JP3667591B2 - 現像装置に使用されるブレード、その製造方法及び製造用金型、当該ブレードを有する現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、現像装置において現像ローラの現像剤の層厚を規制するブレード、その製造方法及び製造用金型に係る。また、本発明は、当該ブレードを利用する現像装置及び画像形成装置にも係る。本発明は、例えば、現像ローラ上の非磁性一成分現像剤の層厚を規制するブレード、当該ブレードを用いた非磁性一成分現像剤層の形成方法、当該ブレードを有する現像装置、及び、これらの構成要素の一又は複数を有する電子写真式の画像形成装置に好適である。もっとも、本発明は非磁性一成分現像剤への適用に限定されるものではない。
【0002】
ここで、「非磁性一成分現像剤」とは、非磁性でキャリアを含まない一成分の現像剤をいう。また、「電子写真式の画像形成装置」とは米国特許第2,297,691に記載されたカールソンプロセスを利用した画像形成装置であり、典型的にはレーザプリンタで、記録媒体である現像剤を被記録体(印刷用紙やOHPフィルムなど)に付着することによって記録するノンインパクトプリンタをいう。
【0003】
【従来の技術】
近年、オフィスオートメーションの進展により、コンピュータの出力端末、ファクシミリ、コピー機等にレーザプリンタ等の電子写真式の画像形成装置が多く使用されている。電子写真方式は、一般に、光導電性絶縁体(感光体ドラムや感光体ベルト)を使用して帯電、露光、現像、転写、定着、その他の後処理などの工程を有している。
【0004】
帯電工程では、感光体ドラムを一様に(例えば、−600Vに)帯電させる。露光工程では感光体ドラムにレーザビームなどを照射して照射部分の電位を、例えば、−50V程度に変化させて静電潜像を形成する。現像工程では、例えば、反転現像法を利用して、感光体ドラムに現像剤を電気的に付着させて静電潜像を可視化する。反転現像法とは、露光によって電荷の抜けた場所に、現像バイアスにより電場を形成し、この電場により感光体ドラムの一様帯電と同極性の現像剤を付着させる現像方法である。転写工程では、被記録体に静電潜像に対応するトナー像を形成する。定着工程では、加熱、加圧等によりトナー像を溶融して被記録体に定着させて印刷物を得る。後処理では、転写後の感光体ドラムの除電とクリーニング、残留トナーの回収と再利用及び/又は廃棄などが行われる。
【0005】
上述した現像工程に使用される現像剤は、トナーを使用する一成分系現像剤と、トナーとキャリアを使用する二成分系現像剤とに大別することができる。トナーには、例えば、合成高分子物質からなるバインダ樹脂中に外添剤、染料、カーボンブラックなどの着色剤などを分散させたものを3乃至15μm程度に微粉砕した粒子が使用される。外添剤はトナー表面改質剤として使用される微粉末で、元来はトナーの流動性を改善するために使用されたが画質向上剤として使用される場合もある。外添剤には、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ、ステアリン酸亜鉛などがある。また、キャリアには、例えば、直径100μm程度の鉄粉やフェライトビーズが使用される。一成分系現像剤は、(1)キャリアの劣化やトナー濃度の制御、混合、攪拌機構が不要なため現像装置の構成の簡素化と小型化する、(2)不要になったトナーにキャリアなどの廃棄物がないなどの特長を有している。
【0006】
一成分系現像剤はトナーの中に磁性粉を含有させた磁性一成分現像剤とこれを含有しない非磁性一成分現像剤に更に分類することができる。しかし、磁性一成分現像剤は、(1)電気抵抗が小さい磁性粉を多量に含有しているので帯電量を高くできず転写性能が悪い、(2)黒色磁性粉のために透明性が低くカラー化することが困難である、(3)磁性粉のために定着性が悪くなり、高温、高圧を要してランニングコストの増加を招くなどの問題があるため、これらの問題を有しない非磁性一成分現像剤は今後ますます需要が高まるものとして期待されている。
【0007】
非磁性一成分現像剤は、比較的体積固有抵抗の高い(例えば、300GΩcmなど)のトナーを一般に使用する。また、トナーは基本的に電荷を有していないので現像装置内で摩擦帯電又は電荷注入によってトナーに電荷を与える必要がある。
【0008】
非磁性一成分現像剤を使用する現像方法は、現像剤を担持した現像ローラを感光体ドラムと接触させることによって現像剤を感光体ドラムに付着させる接触型の現像方法と、両者に一定のギャップ(例えば、約350μm)を設けて離間して、現像剤を現像ローラから飛翔させて感光体ドラムに付着させる非接触型の現像方法とに分類することができる。
【0009】
非磁性一成分現像剤を使用する現像方法は、現像ローラから感光体ドラムへ搬送されるトナーの量を制御して十分な画像濃度を得ることが重要である。このために、現像ローラに所定のトナー層を、その厚さを制御しながら形成することが重要となる。典型的なトナーの層厚制御方法として現像ローラに弾性ブレード(規制ブレード)を当接して層圧を均一化する方法が従来提案されている。
【0010】
かかる非磁性一成分現像剤を使用する接触型現像装置は、一般に、リセットローラと、現像ローラと、ブレードとを有する。現像ローラには現像バイアスを印加するバイアス電源が接続される。リセットローラは、供給ローラや塗布ローラとも呼ばれ、現像ローラに当接してトナーを現像ローラへ供給し、更に、現像に使用されなかった現像ローラ上のトナーを剥ぎ取ってこれを除去する機能を有する。現像ローラは、例えば、樹脂製ローラで、帯電したトナーを薄層として表面に吸着して感光帯ドラムと接触する現像領域に搬送する。
【0011】
ブレードは現像ローラに当接してトナー層を均一な厚さに制御する機能を有する。ブレードは金属やウレタン等の弾性材料から構成され、現像ローラと端部又は非端部(即ち、腹当て)で当接してトナー層の厚さを規制する。トナー層は薄すぎると画像濃度の低下と濃度のバラツキをもたらし、厚すぎると逆帯電性及び低帯電性トナーの割合が多くなり非画像部へのカブリ(画像がないために本来白く抜けるべき箇所がトナーにより着色される現象)が発生するという問題を発生する。このため、ブレードは適度な厚さを有するトナー層を形成することが要求される。
【0012】
図28を参照して、ブレードがその端部において現像ローラに当接する場合のブレードによるトナー層の層厚規制について説明する。ここで、図28は、ブレードの曲率と規制されるトナー層の関係を示す概略断面図であり、ブレード500が異なる3つの曲率を有する端部510(即ち、512乃至516)を有する場合を示している。ブレード500が小さい曲率を有する端部510aを有する場合、図中一点差線で示すように、ブレード500の現像ローラ20に対する食い込み量が大きすぎて得られるトナー層Tの厚さ(即ち、現像ローラ20表面からの高さ)は薄くなる。一方、ブレード500が大きい曲率を有する端部510cを有する場合、図中破線で示すように、ブレード500の現像ローラ20に対する食い込み量が小さすぎてトナー層Tの厚さは厚くなる。適当なトナー層の厚さはブレード500が実線で示す曲率を有する端部510bを有する場合である。このように、ブレード500はその端部510において適度な曲率を有する必要がある。
【0013】
かかる適度な曲率を有する端部をブレードに形成する方法として、本発明者らは、特許公開公報平成9年第62096号において、端部510bを、打抜き加工により必然的にできる抜きだれを利用して形成する技術を開示している。打抜き加工はダイとパンチを有する金型を利用するが、打抜き時に端部510においては抜きだれが、端部510に対向する端部14にバリ(又はカエリ)が必然的に形成される。「抜きだれ」とは離型時に形成される曲面部を意味し、「バリ」とは成形時に鋭角状端部を意味する。抜きだれの寸法は本来は端部510aあるいは512よりも小さいが、本出願人は同公報において抜きだれの大きさをダイとパンチのクリアランスを本来の幅よりも広げることによって大きくすることができることを開示している。
【0014】
現像動作においては、トナーは、リセットローラ、ブレード及び現像ローラによって摺動摩擦されて(例えば、マイナスに)帯電する。その後、マイナスに帯電したトナーはリセットローラにより現像ローラの表面に供給され、静電的吸着力によって付着する。その後、ブレードによって現像ローラ上のトナー層は10μm乃至40μm程度の均一な厚さの薄層となる。トナーは、感光体ドラムから現像ローラまで搬送され、現像領域に印加された所定の電圧によって、感光体ドラム上の静電潜像に対して電気的吸引力で吸着する。この結果、潜像は可視化されて現像される。その後、潜像が形成されていない非画像部にあたる現像ローラ上の残留トナーは、リセットローラによって現像ローラから除去される。現像プロセスではこの一連の動作を繰り返し行っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らが特許公開公報平成9年第62096号において開示した製造方法及びこれによって得られたブレードは幾つかの問題を有するため、本発明者は製造方法の改善が必要であると考えた。
【0016】
第1に、同公報の製造方法は金型の寿命の短命化を招く。これは、金型のクリアランスを本来の打抜きに適した幅よりも広げているために金型に負荷がかかるためである。
【0017】
第2に、同公報の製造方法は、抜きだれの寸法の制御が困難であり、抜きだれ寸法が端部510aや516のようになれば画質の低下を招く。これは、抜きだれの寸法がダイの端部の切れ味とブレード材料の硬度にも依存し、これらを適切に調節することは大変だからである。
【0018】
例えば、ダイの端部を研磨した直後は切れ味が鋭すぎて抜きだれが小さ過ぎるため、所定の切れ味になるまで5000枚程度の捨て抜きを必要になる。この結果、ブレード製造の歩留まりが悪くなりコストアップを招く。
【0019】
また、ブレード材料の硬度がばらつく場合にはブレードの再現性が悪く、同様に、ブレード製造の歩留まりが悪くなりコストアップを招く。より詳細には、ブレードの端部510は、図29に示すように、その曲線の高さXと曲線の長さY(即ち、Y1及びY2)によって表すことができ、同公報の製造方法は端部510を形成する際に高さXを基準にしている。ここで、図29は、従来のブレード500の概略部分拡大断面図である。例えば、クリアランスと高さXとの関係を求めて所望の高さXを得るために必要なクリアランスを調節するなどである。しかし、その後、本発明者らは、端部510のうち磨耗するのは高さXではなく長さYであることを発見した。例えば、図29においては、長さY1は磨耗して長さY2になる。ところが、同公報の製造方法によって得られるブレードの長さYは材料の硬度によるばらつきが大きく正確には把握できなかった。もちろん、同公報の製造方法により得られたブレードについて高さXと長さYとの関係やクリアランスとYとの関係も把握することができない。このため、同公報の製造方法は、ある高さXを得るために必要なクリアランスの情報は得ることができたが、その場合の長さYの情報は得ることができない。高さXは磨耗せずに端部510は長さYに依存するので、このことは換言すれば、同公報の製造方法は所望の端部510bを有するブレードの再現性が低いことを意味する。
【0020】
一方、ブレードが当初は適度の曲率を有する端部510bを有しても継続的使用により磨耗して端部510cのようになりトナー層が厚くなる。本発明者らはこの原因を検討した結果、従来はブレード材料とトナーに添加される無機有機物(外添剤など)との硬度の関係については考慮されていなかったことを発見した。特に、近年の高速印字処理が要求される画像形成装置にあっては現像ローラが高速で回転するためにブレードが受ける負荷が増大する傾向にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そこで、このような従来の課題を一又は複数を解決する新規かつ有用な現像装置に使用されるブレード、その製造方法及び製造用金型、当該ブレードを有する現像装置及び画像形成装置を提供することを本発明の概括的目的とする。
【0022】
より特定的には、本発明は、安定して高品質画像を形成することができる現像装置に使用されるブレード、その製造方法及び製造用金型、当該ブレードを有する現像装置及び画像形成装置を提供することを例示的目的とする。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明のプレス成形用金型は、ノックアウトを有する上型部と、パンチを有して前記上型部と相対移動可能な下型部とを有し、前記ノックアウトは断面的に第1の平面部と当該第1の平面部から突出する三角形状突出部を有する。前記パンチは断面的に第2の平面部と当該第2の平面部に形成された三角形状溝部とを有し、前記三角形状突出部が前記第1の平面部から突出する第1の角度は前記三角形状溝部が前記第2の平面部から引き込む第2の角度よりも大きい。代替的に又はこれと共に、前記ノックアウトは断面的に第1の平面部と当該第1の平面部から突出する三角形状突出部を有し、前記パンチは断面的に第2の平面部と当該第2の平面部に形成された三角形状溝部とを有し、前記三角形状突出部が前記第1の平面部に接続する第1の幅は前記第2の平面部から見た前記三角形状溝部の第2の幅よりも小さい。更に、代替的に又はこれと共に、前記ノックアウトは断面的に第1の平面部を有し、前記パンチは断面的に第2の平面部を有し、前記ノックアウトと前記パンチのいずれか一方は前記第1及び第2の平面部のいずれか一方から突出する突出部を有し、前記ノックアウトと前記パンチの他方は前記第1及び第2の平面部の他方に形成された溝部とを有し、前記突出部と前記溝部とは異なる寸法を有する。また、本発明の例示的一態様としてのブレードはこれらの金型のいずれかによって製造される。
【0024】
これらの金型は、実験的に、基部と所望の曲面状端部とを有して現像剤の層厚を規制するのに使用可能なブレードを製造することができた。当該ブレードの前記端部は断面的に高さと長さを有し、例えば、これらの金型の一又は複数は、前記端部の高さと長さとの間に前記基部の厚さ別にほぼ一定の関係が成立するブレードを製造することができる。また、これらの金型の一又は複数は、当該端部の長さと前記第2の角度との間に前記ブレードの材料の硬度に拘らずほぼ一定の関係が成立するブレードを製造することができる。更に、これらの金型の一又は複数は、当該端部の長さと前記第2の角度との間に前記ブレードの前記基部の厚さ別にほぼ一定の関係が成立するブレードを製造することができる。
【0025】
現像ローラと上述のブレードを有する本発明の現像装置も前記ブレードの作用を奏することができる。また、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記帯電器により帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記露光された感光体を現像して可視化する上記現像装置と、前記トナー像を被記録体に転写する転写部とを有する本発明の画像形成装置も前記ブレードの作用を奏することができる。
【0026】
本発明の別の例示的一態様としての現像装置は、現像ローラと、前記現像ローラに当接されて前記現像ローラ上に現像剤の層を所定の層厚で形成することができるブレードとを有し、前記現像剤はトナーと無機微粒子とを有し、前記ブレードは前記無機微粒子よりも高い硬度を有して前記現像剤に接触する部分を有する。かかる現像装置は、ブレードが無機微粒子によって磨耗しないため現像ローラ上には所定の層厚を維持することができる。感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記帯電器により帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光部と、前記露光された感光体を現像して可視化する上記現像装置と、前記トナー像を被記録体に転写する転写部とを有する本発明の画像形成装置も前記現像装置の作用を奏することができる。
【0027】
本発明のブレード製造方法は、ノックアウトを有する上型部と、パンチを有して前記上型部と相対移動可能に構成された下型部とを有するプレス成形用金型であって、前記ノックアウトは断面的に第1の平面部を有し、前記パンチは断面的に第2の平面部を有し、前記ノックアウトと前記パンチのいずれか一方は前記第1及び第2の平面部のいずれか一方から突出する突出部を有し、前記ノックアウトと前記パンチの他方は前記第1及び第2の平面部の他方に形成された溝部とを有する金型の前記下型部に板状部材を配置する工程と、前記上型部と前記下型部とを近接させる工程と、前記ノックアウトと前記パンチとを相対的に近接させる工程と、前記ノックアウトと前記パンチとを相対的に離間させる工程と、前記上型部と下型部とを離間させる工程とを有する。かかるブレード製造方法は、上述した金型を使用して所望の端部を有するブレードを製造できることが実験的に確認されている。
【0028】
本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例において明らかになるであろう。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して、本発明の現像装置100及び現像装置100を有する画像形成装置200を説明する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を示し、重複説明は省略する。ここで、図1は、現像装置100を有する画像形成装置200の要部概略断面図である。現像装置100は、リセットローラ10と、現像ローラ20と、(ドクター)ブレード30と、フレーム40と、現像バイアス電源50とを有する。
【0030】
リセットローラ10は、供給ローラ又は塗布ローラとも呼ばれ、現像ローラ20に接触して現像剤Tをフレーム40から現像ローラ20に供給する。リセットローラ10は現像剤Tを現像ローラ20との間で摩擦することによって現像剤Tを帯電させるべく、導電性を有するスポンジ等によって構成されている。本実施例の図1では、リセットローラ10は左回り(時計と反対方向)に回転し、現像ローラ20の対して接触している。かかる接触と回転によって現像剤Tは帯電し、現像ローラ20に供給される。また、リセットローラ10は、現像に使用されずに現像ローラ20上に残留した現像剤Tを回収する機能も有する。トナー回収時は、両ローラ10及び20が接触していることを利用し、現像ローラ20上の現像剤Tを剥ぎ取ってフレーム40の内部に戻す。
【0031】
現像ローラ20は、表面に現像剤Tを吸着し、回転によってその現像剤Tを接触している感光体ドラム210に搬送する。現像ローラ20は、例えば、感光体ドラム210の周速の1.15倍の周速で感光体ドラム210と同方向に回転する。現像ローラ20は外径20mm、硬度41度のソリッドゴム(NBRゴム)からなる。現像ローラ20は、5μm乃至12μm(例えば、8μm)の十点平均粗さRzを有してウレタン樹脂でコートされている。かかる構成のために、ブレード30が現像ローラ20に後述する図2に示すように食い込みつつ現像剤Tの層厚を規制する。
【0032】
本実施例は、リセットローラ10を現像ローラ20に接触深さ1mmで当接させ、両ローラとも左回りに回転させて行った。よって、リセットローラ10と現像ローラ20との接触点では逆方向の回転となっている。また、リセットローラ10は金属のシャフトに導電性を示すウレタン発砲体を被覆した構造を有し、外径が20mm、シャフトとスポンジ間の抵抗は107Ωに調整された。回転速度は、リセットローラ10と現像ローラ20は共に90mm/sに調整された。
【0033】
ブレード30は、リセットローラ10によって供給された現像剤Tを所定の厚さに規制する部材である。更に、ブレード30は、現像ローラ20と共に現像剤Tを挟持し、現像ローラ20により搬送される現像剤Tを摩擦し、現像剤Tを帯電させる。しかもブレード30に電位を掛けることにより、ブレード30を介して現像剤Tに電荷を注入することができる。このブレード30は、ウレタンなどに代表される弾性体や、ステンレスやリン青銅等の板バネ特性を示す金属によって形成される。材質によって現像剤Tの層厚を規制する方法も異なり、削り取ったり、先端部又は腹部で押し当てたりという方法がある。本実施例では、ブレード30には0.08mm、0.10mm、0.12mm、0.15mmの4種類の板厚tを有するステンレス製板部材を用意し、現像ローラ20に所定の線圧でその先端部を接触させた。
【0034】
ブレード30は、図2に示すように、基部32、端部34及び成形跡36とを有する。ここで、図2は、現像装置100の現像ローラ20とブレード30との関係を示す拡大模式断面図である。基部32は板厚tを有し、端部34は曲線の高さX、長さY及び曲率半径Rで表現される。厳密に言えば、端部34は、より先端部において曲率半径R’(<R)を有する。しかし、曲率半径R’が支配する範囲は微小であるために本実施例では曲率半径Rを端部34の曲率半径と近似する。特徴的に、本発明のブレード30は、本発明者らが特許公開公報平成9年第62096号において開示した製造方法によって得られたブレードとは異なる。
【0035】
まず、従来のブレードは曲線の長さYがブレード材料によって著しく変化して把握することができなかったが、本実施例のブレード30は板厚t別に高さXに対して長さYは一定の関係を有する。かかる様子を図3乃至図5に示す。ここで、図3は、板厚tが0.08mmの場合の高さXと長さYとの関係を示す。図4は、板厚tが0.10mmの場合の高さXと長さYとの関係を示す。図5は、板厚tが0.12mmの場合の高さXと長さYとの関係を示す。図3乃至図5に示すグラフは従来得ることができなかったグラフである。本実施例のブレード30によれば、ある板厚tの下である高さXに対して長さYが図3乃至図5に示すグラフから求まる。従って、上述したように高さXは磨耗しても変化しないので、現実に測定した長さYをグラフから求められるYと比較することによりブレード30が磨耗したかどうかを容易に知ることができる。
【0036】
次に、図10に示す従来のブレード500はバリ520を有するが、本実施例のブレード30はバリは殆ど有さずに成形跡36を有する。ブレード500はダイとパンチのクリアランスを広げて抜きだれから端部510を形成することを目的としている。一方、バリ520はクリアランスが大きくなればなるほど大きくなるので抜きだれから端部510を形成しようとすれば必然的に生じる。これに対して、ブレード30は、後述するように、クリアランスを極力ゼロに近づけているためバリは殆ど発生しない。但し、ブレード30には、ブレード材料が後述するノックアウトの溝部に入り込むことによって生じる成形跡36が形成される。
【0037】
以下、ブレード30の製造方法を説明する。ブレード30は、図6に示すプレス成形用金型300によって形成される。ここで、図6は、ブレード30を製造するためのプレス成形用金型300の概略断面図である。金型300は、上型部310と、下型部350と、ガイドポスト390とを有する。上型部(雄型)310と下型部(雌型)350とはガイドポスト390を介して相対的に移動可能である。本実施例では、下型部350が固定されて上型部310が移動する。
【0038】
上型部310は、ダイセット312と、シャンク314と、パッキングプレート322と、ダイプレート324と、ダイ330と、ノックアウト340とを有する。下型部350は、ダイセット352と、パッキングプレート362と、パンチプレート364と、ストリッパ370と、パンチ380とを有する。なお、各部の基本的な構造及び動作は当業界で周知であるので以下の説明では本発明に関連するダイ330と、ノックアウト340と、ストリッパ370と、パンチ380について図7を参照して説明する。ここで、図7は、図6に示す金型300の部分拡大断面図である。
【0039】
ダイ330とノックアウト340とは相対的に移動可能で、ストリッパ370とパンチ380とは相対的に移動可能である。ノックアウト340は、平面部341と平面部341から角度θ1で突出する突出部342とを有する。パンチ381は、平面部381と平面部381から角度θ2で引き込む溝部382とを有する。突出部342は底辺L1を有し、溝部382は底辺L2を有する。突出部342と溝部382とは異なる寸法を有する。より詳細には、θ2<θ1で、好ましくはθ1=θ2+約5°、より好ましくはθ1=θ2+約2°である。かかる角度の制限はノックアウト340が割れることを防止するためである。本実施例では、θ1=27°、θ2=25°である。また、L1<L2であり、本実施例では、L1=0.05mm、L2=0.1mmである。
【0040】
動作においては、まず、下型部350上にブレード成形用金属板が載置される。その後、上型部310が下型部350に向かって下降する。その際、ノックアウト340の平面部341はダイ310よりも下方に突出して位置決めされる。その後、ノックアウト340がパンチ380に向かって下降する。この結果、金属板はブレード30に切断される。突出部342と溝部382は本実施例に開示するような異なる寸法を有するため、図7において、ブレード30の上側に端部34が形成され、端部34はブレードの成形跡36のような形状(即ち、溝部382に対応するような断面三角形状)にはならずに断面曲線形状になる。パンチ380の平面部381は、ストリッパ370よりも下方に退避して予め位置決めされる。その後、ノックアウト340は上方に移動し、パンチ380は下方に移動し、ブレード30と切断された金属板片が取り出される。
【0041】
ブレード30の端部32の曲線の高さX、長さY及び曲率半径Rは、θ1=θ2+2°であって、板厚t=0.10mm、ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmの場合に、図8乃至図10に示すような一定の関係をパンチ角度θ2とそれぞれ有する。また、以下の表1は図8乃至図10に示す結果をまとめたものである。ここで、図8は、ブレード30の端部34の曲線の高さXのパンチ角度θ2に対する依存性を示すグラフである。同図に示すように、高さXとパンチ角度θ2はほぼ比例する。図9は、ブレード30の端部34の曲線の長さYのパンチ角度θ2に対する依存性を示すグラフである。同図に示すように、高さXとパンチ角度θ2は一定の曲線を描く。図10は、ブレード30の端部34の曲線の曲率半径Rのパンチ角度θ2に対する依存性を示すグラフである。同図に示すように、曲率半径Rとパンチ角度θ2は一定の曲線を描く。従来は長さYを把握できなかったため、少なくとも図9に示すグラフは得られなかったが、本発明のブレード30の製造方法においては所望の長さYに対応するパンチ角度θ2を図9から決定することができる。この結果、所望の長さYを有する端部34を有するブレード30をパンチ角度θ2を調節することによって信頼性よく製造することができる。
【0042】
【表1】
表2に、θ1=θ2+2°であって、板厚t=0.10mm、ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.005mmの場合に、ブレード30の端部32の曲線の高さX、長さY及び曲率半径Rとパンチ角度θ2との関係をそれぞれ示す。同表に示すように、クリアランス=0.005mmは、クリアランス0.01mmでは作成できないような小さい寸法の長さYを形成することができる。
【0043】
【表2】
ブレード30の端部34の曲線の高さX及び長さYは、パンチ角度θ2が一定であれば、ブレード材料の硬度に拘らず、図11及び図12に示すようにほぼ一定になる。また、表3は図11及び図12に示す結果をまとめたものである。ここで、図11は、θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、クリアランス=0.01mmの場合に、ブレード30の端部34の曲線の高さXのパンチ角度θ2に対する依存性を硬度別に示すグラフである。同図に示すように、硬度HVが280度、340度及び400度のブレード材料に関して、ブレード30の端部34の曲線の高さXとパンチ角度θ2との関係(比例関係)はほぼ重なる。図12は、θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、クリアランス=0.01mmの場合に、ブレード30の端部34の曲線の長さYのパンチ角度θ2に対する依存性を硬度別に示すグラフである。同図に示すように、硬度HVが280度、340度及び400度のブレード材料に関して、ブレード30の端部34の曲線の高さXとパンチ角度θ2との関係(比例関係)はほぼ重なる。この結果、本発明のブレード30の製造方法は、ブレード材料の硬度に拘らず、所望の高さX及び長さYを有する端部34を有するブレード30をパンチ角度θ2を調節することによって信頼性よく製造することができる。
【0044】
【表3】
図13及び表4に、特許公開公報平成9年第62096号において開示した製造方法による端部510の曲線の高さXのダイとパンチとのクリアランスへの依存性をブレード材料の硬度別に示す。同図に示すように、硬度HVが280度、340度及び400度と異なるブレード材料に関して、高さXはクリアランスが一定であっても一定ではない。この結果、同公報の製造方法はブレード材料の硬度が異なれば高さXをクリアランスによって制御できない点で、ブレード材料の硬度が異なってもパンチ角度θ2によって高さXを制御できる図11に示す本発明の製造方法とは異なる。また、同公報の製造方法は長さYをクリアランスによって制御できない点で、ブレード材料の硬度が異なってもパンチ角度θ2によって長さYを制御できる図12に示す本発明の製造方法とは異なる。
【0045】
【表4】
ブレード材料の硬度が一定(HV=340度)で、クリアランス=0.01mmであってブレード30の板厚tが異なる場合の、高さXとパンチ角度θ2との関係を図14に、長さYとパンチ角度θ2との関係を図15に示す。また、表5はこれらの結果をまとめたものである。図14に示すように、異なる板厚tが0.08mm、0.10mm、0.12mm及び0.15mmに対して高さXとパンチ角度θ2とはほぼ比例関係を示すが、板厚tが小さくなるにつれて同一のパンチ角度θ2に対する高さXの値は大きくなる。一方、図15に示すように、異なる板厚tが0.08mm、0.10mm、0.12mm及び0.15mmに対して長さYとパンチ角度θ2とは一定の関係を示すが、板厚tが小さくなるにつれて同一のパンチ角度θ2に対する長さYの値は小さくなる。特許公開公報平成9年第62096号において開示した製造方法では長さYが得られず、図15に対応するグラフ(即ち、横軸がクリアランスであるグラフ)は得られない。
【0046】
【表5】
フレーム40は、現像剤Tを収納してリセットローラ10に供給すると共にリセットローラ10が回収したトナーを受け入れる。フレーム40には図示しないパドルやアジテータその他の構成要素を含んでおり、トナーカートリッジなどの外部のトナー収納容器に接続可能である。
【0047】
現像剤Tは非磁性一成分現像剤として通常使用されるもので、本実施例では、着色剤としてのカーボン微粒子と電荷制御剤とをポリエステル樹脂に混練し、所定の体積平均粒径に粉砕している。選択的に、現像剤Tは、ワックスやポリエチレン、ポリプロピレンなどの低分子量物からなるオフセット防止剤を必要に応じて使用(内添)してもよい。その後、3μm未満の微紛と20μm以上の大粒子を除去し、残った粒子の表面には流動性及び帯電性を付与するために二酸化ケイ素及び二酸化チタンの微粉末を外添被膜する。この現像剤Tは、ガラス転移点が55乃至67℃、融点が120乃至150℃である熱特性を有する。ガラス転移点と融点との間の温度差が大きいのは、外添剤の被覆率、ポリエステル樹脂の分子量分布及び架橋度等が広範囲に亘っているためである。本実施例では、体積平均粒径が8.0μmである現像剤Tを使用した。なお、現像剤Tは、上述した粉砕法によらず、重合法、スプレードライ法等の造粉法などを所望の方法で得ることができる。
【0048】
現像剤Tの帯電量は、現像ローラ20上に形成されたトナー層TLの状態をE−spartアナライザ(ホソカワミクロン製)によって測定した。トナー層形成及び画像品質から見て最適な現像ローラ20上のトナー層厚の電位Vtは−15μ乃至−40Vである。トナー層厚の電位が−40V未満の場合、現像ローラ20への付着力である鏡像力が低いためにトナー層厚が薄くなる。一方、トナー層厚の電位が−15Vより大きい場合、鏡像力が高くなって現像効率が低下する。また、現像ローラ20上のトナー層厚の電位が高いとトナーの規制は困難となるため、現像ローラ20の表面粗さを小さくし、ブレード(線)圧を高くする必要がある。
【0049】
好ましくは、ブレード30は現像剤、特に、トナーの流動性を向上するために添加されている外添剤などの無機微粒子よりも高い硬度、より好ましくは、無機微粒子よりもモース硬さ1以上高い硬度を有する。これはブレード30の磨耗を防止するためである。特に、近年の高速印字処理が要求される画像形成装置200にあっては現像ローラ20が高速で回転するためにブレード30が受ける負荷が増大する傾向にあるため、ブレード30と現像剤Tとの硬度を考慮することは重要である。
【0050】
ブレード30の硬度を上げる場合、高い硬度を有するブレード材料を使用してもよい。代替的に、ブレード30は図30及び図31に示すブレード30Aに置換されて、その端部32の全部又は一部に硬質メッキ処理層を形成してもよい。ここで、図30は、ブレード30の変形例としてのブレード30Aの概略平面図である。図31は、図30に示すB−B線に沿った断面図である。本実施例ではブレード30Aは、その端部32の一部にクロムからなる12μm以下、好ましくは、8μm以下の硬質メッキ処理層38を有している。ブレード30Aは、図21に示すフレーム40に固定ネジ44と保持板42を介して固定され、固定ネジ33が挿入されるネジ孔31を有している。
【0051】
クロムは硬度が高いだけではなく導電体であり、ブレード30を介して電位をかけて現像剤Tに電荷を注入するためには硬質クロムメッキが好ましい。クロムはモース硬さ9.0を有する。例えば、外添剤はモース硬度7であり、クロムの代わりにダイヤモンドを使用してもよく、ダイヤモンドはモース硬さ10.0を有する。
【0052】
硬質メッキ処理層38は、端部32の一部に形成されれば十分である。端部32の一部としたのはブレード30の反りや変形を防止するためと、更に、電解メッキ法を用いてメッキを行う場合、ブレード30全体に電解メッキを行うと、電荷が分散し硬質メッキ処理層にむらが発生し、更に、時間もかかるためコストアップになる。そのため、硬質メッキ処理層は、先端から1mm乃至5mm程度あれば、現像ローラ20との接触箇所を保護することが可能である。そのため、電解メッキ法を用いてメッキを行う場合は、水溶液に、ブレード30に先端部分のみ(硬質メッキ処理層を施したい先端から距離1mm乃至5mm)を浸漬することにより、メッキを施すことが可能となる。但し、製造の容易性、コストを考慮すると、この硬質メッキ処理層は、先端から3mmが望ましい。ブレード30の反りや変形、或いは、硬質メッキ処理層に厚さのむらはトナー層厚にむらを招く。また、硬質メッキ処理層の厚さを12μm以下としたのはメッキ層が厚くなるとブレード30が荒れて柔軟性がなくなるからである。
【0053】
硬質メッキ処理層は、これに限定されるものではないが、例えば、電解メッキ方法によって形成することができる。電解メッキ方法とは、目的の金属イオンを含む水溶液中へ被処理体を浸漬し、これを還元反応が起こる電極のカソードとし、一方、適当な可溶性又は不溶性のアノード(酸化反応が起こる電極)との間に順方向直流電流を流し、被処理体の表面に目的金属の膜を電解析出するメッキ処理装置を利用する。まず、金属イオンを含むセルにブレード30と直流電極板を対向させて浸漬し、ブレード30に電極を取り付けてこれをカソード(負極)とし、電極板をアノード(正極)として順方向電流を流し、ブレード30の表面にクロムなどの目的金属膜を電解析出するように制御部は電流を制御する。制御部は、ブレード30の表面に析出皮膜されるメッキ層の厚さを通電後の経過時間、通電中の電流値などを測定することによって直接的又は間接的に知ることができる。通電後の経過時間や通電中の電流値によってメッキ層の厚さを検出する場合には予めシミュレーションによって得たデータを利用することができる。かかるシミュレーションは、金属イオンの濃度、水溶液の温度、湿度などのパラメータを考慮して行われることになるであろう。
【0054】
図16に、ブレード30が、硬質メッキ層(厚さ2乃至5μm)を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子(この場合は二酸化ケイ素)よりも硬度が低い場合とで長さYの磨耗量を比較したグラフを示す。ここでは、ブレード材料は、JG−SUS304−CSP−3/4Hを使用している。同図に示すように、硬質メッキ層を有するブレード30の長さYは印刷枚数が増えても磨耗しないことが理解されるであろう。長さYが磨耗しなければ現像剤層の規制性能は低下しないので長時間の高画質形成を維持することができる。
【0055】
より具体的には、図17乃至図20に示すように、硬質メッキ層を有するブレード30は、印刷枚数が増えても用紙上のトナー付着量、画像濃度及び現像ローラ20上のトナー層電位が劣化せず、かぶりが生じないことが理解されるであろう。なお、画像濃度及びかぶりはO.D.メータで測定した。ここで、図17は、ブレード30が、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と用紙上のトナー付着量との関係を比較したグラフである。図18は、ブレード30が、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と画像濃度との関係を比較したグラフである。図19は、ブレード30が、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで印刷枚数とかぶりとの関係を比較したグラフである。図20は、ブレード30が、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と現像ローラ上のトナー層電位との関係を比較したグラフである。
【0056】
ブレード(線)圧は、ブレードの板圧、ブレード支持部からローラ当接部までの距離に相当する自由長、たわみ量の3因子を変化させることによって数式1によって調整することができる。本実施例では、かかる数式1によって算出されたブレード圧を10乃至100g/cmの範囲で変化させて、最適な値を測定した。
【数1】
ここで、Wはブレード圧の全荷重、δはたわみ量、Eは弾性係数、bはブレード幅、hは板厚、Lは自由長である。
【0057】
本発明者らは、高品位画質を得るために均一な厚さのトナー層を現像ローラ20上に安定して形成することを検討した。トナー層は薄すぎると画像濃度の低下と濃度のバラツキをもたらし、厚すぎると逆帯電性及び低帯電性トナーの割合が多くなり非画像部へのカブリが発生する。そして、本発明者らは、均一な厚さのトナー層の形成は、ブレード30の端部32の形状のみならず、現像ローラの表面粗さ、ブレード圧、トナー粒径及びトナー帯電量の4つのパラメータ(もっともこれらに限定されるものではないが)に依存すると共にこれらのパラメータは相関付けられて制御されるべきであると考えた。
【0058】
本実施例では現像ローラ20に樹脂ローラを用いて感光体ドラム210と接触させる接触型の現像方法が採用された。但し、本発明は現像ローラ20と感光体ドラム210が接触する非接触型の現像方法を排除するものではない。
【0059】
また、本実施例では、現像電圧バイアスとして、リセットローラ10に−420Vの直流電圧を加え、現像ローラ20に−320Vの直流電流を加えている。感光体ドラム210表面の電位は−670Vとし、露光された潜像部分の電位は−50V程度であった。
【0060】
現像剤Tは、リセットローラ10と現像ローラ20の接触ニップで摩擦して負極性(マイナス)に帯電され、静電気力である鏡像力と機械的力によって現像ローラ20に供給されて付着する。現像ローラ20上の現像剤Tは過剰に付着しているため、ブレード30によって規制される。この時、上述したように、現像ローラ20の表面粗さRz、ブレード(線)圧Pb、現像剤Tの体積平均粒径D及び帯電量Vtを含む因子によってトナー層厚TLは制御され、数μm乃至100μm程度まで変化できる。
【0061】
所定の層厚に規定されたトナー層TLは、現像ローラ20から感光体ドラム210に搬送される。その後、現像剤Tは現像バイアス電圧によって感光体ドラム210の表面に形成された静電潜像に付着し、潜像はトナー像として可視化される。
【0062】
上述の条件によってトナー層TLの形成を行い、各条件がトナー層の形成状態及び画像品質に及ぼす影響を表6乃至表11に示す。
【0063】
表6は、現像ローラ20の表面粗さを2μmで一定とした場合の実験結果を示している。
【0064】
【表6】
表面粗さが比較的小さい場合、ブレード(線)圧Pbを弱めても、トナー層厚dtは薄く、よって画像濃度も薄い。最もブレード線圧Pbの弱い条件(11.0gf/cm)では、現像剤Tを規制しきれずにブレード30のすり抜けが発生する。よって、ブレード線圧Pbは少なくとも15.0gf/cmより高い荷重が好ましい。
【0065】
トナー層TLの形成は、トナー層厚dtが10μm未満になると不安定になり、画像濃度が低下するばかりでなく、ムラも生じることがあった。高品位の印字を達成するためには、トナー層厚dtはトナー体積平均粒径Dの1.2倍以上あることが好ましい。
【0066】
表7に、現像ローラ20の表面粗さ(十点平均粗さ)Rzを5μmで一定とした場合の実験結果を示す。この条件では、良好なトナー層TLを形成するブレード圧Pbの範囲を比較的広く確保できることが判明した。
【0067】
【表7】
表8に、現像ローラ20の表面粗さRzを8μmで一定とした場合の実験結果を示す。この条件では、前述の表面粗さRzを5μmにした場合と同様に比較的広い範囲でトナー層TLの形成が行うことができた。5μmのときより画像濃度の良好範囲が拡大した。また、ブレード圧が50gf/cmのときには、画像濃度が良好であったので、連続印字試験を行った。その結果、16時間後にブレード融着が発生した。ブレード融着とは、ブレード及びトナーに熱が発生し、その熱によってトナーが融解し、ブレードに接着してしまうことをいう。この原因としては、ブレード圧Pbが高すぎることで、現像剤Tへのストレスが増加したためである。
【0068】
【表8】
表9に、現像ローラ20の表面粗さRzを12μmで一定とした場合の実験結果を示す。表面粗さRzが最も高いこの条件では、トナー層厚dtは厚くなりやすく、カブリが生じやすい結果が得られた。このカブリを抑制するためには、ブレード圧Pbを高めなくてはいけないが、ブレード圧Pbが上昇すると前述した融着が発生しやすくなってしまうという問題を有する。また、表には表されていないが、Rzが12μm以上になると、画像に白点が表れ、肌荒れのような画質となる。
【0069】
【表9】
表10に、比較的安定して均一な厚さのトナー層を形成できた8μmの表面粗さRzを有する現像ローラ20を使用して、比較的帯電の低い現像剤Tを使用した場合の実験結果を示す。現像剤Tの帯電が低い場合、トナー層厚dtは厚く、画像濃度が高かった。ブレード圧Pbが10gf/cmと低い場合は、表7と同様に、すり抜けが多く生じた。
【0070】
【表10】
表11に、比較的安定して均一な厚さのトナー層を形成できた8μmの表面粗さRzを有する現像ローラ20を使用して、比較的帯電の高いトナーを使用した場合の実験結果を示す。トナーの帯電が高い場合、トナー層厚dtは薄く、カブリの発生が生じにくかった。また、ブレード30のすり抜けも多く、この原因は現像剤Tの帯電が高いために、現像ローラ20に付着しにくいためである。換言すれば、鏡像力が低いということである。
【0071】
【表11】
ここで、体積平均粒径Dは4乃至12μm、好ましくは約8μmである。4μm未満のトナーは現状では存在しないためであり、12μmより大きいトナーは画像品質上解像度低下につながるからである。トナー層厚の電位Vtは−15乃至−40Vである。−40V未満ではトナー層厚が厚くなり、トナー規制不良によるすり抜けが発生し、−15Vを超えると現像効率が低下するからである。現像ローラの表面粗さRzは5乃至12μmである。5μm未満ではトナー層厚が薄くなりやすく、12μmを超えるとトナー層厚が厚くなってカブリが発生するとともに、画像に白点が表れ、いわゆるはだあれするからである。ブレード線圧Pbは15乃至45g/cmである。15g/cm未満であるとすり抜けが発生しやすく、45g/cmを超えるとブレード融着が発生し易くなるからである。
【0072】
本実施例によれば、高加工精度、低製造コスト、高特性安定性の金属製現像ローラ20及びブレード30を使用することにより、均一な厚さのトナー層を現像ローラ20に安定して形成することができる。トナー層の均一性の測定には、例えば、キーエンス社製のレーザースキャンマイクロを使用することができる。この結果、画像濃度の低下、非画像部へのカブリの低減、トナーのブレードすり抜け、高ストレスによるトナーのブレードへの融着及びトナー帯電性劣化を防止することにより高品位画質を得ることができる。本実施例に拠れば、トナーの体積平均粒径は8.0μmであって、好ましいトナー層厚は10乃至18μmであり、より好ましくは12乃至16μmである。
【0073】
融着の評価としては、現像ローラ20を空回し、16時間経た後も融着しない状態を良好とした。ブレード圧は、15乃至45gf/cmであり、好ましくは、20乃至40gf/cmである。
【0074】
本発明の例示的一態様としての画像形成装置200は、図1に示すように、現像装置100と、感光体ドラム210と、前帯電器220と、露光部230と、転写ローラ250とを有する。その他、感光体ドラム210は回転可能なドラム状の導体支持体上に感光性の誘電体層を有する構造を持ち、帯電器220によって均一に帯電されている。例えば、感光体ドラム210はアルミドラム上に機能分離型有機感光体を厚さ約20μmに塗布したOPCであり、その外径は、例えば、30mmで矢印方向に周速度72.8mm/sで回転する。
【0075】
前帯電器220はブラシローラ帯電器であり、感光体ドラム210表面を約−670Vに一様に帯電する。前帯電気220には印加電圧DC−645VとAC1150Vp-pの電荷が付与される。次に、露光部230によって印字原に即した0.24mwのレーザ光が感光体ドラム210に結像される。この時、感光体ドラム210が均一に帯電が施されているうちで、光によって結像された部分の帯電状態は前記導体支持の効果によって中和され消失し(例えば、−50V)、原稿の明暗の対する帯電パターンである潜像を形成する。この潜像は現像装置100により可視化されてトナー像になる。
【0076】
現像装置100では、感光体ドラム210と接触した現像ローラ20が感光体ドラム210の周速の1.15倍の周速で同方向に回転し、リセットローラ10から供給される現像剤Tをブレード30が規制しながら現像ローラ20上にトナー層を形成する。本実施例の現像装置100は現像ローラ20上に均一な厚さのトナー層を安定して形成することができる。トナーはリセットローラ10、現像ローラ20及びブレード30による摺動摩擦によりマイナスに帯電している。
【0077】
バイアス電源50によって現像装置100のリセットローラ10には−420V、現像ローラ20には−320Vが印加されている。その後、現像ローラ20に形成されたトナー層は、現像ローラ20に印加されている現像バイアス電圧により感光体ドラム210の静電潜像領域に付着して現像が行われる。現像に寄与しなかったトナーは現像ローラ20の下方において逆方向に回転しているリセットローラ10で剥ぎ取られて、リセットローラ30の下方部を通ってフレーム40内に戻される。こうして得られた感光体ドラム210上のトナー像は、転写ローラ240位置において、搬送路PPに沿って図示しない搬送ローラによってタイミング良く送られてきた印刷用紙に転写される。残余している感光体ドラム210上のトナーはクリーナー250によって回収される。印字された印刷用紙は図示しない定着部を通過して定着されて排出される。
【0078】
図21に示すように、ブレード30が破線で示す現像ローラ20取付前と実線で示す現像ローラ20取付後との間の距離はAである。ここで、図21は図1に示すブレード30付近の部分拡大図である。ブレード30は、フレーム40と保持板42とに挟持され、更に、固定ネジ44でフレーム40に対して固定されている。かかる距離Aと印刷用紙に形成される画質との関係を図22乃至図23及び表12に示す。ここで、図22は、距離Aと定着前の用紙上のトナー付着量(転写効率90%)との関係を示すグラフである。図23は、距離AとO.D.メータで測定された画像濃度との関係を示すグラフである。図24は、距離Aと用紙上のO.D.メータで測定されたかぶりとの関係を示すグラフである。図22乃至図24に示すように、距離A2.0mmを軸に±0.2mmが安定している範囲であることが理解されるであろう。
【0079】
【表12】
ブレード30の端部32の曲線の高さX及び長さYと印刷用紙に形成される画質との関係を図25乃至図27及び表13乃至表15に示す。ここで、図25及び表13は、板厚t=0.08mmにおける高さX及び長さYと定着前の用紙上のトナー付着量(転写効率90%)との関係を示す。図26及び表14は、板厚t=0.10mmにおける高さX及び長さYと定着前の用紙上のトナー付着量(転写効率90%)との関係を示す。図27及び表15は、板厚t=0.12mmにおける高さX及び長さYと定着前の用紙上のトナー付着量(転写効率90%)との関係を示すグラフである。上述したように、高さXと長さYとは図3乃至図5に示す関係が成立する。理解されるように、図3乃至図5に示す関係が成立する高さXと長さYに対しては板厚別に用紙上のトナー付着量は比例関係を示す。
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。例えば、本発明は接触型非磁性一成分現像方法に限定されるものではなく、非接触型非磁性一成分現像方法にも適用可能である。また、本発明は非磁性二成分現像剤や磁性現像剤への適用を妨げるものではない。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプレス成形用金型及びブレード製造方法は、実験的に、基部と所望の曲面状端部とを有して現像剤の層厚を規制するのに使用可能な本発明のブレードを製造することができる。例えば、これらの金型の一又は複数は、ブレード端部の高さと長さとの間に前記基部の厚さ別にほぼ一定の関係が成立するブレード、端部の長さと金型の第2の角度との間にブレード材料の硬度に拘らずほぼ一定の関係が成立するブレード、及び/又は、端部の長さと第2の角度との間にブレードの基部の厚さ別にほぼ一定の関係が成立するブレードを製造することができる。当該ブレードを有する本発明の現像装置や、当該現像装置を有する本発明の画像形成装置も前記ブレードの作用を奏することができる。所望の現像剤の層厚を形成するために必要な形状及び寸法を有するブレードを信頼性よく製造することができるので、高品位画像形成に寄与する。
【0084】
本発明の別の例示的一態様としての現像装置や画像形成装置は、ブレードが無機微粒子によりも硬くて磨耗しないため現像ローラ上には所定の現像剤層を維持することができる。ブレードが形成する現像剤層は経時的に不均一になったり層厚が増加したりしないので、高品位画像を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像装置及び画像形成装置の要部断面図である。
【図2】 図1に示す現像装置のブレードと現像ローラとの関係を示す拡大模式断面図である。
【図3】 板厚tが0.08mmの場合の図1に示すブレードの端部の曲線の高さXと長さYとの関係を示すグラフである。
【図4】 板厚tが0.10mmの場合の図1に示すブレードの端部の曲線の高さXと長さYとの関係を示すグラフである。
【図5】 板厚tが0.12mmの場合の図1に示すブレードの端部の曲線の高さXと長さYとの関係を示すグラフである。
【図6】 図1に示すブレードを製造するためのプレス成形用金型の概略断面図である。
【図7】 図6に示すプレス成形用金型の一部拡大断面図である。
【図8】 θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmの場合に、図2に示すブレードの端部の曲線の高さXと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図9】 θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmの場合に、図2に示すブレードの端部の曲線の長さYと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図10】 θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmの場合に、図2に示すブレードの端部の曲線の曲率半径Rと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図11】 θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、クリアランス=0.01mmの場合に、図2に示すブレードの端部34の曲線の高さXと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図12】 θ1=θ2+2°、板厚t=0.10mm、クリアランス=0.01mmの場合に、図2に示すブレードの端部34の曲線の長さYと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図13】 従来のブレード製造方法により製造されるブレードの端部の曲線の高さXとダイとパンチとのクリアランスとの関係をブレード材料の硬度別に示すグラフである。
【図14】 ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmでブレードの板厚tが異なる場合に、図2に示すブレードの端部の高さXと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図15】 ブレード材料の硬度HV=340度、クリアランス=0.01mmでブレードの板厚tが異なる場合に、図2に示すブレードの端部の長さYと図7に示す金型のパンチ角度θ2との関係を示すグラフである。
【図16】 図1に示すブレードが、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで長さYの磨耗量を比較したグラフである。
【図17】 図1に示すブレードが、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と用紙上のトナー付着量との関係を比較したグラフである。
【図18】 図1に示すブレードが、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と画像濃度との関係を比較したグラフである。
【図19】 図1に示すブレードが、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで印刷枚数とかぶりとの関係を比較したグラフである。
【図20】 図1に示すブレードが、硬質メッキ層を有する場合と硬質メッキ層を有さずに現像剤Tに含まれる無機微粒子よりも硬度が低い場合とで、印刷枚数と現像ローラ上のトナー層電位との関係を比較したグラフである。
【図21】 図1に示すブレード30付近の部分拡大図である。
【図22】 図21に示す距離Aと用紙上のトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図23】 図21に示す距離Aと画像濃度との関係を示すグラフである。
【図24】 図21に示す距離Aと用紙上のO.D.メータで測定されたかぶりとの関係を示すグラフである。
【図25】 板厚t=0.08mmにおける高さX及び長さYと用紙上のトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図26】 板厚t=0.10mmにおける高さX及び長さYと用紙上のトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図27】 板厚t=0.12mmにおける高さX及び長さYと用紙上のトナー付着量との関係を示すグラフである。
【図28】 従来のブレードの曲率と規制されるトナー層の関係を示す概略断面図であり、ブレードが異なる3つの曲率を有する端部を有する場合を示している。
【図29】 従来のブレードの概略部分拡大断面図である。
【図30】 図1に示すブレードの変形例の概略平面図である。
【図31】 図30に示すB−B線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
10 リセットローラ
20 現像ローラ
30 ブレード
40 フレーム
50 バイアス電源
100 現像装置
200 画像形成装置
210 感光体ドラム
220 帯電器
230 露光部
240 転写ローラ
250 クリーニング部
Claims (5)
- ノックアウトを有する上型部と、
パンチを有して前記上型部と相対移動可能な下型部とを有し、平板状の材料を切断して所望の端面を形成するための金型であって、
前記ノックアウトは断面的に第1の平面部と当該第1の平面部から突出する三角形状突出部を有し、前記パンチは断面的に第2の平面部と当該第2の平面部に形成された三角形状溝部とを有し、前記三角形状突出部が前記第1の平面部から突出する第1の角度は前記三角形状溝部が前記第2の平面部から引き込む第2の角度よりも大きく、
前記三角形状突出部と前記三角形状溝部は、前記所望の端面の形成中において非接触であり、
前記所望の端面は、前記三角形状突出部と前記三角形状溝部との間に形成される金型。 - 前記第1の角度と前記第2の角度の差は5度以下である請求項1記載の金型。
- 前記第1の角度と前記第2の角度の差は2度以下である請求項1記載の金型。
- ノックアウトを有する上型部と、
パンチを有して前記上型部と相対移動可能な下型部とを有し、平板状の材料を切断して所望の端面を形成するための金型であって、
前記ノックアウトは断面的に第1の平面部と当該第1の平面部から突出する三角形状突出部を有し、前記パンチは断面的に第2の平面部と当該第2の平面部に形成された三角形状溝部とを有し、前記三角形状突出部が前記第1の平面部に接続する第1の幅は前記第2の平面部から見た前記三角形状溝部の第2の幅よりも小さく、
前記三角形状突出部と前記三角形状溝部は、前記所望の端面の形成中において非接触であり、
前記所望の端面は、前記三角形状突出部と前記三角形状溝部との間に形成される金型。 - 前記第1の幅は0.05mmであり、前記第2の幅は0.1mmである請求項4記載の金型。
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