる必要があるが、このためには、オペレータがロボットの安定性あるいは不安定さを自己の安定性あるいは不安定さとして的確に認識して、ロボットの安定性を保つような動作を的確に行うことができることが望まれる。そして、このような要望を満たすためには、特に、ロボットの操縦時にロボットの足平部とオペレータの足平部とが互いに同じように作用力を受けることができるようにすることが好ましいと考えられる。
【0004】
すなわち、本願発明者等の知見によれば、人間が歩行時等に自己の安定性あるいは不安定さを認識して、自己の安定性を保つために特に意識するのは、自己の脚等の関節の曲がり具合や関節に作用する力の感覚よりも、むしろ自己の足平に床から受ける作用力の感覚(足平のどの部分に最も力を受けているか等の感覚)であると考えられる。
【0005】
例えば自己の上体が何らかの外力により傾いた場合には、その傾き側の足平の部位に受ける作用力が大きくなることで自己の不安定さを認識し、その足平の部位に受ける作用力をさらに強くするように意識を集中することで自己の安定性を保つ。
【0006】
また、例えば歩行時に突起物を踏んだ場合には、足平が受ける作用力が突起物との接触部位に集中することで、該突起物の存在を認識し、その突起物による自己の不安定さを解消し得る足平の部位に強い作用力を受けるように意識を集中する。
【0007】
従って、前述のようなロボットの操縦を行う場合にオペレータがロボットの安定性を保つような動作を的確に行うことができるようにするためには、ロボットの操縦時にロボットの足平部とオペレータの足平部とが互いに同じように作用力を受けることができるようにすることが好ましいと考えられる。
【0008】
しかるに、前記特開平8−216066号公報に開示されているような対称型バイラテラルマスタースレーブ方式のものでは、単に、マスター装置の各関節の動作角及び駆動トルクと、ロボットの各関節の動作角及び駆動トルクとが互いに比例関係になるように制御するものに過ぎないため、ロボットとマスター装置との各関節を駆動する際のアクチュエータの慣性力や摩擦力、さらにはロボットとマスター装置との各関節間のリンク機構の慣性力までもオペレータに伝わってしまうため、オペレータにロボットの足平が受ける作用力と同じような作用力感覚を与え、また、オペレータが意図した足平への作用力と同じような作用力をロボットの足平に与えるようにすることは困難なものとなっていた。
【0009】
また、オペレータの胴体を支持する機構を持たない全身装着型の対称型バイラテラルマスタースレーブ方式のものでは、ロボットを種々様々の床形状の環境下で動作させることが困難であるという不都合もあった。すなわち、例えばロボットに階段を昇降させる場合には、マスター装置を装着したオペレータも階段の昇降を行わなければならず、このためには、マスター装置側にロボットの動作環境と同じような階段を設けなければならない。しかしながら、このようにマスター装置側に、ロボット側と同じような床形状の環境設備を備えることは、ロボットを種々様々の床形状の環境下で動作させようとした場合に、膨大な設備投資とスペースを要することとなり、このため、ロボットを種々様々の床形状の環境下で動作させることが困難なものとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる不都合を解消し、オペレータの足平部の上体に対する位置及び/又は姿勢とロボットの足平部の上体に対する位置及び/又は姿勢とを所要の関係に保ちつつ、ロボットの足平部とオペレータの足平部とが互いに同じように作用力を受けることができ、ひいてはオペレータがロボットの安定性を保つための操縦を的確に行うことができ、さらにはロボットを種々様々の床形状の環境下で動作させることができる脚式移動ロボットの遠隔制御システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の脚式移動ロボットの遠隔制御システムはかかる目的を達成するために、脚式移動ロボットをマスタースレーブ方式で操縦するためのマスター装置を備えた脚式移動ロボットの遠隔制御システムにおいて、前記マスター装置に、少なくともオペレータの足平部を載せて該足平部が固定される足平架台を有し、該足平架台に固定された足平部を該足平架台と共に可動に支持する足平支持機構と、該足平支持機構を駆動する足平支持機構駆動装置と、前記オペレータの上体を支持する上体支持機構と、前記足平支持機構に支持された前記オペレータの足平部への前記足平架台からの作用力を検出するマスター側足平作用力検出手段とを設けると共に、前記脚式移動ロボットに、該ロボットの足平部への床からの作用力を検出するロボット側足平作用力検出手段を設け、前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボットの足平部への作用力とが互いに所要の対応関係になるように前記マスター側足平作用力検出手段及びロボット側足平作用力検出手段によりそれぞれ検出された作用力に基づき、前記オペレータの上体に対する足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方と、前記ロボットの上体に対する足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方とを決定し、その決定した目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って前記足平支持機構を前記足平支持機構駆動装置を介して制御すると共に、前記ロボットに備えた脚部駆動装置を制御する足平位置姿勢制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記脚式移動ロボットの操縦の際には、上体と足平をそれぞれ前記上体支持機構及び足平支持機構に支持したオペレータの足平部への前記足平架台からの作用力と、ロボットの足平部への床からの作用力とがそれぞれ前記マスター側足平作用力検出手段及びロボット側足平作用力検出手段により検出される。そして、それぞれの作用力が互いに対応するように、それぞれの検出値に基づき、前記足平位置姿勢制御手段によって、オペレータとロボットとの両者の上体に対する足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が決定され、この目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って、マスター装置の足平支持機構とロボットの足平部とがそれぞれ足平支持機構駆動装置及び脚部駆動装置を介して駆動・制御されるので、オペレータとロボットとは互いに同じような作用力を足平部に受けるように制御される。
【0013】
また、オペレータとロボットとの両者の上体に対する足平部の相対的な目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方も互いに対応するように決定されるので、ロボットの動作環境下の床形状がオペレータの上体に対する足平部の相対的な位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方として反映される。
【0014】
従って、本発明の脚式移動ロボットの遠隔制御システムによれば、ロボットの足平部とオペレータの足平部とが互いに上体に対して同じような位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方になりながら、同じような作用力を受けることができ、ひいてはオペレータがロボットの安定性を保つための操縦を的確に行うことができ、さらには、ロボットを種々様々の床形状の環境下で動作させることができる。
【0015】
かかる本発明では、前記上体支持機構を前記オペレータの上体と共に可動に設けると共に、前記マスター装置に、該上体支持機構を駆動する上体支持機構駆動装置を設け、前記脚式移動ロボットに、該ロボットの上体の姿勢傾斜状態を検出する姿勢傾斜状態検出手段を設け、前記ロボットの上体の姿勢傾斜状態に応じた前記オペレータの上体の姿勢傾斜状態が得られるように前記姿勢傾斜状態検出手段により検出されたロボットの上体の姿勢傾斜状態に基づき、前記上体支持機構に支持された前記オペレータの上体の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定した目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って前記上体支持機構を前記上体支持機構駆動装置を介して制御するマスター側上体位置姿勢制御手段を備えることが好ましい。
【0016】
これによれば、ロボットの上体の姿勢傾斜状態が前記姿勢傾斜状態検出手段により検出され、これに応じたオペレータの上体の姿勢傾斜状態が得られるように、前記マスター側上体位置姿勢制御手段によって、オペレータの上体の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が決定され、この目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って、マスター装置の上体支持機構が前記上体支持機構駆動装置を介して駆動・制御されるので、オペレータの上体の姿勢傾斜状態は、ロボットと同じような姿勢傾斜状態に制御される。このため、オペレータは、ロボットと同じような姿勢傾斜状態で、ロボットと同じような足平部への作用力を受けることとなって、ロボットと一体感をもってロボットの安定性や不安定さをより的確に認識しつつ、ロボットの安定性を保つように自己の足平部の姿勢や位置を調整することができ、ロボットの安定性を保つための操縦をより確実に行うことができる。
【0017】
また、本発明では、前記足平位置姿勢制御手段は、より具体的には、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方を決定しつつ、該並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方に基づき該ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定したロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に対応した前記オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定する。
【0018】
あるいは、前記足平位置姿勢制御手段は、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記オペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方を決定しつつ、該並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方に基づき該オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定したオペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に対応した前記ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定する。
【0019】
あるいは、前記足平位置姿勢制御手段は、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方と前記オペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とを決定しつつ、該ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とオペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とに基づきそれぞれ該ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方と該オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定する。
【0020】
このように前記各足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボットの足平部への作用力との相互の所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記ロボットやオペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方を決定しつつ、その並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方に基づきロボットやオペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定することで、オペレータ及びロボットの両者の足平部への作用力足平部の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方とを互いに対応させる制御を的確に行うことができる。
【0021】
さらに本発明では、より好ましくは、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて、両作用力が該所要の対応関係になるようにコンプライアンス制御により前記ロボットの足平部の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を修正する手段を前記ロボットに備える。
【0022】
このようにオペレータの足平部とロボットの足平部とへの両作用力が所要の対応関係になるようにコンプライアンス制御によって、ロボットの足平部の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を修正する手段をロボットに備えることで、ロボットはある程度自律的に自身の足平部への作用力がオペレータの足平部への作用力と対応するように自身の足平部の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を制御することとなり、オペレータ及びロボットの両者の足平部への作用力を互いに対応させる制御をより迅速に的確に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。
【0024】
まず、図1及び図2はそれぞれ本実施形態のシステムにおけるロボットと、このロボットをスレーブとするマスター装置とを示している。
【0025】
図1を参照して、本実施形態でのロボットRは二足歩行型の脚式移動ロボットであり、頭部1を上端部に支持する胴体2下部から一対の脚体3(図では便宜上、一本の脚体3のみを示す)が下方に延設され、また、胴体2上部の左右両側部から一対の腕体4(図では便宜上、一本の腕体4のみを示す)が延設されている。
【0026】
各脚体3は、その胴体2との連結箇所(股関節部分)と膝関節部分と足首関節部分とにそれぞれ股関節アクチュエータ5a、膝関節アクチュエータ5b及び足首関節アクチュエータ5cを備え、さらに、足首関節アクチュエータ5cの下側には、6軸力センサ6(ロボット側足平作用力検出手段)を介して脚体3の接地部分である足平部7が取着されている。この場合、本実施形態では、股関節アクチュエータ5aはロボットRの前後、左右及び上下方向の3軸回りの回転動作、膝関節アクチュエータ5bは、ロボットRの左右方向の1軸回りの回転動作、足首関節アクチュエータ5cはロボットRの前後及び左右方向の2軸回りの回転動作を行うものであり、これらの各アクチュエータ5a〜5cを駆動することで、足平部7の6自由度の動作を行うことができるようになっている。尚、前記6軸力センサ6は、足平部7が床から受ける作用力の前後、左右及び上下の3軸方向の各力成分及び各モーメント成分を検出するものである。また、各アクチュエータ5a〜5cは、本発明の構成に対応して脚部駆動装置を構成するものである。
【0027】
同様に、各腕体4は、胴体2との連結箇所(型関節部分)と肘関節部分と手首関節部分とにそれぞれ肩関節アクチュエータ8a、肘関節アクチュエータ8b及び手首関節アクチュエータ8cを備え、該手首関節アクチュエータ8cに6軸力センサ9を介してハンド10が取着されている。この場合、肩関節アクチュエータ8aは3軸回りの回転動作、肘関節アクチュエータ8bは1軸回りの回転動作、手首関節アクチュエータ8cは3軸回りの回転動作を行うものである。
【0028】
また、胴体2には、前述の各アクチュエータ5a〜5c及び8a〜8cを駆動・制御する制御ユニット11や、ロボットRの上体(胴体2)の姿勢傾斜状態を検出する傾斜検出器12(姿勢傾斜状態検出手段)が備えられている(これらの詳細は後述する)。さらに、各脚体3の各アクチュエータ5a〜5cの箇所にはそれらの変位(各軸回りの回転角)を検出するアクチュエータ変位検出器13a〜13cが備えられ、同様に、各腕体4の各アクチュエータ8a〜8cの箇所にもアクチュエータ変位検出器(図示を省略する)が備えられている。以下、各脚体3の各アクチュエータ5a〜5cを脚用アクチュエータ5と総称し、また、これらに対応する各アクチュエータ変位検出器13a〜13cをアクチュエータ変位検出器13と総称する。
【0029】
図2を参照して、マスター装置Mは、図示しないオペレータの上体(胴体)を可動に支持する上体支持機構14と、オペレータの足平部を可動に支持する足平支持機構15とを具備する。
【0030】
上体支持機構14は、ロボットRの操縦に際して後述の制御によりロボットRの上体の姿勢傾斜状態と同様の姿勢傾斜状態をオペレータの上体に与えるためのものであり、固定基台16上から延設されたリンクアーム17と、このリンクアーム17の先端部に3軸回転機構18を介して取着された背もたれ部19と、背もたれ部19の下端部から下方に延設された支柱20の下端部に取着されたサドル21とにより構成されている。ここで、サドル21はオペレータが腰かけるものであり、背もたれ部19はサドル21に腰かけたオペレータがその背中を当接させるものである。尚、オペレータの胴体は背もたれ部19に図示しないベルトにより固定し得るようにされている。
【0031】
そして、リンクアーム17は、三つの関節部22a,22b,22cを具備し、それらの各関節部22a〜22cに設けられたアクチュエータ23a〜23cにより、それぞれ回転軸心24a〜24c(図示の状態では回転軸心24aは上下方向、回転軸心24b,24cは左右方向)の回りの回転動作が行われるようになっている。
【0032】
また、このリンクアーム17の先端部に背もたれ部19を支持せしめる3軸回転機構18は、三つのアクチュエータ23d,23e,23fを備え、これらのアクチュエータ23d〜23fにより、それぞれ回転軸心24d〜24f(図示の状態では回転軸心24d〜24fはそれぞれ上下、左右及び前後方向)の回りの回転動作が行われるようになっている。
【0033】
このような上体支持機構14の構成により、オペレータがサドル21に腰かけて背中を背もたれ部19に当接させ、さらに図示しないベルトによりオペレータの胴体を背もたれ部19に固定することで、該オペレータの上体が支持される。そして、このとき、前記各アクチュエータ23a〜23f(以下、これらのアクチュエータ23a〜23fをマスター上体用アクチュエータ23と総称する)を動作させることでオペレータの上体が任意の位置/姿勢に背もたれ部19及びサドル21と共に可動とされる。なお、本明細書の実施形態では、「位置/姿勢」は位置と姿勢との組の意味で使用する。
【0034】
尚、各マスター上体用アクチュエータ23は本発明の構成に対応して上体支持機構駆動装置を構成するものである。そして、各マスター上体用アクチュエータ23には、それぞれその変位(回転角)を検出するアクチュエータ変位検出器23x(図2では図示を省略する)が設けられている。
【0035】
前記足平支持機構15は、ロボットRの操縦に際して、後述の制御により基本的にはロボットRの足平部7とオペレータの足平部との同様の動作が行われるようにするためのものであり、上体支持機構14のサドル21の略下方でオペレータの一対の脚に対応して設けられた一対の3軸移動テーブル25,25(所謂XYZ移動テーブル)と、この各3軸移動テーブル25の3軸移動部26に3軸回転機構27を介して取着された足平架台28とにより構成されている。ここで、足平架台28は前記上体支持機構14に上体を支持したオペレータの各脚の足平部を載せる架台であり、この足平架台28には、これに載せられたオペレータの足平部が足平架台28から受ける作用力(前後、左右及び上下の3軸方向の力成分及び各軸回りのモーメント)を検出する6軸力センサ29(マスター側足平荷重検出手段)が内蔵されている。尚、足平架台28に載せたオペレータの足平部は図示しないベルトにより足平架台28に固定し得るようにされている。
【0036】
そして、各3軸移動テーブル25の3軸移動部26は、該テーブル25に備えた三つのアクチュエータ30a,30b,30cによりそれぞれ前後、左右及び上下方向の移動動作が行われるようになっている。
【0037】
また、この3軸移動部26に足平架台28を支持せしめる3軸回転機構27は、前述の上体支持機構14の3軸回転機構18と同様に三つのアクチュエータ30d,30e,30fを備え、これらのアクチュエータ30d〜30fにより、それぞれ前後、左右及び上下方向の各回転軸心31d〜31fの回りの回転動作が行われるようになっている。
【0038】
このような足平支持機構15の構成により、上体支持機構14に上体を支持したオペレータの各脚の足平部を足平架台28に載せ、さらに図示しないベルトにより足平部を足平架台28に固定することで、オペレータの各足平部が支持される。そして、このとき、前記各アクチュエータ30a〜30f(以下、これらのアクチュエータ30a〜30fをマスター足平用アクチュエータ30と総称する)を動作させることでオペレータの各足平部が任意の位置/姿勢(6自由度)に足平架台28と共に可動とされ、また、オペレータの各足平部が受ける作用力(足平部から足平架台28への作用力の反力)が前記6軸力センサ29により検出される。
【0039】
尚、各マスター足平用アクチュエータ30は本発明の構成に対応して足平支持機構駆動装置を構成するものである。そして、各マスター足平用アクチュエータ30には、それぞれその変位(回転角)を検出するアクチュエータ変位検出器30x(図2では図示を省略する)が設けられている。
【0040】
さらに、本実施形態におけるマスター装置Mでは、ロボットRの操縦に際して、ロボットRの各腕体4とオペレータの腕との同様の動作が行われるようにするためのマスター腕機構32が備えられている。
【0041】
このマスター腕機構32では、前記背もたれ部19の両側上端部(オペレータの肩位置に対応する部分)から、それぞれ3軸回転機構33を介してリンク機構状の腕体34が延設されている(図では便宜上、オペレータの右腕に対応する腕体34のみを図示している)。そして、この腕体34の先端部には、オペレータの手首部を挿入して支持する手首支持器35が3軸回転機構36を介して取着され、また、腕体34の中間部に形成された関節部37には、オペレータの肘を挿入して支持する肘支持器38が取着されている。さらに手首支持器35の箇所にはオペレータの手首部から手首支持器35に加わる作用力を検出する6軸力センサ35aが設けられ、また、肘支持器38には、オペレータの肘から該肘支持器38に加わる作用力を検出する圧力センサ(図示せず)が内蔵されている。
【0042】
この場合、オペレータの肩位置に対応する3軸回転機構33は、三つのアクチュエータ39a,39b,39cによりロボットRの肩関節と同様に3軸回りの回転動作(図では上下、左右、前後方向の軸心(図示せず)回りの回転動作)が行われ、関節部37はこれに設けたアクチュエータ39dによりロボットRの肘関節を同様に1軸回りの回転動作(図では上下方向の軸心(図示せず)回りの回転動作)が行われ、オペレータの手首部の3軸回転機構36は、三つのアクチュエータ39e,39f,39gによりロボットRの手首関節と同様に3軸回りの回転動作(図では上下、左右、前後方向の軸心(図示せず)回りの回転動作)が行われるようになっている。
【0043】
尚、本実施形態では、前記足平支持機構15は3軸移動テーブル25や3軸回転機構27を用いて構成したが、例えば6軸マニピュレータ等のリンク機構を用いて構成してもよい。同様に、上体支持機構14はリンク機構(リンクアーム17)や3軸回転機構18を用いて構成したが、リンク機構のみで構成したり、あるいは3軸移動テーブル等を用いて構成するようにしてもよい。
【0044】
一方、本実施形態では、前述のロボットRやマスター装置Mの動作制御を行うために、図3及び図4のブロック図に示す制御システムを備えている。
【0045】
この制御システムは、その構成を大別すると、マスター装置M側に設けた制御ユニット40(図3)と、ロボットRに設けた前記制御ユニット11(図4)と、これらの制御ユニット40,11間での通信を行うための通信装置41とから構成されている。以下、制御ユニット40をマスター側制御ユニット40と称し、制御ユニット11をロボット側制御ユニット11と称する。尚、通信装置41の通信方式は有線及び無線のいずれの方式を使用してもよい。
【0046】
図3に示したマスター側制御ユニット40は、前記上体支持機構14の動作に関する制御を行うマスター側上体制御部42(マスター側上体位置姿勢制御手段)と、足平支持機構15の動作並びにロボットRの足平部7の動作に関する制御を行うマスター側足平制御部43とを具備する。尚、マスター側制御ユニット40は、これらの制御部42,43の他、前記マスター腕機構32の動作並びにロボットRの腕体4の動作に関する制御を行う制御部も備えられているのであるが、これについては図示及び説明を省略する。
【0047】
マスター側上体制御部42は、マスター装置Mでのオペレータの上体の目標位置/姿勢(背もたれ部19の目標位置/姿勢。以下、目標マスター上体位置/姿勢という)を決定する目標マスター上体位置/姿勢決定部44と、その決定された目標マスター上体位置/姿勢から前記各マスター上体用アクチュエータ23の目標変位(目標回転角)を算出する目標アクチュエータ変位算出部45と、この算出された目標変位に前記各マスター上体用アクチュエータ23の変位を制御するマスター上体用アクチュエータ変位制御部46とから構成されている。
【0048】
この場合、目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、ロボット側制御ユニット11から通信装置41を介して後述の如く与えられるロボットRの上体の姿勢傾斜状態情報とマスター側足平制御部43の後述の脚バイラテラル主制御部47から与えられるマスター装置Mでのオペレータの足平部の目標足平位置/姿勢(足平架台28の目標位置/姿勢。以下、マスター目標足平位置/姿勢という)とに基づき目標マスター上体位置/姿勢を決定する。
【0049】
また、マスター上体用アクチュエータ変位制御部46は、前記目標変位と各マスター上体用アクチュエータ23に設けた前記各アクチュエータ変位検出器23xにより検出される各マスター上体用アクチュエータ23の変位の検出値とから該マスター上体用アクチュエータ23の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0050】
尚、本実施形態では、目標マスター上体位置/姿勢決定部44により決定された目標マスター上体位置/姿勢は、マスター側足平制御部43の後述のマスター脚主制御部48に与えられる。
【0051】
マスター側足平制御部43は、前記マスター目標足平位置/姿勢とロボットRの目標足平位置/姿勢とを決定する脚バイラテラル主制御部47と、その決定されたマスター目標足平位置/姿勢と前記目標マスター上体位置/姿勢決定部44により決定された目標マスター上体位置/姿勢とから前記各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位(目標回転角)を算出するマスター脚主制御部48と、この算出された目標変位に前記各マスター足平用アクチュエータ30の変位を制御するマスター足平用アクチュエータ変位制御部49とから構成されている。
【0052】
この場合、脚バイラテラル主制御部47が決定するマスター目標足平位置/姿勢は、マスター装置Mでのオペレータの上体に対する相対的なマスター目標足平位置/姿勢であり、同様に、ロボットRの目標足平位置/姿勢もロボットRの上体に対する相対的な目標足平位置/姿勢である。すなわち、本実施形態では、例えば図1に示すようにロボットRの腰部分(脚体3と胴体2との連結箇所)の中央に原点を有するXYZ直交座標系が胴体2の上下方向をZ軸、前後方向をX軸、左右方向をY軸として該胴体2側に固定して設定されており(胴体2の傾斜と共に座標系が傾く)、脚バイラテラル主制御部47が決定するロボットRの目標足平位置/姿勢は、この座標系(以下、ロボット側上体座標系という)での目標足平位置/姿勢である。同様に、マスター装置M側では、例えば図2に示すようにオペレータの腰部分の中央に相当する位置(概ねサドル21の中央部分)に原点を有するXYZ直交座標系が上体支持機構14側に固定して設定されており(上体支持機構14の傾斜と共に座標系が傾く)、脚バイラテラル主制御部47が決定するマスター目標足平位置/姿勢は、この座標系(以下、マスター側上体座標系という)での目標足平位置/姿勢である。
【0053】
そして、マスター脚主制御部48は、各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位を算出する他、前記足平架台28の6軸力センサ29によるオペレータの足平作用力の検出値(これは6軸力センサ29に対して固定的な座標系での検出値である)を、各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位や前記目標マスター上体位置/姿勢に基づきマスター側上体座標系に変換して脚バイラテラル主制御部47に与える。
【0054】
また、同様にロボット側制御ユニット11でロボットRの脚体3の6軸力センサ6によるロボットRの足平作用力の検出値をロボット側上体座標系に変換したものが通信装置41を介して脚バイラテラル主制御部47に与えられるようになっている。そして、該脚バイラテラル主制御部47は、マスター脚主制御部48から与えられたマスター側上体座標系でのオペレータの足平作用力の検出値と、ロボット側制御ユニット11から与えられたロボット側上体座標系でのロボットRの足平作用力の検出値とから所定の演算処理によりマスター目標足平位置/姿勢とロボットRの目標足平位置/姿勢を決定する。この時、上体座標系でのマスター目標足平位置/姿勢とロボットRの目標足平位置/姿勢とは所要の対応関係を保つように決定される。
【0055】
尚、脚バイラテラル主制御部47は、決定したマスター目標足平位置/姿勢をマスター脚主制御部48の他に前記目標マスター上体位置/姿勢決定部44に与えると共に、決定したロボットRの目標足平位置/姿勢を通信装置41を介してロボット側制御ユニット11に与える。
【0056】
また、マスター足平用アクチュエータ変位制御部49は、マスター脚主制御部48から与えられた前記目標変位と各マスター足平用アクチュエータ30に設けた前記各アクチュエータ変位検出器30xにより検出される各マスター足平用アクチュエータ30の変位の検出値とから該マスター足平用アクチュエータ30の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0057】
次に図4に示したロボット側制御ユニット11は、前記脚バイラテラル主制御部47から与えられるロボットRの目標足平位置/姿勢から前記各脚用アクチュエータ5の目標変位(目標回転角)を決定すると共に、脚体3の6軸力センサ6によるロボットRの足平作用力の検出値を各脚用アクチュエータ5の目標変位等に基づきロボット側上体座標系に変換して脚バイラテラル主制御部47に与えるロボット脚主制御部50と、その決定された目標変位に各脚用アクチュエータ5の変位を制御するロボット脚用アクチュエータ変位制御部51とをロボットRの脚体3に関する動作を制御する手段として具備している。
【0058】
この場合、ロボット脚用アクチュエータ変位制御部51は、ロボット脚主制御部50から与えられた前記目標変位と各脚用アクチュエータ5に設けた前記各アクチュエータ変位検出器13により検出される各脚用アクチュエータ5の変位の検出値とから該脚用アクチュエータ5の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0059】
尚、本発明の構成に対応して、マスター側制御ユニット40のマスター側足平制御部43並びに、ロボット側制御ユニット11のロボット脚主制御部50及びロボット脚用アクチュエータ変位制御部51は、足平位置姿勢制御手段52を構成するものである。また、ロボット側制御ユニット11は、上記の構成の他、ロボットRの腕体4の動作に関する制御を行う制御部も備えられているのであるが、これについては図示及び説明を省略する。
【0060】
また図4を参照して、前記傾斜検出器12は、ロボットRの上体の3軸方向の加速度を検出する加速度センサ53aと、ロボットRの上体の3軸方向の角速度を検出するレートジャイロ53bと、これらの加速度センサ53a及びレートジャイロ53bの検出値からロボットRの上体の傾斜角を算出・推定する傾斜推定部54とから構成され、該傾斜推定部54により推定されたロボットRの上体の傾斜角や加速度センサ53aにより検出されたロボットRの上体の加速度を姿勢傾斜状態情報として、通信装置41を介して目標マスター上体位置/姿勢決定部44に与える。
【0061】
次に、本実施形態のシステムの作動を説明する。
【0062】
まず、マスター側制御ユニット40及びロボット側制御ユニット11による制御処理を説明する。
【0063】
本実施形態のシステムでは、前述の如くマスター装置Mの上体支持機構14に上体を支持し、且つ足平支持機構15に足平部を支持したオペレータが自身の足平部を動かす等してロボットRの操縦を開始すると、マスター側制御ユニット11の脚バイラテラル主制御部47は、図5のフローチャートに示す処理を所定の制御サイクルで行う。
すなわち、脚バイラテラル主制御部47は、まず、ロボット側上体座標系におけるロボットRの足平部7の目標並進速度(ロボット側上体座標系の各軸方向の目標移動速度)と目標回転速度(ロボット側上体座標系の各軸方向回りの目標回転速度)とを決定する(STEP5−1)。ここで、本実施形態のシステムは、マスター装置M側のオペレータの足平部及びロボットRの足平部7のそれぞれの上体に対する相対的な位置/姿勢を所要の対応関係に保ちつつ、オペレータの足平作用力(以下、マスター側足平作用力という)とロボットRの足平作用力(以下、ロボット側足平作用力という)とが互いに所要の対応関係、例えば互いに比例関係になるように制御するものである。このため、脚バイラテラル主制御部47は、STEP5−1では、例えば前記マスター脚主制御部48から与えられる今現在の前記マスター側上体座標系でのマスター側足平作用力の検出値と、前記ロボット脚主制御部50から通信装置41を介して与えられる今現在の前記ロボット側上体座標系でのロボット側足平作用力の検出値に所定の力帰還率を乗算したものとの偏差(マスター側足平作用力の検出値−力帰還率×ロボット側足平作用力の検出値)に比例させてロボットRの足平部7の前記目標並進速度及び目標回転速度を決定する。この場合、各検出値の力成分によって目標並進速度を決定し、モーメント成分によって目標回転速度を決定する。尚、上記偏差は、マスター足平作用力とロボット足平作用力との所要の対応関係(この場合、比例関係)からの偏差に相当するものである。そして、例えばマスター側足平作用力の検出値とロボット側足平作用力の検出値とのいずれか一方に所定のオフセットを加えたものが、他方と比例関係になるように前記目標並進速度及び目標回転速度を決定するようにしてもよい。
【0064】
次いで、脚バイラテラル主制御部47は、STEP5−1で決定した目標並進速度及び目標回転速度と、前回の制御サイクルで求めたロボット側上体座標系でのロボットRの足平部7の目標足平位置/姿勢とから、今回の制御サイクルにおけるロボット側上体座標系でのロボットRの足平部7の目標足平位置/姿勢を求める(STEP5−2)。この場合、この算出は、前記目標並進速度及び目標回転速度から制御サイクル分の時間内でのロボットRの足平部7の足平位置/姿勢の変化量(変化の方向を含む)を求め、これをロボットRの前回の目標足平位置/姿勢に加えることで、今回の目標足平位置/姿勢を求める。
【0065】
さらに脚バイラテラル主制御部47は、STEP5−2で求めたロボットRの足平部7の目標足平位置/姿勢に応じてマスター側上体座標系での今回のマスター目標足平位置/姿勢を求める(STEP5−3)。この場合、各上体座標系でのロボットRの目標足平位置/姿勢とマスター目標足平位置/姿勢とを原則的には一致させることが好ましいが、オペレータの負荷等を考慮して、マスター目標足平位置/姿勢をロボットRの目標足平位置/姿勢に対して所定のオフセットを与えたり、あるいは、両者の比率(スケール)を適宜調整してもよい。
【0066】
次いで、脚バイラテラル主制御部47は、前記STEP5−2で求めたロボットRの目標足平位置/姿勢を図示しないメモリに記憶した後(STEP5−4)、ロボット側上体座標でのロボットRの目標足平位置/姿勢を通信装置41を介してロボット側制御ユニット11に出力すると共に、STEP5−3で求めたマスター側上体座標系でのマスター目標足平位置/姿勢を前記マスター脚主制御部48や目標マスター上体位置/姿勢決定部44に出力し(STEP5−5)、今回の処理を終了する。
【0067】
尚、かかる脚バイラテラル主制御部47の処理では、前記の偏差からロボットRの足平部7の目標並進速度及び目標回転速度を決定しつつ、それらの速度からロボットRの目標足平位置/姿勢を決定し、さらにそのロボットRの目標足平位置/姿勢に対応させてマスター目標足平位置/姿勢を決定するようにしたが、これと逆に、マスター装置M側のオペレータの足平部の目標並進速度及び目標回転速度を前記の偏差から決定しつつ、それらの速度からマスター目標足平位置/姿勢を決定し、さらにそのマスター目標足平位置/姿勢に対応させてロボットRの目標足平位置/姿勢を決定するようにしてもよい。あるいは、前記偏差から、ロボットRの足平部7とオペレータの足平部との両者の目標並進速度及び目標回転速度を決定しつつ、それらの速度から各別にロボットRの目標足平位置/姿勢及びマスター目標足平位置/姿勢を決定するようにしてもよい。
【0068】
このような脚バイラテラル主制御部47の処理と並行して、マスター側制御ユニット40のマスター脚主制御部48と、ロボット側制御ユニット11のロボット脚主制御部50とは、それぞれ図6及び図7のフローチャートに示す処理を前記制御サイクルで行う。
【0069】
すなわち、図6を参照して、マスター脚主制御部48は、まず、前記足平架台28に備えた6軸力センサ29によるマスター側足平作用力の検出値を前記マスター側上体座標系での値に変換する(STEP6−1)。この場合、脚バイラテラル主制御部47から与えられるマスター側上体座標系での現在のマスター目標足平位置/姿勢から6軸力センサ29のマスター側上体座標系での位置/姿勢を求め、これを用いて6軸力センサ29によるマスター側足平作用力の検出値(6軸力センサ29に対して固定的な座標系での検出値)をマスター上体座標系に変換する。尚、6軸力センサ29のマスター側上体座標系での位置/姿勢を求めるに際しては、前記アクチュエータ変位検出器30xによる各マスター足平用アクチュエータ30の変位検出値と、前記アクチュエータ変位検出器23xによる各マスター上体用アクチュエータ30の変位検出値もしくは目標マスター上体位置/姿勢決定部44により後述の如く決定される目標マスター上体位置/姿勢とを用いて6軸力センサ29のマスター側上体座標系での位置/姿勢を求めるようにしてもよい。
【0070】
次いで、マスター脚主制御部48は、脚バイラテラル主制御部47から与えられたマスター側上体座標系での今回のマスター目標足平位置/姿勢と目標マスター上体位置/姿勢決定部44により後述の如く決定される目標マスター上体位置/姿勢とから各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位を算出する(STEP6−2)。この場合、マスター装置M側での足平位置/姿勢を上体位置/姿勢の変化に追従させるため、マスター側上体座標系での今回のマスター目標足平位置/姿勢に、目標マスター上体位置/姿勢の前回の制御サイクルからの変化分を加味することで、各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位を算出する。尚、目標マスター上体位置/姿勢の代わりに、前記アクチュエータ変位検出器23xによる各マスター上体用アクチュエータ30の変位検出値を用いてもよい。
【0071】
さらに、マスター脚主制御部48は、STEP6−1で求めたマスター側上体座標系でのマスター側足平作用力の検出値を脚バイラテラル主制御部47に出力すると共に、STEP6−2で求めた各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位をマスター足平用アクチュエータ変位制御部49に出力した後(STEP6−3)、今回の処理を終了する。
【0072】
尚、マスター脚主制御部48から各マスター足平用アクチュエータ30の目標変位が与えられたマスター足平用アクチュエータ変位制御部49は、前述の如く、マスター足平用アクチュエータ30の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0073】
また、図7を参照して、ロボット脚主制御部50は、まず、前記脚体3の6軸力センサ6によるロボット側足平作用力の検出値を、前記マスター脚主制御部48と同様の手法で、前記ロボット側上体座標系での値に変換する(STEP7−1)。
【0074】
次いで、ロボット脚主制御部50は、脚バイラテラル主制御部47から通信装置41を介して与えられたロボット側上体座標系でのロボットRの今回の目標足平位置/姿勢から前記各脚用アクチュエータ5の目標変位を算出する(STEP7−2)。尚、この場合、ロボットRの脚体3はロボットRの上体(胴体2)に連結されているため、各脚用アクチュエータ5の目標変位は、ロボットRの今回の目標足平位置/姿勢だけで定まる。
【0075】
そして、ロボット脚主制御部50は、STEP7−1で求めたロボット側上体座標系でのロボット側足平作用力の検出値を脚バイラテラル主制御部47に出力すると共に、STEP7−2で求めた各脚用アクチュエータ5の目標変位をロボット脚用アクチュエータ変位制御部51に出力した後(STEP7−3)、今回の処理を終了する。
【0076】
尚、ロボット脚主制御部50から各脚用アクチュエータ5の目標変位が与えられたロボット脚用アクチュエータ変位制御部51は、前述の如く、脚用アクチュエータ5の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0077】
また、前記マスター脚主制御部48による前記STEP6−1及びSTEP6−2の処理はその順番を逆にしてもよく、同様に、ロボット脚主制御部50による前記STEP7−1及びSTEP7−2の処理もその順番を逆にしてもよい。
【0078】
一方、マスター側制御ユニット40の目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、図8のフローチャートで示す処理を前記制御サイクルで行う。
【0079】
すなわち、目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、まず、ロボットRの傾斜検出器12から通信装置41を介して与えられるロボットRの上体傾斜角(前後、左右方向の傾斜角)から目標マスター上体姿勢(マスター装置Mの背もたれ部19(オペレータの胴体)の前後、左右方向の目標傾斜角)を決定する(STEP8−1)。この場合、ロボットRの上体傾斜角にオペレータに合わせた所定の帰還率を乗算することで目標マスター上体姿勢を決定する。尚、該目標マスター上体姿勢を決定するに際しては、上述のようにロボットRの上体傾斜角に比例させて目標マスター上体姿勢を決定することが基本的には好ましいが、さらに、これに所定のオフセット値(ロボットRの上体傾斜角が「0」である場合のマスター装置Mの背もたれ部19の傾斜角)を加算して目標マスター上体姿勢を決定するようにしてもよい。さらには、ロボットRの傾斜検出器12から与えられるロボットRの上体加速度に応じた値を加味して目標マスター上体姿勢を決定するようにしてもよい。
【0080】
次いで、目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、目標マスター上体速度(マスター装置Mの背もたれ部19の速度)を傾斜検出器12から与えられたロボットRの上体加速度と脚バイラテラル主制御部47から与えられたマスター側上体座標系でのマスター目標足平位置姿勢とに基づき決定する(STEP8−2)。この場合、目標マスター上体速度は、例えば次式(1)の演算により算出する。
【0081】
Figure 0003667914
ここで、Δtは制御サイクルの周期、KはロボットRの上体加速度に応じた背もたれ部19の加速度(オペレータの上体加速度)を規定する所定の帰還率である。また、「マスター上体収束目標位置」は、ロボットRの上体加速度が大きい場合に、マスター装置Mの背もたれ部19等が慣性力により前記マスター上体用アクチュエータ23の可動範囲を超えてしまうような事態を防止するために、マスター装置Mでの足平位置/姿勢との兼ね合いで背もたれ部19の可動限界を規制すべく定めたオペレータの上体(背もたれ部19)の収束目標位置であり、前記脚バイラテラル主制御部47から与えられるマスター目標上体足平位置/姿勢に応じて決定される。そして、この「マスター上体収束目標位置」を含む式(1)の大括弧内の第2項が背もたれ部19の位置を該マスター上体収束目標位置に戻す復元力を担う効果をもつものであり、この大括弧内の第2項に含まれる「Kf 」が上記復元力の程度を規定する所定のゲイン値である。
【0082】
このような式(1)により目標マスター上体速度を算出することで、前記マスター上体用アクチュエータ23の可動範囲を超えないようにしつつ、ロボットRの上体加速度に応じた速度変化で背もたれ部19の速度が変化するように今回の制御サイクルにおける目標マスター上体速度が決定される。
【0083】
次いで、目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、上記のように決定した目標マスター上体速度と、前回の制御サイクルにおける目標マスター上体位置とから今回の目標マスター上体位置を決定する(STEP8−3)。この場合、前記目標マスター上体速度から制御サイクル分の時間内での背もたれ部19の位置の変化量(変化の方向を含む)を求め、これを前回の目標マスター上体位置に加えることで、今回の目標マスター上体位置を求める。
【0084】
さらに、目標マスター上体位置/姿勢決定部44は、STEP8−1で決定した目標マスター上体姿勢とSTEP8−3で決定した目標マスター上体位置とを前記目標アクチュエータ変位算出部45及びマスター脚主制御部48に出力した後(STEP8−4)、今回の処理を終了する。
【0085】
尚、前記STEP8−1の処理と、STEP8−2及び8ー3の処理とは、その順番を逆にしてもよい。
【0086】
また、前記目標アクチュエータ変位算出部45は、与えられた目標マスター上体位置/姿勢から前記マスター上体用アクチュエータ23の目標変位を算出して、これをマスター上体用アクチュエータ変位制御部46に指示し、このとき、該マスター上体用アクチュエータ変位制御部46は、前述の如く、各マスタ上体用アクチュエータ23の変位を目標変位にフィードバック制御する。
【0087】
尚、詳細な説明は省略するが、本システムでは、ロボットRの腕体4は、オペレータによる前記マスター腕機構32の操作によって、ロボットRの脚体3と同様に、ロボットRとオペレータとの手首部分等への作用力が互いに対応するようにバイラテラルマスタースレーブ方式によって制御される。但し、この場合、ロボットRの腕体4の制御は、対称型バイラテラルマスタースレーブ方式によって行うようにしてもよく、さらには、ジョイスティック等を用いたリモコン装置によってロボットRの腕体4の制御を行うようにしてもよい。
【0088】
以上説明した制御処理によって、例えばロボットRの直立停止状態(このときマスタ装置Mの足平架台28に載せたオペレータの足平部はロボットRの足平部7の位置/姿勢に対応した位置/姿勢となっている)において、マスター側足平作用力の検出値とロボット側足平作用力の検出値とが所要の対応関係にある(本実施形態では比例関係)にあるときには、前記脚バイラテラル主制御部47により前記STEP5−1で決定されるロボットRの足平部7の前記目標並進速度及び目標回転速度が「0」となるため、ロボットRの目標足平位置/姿勢とマスター目標足平位置/姿勢とは現状のままに維持される。そして、ロボットRの目標足平位置/姿勢に基づき、ロボット脚主制御部50及びロボット脚用アクチュエータ変位制御部51による前述の制御処理を行うと共に、マスター目標足平位置/姿勢に基づき、マスター脚主制御部48及びマスター足平用アクチュエータ変位制御部49による前述の制御処理を行うことで、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力との所要の対応関係が維持される。
【0089】
また、例えば上記の状態からロボットRの歩行を行わしめようとするときには、オペレータは、ロボットRに行わせようとする歩行形態で、各足平架台28に載せて固定した自身の足平を動かす。すなわち、オペレータは踏み込み側の足平を持ち上げ、次いで、該足平を着床を行おうとする位置及び姿勢に向かって下降させる動作を各脚について繰り返す。
【0090】
このとき、オペレータがロボットRの歩行を行わしめるべく、踏み込み側の自身の足平部を持ち上げて動かすと、その足平部の動き方向でオペレータの足平部が前記足平支持機構15の足平架台28から受けるマスター側足平作用力の検出値が変化して、ロボットRの足平作用力との所要の対応関係がくずれるため、前述の如く脚バイラテラル主制御部47によりロボットRの足平部7の前記目標並進速度及び目標回転速度を決定することで、該目標並進速度及び目標回転速度は、ロボットRの足平部7がオペレータの足平部の動作に追従した動作を行うように決定される。従って、この目標並進速度及び目標回転速度で、前述の如く、ロボットRの目標足平位置/姿勢を変化させ、さらにこれに対応させてマスター目標足平位置/姿勢を決定することで、オペレータの踏み込み側の足平部と、これに対応したロボットRの踏み込み側の足平部7とが同じような形態で動く。
【0091】
そして、ロボットRの踏み込み側の足平部7が着床すると、該足平部7が床から受けるロボット側足平作用力の検出値が、オペレータの足平部が足平架台28から受けるマスター側足平作用力の検出値に対して急増することで、ロボットRの目標並進速度や目標回転速度がロボットRの目標足平位置/姿勢の変化を抑制する方向に決定され、これに伴いマスター目標足平位置/姿勢もその変化が抑制されるように決定される。従って、オペレータの足平部を載せた足平架台28の動きが抑制されて、マスター側足平作用力が、ロボット側足平作用力に対応するように増加し、これによりオペレータはロボットRと同じような着床感覚を認識する。
【0092】
このようにして、ロボットRの足平部7とオペレータの足平部とは、互いに同じような足平作用力を受けるようにして、同じような形態で動くこととなる。
【0093】
また、上記のような作動に際して、ロボットRの上体が外力等により傾くと、前記マスター側上体制御部42の前述のような制御処理によって、オペレータの胴体を固定したマスター装置Mの背もたれ部19がロボットRの上体と同じように傾く。また、このとき、ロボットRの上体の傾き側でロボットRの足平部7の足平作用力の検出値が増加するため、それに対応するようにして、マスター側足平作用力がオペレータの上体の傾き側に増加するようにマスター目標足平位置/姿勢が決定される。
【0094】
このため、オペレータは、その足平部が受けるマスター側足平作用力の変化と、ロボットRの上体の傾きに応じたオペレータ自身の上体の傾きとによって、ロボットRの不安定さを認識し、これに応じて自身の上体の傾き側の足平部に荷重を加えるように踏ん張る処置を採る。そして、オペレータがこのような処置を採ると、これに呼応してロボットRの脚体3がロボットRの上体の傾き側に踏ん張るように動作し、これによりロボットRの安定性が保たれる。
【0095】
このように本実施形態のシステムによれば、マスター装置M側のオペレータが受けるマスター側足平作用力と、ロボットRが受けるロボット側足平作用力とが互いに対応関係になるようにマスター目標足平位置/姿勢及びロボットRの目標足平位置/姿勢を決定してやることで、オペレータは、自身が受ける足平作用力によって、ロボットRの安定性や不安定さを的確に認識しつつ、ロボットRの安定性を保つようにロボットRを操縦することができる。
【0096】
そして、この場合、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力とをそれぞれ検出して前述の制御を行うことで、マスター装置Mの各マスター足平用アクチュエータ30やロボットRの各脚用アクチュエータ5等の慣性力や摩擦力の影響を排除することができ、オペレータはロボットRが受けるロボット側足平作用力を、これに対応したマスター側足平作用力によって確実に認識することができる。
【0097】
また、ロボットRの上体が外力等により傾くと、それに呼応するようにしてオペレータの上体も傾くので、オペレータはロボットRと一体感をもって、ロボットRの安定性や不安定さをより的確に認識しつつ、ロボットRの適切な操縦をすることができる。
【0098】
さらに、マスター装置Mの上体支持機構14によりオペレータの上体を支持した状態で、オペレータの足平位置/姿勢とロボットRの足平位置/姿勢との所要の対応関係を保ちつつ、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力とが所要の対応関係になるようにオペレータの上体に対する相対的なマスター目標足平位置/姿勢と、ロボットRの上体に対する相対的な目標足平位置/姿勢を決定するようにしているので、ロボットRを種々様々の床形状の環境下で操縦することができる。例えば、ロボットRに階段を昇らせる場合には、オペレータはあたかも下りのエスカレータをその速さと同じ速さで昇り側に歩行するようにして、足平架台28に支持した足平部を動かせばよい。
【0099】
次に、本発明の第2の実施形態を図9及び図10並びに、前記図1、図3、図4を参照して説明する。尚、本実施形態の説明に際して、前記第1の実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については該第1の実施形態と同一の参照符号を用いて適宜説明を省略する。
【0100】
本実施形態のシステムでは、ロボットRは第1の実施形態と同一構成である(図1参照)。そして、マスター装置Mは、図9に示すような構成となっている。すなわち、このマスター装置Mは、前記第1の実施形態と同一構成の上体支持機構14及びマスター腕機構32を備える一方、第1の実施形態と異なる構成の足平支持機構55を具備している。
【0101】
この足平支持機構55は、上体支持機構14の背もたれ部19の下端部の両側部からそれぞれ3軸回転機構56を介して下方に延設された一対のリンク機構状のマスター脚機構57,57を具備し、この各マスター脚機構57の下端部に、前記第1の実施形態のものと同様の6軸力センサ29を内蔵した足平架台28が2軸回転機構58を介して取着されている。
【0102】
ここで、上記3軸回転機構56はロボットRの股関節部分の脚用アクチュエータ5a(図1参照)に対応するものであり、三つのアクチュエータ59a,59b,59cによりそれぞれ前後、左右及び上下方向の三つの軸心60a,60b,60c回りに回転動作が行われるようになっている。また、2軸回転機構58はロボットRの足首関節部分の脚用アクチュエータ5c(図1参照)に対応するものであり、二つのアクチュエータ59d,59eによりそれぞれ前後及び左右の軸心60d,60e回りに回転動作が行われるようになっている。
【0103】
さらに各マスター脚機構57の中間部61は関節部となっており、該中間部61には、ロボットRの膝関節部分の脚用アクチュエータ5b(図1参照)に対応して左右方向の軸心60f回りの回転動作を行うアクチュエータ59fが設けられている。
【0104】
このようなマスター脚機構57の構成により、その下端部の足平架台28は、ロボットRの足平部7と同様に、前記各アクチュエータ59a〜59fの作動により6自由度の動作が行われる。以下、前記各アクチュエータ59a〜59fを説明の便宜上、第1の実施形態と同様にマスター足平用アクチュエータ30と総称する。
【0105】
以上のように構成された本実施形態のシステムにおけるマスター装置Mでは、図示しないオペレータは、ロボットRの操縦を行う際には、上体を背もたれ部19に当接させてサドル21に腰掛けると共に、足平部を足平架台28に載せる。そして、上体及び足平部を図示しないベルトによりそれぞれ背もたれ部19及び足平架台28に固定する。
【0106】
尚、本実施形態では、マスター装置M及びロボットRの制御システムは第1の実施形態で説明したもの(図3及び図4参照)と基本的には同一である。この場合、図3を参照して、本実施形態では、前記マスター脚主制御部48には、前記目標マスター上体位置/姿勢決定部44から目標マスター上体位置/姿勢のデータは与えられず、この点でのみ、第1の実施形態の制御システムと相違し、他のシステム構成は同一である。
【0107】
次に、本実施形態のシステムの作動を説明する。
【0108】
本実施形態では、前記マスター脚主制御部48(図3参照)のみの処理が前記第1の実施形態と一部相違しており、該マスター脚主制御部48は、図10のフローチャートに示す処理を前記所定の制御サイクルで行う。
【0109】
すなわち、マスター脚主制御部48は、まず、前記第1の実施形態と全く同様に、足平架台28の6軸力センサ29による前記マスター側足平作用力の検出値を前記マスター側上体座標系に変換した後(STEP10−1)、前記脚バイラテラル主制御部47から与えられるマスター側上体座標系での今回のマスター目標足平位置/姿勢から前記マスター足平用アクチュエータ30の目標変位を算出する(STEP10−2)。この場合、この算出に際しては、前記第1の実施形態と異なり、目標マスター上体位置/姿勢は使用しない。すなわち、本実施形態では、オペレータの足平部を支持する足平支持機構55が上体支持機構14の背もたれ部19に連結されているため、背もたれ部19の位置/姿勢に追従して足平支持機構55が動く。このため、マスター足平用アクチュエータ30の目標変位は、マスター目標足平位置/姿勢のみによって定まり、該マスター目標足平位置/姿勢のみからマスター足平用アクチュエータ30の目標変位を算出することができる。
【0110】
その後は、マスター脚主制御部48は、前記第1の実施形態と全く同様に、マスター側上体座標系でのマスター側足平作用力の検出値と、マスター足平用アクチュエータ30の目標変位とをそれぞれ脚バイラテラル主制御部47及びマスター足平用アクチュエータ変位制御部49に出力して(STEP10−3)、今回の処理を終了する。
【0111】
以上説明したマスター脚主制御部48の制御処理以外の他の制御処理は前記第1の実施形態と全く同一である(図5、図7、図8参照)。
【0112】
このような本実施形態のシステムの作動によって、前記第1の実施形態と同様に、オペレータの足平位置/姿勢とロボットRの足平位置/姿勢との所要の対応関係を保ちつつ、マスター装置M側のオペレータが受けるマスター側足平作用力と、ロボットRが受けるロボット側足平作用力とが互いに対応関係になるようにマスター目標足平位置/姿勢及びロボットRの目標足平位置/姿勢を決定してやることで、オペレータは、自身が受ける足平作用力によって、ロボットRの安定性や不安定さを的確に認識しつつ、ロボットRの安定性を保つようにロボットRを操縦することができる。
【0113】
そして、この場合、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力とをそれぞれ検出して前述の制御を行うことで、マスター装置Mの各マスター足平用アクチュエータ30やロボットRの各脚用アクチュエータ5等の慣性力や摩擦力の影響を排除することができ、オペレータはロボットRが受けるロボット側足平作用力を、これに対応したマスター側足平作用力によって確実に認識することができる。
【0114】
また、ロボットRの上体が外力等により傾くと、それに呼応するようにしてオペレータの上体も傾くので、オペレータはロボットRと一体感をもって、ロボットRの安定性や不安定さをより的確に認識しつつ、ロボットRの適切な操縦をすることができる。
【0115】
さらに、マスター装置Mの上体支持機構14によりオペレータの上体を支持した状態で、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力とが所要の対応関係になるようにオペレータの上体に対する相対的なマスター目標足平位置/姿勢と、ロボットRの上体に対する相対的な目標足平位置/姿勢を決定するようにしているので、ロボットRを種々様々の床形状の環境下で操縦することができる。
【0116】
次に本発明の第3の実施形態を図11を参照して説明する。尚、本実施形態の説明に際して、前記第1又は第2の実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については該第1の実施形態と同一の参照符号を用いる。
【0117】
本実施形態は、前記第1又は第2の実施形態のシステムにおいて、例えばロボットR(図1参照)の足首関節部分を前後及び左右方向の軸回りだけでなく、さらに上下方向の軸回りに回動し得るようにした場合等、足平部7の自由度を7自由度以上の自由度に設定した場合に(この場合、ロボットRの目標足平位置/姿勢だけでは、脚体3の各アクチュエータの動作量が一義的に定まらない)、ロボットRの足平位置/姿勢とマスター装置M側の足平位置/姿勢とをロボット側足平作用力及びマスター側足平作用力が互いに所要の対応関係になるように制御する手法を示すものである。
【0118】
本実施形態では、脚バイラテラル主制御部47により、図11のフローチャートに示す処理を行う。
【0119】
すなわち、まず、前記第1又は第2の実施形態と同様に、マスター側上体座標系におけるマスター側足平作用力の検出値とロボット側上体座標系におけるロボット側足平作用力の検出値とからロボット側上体座標系におけるロボットRの足平部7の目標並進速度及び目標回転速度を決定する(STEP11−1)。
【0120】
次いで、ロボットRの脚体3の前回の目標関節変位(各関節に備えた各アクチュエータの目標回転角)から、ロボットRの上体座標系における目標足平位置/姿勢(足平部7の3軸方向の各位置成分(座標成分)及び各軸回りの回転角成分)の微小摂動量(足平位置/姿勢の微小変化量)に対する脚体3の関節変位の摂動量を表す、所謂疑似ヤコビアン逆行列を求める(STEP11−2)。ここで、疑似ヤコビアン逆行列は、足平部7の自由度を例えば7自由度とした場合、7行6列の行列である。
【0121】
次いで、STEP11−1で求めた目標並進速度及び目標回転速度と、STEP11−2で求めた疑似ヤコビアン逆行列とからロボットRの脚体3の今回の目標関節速度(各関節に備えた各アクチュエータの目標速度)を算出する(STEP11−3)。この算出は、目標並進速度の3軸方向の各成分及び目標回転速度の3軸回りの各成分を要素とするベクトルに疑似ヤコビアン逆行列を乗算することにより行われる。
【0122】
さらに、STEP11−3で求めたロボットRの脚体3の今回の目標関節速度と脚体3の前回の目標関節変位とから今回の目標関節変位を求める(STEP11−4)。すなわち、今回の目標関節速度に制御サイクル分の時間を乗算した値を、前回の目標関節変位に加算することで今回の目標関節変位を求める。
【0123】
次いで、STEP11−4で求めたロボットRの脚体3の目標関節変位から所謂キネマティクス演算によって、ロボット側上体座標系におけるロボットRの足平部7の目標足平位置/姿勢を求め(STEP11−5)、さらに、前記第1又は第2の実施形態の場合と同様に、ロボットRの足平部7の目標足平位置/姿勢に応じてマスター側上体座標系での今回のマスター目標足平位置/姿勢を求める(STEP11−6)。
【0124】
その後は、前記STEP11−4で求めたロボットRの脚体3の目標関節変位を図示しないメモリに記憶した後(STEP11−7)、STEP11−4で求めた脚体3の今回の目標関節変位をロボット側制御ユニット11に出力すると共に、STEP11−6で求めたマスター側上体座標系でのマスター目標足平位置/姿勢を前記マスター脚主制御部48や目標マスター上体位置/姿勢決定部44に出力し(STEP11−8)、今回の処理を終了する。
【0125】
尚、この場合、ロボット側制御ユニット11では、与えられた目標関節変位に従って脚体3の各関節の各アクチュエータを制御する。
【0126】
このようにして、ロボットRの脚体3の目標関節変位を求めると共に、マスター側上体座標系におけるマスター目標足平位置/姿勢を求めて、これらに従ってロボットRの脚体3の動作とマスター装置Mの動作とを行うことで、ロボットRの脚体3の自由度が7自由度以上の場合でも、前記第1又は第2の実施形態と同様にロボットRの足平位置/姿勢とマスター装置M側の足平位置/姿勢とを互いに所要の対応関係に保ちつつ、ロボット側足平作用力及びマスター側足平作用力が互いに所要の対応関係になるように制御する。
【0127】
次に、本発明の第4の実施形態を図12を参照して説明する。尚、本実施形態の説明に際して、前記第1又第2の実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については該第1の実施形態と同一の参照符号を用いる。
【0128】
前述の各実施形態では、ロボットRの足平作用力が変化すると、それが通信装置41を介してマスター側制御ユニット40に送信されて、該マスター側制御ユニット40でロボットRの目標足平位置/姿勢が変更され、それを通信装置41を介してロボット側制御ユニット11に送信して、ロボットRの足平位置/姿勢を制御している。このため、上記の通信による遅れによって、例えばロボットRの歩行時にその足平部7が着床してから床になじむまでに応答遅れを生じやすい。
【0129】
そこで、本実施形態は、ロボット側制御ユニット11で所謂コンプライアンス制御を行うことで、ロボットRがある程度自律的に自身の足平作用力がマスター側足平作用力と所要の対応関係になるようにしたものである。
【0130】
本実施形態ではロボット側制御ユニット11に、マスター側制御ユニット40で求めるマスター側上体座標系におけるマスター側足平作用力の検出値を逐次送信するようにしておき、ロボット側制御ユニット11のロボット脚主制御部50において図12のフローチャートに示す処理を行う。
【0131】
すなわち、まず、ロボットRの脚体3の6軸力センサ6によるロボット側足平作用力の検出値をロボット側上体座標系に変換する(STEP12−1)。次いで、前述の各実施形態でロボットRの足平部7の目標並進速度及び目標回転速度を求めた場合に使用した偏差(ここでは力制御偏差と称する)をマスター側制御ユニット40から与えられる前記マスター側上体座標系におけるマスター側足平作用力の検出値とSTEP12−1で求めたロボット側上体座標系におけるロボット側足平作用力の検出値とから求める(STEP12−2)。すなわち、該力制御偏差は、次式(2)により求める。
【0132】
Figure 0003667914
次いで、この力制御偏差をフィルタ(図示せず)によりなまらせた値にコンプライアンス制御におけるコンプライアンス定数を乗算することにより、ロボット側足平位置/姿勢の変更量を求める(STEP12−3)。詳しくは、力制御偏差をフィルタ(図示せず)によりなまらせた値の力成分及びモーメント成分にコンプライアンス定数を乗算することでそれぞれ足平部7の目標並進速度及び目標回転速度を決定し、その目標並進速度及び目標回転速度に制御サイクル分の時間を乗算することで、ロボットRの足平位置/姿勢の目標変更量を求める。
【0133】
次いで、マスター側制御ユニット40から与えられるロボット側上体座標系におけるロボットRの今回の目標足平位置/姿勢にSTEP12−3で求めた目標変更量を加算することでロボットRの目標足平位置/姿勢を修正し(STEP12−4)、その修正した目標足平位置/姿勢からロボットRの脚用アクチュエータ5の目標変位を算出する(STEP12−5)。そして、算出した脚用アクチュエータ5の目標変位をロボット脚用アクチュエータ変位制御部51に出力すると共に、前記STEP12−1で求めたロボット側上体座標系でのロボット側足平作用力の検出値をマスター側制御ユニット40に出力して(STEP12−6)、今回の処理を終了する。
【0134】
尚、ロボット脚用アクチュエータ変位制御部51は与えられた目標変位に従って脚用アクチュエータ5をフィードバック制御する。
【0135】
このような制御により、本実施形態では、ロボット側足平作用力が、ロボットR自身の制御ユニット11によりマスター側足平作用力/力帰還率を目標値としてコンプライアンス制御されるので、ロボット側足平作用力とマスター側足平作用力との所要の対応関係への制御をより的確に行うことができる。
【0136】
尚、ロボットRの足平部7の自由度を7自由度以上とした場合には、上記のようなコンプライアンス制御を前記第3の実施形態で説明したヤコビアンを用いる手法と併用してもよい。
【0137】
以上説明した各実施形態では、マスター側足平作用力とロボット側足平作用力とをそれぞれ6軸力センサ29及び6により検出するようにしたが、例えば前記足平支持機構15に備えた各マスター足平用アクチュエータ30と、ロボットRの各脚用アクチュエータ5との駆動力を検出するセンサを設けて、それらの駆動力によりマスター側足平作用力やロボット側足平作用力を検出するようにしてもよい。あるいはマスター装置Mの足平架台28やロボットRの足平部7の足底に圧力センサをマトリクス状に配置して、それらの圧力センサの出力によりマスター側足平作用力やロボット側足平作用力を検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における脚式移動ロボットの模式的側面図。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるマスター装置の斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態における制御システムの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態における制御システムの構成を示すブロック図。
【図5】図3の制御システムの作動を説明するためのフローチャート。
【図6】図3の制御システムの作動を説明するためのフローチャート。
【図7】図4の制御システムの作動を説明するためのフローチャート。
【図8】図3の制御システムの作動を説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるマスター装置の斜視図。
【図10】本発明の第2の実施形態を説明するためのフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施形態を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明の第4の実施形態を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
R…ロボット、M…マスター装置、5…脚部駆動装置、7…ロボットの足平部、12…姿勢傾斜状態検出手段、14…上体支持機構、15,55…足平支持機構、6,29…足平作用力検出手段、23(23a〜23f)…上体支持機構駆動装置、28…足平架台、30(30a〜30f,59a〜59f)…足平支持機構駆動装置、42…マスター側上体位置姿勢制御手段、52…足平位置姿勢制御手段

Claims (6)

  1. 脚式移動ロボットをマスタースレーブ方式で操縦するためのマスター装置を備えた脚式移動ロボットの遠隔制御システムにおいて、前記マスター装置に、少なくともオペレータの足平部を載せて該足平部が固定される足平架台を有し、該足平架台に固定された足平部を該足平架台と共に可動に支持する足平支持機構と、該足平支持機構を駆動する足平支持機構駆動装置と、前記オペレータの上体を支持する上体支持機構と、前記足平支持機構に支持された前記オペレータの足平部への前記足平架台からの作用力を検出するマスター側足平作用力検出手段とを設けると共に、前記脚式移動ロボットに、該ロボットの足平部への床からの作用力を検出するロボット側足平作用力検出手段を設け、前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボットの足平部への作用力とが互いに所要の対応関係になるように前記マスター側足平作用力検出手段及びロボット側足平作用力検出手段によりそれぞれ検出された作用力に基づき、前記オペレータの上体に対する足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方と、前記ロボットの上体に対する足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方とを決定し、その決定した目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って前記足平支持機構を前記足平支持機構駆動装置を介して制御すると共に、前記ロボットに備えた脚部駆動装置を制御する足平位置姿勢制御手段を備えたことを特徴とする脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
  2. 前記上体支持機構を前記オペレータの上体と共に可動に設けると共に、前記マスター装置に、該上体支持機構を駆動する上体支持機構駆動装置を設け、前記脚式移動ロボットに、該ロボットの上体の姿勢傾斜状態を検出する姿勢傾斜状態検出手段を設け、前記ロボットの上体の姿勢傾斜状態に応じた前記オペレータの上体の姿勢傾斜状態が得られるように前記姿勢傾斜状態検出手段により検出されたロボットの上体の姿勢傾斜状態に基づき、前記上体支持機構に支持された前記オペレータの上体の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定した目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に従って前記上体支持機構を前記上体支持機構駆動装置を介して制御するマスター側上体位置姿勢制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
  3. 前記足平位置姿勢制御手段は、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方を決定しつつ、該並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方に基づき該ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定したロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に対応した前記オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
  4. 前記足平位置姿勢制御手段は、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記オペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方を決定しつつ、該並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方に基づき該オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定し、その決定したオペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方に対応した前記ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
  5. 前記足平位置姿勢制御手段は、前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて逐次前記ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方と前記オペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とを決定しつつ、該ロボットの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とオペレータの足平部の並進速度及び回転速度のうちの少なくともいずれか一方とに基づきそれぞれ該ロボットの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方と該オペレータの足平部の目標位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
  6. 前記マスター側足平作用力検出手段により検出される前記オペレータの足平部への作用力と前記ロボット側足平作用力検出手段により検出される前記ロボットの足平部への作用力との相互の前記所要の対応関係からの偏差に応じて、両作用力が該所要の対応関係になるようにコンプライアンス制御により前記ロボットの足平部の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方を修正する手段を前記ロボットに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の脚式移動ロボットの遠隔制御システム。
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