JP3667682B2 - 情報送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、運用伝送路と予備伝送路の伝送路状態を相互に通知し合う情報送受信装置に係わり、特にこれらの伝送路で障害が発生した際に装置間で伝送路障害の情報や伝送路の切り替えの情報等を相互に送信しあう情報送受信装置に関する。
【従来の技術】
近年、インターネットやその他の通信ネットワークが多数構築されている。このような通信ネットワークが放送や金融機関等の各種ビジネスの分野に利用されると共に、通信ネットワークの信頼性を確保する要請も高まっている。特に主要なトラフィックを賄うバックボーンとなるネットワークを管轄する通信事業者やオンライン接続サービス事業者の場合には、この要請が高い。そこで、これらの事業者向けに、運用伝送路と予備伝送路からなる冗長伝送路構成をベルコア(Bellcore)規定によるAPS(Automatic Protection Switching)制御で切り替える通信ネットワークシステムが採用されている。
【0003】
ここでベルコア規定とは、運用伝送路と予備伝送路からなる冗長伝送路構成での伝送路の切り替えおよび伝送路の障害監視のシステム構成または制御の手法を規定したものである。APS制御は、伝送路の自動切り替えに関する制御であり、伝送路障害の情報に基づいて、装置間で信号を送信する伝送路を障害の発生していない伝送路へ自動的に切り替えるようになっている。また、ベルコア規定では、対向する装置間でのAPS制御に関する情報は、これらの装置間で切り替えの対象となる冗長伝送路の予備伝送路を用いて、対向する装置に送信するように定められている。これによって、伝送路の状態を認識し、APS制御による切り替えや伝送路障害への対応を行う。このようなベルコア規定のAPS制御を用いることで、信頼性の高い通信ネットワークシステムが構築されている。
【0004】
ここでAPS制御に関する情報とは、APS制御による伝送路の切り替えおよび切り替えの対象となる伝送路障害の情報である。このようなAPS制御に関する情報の中で、伝送路の切り替えに関する情報としてのAPSバイトについては、APS制御上の予備伝送路を用いて対向する装置に送信することが定められている。APS制御上の伝送路とは、APS制御によって切り替えの対象となる運用伝送路および予備伝送路を指している。また、APS制御上の運用伝送路では、APSバイトの代わりにゼロパターンを対向する装置に送信することがベルコア規定により定められている。更に、各伝送路を用いて予め定められた伝送路障害の情報を送信することも定められている。このときAPS制御に関連する情報は、伝送路を伝送される信号に挿入されるセクションオーバヘッドの所定の領域であるK1バイトおよびK2バイトに組み込まれる。APSバイトはセクションオーバヘッドのK1バイトとK2バイトの上位5ビットに、伝送路障害の情報はこのK2バイトの下位3ビットにそれぞれ組み込まれるようになっている。ここでセクションオーバヘッドは、SONETまたはSDH(Synchronous Optical Network/ Synchronous Digital Hierarchy:同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ)に対応したSDH信号のセクションオーバヘッドを指している。
【0005】
図16は従来のAPS制御を行う伝送装置を使用して情報を送受信する情報送受信装置を配置したシステムの概要を表わしたものである。このシステムは、ベルコア規定により伝送路を切り替えるAPS制御機能を有する第1の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置(以下、第1の装置と略称する。)201と、同じくAPS制御機能を有する第2の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置(以下、単に第2の装置と称する。)202をそれぞれ情報送受信装置として対向配置した構成となっている。
【0006】
第1の装置201と第2の装置202の間には、双方向とも冗長伝送路構成の第1の回線401と第2の回線402が接続されている。これらの回線に存在する伝送路は、ネットワーク管理者によってAPS制御上の運用伝送路と予備伝送路が予め定められている。すなわち第1の装置201から第2の装置202方向には第1の回線401を使用した運用伝送路203と第2の回線402を使用した予備伝送路204が存在し、第2の装置202から第1の装置201方向には第1の回線401を使用した運用伝送路205と第2の回線402を使用した予備伝送路206が存在している。また、APS制御による伝送すべき主信号を選択的に受信する伝送路としてのワーキングチャネル(Working Channel)は、第1の装置201から第2の装置202方向については運用伝送路203を、また第2の装置202から第1の装置201方向については予備伝送路206をそれぞれ選択しており、これらの装置201、202間で主信号の送受信が行われている。
【0007】
ワーキングチャネルの切り替えは、単方向切替(unidirectional)となっている。単方向切替とは、障害が発生したワーキングチャネルとして指定された伝送路だけを切り替えることを指している。したがって、信号の送受信を行っている装置間で、仮に一方向を送信側とした場合に、送信側のワーキングチャネルで切り替えが行われても受信側のワーキングチャネルは、これに障害が発生しない限り切り替えられることはない。
【0008】
第1の装置201内には第2の装置202へ送信する信号をコピーするブリッジ部207と、ブリッジ部207から出力される信号をそれぞれ入力してK1バイトおよびK2バイトを挿入する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部(挿入部)208、209と、第2の装置202からK1バイトおよびK2バイトを受信する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部(受信部)217、218と、伝送路障害を監視する伝送路障害監視部227と、K1バイトおよびK2バイトの送信制御を行うK1バイトおよびK2バイト送信部(送信部)230と、受信した信号を選択して出力させるためのセレクタ部219と、全体的な制御を行う制御部220が設けられている。制御部220は第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部217、218から対向装置の伝送路を切り替えるための対向装置伝送路切替制御情報411、226を受信するようになっている。また、伝送路障害監視部227との間で伝送路障害情報の送受信を行うようになっている。更に、K1バイトおよびK2バイト送信部230に対しては自装置伝送路切替制御情報229を、セレクタ部219に対してはセレクタ部制御情報をそれぞれ送信してこれらの切替制御を行わせるようになっている。
【0009】
第2の装置202内には第1の装置201へ送信する信号をコピーするブリッジ部214と、ブリッジ部214から出力される信号をそれぞれ入力してK1バイトおよびK2バイトを挿入する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部(挿入部)215、216と、第2の装置201からK1バイトおよびK2バイトを受信する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部(受信部)210、211と、伝送路障害を監視する伝送路障害監視部222と、K1バイトおよびK2バイトの送信制御を行うK1バイトおよびK2バイト送信部(送信部)224と、受信した信号を選択して出力させるためのセレクタ部212と、全体的な制御を行う制御部213が設けられている。制御部213は第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部210、211から対向装置の伝送路を切り替えるための対向装置伝送路切替制御情報421、232を受信するようになっている。また、伝送路障害監視部222との間で伝送路障害情報の送受信を行うようになっている。更に、K1バイトおよびK2バイト送信部224に対しては自装置伝送路切替制御情報223を、セレクタ部212に対してはセレクタ部制御情報をそれぞれ送信してこれらの切替制御を行わせるようになっている。このように、第2の装置202も第1の装置201と構成は同一である。
【0010】
次に第1の装置201から第2の装置202へ信号を伝送する動作について説明する。まず第1の装置201から第2の装置202へ送信する信号は、第1の装置201のブリッジ部207でコピーされ、運用伝送路203とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部208および予備伝送路204とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209にそれぞれ入力される。制御部220は、伝送路障害監視部227から受け取った伝送路障害情報に基づいた自装置伝送路切替制御情報229をK1バイトおよびK2バイト送信部230へ入力する。K1バイトおよびK2バイト送信部230は、これを第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部208、209それぞれに応じたK1バイトおよびK2バイトに変換し、それぞれに対して送信する。第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部208、209では、入力されたK1バイトおよびK2バイトを入力された信号へ多重挿入し、両方の通信経路からそれぞれの信号が第2の装置202へ伝送される。このとき、第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部208では、信号に挿入されるセクションオーバヘッド内のK1およびK2バイトに、APSバイトとしてゼロパターンが組み込まれるようになっている。また、第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209では、信号に挿入されるセクションオーバヘッド内のK1およびK2バイトにAPSバイトとしてAPS制御に関する情報が組み込まれるようになっている。
【0011】
第2の装置202へ送られてきた信号は、運用伝送路203とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト受信部210、予備伝送路204とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト受信部211でそれぞれ受信される。それぞれの受信部では、受信された信号にK1およびK2バイトが多重挿入されているか否かを判別した後、セレクタ部212へ送る。このとき、それぞれの受信部は、判別の結果に関わりなく信号をセレクタ部212へ送るようになっている。セレクタ部212では、制御部213から受け取ったセレクタ部制御情報に従って伝送路をセレクトし、信号を受信するようになっている。図16の場合、運用伝送路203をセレクトし、運用伝送路203を介して送られてきた信号だけを主信号として選択的に受信する。また、セレクトされていない伝送路(ここでは予備伝送路204)を介して送られてきた信号は、輻輳を避けるため廃棄されるようになっている。また、第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部210、211は多重挿入されているK1バイトおよびK2バイトを対向装置伝送路切替制御情報421、232に変換してから、それぞれ制御部213へ入力する。制御部213は、これらの情報に基づいたセレクタ部制御情報をセレクタ部212へ送信し、また伝送路障害情報を伝送路障害監視部222へ送信する。セレクタ部212および伝送路障害監視部222は、それぞれ送信された情報に基づいて伝送路切り替えおよび伝送路障害への対応処理を行う。
【0012】
次に、第2の装置202から第1の装置201へ信号を伝送する場合の動作について説明を行うが、以上説明した第1の装置201から第2の装置202へ信号を伝送する場合の説明と同様の部分は、適宜説明を省略する。第2の装置202から第1の装置201へ送信する信号は、ブリッジ部214でコピーされ、運用伝送路205とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部215および予備伝送路206とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部216に入力される。制御部213は、伝送路障害監視部222から受け取った伝送路障害情報に基づいた自装置伝送路切替制御情報223をK1バイトおよびK2バイト送信部224へ入力する。K1バイトおよびK2バイト送信部224は、これを第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部215、216それぞれに応じたK1バイトおよびK2バイトに変換し、それぞれに対して送信する。第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部215、216では入力された信号にK1バイトおよびK2バイトをそれぞれ多重挿入し、両方の通信経路からそれぞれの信号が第1の装置201へ伝送される。
【0013】
第1の装置201へ送られてきた信号は、それぞれ第1の装置201の運用伝送路205とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト受信部217および予備伝送路206とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト受信部218で受信される。この後、受信された信号は第1の装置201のセレクタ部219に送られる。セレクタ部219は、制御部220から受け取ったセレクタ部制御情報に従って、予備伝送路206を介して送られてきた信号だけを主信号として選択的に受信し、セレクトされていない伝送路(ここでは運用伝送路205)を介して送られてきた信号は廃棄する。また、第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部217、218は多重挿入されているK1バイトおよびK2バイトを対向装置伝送路切替制御情報411、226に変換してから、それぞれ制御部220へ入力する。制御部220は、これらの情報に基づいたセレクタ部制御情報をセレクタ部219へ送信し、また伝送路障害情報を伝送路障害監視部227へ送信する。セレクタ部219および伝送路障害監視部227は、それぞれ送信された情報に基づいて伝送路切り替えおよび伝送路障害への対応処理を行う。
【0014】
図17は、図16に示したAPS制御を持つ装置の基本的な構成における伝送路での従来の一次障害発生時の処理の一例として、第1の装置から第2の装置方向への予備伝送路において伝送路障害が発生した場合について表わしたものである。図17で図16と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、APS制御による伝送すべき主信号を選択的に受信される伝送路であるワーキングチャネルには、図16で説明したと同様の伝送路がそれぞれセレクトされているものとする。
【0015】
次に、予備伝送路204に障害221が発生した際に、第2の装置202においてAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報を第2の装置202から第1の装置201へ伝送する処理の流れについて説明する。図17では障害221が予備伝送路204に発生しており、この伝送路障害を第1の装置201へ送信する伝送路は予備伝送路206である。更に、APS制御による伝送路の切り替えに関する情報はAPS制御上の予備伝送路206で第1の装置201へ送信するようになっている。したがって、ここでは予備伝送路206を介して送信されるAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報について説明を行う。まず、運用伝送路203および予備伝送路204を介してそれぞれ第1の装置201から第2の装置202に向けて伝送されるべき信号のうち予備伝送路204による伝達は、伝送路障害221が発生しているため、行われない状態にある。これに対して、第2の装置202では、予備伝送路204において第1の装置201からの信号が受信できないこと等により、この伝送路に障害が発生したことを伝送路障害監視部222で認識するようになっている。そして、認識した第1の装置201から第2の装置202への予備伝送路204での障害情報を制御部213に送信する。制御部213は、この受け取った伝送路障害情報に基づいて、ワーキングチャネルを切り替えるAPS伝送路切り替えの処理の必要があるか否かを判別するようになっている。ワーキングチャネルを切り替える必要がある場合には、セレクタ部212にAPS制御の伝送路切り替えの処理を指示し、セレクタ部212はこの指示に従いAPS制御の伝送路の切り替えを実施するようになっている。しかし、図17のセレクタ部212では、ワーキングチャネルとして運用伝送路203がセレクトされており、ワーキングチャネルを切り替える必要がないことになる。
【0016】
一方、制御部213は、この第2の装置202におけるAPS制御の伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報の自装置伝送路切替制御情報223をK1バイトおよびK2バイト送信部224に送信するようになっている。K1バイトおよびK2バイト送信部224は、受け取った自装置伝送路切替制御情報223をベルコア規定のK1バイトおよびK2バイト225に変換する。これを予備伝送路206につながる第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部216へ送る。第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部216は、受け取ったこれを伝送される信号に組み込んでAPS制御上の予備伝送路206を介して第1の装置201へ送ることになる。
【0017】
第1の装置201の第2のK1バイトおよびK2バイト受信部218は、第2の装置202とのAPS制御上の予備伝送路206を介して伝送された信号に挿入されているセクションオーバヘッドの中にK1バイトおよびK2バイト225が存在するか否かの確認を行う。ここで、K1バイトおよびK2バイト225が存在する、すなわちK1バイトおよびK2バイト225を第2の装置202から受け取った場合には、このK1バイトおよびK2バイト225の変換を行うようになっている。K1バイトおよびK2バイト225は、第2の装置202においての伝送路切替制御情報である対向装置伝送路切替制御情報226に変換されて制御部220へ伝えられるようになっている。第2のK1バイトおよびK2バイト受信部218から対向装置伝送路切替制御情報226を受け取った第1の装置201の制御部220は、第2の装置202においてAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報を抽出する。そして、セレクタ部219に受け取った伝送路切り替えに関する情報に従ったセレクタ部制御情報を送信し、また伝送路障害監視部227に対し伝送路障害情報を送信するようになっている。セレクタ部219は、制御部220から受け取ったセレクタ部制御情報に従い、APS制御を実施する。また、伝送路障害監視部227は、制御部220より受け取った伝送路障害情報に基づいて、第1の装置201から第2の装置202方向の伝送路障害への対応処理を実施する。
【0018】
以上説明したように、第1の装置201では、第2の装置202に信号を送信する予備伝送路204に発生した伝送路障害221と、これに関連した伝送路切り替えの情報が予備伝送路206を用いて送信されるようになっている。したがって、第1の装置201は送信された情報を基にして、APS切り替え制御や伝送路障害への対応を正常に行うことができる。
【0019】
図18は、図16に示したAPS制御を持つ装置の基本的な構成における従来の伝送路での二次障害発生時、すなわち図17に示した伝送路での障害(一次障害)発生後、障害復旧がなされる前に異なる伝送路に障害が発生した時の処理の一例を表わしている。APS制御による伝送すべき信号を選択的に受信される伝送路であるワーキングチャネルは二次障害が発生するまで、第1の装置201から第2の装置202の方向では運用伝送路203がセレクトされており、第2の装置202から第1の装置201の方向では予備伝送路206がそれぞれセレクトされているものとする。このような状態で、第1の装置201から第2の装置202方向の予備伝送路204に伝送路障害221(一次障害)が発生し、この障害復旧がなされる前に第2の装置202から第1の装置201方向の予備伝送路206に伝送路障害228(二次障害)が発生したものとし、このような場合の動作について詳細に説明する。図18で図17と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、第2の装置202から第1の装置201へ信号を伝送する場合の動作については、図16で説明したと同様であるので、説明を省略する。
【0020】
図18に示したAPS制御を持つ装置の基本的な構成における従来の伝送路での二次障害発生時に、第1の装置201から第2の装置202へ第1の装置201の自装置伝送路切替制御情報229を送信する動作について説明する。図18では障害228が予備伝送路206に発生しており、この伝送路障害を第1の装置201から第2の装置202へ送信する伝送路は予備伝送路204である。更に、APS制御による伝送路の切り替えに関する情報はAPS制御上の予備伝送路204で第1の装置201から第2の装置202へ送信するようになっている。したがって、ここでは予備伝送路204を介して送信されるAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報について説明を行う。まず、予備伝送路206に対して伝送路障害228が発生しているため、予備伝送路206を介して伝送されるべき信号の伝達は行われない状態にある。これに対して、第1の装置201の伝送路障害監視部227では、この伝送路障害228が発生したことを認識し、第2の装置202から第1の装置201への伝送路での障害情報を制御部220に送信する。制御部220は、ワーキングチャネルである予備伝送路206で伝送路障害228が発生しているため、セレクタ部219に対して、ワーキングチャネルを予備伝送路206から運用伝送路205に切り替えるセレクタ部制御情報を送信する。セレクタ部219はこれに従ったAPS制御の伝送路切り替えを実施する。
【0021】
一方、この第1の装置201における伝送路切替制御情報である自装置伝送路切替制御情報229をK1バイトおよびK2バイト送信部230に送信する。K1バイトおよびK2バイト送信部230は、受け取った自装置伝送路切替制御情報229をベルコア規定のK1バイトおよびK2バイト231に変換する。この後、ネットワーク管理者の設定により定められたAPS制御上の予備伝送路204にある第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209へK1バイトおよびK2バイト231が送信される。K1バイトおよびK2バイト送信部230よりK1バイトおよびK2バイト231を受け取った第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209は、第2の装置202へこのAPS制御上の予備伝送路204を介して、K1バイトおよびK2バイト231の送信を実行しようとする。
【0022】
しかし、すでに予備伝送路204には、伝送路障害221が発生しており、継続し復旧していないため、予備伝送路204による第2の装置202への伝送すべき信号の伝達は行われない状態にあるので、K1バイトおよびK2バイト231の伝達を行うことはできない。このため第2の装置202では第2のK1バイトおよびK2バイト受信部211はK1バイトおよびK2バイト231を取得することができず、第1の装置201における伝送路切替制御情報である対向装置伝送路切替制御情報232は制御部213に送信されないままとなる。
【0023】
以上説明したように、第2の装置202の制御部213は対向装置伝送路切替制御情報232を取得できない。すなわち第2の装置202では、予備伝送路206に発生した伝送路障害228を認識することができず、これに伴い第1の装置201で行われたAPS制御による伝送路の切り替えについても認識できない。これによって、第2の装置202の認識では、予備伝送路206に障害は発生しておらず、ワーキングチャネルとして使用されていることになる。したがって、第2の装置202は伝送路障害228に対応した伝送路切り替えに関するAPS制御や伝送路の障害対応は行なわれない。
【0024】
このような従来の通信ネットワークシステムでは、APS制御上の伝送路に障害が発生すると、APS制御に関する情報が、送信側の装置から対向する装置に送信されない。このAPS制御に関する情報とは、送信側の装置でAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報や、直接認識できない伝送路障害の情報を示している。したがって、対向する装置側では伝送路の状態認識を正常に行うことができず、しかもこれらの情報を送信する伝送路が障害から復旧するまでは、この異常な状態が継続してしまう。これによって、APS制御による切り替えや伝送路障害への対応を正常に行うことができない場合が発生し、通信ネットワークの信頼性が低下するという問題があった。そこで、このような問題を解決する情報送受信装置を配置したシステムが提案されている。
【0025】
図19は、APS制御に関する情報を送信する伝送路に障害が発生した場合に対応する、情報送受信装置を配置したシステムを示したものである。特開平7−226729号公報に開示されたこのシステムは、ともに情報送受信装置である送信側装置511と受信側装置512で構成されている。送信側装置511と受信側装置512の間には運用伝送路513および予備伝送路514が接続されている。
【0026】
送信側装置511は信号515を入力する分岐部516と、この分岐部516によって分岐された信号を入力して送信する運用系送信部517および予備系送信部518の2つの送信部と、これら運用系送信部517および予備系送信部518に同じAPS制御に関する情報を供給する切替制御部519によって構成されている。ここで、APS制御に関する情報とは、受信側装置512から送信側装置511方向に信号を伝送する図示しない伝送路に行ったAPS制御による切り替えを示すAPSバイトと、この切り替え対象となる両系の伝送路の障害を示す障害情報を指している。信号515は送信側装置511から受信側装置512へ送信される信号である。運用系送信部517は、信号に挿入されるセクションオーバヘッドに障害情報を組み込む障害情報送信部520と、同じくAPSバイトを組みこむAPSバイト送信部521を備えている。ここで、APSバイトはセクションオーバヘッドのK1バイトとK2バイトの上位5ビットに、伝送路に関する障害情報は、K2バイトの下位3ビットに組み込まれるようになっている。同様に予備系送信部518も、障害情報送信部522とAPSバイト送信部523を備えている。
【0027】
一方、受信側装置512は、各伝送路から伝送される信号をそれぞれ受信する運用系受信部524および予備系受信部525の2つの受信部と、運用系受信部524および予備系受信部525から取得したAPS制御に関する情報に対応する処理を行う切替制御部526と、入力された信号を選択して出力するセレクタ部531によって構成されている。運用系受信部524は、受信した信号に挿入されているセクションオーバヘッドからAPSバイトを取得するAPSバイト受信部527と、同じく障害情報を取得する障害情報受信部528を備えている。同様に予備系受信部525もAPSバイト受信部529と障害情報受信部530を備えている。APSバイト受信部527、529で取得されたAPSバイトは、それぞれ切替制御部526に送信されるようになっている。また、障害情報受信部528、530でそれぞれ取得された障害情報は、それぞれ切替制御部526に供給されるようになっている。運用系受信部524および予備系受信部525で受信された信号はセレクタ部531に入力される。セレクタ部531は、切替制御部526に従っていずれかから入力された信号を選択し、これを出力するようになっている。
【0028】
このような構成の従来の情報送受信装置を配置したシステムで、分岐部516に入力された信号515は2つに分岐されて、運用系送信部517と予備系送信部518にそれぞれ入力される。また、切替制御部519から同じAPSバイトおよび障害情報が、それぞれ運用系送信部517と予備系送信部518に入力される。運用系送信部517では、APSバイト送信部521および障害情報送信部520が、入力された信号のセクションオーバヘッドにAPSバイトおよび障害情報をそれぞれ組み込む。予備系送信部518でも同様にして、APSバイト送信部523および障害情報送信部522が、入力された信号のセクションオーバヘッドにAPSバイトおよび障害情報をそれぞれ組み込む。このようにして、APSバイトおよび障害情報が組み込まれた信号は、運用伝送路513あるいは予備伝送路514のうちの対応するものを介して、受信側装置512に伝送される。
【0029】
運用伝送路513を介して受信側装置512に伝送された信号は、運用系受信部524で受信される。APSバイト受信部527および障害情報受信部528は、この受信した信号からAPSバイトあるいは障害情報を取得する。取得されたAPSバイトおよび障害情報は、切替制御部526に供給される。また予備伝送路514によって受信側装置512に伝送された信号は、予備系受信部525で受信される。APSバイト受信部529と障害情報受信部530は、この受信した信号からAPSバイトあるいは障害情報を取得して、これらを切替制御部526に供給する。切替制御部526はこれらのAPSバイトおよび障害情報に対応した、セレクタ部531への伝送路切替制御の指示および伝送路障害対応を行う。
【0030】
以上説明したようにこの提案の情報送受信装置を配置したシステムでは、予備伝送路が故障等の障害によって通信できない場合、すなわち予備伝送路を用いてK1バイトおよびK2バイトを対向装置側で受信することができない場合には、運用伝送路にゼロパターン以外の信号を挿入してこれを対向する装置に送信している。このゼロパターン以外の信号とは、K1バイトとK2バイトの上位5ビットにAPSバイトを、K2バイトの下位3ビットに各系の故障情報を挿入したものである。このようなゼロパターン以外の信号を対向する装置に送信することで、これを受信した対向装置は運用伝送路上にあるAPSバイトを受信して、APS制御による伝送路の切り替えを行っている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかしながら、この従来提案された技術では幾つかの問題があった。まず第1の問題は、ベルコア規定によれば、K1バイトおよびK2バイトに含まれるAPSバイトを多重挿入することによる対向装置間での送受信は予備伝送路のみで行うということである。また、ベルコア規定では、予備伝送路と冗長構成をとる運用伝送路では、APSバイトを多重挿入するセクションオーバヘッドのビットの箇所に、すべてゼロパターンを送るべきことが規定されている。ところが従来提案された技術では、この運用伝送路における、予備伝送路ではAPSバイトを多重挿入するセクションオーバヘッドのビットの箇所には、ゼロパターン以外のパターンを挿入することになっており、ベルコア規定と異なっている。
【0033】
このため、APS制御をサポートする対向装置間でAPS機能を動作させるとき、ベルコア規定のAPS制御を使用した装置と提案された技術を使用した装置とが接続された場合に、互いに異なる信号形式の信号が送受信されるために、APS制御による伝送路の切り替えそのものが動作しない可能性があった。また、この公報で開示された技術を採用していない装置側が運用伝送路を用いてゼロパターン以外のAPSバイトを受信した場合には、本システムの利用者あるいは管理者が意図するものと異なる処理、いわゆる誤作動を装置が起こす可能性があった。これは、送信すべき信号は運用伝送路で正常であるにも係わらず伝送装置間での伝送が行われない可能性があるからである。
【0034】
第2の問題は、運用伝送路や予備伝送路のK1バイトおよびK2バイトを用いずに送信側装置でAPS伝送路の切り替えを行ったり、送信伝送路の故障認識の判断を行う手段がないことである。対向する伝送装置間を結ぶ通信経路を用いて、APS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報や送信側装置が認識できない送信伝送路の故障認識等の伝送路切替制御情報を伝達し、送信側装置でのAPS伝送路切替制御を行ったり、送信伝送路の故障認識の判断を行うことは不可能とされた。
【0035】
そこで本発明の目的は、冗長伝送路構成によって接続された対向装置間で、この冗長伝送路構成に含まれる伝送路を用いて送信するAPS制御に関する情報を、これら伝送路の障害の有無に関わらず対向する装置間で相互に送受信する情報送受信装置を提供することにある。
【0036】
本発明の他の目的は、APS制御上の運用伝送路および予備伝送路を用いて対向する装置に送信されるK1バイトおよびK2バイトのAPS制御に関する情報をベルコア規定に準拠したままで、これら伝送路の障害の有無に関わらず対向する装置間でK1バイトおよびK2バイトとは異なるがこれと同様のAPS制御に関する情報を相互に送受信する情報送受信装置を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)自装置と対向配置され自装置と同一構成の対向装置との間に予め設定された主信号通信経路を介して、この対向装置側に送信すべき主信号を送信する主信号送信手段と、(ロ)対向装置との間に予め設定された他の主信号通信経路を介してこの対向装置から自装置側に送信すべき他の主信号を受信する主信号受信手段と、(ハ)この主信号受信手段が主信号を受信するまでに障害が発生したときこれを表わした障害情報を作成する障害情報作成手段と、(ニ)この障害情報作成手段によって作成された障害情報中に予め定めた障害情報が存在したときこれらの障害情報を対向装置との間に予め設定された障害情報通信経路を用いてこれらの障害情報ごとにそれぞれ送信する1または複数の障害情報送信手段と、(ホ)これらの障害情報送信手段で送信される障害情報にこの障害情報が送信される障害情報通信経路を示す通信経路情報を付加した通信経路情報付加情報を対向装置へ送信する通信経路情報付加情報送信手段と、(ヘ)自装置から主信号送信手段によって対向装置に信号が送信されるまでに障害が発生したときこれを表わした障害情報の中で予め定められた障害情報を対向装置との間に予め設定された他の障害情報通信経路を用いて受信する1または複数の障害情報受信手段と、(ト)これらの障害情報受信手段によって障害情報が受信されなかったとき受信されなかった障害情報に対応して予め定められた他の障害情報通信経路を示す通信経路情報を取得する未受信通信経路情報取得手段と、(チ)障害情報受信手段が受信する障害情報に障害情報を受信する他の障害情報通信経路を示す通信経路情報が付加された通信経路情報付加情報を対向装置から受信する通信経路情報付加情報受信手段と、(リ)この通信経路情報付加情報受信手段が受信した通信経路情報付加情報の通信経路情報と同一の他の障害情報通信経路を示す通信経路情報が未受信通信経路情報取得手段に取得されていたときに通信経路情報付加情報受信手段で受信した障害情報を他の障害情報通信経路から障害情報受信手段によって受信された障害情報として扱う未受信情報補完手段とを情報送受信装置に具備することを特徴としている。
【0040】
すなわち請求項1記載の発明では、主信号送信手段は、自装置と対向する装置である対向装置との間に予め設定されている主信号通信経路を介して、対向装置へ主信号を送信する。また主信号受信手段は、主信号送信手段が用いる主信号通信経路とは異なる他の主信号通信経路を介して、対向装置から自装置側に送信すべき主信号を受信するようになっている。このように、自装置と対向装置の間では主信号の送受信が行われている。この主信号は送信と受信で同一であっても異なるものであってもよい。障害情報作成手段は、この主信号受信手段が信号を受信するまでに障害が発生したとき、これを表わした障害情報を作成する。障害情報送信手段は、この作成された障害情報の中に予め定めた障害情報が存在したときに、これらの障害情報を対向装置との間に予め設定された障害情報通信経路を用いて対向装置に送信する。ここで予め定めた障害情報としては、例えば対向装置が直接認識できない障害情報等がある。障害情報送信手段は送信する障害情報通信経路に応じて1つまたは複数存在し、それぞれが対向装置に障害情報を送信するようになっている。また通信経路情報付加情報送信手段は、これらの障害情報送信手段によって送信される障害情報にこの障害情報を対向装置に送信するのに用いる障害情報通信経路を示す通信経路情報を付加して対向装置に送信する。したがって、障害情報送信手段および通信経路情報付加情報送信手段を用いて、同様の障害情報が対向装置に送信される。自装置と対向装置は同一構成であり、対向装置に備えられた障害情報送信手段および通信経路情報付加情報送信手段からの障害情報および通信経路情報付加情報を受信する手段が自装置に備えられている。障害情報受信手段は、自装置の主信号送信手段が送信する主信号が対向装置で受信されるまでの間に発生した障害を示す障害情報の中の予め定められた障害情報を受信する。このとき、対向装置との間に予め設定された障害情報送信手段が用いるものとは異なる他の障害情報通信経路を用いて受信する。障害情報受信手段は、障害情報を受信する障害情報通信経路に応じて1つまたは複数存在し、それぞれが対向装置から障害情報を受信する。未受信通信経路情報取得手段は、これらの障害情報受信手段によって障害情報が受信されなかったときにこの受信されなかった障害情報が受信される際に用いられる予め定められた他の障害情報通信経路を示す通信経路情報を取得する。また、通信経路情報付加情報受信手段は、障害情報受信手段が受信する障害情報にこの情報を受信する際に用いられる障害情報通信経路を示す通信経路情報が付加されている通信経路情報付加情報を受信する。ここで、主信号送信手段、主信号受信手段、障害情報送信手段、障害情報受信手段は対向装置との間のそれぞれ異なる通信経路を用いて主信号または障害情報の送信または受信を行っているが、例えば、これらの通信経路のいくつかを同じ通信回線内に配置してもよい。未受信情報補完手段は、通信経路情報付加情報受信手段によって受信された通信経路情報付加情報に付加されている通信経路情報と同一の他の障害情報通信経路を示す通信経路情報が未受信通信経路情報取得手段に取得されていたときに、この通信経路情報付加情報の障害情報をこの他の障害情報通信経路から障害情報受信手段によって受信された障害情報として扱うようになっている。このように、主信号を送受信する自装置と対向装置間で、送信側となる装置から送信される主信号が受信側となる装置に受信されるまでの間に発生した障害に対して受信側の装置が作成したこれを表わす障害情報を送信側の装置へ冗長度を持った障害情報として送ることができる。障害情報受信手段によって障害情報を受信できない場合でも、通信経路情報付加情報受信手段によって障害情報が受信されていれば、未受信情報補完手段によって、この情報を障害情報受信手段で受信した障害情報として扱うことができる。このように、扱われる障害情報は常に障害情報受信手段で受信されたものとして扱われるので、受信された障害情報を扱う側では、特に意識せずに信頼性の高い障害情報を受信する装置として使用することができる。
【0041】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、主信号送信手段が送信する主信号に少なくとも1つの障害情報送信手段が送信する障害情報を組み込むことを特徴としている。
【0042】
すなわち請求項2記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、主信号送信手段が対向装置との間に設定された主信号通信経路を用いて対向する装置に送信する主信号に、障害情報送信手段が送信する障害情報が組み込まれるようになっている。組み込む障害情報は1つ以上でもよい。これによって、主信号通信経路が既に設定されていれば、これを利用して障害情報を送信することができるので、障害情報通信経路を設定しなくても障害情報を対向装置へ送信することができる。また、このような手法で障害情報を送信している既存の装置であっても請求項1記載の発明を適用することができる。
【0043】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、主信号受信手段が受信する他の主信号に少なくとも1つの障害情報受信手段が受信する障害情報が組み込まれていて、この障害情報受信手段は主信号受信手段が受信した他の主信号に組み込まれている障害情報を取得することを特徴としている。
【0044】
すなわち請求項3記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、主信号受信手段が受信する主信号に障害情報受信手段が受信する障害情報が組み込まれている。この情報を受信する障害情報受信手段は、主信号受信手段が受信した他の主信号から障害情報を取り出して受信する。主信号に組み込まれる障害情報は複数であってもよく、これに応じて障害情報受信手段の数も複数となってもよい。これによって受信する他の主信号を障害情報を受信するために使用できるので、すでに他の主信号を受信する主信号通信経路が設定されていれば、特に設定を行わずに障害情報を受信することができる。また、このような手法で障害情報を受信している既存の装置であっても請求項1記載の発明を適用することができる。
【0045】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、障害情報は、主信号通信経路または他の主信号通信経路に障害が発生した際に予め定められた他の通信経路を新たな主信号通信経路または他の主信号通信経路として用いることを示す情報であることを特徴としている。
【0046】
すなわち請求項4記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、障害情報は主信号通信経路に障害が発生したときに、予め定められた他の通信経路を新たな主信号通信経路として用いることを示す通信経路の切り替え情報であってもよいことを示している。また、通信経路の切り替え情報に限らず、例えば通信経路の障害復旧のために用いられる情報が送信されてもよい。
【0047】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、障害情報は、ベルコア規定に従ったAPS制御による伝送路切り替え制御の情報および伝送路障害であることを特徴としている。
【0048】
すなわち請求項5記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、障害情報は、ベルコア規定に従ったAPS制御による伝送路の切り替え制御の情報や、伝送路の障害を示す情報であってもよいことを示している。ベルコア規定では、主信号通信経路を伝送路として、障害情報送信手段は主信号に障害情報を組み込んで送信し、障害情報受信手段は受信した主信号から障害情報を取得するように定められているが、更に通信経路情報付加情報送信手段と通信経路情報付加情報受信手段で同様の障害情報を含む通信経路情報付加情報を装置間で相互に送信し合うことで、ベルコア規定に沿った主信号に組み込む以外の手法を用いて障害情報を相互に送信し合うことができる。したがって、既存の障害情報の送受信方法を変えずに、主信号を送受信する通信経路に障害が発生した場合でも障害情報を送受信することができる。
【0049】
請求項6記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、通信経路情報付加情報送信手段は、通信経路情報から送信先となる対向装置を取得する対向装置取得手段と、取得した対向装置に向けて通信経路情報付加情報通信経路を設定する通信経路設定手段と、この設定された通信経路情報付加情報通信経路を用いて通信経路情報付加情報を対向装置に送信する送信手段を備えることを特徴としている。
【0050】
すなわち請求項6記載の発明では、請求項1記載の情報送受信装置で、通信経路情報付加情報送信手段は、送信する通信経路情報付加情報の通信経路情報から送信先となる対向装置を取得する対向装置取得手段と、これで取得した対向装置へ通信経路情報付加情報を送信するための通信経路を設定する通信経路設定手段と、この通信経路を用いて対向する装置へ通信経路情報付加情報を送信する送信手段を備えている。したがって、対向装置との間に通信経路情報付加情報を送信する通信経路が予め設定されていない場合であっても、通信経路を設定することができる。例えば自装置に対して複数の対向装置が存在しても、送信する通信経路情報付加情報ごとに通信経路を設定するので、通信経路を設定できる数に制限があっても、送信先となる装置の数が限定されない。また、設定される通信経路は通信経路情報付加情報を送信するための通信経路であるため、送信後はこの通信経路をそのままにしてもよいし、通信経路を破棄してもよい。更に、自装置以外の情報送受信装置がこの通信経路情報付加情報送信手段に通信経路情報付加情報を送信することで、この通信経路情報付加情報の通信経路情報に基づいた対向装置へ送信するようにしてもよい。
【0051】
【発明の実施の形態】
【0052】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0053】
第1の実施例
【0054】
図1は本発明の第1の実施例における情報送受信装置を配置したシステムの構成を表わしたものである。本実施例のシステムには、情報送受信装置としてベルコア(Bellcore)規定により伝送路を切り替えるAPS制御機能を有する第1の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置101(以下、第1の装置と略称する。)が配置されている。また、第1の装置101と対向して、同じくAPS制御機能を有する第2の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置102(以下、単に第2の装置と称する。)も配置されている。これら第1の装置101と、第2の装置102間には、APSの伝送路切り替えと伝送路障害の伝送路切替制御情報としてのベルコア規定のK1バイトおよびK2バイト103の通知を行う予備伝送路104と、APS切替制御情報105の伝送を行う監視パス106が設定されている。ここでAPS切替制御情報105はK1バイトおよびK2バイト103と異なるものであるが、同様にAPS伝送路切替情報と伝送路障害情報の伝送路切替制御情報という性格を持った情報である。
【0055】
また本実施例では、伝送路切替制御情報を対向する装置に送信する場合、運用伝送路と予備伝送路でそれぞれ予め定められた情報について送信するようになっている。伝送路切替制御情報として予備伝送路104を介して送信されるのは、第2の装置102から第1の装置101方向に信号を送信する図示しない予備伝送路の障害を示す伝送路障害の情報と、これらの伝送路に対してのAPS制御による伝送路切り替えの情報である。第1の装置101から第2の装置102方向の図示しない運用伝送路では、第2の装置102から第1の装置101方向に信号を送信する図示しない運用伝送路の障害を示す伝送路障害の情報が伝送路切替制御情報として送信される。また、K1バイトおよびK2バイトとは異なるが、同様に伝送路切替制御情報であるAPS切替制御情報105の伝達を行う通信経路となる監視パス106が設定されるようになっている。ここでは、説明を簡単にするために、第1の装置101から第2の装置102方向の運用伝送路、および第2の装置102から第1の装置101方向の運用伝送路と予備伝送路については図示および説明を省略する。
【0056】
第1の装置101は、伝送路障害監視部107と、制御部108と、セレクタ部109と、K1バイトおよびK2バイト送信部110と、K1バイトおよびK2バイト挿入部111と、APS切替制御情報変換部112と、APS切替制御情報送信部113とを備えている。伝送路障害監視部107は、伝送路の監視を行い、伝送路に障害が発生した場合にはその伝送路障害情報を制御部108に送信するようになっている。制御部108は、伝送路障害監視部107から受け取った伝送路障害情報により、セレクタ部109に対してワーキングチャネルを切り替えるAPS制御による伝送路切り替えの処理を指示するセレクタ部制御情報を送信する。ここでワーキングチャネルとは、同方向に信号を送信しAPS制御上で切り替え対象となる運用伝送路あるいは予備伝送路のうち、APS制御によって選択的に信号を受信している伝送路を指している。また、制御部108はこの第1の装置101におけるAPS制御による伝送路切り替えと伝送路障害を示す自装置伝送路切替制御情報114をK1バイトおよびK2バイト送信部110とAPS切替制御情報変換部112に送信する。セレクタ部109は、制御部108からのセレクタ部制御情報に従い、ワーキングチャネルを切り替えるAPS制御による伝送路切り替えを実施するようになっている。ここで、セレクタ部109と、K1バイトおよびK2バイト送信部110と、K1バイトおよびK2バイト挿入部111と、APS切替制御情報変換部112は、ハードウェアとしてそれぞれ予め定められた処理を行うようになっている。
【0057】
K1バイトおよびK2バイト送信部110は、制御部108より受け取った自装置伝送路切替制御情報114をベルコア規定で定められているK1バイトおよびK2バイト103に変換するようになっている。このK1バイトおよびK2バイト103は、図示されていないがK1バイトおよびK2バイト挿入部111に送信されるようになっている。K1バイトおよびK2バイト挿入部111は、K1バイトおよびK2バイト送信部110から受信したK1バイトおよびK2バイト103を予備伝送路104で送信される信号に挿入されているセクションオーバヘッド(Section Over Head)中に組み込むようになっている。この組み込まれた信号が予備伝送路104を介して第2の装置102へ送られることで、K1バイトおよびK2バイト103が第2の装置102へ送られるようになっている。
【0058】
一方、APS切替制御情報変換部112は、制御部108から送られてきた第1の装置101における伝送路切替制御情報である自装置伝送路切替制御情報114を受け取って、APS切替制御情報105に変換するようになっている。APS切替制御情報105は、第2の装置102内で第2の装置102から第1の装置101方向のワーキングチャネルの伝送路切り替えとなるAPS制御あるいは、伝送路障害への対応処理を行うために使用することができる情報である。APS切替制御情報変換部112は、図示されていないがこのAPS切替制御情報105をAPS切替制御情報送信部113へ送る。APS切替制御情報送信部113は、第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115へAPS切替制御情報105を伝達する通信経路としての監視パス106を設けるようになっている。APS切替制御情報送信部113は、この監視パス106を介して、APS切替制御情報変換部112から受け取ったAPS切替制御情報105を、第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115へ送信する。第1の実施例では監視パスをイーサネット(Ethernet)で構成するものとする。
【0059】
第2の装置102は、K1バイトおよびK2バイト受信部116と、APS切替制御情報受信部115と、APS切替制御情報変換部117と、制御部118と、伝送路障害監視部119とを備えている。K1バイトおよびK2バイト受信部116は、第1の装置101からAPS制御上の予備伝送路104を介して伝送された信号に挿入されている、セクションオーバヘッド中からK1バイトおよびK2バイト103を抽出するようになっている。このK1バイトおよびK2バイト103を、第1の装置101における伝送路切替制御情報である対向装置伝送路切替制御情報120に変換して、制御部118に送信する。一方、APS切替制御情報受信部115は、監視パス106を介して第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113からAPS切替制御情報105を受け取る。この後、図示されていないがAPS切替制御情報105を、APS切替制御情報変換部117へ送信する。APS切替制御情報変換部117は、受け取ったAPS切替制御情報105を第1の装置101における伝送路切替制御情報である対向装置伝送路切替制御情報120に変換して、制御部118に送信するようになっている。ここで、K1バイトおよびK2バイト受信部116と、APS切替制御情報受信部115と、APS切替制御情報変換部117は、ハードウェアとして予め定められた処理を行うようになっている。
【0060】
制御部118は、K1バイトおよびK2バイト受信部116およびAPS切替制御情報変換部117より対向装置伝送路切替制御情報120を受信するようになっている。そして、受信したこれらの情報から、第1の装置101におけるAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報を抽出するようになっている。また、抽出した伝送路切り替えに関する情報に従ったAPS制御があれば実施し、伝送路障害の情報は伝送路障害監視部119に送信するようになっている。伝送路障害監視部119は、制御部118から伝送路障害の情報を受け取り、第2の装置102から第1の装置101方向の伝送路障害への対応処理を実施するようになっている。
【0061】
以上説明した図1では、第1の装置101について信号の送信側のみを、第2の装置102では信号の受信側のみを示している。すなわち第1の装置101から第2の装置102への1方向に対するAPS制御による伝送路切り替えと伝送路障害を示す情報送信の経路に関わる送受信部のみを示している。逆方向である第2の装置102から第1の装置101方向についても同様であるために、これらの説明および図示を省略する。また、第1の装置101から第2の装置102方向に信号を送信する運用伝送路を介して、第2の装置102から第1の装置101方向に信号を送信する運用伝送路の伝送路障害の情報を送信する場合に関しても同様であるため、説明を省略する。次に、図1に示した主な処理部の処理の流れを説明する。
【0062】
図2は、図1に示した第1の装置に配置された伝送路障害監視部の処理の流れを表わしたものである。伝送路障害監視部107は図示しないCPU(中央処理装置)および制御用のプログラム等を格納した記憶媒体を備えており、このプログラムを実行することで所定の処理を行うようになっている。第2の装置102の伝送路障害監視部119についても同様である。
【0063】
第1の装置101に配置された伝送路障害監視部107は、第2の装置102から第1の装置101へ信号を送信する伝送路を監視して、障害が発生したか否かを判別する(ステップS601)。障害が発生した場合には(Y)、それが第2の装置102から第1の装置101へのAPS制御上の冗長伝送路である運用伝送路もしくは予備伝送路上に発生した障害であるか判別する(ステップS602)。ここで、そのようなAPS制御上の伝送路障害であると判別された場合には(Y)、伝送すべき信号が通る伝送路であるワーキングチャネルを切り替える必要がある障害であるか否かを識別し、通知すべき伝送路障害が発生したことを認識する(ステップS603)。そして、この伝送路障害を制御部108へ送信する(ステップS604)。この後、または伝送路に障害が発生していない場合(ステップS601:N)およびAPS制御上の伝送路障害ではないと判別された場合(ステップS602:N)には、処理の先頭に戻るようになっている(リターン)。
【0064】
図3は、図1に示した第1の装置に配置された伝送路障害監視部から伝送路障害の情報を送信された第1の装置に配置された制御部の処理の流れを表わしたものである。第1の装置に配置された制御部108は、図示しないCPUおよび制御用のプログラム等を格納した記憶媒体を備えており、このプログラムを実行することで所定の処理を行うようになっている。第2の装置102に配置された制御部118についても同様である。
【0065】
制御部108は、伝送路障害監視部107から受け取った伝送路障害情報を基にワーキングチャネルの切り替えを行う必要があるか判別する(ステップS611)。現在選択されているワーキングチャネルに障害が発生し、切り替えを行う必要がある場合(Y)、セレクタ部109にワーキングチャネルを切り替えるAPS制御の伝送路切り替えを指示する(ステップS612)。セレクタ部109は、この指示に従い、ワーキングチャネルを切り替えるAPS制御の伝送路切り替えを実施する。この後、またはワーキングチャネルの切り替えを行う必要がない場合(ステップS611:N)、第1の装置101における伝送路切替制御情報である自装置伝送路切替制御情報114を作成する。この自装置伝送路切替制御情報114をK1バイトおよびK2バイト送信部110およびAPS切替制御情報変換部112にそれぞれ送信して(ステップS613)、処理を終了する(エンド)。
【0066】
図4は、図1に示した第1の装置に配置された制御部から自装置伝送路切替制御情報を送信されたK1バイトおよびK2バイト送信部の処理の流れを表わしたものである。第1の装置101に配置されたK1バイトおよびK2バイト送信部110は、まず、制御部108から受け取った自装置伝送路切替制御情報114を、ベルコア規定のK1バイトおよびK2バイト103に変換する(ステップS621)。次に、このK1バイトおよびK2バイト103を、K1バイトおよびK2バイト挿入部111に送信して(ステップS622)、処理を終了する(エンド)。K1バイトおよびK2バイト挿入部111は、予備伝送路104を介して送信される信号に挿入されるセクションオーバヘッドに、送信されたK1バイトおよびK2バイト103を多重して組み込むことで、第2の装置102へK1バイトおよびK2バイト103を送信する。なお、このような処理はハードウェアあるいはソフトウェアあるいはこれらを組み合わせて実現することができる。
【0067】
図5は、図1に示した第1の装置に配置された制御部から自装置伝送路切替制御情報を送信されたAPS切替制御情報変換部の処理の流れを表わしたものである。第1の装置101に配置されたAPS切替制御情報変換部112は、まず制御部108から受け取った自装置伝送路切替制御情報114を、APS切替制御情報105に変換する(ステップS631)。ここでAPS切替制御情報105とは、第2の装置102に配置されたAPS切替制御情報変換部117で、第1の装置101におけるAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報として変換可能な情報である。また、この情報を用いて第2の装置102に配置された制御部118は、第2の装置102から第1の装置101方向のワーキングチャネルの伝送路切り替えとなるAPS制御、あるいは伝送路障害の対応処理を行うことができる。更に、APS切替制御情報変換部112はAPS切替制御情報105に、この自装置伝送路切替制御情報114がK1バイトおよびK2バイト103として組み込まれる信号を送信する予備伝送路104を示す伝送路情報を組み込む。次に、変換したこのAPS切替制御情報105を、APS切替制御情報送信部113に送信して(ステップS632)、処理を終了する(エンド)。
【0068】
図6は、図1に示した第1の装置に配置されたAPS切替制御情報変換部からAPS切替制御情報を送信されたAPS切替情報送信部の処理の流れを表わしたものである。第1の装置101に配置されたAPS切替制御情報送信部113は、APS切替制御情報105が送信されると、まず第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115との間に、APS切替制御情報105を伝達する通信経路として監視パス106を設定する(ステップS641)。既に監視パス106が設定されている場合には、これを使用してもよい。次に、この監視パス106を介して、APS切替制御情報105を第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115へ送信して(ステップS641)、処理を終了する(エンド)。
【0069】
図7は、図1に示した予備伝送路104を介して伝送された信号を受信した第2の装置におけるK1バイトおよびK2バイト受信部の処理の流れを表わしたものである。第2の装置102に配置されたK1バイトおよびK2バイト受信部116は、まず受信した信号に挿入されているセクションオーバヘッド中からK1バイトおよびK2バイト103が取得できたか否かを確認する(ステップS651)。例えば、K1バイトおよびK2バイト103が連続する一定数の信号に同じものを組み込んで送信するようになっている場合には、連続して一定数同じK1バイトおよびK2バイト103が受信された場合取得できたことになる。もちろん予備伝送路104に障害が発生して信号自体が伝送されない場合は、K1バイトおよびK2バイト103は取得できない。次にK1バイトおよびK2バイト103が取得できた場合(Y)、これを第1の装置101における伝送路切替制御情報である対向装置伝送路切替制御情報120に変換する(ステップS652)。最後に、変換された対向装置伝送路切替制御情報120を制御部118に送信して(ステップS653)処理の先頭に戻るようになっている(リターン)。
【0070】
図8は、図1に示した第2の装置に配置されたAPS切替制御情報受信部が監視パスを介して受け取ったAPS切替制御情報を送信されたAPS切替制御情報変換部の処理の流れを表わしたものである。第2の装置102に配置されたAPS切替制御情報変換部117は、まず受け取ったAPS切替制御情報105を対向装置伝送路切替制御情報120に変換する(ステップS661)。ただし、APS切替制御情報105に組み込まれている、第1の装置101において自装置伝送路切替制御情報114がK1バイトおよびK2バイト103として組み込まれる信号を送信する伝送路を示す伝送路情報を、変換後取り除く。次に、この伝送路情報と対向装置伝送路切替制御情報120を制御部118に送信して(ステップS662)、処理を終了する(エンド)。
【0071】
図9は、図1に示した第2の装置に配置されているK1バイトおよびK2バイト受信部およびAPS切替制御情報変換部から、対向装置伝送路切替制御情報を送信された制御部の処理の流れを表わしたものである。第2の装置102に配置された制御部118は、まずK1バイトおよびK2バイト受信部116およびAPS切替制御情報変換部117のいずれかから、対向装置伝送路切替制御情報120を受信する(ステップS671)。次に、受信した対向装置伝送路切替制御情報120より、第1の装置101におけるAPS制御により行われたワーキングチャネルの伝送路の切り替えに関する情報と、伝送路障害の情報を抽出する(ステップS672)。この後、抽出した伝送路の切り替えに関する情報に対応したAPS制御を指示(ステップS673)し、また伝送路障害監視部119に伝送路障害の情報を送信して(ステップS674)、処理の先頭に戻るようになっている(リターン)。ここでAPS制御を指示された図示しない処理部はAPS制御を実施し、伝送路障害監視部119は受け取った伝送路障害の情報より、第2の装置102から第1の装置101方向の伝送路障害への対応処理を実施する。
【0072】
図10は、図9に示したステップS671の処理の流れを詳細に表わしたものである。制御部118は、K1バイトおよびK2バイト受信部116およびAPS切替制御情報変換部117の双方あるいはいずれかから、対向装置伝送路切替制御情報120を受信すると、K1バイトおよびK2バイト受信部116から受信したか否かを判別する(ステップS681)。受信している場合(Y)には、更にAPS切替制御情報変換部117から対向装置伝送路切替制御情報120を受信したか否かを判別する(ステップS682)。APS切替制御情報変換部117から受信した対向装置伝送路切替制御情報120であるか否かは、例えばこれと共に送信される伝送路情報から判別する。ここでは、この伝送路情報がK1バイトおよびK2バイト受信部116がK1バイトおよびK2バイト103を受信する予備伝送路104を示していれば、受信されていると判別される。受信している場合(Y)には、APS切替制御情報変換部117から受信した対向装置伝送路切替制御情報120を廃棄する(ステップS683)。この後、またはK1バイトおよびK2バイト受信部116から受信していない場合(ステップS681:N)およびK1バイトおよびK2バイト受信部116から受信しているがAPS切替制御情報変換部117からは受信していない場合には(ステップS682:N)、処理を終了する(エンド)。このように、K1バイトおよびK2バイト受信部116から受け取った対向装置伝送路切替制御情報120を優先する処理を行う。
【0073】
以上説明したように、自装置伝送路切替情報114は、第1の装置101から予備伝送路104あるいは監視パス106を介して送信され、第2の装置102に対向装置伝送路切替制御情報120として受信されるようになっている。これによって、予備伝送路104に障害が発生した場合であっても、監視パス106を介して第2の装置102は対向装置伝送路切替制御情報120を受信することができる。したがって、予備伝送路104に障害が発生した場合であっても、第2の装置102は監視パス106から対向装置伝送路切替制御情報120を取得して、これに基づいた伝送路の切り替えおよび伝送路障害への対応を行うことができる。また、予備伝送路104と監視パス106を介して、両方から対向装置伝送路切替制御情報120を受信した場合であっても、予備伝送路104を介して受信した情報を優先するようになっている。したがって、ベルコア規定に従って予備伝送路を用いて送信されるAPS制御に関する情報によるAPS制御を優先し、これに障害が発生したときにサポートするシステムを構成することができる。
【0074】
次に、図18で示した従来の情報送受信装置を配置したシステムに発生した問題を、図1で示した本発明を適用した情報送受信装置を配置したシステムを用いることで解決する様子を説明する。
【0075】
図11は、図18に示したAPS制御を持つ装置に本発明を適用した構成における伝送路で、伝送路の一次障害発生後、障害復旧がなされる前に発生した伝送路障害、いわゆる二次障害が発生したときの構成を表わしたものである。図11で図18と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。このシステムは、ベルコア規定により伝送路を切り替えるAPS制御機能を有する第1の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置(以下、第1の装置と略称する。)201Aと、同じくAPS制御機能を有する第2の同期光ネットワークまたは同期ディジタルハイアラーキ伝送装置(以下、単に第2の装置と称する。)202Aを情報送受信装置として対向配置した構成となっている。
【0076】
第1の装置201Aと第2の装置202Aの間には、双方向とも冗長伝送路構成の第1の回線401と第2の回線402が接続されている。これらの回線に存在する伝送路は、ネットワーク管理者によってAPS制御上の運用伝送路と予備伝送路が予め定められている。すなわち第1の装置201Aから第2の装置202A方向には第1の回線401を使用した運用伝送路203と第2の回線402を使用した予備伝送路204が存在し、第2の装置202Aから第1の装置201A方向には第1の回線401を使用した運用伝送路205と第2の回線402を使用した予備伝送路206が存在している。また、APS制御による伝送すべき主信号を選択的に受信する伝送路としてのワーキングチャネル(Working Channel)は、第1の装置201Aから第2の装置202A方向については運用伝送路203を、また第2の装置202Aから第1の装置201A方向については予備伝送路206をそれぞれ選択しており、これらの装置201A、202A間で主信号の送受信が行われている。
【0077】
ワーキングチャネルの切り替えは、単方向切替(unidirectional)となっている。単方向切替とは、障害が発生したワーキングチャネルとして指定された伝送路だけを切り替えることを指している。したがって、信号の送受信を行っている装置間で、仮に一方向を送信とした場合に、送信側のワーキングチャネルで切り替えが行われても受信側のワーキングチャネルは、これに障害が発生しない限り切り替えられることはない。次に、第1および第2の装置201A、202Aの構成について説明する。
【0078】
まず、第1および第2の装置201A、202Aの構成の図18で説明した第1および第2の装置201、202と同様の処理部分について説明する。
【0079】
第1の装置201A内には第2の装置202Aへ送信する信号をコピーするブリッジ部207と、ブリッジ部207から出力される信号をそれぞれ入力してK1バイトおよびK2バイトを挿入する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部(挿入部)208、209と、第2の装置202AからK1バイトおよびK2バイトを受信する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部(受信部)217、218と、伝送路障害を監視する伝送路障害監視部227と、K1バイトおよびK2バイトの送信制御を行うK1バイトおよびK2バイト送信部(送信部)230と、受信した信号を選択して出力させるためのセレクタ部219と、全体的な制御を行う制御部234が設けられている。制御部234は第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部217、218から対向装置の伝送路を切り替えるための対向装置伝送路切替制御情報411、226を受信するようになっている。また、伝送路障害監視部227との間で伝送路障害情報の送受信を行うようになっている。更に、K1バイトおよびK2バイト送信部230に対しては自装置伝送路切替制御情報229を、セレクタ部219に対してはセレクタ部制御情報をそれぞれ送信してこれらの切替制御を行わせるようになっている。
【0080】
第2の装置202A内には第1の装置201Aへ送信する信号をコピーするブリッジ部214と、ブリッジ部214から出力される信号をそれぞれ入力してK1バイトおよびK2バイトを挿入する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部(挿入部)215、216と、第2の装置201からK1バイトおよびK2バイトを受信する第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部(受信部)210、211と、伝送路障害を監視する伝送路障害監視部222と、K1バイトおよびK2バイトの送信制御を行うK1バイトおよびK2バイト送信部(送信部)224と、受信した信号を選択して出力させるためのセレクタ部212と、全体的な制御を行う制御部239が設けられている。制御部239は第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部210、211から対向装置の伝送路を切り替えるための対向装置伝送路切替制御情報421、232を受信するようになっている。また、伝送路障害監視部222との間で伝送路障害情報の送受信を行うようになっている。更に、K1バイトおよびK2バイト送信部224に対しては自装置伝送路切替制御情報223を、セレクタ部212に対してはセレクタ部制御情報をそれぞれ送信してこれらの切替制御を行わせるようになっている。このように、第2の装置202Aも第1の装置201Aと構成は同一である。
【0081】
次に第1の装置201Aから第2の装置202Aへ信号を伝送する動作について説明する。まず第1の装置201Aから第2の装置202Aへ送信する信号は、第1の装置201Aのブリッジ部207でコピーされ、運用伝送路203とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部208および予備伝送路204とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209にそれぞれ入力される。制御部234は、伝送路障害監視部227から受け取った伝送路障害情報に基づいた自装置伝送路切替制御情報229をK1バイトおよびK2バイト送信部230へ入力する。K1バイトおよびK2バイト送信部230は、これを第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部208、209それぞれに応じたK1バイトおよびK2バイトに変換し、それぞれに対して送信する。第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部208、209では、入力されたK1バイトおよびK2バイトを入力された信号へ多重挿入し、両方の通信経路からそれぞれ信号が第2の装置202Aへ伝送される。このとき、第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部208では、信号に挿入されるセクションオーバヘッド内のK1およびK2バイトに、APSバイトとしてゼロパターンが組み込まれるようになっている。また、第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部209では、信号に挿入されるセクションオーバヘッド内のK1およびK2バイトにAPSバイトとしてAPS制御に関する情報が組み込まれるようになっている。
【0082】
第2の装置202Aへ送られてきた信号は、運用伝送路203とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト受信部210、予備伝送路204とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト受信部211でそれぞれ受信される。それぞれの受信部では、受信された信号にK1およびK2バイトが多重挿入されているか否かを判別した後、セレクタ部212へ送る。このとき、それぞれの受信部は、判別の結果に関わりなく信号をセレクタ部212へ送るようになっている。セレクタ部212では、制御部239から受け取ったセレクタ部制御情報に従って伝送路をセレクトし、信号を受信するようになっている。図11の場合、運用伝送路203をセレクトし、運用伝送路203を介して送られてきた信号だけを主信号として選択的に受信する。また、セレクトされていない伝送路(ここでは予備伝送路204)を介して送られてきた信号は、輻輳を避けるため廃棄されるようになっている。また、第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部210、211は多重挿入されているK1バイトおよびK2バイトを対向装置伝送路切替制御情報421、232に変換してから、それぞれ制御部239へ入力する。制御部239は、これらの情報に基づいたセレクタ部制御情報をセレクタ部212へ送信し、また伝送路障害情報を伝送路障害監視部222へ送信する。セレクタ部212および伝送路障害監視部222は、それぞれ送信された情報に基づいて伝送路切り替えおよび伝送路障害への対応処理を行う。
【0083】
次に、第2の装置202Aから第1の装置201Aへ信号を伝送する場合の動作について説明を行うが、以上説明した第1の装置201Aから第2の装置202Aへ信号を伝送する場合の説明と同様の部分は、適宜説明を省略する。第2の装置202Aから第1の装置201Aへ送信する信号は、ブリッジ部214でコピーされ、運用伝送路205とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト挿入部215および予備伝送路206とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部216に入力される。制御部239は、伝送路障害監視部222から受け取った伝送路障害情報に基づいた自装置伝送路切替制御情報223をK1バイトおよびK2バイト送信部224へ入力する。K1バイトおよびK2バイト送信部224は、これを第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部215、216それぞれに応じたK1バイトおよびK2バイトに変換し、それぞれに対して送信する。第1および第2のK1バイトおよびK2バイト挿入部215、216では入力された信号にK1バイトおよびK2バイトをそれぞれ多重挿入し、両方の通信経路からそれぞれの信号が第1の装置201Aへ伝送される。
【0084】
第1の装置201Aへ送られてきた信号は、それぞれ第1の装置201Aの運用伝送路205とつながる第1のK1バイトおよびK2バイト受信部217および予備伝送路206とつながる第2のK1バイトおよびK2バイト受信部218で受信される。この後、受信された信号は第1の装置201Aのセレクタ部219に送られる。セレクタ部219は、制御部234から受け取ったセレクタ部制御情報に従って、予備伝送路206を介して送られてきた信号だけを主信号として選択的に受信し、セレクトされていない伝送路(ここでは運用伝送路205)を介して送られてきた信号は廃棄する。また、第1および第2のK1バイトおよびK2バイト受信部217、218は多重挿入されているK1バイトおよびK2バイトを対向装置伝送路切替制御情報411、226に変換してから、それぞれ制御部234へ入力する。制御部234は、これらの情報に基づいたセレクタ部制御情報をセレクタ部219へ送信し、また伝送路障害情報を伝送路障害監視部227へ送信する。セレクタ部219および伝送路障害監視部227は、それぞれ送信された情報に基づいて伝送路切り替えおよび伝送路障害への対応処理を行う。
【0085】
図11では、図18に示したと同様に、APS制御による伝送すべき信号を選択的に受信される伝送路であるワーキングチャネルは、第1の装置201Aから第2の装置202Aの方向では運用伝送路203がセレクトされており、第2の装置202Aから第1の装置201A方向では予備伝送路206がセレクトされているものとする。また、第1の装置201Aから第2の装置202A方向の予備伝送路204に伝送路障害221(一次障害)が発生している。更に、この予備伝送路204の障害復旧がなされる前に、第2の装置202Aから第1の装置201A方向の予備伝送路206に対して伝送路障害228(二次障害)が発生しているものとする。
【0086】
本発明を適用した情報送受信装置を配置したシステムと、図18で示した従来のシステムの違いは、本発明がこのような二次障害発生時に伝送路以外に自装置伝送路切替制御情報を対向する装置に送信する手段を備えているという点である。自装置伝送路切替制御情報は、先に説明した予備伝送路あるいは運用伝送路を用いて対向する装置へ送信されるK1バイトおよびK2バイトと同様の情報を含んでいるAPS切替制御情報として対向する装置へ送信される。第1の装置201AにはこのようなAPS切替制御情報233を第2の装置202Aへ送信するために、APS切替制御情報変換部(制御情報変換部)235と、APS切替制御情報送信部(制御情報送信部)236が備えられている。これらは、それぞれ図1で説明したAPS切替制御情報変換部112と、APS切替制御情報送信部113と同様の機能を有している。また、第2の装置202Aには、このAPS切替制御情報233を第1の装置201Aから受信するために、APS切替制御情報受信部(制御情報受信部)237と、APS切替制御情報変換部(制御情報変換部)238が備えられている。これらも、それぞれ図1で説明したAPS切替制御情報受信部115と、APS切替制御情報変換部117と同様の機能を有している。更に、APS切替制御情報送信部236とAPS切替制御情報受信部237の間には、APS切替制御情報233の通信経路となる監視パス240が設定されており、図1で説明した監視パス106と同様の機能を有している。
【0087】
また、第2の装置202Aから第1の装置201AへAPS切替制御情報241を送信するために、第2の装置202AにはAPS切替制御情報送信部(制御情報送信部)242、第1の装置201AにはAPS切替制御情報受信部(制御情報受信部)243が備えられている。これらも図1で説明したAPS切替制御情報送信部113、APS切替制御情報受信部115と同様の機能を有している。このような場合、第2の装置202Aに備えられている制御部239とAPS切替制御情報変換部238は、APS切替制御情報241を送信するため、それぞれ図1で説明した制御部108、APS切替制御情報変換部112と同様の機能を有している。同様にして、第1の装置201Aに備えられている制御部234とAPS切替制御情報変換部235は、APS切替制御情報241を受信するため、それぞれ図1で説明した制御部118、APS切替制御情報変換部117と同様の機能を有している。更に、APS切替制御情報送信部242とAPS切替制御情報受信部243の間には、APS切替制御情報の通信経路となる監視パス244が設定されており、図1で説明した監視パス106と同様の機能を有している。
【0088】
更に、図11に示した第1の装置201Aの制御部234も、図18に示した制御部220とは異なる。異なる点は、自装置伝送路切替制御情報229をK1バイトおよびK2バイト送信部230だけではなく、APS切替制御情報変換部235にも送信する点である。また、図11に示した第2の装置202Aの制御部239が図18に示した制御部213と異なる点は、対向装置伝送路切替制御情報232を第2のK1バイトおよびK2バイト受信部211からだけではなく、APS切替制御情報変換部238からも受け取る点である。次に第1の装置201A方向から第2の装置202A方向へのAPS切替制御情報233を送信する動作について説明する。APS切替制御情報変換部235は、受け取った自装置伝送路切替制御情報229をAPS切替制御情報233に変換して、APS切替制御情報送信部236に送り、APS切替制御情報送信部236はこれを監視パス240を介してAPS切替制御情報受信部237へ送る。APS切替制御情報受信部237は受け取ったAPS切替制御情報233をAPS切替制御情報変換部238に送り、APS切替制御情報変換部238は、これを対向装置伝送路切替制御情報232に変換して、制御部239へ送る。以上では、第1の装置201A方向から第2の装置202A方向へAPS切替制御情報233を送信する処理について説明したが、逆方向に送信するための処理も同様であるので、説明を省略する。
【0089】
このような図11で示した情報送受信装置を配置したシステムにおいて、予備伝送路206で発生した伝送路障害228に対しての、予備伝送路204を用いてK1バイトおよびK2バイト231を送信する処理は、図18で説明したものと同様である。したがって、予備伝送路204を用いて送信したK1バイトおよびK2バイト231は、第2の装置202Aに受信されない。しかしながら、制御部234はこの第1の装置201Aにおける自装置伝送路切替制御情報229をK1バイトおよびK2バイト送信部230だけでなく、APS切替制御情報変換部235にも送信する(図3:ステップS613)。これを受け取ったAPS切替制御情報変換部235はこれをAPS切替制御情報233に変換して(図5:ステップS631)、APS切替制御情報送信部236へ送信する(図5:ステップS632)。APS切替制御情報送信部236は、これを受け取ると第2の装置202AのAPS切替制御情報受信部237との間にAPS切替制御情報233を伝達する通信経路としての監視パス240を設定する(図6:ステップS641)。既に監視パス240が設定されている場合には、これを使用してもよい。この監視パス240を介して、第2の装置202のAPS切替制御情報受信部237へAPS切替制御情報233を送信する(図6:ステップS642)。
【0090】
第2の装置202AのAPS切替制御情報受信部237は、第1の装置201AのAPS切替制御情報送信部236との監視パス240を介して受け取ったAPS切替制御情報233をAPS切替制御情報変換部238へ送る。受け取ったAPS切替制御情報変換部238は、これを対向装置伝送路切替制御情報232に変換して(図8:ステップS661)、制御部239へ送信する(図8:ステップS662)。ここで対向装置伝送路切替制御情報232は、第1の装置201AにおけるAPS制御により行われた伝送路の切り替えに関する情報と伝送路障害の情報を示している。制御部239は、対向装置伝送路切替制御情報232を受信すると(図9:ステップS671)、K1バイトおよびK2バイト受信部211からは受信していないので(図10:ステップS681:N)、APS切替制御情報変換部238から受信した情報を用いて以降の処理(図9:ステップS672〜ステップS674)を行うことになる。
【0091】
このように、予備伝送路204での伝送路障害221が継続し復旧していない状態であるため、予備伝送路204を用いてK1バイトおよびK2バイト231を第2の装置202Aに伝えられない。しかしながら、APS切替制御情報変換部235、APS切替制御情報送信部236、監視パス240、APS切替制御情報受信部237、APS切替制御情報変換部238の処理経路を用いて、APS切替制御情報233を第1の装置201Aから第2の装置202Aに送信することができる。第2の装置202Aは、このAPS切替制御情報233より変換された、対向装置伝送路切替制御情報232に対応したAPS制御による伝送路切り替えや伝送路障害への対応を行う。以上説明したように本発明を適用することで、伝送路に発生した二次障害に対して、APS制御による伝送路切り替えや伝送路障害への対応を行うことができる。
【0092】
第2の実施例
【0093】
図12は本発明の第2の実施例におけるAPS切替制御監視装置と情報送受信装置を配置したシステムの構成を表わしたものである。図12で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。ここでは第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113と第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115の間に監視パスに代わり、APS切替制御監視装置301が配置されている。この点が図1に示した情報送受信装置を配置したシステムと異なる。このAPS切替制御監視装置301には、APS切替制御情報受信部302と、装置検索部303と、装置記憶部304と、APS切替制御情報送信部305を備えている。また、第1の装置101とAPS切替制御監視装置301の間およびAPS切替制御監視装置301と第2の装置102の間には、予め通信経路が設定されている。
【0094】
APS切替制御情報受信部302は、第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113からAPS切替制御情報105を受け取り、装置検索部303へ送信するようになっている。装置検索部303は、受け取ったAPS切替制御情報105より伝送路情報を抽出し、このAPS切替制御情報105を送信すべき対向装置およびその対向装置の宛先を記憶した装置記憶部304から検索するようになっている。ここで伝送路情報とは、APS切替制御情報105と同様の情報が、送信する信号に組み込まれる伝送路を示す情報のことである。したがって、図12では予備伝送路104を示す情報として、例えば接続されているポート番号やポートが設置されたカード番号等が伝送路情報としてAPS切替制御情報105に付加されている。装置検索部303は、検索した対向装置および対向装置の宛先の情報とともに、APS切替制御情報105をAPS切替制御情報送信部305に送信する。APS切替制御情報送信部305は、この対向装置または対向装置の宛先に、APS切替制御情報105を送信する。また、APS切替制御監視装置301は図示しないCPU(中央演算処理装置)やROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶媒体を備えていて、このCPUが記憶媒体に格納されているプログラムを実行することにより、制御されるようになっている。
【0095】
図13は、図12で示したAPS切替制御監視装置内部の処理の流れを表わしたものである。APS切替制御監視装置301のAPS切替制御情報受信部302はAPS切替制御情報105を受信する(ステップS701)。この後、受信したAPS切替制御情報105を装置検索部303へ送信する。装置検索部303は、受け取ったAPS切替制御情報105から伝送路情報を抽出し、このAPS切替制御情報105を送信すべき対向装置およびその対向装置の宛先を装置記憶部304より検索し(ステップS702)、これらの情報とともにAPS切替制御情報105をAPS切替制御情報送信部305へ送信し、APS切替制御情報送信部305は、この対向装置の宛先へAPS切替制御情報105を送信する(ステップS703)。
【0096】
次に第2の実施例で示した情報送受信装置を配置したシステムの動作を図12を用いて説明する。この第2の実施例で第1の実施例で説明した動作と異なる箇所は、第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113から第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115へAPS切替制御情報105を送信する部分であり、これ以外の処理に関しては、第1の実施例と同様であるために説明を省略する。
【0097】
第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113は、APS切替制御監視装置301に対して予め設定されている通信経路を介して、APS切替制御情報105を送信する。このとき、APS切替制御情報105には、伝送路を示す伝送路情報が付加されている。APS切替制御監視装置301は第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115に、受信したAPS切替制御情報105を送信する。APS切替制御監視装置301内部の処理については先に説明したとおりである。第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115は、APS切替制御情報監視装置301のAPS切替制御情報送信部305から、予め設定されている通信経路を介してAPS切替制御情報105を受信する。このように、APS切替制御情報105を第1の装置101のAPS切替制御情報送信部113から、第2の装置102のAPS切替制御情報受信部115へ送信することができる。
【0098】
図14は、図11に示した情報送受信装置を配置したシステムの監視パスを図12に示したAPS切替制御監視装置に置き換えた構成を表わしたものである。図14で図11および図12と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。図14では、図11に示した監視パス240に代わり、APS切替制御監視装置301が第1の装置201Bと第2の装置202Bの間に配置されている。APS切替制御監視装置301は、APS切替制御情報受信部302と、装置検索部303と、装置記憶部304と、APS切替制御情報送信部305を備えている。
【0099】
次にこの情報送受信装置を配置したシステムの動作について説明する。APS切替制御情報を第1の装置201Bと第2の装置202Bの間で送受信する処理部分の動作以外は、図11で説明した第1の装置201Aおよび第2の装置202Aの処理と同様であるので、それらの説明を省略する。また、第1の装置201BとAPS切替制御監視装置301およびAPS切替制御監視装置301と第2の装置202Bの間でのAPS切替制御情報233の送受信についての処理動作は図12で説明したと同様であるので、適宜説明を省略する。第1の装置201BのAPS切替制御情報送信部236からAPS切替制御監視装置301に送信されたAPS切替制御情報233は、APS切替制御監視装置301のAPS切替制御情報受信部(制御情報受信部)302に受信される。APS切替制御情報受信部302で受信されたAPS切替制御情報233は、装置検索部303および装置記憶部304によって、送信先となる装置とその宛先が検索される。そして検索された装置である第2の装置202Bに対して、APS切替制御監視装置301のAPS切替制御情報送信部(制御情報送信部)305が、APS切替制御情報233を送信する。第2の装置202BのAPS切替制御情報受信部237は、APS切替制御情報送信部305から送信されるAPS切替制御情報233を受信するようになっている。第2の装置202Bから第1の装置201B方向へAPS切替制御情報241を送信する場合も同様であるため、説明を省略する。
【0100】
以上説明したように、第2の実施例では図14に示す第1の装置201Bと第2の装置202Bの間に監視パスを設けることができない場合に、直接APS切替制御情報を送受信するのではなく、APS切替制御監視装置301を中継するようにしている。APS切替制御情報を受信したAPS切替制御監視装置301では、送信先となる伝送路の対向側の装置を検索し、この装置へAPS切替制御情報を送信するようにしている。例えば、第1の実施例で説明した情報送受信装置を配置したシステムでは、APSで伝送路を切替制御する装置がn台存在し(ただしn>1)、このn台がそれぞれ自装置以外の装置とメッシュ型に伝送路を構築して、監視パスもそれぞれの装置間で送信または受信のためにそれぞれ設けた場合、監視パスは次の式(1)で示す本数必要となる。
【0101】
n×(n−1) …… (1)
【0102】
第2の実施例で説明した情報送受信装置を配置したシステムでは、同じようにAPS制御で伝送路を切り替える装置がn台存在する場合でも、必要な通信経路は次の式(2)で示す本数となる。これはAPS切替制御監視装置とそれぞれの装置の間でAPS切替制御情報の送信または受信をそれぞれ行う通信経路の本数である。
【0103】
n×2 …… (2)
【0104】
このように、装置間ごとに特定の監視パスを設ける必要がなくなり、APS切替制御情報を一元的に管理したり取扱うことが可能となる。したがって、ある1つの装置が複数の装置とAPS切替制御情報の送受信を行う場合に、通信経路の構成を簡素化することができる。また各装置でのAPS切替制御情報を送受信する経路の設定もAPS切替制御監視装置向けの経路設定2本のみでよいので、ネットワーク管理の簡素化、保守性の向上を期待できる。更に、複数の装置間の障害情報が1つのAPS切替制御監視装置を経由するので、障害情報を集中して管理することができる。以上の説明では、監視パスおよび通信経路を送信と受信でそれぞれ設定したものとして本数を計算しているが、送受信を1本で行った場合は、式(1)および式(2)で表わされる計算結果が半分になる。
【0105】
第2の実施例の変形例
【0106】
図15は本発明の第2の実施例の変形例における情報送受信装置を配置したシステムの構成を表わしたものである。図15で図14と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第2の実施例の変形例では、APS切替制御監視装置を設けず、第2の実施例でAPS切替制御監視装置内に設けられていた装置検索部および装置記憶部が情報送受信装置であるそれぞれの同期光ネットワークあるいは同期ディジタルハイアラーキ装置内部に設けられている。
【0107】
この変形例の第1の装置201Cでは、APS切替制御情報送信部236Cに装置検索部303が接続されている。また、装置検索部303には、装置記憶部304が接続されている。装置検索部303には、装置記憶部304を検索する際の手順が格納されている。また、装置記憶部304には、対向装置として第1の装置201Cが伝送路で接続されている装置および装置の宛先の情報が格納されている。同様に第2の装置202CもAPS切替制御情報送信部242C、装置検索部305および装置記憶部306を備えている。第1の装置201CのAPS切替制御情報送信部236Cと第2の装置202CのAPS切替情報受信部237の間および第2の装置202CのAPS切替制御情報送信部242Cと第1の装置201CのAPS切替情報受信部243の間には、それぞれ通信経路のみが確立されている。
【0108】
次にこの情報送受信装置を配置したシステムの動作について説明する。第1の装置201CのAPS切替制御情報送信部236CにAPS切替制御情報233が送信されるまでの処理部分の動作および、第2の装置202CのAPS切替制御情報受信部237がAPS切替制御情報233を受信した以降の処理部分の動作については、図14で説明した第2の実施例と同様であるのでそれらの説明を省略する。APS切替制御情報送信部236Cは装置検索部303を用いて、APS切替制御情報233を送るべき装置を、装置記憶部304から検索する。ここで検索された対向装置に対してAPS切替制御情報送信部236Cから、APS切替制御情報233を送信する。図15では、APS切替制御情報233は第2の装置202Cに対して送信されるようになっている。したがって、第2の装置202CのAPS切替情報受信部237は、APS切替制御情報233を受信することができる。ここでは、第1の装置201Cから第2の装置202C方向へAPS切替制御情報233を送信する処理について説明を行ったが、第2の装置202Cから第1の装置201C方向の処理についても同様である。
【0109】
第2の実施例の変形例では、装置内部にこの装置と伝送路で接続された装置、あるいは装置の宛先を格納した装置記憶部を備えていて、APS切替制御情報を送信するたびに、宛先となる装置に対して通信経路を設定して送信するようになっている。したがって、第2の実施例のようにAPS切替制御監視装置を配置しなくとも、複数の装置とAPS切替制御情報の送受信を行う場合に、通信経路の構成を簡素化することができる。
【0110】
発明の変形の可能性
【0111】
以上説明した第1の実施例では、監視パスをイーサネットで構成したが、例えば無線接続や光ケーブルによる接続のような手法で監視パスを構成してもよい。また、信号のセクションオーバへッド以外の部分にAPS切替制御情報を設定する領域を設けて、これを監視パスとしてもよい。信号のセクションオーバへッド以外の部分にAPS制御に関する情報を組み込むことは、ベルコア規定には抵触しない。したがって、例えば現在使用している運用伝送路を送信される信号のセクションオーバへッド以外の部分にAPS制御に関する情報を組み込むことによって、本発明の効果を得ることができる。
【0112】
【発明の効果】
【0113】
以上説明したように、請求項1〜請求項5記載の情報送受信装置を用いることによって、主信号の障害情報を冗長度を持って、対向する装置間で送受信することができる。また、通信経路情報付加情報受信手段によって受信される通信経路情報付加情報は、障害情報受信手段によって受信される障害情報よりも優先度が低く設定されている。すなわち、障害情報が受信されている場合には、通信経路情報付加情報を受信する必要はないことになる。したがって、既存の障害情報を送受信する処理部を持った情報送受信装置と、この情報処理装置と障害情報を送受信する既存の処理部を持ち本発明の適用により通信経路情報付加情報を送受信する処理部が備えられている情報送受信装置の間で障害情報の送受信を行っても、通信経路情報付加情報の送受信が行えないだけで、既存の障害情報の送受信にはなんら影響を及ぼさないことになる。また、このとき既存の障害情報の送受信は特別な設定なしで行うことができる。これによって、既に障害情報の送受信を行う処理部が設けられている対向する装置間で、本発明を適用する場合に片方ずつ順に適用しても、既存の障害情報の送受信については問題がないので、同時に適用する場合と比較して一度に用意するコストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例で示した情報送受信装置を配置したシステムの概要を表わしたブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例で示した第1の装置の伝送路障害監視部が障害の発生を感知したときの処理を表わした流れ図である。
【図3】本発明の第1の実施例で示した第1の装置の制御部が障害情報を送信されたときの処理を表わした流れ図である。
【図4】本発明の第1の実施例で示した第1の装置のK1バイトおよびK2バイト送信部が自装置伝送路切替制御情報を送信されたときの処理を表わした流れ図である。
【図5】本発明の第1の実施例で示した第1の装置のAPS切替制御情報変換部が自装置伝送路切替制御情報を送信されたときの処理を表わした流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施例で示した第1の装置のAPS切替制御情報送信部がAPS切替制御情報を送信されたときの処理を表わした流れ図である。
【図7】本発明の第1の実施例で示した第2の装置のK1バイトおよびK2バイト受信部が伝送路から信号を受信したときの処理を表わした流れ図である。
【図8】本発明の第1の実施例で示した第2の装置のAPS切替制御情報変換部がAPS切替制御情報を送信されたときの処理を表わした流れ図である。
【図9】本発明の第1の実施例で示した第2の装置の制御部が対向装置伝送路切替制御情報を受信したときの処理を表わした流れ図である。
【図10】図9のステップS671で示した制御部が対向装置伝送路切替制御情報を受信したときの処理を具体的に表わした流れ図である。
【図11】本発明の第1の実施例を適用した双方向通信を行っているAPS制御機能を有する伝送装置間で、伝送路に二次障害が発生した様子を表わしたブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施例で示した情報送受信装置を配置したシステムの概要を表わしたブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施例で示したAPS切替制御監視装置がAPS切替制御情報を受信したときの処理の流れを表わした流れ図である。
【図14】本発明の第2の実施例を適用した双方向通信を行っているAPS制御機能を有する伝送装置間で、伝送路に二次障害が発生した様子を表わしたブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施例の変形例を適用した双方向通信を行っているAPS制御機能を有する伝送装置間で、伝送路に二次障害が発生した様子を表わしたブロック図である。
【図16】従来のAPS制御機能を有する伝送装置間の双方向通信を表わしたブロック図である。
【図17】図16に示した従来の双方向通信を行っているAPS制御機能を有する伝送装置間で伝送路に一次障害が発生した様子を表わしたブロック図である。
【図18】図17に示した従来の双方向通信を行っているAPS制御機能を有する伝送装置間で伝送路に二次障害が発生した様子を表わしたブロック図である。
【図19】従来の技術で示された運用伝送路と予備伝送路を用いて、伝送路の状態を対向する装置に送信するシステムの構成を表わしたブロック図である。
【符号の説明】
107、119 伝送路障害監視部
108、118、234、239 制御部
110、224、230 K1バイトおよびK2バイト送信部
111、208、209、215、216 K1バイトおよびK2バイト挿入部
112、117、235、238 APS切替制御情報変換部
113、236、236C、242、242C、302 APS切替制御情報送信部
115、237、243、305 APS切替制御情報受信部
116、210、211、217、218 K1バイトおよびK2バイト受信部
301 APS切替制御監視装置
303、305 装置検索部
304、306 装置記憶部
Claims (6)
- 自装置と対向配置され自装置と同一構成の対向装置との間に予め設定された主信号通信経路を介して、この対向装置側に送信すべき主信号を送信する主信号送信手段と、
前記対向装置との間に予め設定された他の主信号通信経路を介してこの対向装置から自装置側に送信すべき他の主信号を受信する主信号受信手段と、
この主信号受信手段が主信号を受信するまでに障害が発生したときこれを表わした障害情報を作成する障害情報作成手段と、
この障害情報作成手段によって作成された障害情報中に予め定めた障害情報が存在したときこれらの障害情報を前記対向装置との間に予め設定された障害情報通信経路を用いてこれらの障害情報ごとにそれぞれ送信する1または複数の障害情報送信手段と、
これらの障害情報送信手段で送信される障害情報にこの障害情報が送信される障害情報通信経路を示す通信経路情報を付加した通信経路情報付加情報を前記対向装置へ送信する通信経路情報付加情報送信手段と、
前記自装置から前記主信号送信手段によって前記対向装置に信号が送信されるまでに障害が発生したときこれを表わした障害情報の中で予め定められた障害情報を前記対向装置との間に予め設定された他の障害情報通信経路を用いて受信する1または複数の障害情報受信手段と、
これらの障害情報受信手段によって障害情報が受信されなかったとき受信されなかった障害情報に対応して予め定められた障害情報通信経路を示す通信経路情報を取得する未受信通信経路情報取得手段と、
前記情報受信手段が受信する障害情報に障害情報を受信する前記他の障害情報通信経路を示す通信経路情報が付加された通信経路情報付加情報を前記対向装置から受信する通信経路情報付加情報受信手段と、
この通信経路情報付加情報受信手段が受信した通信経路情報付加情報の通信経路情報と同一の障害情報通信経路を示す通信経路情報が未受信通信経路情報取得手段に取得されていたときに通信経路情報付加情報受信手段で受信した障害情報を前記他の障害情報通信経路から前記情報受信手段によって受信された障害情報として扱う未受信情報補完手段
とを具備することを特徴とする情報送受信装置。 - 前記主信号送信手段が送信する主信号に少なくとも1つの前記障害情報送信手段が送信する障害情報を組み込むことを特徴とする請求項1記載の情報送受信装置。
- 前記主信号受信手段が受信する他の主信号に少なくとも1つの前記障害情報受信手段が受信する障害情報が組み込まれていて、この前記障害情報受信手段は前記主信号受信手段が受信した他の主信号に組み込まれている障害情報を取得することを特徴とする請求項1記載の情報送受信装置。
- 前記障害情報は、前記主信号通信経路または前記他の主信号通信経路に障害が発生した際に予め定められた他の通信経路を新たな前記主信号通信経路または前記他の主信号通信経路として用いることを示す情報であることを特徴とする請求項1記載の情報送受信装置。
- 前記障害情報は、ベルコア規定に従ったAPS制御による伝送路切り替え制御の情報および伝送路障害の情報であることを特徴とする請求項1記載の情報送受信装置。
- 前記通信経路情報付加情報送信手段は、前記通信経路情報から送信先となる対向装置を取得する対向装置取得手段と、取得した対向装置に向けて通信経路情報付加情報通信経路を設定する通信経路設定手段と、この設定された通信経路情報付加情報通信経路を用いて通信経路情報付加情報を対向装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報送受信装置。
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