JP3666496B2 - ガス絶縁静止誘導電器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス絶縁静止誘導電器に係り、特に複数の単位が分割されて設置されると共に、これらが三相結線され、かつ、SF6 ガス等の絶縁ガスが封入されているものに好適なガス絶縁静止誘導電器に関する。
【0002】
【従来の技術】
静止誘導電器のタンクには、例えば特開昭56−4218号公報に示されているようなタンクが採用されている。このようなタンクを用いた静止誘導電器は、通常、敷地面積をできるだけ小さくするために、各種リード線(一次,二次、及び三次リード線,二次中性点リード線,タップリード線等)をタンク上面より引き出して各単位間を接続している。
【0003】
【特許文献1】
特開昭56−4218号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、地下変電所等に設置する静止誘導電器に、上述した従来技術の方式を採用すると、タンク上面よりリード線を引き出すことになるので、リード線を収納しているリード線用ダクトの分だけ高さが必要となり、地下変電所に採用する場合には地下の掘削深さが大きくなってしまい、地下変電所の建設コストが大幅に増加するという欠点があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、装置全体を単純、かつ、小形化して地下変電所に採用する場合であっても建設コストが大幅に低減可能なガス絶縁静止誘導電器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために、1つの単位を単相構成とし、1単位ごとに絶縁ガスが封入され、少なくとも巻線と鉄心からなる中身を収納してなる複数個のタンクと各単位のそれぞれの巻線とタップリード線を介して接続されるタップ切換器が同一方向に配置され、かつ、前記タップリード線が前記タンクの側面から引き出されると共に、引き出されたタップリード線は、前記タンク間にあるダクト内及びタンク内を通り前記タップ切換器に接続されていることを特徴とする。
【0007】
また、複数個のタンクが略直線状に配置され、かつ、一次リード線の各々がタンクの側面中央部から引き出され、これら引き出された一次リード線は、前記複数個のタンクの設置方向と略平行に配置された共通の一次リード線用ダクト内に収納されていること、複数個のタンクとタップ切換器は同一方向に所定間隔をもって配置され、かつ、相隣接するタンク間、及びタンクとタップ切換器間が各間に配置されたタップリード線用ダクトで連結されていること、複数個のタンクとタップ切換器は同一方向に所定間隔をもって配置され、かつ、相隣接するタンク間、及びタンクとタップ切換器間が各間に配置されたタップリード線用ダクトで連結されていると共に、該タップリード線用ダクトが配置されている側とは反対側の相隣接するタンクが各タンク間に配置されたリード線用ダクトで連結されていること、複数個のタンクを略直線状に配置し、かつ、該タンクごとに冷却器を設けると共に、この冷却器とケーブルヘッドとを交互に配置したこと、複数個のタンクを竪置きに設置すると共に、これらを略直線状に配置し、かつ、該タンク間側方の一部にタップ切換器が配置されていること、複数個のタンクを竪置きに設置すると共に、これらを略直線状に配置し、かつ、該タンク間をつなぎタップリード線を収納するタップリード線用ダクトが配置されるタンク側方の一部に前記タップ切換器が配置されていることをそれぞれ特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明のガス絶縁静止誘導電器を詳細に説明する。尚、本実施例は、ガス絶縁変圧器を例にして説明する。
【0009】
図1、及び図2に本発明のガス絶縁変圧器の一実施例を示す。該図に示すごとく、本実施例のガス絶縁変圧器は、鉄心1と巻線2などで構成される中身が、1つの単位を単相構成とし、1単位ごとにSF6 ガスを封入した円筒形タンク3内に収納されて構成され、これらが複数個設置されている。上記各円筒形タンク3は竪置きに設置され、負荷時タップ切換器4と共に一列に略直線状に配置されており、かつ、鉄心1の長手方向は、この円筒形タンク3の配置方向と略同一方向となっている。また、隣接する各円筒形タンク3は、この円筒形タンク3の側方に配置された後述する三次リード線9,二次リード線10,二次中性点リード線11が収納されているリード線用ダクト5で連結され、一方、これとは反対側の隣接する円筒形タンク3間、及び円筒形タンク3とタップ切換器4は、各間の側方に配置された後述するタップリード線13が収納されているタップリード線用ダクト15で連結されている。更に、各円筒形タンク3ごとに上記SF6 ガスを冷却する冷却器14が設けられている。
【0010】
また、各巻線2には一次リード線12が接続されており、この一次リード線
12の各々は、各円筒形タンク3の側面中央部から引き出され、これら引き出された一次リード線12は、上記複数個の略直線状に配置された円筒形タンク3の設置方向と略平行に配置された共通の一次リード線用ダクト16内に収納されている。更に、各巻線2からの三次リード線9,二次リード線10,二次中性点リード線11を外部端子として引き出す三次ケーブルヘッド6,二次ケーブルヘッド7,二次中性点ケーブルヘッド8が設けられており、これら各三次ケーブルヘッド6,二次ケーブルヘッド7,二次中性点ケーブルヘッド8と交互に上記冷却器14が配置されている。各巻線2からの三次リード線9,二次リード線10,二次中性点リード線11は、上述した隣接する円筒形タンク3間の側方に配置されているリード線用ダクト5内を介し、円筒形タンク3の内側を渡らせて各ケーブルヘッド6,7,8、及び一次側母線へと接続される。
【0011】
13は各巻線2と上記負荷時タップ切換器4を接続するタップリード線で、このタップリード線13は、各巻線2から各円筒形タンク3の側面より引き出され、この側面からタップリード線用ダクト15を通り隣合う円筒形タンク3の内側を渡らせ、更にタップリード線用ダクト15,円筒形タンク3の内側を通過して負荷時タップ切換器4に接続されている。
【0012】
このような本実施例の構成によれば、複数個の円筒形タンクを竪置きに設置し、これらを略直線状に配置しているので、装置全体が単純、かつ、コンパクト化されることは勿論、鉄心の長手方向を複数個の円筒形タンクの配置方向と同方向にしているので、各リード線は円筒形タンクの側面から引き出すことができるため、ガス絶縁変圧器の据付け高さを低くすることができ、また、円筒形タンクの内側に各リード線を渡らせることによって、各リード線を収納しているリード線用ダクトの長さを短くできるため、全体の平面寸法はほとんど増加しないので、結局、ガス絶縁変圧器が単純、かつ、小形化されて地下変電所に採用する場合には、建設コストが大幅に低減されることになる。
【0013】
図3、及び図4は本発明の他の実施例を示す。該図に示す実施例の概略構成は、上述した実施例と略同様なので詳細説明は省略する。
【0014】
本実施例では、円筒形タンク3間の一部の側方に、円筒形タンク3の配置方向と並設して負荷時タップ切換器4が配置されている。この負荷時タップ切換器4と円筒形タンク3間、及び円筒形タンク3間は後述するタップリード線13が収納されている。
【0015】
各巻線2には一次リード線12が接続されており、この一次リード線12の各々は、各円筒形タンク3の側面中央部から引き出されている。各巻線2と負荷時タップ切換器4はタップリード線13で接続されており、このタップリード線
13は、各巻線2から各円筒形タンク3の側面より引き出され、一方、負荷時タップ切換器4と隣接する円筒形タンク3の側面より引き出されたタップリード線13は、タップリード線用ダクト15を介して直接負荷時タップ切換器4に接続され、それ以外、つまり、負荷時タップ切換器4から離れている円筒形タンク3の側面から引き出されたタップリード線13は、タップリード線用ダクト15を通り隣合う円筒形タンク3の内側を渡り負荷時タップ切換器4に接続されている。
【0016】
このような本実施例の構成でも、上述した実施例と同様な効果を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明した本発明のガス絶縁静止誘導電器によれば、装置全体を単純、かつ、小形化されて地下変電所に採用する場合であっても建設コストを大幅に低減可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス絶縁静止誘導電器の一実施例であるガス絶縁変圧器を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】本発明のガス絶縁静止誘導電器の他の実施例を示す平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【符号の説明】
1…鉄心、2…巻線、3…円筒形タンク、4…負荷時タップ切換器、5…リード線用ダクト、6…三次ケーブルヘッド、7…二次ケーブルヘッド、8二次中性点ケーブルヘッド、9…三次リード線、10…二次リード線、11…二次中性点リード線、12…一次リード線、13…タップリード線、14…冷却器、15…タップリード線用ダクト、16…一次リード線用ダクト。

Claims (4)

  1. 1つの単位を単相構成とし、1単位ごとに絶縁ガスが封入されたタンクに、少なくとも巻線と鉄心からなる中身を収納して構成され、これらが複数個設置されると共に、前記各単位のそれぞれの巻線とタップリード線を介して接続されるタップ切換器を備えているガス絶縁静止誘導電器において、
    前記複数個のタンクとタップ切換器は同一方向に所定間隔をもって配置され、かつ、相隣接するタンク間、及びタンクとタップ切換器間が各間に配置されたタップリード線用ダクトで連結されていると共に、該タップリード線用ダクトが配置されている側とは反対側の相隣接するタンクが各タンク間に配置されたリード線用ダクトで連結されていることを特徴とするガス絶縁静止誘導電器。
  2. 1つの単位を単相構成とし、1単位ごとに絶縁ガスが封入されたタンクに、少なくとも巻線と鉄心からなる中身を収納して構成され、これらが複数個設置されると共に、前記絶縁ガスを冷却する冷却器と、各巻線からのリード線を外部端子として引き出す複数のケーブルヘッドとを備えているガス絶縁静止誘導電器において、
    前記複数個のタンクを略直線状に配置し、かつ、該タンクごとに前記冷却器を設けると共に、この冷却器と前記ケーブルヘッドとを交互に配置したことを特徴とするガス絶縁静止誘導電器。
  3. 1つの単位を単相構成とし、1単位ごとに絶縁ガスが封入されたタンクに、少なくとも巻線と鉄心からなる中身を収納して構成され、これらが複数個設置されると共に、前記各単位のそれぞれの巻線とタップリード線を介して接続されるタップ切換器を備えているガス絶縁静止誘導電器において、
    前記複数個のタンクを竪置きに設置すると共に、これらを略直線状に配置し、かつ、該タンク間をつなぎ前記タップリード線を収納するタップリード線用ダクトが配置される前記タンク側方の一部に前記タップ切換器が配置されていることを特徴とするガス絶縁静止誘導電器。
  4. 前記タップリード線は前記タンクの側面から引き出されると共に、前記タップ切換器と隣接しているタンクから引き出されたタップリード線は直接前記タップ切換器と接続され、かつ、前記タップ切換器と離れているタンクから引き出されたタップリード線は前記タップリード線用ダクト内及びタンク内を通り前記タップ切換器に接続されていることを特徴とする請求項3記載のガス絶縁静止誘導電器。
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