JP3666885B2 - 自動給送装置及びそれを用いた記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シート材を順次給紙、給送する自動給送装置に係り、特に、手差し給紙可能な自動給送装置及びそれを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファックス等の自動給送装置を備えた記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドを駆動することにより紙やプラスチック薄板等のシート材上にドットからなる画像を形成するように構成されている。そして、記録装置には記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、電子写真式等が知られている。また、記録装置で使用されるシート材には、普通紙の他にハガキや封筒等の厚紙やプラスチック薄板等の特殊シート材があり、これらのシート材を給紙する方法として、シート材を1枚づつ手差し給紙するか、又は自動給紙装置によって自動的かつ連続的に給紙する方法が知られている。この自動給送装置によりシート材を1枚づつ自動的かつ連続的に給紙する際には、シート材の先端角部を押え込む分離爪を用いる爪分離方式が幅広く用いられている。なお、爪分離方式は分離爪の抵抗を利用し、シート材の先端角部にシート材のうねりを生じさせて、シート材を1枚ずつ分離する方式であり、比較的簡単な構成で高い信頼性が得られている。
【0003】
また、封筒、ハガキ等の厚いシート材を用いる場合には爪分離は難しいので、分離爪をシート材から離す様に操作を行い、シート材と積載手段との摩擦力により分離することが行われている。そして、シート材を積載する時は積載手段を押し下げて分離爪と積載手段のシート材積載面との間隔を大きくし、これによって分離爪が積載に邪魔にならないようにしている。そして、シート材を積載した後は、積載手段を元に戻し、これによって分離爪がシート材の先端角部を押え込むような構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記自動給送装置において以下に示す問題点があった(図19参照)。
(1) シート材が、ハガキ、封筒等の厚い場合には、シート材と分離爪を離す手間があり、このため使い勝手が悪いと言った不便さがあった。
(2) また、シート材を積載手段に積載する時は、積載手段のシート材載置面と分離爪との間隔を大きくする必要があり面倒であった。
【0005】
そこで、本発明は、シート材Pを圧板21に載置する際に、付勢解除する手間を省き、又厚いシート材Pを用いる際にシート材Pと分離爪17とを離す操作を省き使い勝手を良くすることのできる自動給送装置及びそれを用いた記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、シート材を積載するためのシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシート材を給送する給送回転体と、前記給送回転体により給送されたシート材を分離する分離爪と、前記給送回転体と連動して回転し、前記シート積載手段を、該シート積載手段に積載されたシート材を前記給送回転体に当接させる状態、又は前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にするリリースカムと、前記リリースカムの回転に応じて前記分離爪を回動させる分離爪動作手段と、を備え、該分離爪動作手段は、前記シート積載手段が、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態となったときに前記分離爪が前記シート積載手段から離間するよう該分離爪を回動させることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記シート積載手段を前記給送回転体の方向に付勢するシート積載手段付勢部材を備え、前記リリースカムは、前記シート積載手段付勢部材の付勢力に抗して前記シート積載手段を、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にすることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記分離爪を前記シート積載手段の方向に付勢する付勢部材を備え、前記分離爪動作手段は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記分離爪を前記シート積載手段から離間させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記分離爪動作手段と前記分離爪の係合を解除可能な切換手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、記録装置において、上記のいずれかに記載の自動給送装置を備え、前記自動給送装置より給送されたシート材に記録を行うことを特徴とする。
【0012】
【作用】
以上の構成に基づき、リリースカムを給送回転体と連動して回転させ、このリリースカムの回転に応じてシート積載手段をシート材が給送回転体から離間する状態とすると共に、このリリースカムの回転に応じて分離爪動作手段により分離爪をシート積載手段から離間する方向に回動させる。また、シート積載手段にシート材を積載した状態で給送回転体が回転すると、リリースカムが回転し、このリリースカムの回転に応じて分離爪をシート材の分離・給送が可能な位置に回動させる。
【0013】
【実施例】
〈実施例1〉
本発明の実施例1を図1〜図11に沿って説明する。自動給紙機能を有した記録装置1は、給紙部11、送紙部12、排紙部13、キャリッジ部15、クリーニング部16から構成されている。そこで、これらを項目に分けて順次説明する。なお、図1は記録装置の全体構成を示す斜視図であり、図2にその構成断面図が示されている。
【0014】
(A)給紙部
給紙部11の正面図を図3に示し、その側面図を図4〜図6に示す。給紙部11は、シート材Pを載置する圧板21(シート積載手段)とシート材Pを給紙する給送回転体5とを有している。前記圧板21には、可動サイドガイド19が移動可能に設けられて、シート材Pの載置位置を規制している。また、前記圧板21の裏側にはベース20が設けられ、該ベース20には、図7〜図10に示す様に、リリースカム31及び解除カム35を有した操作レバ−33(切換手段)が設けられている。さらに、図2及び図5等に示される様に圧板21の下方向(例えば図5において下方向)には先端部23を有した分離爪17が設けられている。なお、この分離爪17には、回動軸を有する回動部17bが設けられて回動可能になると共に爪ばね32(付勢部材)が前記回動部17bと前記分離爪17の先端部23との間に設けられて、先端部23を圧板21側に付勢している。また、圧板21の両端上部には圧板軸21bが設けられ、該圧板軸21bにより圧板21がベース20に結合されると共に圧板軸21bを中心に回動可能となっている。なお、前記圧板21は圧板ばね72(シート積載手段付勢部材)により給送回転体5側に付勢されている。さらに、給送回転体5と対向する圧板21の部位には、シート材Pの枚数が少なくなった時のシート材Pの重送を防止する人工皮等の摩擦係数が大きい材質からなる分離パット73が設けられている。
【0015】
また、前記給送回転体5は、ベース20に両端が保持され、これによって回動可能になると共に駆動ギヤ25〜30により搬送ローラ36が有する駆動力が伝達される。なお、給送回転体5は、軸部5bとローラ部5cとからなるプラスチック等の一体成形品であり、ローラ部5cの周面にはシート材Pの給紙及び搬送を行うための給送回転体ゴム67が設けられている。また、ローラ部5cはD形(または半月形)に構成されており、このローラ部5cの各外側には、給送回転体5に取り付けられた給送回転体ゴム67の半径より0.5〜3mm小さい半径のローラコロ(不図示)が設けられている。このローラコロにより給紙時以外にシート材Pが給送回転体5のローラゴム67に触れることにより、画像の汚れ及びシート材Pの位置ズレを防いでいる。さらに、ローラ部5cは2個設けられており、紙基準PKOより各々約40mmと約170mmとの位置に固定されている。これによって、シート材PがA4サイズの場合は2個のローラ部5cで搬送し、シート材Pがハガキ等の小サイズの場合は、紙基準PKO側の1個のローラで搬送している。給送回転体5には、該給送回転体5に取り付けられた給送回転体ゴム67の径よりも小さい半径のセンサ板69が設けられている。このセンサ板69には一部切り欠きが設けられており、給送回転体5及びリリースカム31が、給送回転体5とシート材Pとの当接を解除する様に圧板21を解除する位置(図2参照)、即ち待機状態にある場合のみ、電気基板70上に設けられたフォトインタラプタからなるローラセンサ72が受光可能になっている。従って、このセンサ板69の状態を検出することで、給送回転体5の角度位置及び給送回転体5と同位相に連動されているリリースカム31の角度位置を検出することができ、シート材Pの給紙シーケンスにおける制御のタイミングを図ることが可能となっている。また、上記構成による給紙部11は、30°〜60°の角度で記録装置1の本体に取り付けられている。
【0016】
上記構成において、待機状態ではリリースカム31が圧板21の押し下げ部21c(解除部)を押し下げ(図5参照)ている。これにより、圧板21に載置されたシート材Pと給送回転体5との当接は解除される。そして、この待機状態において、搬送ローラ36の有する駆動力が、ギヤ25〜30により給送回転体5及びリリースカム31に伝達されると、リリースカム31は圧板21の押し下げ部21cから離れるので圧板21は図6に示す位置まで上昇(図6において左方向に起き上がる)し、これに伴って圧板21の下部に設けられた分離爪17はシート材P面と当接する様になる。また、同時に給送回転体5とシート材Pとが接触する様になり、給送回転体5の回転に伴いシート材Pがピックアップされて給紙される。そして、分離爪17によりシート材Pは、1枚ずつ分離されて送紙部12に送られる。また、給送回転体5とリリースカム31とはシート材Pを送紙部12に送り込むまで回転(1回転)し、再びシート材Pと給送回転体5との当接を解除した待機状態となって送紙ローラ5からの駆動力が切られる。
【0017】
また、先述した様に、圧板21には、可変サイドガイド19が設けられているので、該可変サイドガイド19によりシート材Pの側端部(図3において左側)を規制すると共に、紙基準PKOにより他端部(図3において右側)が規制されている。これによって、シート材Pのサイズが異なっても載置位置を規制することが可能となっている。
【0018】
(B)送紙部
送紙部12(図2及び図3参照)は、シート材Pを搬送する搬送ローラ36とPEセンサ42とを有している。前記搬送ローラ36には、該搬送ローラ36に従動するピンチローラガイド39を有したピンチローラ37が当接して設けられている。そして、該ピンチローラガイド39をピンチローラバネ40により付勢することで、ピンチローラ37を搬送ローラ36に圧接し、これによってシート材Pの搬送力を生み出している。さらに、シート材Pが搬送されてくる送紙部12の入口部7(図2参照)には、シート材Pをガイドする上ガイド45及びプラテン46が配設されている。また、上ガイド45の上方にはPEセンサレバー41が配設されている。さらに、前記搬送ローラ36の後方(図2において左側)には、画像情報に基づいて画像を形成する記録ヘッド49が設けられている。
【0019】
上記構成において、送紙部12に送られたシート材Pは、プラテン46、ピンチローラガイド39及び上ガイド45に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバー41が搬送されて来たシート材Pの先端を検知して、これによりシート材Pの印字位置を求めている。また、シート材Pは、LFモータ47(図1参照)によりローラ対36,37が回転することによりプラテン46上を搬送される。
【0020】
なお、記録ヘッド49はインクタンクと一体に構成された電気交換体(不図示)を備えた、交換容易なインクジェット記録ヘッドが用いられている。この記録ヘッド49は、電気交換体によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長又は収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド49の吐出口(不図示)からインクが吐出されてシート材P上に画像が形成される。
【0021】
(C)キャリッジ部
キャリッジ部15(図1参照)は、記録ヘッド49を取り付けるキャリッジ50を有している。そして該キャリッジ50は、シート材Pの搬送方向に対し直角方向に往復走査させるためのガイド軸51及びキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッド49とシート材Pとの間隙を維持するガイド52によって支持されている。なお、これらガイド軸51及びガイド52は筐体3に取り付けられている。また、キャリッジ50は、筐体3の下側(図1において左下)に配設されたキャリッジモータ53によりタイミングベルト55を介して駆動される。このタイミングベルト55は、タイミングベルト55を張設するアイドルプーリ56により支持されている。またキャリッジ50は、電気基板70から記録ヘッド49にヘッド駆動信号を伝えるためのフレキシブル基板57を備えている。
【0022】
上記構成において、シート材Pに画像形成する時は、画像形成する行位置(シート材Pの搬送方向の位置)にローラ対36,37がシート材Pを搬送すると共にキャリッジモータ53によりキャリッジ50を画像形成する列位置(シート材Pの搬送方向と垂直な位置)に移動させて、記録ヘッド49を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板70からの信号により記録ヘッド49が、インクをシート材Pに向けて吐出して画像が形成される。
【0023】
(D)排紙部(主として図2を参照)
排紙部13は、伝達ローラ60が前記搬送ローラ36に当接して設けられている。さらに、伝達ローラ60は排紙ローラ59と当接し、該排紙ローラ59には拍車61が当接して設けられて、前記排紙ローラ59と前記拍車61とがローラ対を構成している。また、前記排紙ローラ59のシート材Pの搬送方向には排紙トレイ62(図1参照)が設けられている。前記排紙ローラ59には、前記搬送ローラ36が有する駆動力が伝達ローラ60により伝達される。また、前記拍車61は排紙ローラ59に従動して回転することが可能となっている。
【0024】
以上の構成によって、キャリッジ部15で画像形成されたシート材Pは、前記排紙ローラ59と拍車61とのニップ部に挟まれ、搬送されて排紙トレイ62に排紙される。
【0025】
(E)クリーニング部
クリーニング部16(図16参照)は、記録ヘッド49のクリーニングを行うポンプ63と記録ヘッド49の乾燥を抑えるためのキャップ65及び搬送ローラ36からの駆動力を給紙部11及びポンプ63に切り換える駆動切り換えアーム66から構成されている。そして、クリーニングを行わない時は、駆動切り換えアーム66は図1に示した位置にあり、搬送ローラ36の軸芯を中心に回転する遊星ギヤ(不図示)を所定の位置で固定している。また、キャリッジ50を移動させることで駆動切り換えアーム66を矢印A方向に移動させると搬送ローラ36の正転、逆転に応じて遊星ギヤが移動し、搬送ローラ36が正転している時には給紙部に駆動力が伝達され、また搬送ローラ36が逆転している時にはポンプ63に駆動力が伝達されるようになっている。
【0026】
以上、上述した構成をさらに詳しく説明する(主に図1及び図4〜図6参照)。先にクリーニング部16の駆動切り換えアーム66を矢印A方向にキャリッジ50で移動させ、搬送ローラ36を正転させると、遊星ギヤが移動することを述べた。これによって、遊星ギヤは入力ギヤ25と噛合し、アイドラギヤ26,27を介して給送回転体5に結合している給送回転体ギヤ28に駆動力が伝達されて給送回転体5が回転する。また、給送回転体ギヤ28はクラッチギヤ29及びアイドラギヤ30を介してリリースカム31に駆動力を伝達する。この時、給送回転体5とリリースカム31とは1回転ごとの位相が合うように構成されており、図4及び図5に示した様に待機状態においては、半月部(扇角は約120°)を有する給送回転体5はシート材Pに当接せず対向し、又給紙時には給送回転体5は200g〜500gの当接力でシート材Pに当接する。また、リリースカム31は押し下げ部21cを押し下げることで圧板21を待機状態にする。この時、ベース20に取り付けられた圧板カム76は圧板21に設けられたカム21cを押し下げる。そしてこのカム21cが圧板カム7bを押し下げる。なお、圧板カム76は中心76bを中心に回動可能となっているので押し下げ部21cを下げても、圧板21はベース20に対して傾かず、常に略平行な状態が保たれる。
【0027】
また、クラッチギヤ29の内部には、クラッチバネ77が設けられており(図3参照)矢印B方向(図5参照)にはクラッチバネ77が締る方向に対応していると共に、このクラッチバネ77が逆転しないようになっている。これにより、レジ合せ等を行う時には給送回転体5がシート材Pと当接して回転しなくなり良好なレジ合せを行うことが可能となっている。
【0028】
また、先述した様に分離爪17は回動部17bを中心に回転可能であり、爪バネ32によりシート材P又は圧板21に20g〜100gの力で付勢することが可能になっている。この分離爪17は、普通紙等のシート材Pを給紙する際にシート材Pを分離するもので、図3に示す様に紙基準PKO側のみに設けられており、シート材Pの先端角部を三角形に覆う様な形状をしている(例えば図7参照)。シート材Pは、この三角形の部分で抵抗を受けることで、1枚ずつ分離することができる。さらに、分離爪17の回動部17bには、爪スライドバネ35(図7、図8参照)が設けられ回動部17bから分離爪17が抜ける方向(例えば図8において右側)へ押し出すように分離爪17を付勢している。また、リリースカム31には、圧板21が待機状態となっている以外に分離爪17を回動させる(例えば図8において紙面に対し表裏方向)爪カム31b(分離爪動作手段)が設けられている。
【0029】
そして、操作レバー33は、▲1▼普通紙フィードポジションと ▲2▼厚紙フィードポジションと の2つのポジションをとることが可能となっており(図4参照)、また各々のポジションは約20°〜50°の角度間隔で配設されている。そこで、▲1▼と▲2▼との動作について以下説明する。
【0030】
▲1▼普通紙フィードポジション
操作レバー33を普通紙フィードポジションの位置に移動させると(図8において、操作レバーを紙面裏側方向に押し込んで、図8の状態からから図7の状態に変化させる)、操作レバー33に連動しているカム33bが回転して分離爪17を軸方向(図7においてC方向)に押し込む。これにより分離爪17の先端部23がシート材Pの先端角部に当接する。そしてこの状態で、圧板21が押し下げられた待機状態になると、分離爪17は爪カム31bにより回転し、分離爪17の先端部23が上方(図7において紙面手前側)に移動する。従って、分離爪17はシート材Pと離間する様になる。これによって、待機状態ではシート材Pを単にシート積載手段に載置すればよく、分離爪17とシート材Pとの当接を解除するといった操作が不要となる。
【0031】
また上述した待機状態において、給送回転体5が回転して給紙を開始すると、リリースカム31に駆動力が伝達されて回転を始めリリースカム31と押し上げ部21との当接が解除されて待機状態が解除される。これにより、シート材Pは給送回転体5と当接する様になる。このとき、分離爪17を上方に上げていた爪カム31bも連動して回転するので、分離爪17はシート材Pに当接しシート材Pを1枚づつ分離・給紙することが可能となる。
【0032】
▲2▼厚紙フィードポジション
操作レバー33を厚紙フィードポジションの位置にセットすることにより、カム33bが回転して分離爪17は爪スライドバネ35により、軸から抜ける方向に押し出される(図7の状態から図8の状態に移行)。この位置では、分離爪17はリリースカム31の爪カム31bが働かない位置にあるので、爪バネ32の作用により分離爪17は圧板21に付勢(図6参照)される。なお、圧板21上面には、分離爪17が付勢当接される位置よりも上方(図6の紙面右斜め上方)において凸部21dが設けられている。これにより、厚いシート材Pを圧板21上に載置する際にはシート材Pの端部が凸部21dに載るので、該シート材Pの端部が分離爪17の下方(分離爪17と圧板21の間)に入り込まない。従って、厚いシート材Pを給紙する際には、分離爪17はシート材Pに付勢せずベース20の下ガイド部20bに当接している。また給紙時には、分離爪17が作用しないので、圧板21の下側に設けられている分離パッド73とシート材Pとの抵抗を利用して1枚ずつ分離されて給紙される。
【0033】
また、1枚づつの手差し給紙をする際には、▲2▼厚紙フィードポジションで行なわれる。厚紙フィードポジションの状態では、そのまま手差し用のシート材Pをピンチローラ37と搬送ローラ36とのローラ対まで挿入すれば良い。これによって、シート材PがPEセンサレバー41を横切る様になり、PEセンサ42がONになる。そして、1〜2秒の所定時間後にシート材Pの先端長さを揃える動作に入り、印字信号待ちの状態となる。
【0034】
また、普通紙がセットされている普通紙フィードポジションでは、そのまま手差しを行うとシート材Pが分離爪17に引っ掛かるので、厚紙フィードポジションにして分離爪17を圧板21に付勢することで引っ掛かりを無くすことにより手差しシート材の給紙を容易にし、また手差しシート専用の給紙口を設ける必要がなくなるといった利用上及び設計上のメリットが生じる。
【0035】
また、待機状態での圧板21に対して、シート材Pの先端が下ガイド部20bまで進んでいる場合がある。この状態で、手差し給紙のために操作レバー33を普通紙のフィードポジションから厚紙フィードポジションに切り換えて分離爪17を圧板21に付勢させると、分離爪17の付勢力にシート材Pの角部が負けて変形が発生してしまう。これはシート材Pの枚数が少ないときには特に著しい。このような状態において、分離爪17のシート材Pへの掛かり量が、多数のシート材を想定した量(3〜5[mm])であると、分離爪17がシート材Pから外れてしまい、分離爪17が機能せず重送等の給紙不良が発生してしまう。そこで、本実施例においては、分離爪17の回動軸をテーパ形状とすることにより分離爪17の先端を揺動可能とすると共にベース20にガイド部20c,20d(図9、図11参照)を設けてシート材Pへのかかり量を8〜10[mm]にするようになっている。これにより、分離爪17がシート材Pから外れることが防止されている。このテーパ形状は、基準となる丸穴17cと長穴17dを結ぶテーパ穴とからなっている(図11参照)。長穴17dにより、揺動する方向が規制されて分離時における重送等を防止することが可能となっている。
【0036】
上記のように、待機状態において、分離爪がシート材に当接するときのかかり量を大きくすることが可能となり、シート材の積載枚数が少なくても分離爪がシート材から外れることが無くなったと共に、給紙時には、分離爪は待機時より少ないかかり量となるので、安定した良好な分離を行うことが可能となり、装置の信頼性が向上した。更に上記のように、テーパ穴を丸穴と長穴とを結ぶ形状とし、分離爪の揺動を規制することでシート材の重送等を防止することが可能となることによって、装置の信頼性が向上した。
【0037】
なお、前述のギヤ群(給送回転体軸79を除く)及び分離爪17、操作レバー31等はベース20の右側板上に設置した軸に設けられており、軸中心に回動可能に構成されている。
【0038】
〈実施例2〉
本発明の実施例2を図12に沿って説明する。なお、本実施例1における自動給紙機能を備えた記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0039】
先述した実施例1では、厚紙フィードポジションを操作レバーが選択している時は、分離爪17は圧板21に付勢され、圧板21には分離爪17よりも上方に凸部21dが設けられることで厚いシート材Pが載置される時に、分離爪17の下方にシート材Pが入り込まない構成とした。
【0040】
しかし本実施例では、図12に示す様に、圧板21の角部に凹部21eを設け、そこに分離爪17を逃がすことで、圧板21の表面上に分離爪17が突出しないようにしたので、厚いシート材Pが載置される時に分離爪17の下方にシート材Pが入り込まない。この場合、分離爪17による凸部がなくなった分、シート材Pの積載量を増すことができるという利点が有る。
【0041】
〈実施例3〉
本発明の実施例3を図13〜図16に沿って説明する。なお、本実施例1における自動給紙機能を備えた記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0042】
先述した実施例1においては、操作レバー33に設けられているカム33bにより、分離爪17をリリースカム31の爪カム31bと作用しない位置まで移動させたが、本実施例では図13〜図16に示す様にリリースカム31の軸方向にのみ移動可能な爪カム31cを設け、該爪カム31cを移動させて分離爪17と作用する様に構成した。以下、本構成について具体的に述べる。
【0043】
爪カム31cはリリースカム31の軸方向にのみ移動可能で、バネ31dにより操作レバー33の内壁に付勢する様に構成されている。このときのリリースカム31と爪カム31cとのカムの位相は所定位置に設定されており、分離爪17と圧板21とのリリース等のタイミングが合う様に構成されている。図13、図14は厚紙フィードポジションの状態を示し、爪カム31cがバネ31dにより外側(図13において右側)に付勢されているので、爪カム31cは分離爪17と作用しない。また図15、図16は普通紙フィードポジションの状態を示し、操作レバー33のカム33bにより爪カム31cの円板が押され内側(図15において左側)に入り込む。これにより、爪カム31cが分離爪17に作用する様になる。
【0044】
なお、この構成では、リリースレバー33の切り換えポジションが前記実施例1と逆になる(図4における、普通紙ポジションと厚紙ポジションが逆になる)。分離爪17への爪カム31cの作用及びその他については前記実施例1と全く同じである。
【0045】
〈実施例4〉
本発明の実施例4を図17、図18に沿って説明する。なお、本実施例1における記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0046】
先述した実施例1においては、分離爪17の動きをガイド20c,20dにより規制していたが、本実施例では図17、図18に示す如く、爪バネ32を斜めにかけることで、矢印方向にFという力を加えガイド20dに当接する構成にした。この場合、ガタがなく安定した爪の移動が行えるという利点が有る。
【0047】
<実施例における効果>
以上説明したように実施例1〜4においては、以下に述べるような共通する効果を発揮する。
(1) 普通紙等のシート材を圧板に載置する際には、操作レバーが普通紙フィードポジションの時は、そのまま載置すればよく、又厚紙フィードポジションのときは操作レバーを普通紙フィードポジションに移動させてシート材を載置するだけで済む。
【0048】
また、厚いシート材を圧板に載置する時は、操作レバーが厚紙フィードポジションのときは、そのままセットすればよく、普通紙フィードポジションのときは操作レバーを厚紙フィードポジションに移動させてシート材を載置するだけで済む。
【0049】
これらより、ガイド板を起こしたりする手間等が不要となる。
従って、爪分離方式を用いた自動給紙装置においても、例えば普通紙や封筒等を使い分けるのに操作レバーの切り換えのみで良く、従来の様に分離爪にシート材が引っ掛ったりすることが無くなると共に操作が非常に簡便となった。
【0050】
(2) シート材を1枚づつの手差し給紙を行う際には、操作レバーが厚紙ポジションの時はそのまま挿入すればよく、又普通紙フィードポジションのときは厚紙フィードポジションにして挿入するだけで済み、簡単な操作で手差し給紙を行うことが可能となった。
【0051】
(3) シート材の片側を基準とする片側基準印字方式においても、厚紙のセット時にガイドを必要としないので、普通紙と同じ基準で印字することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、リリースカムは、シート材給送時に給送回転体を回転させる駆動力によってシート積載手段を回動させてシート積載手段に積載されているシート材を給送回転体に接触または離間させる。また分離爪動作手段は、給送回転体とシート材とが離間している待機状態時には分離爪をシート積載手段から離間させる。これによりシート材積載手段に対するシート材の載置には手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置を備えた記録装置の斜視図。
【図2】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置を備えた記録装置の側面図。
【図3】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置における給紙部の正面図。
【図4】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図5】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図6】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図7】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図8】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図9】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の分離手段の部分正面図。
【図10】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図11】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の分離手段の部分図で(a)は側面図(b)は正面図。
【図12】本発明の実施例2の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図13】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図14】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の部分側面図。
【図15】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図16】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の部分側面図。
【図17】本発明の実施例4の説明に適用される給送装置における分離手段の部分正面図。
【図18】本発明の実施例4の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図19】従来の技術の問題点を説明するのに適用される給送装置を備えた記録装置の側面図。
【符号の説明】
5 給送回転体
17 分離爪
17b 回動部
17c 丸穴
17d 長穴
20c,20d ガイド
21 圧板
21c 押し下げ部
21d 凸部
21e 凹部
31 リリースカム
31b 爪カム
31c 爪カム
31d ばね
32 爪ばね
33 操作レバー
33b カム
33c ストッパ
72 圧板ばね
P シート材
【産業上の利用分野】
本発明は、シート材を順次給紙、給送する自動給送装置に係り、特に、手差し給紙可能な自動給送装置及びそれを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファックス等の自動給送装置を備えた記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドを駆動することにより紙やプラスチック薄板等のシート材上にドットからなる画像を形成するように構成されている。そして、記録装置には記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、電子写真式等が知られている。また、記録装置で使用されるシート材には、普通紙の他にハガキや封筒等の厚紙やプラスチック薄板等の特殊シート材があり、これらのシート材を給紙する方法として、シート材を1枚づつ手差し給紙するか、又は自動給紙装置によって自動的かつ連続的に給紙する方法が知られている。この自動給送装置によりシート材を1枚づつ自動的かつ連続的に給紙する際には、シート材の先端角部を押え込む分離爪を用いる爪分離方式が幅広く用いられている。なお、爪分離方式は分離爪の抵抗を利用し、シート材の先端角部にシート材のうねりを生じさせて、シート材を1枚ずつ分離する方式であり、比較的簡単な構成で高い信頼性が得られている。
【0003】
また、封筒、ハガキ等の厚いシート材を用いる場合には爪分離は難しいので、分離爪をシート材から離す様に操作を行い、シート材と積載手段との摩擦力により分離することが行われている。そして、シート材を積載する時は積載手段を押し下げて分離爪と積載手段のシート材積載面との間隔を大きくし、これによって分離爪が積載に邪魔にならないようにしている。そして、シート材を積載した後は、積載手段を元に戻し、これによって分離爪がシート材の先端角部を押え込むような構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記自動給送装置において以下に示す問題点があった(図19参照)。
(1) シート材が、ハガキ、封筒等の厚い場合には、シート材と分離爪を離す手間があり、このため使い勝手が悪いと言った不便さがあった。
(2) また、シート材を積載手段に積載する時は、積載手段のシート材載置面と分離爪との間隔を大きくする必要があり面倒であった。
【0005】
そこで、本発明は、シート材Pを圧板21に載置する際に、付勢解除する手間を省き、又厚いシート材Pを用いる際にシート材Pと分離爪17とを離す操作を省き使い勝手を良くすることのできる自動給送装置及びそれを用いた記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、シート材を積載するためのシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシート材を給送する給送回転体と、前記給送回転体により給送されたシート材を分離する分離爪と、前記給送回転体と連動して回転し、前記シート積載手段を、該シート積載手段に積載されたシート材を前記給送回転体に当接させる状態、又は前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にするリリースカムと、前記リリースカムの回転に応じて前記分離爪を回動させる分離爪動作手段と、を備え、該分離爪動作手段は、前記シート積載手段が、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態となったときに前記分離爪が前記シート積載手段から離間するよう該分離爪を回動させることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記シート積載手段を前記給送回転体の方向に付勢するシート積載手段付勢部材を備え、前記リリースカムは、前記シート積載手段付勢部材の付勢力に抗して前記シート積載手段を、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にすることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記分離爪を前記シート積載手段の方向に付勢する付勢部材を備え、前記分離爪動作手段は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記分離爪を前記シート積載手段から離間させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記分離爪動作手段と前記分離爪の係合を解除可能な切換手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、記録装置において、上記のいずれかに記載の自動給送装置を備え、前記自動給送装置より給送されたシート材に記録を行うことを特徴とする。
【0012】
【作用】
以上の構成に基づき、リリースカムを給送回転体と連動して回転させ、このリリースカムの回転に応じてシート積載手段をシート材が給送回転体から離間する状態とすると共に、このリリースカムの回転に応じて分離爪動作手段により分離爪をシート積載手段から離間する方向に回動させる。また、シート積載手段にシート材を積載した状態で給送回転体が回転すると、リリースカムが回転し、このリリースカムの回転に応じて分離爪をシート材の分離・給送が可能な位置に回動させる。
【0013】
【実施例】
〈実施例1〉
本発明の実施例1を図1〜図11に沿って説明する。自動給紙機能を有した記録装置1は、給紙部11、送紙部12、排紙部13、キャリッジ部15、クリーニング部16から構成されている。そこで、これらを項目に分けて順次説明する。なお、図1は記録装置の全体構成を示す斜視図であり、図2にその構成断面図が示されている。
【0014】
(A)給紙部
給紙部11の正面図を図3に示し、その側面図を図4〜図6に示す。給紙部11は、シート材Pを載置する圧板21(シート積載手段)とシート材Pを給紙する給送回転体5とを有している。前記圧板21には、可動サイドガイド19が移動可能に設けられて、シート材Pの載置位置を規制している。また、前記圧板21の裏側にはベース20が設けられ、該ベース20には、図7〜図10に示す様に、リリースカム31及び解除カム35を有した操作レバ−33(切換手段)が設けられている。さらに、図2及び図5等に示される様に圧板21の下方向(例えば図5において下方向)には先端部23を有した分離爪17が設けられている。なお、この分離爪17には、回動軸を有する回動部17bが設けられて回動可能になると共に爪ばね32(付勢部材)が前記回動部17bと前記分離爪17の先端部23との間に設けられて、先端部23を圧板21側に付勢している。また、圧板21の両端上部には圧板軸21bが設けられ、該圧板軸21bにより圧板21がベース20に結合されると共に圧板軸21bを中心に回動可能となっている。なお、前記圧板21は圧板ばね72(シート積載手段付勢部材)により給送回転体5側に付勢されている。さらに、給送回転体5と対向する圧板21の部位には、シート材Pの枚数が少なくなった時のシート材Pの重送を防止する人工皮等の摩擦係数が大きい材質からなる分離パット73が設けられている。
【0015】
また、前記給送回転体5は、ベース20に両端が保持され、これによって回動可能になると共に駆動ギヤ25〜30により搬送ローラ36が有する駆動力が伝達される。なお、給送回転体5は、軸部5bとローラ部5cとからなるプラスチック等の一体成形品であり、ローラ部5cの周面にはシート材Pの給紙及び搬送を行うための給送回転体ゴム67が設けられている。また、ローラ部5cはD形(または半月形)に構成されており、このローラ部5cの各外側には、給送回転体5に取り付けられた給送回転体ゴム67の半径より0.5〜3mm小さい半径のローラコロ(不図示)が設けられている。このローラコロにより給紙時以外にシート材Pが給送回転体5のローラゴム67に触れることにより、画像の汚れ及びシート材Pの位置ズレを防いでいる。さらに、ローラ部5cは2個設けられており、紙基準PKOより各々約40mmと約170mmとの位置に固定されている。これによって、シート材PがA4サイズの場合は2個のローラ部5cで搬送し、シート材Pがハガキ等の小サイズの場合は、紙基準PKO側の1個のローラで搬送している。給送回転体5には、該給送回転体5に取り付けられた給送回転体ゴム67の径よりも小さい半径のセンサ板69が設けられている。このセンサ板69には一部切り欠きが設けられており、給送回転体5及びリリースカム31が、給送回転体5とシート材Pとの当接を解除する様に圧板21を解除する位置(図2参照)、即ち待機状態にある場合のみ、電気基板70上に設けられたフォトインタラプタからなるローラセンサ72が受光可能になっている。従って、このセンサ板69の状態を検出することで、給送回転体5の角度位置及び給送回転体5と同位相に連動されているリリースカム31の角度位置を検出することができ、シート材Pの給紙シーケンスにおける制御のタイミングを図ることが可能となっている。また、上記構成による給紙部11は、30°〜60°の角度で記録装置1の本体に取り付けられている。
【0016】
上記構成において、待機状態ではリリースカム31が圧板21の押し下げ部21c(解除部)を押し下げ(図5参照)ている。これにより、圧板21に載置されたシート材Pと給送回転体5との当接は解除される。そして、この待機状態において、搬送ローラ36の有する駆動力が、ギヤ25〜30により給送回転体5及びリリースカム31に伝達されると、リリースカム31は圧板21の押し下げ部21cから離れるので圧板21は図6に示す位置まで上昇(図6において左方向に起き上がる)し、これに伴って圧板21の下部に設けられた分離爪17はシート材P面と当接する様になる。また、同時に給送回転体5とシート材Pとが接触する様になり、給送回転体5の回転に伴いシート材Pがピックアップされて給紙される。そして、分離爪17によりシート材Pは、1枚ずつ分離されて送紙部12に送られる。また、給送回転体5とリリースカム31とはシート材Pを送紙部12に送り込むまで回転(1回転)し、再びシート材Pと給送回転体5との当接を解除した待機状態となって送紙ローラ5からの駆動力が切られる。
【0017】
また、先述した様に、圧板21には、可変サイドガイド19が設けられているので、該可変サイドガイド19によりシート材Pの側端部(図3において左側)を規制すると共に、紙基準PKOにより他端部(図3において右側)が規制されている。これによって、シート材Pのサイズが異なっても載置位置を規制することが可能となっている。
【0018】
(B)送紙部
送紙部12(図2及び図3参照)は、シート材Pを搬送する搬送ローラ36とPEセンサ42とを有している。前記搬送ローラ36には、該搬送ローラ36に従動するピンチローラガイド39を有したピンチローラ37が当接して設けられている。そして、該ピンチローラガイド39をピンチローラバネ40により付勢することで、ピンチローラ37を搬送ローラ36に圧接し、これによってシート材Pの搬送力を生み出している。さらに、シート材Pが搬送されてくる送紙部12の入口部7(図2参照)には、シート材Pをガイドする上ガイド45及びプラテン46が配設されている。また、上ガイド45の上方にはPEセンサレバー41が配設されている。さらに、前記搬送ローラ36の後方(図2において左側)には、画像情報に基づいて画像を形成する記録ヘッド49が設けられている。
【0019】
上記構成において、送紙部12に送られたシート材Pは、プラテン46、ピンチローラガイド39及び上ガイド45に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバー41が搬送されて来たシート材Pの先端を検知して、これによりシート材Pの印字位置を求めている。また、シート材Pは、LFモータ47(図1参照)によりローラ対36,37が回転することによりプラテン46上を搬送される。
【0020】
なお、記録ヘッド49はインクタンクと一体に構成された電気交換体(不図示)を備えた、交換容易なインクジェット記録ヘッドが用いられている。この記録ヘッド49は、電気交換体によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長又は収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド49の吐出口(不図示)からインクが吐出されてシート材P上に画像が形成される。
【0021】
(C)キャリッジ部
キャリッジ部15(図1参照)は、記録ヘッド49を取り付けるキャリッジ50を有している。そして該キャリッジ50は、シート材Pの搬送方向に対し直角方向に往復走査させるためのガイド軸51及びキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッド49とシート材Pとの間隙を維持するガイド52によって支持されている。なお、これらガイド軸51及びガイド52は筐体3に取り付けられている。また、キャリッジ50は、筐体3の下側(図1において左下)に配設されたキャリッジモータ53によりタイミングベルト55を介して駆動される。このタイミングベルト55は、タイミングベルト55を張設するアイドルプーリ56により支持されている。またキャリッジ50は、電気基板70から記録ヘッド49にヘッド駆動信号を伝えるためのフレキシブル基板57を備えている。
【0022】
上記構成において、シート材Pに画像形成する時は、画像形成する行位置(シート材Pの搬送方向の位置)にローラ対36,37がシート材Pを搬送すると共にキャリッジモータ53によりキャリッジ50を画像形成する列位置(シート材Pの搬送方向と垂直な位置)に移動させて、記録ヘッド49を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板70からの信号により記録ヘッド49が、インクをシート材Pに向けて吐出して画像が形成される。
【0023】
(D)排紙部(主として図2を参照)
排紙部13は、伝達ローラ60が前記搬送ローラ36に当接して設けられている。さらに、伝達ローラ60は排紙ローラ59と当接し、該排紙ローラ59には拍車61が当接して設けられて、前記排紙ローラ59と前記拍車61とがローラ対を構成している。また、前記排紙ローラ59のシート材Pの搬送方向には排紙トレイ62(図1参照)が設けられている。前記排紙ローラ59には、前記搬送ローラ36が有する駆動力が伝達ローラ60により伝達される。また、前記拍車61は排紙ローラ59に従動して回転することが可能となっている。
【0024】
以上の構成によって、キャリッジ部15で画像形成されたシート材Pは、前記排紙ローラ59と拍車61とのニップ部に挟まれ、搬送されて排紙トレイ62に排紙される。
【0025】
(E)クリーニング部
クリーニング部16(図16参照)は、記録ヘッド49のクリーニングを行うポンプ63と記録ヘッド49の乾燥を抑えるためのキャップ65及び搬送ローラ36からの駆動力を給紙部11及びポンプ63に切り換える駆動切り換えアーム66から構成されている。そして、クリーニングを行わない時は、駆動切り換えアーム66は図1に示した位置にあり、搬送ローラ36の軸芯を中心に回転する遊星ギヤ(不図示)を所定の位置で固定している。また、キャリッジ50を移動させることで駆動切り換えアーム66を矢印A方向に移動させると搬送ローラ36の正転、逆転に応じて遊星ギヤが移動し、搬送ローラ36が正転している時には給紙部に駆動力が伝達され、また搬送ローラ36が逆転している時にはポンプ63に駆動力が伝達されるようになっている。
【0026】
以上、上述した構成をさらに詳しく説明する(主に図1及び図4〜図6参照)。先にクリーニング部16の駆動切り換えアーム66を矢印A方向にキャリッジ50で移動させ、搬送ローラ36を正転させると、遊星ギヤが移動することを述べた。これによって、遊星ギヤは入力ギヤ25と噛合し、アイドラギヤ26,27を介して給送回転体5に結合している給送回転体ギヤ28に駆動力が伝達されて給送回転体5が回転する。また、給送回転体ギヤ28はクラッチギヤ29及びアイドラギヤ30を介してリリースカム31に駆動力を伝達する。この時、給送回転体5とリリースカム31とは1回転ごとの位相が合うように構成されており、図4及び図5に示した様に待機状態においては、半月部(扇角は約120°)を有する給送回転体5はシート材Pに当接せず対向し、又給紙時には給送回転体5は200g〜500gの当接力でシート材Pに当接する。また、リリースカム31は押し下げ部21cを押し下げることで圧板21を待機状態にする。この時、ベース20に取り付けられた圧板カム76は圧板21に設けられたカム21cを押し下げる。そしてこのカム21cが圧板カム7bを押し下げる。なお、圧板カム76は中心76bを中心に回動可能となっているので押し下げ部21cを下げても、圧板21はベース20に対して傾かず、常に略平行な状態が保たれる。
【0027】
また、クラッチギヤ29の内部には、クラッチバネ77が設けられており(図3参照)矢印B方向(図5参照)にはクラッチバネ77が締る方向に対応していると共に、このクラッチバネ77が逆転しないようになっている。これにより、レジ合せ等を行う時には給送回転体5がシート材Pと当接して回転しなくなり良好なレジ合せを行うことが可能となっている。
【0028】
また、先述した様に分離爪17は回動部17bを中心に回転可能であり、爪バネ32によりシート材P又は圧板21に20g〜100gの力で付勢することが可能になっている。この分離爪17は、普通紙等のシート材Pを給紙する際にシート材Pを分離するもので、図3に示す様に紙基準PKO側のみに設けられており、シート材Pの先端角部を三角形に覆う様な形状をしている(例えば図7参照)。シート材Pは、この三角形の部分で抵抗を受けることで、1枚ずつ分離することができる。さらに、分離爪17の回動部17bには、爪スライドバネ35(図7、図8参照)が設けられ回動部17bから分離爪17が抜ける方向(例えば図8において右側)へ押し出すように分離爪17を付勢している。また、リリースカム31には、圧板21が待機状態となっている以外に分離爪17を回動させる(例えば図8において紙面に対し表裏方向)爪カム31b(分離爪動作手段)が設けられている。
【0029】
そして、操作レバー33は、▲1▼普通紙フィードポジションと ▲2▼厚紙フィードポジションと の2つのポジションをとることが可能となっており(図4参照)、また各々のポジションは約20°〜50°の角度間隔で配設されている。そこで、▲1▼と▲2▼との動作について以下説明する。
【0030】
▲1▼普通紙フィードポジション
操作レバー33を普通紙フィードポジションの位置に移動させると(図8において、操作レバーを紙面裏側方向に押し込んで、図8の状態からから図7の状態に変化させる)、操作レバー33に連動しているカム33bが回転して分離爪17を軸方向(図7においてC方向)に押し込む。これにより分離爪17の先端部23がシート材Pの先端角部に当接する。そしてこの状態で、圧板21が押し下げられた待機状態になると、分離爪17は爪カム31bにより回転し、分離爪17の先端部23が上方(図7において紙面手前側)に移動する。従って、分離爪17はシート材Pと離間する様になる。これによって、待機状態ではシート材Pを単にシート積載手段に載置すればよく、分離爪17とシート材Pとの当接を解除するといった操作が不要となる。
【0031】
また上述した待機状態において、給送回転体5が回転して給紙を開始すると、リリースカム31に駆動力が伝達されて回転を始めリリースカム31と押し上げ部21との当接が解除されて待機状態が解除される。これにより、シート材Pは給送回転体5と当接する様になる。このとき、分離爪17を上方に上げていた爪カム31bも連動して回転するので、分離爪17はシート材Pに当接しシート材Pを1枚づつ分離・給紙することが可能となる。
【0032】
▲2▼厚紙フィードポジション
操作レバー33を厚紙フィードポジションの位置にセットすることにより、カム33bが回転して分離爪17は爪スライドバネ35により、軸から抜ける方向に押し出される(図7の状態から図8の状態に移行)。この位置では、分離爪17はリリースカム31の爪カム31bが働かない位置にあるので、爪バネ32の作用により分離爪17は圧板21に付勢(図6参照)される。なお、圧板21上面には、分離爪17が付勢当接される位置よりも上方(図6の紙面右斜め上方)において凸部21dが設けられている。これにより、厚いシート材Pを圧板21上に載置する際にはシート材Pの端部が凸部21dに載るので、該シート材Pの端部が分離爪17の下方(分離爪17と圧板21の間)に入り込まない。従って、厚いシート材Pを給紙する際には、分離爪17はシート材Pに付勢せずベース20の下ガイド部20bに当接している。また給紙時には、分離爪17が作用しないので、圧板21の下側に設けられている分離パッド73とシート材Pとの抵抗を利用して1枚ずつ分離されて給紙される。
【0033】
また、1枚づつの手差し給紙をする際には、▲2▼厚紙フィードポジションで行なわれる。厚紙フィードポジションの状態では、そのまま手差し用のシート材Pをピンチローラ37と搬送ローラ36とのローラ対まで挿入すれば良い。これによって、シート材PがPEセンサレバー41を横切る様になり、PEセンサ42がONになる。そして、1〜2秒の所定時間後にシート材Pの先端長さを揃える動作に入り、印字信号待ちの状態となる。
【0034】
また、普通紙がセットされている普通紙フィードポジションでは、そのまま手差しを行うとシート材Pが分離爪17に引っ掛かるので、厚紙フィードポジションにして分離爪17を圧板21に付勢することで引っ掛かりを無くすことにより手差しシート材の給紙を容易にし、また手差しシート専用の給紙口を設ける必要がなくなるといった利用上及び設計上のメリットが生じる。
【0035】
また、待機状態での圧板21に対して、シート材Pの先端が下ガイド部20bまで進んでいる場合がある。この状態で、手差し給紙のために操作レバー33を普通紙のフィードポジションから厚紙フィードポジションに切り換えて分離爪17を圧板21に付勢させると、分離爪17の付勢力にシート材Pの角部が負けて変形が発生してしまう。これはシート材Pの枚数が少ないときには特に著しい。このような状態において、分離爪17のシート材Pへの掛かり量が、多数のシート材を想定した量(3〜5[mm])であると、分離爪17がシート材Pから外れてしまい、分離爪17が機能せず重送等の給紙不良が発生してしまう。そこで、本実施例においては、分離爪17の回動軸をテーパ形状とすることにより分離爪17の先端を揺動可能とすると共にベース20にガイド部20c,20d(図9、図11参照)を設けてシート材Pへのかかり量を8〜10[mm]にするようになっている。これにより、分離爪17がシート材Pから外れることが防止されている。このテーパ形状は、基準となる丸穴17cと長穴17dを結ぶテーパ穴とからなっている(図11参照)。長穴17dにより、揺動する方向が規制されて分離時における重送等を防止することが可能となっている。
【0036】
上記のように、待機状態において、分離爪がシート材に当接するときのかかり量を大きくすることが可能となり、シート材の積載枚数が少なくても分離爪がシート材から外れることが無くなったと共に、給紙時には、分離爪は待機時より少ないかかり量となるので、安定した良好な分離を行うことが可能となり、装置の信頼性が向上した。更に上記のように、テーパ穴を丸穴と長穴とを結ぶ形状とし、分離爪の揺動を規制することでシート材の重送等を防止することが可能となることによって、装置の信頼性が向上した。
【0037】
なお、前述のギヤ群(給送回転体軸79を除く)及び分離爪17、操作レバー31等はベース20の右側板上に設置した軸に設けられており、軸中心に回動可能に構成されている。
【0038】
〈実施例2〉
本発明の実施例2を図12に沿って説明する。なお、本実施例1における自動給紙機能を備えた記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0039】
先述した実施例1では、厚紙フィードポジションを操作レバーが選択している時は、分離爪17は圧板21に付勢され、圧板21には分離爪17よりも上方に凸部21dが設けられることで厚いシート材Pが載置される時に、分離爪17の下方にシート材Pが入り込まない構成とした。
【0040】
しかし本実施例では、図12に示す様に、圧板21の角部に凹部21eを設け、そこに分離爪17を逃がすことで、圧板21の表面上に分離爪17が突出しないようにしたので、厚いシート材Pが載置される時に分離爪17の下方にシート材Pが入り込まない。この場合、分離爪17による凸部がなくなった分、シート材Pの積載量を増すことができるという利点が有る。
【0041】
〈実施例3〉
本発明の実施例3を図13〜図16に沿って説明する。なお、本実施例1における自動給紙機能を備えた記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0042】
先述した実施例1においては、操作レバー33に設けられているカム33bにより、分離爪17をリリースカム31の爪カム31bと作用しない位置まで移動させたが、本実施例では図13〜図16に示す様にリリースカム31の軸方向にのみ移動可能な爪カム31cを設け、該爪カム31cを移動させて分離爪17と作用する様に構成した。以下、本構成について具体的に述べる。
【0043】
爪カム31cはリリースカム31の軸方向にのみ移動可能で、バネ31dにより操作レバー33の内壁に付勢する様に構成されている。このときのリリースカム31と爪カム31cとのカムの位相は所定位置に設定されており、分離爪17と圧板21とのリリース等のタイミングが合う様に構成されている。図13、図14は厚紙フィードポジションの状態を示し、爪カム31cがバネ31dにより外側(図13において右側)に付勢されているので、爪カム31cは分離爪17と作用しない。また図15、図16は普通紙フィードポジションの状態を示し、操作レバー33のカム33bにより爪カム31cの円板が押され内側(図15において左側)に入り込む。これにより、爪カム31cが分離爪17に作用する様になる。
【0044】
なお、この構成では、リリースレバー33の切り換えポジションが前記実施例1と逆になる(図4における、普通紙ポジションと厚紙ポジションが逆になる)。分離爪17への爪カム31cの作用及びその他については前記実施例1と全く同じである。
【0045】
〈実施例4〉
本発明の実施例4を図17、図18に沿って説明する。なお、本実施例1における記録装置は実施例1と略同じなので同一符号を付して相違点のみ述べる。
【0046】
先述した実施例1においては、分離爪17の動きをガイド20c,20dにより規制していたが、本実施例では図17、図18に示す如く、爪バネ32を斜めにかけることで、矢印方向にFという力を加えガイド20dに当接する構成にした。この場合、ガタがなく安定した爪の移動が行えるという利点が有る。
【0047】
<実施例における効果>
以上説明したように実施例1〜4においては、以下に述べるような共通する効果を発揮する。
(1) 普通紙等のシート材を圧板に載置する際には、操作レバーが普通紙フィードポジションの時は、そのまま載置すればよく、又厚紙フィードポジションのときは操作レバーを普通紙フィードポジションに移動させてシート材を載置するだけで済む。
【0048】
また、厚いシート材を圧板に載置する時は、操作レバーが厚紙フィードポジションのときは、そのままセットすればよく、普通紙フィードポジションのときは操作レバーを厚紙フィードポジションに移動させてシート材を載置するだけで済む。
【0049】
これらより、ガイド板を起こしたりする手間等が不要となる。
従って、爪分離方式を用いた自動給紙装置においても、例えば普通紙や封筒等を使い分けるのに操作レバーの切り換えのみで良く、従来の様に分離爪にシート材が引っ掛ったりすることが無くなると共に操作が非常に簡便となった。
【0050】
(2) シート材を1枚づつの手差し給紙を行う際には、操作レバーが厚紙ポジションの時はそのまま挿入すればよく、又普通紙フィードポジションのときは厚紙フィードポジションにして挿入するだけで済み、簡単な操作で手差し給紙を行うことが可能となった。
【0051】
(3) シート材の片側を基準とする片側基準印字方式においても、厚紙のセット時にガイドを必要としないので、普通紙と同じ基準で印字することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、リリースカムは、シート材給送時に給送回転体を回転させる駆動力によってシート積載手段を回動させてシート積載手段に積載されているシート材を給送回転体に接触または離間させる。また分離爪動作手段は、給送回転体とシート材とが離間している待機状態時には分離爪をシート積載手段から離間させる。これによりシート材積載手段に対するシート材の載置には手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置を備えた記録装置の斜視図。
【図2】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置を備えた記録装置の側面図。
【図3】本発明の実施例1〜4の説明に適用される給送装置における給紙部の正面図。
【図4】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図5】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図6】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の側面図。
【図7】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図8】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図9】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の分離手段の部分正面図。
【図10】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図11】本発明の実施例1の説明に適用される給送装置の分離手段の部分図で(a)は側面図(b)は正面図。
【図12】本発明の実施例2の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図13】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図14】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の部分側面図。
【図15】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図16】本発明の実施例3の説明に適用される給送装置における切換手段の部分側面図。
【図17】本発明の実施例4の説明に適用される給送装置における分離手段の部分正面図。
【図18】本発明の実施例4の説明に適用される給送装置における切換手段の側面図。
【図19】従来の技術の問題点を説明するのに適用される給送装置を備えた記録装置の側面図。
【符号の説明】
5 給送回転体
17 分離爪
17b 回動部
17c 丸穴
17d 長穴
20c,20d ガイド
21 圧板
21c 押し下げ部
21d 凸部
21e 凹部
31 リリースカム
31b 爪カム
31c 爪カム
31d ばね
32 爪ばね
33 操作レバー
33b カム
33c ストッパ
72 圧板ばね
P シート材
Claims (5)
- シート材を積載するためのシート積載手段と、
前記シート積載手段に積載されたシート材を給送する給送回転体と、
前記給送回転体により給送されたシート材を分離する分離爪と、
前記給送回転体と連動して回転し、前記シート積載手段を、該シート積載手段に積載されたシート材を前記給送回転体に当接させる状態、又は前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にするリリースカムと、
前記リリースカムの回転に応じて前記分離爪を回動させる分離爪動作手段と、
を備え、
該分離爪動作手段は、前記シート積載手段が、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態となったときに前記分離爪が前記シート積載手段から離間するよう該分離爪を回動させることを特徴とする自動給送装置。 - 前記シート積載手段を前記給送回転体の方向に付勢するシート積載手段付勢部材を備え、前記リリースカムは、前記シート積載手段付勢部材の付勢力に抗して前記シート積載手段を、前記シート材を前記給送回転体から離間させる状態にすることを特徴とする請求項1記載の自動給送装置。
- 前記分離爪を前記シート積載手段の方向に付勢する付勢部材を備え、前記分離爪動作手段は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記分離爪を前記シート積載手段から離間させることを特徴とする請求項1または2記載の自動給送装置。
- 前記分離爪動作手段と前記分離爪の係合を解除可能な切換手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動給送装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動給送装置を備え、前記自動給送装置より給送されたシート材に記録を行うことを特徴とする記録装置。
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-
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