JP3665438B2 - 電子内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入部の先端に配置された固体撮像素子によって内視鏡観察像を撮像するようにした電子内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡においては、一般に、対物光学系とその対物光学系によって結像される像を撮像するための固体撮像素子とが、挿入部の先端を構成する先端部本体内に配置されている。固体撮像素子としては、CCD(電荷結合素子)が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡は一回使用する毎に感染防止のために洗浄消毒を行う必要がある。消毒方法としては、これまでは薬液消毒やエチレンオキサイドガス滅菌が広く行われてきている。
【0004】
しかし、消毒薬液やエチレンオキサイドガスが内視鏡に残留すると、人体に対して有害であることや、胃潰瘍の原因菌であるヘリコバクターピロリ菌やその他のウィルスなどをより高度なレベルで滅菌するために、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が行われるようになってきている。
【0005】
オートクレーブは、毒性が無くて人体に対して安全であるが、一般に被滅菌物を120°C〜135°C程度の高温の環境下に置くことになる。
ところが、CCDは一般に、組み立てに使用されている接着剤と被接着物との熱膨張係数の相違等から、80°C程度以上に加熱されると破損してしまう場合が多い。そのため、電子内視鏡をオートクレーブによって滅菌することは困難であった。
【0006】
また、CCDは、画素間のピッチが6〜10μm程度と非常に小さいので、内視鏡を組み立てている最中に発生する静電気によって、CCD内で放電が起きると静電破壊を起こし不良品になってしまう場合がある。そのような場合には、内視鏡をすべて分解して最初から組み立て直さなければならない。
【0007】
また、内視鏡使用中などに、挿入部の先端部分をぶつけたり床に落としたりして、その衝撃によってCCDが破損する場合がある。そのような場合には、内視鏡ごと交換するか、CCDを交換するために内視鏡全体を分解修理する必要がある。
【0008】
本発明は、上述のような不都合を改善するためになされたものであって、先端の固体撮像素子部分だけの交換を容易に行うことができ、また、オートクレーブによる滅菌処理を行うことができる電子内視鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡は、対物光学系とその対物光学系によって結像される像を撮像するための固体撮像素子とが挿入部の先端に設けられた電子内視鏡において、上記対物光学系と上記固体撮像素子とが取り付けられたユニットを上記挿入部の先端部分に外部から着脱自在に構成して、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記挿入部の先端部分と上記ユニットとの間で撮像信号等を伝送するために接続される電気接点と、その状態において外部の水分が少なくとも上記電気接点部分に侵入しないようにするための防水手段とを設けたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記対物光学系と上記固体撮像素子とが取り付けられたユニットが上記挿入部の先端部分から取り外された状態において、外部の水分が上記挿入部の先端部分内に侵入しないように、上記挿入部の先端部分が防水構造になっているとよい。そして、上記ユニットがそれ自体で、外部の水分が内部に侵入しない防水構造になっているとよい。
【0011】
また、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記ユニットを上記挿入部の先端部分に固定するための固定部材が、上記挿入部の先端部分に対して螺合するようになっていてもよい。
【0012】
或いは、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記ユニットを上記挿入部の先端部分に固定するための固定部材が、上記挿入部の先端部分に対してクリック固定されるようになっていてもよい。
【0013】
また、上記固定部材が、上記挿入部の先端部分に対して係脱自在なフード状部材であってもよく、上記電気接点が、上記ユニットの後端面部分又は外周面部分に配置されていてもよい。
【0014】
また、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに嵌まり合う凸部と凹部とが上記ユニットと上記挿入部の先端部分とに設けられていて、上記電気接点が上記凸部の外周面と上記凹部の内周面とに配置されていてもよい。
【0015】
そして、上記凸部が上記挿入部の先端部分側から突出して設けられていて、その中に照明用ライトガイドが挿通配置されていてもよく、上記凸部と凹部とが、上記ユニットの中心軸線位置に配置されていてもよい。また、上記凸部と凹部とが複数組設けられていてもよい。
【0016】
なお、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに、上記電気接点が設けられた部分の上記ユニット側又は上記挿入部の先端部分側の壁部の少なくとも一方が弾性変形して、上記電気接点を接続方向に付勢するようになっていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、電子内視鏡を示しており、可撓管からなる挿入部1の基端が操作部2に連結され、挿入部1の先端部分1aには先端ユニット3が着脱自在に連結されている。4は、操作部2からの遠隔操作によって屈曲自在な湾曲部である。
【0018】
図1は、挿入部1の先端部分1aを示しており、6は、可撓管(湾曲部4を含む)の先端に取り付けられていて、その先側に先端ユニット3が着脱自在に連結される先端口金である。
【0019】
先端ユニット3のブロックを構成するユニット本体7は、例えば電気絶縁性のプラスチックによって形成されていて、その先端面に観察窓8や照明窓9などが配置されている。
【0020】
ユニット本体7の観察窓8の内側には、対物光学系11が内蔵されており、その対物光学系11による被写体の結像面に、例えばCCDからなる固体撮像素子12の撮像面が配置されている。
【0021】
13は、固体撮像素子12が取り付けられた回路基板であり、固体撮像素子12の他にも、固体撮像素子12を駆動するための電子部品14などが取り付けられている。
【0022】
照明窓9の内側には、被写体を照明する照明光を伝達するための短いライトガイドファイバ16が配置されていて、照明窓9の部分には、カバーガラス17が嵌め込まれている。
【0023】
ユニット本体7は円柱状に形成されていて、挿入部1の先端口金6に対して前方から着脱自在であり、ユニット本体7の後端面には、先端口金6の先端面に形成された凹部20に嵌まり込む凸部19が突設されていて、後述する電気接点24,25と共に、位置決めと回転止め等の役目を果たしている。
【0024】
ユニット本体7の周囲は、円筒状のフード状部材21によって囲まれており、このフード状部材21と先端口金6とに形成されたネジ部22を螺合させることによって、ユニット本体7が前方(図1において左方)から先端口金6に押し付けられた状態で固定される。
【0025】
ユニット本体7の後端面部分には、回路基板13上の回路に接続線23を介して接続されたピン状の複数の電気接点24が、後方に向けてユニット本体7の軸線方向と平行に突設されている。
【0026】
一方、先端口金6の先端面部分には、その内部の電気配線26に接続された筒状の複数の電気接点25が、ユニット本体7側の電気接点24に対向して軸線方向と平行に配置されている。27は、電気絶縁部材である。
【0027】
その結果、図1に示されるように、先端ユニット3が挿入部1の先端部分1aに連結された状態では、双方の電気接点24,25が接続されて、固体撮像素子12と挿入部1内の電気配線26との間で信号(撮像信号及びCCD駆動信号など)の伝送が行われる。
【0028】
なお、先端ユニット3を先端口金6に連結する際には、まず図1に示される状態に比べてフード状部材21をその長さの半分程度ユニット本体7の先側へずらしておき、その状態でユニット本体7の後端部分を先端口金6の先端部分に接続する。その際に、凸部19と凹部20の係合及び電気接点24,25の接続によって、ユニット本体7と先端口金6との間の位置決めが行われる。
【0029】
そして、その状態からフード状部材21を後方(先端口金6に近づける方向)にずらして、フード状部材21と先端口金6とをネジ部22で螺合させる。ユニット本体7と先端口金6は相対的に回転しない状態に係合しているので、螺合操作の際にユニット本体7が回転してしまうことはない。
【0030】
ネジ部22が螺合するようにフード状部材21を締め込んでいくと、ユニット本体7の外周部後端に突設されたフランジ部7aに、フード状部材21の内周面に形成された段部21aが押し付けられて、ユニット本体7が先端口金6の前端面に押し付け固定された状態になる。なお、このようなフード状部材21によるユニット本体7の取り付け動作は、後述する第3〜第6の実施の形態においても同様である。
【0031】
そして、フード状部材21と先端口金6とのネジ部22における結合を解いて、先端口金6に対してユニット本体7を前方に引っ張れば、先端ユニット3が先端口金6から外れて、電気接点24,25の接続が外れる。
【0032】
28は、挿入部1内に挿通配置された照明用ライトガイドファイバであり、その射出端面は、先端口金6の先端面に位置している。そして、図1に示されるように、先端ユニット3が挿入部1の先端部分1aに連結された状態では、先端ユニット3内と挿入部1内の双方のライトガイドファイバ16,28の端面がぴったりと対向するようになっている。
【0033】
フード状部材21の先端近傍の内周面には、ユニット本体7の外周面に密接するシール用のOリング31が装着されている。また、先端口金6のネジ部22の後端部分には、フード状部材21の口元の内周面に密接するシール用のOリング32が装着されている。
【0034】
その結果、図1に示されるように、挿入部1の先端部分1aに先端ユニット3が連結された状態においては、両Oリング31,32によるシール効果によって、電気接点24,25部分やネジ部22などに外部の水分が侵入しないようになっている。
【0035】
したがって、先端ユニット3が挿入部1の先端部分1aに取り付けられた使用状態においては、電気接点24,25に水分が付着して信号不良などが発生するおそれがない。
【0036】
また、先端ユニット3は、フード状部材21がユニット本体7に対して回転及び摺動自在であって、ユニット本体7から取り外すことができるが、ユニット本体7の表面部分は全て水密に封止されていて、その内部に外から水分が侵入しないようになっている。したがって、先端ユニット3は、挿入部1から取り外した単体状態で十分に洗浄及び消毒をすることができる。
【0037】
一方、挿入部1の側も、先端ユニット3が取り外された状態において、外部から内部に全く水分が侵入しない防水構造になっている。したがって、この電子内視鏡を検査に使用したら、先端ユニット3を取り外した状態で、挿入部1側(操作部2も含む)をオートクレーブ装置に入れて高圧蒸気による滅菌消毒を行うことができる。
【0038】
そのようにして、先端ユニット3を取り外して滅菌消毒を行えば、固体撮像素子12をオートクレーブ装置内に入れなくて済むので、固体撮像素子12を熱破壊から守ることができる。
【0039】
また、固体撮像素子12が組み込まれた先端ユニット3が挿入部1に対して着脱自在なので、組み立て中や使用中に固体撮像素子12が破損したような場合には、先端ユニット3だけを交換すればよく、挿入部1側には全く手を加える必要がない。
【0040】
なお、電気接点24,25の数が多数必要な場合には、例えば図3に示されるように、電気接点24,25を円周上に配置するなど適宜の配置をとることができる。
【0041】
図4及び図5は、本発明の第2の実施の形態の電子内視鏡の挿入部1の先端部分を示しており、図4は先端ユニット3が先端口金6から取り外された状態を示し、図5は先端ユニット3が先端口金6に連結された状態を示している。
【0042】
この実施の形態においては、先端ユニット3の後端部分から後方に向かって突設された凸部19に複数の電気接点24が設けられていて、その凸部19が嵌め込まれる大きさの凹部20が先端口金6の先端面に穿設されている。
【0043】
先端ユニット3側の複数の電気接点24は、軸線方向に互いの間隔をあけて配置されていて、各々が凸部19を周状に囲んで設けられている。そして、凸部19の内側に通された接続線23によって回路基板13の回路と接続されている。
【0044】
一方、先端口金6側の複数の電気接点25は、先端ユニット3側の電気接点24に対してユニット本体7の軸線方向と垂直方向に対向するように、凹部20の内周面に設けられていて、挿入部1内の電気配線26に接続されている。
【0045】
なお、電気接点24,25の数は、必要に応じて増減すればよく、各電気接点24,25と配線との接続位置は、凸部19と凹部20の軸線回りに回転方向に順に位置をずらして配置してもよい。
【0046】
この実施の形態においては、対物光学系11、固体撮像素子12及び回路基板13などは、第1の実施の形態と形状が異なるが、機能的には同じものなので、第1の実施の形態と同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
38は、挿入部1内に挿通された鉗子チャンネルであり、その先端が先端口金6に固定されている。そして、先端ユニット3が先端口金6に取り付けられた状態では、ユニット本体7に形成された鉗子通過孔39が、鉗子チャンネル38に対して真っ直ぐに連通接続されるようになっている。40は、その接続部をシールするためのOリングである。
【0048】
この実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に先端ユニット3を挿入部1の先端部分1aに固定するのは、ネジ部22において先端口金6と螺合するように設けられたフード状部材21である。
【0049】
ただし、このフード状部材21はユニット本体7の先端面より前方に長く形成されている。このようにフードが先端から突出した内視鏡は、食道用又は大腸用として適している。
【0050】
先端ユニット3が先端口金6に取り付けられたときに、電気接点24,25部分を防水するためのOリング37は、ユニット本体7の外周部に装着されている。なお、凸部19と凹部20とは接続時の位置決めも兼ねている。
【0051】
この実施の形態においては、フード状部材21の内周面の途中に内側突出部21bが内方に向けて突出形成されていて、その内側突出部21bの内径より僅かに小さい外径の中間小径部29がユニット本体7の外周面に形成されている。
【0052】
したがって、フード状部材21は、内側突出部21bが中間小径部29の前後両端の段部29a,29bにぶつかる間の範囲でのみ軸線方向に移動可能であり、ユニット本体7から外れないようになっている。
【0053】
そして、先端ユニット3を先端口金6に連結する際には、まず、内側突出部21bが前側段部29aにぶつかる位置までフード状部材21を先側へずらしておき、その状態でユニット本体7の後端部分を先端口金6の先端部分に接続する。位置決めは凸部19と凹部20との係合によって行われる。
【0054】
次いで、フード状部材21を後方(先端口金6に近づける方向)にずらして、フード状部材21と先端口金6とをネジ部22で螺合させ、内側突出部21bで後側段部29bをしっかりと押さえ付ける状態までフード状部材21を締め込む。これによって、図5に示されるように、ユニット本体7が先端口金6の前端面にしっかりと押し付け固定された状態になる。
【0055】
なお、フード状部材21を前方にずらした状態のときに、ユニット本体7に対してフード状部材21がガタ付かないようにするために、フード状部材21とユニット本体7との嵌合部30の長さを確保しておくとよい。
【0056】
図6は、本発明の第3の実施の形態を示しており、挿入部1側のライトガイドファイバ28を先端ユニット3の先端部分まで真っ直ぐに突出させて、ライトガイド口金28aをユニット本体7に形成された嵌合孔41に挿通したものである。これによって、挿入部1の先端部分1aに対する先端ユニット3の位置決めが行われる。
【0057】
ライトガイド口金28aは、例えばステンレス鋼パイプ製であり、先端口金6に対して水密に接着固定されている。電気接点24,25は、ユニット本体7の後端面と先端口金6の先端面とに、軸線方向に平行に対向して配置されている。
【0058】
また、ユニット本体7に形成された嵌合孔41とライトガイド口金28aとの隙間から電気接点24,25に水分が侵入するのを阻止するために、嵌合孔41の内周部分にシール用のOリング42が装着されている。
【0059】
図7に拡大して示されるように、挿入部1側の電気接点25は、先端口金6の先端面に並べて配置されている。そして、その後方に形成された空洞44内に設けられた圧縮コイルバネ45によって、先端口金6の前壁部46が前方に少し膨らむように付勢されている。
【0060】
したがって、図6に示されるように、先端ユニット3が挿入部1の先端部分1aに取り付けられた状態においては、先端口金6の前壁部46が真っ直ぐな状態に戻されるように弾性変形して、圧縮コイルバネ45の付勢力が電気接点24,25を接触させる方向に作用する。
【0061】
なお、先端ユニット3を挿入部1の先端部分1aに固定するフード状部材21は、第1の実施の形態と同様のものが用いられている。ただし、先端口金6の外周部分には、ゴム製のシール部材47がライニングされており、フード状部材21の口元端部がシール部材47に当接することにより、防水効果が高められている。したがって、Oリング32を省略することもできる。
【0062】
図8は、本発明の第4の実施の形態を示しており、第3の実施の形態におけるライトガイド口金28aの外周面に、挿入部1側の複数の電気接点25を設けたものである。
【0063】
先端ユニット3側の電気接点24は、ライトガイド口金28aが差し込まれる嵌合孔41の内周面に、ライトガイド口金28a側の電気接点25と位置を合わせて複数設けられている。
なお、図8にはユニット本体7の断面ハッチングを省略して示してある。
【0064】
挿入部1側の電気接点25は、ライトガイド口金28aの軸線方向に間隔をあけて複数設けられている。図9は、そのうちの一つの電気接点25が示される状態で、ライトガイド口金28a部分の断面を示している。
【0065】
ライトガイド口金28aは、電気絶縁部材によって形成された内側パイプ28cと、やはり電気絶縁部材によって形成された外側パイプ28dからなる二重パイプ構造になっている。
【0066】
そして、電気接点25は外側パイプ28d部分に形成されていて、電気接点25と先端口金6内の電気配線26とを接続するために軸線方向に長く形成された導電部28eが、内側パイプ28c部分に形成されている。
【0067】
図8に戻って、この実施の形態においては、ライトガイド口金28aと先端口金6との固定状態をより確実にするために、先端口金6の前端の壁部を挟む鍔部28bがライトガイド口金28aに突設されている。そしてその部分で、ライトガイド口金28aが先端口金6に水密に接着固定されている。
【0068】
両電気接点24,25は、ユニット本体7の軸線方向と垂直方向に対向している。そして、電気接点24,25部分に外部から水分が侵入するのを阻止するためのシール用のOリング42が、ライトガイド口金28aの先端近傍の位置に配置されている。
【0069】
この第4の実施の形態のその他の部分の構成は、前述の第3の実施の形態と同様である。なお、図10に示されるように、照明用のライトガイドファイバ28が複数設けられている場合には、その各々のライトガイド口金28aに電気接点24,25を配置してもよい(第5の実施の形態)。
【0070】
図11は、本発明の第6の実施の形態を示しており、先端ユニット3側の電気接点24を、ユニット本体7の後端近傍の外周面に配置したものである。挿入部1側の先端口金6は、それに合わせて先端部分が筒状に形成されていて、その内周面に電気接点25が配置され、フード状部材21と螺合するネジ部22が外周面に形成されている。
【0071】
図12は、その部分の正面断面を一部省略して示しており、電気接点24,25が、ユニット本体7の軸線方向と垂直方向に対向するように、円周面上に例えば6組配置されている。ただし、その数は必要に応じて増減すればよい。
【0072】
図11に示される47は、電気接点24,25部分への外部からの水分の侵入を阻止するためのシール部材である。また、ユニット本体7の後端面部分には密閉部材48,49が固着されていて、ユニット本体7単体で外部から内部へ水が侵入しないようになっている。その他の部分については、これまで説明した各実施の形態と同じ部分に同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0073】
図13は、本発明の第7の実施の形態を示しており、外周面に電気接点25が配置されたライトガイド口金28aを先端ユニット3の中心軸線位置に配置したものである。なお、対物光学系や固体撮像素子の図示は省略されている。
【0074】
このように構成することにより、ユニット本体7が、ライトガイド口金28aを中心にして回転自在となるので、先端口金6と螺合するネジ部22をユニット本体7自体に形成して、前述までの各実施の形態に設けられているフード状部材21を省略することができる。
【0075】
ただし、ユニット本体7が先端口金6に対して常に正しい向きに取り付けられるようにするために、双方のネジ部22のネジ加工を調整して精密なネジ切り加工を行う必要がある。
【0076】
そこでこの実施の形態は、そのような加工の煩雑さを解消するために、先端口金6の外周面に、金属製の調整ナット51を螺合させて、その調整ナット51にユニット本体7が当接するようにしている。したがって、調整ナット51を回転させることによって、先端口金6に対するユニット本体7の固定位置を微調整することができる。
【0077】
なお、この実施の形態においては、先端口金6の外周面に装着されたOリング37は、ネジ部22の緩みを防止するために機能させているので、ライトガイド口金28aの外周面に密接する防水用のOリング42を前後両端部分に設けてある。
【0078】
なお、この実施の形態においては、ユニット本体7自体を回転させて、先端口金6に対する係脱をすることができるので、ネジ部22に代えてバヨネット機構などを用いることもできる。
【0079】
図14は、本発明の第8の実施の形態を示しており、先端口金6の前端部近くの外周面に形成された円周溝53に、ユニット本体7から後方に突設された突起54を弾力的に係合させて、いわゆるクリック結合させたものである。
【0080】
突起54の部分には後方から多数のすり割りが切り込まれていて、突起54部分がばね性を有するようになっている。なお、突起54は円周全体に形成されていなくてもよく、例えば円周の三カ所程度に部分的に形成されていてもよい。そしてその場合には、突起54に合わせて、円周溝53も部分的なものにしてさしつかえない。
【0081】
そして、先端ユニット3が先端口金6に取り付けられた状態では、ユニット本体7の突起54部分がフード状部材21によって外側から押さえられて、ユニット本体7が先端口金6から外れないようになっている。
【0082】
フード状部材21は、ユニット本体7に対して着脱自在に、ネジ部55において螺合取着されている。その他の部分は、第1の実施の形態と同様であり、説明は省略する。
【0083】
この実施の形態において先端ユニット3を先端口金6に連結する際には、まず、ネジ部55におけるユニット本体7とフード状部材21との螺合を緩めて、フード状部材21を先側へずらすかユニット本体7から取り外しておき、その状態でユニット本体7の後端部分の突起54を弾力的に変形させて、先端口金6の円周溝53に係合させる。
【0084】
その際の位置決めは電気接点24,25の接続によって行われる。ただし、突起54と円周溝53とが円周方向に部分的に非対称に形成されている場合には、突起54と円周溝53による位置決めも可能である。
【0085】
その状態から、ネジ部55においてフード状部材21をユニット本体7側にねじ込んでいくと、突起54を円周溝53との係合部をフード状部材21が覆い、ユニット本体7が先端口金6から外れない状態になる。
【0086】
図15は、本発明の第9の実施の形態を示しており、図14に示される実施の形態とは逆に、円周溝53をユニット本体7側に形成して、ばね性を持たせた突起54を先端口金6の先端側から前方に突設したものである。フード状部材21の着脱や、突起54の広がりがフード状部材21によって押さえられること等は第8の実施の形態と同様である。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、対物光学系と固体撮像素子とが取り付けられたユニットを挿入部の先端部分に外部から着脱自在に構成して、ユニットが挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに挿入部の先端部分とユニットとの間で撮像信号等を伝送するために接続される電気接点と、その状態において外部の水分が少なくとも電気接点に達しないようにするための防水手段とを設けたことにより、固体撮像素子を含むユニットを挿入部の先端部分から取り外して、固体撮像素子部分だけの交換を容易に行うことができ、また、固体撮像素子を高熱にさらすことなく、電子内視鏡をオートクレーブによって滅菌処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の電子内視鏡の全体略示図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の電気接点の配置例を示す略示図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の非連結状態の側面断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の連結状態の側面断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の部分拡大断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態の電子内視鏡の部分断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態の正面透視図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態の電気接点部分における正面断面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態の電子内視鏡の挿入部先端部分の側面断面図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態の電子内視鏡の部分略示側面断面図である。
【符号の説明】
3 先端ユニット
6 先端口金
7 ユニット本体
12 固体撮像素子
21 フード状部材
23 接続線
24,25 電気接点
26 電気配線
31,32,37 Oリング

Claims (8)

  1. 対物光学系とその対物光学系によって結像される像を撮像するための固体撮像素子とが挿入部の先端に設けられた電子内視鏡において、
    上記対物光学系と上記固体撮像素子とが取り付けられたユニット上記挿入部の先端部分に外部から着脱自在に構成されて、上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記挿入部の先端部分と上記ユニットとの間で撮像信号等を伝送するために接続される電気接点と、その状態において外部の水分が少なくとも上記電気接点部分に侵入しないようにするための防水手段と設けられ、
    上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに嵌まり合う凹部が上記ユニットに設けられて凸部が上記挿入部の先端部分側から突出して設けられ、上記電気接点が上記凸部の外周面と上記凹部の内周面とに配置されると共に、上記凸部の中に照明用ライトガイドが挿通配置されていることを特徴とする電子内視鏡。
  2. 上記対物光学系と上記固体撮像素子とが取り付けられたユニットが上記挿入部の先端部分から取り外された状態において、外部の水分が上記挿入部の先端部分内に侵入しないように、上記挿入部の先端部分が防水構造になっている請求項1記載の電子内視鏡。
  3. 上記ユニットがそれ自体で、外部の水分が内部に侵入しない防水構造になっている請求項1又は2記載の電子内視鏡。
  4. 上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記ユニットを上記挿入部の先端部分に固定するための固定部材が、上記挿入部の先端部分に対して螺合するようになっている請求項1ないし3のいずれかの項記載の電子内視鏡。
  5. 上記ユニットが上記挿入部の先端部分に取り付けられた状態のときに上記ユニットを上記挿入部の先端部分に固定するための固定部材が、上記挿入部の先端部分に対してクリック固定されるようになっている請求項1ないし3のいずれかの項記載の電子内視鏡。
  6. 上記固定部材が、上記挿入部の先端部分に対して係脱自在なフード状部材である請求項4又は5記載の電子内視鏡。
  7. 上記凸部と凹部とが、上記ユニットの中心軸線位置に配置されている請求項1ないし6のいずれかの項記載の電子内視鏡。
  8. 上記凸部と凹部とが複数組設けられている請求項1ないし6のいずれかの項記載の電子内視鏡。
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