JP3667886B2 - 視覚センサを用いた塗布状態検出装置 - Google Patents

視覚センサを用いた塗布状態検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視覚センサを用いて接着剤、塗料など塗付材料の塗布状態を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工場における作業の自動化等の目的で、CCDカメラ等のカメラ手段を備えた視覚センサが広く用いられている。このような視覚センサを利用した装置の1つとして、塗付材料の塗布状態を検出する装置がある。例えば、モータの製造時に部品同士の固着を確実にするための接着剤の塗布状態を塗布中あるいは塗布後に検出するために、視覚センサを利用した塗布状態検出装置が用いられている。一般に、視覚センサを利用した塗布状態検出装置は、塗布済みの部分と未塗布のテクスチュア(塗布対象物の背景地)とが異なった明度を示すことを利用して塗布部/未塗布部の識別を行なっている。
【0003】
特に、塗布前の塗布面の画像と塗布後の塗布面の画像とを比較することで塗布済み部分の画像を抽出し、その面積、形状、位置等を知る手法は、個々の塗布対象物のテクスチュアのバラツキの影響を除去出来るという利点を有している(例えば、特開平7−5118号公報参照)。
【0004】
しかし、このような手法を用いても、塗布済みの部分と未塗布部分との識別が正確に行なわれない場合がしばしば生じていた。このような事態の発生は、照明のジオメトリ条件(照明光のあて方に関する幾何学的な条件)に関連があるものと考えられる。
【0005】
即ち、一般に塗布前後の見え方の差異(検出される明るさの差)はどのような方向から照明光が当てられているかという状況に大きく左右されるから、塗布状態を正確に検出するためには、塗布前後の差異が明瞭になるような方向から照明光を当てることが望まれる。ところが、このような条件を満たす照明光の照射方向(より一般的には幾何学的な条件)を個々のケースについて確実に見い出すことは容易なことではない。
【0006】
例えば、塗布された塗布材料が塗布面上で盛り上がるような場合、塗布済み領域と未塗布領域(テクスチュア)の間の境界が検出し難くなり易い。図1(a),(b)は、その理由を例示的に説明する模式図である。図中、符号Wは塗装対象物で塗布面2上に接着剤1が塗布されている。塗布された接着剤1は自身の持つ粘性、表面張力等のため、中央部が盛り上がった形状をなすことが通例である。
【0007】
今、図1(a)中に符号FLlで示したように、真上方向から照明を行なうと、中央部1aと周縁部1b,1cとでは光の当り方が異なるので、中央部1aについては塗布前後の差異が明確であるが、周縁部1b,1cにおいてはそれが明確でなくなるというようなことが生じ得る。また、図1(b)中に符号FL2で示したように、図中左上方向から照明を行なうと、照明光が当り易い側の周縁部1bから中央部1aにかけての部分については塗布前後の変化が識別容易となるが、他方側の周縁部1cは光の当り方が非常に悪くなり(場合によっては陰影が生じる)、塗布前後の変化が識別困難となる可能性がある。
【0008】
また、接着剤の光学的性質、検査対象物の色合いや形状、カメラと塗布部の相対的な位置関係、照明光の拡散性の度合等の条件によっては、上記関係が逆転し、図1(a)のケースで周縁部1b,1cよりも中央部1aの方が塗布/未塗布の判別が困難になる場合も起こり得る。
【0009】
以下、本明細書では、塗布前後の差異を視覚センサで認識し易いような照明光の当て方に関する幾何学的な条件を「好適照明ジオメトリ条件」と呼ぶことにする。この表現を借りて言えば、上記のような現象は、「好適照明ジオメトリ条件の不定性」と言うべきものである。そして、従来の装置には、この好適照明ジオメトリ条件の不定性に対する有効な対策がなされていなかっために高い信頼性を以て塗布状態の検出を行えないという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を克服することにある。即ち、本発明は、視覚センサを用いた塗布状態検出装置を改良し、好適照明ジオメトリ条件の不定性に関連した塗布状態の検出能力の信頼性の低下を回避する手段を与えることにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、上記技術課題を解決するために、視覚センサを用いた塗布状態検出装置に、複数種の照明ジオメトリ条件を切換設定する手段と、切換設定される各照明ジオメトリ条件下で未塗布の対象物面を表わすテクスチュア画像を取得する手段と、切換設定される各照明ジオメトリ条件下で少なくとも一部が塗布部で覆われた対象物面を表わす塗布状態画像を取得する手段と、各照明ジオメトリ条件下で取得された塗布状態画像を表わすデータとそれらと各対応する照明ジオメトリ条件下で取得されたテクスチュア画像のデータを比較し、塗布前後の差異を明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて最適抽出画像を作成する手段と、最適抽出画像に基づいて塗布状態を判定する手段を具備させたものである。
【0012】
塗布状態検出装置に、塗布状態画像の取得と、最適抽出画像の作成と、塗布状態の判定を塗布工程の進行中に繰り返し実行させる手段を具備させれば、塗布工程の進行モニタリング手段として用いることが出来る。また、塗布状態画像の取得と、最適抽出画像の作成と、塗布状態の判定を塗布工程の終了後に実行させる手段を具備させれば、1つの塗布工程が完了した対象物の塗布状態の検査手段として用いることが出来る。
【0013】
典型的な実施形態においては、塗布状態の判定は最適抽出画像に基づいて塗布部の大きさや形状を検出・判定することを通して行なわれる。
【0014】
本発明の塗布状態検出装置の基本的な特徴は、塗布中あるいは塗布後の塗布状態の検出・判定が、複数の照明ジオメトリ条件で取得されるテクスチュア画像と塗布状態の画像のデータから、塗布前と判定時点における塗布状態の差異を明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて再構成される最適抽出画像に基づいて行なわれるので、好適照明ジオメトリ条件の不定性に起因した検出能力の低下が起こり難いということにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係る塗布状態検出装置の要部を構成する視覚センサシステムの一例を示したブロック図である。これを説明すると、10は画像処理装置であり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)11を有している。該CPU11には、CCDカメラ3に接続されたカメラインターフェイス12、該カメラインターフェイス12を介して取り込まれた画像信号をグレイスケールに変換して記憶するフレームメモリ(#1,#2,#3・・・)13、画像処理プロセッサ14、CPU11を介して画像処理システム各部の動作を制御する為のプログラムを格納したプログラムメモリ15、画像処理前あるいは画像処理後の画像を表示するモニタ30(例えばCRT)に接続されたモニタインターフェイス16、各種設定値のデータを記憶し、また、演算実行時の一時記憶手段としても使用されるデータメモリ17及び照明光源切換装置20及び汎用信号インターフェイス18が、各々バス19を介して接続されている。
【0016】
照明光源切換装置20は、照明ジオメトリ条件を切り換えるために、複数個(ここでは3個)の照明光源5A,5B,5Cに接続され、CPU11からの指令に従ってこれら照明光源のON/OFFの切換を行なう。また、汎用信号インターフェイス18は塗布装置の塗布制御部7にも接続されており、CPU11からの指令に従って塗布装置のON/OFF、塗付材料供給弁の開放度等を制御する。
【0017】
以上の構成は、従来の視覚センサシステムに照明光源切換装置20、塗布制御部等の外部装置を加えたものに相当しているが、ここでは更に、下記に述べる2つの事例1,2に必要な画像処理を実行するための画像処理プログラム及び関連設定値がプログラムメモリ15及びデータメモリ17に格納されている。
【0018】
<事例1>;接着剤の塗布量制御のための塗布状態検出
図3は、図2で説明した要部構成を持つ塗布状態検出装置を接着剤の塗布量制御のための塗布状態検出に適用する場合の配置を説明する模式図である。図3において、符号Wは塗布対象物で、その塗布面2上に塗布装置の塗布ノズル6から接着剤1が適下される。塗布ノズル6からの接着剤1の適下流量は、塗布制御部(例えば制御弁)7によって制御されている。
【0019】
接着剤1の塗布状態は、十分な大きさの視野4を有するCCDカメラ3で撮像される。5A,5B及び5Cは、塗布部を異なる方向から照明する照明光源であり、照明光源切換装置20を介して行なわれる照明光源の選択的点灯によって、塗布部の照明ジオメトリ条件が切り換えられる。なお、ここでは照明光源5A,5B及び5Cに同特性のものを使用する。
【0020】
以下、接着剤1の塗布量のモニタリングによって、予定された量の接着剤1が塗布された時点で塗布を終了するための手順と処理について、図4、図5のフローチャートを参照図に加えて説明する。なお、カメラの画素数は512×512とし、各フローチャート及びその説明中で次の記号を使用する。
T(s)ij;塗布開始前に、s番目の照明ジオメトリ条件で取得される画像(テクスチュア画像)を構成する画素(i,j)の画像信号レベル(i,j=1,2,・・512)。
Z(s)ij;塗布開始後に、s番目の照明ジオメトリ条件で得られる画像(塗布状態モニタリング画像)の各画素(i,j)の画像信号レベル(i,j=1,2,・・512)。
Dij;塗布工程進行中に、塗布状態検出のために作成される画像(最適抽出画像)の各画素(i,j)の画像信号レベル(i,j=1,2, ・・512)。
N[Dij];最適抽出画像について、Dij>gを満たす(i,j)の 組の総数。接着剤1が塗布された部分の面積を表わす。但し、 gは接着剤1の塗布/未塗布を判定するために設定されるしき い値で、その値は設計的乃至実験的に定められる。
【0021】
図4には、画像処理装置10のCPU11によって実行される処理の概略が記されている。先ず、CPU11は照明光源切換装置20に指令を送り、光源5Aを点灯する(ステップS1)。なお、本実施形態では、指定された以外の光源5B,5Cは点灯されない(以下、同様)。そして、この第1の照明ジオメトリ条件下(s=1)でカメラ3による撮影を行い、テクスチュア画像T(1)ijを取得する(ステップS2)。取得されたテクスチュア画像T(1)ijは、グレースケールに変換されたデータの形で、フレームメモリ13の1番目のフレーム#1に格納される。
【0022】
同様に、照明光源5Bの点灯(ステップS3)、第2の照明ジオメトリ条件下(s=2)でのテクスチュア画像T(2)ijの取得(ステップS4)、照明光源5Cの点灯(ステップS5)、第3の照明ジオメトリ条件下(s=3)でのテクスチュア画像T(3)ijの取得(ステップS6)を順次行なう。取得されたテクスチュア画像T(2)ij,T(3)ijは各々グレースケールに変換されたデータの形でフレームメモリ13の2,3番目のフレーム#2,#3に格納される。
【0023】
このようにしてテクスチュア画像の取得が完了したならば、CPU11は塗布制御部7に指令を送り、接着剤1の塗布を開始する(ステップS7)。そして、CPU11は照明光源切換装置20に指令を送り、再び光源5Aを点灯する(ステップS8)。そして、この第1の照明ジオメトリ条件下(s=1)でカメラ3による撮影を行い、塗布状態モニタリング画像Z(1)ijを取得する(ステップS9)。取得された塗布状態モニタリング画像Z(1)ijは、グレースケールに変換されたデータの形で、フレームメモリ13の4番目のフレーム#4に格納される。
【0024】
同様に、照明光源5Bの点灯(ステップS10)、第2の照明ジオメトリ条件下(s=2)での塗布状態モニタリング画像Z(2)ijの取得(ステップS11)、照明光源5Cの点灯(ステップS12)、第3の照明ジオメトリ条件下(s=3)での塗布状態モニタリング画像Z(3)ijの取得(ステップS13)を順次行なう。取得された塗布状態モニタリング画像Z(2)ij,Z(3)ijは各々グレースケールに変換されたデータの形でフレームメモリ13の5,6番目のフレーム#5,#6に格納される。
【0025】
そして、フレームメモリ13のフレーム#1〜#6に格納された画像データに基づいて、最適抽出画像Dijが画像処理プロセッサ14を用いて作成される(ステップS14)。本事例で作成される最適抽出画像Dijは、複数の照明ジオメトリ条件の下で得られたモニタリング画像を各対応する照明ジオメトリ条件の下で得られたテクスチュア画像と比較し、塗布前後の差異を最も明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて最適抽出画像として再構成した画像に相当する。最適抽出画像Dij作成のための画像処理の一例を図5のフローチャートに示した。
【0026】
先ず、画素位置指標i及びjを1にリセットした上で(ステップD1)、フレームメモリ13のフレーム#1と#4、#2と#5及び#3と#6に格納された画像データの差分に基づいて、画素(i,j)について、|Z(1)ij−T(1)ij|,|Z(2)ij−T(2)ij|,|Z(3)ij−T(3)ij|の内最大のものを決定し、Dijのデータとしてフレームメモリ13の第7番目のフレーム#7に書き込む(ステップD2)。
【0027】
次いで、指標iの1アップ(ステップD3)、指標iの飽和/未飽和のチェック(ステップD4)を行ない、ステップD4で指標iの飽和が確認されるまで、指標iの1アップ(ステップD3)とDijのデータの書込(ステップD2)が繰り返される。
【0028】
指標jの1つの値について、ステップD4で指標iの飽和が確認されると、指標iをi=1にリセットした上で(ステップD5)、指標jを1アップし(ステップD6)、指標jの飽和/未飽和のチェック(ステップD7)を行なう。ステップD7で指標jの飽和が確認されない限り、再びステップD2へ戻って、Dijのデータの書込が行なわれる。以下同様に、指標iが飽和する毎に、指標jをカウントアップしながらDijのデータが順次の書き込まれる。そして、指標i,jの双方が飽和して最適抽出画像Dijの作成が完了したら処理を終了する。
再び、図4のフローチャートに戻り、ステップS15では作成された最適抽出画像Dijについて、画像信号レベルがしきい値gを越えている画素数Nを求めて基準値N0 と比較する。Nの値は接着剤1の塗布済みの部分の面積に比例すると考えて良いから、接着剤1の塗布を続けるに従って増大する。従って、予定された塗布量に到達するまではN>N0 とはならず、ステップS15の判断出力はノーとなる。
【0029】
そこで、ステップS8へ戻り、以下、ステップS8〜ステップS15の処理サイクルをステップS15でN>N0 と判断されるまで繰り返す。やがて、予定された塗布量に到達し、ステップS15の判断出力がイエスとなったら、CPU11は塗布制御部7に指令を送って接着剤1の塗布を終了し(ステップS16)、処理を終了する。
【0030】
<事例2>;接着剤塗布後の良否検査のための塗布状態検出
図6は、図2で説明した要部構成を持つ塗布状態検出装置を接着剤塗布後の良否検査のための塗布状態検出に適用する場合の配置を説明する模式図である。図6に示した全体配置は、事例1で使用した図3に示したものと基本的に同じなので、繰り返し説明は省略する。但し、塗布後に良否検査を行なう配置であることを考慮して、塗布装置に関連した部分は図示を省略した。
【0031】
図6において、符号Wは検査ステーション8上に置かれた塗布対象物である。本事例における塗布対象物Wは6角筒状のモータ部品であり、その6角形状の頂面上に接着剤1が塗布されている。この接着剤1は、モータ部品Wの頂面上に別の6角形状の部品を固着するためのものであり、下方に併記したように、塗布が良好に行なわれた場合には接着剤1は6角形状の頂面を1周する輪帯状に塗布される。これに対して、この輪帯に途切れ部9が生じた場合には、固着が不完全になる恐れがあり、塗布状態としは不良となる。
【0032】
そこで、本事例では、検査後に前記事例と同様の手法を用いて接着剤塗布部の最適抽出画像を作成し、途切れ部9の有無を判定することで塗布状態の良否を判定する手順と処理について、図7、図8のフローチャートを参照図に加えて説明する。なお、事例1の場合と同じくカメラの画素数は512×512とし、次の意味で共通の記号を次の意味で使用する。但し、記号N[Dij]は使用しない。
【0033】
T(s)ij;事例1と同じく、塗布開始前にs番目の照明ジオメトリ条件で取得される画像(テクスチュア画像)を構成する画素(i,j)の画像信号レベル(i,j=1,2,・・512)。
Z(s)ij;塗布完了後(検査時)に、s番目の照明ジオメトリ条件で得られる画像(塗布状態検査画像)の各画素(i,j)の画像信号レベル(i,j=1,2,・・512)。
Dij;塗布完了後(検査時)に、塗布状態検出のために作成される画像(最適抽出画像)の各画素(i,j)の画像信号レベル(i, j=1,2,・・512)。
【0034】
図7には、画像処理装置10のCPU11によって実行される処理の概略が記されている。テクスチュア画像を取得するためのステップM1〜M6は、前述のステップS1〜S6と同じである。即ち、先ず照明光源切換装置20に指令を送り、光源5Aを点灯し(ステップM1)、第1の照明ジオメトリ条件下(s=1)でカメラ3による撮影を行い、テクスチュア画像T(1)ijを取得する(ステップM2)。取得されたテクスチュア画像T(1)ijは、グレースケールに変換されたデータの形で、フレームメモリ13の1番目のフレーム#1に格納される。
【0035】
同様に、照明光源5Bの点灯(ステップM3)、第2の照明ジオメトリ条件下(s=2)でのテクスチュア画像T(2)ijの取得(ステップM4)、照明光源5Cの点灯(ステップM5)、第3の照明ジオメトリ条件下(s=3)でのテクスチュア画像T(3)ijの取得(ステップM6)を順次行なう。取得されたテクスチュア画像T(2)ij,T(3)ijは各々グレースケールに変換されたデータの形でフレームメモリ13の2,3番目のフレーム#2,#3に格納される。
【0036】
ここまでのテクスチュア画像取得のステップは、塗布開始前に行なわれる。そして、外部信号の受信等で塗布工程の完了を検出したならば、ステップM7以下に進む。なお、塗布工程は検査ステーション8とは別の場所で遂行されても良いが、テクスチュア画像取得時(ステップM1〜M6)と以下に述べる検査画像取得時(ステップM7〜M12)は、照明光源5A〜5C及びカメラ3に関して同じ位置決め状態の下で遂行される。
【0037】
検査時には、先ずCPU11は照明光源切換装置20に指令を送り、再び光源5Aを点灯する(ステップM7)。そして、この第1の照明ジオメトリ条件下(s=1)でカメラ3による撮影を行い、塗布状態検査画像Z(1)ijを取得する(ステップM8)。取得された塗布状態検査画像Z(1)ijは、グレースケールに変換されたデータの形で、フレームメモリ13の4番目のフレーム#4に格納される。
【0038】
同様に、照明光源5Bの点灯(ステップM9)、第2の照明ジオメトリ条件下(s=2)での塗布状態検査画像Z(2)ijの取得(ステップM10)、照明光源5Cの点灯(ステップM11)、第3の照明ジオメトリ条件下(s=3)での塗布状態検査画像Z(3)ijの取得(ステップM12)を順次行なう。取得された塗布状態検査画像Z(2)ij,Z(3)ijは各々グレースケールに変換されたデータの形でフレームメモリ13の5,6番目のフレーム#5,#6に格納される。
【0039】
そして、フレームメモリ13のフレーム#1〜#6に格納された画像データに基づいて、最適抽出画像Dijが画像処理プロセッサ14を用いて作成される(ステップM13)。本事例において作成される最適抽出画像Dijは、複数の照明ジオメトリ条件の下で得られた塗布状態検査画像を各対応する照明ジオメトリ条件の下で得られたテクスチュア画像と比較し、塗布前後の差異を最も明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて抽出画像として再構成した画像に相当している。
【0040】
最適抽出画像Dij作成は、事例1で説明した図5のフローチャートに従った処理によって実行出来るので、繰り返し説明は省略する。なお、フローチャート中の記号Z(s)ijは塗布状態検査画像と解釈する。
【0041】
続くステップM14では、作成された最適抽出画像Dijについて、塗布状態の良/不良の判定が行なわれる。図6を参照して述べたように、本事例における塗布状態の良/不良の判定は、帯状の塗布部に途切れ部9が存在するか否かで判定される。最適抽出画像Dijは、背景(テクスチュア)を消去して帯状の塗布部を最適抽出画像として再構成したものであるから、最適抽出画像Dijについて、それが閉じた輪帯を形成しているか否かを判定すれば良いことになる。
【0042】
このような判定を行なう画像処理のアルゴリズムは種々のものが周知であり、ここでもそれを利用することが出来る(株式会社昭晃堂発行人工知能シリーズ第11巻:谷内田正彦著、「ロボットビジョン」、第48〜第51頁、第101〜第103頁参照)。そこで、2つの例を挙げ、フローチャート(図8;途切れ部有無判定処理、図9;途切れ部有無判定処理2、2値化画像の説明図(図10)並びにr(θ)曲線の説明図(図11)を参照して簡単に説明すれば次のようになる。
【0043】
(1)途切れ部有無判定処理1;先ず、最適抽出画像Dijを2値化する(ステップK1)。そして、2値画像に対してラベルづけによる方法、ランレングス法などを適用し(前掲書第48〜第51頁参照)、値0を持つ領域の数を判定する(ステップK2)。塗布状態が良好であれば、2値画像は図10中の画像1のように輪状の値1の領域で値0の領域が2つに分断されたものとなり(値0を持つ領域の数が2)、塗布状態が不良(途切れ部1個;図3参照)であれば図10中の画像2のように、値1の領域に途切れ部Aが生じ、値0の領域が1つにつながった画像(値0を持つ領域の数が1)が得られる。
【0044】
そこで、値0の領域が2個であれば原画像Dijが閉じた輪帯を形成していると判定され(ステップK3でイエス)、それ以外のケースは少なくとも1個の途切れ部があると判定される(ステップK3でノー)。ステップK3の判断がイエス(即ち、ステップM14の判断がノー)の場合は、ステップM15へ進み塗布状態良好の信号を出力する。また、ステップK3の判断がノー(即ち、ステップM14の判断がイエス)の場合は、ステップM16へ進み塗布状態不良のアラーム信号を出力する。
【0045】
(2)途切れ部有無判定処理2;途切れ部有無判定処理1と同じく、最適抽出画像Dijを2値化する(ステップL1)。得られる2値画像は上記した途切れ部有無判定処理1の場合と同じである(図10参照)。次いで、この2値画像について、r(θ)曲線を作成する(ステップL2)。図11に例示したように、途切れ部に向かう方向に対応する範囲(θ1 <θ<θ2 )では、画像重心Gからθ方向に引いた直線と2値化された画像の輪郭線との交点(2つある場合には、重心Gに近い方を選ぶ。)が存在しなくなることを利用して、途切れ部の有無を判定する(ステップL3)。
【0046】
本途切れ部有無判定処理2を適用した場合、ステップL3の判断がイエス(即ち、ステップM14の判断がノー)であればステップM15へ進み塗布状態良好の信号を出力する。また、ステップK3の判断がノー(即ち、ステップM14の判断がイエス)の場合は、ステップM16へ進み塗布状態不良のアラーム信号を出力する。
【0047】
以上、3個の同特性の照明光源を択一的に点灯して3種のジオメトリ条件を設定して最適抽出画像を作成する2つ事例について説明したが、ジオメトリ条件の数や設定方法は、これに限るものではない。例えば、異なる特性(光度、スペクトル、拡散性など)を有する複数の照明光源を配置して切り換える方式としても良いし、また、1つのジオメトリ条件で2個以上の照明光源を点灯しても良い。
【0048】
なお、設定される複数のジオメトリ条件について、テクスチュア画像の画像信号レベルが大きく異なる場合には、各ジオメトリ条件下で取得される画像間で画像信号レベルを規格化することが好ましい。画像の規格化は、例えば、最初のジオメトリ条件下で得られたテクスチュア画像の画像信号レベルの平均値を基準として、他のジオメトリ条件下で得られたテクスチュア画像の画像信号レベルの平均値との比を計算し、2番目以降の各ジオメトリ条件で得られた各画像について各々規格化定数γ2 ,γ3 ・・・を乗じてから、最適抽出画像を構成すれば良い。
【0049】
【発明の効果】
本発明の塗布状態検出装置によれば、好適照明ジオメトリ条件の不定性に関連して塗布状態の検出能力が低下することが避けられる。従って、本発明の塗布状態検出装置を塗布工程中あるいは工程後の塗布状態のモニタリングや良否検査に適用した場合、塗布工程システム全体の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布面上で塗布部が盛り上がる場合を例にとって、好適ジオメトリ条件の不定性について説明する図で、(a)は真上方向から照明を行なったケース、(b)は斜め上方向から照明を行なったケースを表わしている。
【図2】本発明に係る塗布状態検出装置の要部を構成する視覚センサシステムの一例を示したブロック図である。
【図3】図2で説明した要部構成を持つ塗布状態検出装置を接着剤の塗布量制御のための塗布状態検出に適用する場合の配置を説明する模式図である。
【図4】事例1において、画像処理装置10のCPU11が実行する処理の概略を記したフローチャートである。
【図5】最適抽出画像Dij作成のための画像処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】図2で説明した要部構成を持つ塗布状態検出装置を接着剤塗布後の良否検査のための塗布状態検出に適用する場合の配置を説明する模式図である。
【図7】事例2において、画像処理装置10のCPU11が実行する処理の概略を記したフローチャートである。
【図8】途切れ部有無判定処理1について説明するフローチャートである。
【図9】途切れ部有無判定処理2について説明するフローチャートである。
【図10】塗布状態良好時と塗布状態不良時の2値化画像を例示した図である。
【図11】塗布状態良好時と塗布状態不良時のr(θ)曲線について説明する図である。
【符号の説明】
1 接着剤(塗布部)
1a 接着剤(塗布部)の中央部
1b,1c 接着剤(塗布部)の縁部
2 テクスチュア(塗布面)
3 カメラ
4 カメラの視野
5A,5B,5C 照明光源
6 塗布ノズル
7 塗布制御部(制御弁)
8 検査ステーション
9 途切れ部
10 画像処理装置
11 中央演算処理装置(CPU)
12 カメラインターフェイス
13 フレームメモリ
14 画像処理プロセッサ
15 プログラムメモリ
30 モニタ
16 モニタインターフェイス
17 データメモリ
18 汎用信号インターフェイス
19 バス
20 照明光源切換装置
A 2値画像上の途切れ部
FL1,FL2 照明光束
W 塗布対象物

Claims (5)

  1. カメラ手段を含む視覚センサを用いた塗布状態検出装置において、
    複数種の照明ジオメトリ条件を切換設定する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で未塗布の対象物面を表わすテクスチュア画像を取得する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で少なくとも一部が塗布部で覆われた対象物面を表わす塗布状態画像を取得する手段と、
    前記各照明ジオメトリ条件下で取得された塗布状態画像を表わすデータとそれらと各対応する照明ジオメトリ条件下で取得されたテクスチュア画像のデータを比較し、塗布前後の差異を明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて最適抽出画像を作成する手段と、前記最適抽出画像に基づいて塗布状態を判定する手段を備えた、前記塗布状態検出装置。
  2. カメラ手段を含む視覚センサを用いた塗布状態検出装置において、
    複数種の照明ジオメトリ条件を切換設定する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で未塗布の対象物面を表わすテクスチュア画像を取得する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で少なくとも一部が塗布部で覆われた対象物面を表わす塗布状態画像を取得する手段と、
    前記各照明ジオメトリ条件下で取得された塗布状態画像を表わすデータとそれらと各対応する照明ジオメトリ条件下で取得されたテクスチュア画像のデータを比較し、塗布前後の差異を明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて最適抽出画像を作成する手段と、前記最適抽出画像に基づいて塗布状態を判定する手段と、
    前記塗布状態画像の取得と、前記最適抽出画像の作成と、前記塗布状態の判定を塗布工程の進行中に繰り返し実行させる手段を備えた、前記塗布状態検出装置。
  3. 前記塗布状態を判定する手段が、前記最適抽出画像に基づいて塗布部の大きさに基づいて塗布状態を判定する手段を含んでいる、請求項1または請求項2に記載された塗布状態検出装置。
  4. カメラ手段を含む視覚センサを用いた塗布状態検出装置において、
    複数種の照明ジオメトリ条件を切換設定する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で未塗布の対象物面を表わすテクスチュア画像を取得する手段と、前記切換設定される各照明ジオメトリ条件下で少なくとも一部が塗布部で覆われた対象物面を表わす塗布状態画像を取得する手段と、
    前記各照明ジオメトリ条件下で取得された塗布状態画像を表わすデータとそれらと各対応する照明ジオメトリ条件下で取得されたテクスチュア画像のデータを比較し、塗布前後の差異を明瞭に表わしている画像データを寄せ集めて最適抽出画像を作成する手段と、前記最適抽出画像に基づいて塗布状態を判定する手段と、
    前記塗布状態画像の取得と、前記最適抽出画像の作成と、前記塗布状態の判定を塗布工程の終了後に実行させる手段を備えた、前記塗布状態検出装置。
  5. 前記塗布状態を判定する手段が、前記最適抽出画像に基づいて塗布部の形状に基づいて塗布状態を判定する手段を含んでいる、請求項1または請求項4に記載された塗布状態検出装置。
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