JP3667557B2 - 窯業系基材表面の模様塗料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、窯業系基材表面の模様塗料に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、ロールによる塗装適性が良好であるとともに、耐候性に優れた模様塗装をも可能とする窯業系基材表面の模様塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダンボールのような厚紙等の基材に対しては、基材表面の凸部に模様付けするための方法として、必要に応じて基材表面を防水処理した後に着色塗装し、次いで凸部の所要個所にフレキソインクを用いて模様印刷(塗装)する方法が知られている。
【0003】
そして、このようなフレキソインクを用いた模様塗装の方法に類似するものとして、セメント系、石膏系等の窯業系基材の表面に対しても模様付け塗装することが試みられている。
たとえば、図1に示したように、表面にレンガ目地、タイル目地、割り石調等の凸形状模様を有する基材(1)の表面全体に防水シーラー層(2)を設け、スプレー塗装あるいはフローコーター塗装等で全体を覆うように第1の着色層(3)を形成し、次に、凸部表面のみに、高低差を利用して第2の着色層(4)を塗装し、その後、さらに模様付けした凸状ロールによって模様塗装(5)を施すことが検討されている。この場合の模様塗装(5)のための模様ロールによる方法では、前記のとおりのフレキソ印刷と同じものが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フレキソ印刷の手法は、表面凸部のみに所要の模様塗装を施すとの観点においては参考になるものであるが、実際には、フレキソ印刷の手法は、インク印刷を施すものであって、耐候性が必要とされない部位には使用できるとしても、窯業系材料、特に外壁材のように耐候性が長期にわたって必要とされる材料用途のものに対しては適していないという問題があった。
【0005】
そこで、前記の模様塗装(5)のために、一般のロールコーター塗装に使用される塗料を用いることが考えられるが、この場合には、耐候性は確保されるものの、凸状ロールによって所要の模様付けが忠実に再現することが難しく、塗装適性を欠いているという問題があった。
このため、外装材等の用途のための窯業系基材表面の模様塗装については、フレキソ印刷手法の適用が困難であるだけでなく、均一で美しい模様塗装を実現することが難しいのが実情であった。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来の技術的な問題点を解消し、フレキソ印刷手法と同様にして、基材表面の凸部に対して、均一に美しい模様塗装を行うことができ、しかも形成された模様塗装は耐候性に優れたものとすることもできる、塗装適性、並びに耐候性ともに良好な、窯業系基材表面の模様塗装のための塗料を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、窯業系基材表面の凸部にロール塗装するための模様形成用の塗料であって、塗料の粘性が、回転粘度計による粘度として、700〜2250cps/6rpmであるとともに、340〜900cps/60rpmであり、かつ、模様塗料の粘性特性が、回転粘度計による粘度の次式
【0008】
【数2】
【0009】
の比率として、2.0〜2.6であることを特徴とする窯業系基材の模様塗料を、第2には、塗料固形分の割合が55〜65重量%である模様塗料を提供する。そして、この出願の発明は、第3には、窯業系基材の表面には防水シーラー層と第1の着色層が順次塗装されており、凸部には第2の着色層が塗装され、この第2の着色層の上にロール塗装される前記いずれかの模様塗料も提供する。
【0010】
さらにこの出願の発明は、第4には、以上いずれかの塗料により塗装する模様塗装方法も提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態について説明する。
なによりもまず、この出願の発明の模様塗料は、従来のフレキソ印刷において用いるインクとは相違して、塗料として区分されるものであって、その組成成分は、従来の着色塗料と同様に、塗膜形成のための樹脂等の硬化成分と顔料もしくは着色剤を含有している。そして水あるいは非水溶剤系の塗料としてある。
【0012】
たとえば樹脂等の硬化成分の区別に従って、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、弗素樹脂系、珪素無機質系等の各種の塗料組成のものがこの発明における模様塗料に包含されることになる。
なかでも、この発明の模様塗料としては、アクリル樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、弗素樹脂系、無機質系等の組成の耐候性の高い塗膜を形成するものが好適なものとして使用される。
【0013】
そして、この発明の模様塗料については、前記のとおり、塗料の粘性が、回転粘度計による粘度として6rpm回転時のものが700〜2250cpsの範囲のものとする。700cps未満のものは、模様塗装時に、たとえば凸状ロール塗装によって均一で美しい所要の模様が忠実に再現できず、塗料の流れが大きすぎることになる。一方、2250cpsを超える粘度では、粘性が高すぎて、使用前の塗料の攪拌や、ロールへの付着等の点で問題が生じることになる。
【0014】
また、この発明の模様塗料においては、その粘性が、回転粘度計の60rpmの回転時の粘度が340〜900cpsの範囲にあることが好ましい。340cps未満では、塗料の低粘性流れによってロールへの転写が少なく、充分な模様が表現できにくくなる。逆に、900cpsを超える場合には、高い粘性のためにロールへの転写が極端に多くなり、忠実な模様表現が難しくなる。
【0015】
そして、この発明の模様塗料は、チクソトロピーを示すTI値、すなわち回転粘度計による6rpmと60rpmの各々の回転時の粘度の比が、前記の式において、2.0〜2.6の範囲にあることをさらに適当としてもいる。
このTI値が2.0より低いと、模様が流れたように、つまり所定のものより大きくなった状態となる。一方、2.6を超える場合には、本来の模様の中にさらに縞状の模様が生じることになる。これは、基材の表面の凸部に転写された時に、レベリング(均一に広がる)することができないためである。このため、TI値が2.0〜2.6の範囲にあることが好ましい。
【0016】
以上のような塗料の粘性、そしてTI値を望ましい範囲にあるものとするためには、樹脂等の硬化成分や顔料の割合や、その組合わせ、溶剤としての水や有機溶媒の使用割合や、その選択、さらには増粘剤の添加等の各種の手段の採用が考慮される。
さらにまた、この発明の模様塗料においては、たとえば60rpm回転時の粘度や、TI値が前記の範囲をはずれても、塗料に占める固形分量が55〜65重量%、より好ましくは60重量%以上とすることで、同様に美しい模様を形成することが可能となる。
【0017】
従来、水性のアクリルエマルジョン塗料等では、せいぜい50重量%程度の固形分量であるが、この発明においては、55〜65重量%とすることが有効でもある。このことは、樹脂等の硬化成分や顔料の配合割合の調節によって可能とされる。なお、顔料の配合増によってエマルジョン粒子が破壊されて、耐候性、安定性が悪くなること等が懸念される場合には、エマルジョン粒子をより硬質のものとすることも考慮される。
【0018】
この発明の模様塗料を用いた窯業系基材表面の模様塗装については、たとえばその代表的な方法としては図1に例示した構成として考慮することができる。すなわち、基材としてのセメント系、石膏系等の圧縮成形によって成形した、表面に凸部模様形状を持つ基材(1)に対して、防水シーラー塗装を施して防水シーラー層(2)を形成し、次いで、所要とされる表面域の全体に第1の着色層(3)を塗装し、凸部に凸ロールによる塗装等により第2の着色層(4)を塗装する。
【0019】
これによって2色塗装が施されることになる。
そして、この出願の発明の模様塗料は、第2の着色層(4)の上の所定部位に忠実に、ロール塗装により塗装されて、模様塗装(5)が形成される。
もちろん、必要に応じて、第1の着色層(3)と第2の着色層(4)とについて、適宜に省略してもよいし、あるいは1層のみとしてもよい。ただ、耐候性とともに、外観性等の観点からは、2層塗装として、その上に模様塗装(5)を施すのが好ましい。
【0020】
また、第1の着色層(3)と第2の着色層(4)、さらに模様塗装(5)については、各々が全く異質の塗料である場合には、耐候性に著しい差異が生じることにより極端な模様劣化をひき起こすこともある。このため、このような問題を回避するためには、これらの塗料ができるだけ同じ、あるいは同質、類似の樹脂等の硬化成分を用いたものとすることが望ましい。顔料についても同様である。
【0021】
たとえば樹脂硬化成分と顔料含有の塗料としてアルクリエマルジョン系のもの、アクリルシリコン系のもの等を用いることが例示される。顔料は各種のものであってよく、たとえば無機顔料、無機複合焼成物等が用いられる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明について説明する。
【0022】
【実施例】
繊維補強セメント系圧縮成形基材に対し、図1の構成の模様塗装を施した。防水シーラー層(2)は、アクリルウレタン系シーラーによって形成した。また、第1の着色層(3)、第2の着色層(4)、そして模様塗装(5)には、アクリルエマルジョン系塗料(無機顔料配合)を用いた。
【0023】
模様塗装(5)のための塗料について、回転粘度計による粘度と、TI値、さらには塗料中の固形分割合を各種変更し、凸ロールによる模様塗装(5)の形成について、塗装適性を、模様転写の状態により評価した。
評価は目視により行い、次のとおりの評価とした。
A:極めて良好
B:ロールへの付着状態に若干問題があるが良好
C:模様の流れ、あるいは逆に模様中に縞状模様が生成すること、さらにはロールへの付着状態に問題がある等の理由から不良
表1は、この発明の実施例の結果を、表2は比較例の結果を示したものである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
この発明の実施例においては優れた模様転写状態が得られており(実施例1〜6)、また60rpm粘度、TI値がこの発明の範囲から若干ずれていても、固形分割合の条件の適合によってほぼ良好な状態が得られている(実施例7〜8)。
一方、比較例では、いずれも不良な状態しか得られていない。
【0027】
塗料としての耐候性は実施例並びに比較例ともに比較的良好であるものの、塗装適性において大きな差が生じていることがこの結果によって確認される。
【0028】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、耐候性並びに塗装適性に優れた窯業系基材表面の模様塗装が可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】模様塗装の手順と構成を例示した断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 防水シーラー層
3 第1の着色層
4 第2の着色層
5 模様塗装
Claims (4)
- 塗料固形分の割合が55〜65重量%である請求項1記載の模様塗料。
- 窯業系基材の表面には防水シーラー層と第1の着色層が順次塗装されており、凸部には第2の着色層が塗装され、この第2の着色層の上にロール塗装される請求項1または2記載の模様塗料。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の塗料により塗装する模様塗装方法。
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JP14468199A JP3667557B2 (ja) | 1999-05-25 | 1999-05-25 | 窯業系基材表面の模様塗料 |
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