JP3666176B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示機能を有する入力手段とキーボード式の入力手段を交換可能な電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、店舗や鉄道の駅等においては、例えば液晶パネル等からなる表示部に対し、いわゆるタッチパネル方式によって入力を行いうる電子機器が設けられている。この種の電子機器においては、入力手段の画面の所定位置に指を触れることによって所定の情報を入力し、その情報をコンピュータで処理してプリントアウトするように構成されている。
【0003】
一方、上記タッチパネル方式の入力手段の代わりにキーボード式の入力手段を用いた電子機器も従来より知られている。この種の電子機器においては、キーボードによって所定の情報を入力し、その情報をコンピュータで処理してプリントアウトするように構成されている。
【0004】
従来、このような入力機能の異なる電子機器は、その設置場所の用途や目的等に応じて適当なものが採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような入力機能の異なる入力手段を共通の機器本体に装着して共用できれば、選択の幅が広がるとともに、製造コストを低減することが可能になる。
【0006】
しかしながら、例えば、上述したタッチパネル式の入力手段とキーボード式の入力手段とは、使用される状態が異なるという問題がある。すなわち、タッチパネル式の入力手段は、使用者が見やすいように立てた状態にすることが望ましいのに対し、キーボード式の入力手段の場合は、キーが打ちやすいように水平の状態にすることが望ましいものである。
【0007】
そのため、従来は、異なる入力機能を有する電子機器を別々に構成しなければならなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、入力機能の異なる入力手段を選択的に共通の機器本体に装着して最適の状態で使用しうる電子機器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子機器は、
円弧状の装着面と、当該円弧方向に沿って形成されたガイド部と、が設けられた機器本体と、
前記機器本体の前記装着面と対向する側に前記装着面と略等しい曲率の円弧面と、前記ガイド部に摺動可能に係合する摺動部と、を備え、前記機器本体の装着面に沿って摺動可能に係着された入力手段と、
前記摺動可能な入力手段と前記機器本体とを係合させて前記入力手段の移動を不可とするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、前記機器本体の装着面においてその円弧方向に延びるラック部と、前記入力手段の円弧面から突出して前記ラック部と噛み合う歯部を有するロック部材と、から構成され、
前記入力手段の端部に、前記ロック部材を動かして、前記ロック機構のロックの噛み合いとロックの解除とを切り換え操作するための駆動部材を前記ロック部材から延設してなり、
前記入力手段は、前記機器本体への装着時の入力部の角度が、その機能に応じて異なるように交換可能に構成されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明の場合、入力機能の異なる入力手段を選択的に機器本体に装着することができ、しかも、その際、入力手段の入力部の角度を入力機能に応じて異ならせることができるため、入力部の使用角度が異なる入力手段に対しても、常に最適の使用角度で装着することが可能になる。
【0011】
特に、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の発明において、入力手段が、表示機能を有する接触式入力手段と、キーボード式入力手段である場合に効果的である。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、入力手段を機器本体へ装着する際、例えば、キーボード式入力手段の入力部の角度を水平付近にする一方、表示機能を有する接触式入力手段の入力部の角度を水平より起こした状態にすることができ、常にこれらを最適の使用角度で装着することが可能になる。
【0013】
更に、請求項3記載の発明のように、キーボード式入力手段は、接触式入力手段の筐体と同一の筐体を使用し、キーボード面を接触式入力手段よりも傾斜角度が小さくなるよう接触式入力手段の接触部が配置される筐体の上面に対し傾斜させると、より効果的である。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、キーボード式入力手段は、キーボード面を接触式入力手段よりも傾斜角度が小さくなるよう接触式入力手段の接触部が配置される筐体の上面に対し傾斜しているので、キーボードの操作がし易く操作性の向上を図ることができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子機器の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る電子機器1の全体構成を示すものであり、図2は、同電子機器1の機器本体2の外観を示すものであり、図3は、同電子機器1の機器本体2の断面構成を示すものである。
【0017】
また、図4は、本実施の形態に係る電子機器1の入力手段3の例を示すものであり、図4(a)はキーボード式の入力手段3A、図4(b)はタッチパネル式の入力手段3Bである。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態の電子機器1は、例えば樹脂からなる機器本体2と、機器本体2の前方上部に設けられる入力手段3とから構成される。
【0019】
図2に示すように、機器本体2には、その前方上部に円弧状の装着面2aが形成されている。そして、この装着面2a上の両側部に、入力手段3を装着面2aに沿って案内するためのガイド部4が設けられている。
【0020】
ガイド部4は、装着面2aの中央側に位置するフランジ付の内側ガイドレール4aと、装着面2aの両側部側に位置する外側ガイドレール4bとから構成される。各ガイド部4の内側ガイドレール4aと外側ガイドレール4bは、それぞれ装着面2aの湾曲(円弧)方向に向って平行に延びるように形成されている。
【0021】
ここで、図3に示すように、内側ガイドレール4aの下端部40は、閉止されるようになっている。
【0022】
一方、装着面2aの中央部には、装着面2aの湾曲方向に延びるように位置決め部5が設けられている。図3に示すように、この位置決め部5は、装着面2aの表面から突出しないようにラック状の多数の歯部5aが形成されているものである。
【0023】
なお、位置決め部5の近傍には、入力手段3を補助的に係止するための係止部材6が設けられている。
【0024】
図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施の形態においては、2種類の入力手段3が用いられ、後述するようにこれらが交換可能となるように構成されている。
【0025】
ここで、図4(a)に示すキーボード式の入力手段3Aと、図4(b)に示すタッチパネル式の入力手段3Bは、ともに同一の構成を有する本体部30と、異なる入力機能を有する入力部31(31A、31B)とから構成される。
【0026】
各本体部30には、機器本体2の装着面2aとほぼ同一の曲率を有する底面32が形成されている。そして、図4(a)に示す入力手段3Aにおいては、入力部31Aにキーボード33が設けられ、図4(b)に示す入力手段3Bにおいては、入力部31Bにタッチパネル式の入力機能を有する表示入力部34が設けられている。
【0027】
図4(a)に示すように、キーボード式の入力手段3Aの場合は、キーボード33が、本体部30の上面30aに対し、底面32の湾曲方向に所定の角度だけ傾斜するように配列されている。
【0028】
すなわち、図1及び図4(a)に示すように、本実施の形態においては、入力部31Aに、機器本体2に装着する際上側に位置する上端部分31aに向って深くなるような凹部31bが形成され、これにより上端部分31aに向ってキーボード33が低くなるように構成されている。
【0029】
一方、図4(b)に示すように、タッチパネル式の入力手段3Bの場合は、本体部30の上面30aに対して平行となるように表示入力部34が設けられる。
【0030】
図5は、入力手段3の本体部30の内部構成を示す縦断面図、図6は、入力手段3の本体部30の内部構成を示す横断面図、図7は、入力手段3の本体部30の内部構成を示す平面図である。また、図8は、ロック機構7の要部を示すものである。
【0031】
図6に示すように、入力手段3の本体部30の底面32には、機器本体2のガイド部4と係合するガイド溝32aが形成されている。そして、ガイド溝32aの両側には、一対のガイド部材35、36によってガイド溝37が形成され、これらのガイド溝37が機器本体2のガイドレール4bと係合するように構成されている。
【0032】
一方、入力手段3の本体部30の内部には、入力手段3を機器本体2に固定するためのロック機構7が設けられている。このロック機構7は、本体部30の底部300に立設された支軸8を中心として本体部30の上面30aと平行方向に回動自在に支持される駆動レバー9を有している。この駆動レバー9は、その一方の端部9aにピニオン部9bが形成され、このピニオン部9bが本体部30の上面30aの一辺301に設けた駆動部材10のラック部10aと噛み合うように構成されている。
【0033】
図7及び8に示すように、駆動部材10は、本体部30の一辺301と平行に延びるガイド部材11に係合され、駆動部材10に設けた把持部10bを指でつまんで動かすことによりガイド部材11に沿って矢印A又はB方向に移動するように構成されている。
【0034】
一方、駆動レバー9の他方の端部には、略扇形状の駆動部9cが設けられている。図8に示すように、この駆動部9cには、円弧状の長孔9dが形成されている。また、駆動部9cの先端の円弧部分9eは、円弧に沿って厚みが異なるように肉厚部9fと肉薄部9gが形成され、さらに、その本体部30側の面において、その肉厚部9fと肉薄部9gとの間に傾斜部9hが形成されている。
【0035】
駆動レバー9の駆動部9cの先端の円弧部分9eと本体部30の底部300との間には、入力手段3の本体部30を固定するためのロック部材12が配置される。このロック部材12は、その下側部分に、機器本体2の装着面2aに設けた位置決め部5の歯部5aと噛み合う歯部12aが形成される。また、ロック部材12には、その歯部12aの方向に折り曲げられた一対のアーム状の板ばね13が固定されている。
【0036】
そして、図7に示すように、このロック部材12は、板ばね13によって本体部30の底部300の支持部300aに支持され、本体部30の底部300に形成された孔部300bに歯部12aが挿入されるようになっている。
【0037】
この場合、ロック部材12は板ばね13の弾性力によって駆動レバー9の駆動部9cに付勢され、ロック部材12の頭部12bが駆動部9cの肉薄部9gに当接した状態においてロック部材12の歯部12aが本体部30の底面32から突出しないように構成される。さらに、駆動レバー9の駆動部9cの先端の円弧部分9eは、本体部30の底部300に固定される略コ字状の支持部材14によって支持されるようになっている。
【0038】
このような構成を有する本実施の形態において、入力手段3を機器本体2に装着する場合には、入力手段3の本体部30の底部300に設けたガイド溝32a、37と、機器本体2の装着面2aに設けた内側及び外側ガイドレール4a、4bとを機器本体2の上方から係合し、入力手段3をガイド部4に沿って下方にスライドさせる。この状態においては、図6及び図8に示すように、駆動レバー9の駆動部9cの肉薄部9gとロック部材12の頭部12bとを当接させておき、入力手段3の本体部30の底面32からロック部材12の歯部12aが突出しないようにしておく。
【0039】
そして、入力手段3の入力部31の角度が所定の角度となった位置において、図8に示すように、駆動部材10を矢印B方向に移動させ、駆動レバー9を時計回り方向へ回転させる。その結果、駆動レバー9の駆動部9cの肉厚部9fがカムとして働くため、ロック部材12は、図8に示す位置から下方(矢印C方向)に押し下げられ、図6及び図7に示すように、本体部30の底面32からロック部材12の歯部12aが突出して機器本体2の位置決め部5の歯部5aと噛み合い、これにより図1の実線で示すように、入力手段3の入力部31が所定の角度で位置決め固定される。
【0040】
なお、本実施の形態の場合、機器本体2の装着面2aに設けた外側ガイドレール4aの下端部40は閉止されており、入力手段3を下方に押し下げた場合には、入力手段3のガイド溝32aの端部がこの外側ガイドレール4aの下端部40に当接するので、入力手段3と機器本体2との係合が外れてしまうことはない。
【0041】
そして、その状態では、例えば図1の点線で示すように、入力手段3の入力部31が若干前方側に傾斜した状態となる。この場合、入力手段3が図4(a)に示すキーボード式の入力手段3Aである場合には、上述したようにキーボード33が前方側へ傾斜するように配列されているため、キーボード33をほぼ水平にして打ちやすい状態にすることができる。
【0042】
一方、入力手段3が図4(b)に示すタッチパネル式の入力手段3Bである場合には、表示入力部34は入力部31Bに対して平行となっているため、図1の実線で示される位置において良好な表示状態を得ることができる。
【0043】
他方、入力手段3を機器本体2から取り外す場合には、上記動作とは反対に駆動部材10を矢印A方向に移動させて駆動レバー9を反時計回り方向へ回転させる。その結果、板ばね13の付勢力によってロック部材12が上方(矢印D方向)に引き上げられるので、ロック部材12の歯部と機器本体2の位置決め部5の歯部との噛み合いが解除され、上述した状態に復帰する。さらに、入力手段3をガイド部4に沿って上方に引き上げれば、容易に入力手段3を機器本体2から取り外すことができる。
【0044】
なお、入力手段3の角度を変える場合には、入力手段3を機器本体2から取り外す場合と同様に駆動部材10を操作してロック部材12と機器本体2の位置決め部5との噛み合いを解除し、入力手段3の本体部30を機器本体4のガイド部4に沿ってスライドさせ、再び駆動部9c材10を操作してロック部材12と機器本体2の位置決め部5とを噛み合わせればよい。これにより、例えば図1の実線で示されるように、入力部31を起こした状態で入力手段3を固定することが可能になる。
【0045】
以上述べたように本実施の形態によれば、入力機能の異なるキーボード式の入力手段3Aとタッチパネル式の入力手段3Bを共通の機器本体2に装着して最適の状態で使用することができる。その結果、本実施の形態によれば、キーボード式の入力手段3Aとタッチパネル式の入力手段3Bとを問題なく交換することができ、選択の幅を拡げることができるとともに、製造コストを低減させることが可能になる。
【0046】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
【0047】
例えば、上述の実施の形態においては、キーボード式の入力手段3Aの入力部31Aに凹部31bを形成することによりキーボード33の角度を傾斜させるようにしたが、本発明はこれに限られず、種々の方法によってキーボード33の角度を傾斜させることができ、また、その角度も任意のものとすることができる。
【0048】
さらに、タッチパネル式の入力手段3Bの入力部34の角度についても、本体部30の上面30aに対して平行である場合に限られず、キーボード式の入力手段3Aと同様に所定の角度だけ傾斜させるようにすることもできる。
【0049】
さらにまた、本発明は、表示機能を有する接触式入力手段と、キーボード式入力手段のみならず、その他の入力手段にも適用することができる。ただし、上述の実施の形態のように、キーボード式の入力手段3Aを装着する場合に特に有効なものである。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、入力機能の異なる入力手段を選択的に共通の機器本体に装着して最適の状態で使用することができる。その結果、本発明によれば、例えば、キーボード式入力手段と表示機能を有する接触式入力手段を問題なく交換することができ、選択の幅を拡げることができるとともに、製造コストを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子機器の好ましい実施の形態の全体を示す概略構成図である。
【図2】同実施の形態の機器本体の外観を示す平面図である。
【図3】同実施の形態の機器本体の断面を示す概略構成図である。
【図4】同実施の形態に係る電子機器の入力手段の例を示すものであり、図4(a)はキーボード式の入力手段、図4(b)はタッチパネル式の入力手段を示すものである。
【図5】同実施の形態の入力手段の本体部の内部構成を示す縦断面図である。
【図6】同実施の形態の入力手段の本体部の内部構成を示す横断面図である。
【図7】同実施の形態の入力手段の本体部の内部構成を示す平面図である。
【図8】同実施の形態のロック機構の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2 機器本体
3 入力手段
3A キーボード式の入力手段
3B タッチパネル式の入力手段
4 ガイド部
30 本体部
30a 上面
31(31A、31B) 入力部
31a 上端部分
31b 凹部
33 キーボード
34 表示入力部
35、36 ガイド部材
301 縁部

Claims (3)

  1. 円弧状の装着面と、当該円弧方向に沿って形成されたガイド部と、が設けられた機器本体と、
    前記機器本体の前記装着面と対向する側に前記装着面と略等しい曲率の円弧面と、前記ガイド部に摺動可能に係合する摺動部と、を備え、前記機器本体の装着面に沿って摺動可能に係着された入力手段と、
    前記摺動可能な入力手段と前記機器本体とを係合させて前記入力手段の移動を不可とするロック機構と、
    を備え、
    前記ロック機構は、前記機器本体の装着面においてその円弧方向に延びるラック部と、前記入力手段の円弧面から突出して前記ラック部と噛み合う歯部を有するロック部材と、から構成され、
    前記入力手段の端部に、前記ロック部材を動かして、前記ロック機構のロックの噛み合いとロックの解除とを切り換え操作するための駆動部材を前記ロック部材から延設してなり、
    前記入力手段は、前記機器本体への装着時の入力部の角度が、その機能に応じて異なるように交換可能に構成されてなることを特徴とする電子機器。
  2. 前記交換可能な入力手段は、表示機能を有する接触式入力手段と、キーボード式入力手段であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記キーボード式入力手段は、前記接触式入力手段の筐体と同一の筐体を使用し、キーボード面を前記接触式入力手段よりも傾斜角度が小さくなるよう前記接触式入力手段の接触部が配置される前記筐体の上面に対し傾斜していることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
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