JP3667589B2 - 光ディスク制御装置および光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに記録されたデータをピックアップで読みとって得られた信号に対し、復調等の処理を行う光ディスク制御装置に関する技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD−ROMに続き、DVD−ROMやDVD−RAM等の光ディスク装置の開発が進められている。この種の光ディスク装置の多くは、ディスクから読みとられた信号に対し、復調、エラー訂正、バッファリング、ホスト転送といった一連のデータ処理を行う光ディスク制御装置と、ピックアップやサーボ等の光ディスク装置の構成部品を制御するシステムコントローラとの組合せによって実現される。
【0003】
図10は従来の光ディスク制御装置を有する光ディスク装置の構成を示す図である。図10に示す光ディスク装置は、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ101、光ディスク100にレーザを当ててデータを読みとるピックアップ部102、ピックアップ部102の位置決めを行うサーボ部103、信号処理を行うODC710、およびシステム全体の動作を制御するシステムコントローラ720から構成される。光ディスク制御装置710は、コマンド解釈部711、復調部712、エラー訂正部713、データバッファ部714、ホストI/F部715およびステータス生成部716から構成される。
【0004】
光ディスク装置に対し、ホストPC730は、光ディスク100からのデータの読み取りを要求するためにコマンドを送出する。システムコントローラ720は、ホストI/F715経由でデータ読み取り要求コマンドを受けとり、スピンドルモータ101を用いて光ディスク100を回転させ、サーボ部103を用いてピックアップ部102を目標セクタに移動する。次に、システムコントローラ720は、光ディスク制御装置710に対してコマンド『リード』を発行する。コマンド解釈部711は復調部712に対し、所定のセクタをリードするよう命令する。復調部712はピックアップ部702からのデータを監視し、先頭のセクタのデータが入ってきたとき、エラー訂正部713に該当セクタを伝える。エラー訂正部713は復調部712から出力されたデータに対してエラー訂正を行う。データバッファ部714は、エラー訂正部713によって訂正されたデータを一旦蓄える。
【0005】
ステータス生成部716は、エラー訂正部713からエラー訂正結果を得てステータスを生成する。図11は生成されるステータスの一例である。ステータスは、情報種別、要因および補助情報から構成される。情報種別は、発行されたコマンドが継続実行中であるか、正常に終了したか、異常終了したかを表す。要因は、読み込んだセクタの状態を表し、何らかの問題がある場合はその情報が付加される。補助情報は、読み込んだセクタのIDと、エラー訂正が完了したデータが蓄えられるバッファのページが付加される。
【0006】
ステータス生成部716は、各セクタのデータを読み込むたびにステータスを生成し、システムコントローラ720に出力する。正常に訂正できたセクタについては、ステータスの要因を「正常」とする。一方、セクタ読み込みの途中で正常に読み込めないときは、該当するステータスを生成し、システムコントローラ720に出力する。
【0007】
以上のように、光ディスク制御装置710が、装置内部の状態を表すステータスをエラー訂正の単位で生成することによって、システムコントローラ720は光ディスク制御装置710内部の動作を把握することができる。そして、ステータスに応じて、リード動作を継続実行するか、または、実行を中断するかの判断が可能となり、正確なリード処理が実現される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスク装置において、ドライブ性能を決める要因の一つとして、ディスクの回転速度が挙げられる。すなわち、ディスクの回転速度が高いほど、データの読み書きの時間が短縮され、単位時間あたりのデータ処理サイズが大きくなる。このため、最近の光ディスク装置では、より高い回転速度での動作が求められている。
【0009】
しかしながら、従来のステータス出力の方式では、ディスクの回転速度が上がると、その分、ステータス出力の周期が短くなる。このことは、ステータスを得てから、そのステータスの内容に応じて処理の継続・中断を判断するまでの時間余裕が、小さくなることを意味する。したがって、ディスクの回転速度が上がることによって、システムコントローラの負担が過大になってしまうという問題が生じる。
【0010】
前記の問題に鑑み、本発明は、光ディスク制御装置として、ステータスの出力頻度を低減し、システムコントローラの負担を軽減することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明が講じた解決手段は、光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置として、当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、ステータスの間引き間隔を設定する間引き間隔設定部を有し、前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部と、当該装置外部から入力されたコマンドに応じて、前記間引き間隔設定部に間引き間隔を設定する指定手段とを備えたものである。
【0012】
また、請求項2の発明が講じた解決手段は、光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置として、当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、前記ステータス間引き部は、ステータスの間引き間隔を設定する間引き間隔設定部を備えており、前記間引き間隔設定部は、前記光ディスクから復調された信号のエラーレートから間引き間隔を設定するものである。
【0013】
また、請求項3の発明が講じた解決手段は、光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置として、当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、前記ステータス間引き部は、間引き動作を中断すべきステータスである間引き中断ステータスを記憶する間引き種別記憶部を有し、かつ、前記ステータス生成手段によって生成されたステータスが前記間引き種別記憶部に記憶された間引き中断ステータスと一致するとき、間引きを中断するものである。
【0014】
また、請求項4の発明が講じた解決手段は、光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置として、当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、前記ステータス間引き部は、間引き動作中であっても強制出力すべきステータスである間引き対象外ステータスを記憶する間引き種別記憶部を有し、かつ、前記ステータス生成手段によって生成されたステータスが前記間引き種別記憶部に記憶された間引き対象外ステータスと一致するとき、間引き動作中であってもそのステータスを出力するものである。
【0015】
請求項5の発明では、前記請求項3または4の光ディスク制御装置は、当該装置外部から入力されたコマンドに応じて、前記間引き種別記憶部に、ステータスの要因と間引き動作との関係を表す間引き種別情報を設定する指定手段を備えたものである。
【0016】
請求項6の発明では、前記請求項5の光ディスク制御装置におけるステータス間引き部は、前記光ディスクから復調された信号に応じて、前記間引き種別記憶部に設定された間引き種別情報を更新するものとする。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項1〜6のうちいずれか1項の光ディスク制御装置を備えた光ディスク装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る光ディスク制御装置を有する光ディスク装置1の構成を示す図である。図1に示す光ディスク装置において、100はデータが書き込まれた光ディスク、101は光ディスク100を回転させるスピンドルモータ、102は光ディスク100に書き込まれたデータを読み出すピックアップ部、103はピックアップ部102の位置決めを行なうサーボ部である。また、光ディスク制御装置(ODC:Optical Disc Controller )200は光ディスク100の信号処理を行い、システムコントローラ300は光ディスク装置全体の制御を行う。ホストPCまたはAVデコーダ2は光ディスク装置1に対してデータ読みだしコマンドを送り、光ディスク装置1からデータを得る。
【0020】
光ディスク制御装置200の内部の詳細を説明する。この光ディスク制御装置200は、例えばLSIとして、実現される。
【0021】
復調部201は光ディスク100から読み出された信号を復調する。エラー訂正部202は復調部201によって復調されたデータに含まれる誤りデータを訂正する。データバッファ部203は読み込まれたデータを一時的に記憶する。ホストI/F204はデータバッファ部203に蓄えられたデータをホストPCまたはAVデコーダ2に送出する。復調部201、エラー訂正部202およびホストI/F204は、例えばハードウェアで構成され、データバッファ部203は例えばDRAMで構成される。
【0022】
ステータス生成部210は光ディスク制御装置200内部の動作状態をシステムコントローラ300に伝えるためのコードすなわちステータスを生成する。ステータス間引き部220はステータス生成部210によって生成されたステータスを間引いてシステムコントローラ300に出力する。指定手段としてのコマンド解釈部230はシステムコントローラ300からのコマンドを解釈し、復調部201等の起動動作などの制御を行う。ステータス生成部210、ステータス間引き部220およびコマンド解釈部230は、例えばマイコンとプログラムとの組み合わせによって、構成される。
【0023】
ステータス間引き部220は間引き間隔設定部221、間引き判断部222および間引き種別記憶部223を有している。間引き間隔設定部221はステータスの間引き間隔を設定し記憶するものであり、ここでは、復調部201によって復調された信号の同期周期から光ディスク100の回転速度を得て、回転速度に応じた間引き間隔を設定するものとする。間引き種別記憶部223は、間引き動作を中断すべき間引き中断ステータスの種別や、間引き動作中であっても強制出力すべき間引き対象外ステータスの種別などを間引き種別情報として記憶する。間引き判断部222はステータス生成部210によって生成されたステータスに対し、間引き間隔設定部221に記憶された間引き間隔や間引き種別記憶部223に記憶された間引き種別情報を基にして、間引きを行うか否かを判断する。
【0024】
図2は光ディスク制御装置200内のコマンド解釈部230が受け付け可能なコマンドを示す図である。図2に示すように、本実施形態では、コマンドとして、『リード』(セクタ読み込み)、『ホスト転送』(ホストPCまたはAVデコーダへのデータ転送)、『間引き指定』(間引き開始・終了)、『間引きステータス指定』(間引き種別情報の設定)、および『ODC動作モード』が使用可能であるとする。
【0025】
図3はステータス生成部210が生成するステータスの一例を示す図である。同図中、(a)は映像音声再生用、例えばDVDプレイヤーやCDプレイヤーの場合、(b)はデータリードライト用、例えばDVD−ROMドライブやCD−ROMドライブの場合を示す。図3に示すように、情報の種別としては、継続実行、エラー中断および正常終了があり、要因としては、正常、データ種別変化、セクタ不連続、エラーレート大、訂正不可、バッファフルなどがある。また、補助情報としては、読み込みセクタ、バッファページなどがある。
【0026】
なお、要因「訂正不可」は、映像音声再生用の場合には、「継続実行」に該当する一方、データリードライト用の場合には、「エラー中断」に該当するものとしている。これは、映像や音声の場合には、多少のノイズが信号に含まれていても、途切れず連続して再生される方が好ましいのに対し、データの場合には、エラーが含まれているとデータとしては使いものにならないからである。
【0027】
また、本実施形態では、ステータスは1セクタの単位で出力されるものとし、エラー訂正も1セクタ単位で行うものとする。
【0028】
図4は間引き間隔設定部221の動作を示すフローチャートである。図4の各ステップの処理は、次のとおりである。
S01:復調部201から復調信号の同期周期を得てディスクの回転速度(倍速)を得る。
S02:ディスク回転速度が4倍以下であるときは、S03にすすみ、そうでないときは、S04にすすむ。
S03:間引き間隔を「4」(すなわちステータスを4回に1度出力する。以下同様)に設定し、動作を終了する。
S04:ディスク回転速度が8倍以下であるときは、S05にすすみ、そうでないときは、S06にすすむ。
S05:間引き間隔を「8」に設定し、動作を終了する。
S06:ディスク回転速度が16倍以下であるときは、S07にすすみ、そうでないときは、S08にすすむ。
S07:間引き間隔を「16」に設定し、動作を終了する。
S08:間引き間隔を「20」に設定し、動作を終了する。
【0029】
図5および図6は間引き判断部222の動作を示すフローチャートである。図5の各ステップの処理は、次のとおりである。
S11:間引き種別記憶部223から、間引き種別情報を得る。
S12:ステータス生成部210によって生成されたステータスが、間引き中断対象のステータスであるか否かを判断する。間引き中断対象のステータスであると判断したときは、S13にすすみ、そうでないときは、S14にすすむ。
S13:間引き実施フラグFLGを「0」に設定し、S21(図6)にすすむ。
S14:ステータス生成部210によって生成されたステータスが、間引き対象外ステータスであるか否かを判断する。間引き対象外ステータスであると判断したときは、S15にすすみ、そうでないときは、S21にすすむ。
S15:間引きカウンタCTの値を「0」に設定し、S21にすすむ。
【0030】
図6の各ステップの処理は、次のとおりである。
S21:間引き実施フラグFLGが「0」であるか否かを判断する。「0」であるときは、ステータス間引きを中断するので、S22にすすむ。「0」でないときは、ステータス間引きを実施するので、S23にすすむ。
S22:ステータス生成部210によって生成されたステータスをシステムコントローラ300に出力し、動作を終了する。
S23:間引きカウンタCTの値が「0」であるか否かを判断する。「0」であるとき、ステータス生成部210によって生成されたステータスは出力すべきステータスであるので、S24にすすむ。「0」でないときは、ステータス生成部210によって生成されたステータスは間引くべきステータスであるので、S25にすすむ。
S24:ステータス生成部210によって生成されたステータスをシステムコントローラ300に出力する。
S25:間引きカウンタCTの値を「1」増やす。
S26:間引き間隔設定部221からステータスの間引き間隔を得て、間引きカウンタCTの値と比較する。一致したときは、S27にすすみ、一致しないときすなわち間引きカウンタCTの値が間引き間隔に達していないときは、動作を終了する。
S27:間引きカウンタCTの値を「0」に設定する。
【0031】
以上のように構成された本実施形態に係る光ディスク制御装置の動作について、具体的に説明する。ここでは、光ディスク100に、図7に示すようなセクタが配置されているものとする。図7に示すように、セクタ752ではデータ種別の変化があり、セクタ756ではセクタ不連続が生じるものとする。
【0032】
ホストPCまたはAVデコーダ2は、光ディスク装置1に対し、光ディスク100からデータを読み取るためのコマンドを送出する。システムコントローラ300は、ホストI/F204経由で、データ読み取り要求コマンドを受けとる。
【0033】
システムコントローラ300は、コマンド解釈部230に対し、コマンド『間引き有効』を発行する。また、システムコントローラ300は、コマンド解釈部230に対し、コマンド『ステータス条件』を発行する。要因が『セクタ不連続』のステータスに対しては間引き中断を設定し、要因が『訂正不可』、『エラーレート大』のステータスに対しては間引き対象を設定する。さらに、システムコントローラ300は、コマンド解釈部230に対し、コマンド『ODC動作モード:映像音声再生用途』を発行する。
【0034】
次に、システムコントローラ300は、スピンドルモータ101を用いて光ディスク100を回転させ、サーボ部103を用いてピックアップ102を目標セクタに移動させる。
【0035】
コマンド解釈部230は、コマンド『間引き有効』を受けたので、ステータス間引き部220内の間引き判断部222の間引き実施フラグFLGを「1」に設定する。ピックアップ102から読みとられた信号が復調部201に入り、1セクタの周期を計測し、8倍速と判断する。間引き動作設定部221は復調部201からディスク100の回転速度が8倍速であるという情報を得て、間引き間隔を「8」と設定する。
【0036】
コマンド解釈部230は、コマンド『ステータス条件』を受けとり、間引き種別記憶部223に間引き種別情報を設定する。ここでは図8に示すような、ステータスの要因と間引き動作との対応関係を表す間引き種別情報が、間引き種別記憶部223に設定される。すなわち、『セクタ不連続』には「間引き中断」が指定され、『エラーレート大』『訂正不可』には「間引き対象」が指定され、『データ種別変化』には「間引き対象外」が指定される。それ以外のステータスは「間引き対象」となる。
【0037】
システムコントローラ300は、コマンド解釈部230に対し、コマンド『リード:読み込みセクタ(750)、バッファページ(10)』を発行する。
【0038】
コマンド解釈部230はコマンド『リード』を受けとり、復調部201に対して、セクタ:750からのリードを開始するよう指示する。復調部201はピックアップ102からのデータを監視し、セクタ:750が入ってきたとき、エラー訂正部202に該当セクタを伝える。
【0039】
エラー訂正部202は、復調部201から出力されたデータに対してエラー訂正を行う。そして、訂正が終了した結果をステータス生成部210に出力する。ステータス生成部210は、セクタ:750について正常にエラー訂正できたので、ステータス『継続実行/正常/セクタ:750』を生成する。
【0040】
間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『継続実行/正常/セクタ:750』を得て、図5および図6のフローチャートに従って動作する。
【0041】
まず、間引き種別記憶部223から、ステータスの要因と間引き動作との対応関係を表す間引き種別情報を得る(S11)。そして、ステータス『継続実行/正常/セクタ:750』は、間引き中断対象のステータスすなわち『セクタ不連続』とは異なる(S12)ので、ステップS14にすすむ。ステータス『継続実行/正常/セクタ:750』は間引き対象である(S14)ので、ステップS21にすすむ。
【0042】
ステップS21では、間引き実施フラグFLGが「1」であるのでステータス間引き実施と判断し、ステップS23にすすむ。間引きカウンタCTの値は「0」であるので、ステータスを出力すると判断し、ステータス『継続実行/正常/セクタ:750』をシステムコントローラ300に出力する。ステップS25において、間引きカウンタCTの値を「1」増やす。ステップS26において、間引き間隔設定部221から間引き間隔(ここでは「8」)を得て、これを間引きカウンタCTの値と比較する。間引きカウンタCTの値は「1」であり、間引き間隔よりも小さいので、動作を終了する。
【0043】
次に、セクタ:751がリードされる。間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『継続実行/正常/セクタ:751』を得て、図5および図6のフローチャートに従って動作する。ステータス『継続実行/正常/セクタ:751』は間引き対象と判断され、かつ、間引きカウンタCTの値は「1」であるので、このステータス『継続実行/正常/セクタ:751』は間引きされる。
【0044】
次に、セクタ:752がリードされる。エラー訂正部202は復調部201から出力されたデータに対してエラー訂正を行い、訂正が終了した結果をステータス生成部210に出力する。ステータス生成部210は、データ種別が変化したことをデータバッファ部204から得て、ステータス『セクタ:752/データ種別変化』を生成する。
【0045】
間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『セクタ:752/データ種別変化』を得て、図5および図6のフローチャートに従って動作する。
【0046】
まず、間引き種別記憶部223から、ステータスの要因と間引き動作との対応関係を示す間引き種別情報を得る(S11)。そして、ステータス『セクタ:752/データ種別変化』は、間引き中断対象のステータスすなわち『セクタ不連続』とは異なる(S12)ので、ステップS14にすすむ。ステータス『セクタ:752/データ種別変化』は間引き対象外のステータスであるので、間引き対象でないと判断し、ステップS15において、間引きカウンタCTの値を「0」に設定する。
【0047】
ステップS21において、間引き実施フラグFLGが「1」であるので、ステータス間引き実施と判断し、S23にすすむ。間引きカウンタCTの値は「0」であるので、ステータスを出力すると判断し、ステータス『セクタ:752/データ種別変化』(S03)をシステムコントローラ300に出力する。ステップS25において、間引きカウンタCTの値を「1」増やす。ステップS26において、間引き間隔設定部221から間引き間隔(ここでは「8」)を得て、これを間引きカウンタCTの値と比較する。間引きカウンタCTの値は「1」であり、間引き間隔よりも小さいので、動作を終了する。
【0048】
システムコントローラ300では、ステータス間引き部220から出力されたステータス『セクタ:752/データ種別変化』を受けて、リード動作を継続するかまたは中断するかを判断する。ここでは、リード動作を継続するものとする。
【0049】
次に、セクタ:753がリードされる。間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『継続実行/正常/セクタ:753』を得て、間引き対象と判断し、さらに、間引きカウンタCTの値が「1」であるので、このステータス『継続実行/正常/セクタ:753』を間引きする。次に、セクタ:754がリードされ、間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『継続実行/正常/セクタ:754』を得て、間引き対象と判断し、さらに、間引きカウンタCTの値が「2」であるので、このステータス『継続実行/正常/セクタ:754』を間引きする。
【0050】
次にセクタ:755を読み込むが、読み込むセクタが欠落しているため、復調部201は「セクタ不連続」と判断し、次のセクタ:756を読み込む。ステータス生成部210は、「セクタ不連続」であることを復調部201から得て、セクタ:756が「セクタ不連続」であることを表すステータス『セクタ:756/セクタ不連続』を生成する。
【0051】
間引き判断部222は、ステータス生成部210によって生成されたステータス『セクタ:756/セクタ不連続』を得て、図5および図6のフローチャートに従って動作する。
【0052】
まず、間引き種別記憶部223から、ステータスの種別と間引き動作指定との対応関係を示す間引き種別情報を得る(S11)。そして、ステータス『セクタ:756/セクタ不連続』は、間引き中断対象のステータスすなわち『セクタ不連続』と一致するので、ステップS13にすすむ。ステップS13において、間引き実施フラグFLGに0を設定し、ステップS21にすすむ。
【0053】
ステップS21において、間引き実施フラグFLGが「0」であるので、ステータス間引きを中断すると判断し、ステータス『セクタ:756/セクタ不連続』をシステムコントローラ300に出力し(S02)、動作を終了する。
【0054】
ここで、間引き実施フラグFLGに「0」が設定され、ステータス間引きを中断すると判断されたので、このステータス『セクタ:756/セクタ不連続』以降は、間引きが行なわれず、全てのステータスがシステムコントローラ300に通達される。すなわち、この後読み込まれるセクタ:757およびセクタ:758に関しては、生成されたステータスが間引きされずに出力される。
【0055】
図9はステータスの間引き結果を示す図である。システムコントローラ300は、図9に示すステータスのみを受けたことになる。すなわち、セクタ:751、セクタ:753およびセクタ:754のステータスが間引きされている。一方、セクタ:752のステータスは、要因が『データ種別変化』であったため、出力すべきステータスと判断され、間引き動作中であっても出力された。また、セクタ:755が欠落しており、セクタ:756のステータスは、要因が『セクタ不連続』であったため、間引き中断と判断され、セクタ:756以降のステータスは全て出力された。
【0056】
このように、光ディスク制御装置200がシステムコントローラ300に通知するステータスのうち、重要な情報を選別して間引くことによって、システムコントローラ300が判断すべきステータスのデータ量が低減される。これにより、光ディスク100の回転速度が高くなっても、従来のようにステータスが単純に増加することを防ぐことができ、システムコントローラ300の負荷が軽減されるという効果が得られる。
【0057】
なお、本実施形態では、1セクタをエラー訂正の単位としてステータス生成を行う場合について説明したが、エラー訂正の単位が1セクタではない場合、例えば16セクタをエラー訂正の単位とした場合であっても、本発明は、本実施形態と同様に実現可能である。
【0058】
また、本実施形態では、間引き間隔設定部221は、光ディスク100から読みとられた信号の同期周期に応じて間引き間隔を設定するものとしたが、間引き間隔設定の方法は、これに限られるものではない。例えば、光ディスク100から読みとられた信号のエラーレートに応じて、間引き間隔を設定するようにしてもよい。あるいは、システムコントローラ300から入力されたコマンドに応じて、指定手段としてのコマンド解釈部230が、間引き間隔を設定するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、間引き種別記憶部223には、システムコントローラ300から入力されたコマンドを受けて、指定手段としてのコマンド解釈部230が、ステータスの要因と間引き動作との対応関係を表す間引き種別情報を設定するものとしたが、さらに、光ディスク100から復調された信号の同期周期やエラーレートなどに応じて、間引き種別記憶部223に設定された間引き種別情報を更新するようにしてもかまわない。
【0060】
また、間引き種別記憶部223には、ステータスの要因と間引き動作との対応関係を表す間引き種別情報の代わりに、間引き中断ステータスの種別や、間引き対象外ステータスの種別を、記憶させてもかまわない。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、ステータスの出力頻度は、ステータス生成の頻度よりも低くなるので、ステータスを受けて処理を行うシステムコントローラの負担が軽減される。また、光ディスクの回転速度が向上した場合であっても、ステータスを受けて処理を行うシステムコントローラの負担の増大を、回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク制御装置を有する光ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す光ディスク制御装置が受け付け可能なコマンドを示す図である。
【図3】生成されるステータスの一例を示す図である。
【図4】間引き間隔設定部の動作を示すフローチャートである。
【図5】間引き判断部の動作を示すフローチャートである。
【図6】間引き判断部の動作を示すフローチャートである。
【図7】光ディスクのセクタの配置の一例である。
【図8】間引き種別記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図9】ステータスの間引き結果を示す図である。
【図10】従来の光ディスク制御装置を有する光ディスク装置の構成を示す図である。
【図11】従来のステータスの出力結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク装置
100 光ディスク
200 光ディスク制御装置
210 ステータス生成部
220 ステータス間引き部
221 間引き間隔設定部
230 コマンド解釈部(指定手段)
223 間引き種別記憶部

Claims (7)

  1. 光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置であって、
    当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、
    ステータスの間引き間隔を設定する間引き間隔設定部を有し、前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部と、
    当該装置外部から入力されたコマンドに応じて、前記間引き間隔設定部に、間引き間隔を設定する指定手段とを備えている
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  2. 光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置であって、
    当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、
    前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、
    前記ステータス間引き部は、ステータスの間引き間隔を設定する間引き間隔設定部を備えており、
    前記間引き間隔設定部は、前記光ディスクから復調された信号のエラーレートから、間引き間隔を設定するものである
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  3. 光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置であって、
    当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、
    前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、
    前記ステータス間引き部は、
    間引き動作を中断すべきステータスである間引き中断ステータスを記憶する間引き種別記憶部を有し、かつ、
    前記ステータス生成手段によって生成されたステータスが、前記間引き種別記憶部に記憶された間引き中断ステータスと一致するとき、間引きを中断するものである
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  4. 光ディスクの信号処理を行う光ディスク制御装置であって、
    当該装置内部の動作状態を表すステータスを生成するステータス生成部と、
    前記ステータスの間引きを行うステータス間引き部とを備え、
    前記ステータス間引き部は、
    間引き動作中であっても強制出力すべきステータスである間引き対象外ステータスを記憶する間引き種別記憶部を有し、かつ、
    前記ステータス生成手段によって生成されたステータスが、前記間引き種別記憶部に記憶された間引き対象外ステータスと一致するとき、間引き動作中であってもそのステータスを出力するものである
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  5. 請求項3または4記載の光ディスク制御装置において、
    当該装置外部から入力されたコマンドに応じて、前記間引き種別記憶部に、ステータスの要因と間引き動作との関係を表す間引き種別情報を設定する指定手段を備えた
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  6. 請求項5記載の光ディスク制御装置において、
    前記ステータス間引き部は、
    前記光ディスクから復調された信号に応じて、前記間引き種別記憶部に設定された間引き種別情報を、更新するものである
    ことを特徴とする光ディスク制御装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項記載の光ディスク制御装置を備えた光ディスク装置。
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