JP3665260B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製氷装置を有する冷蔵庫に係り、特に給水タンクから製氷皿にポンプにより給水する製氷装置を有する冷蔵庫に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の製氷装置を有する冷蔵庫としては、特開平4−356676号公報に示されているように、氷を作る製氷皿と水受皿にセットされた給水タンクとこの水受皿の水を製氷皿へ給水する給水ポンプとから製氷装置を構成し、給水タンクのタンク本体の底板に補水口兼給水口を有するねじ筒部を形成し、このねじ筒部に開閉弁を有するキャップを着脱可能に螺合し、このキャップの取水口上方に取り外し可能にイオン交換体を充填した網状の筒体を取付けたものがある(従来技術1)。
【0003】
この従来技術1の冷蔵庫においては、キャップを取外して給水タンクに水を補給し、キャップを付けてから給水タンクを水受皿にセットすることによりタンク内の水がキャップの開閉弁を通して水受皿に給水し、この給水した水を給水ポンプにより水受皿から製氷皿に給水して製氷皿で製氷を行なうものである。そして、給水タンクから水受皿に給水される際に、その水がキャップに取付けられたイオン交換体を通り、Ca、Mg等の鉱物類が取り除かれ、キャップの開閉弁の開閉動作を長期間にわたり安定させ、しかも透明度の高い氷を作ることができるものである。また、長期間使用したイオン交換体は、キャップを取外すことで新しいイオン交換体と交換が行なえるものである。
【0004】
一方、別の従来の製氷装置を有する冷蔵庫としては、特開平7−77371号公報に示されているように、冷凍室内の製氷皿と冷蔵室内の給水タンクとこの給水タンク内の水を製氷皿へ給水するポンプとから製氷装置を構成し、上面が開放されたタンク本体とこのタンク本体の開口部に取外し可能に嵌合される蓋体とから給水タンクを構成し、蓋体の一部に注水用の孔を設けると共にこの孔にキャップを装着し、給水タンクの水の不純物を取り除くためのフィルターを収納したフィルターケースを分解可能に蓋体に取付けたものがある(従来技術2)。
【0005】
この従来技術2の冷蔵庫においては、キャップを取外し、注水用孔から給水タンク内に注水し、この注水した水をフィルターを通してポンプにより製氷皿に給水して製氷皿で製氷を行なうものであり、このフィルターを水が通る際に、その中の不純物が取り除かれるものである。そして、給水タンク内が汚れている場合はタンク本体から蓋体全体を取外してタンク本体を洗浄することができると共に、フィルターケースを分解して内部を掃除することができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術1のものでは、開閉弁を有するキャップに取付けられたイオン交換体をねじ筒部の補給水兼給水口を通して給水タンク内に挿入するものであるため、イオン交換体の外径を補給水兼給水口の大きさより大きくすることができず、そのイオン交換能力が小さいものにならざるを得ず、透明度の高い氷を得る際の支障になると共に、イオン交換体の取換え周期も短いものとならざるを得なかった。さらには、イオン交換体を取外して新しいイオン交換体と交換することが示されているが、給水タンクを利用してイオン交換体を再生することに関しては開示されていない。仮に、この従来技術1のもので、給水タンクを利用してイオン交換体の再生を行なおうとして、給水タンク内に塩水溶液を入れ、その塩水溶液中にイオン交換体を浸漬しようとしても、キャップを螺合するねじ筒部の補水口兼給水口を除いて給水タンクが密閉されているため、キャップにイオン交換体を取付けて行なうより他に方法がなく、キャップ側を上にすればイオン交換体の上部を塩水溶液中に浸漬することができず、キャップ側を下にすればその開閉弁から塩水溶液が漏れるおそれがあり、適切な再生が困難であった。
【0007】
また、従来技術1のものでは、イオン交換体を取付けたキャップを取外して給水タンクに水を入れるものである。このため、給水タンク内に入れられた水は、イオン交換体を通過したものではなく、水の中の鉱物類が取り除かれていない状態で給水タンク内に存在し、給水タンクの内表面に鉱物類によるスケール等が付着するという問題がある。
【0008】
また、従来技術1のものでは、図示された粒状のイオン交換体を筒体内にある程度粗く充填すると、重力によりイオン交換体が筒体内で下部に偏りを生じて粒状のイオン交換体全体に均等に水を通過させることが難しくなり、鉱物類を取り除く効率が低下してその交換周期が短くなってしまうと共に、逆に筒体内に密に充填すると、その流通抵抗が大きくなり、通水に支障を来たすおそれが出てくるという問題がある。
【0009】
また、従来技術1のものでは、鉱物類を取り除くためのイオン交換体を設けることについては示されているが、不純物を取り除くための活性炭フィルタ等よりなる浄水フィルタを併存させることについては開示されておらず、従って、イオン交換体と浄水フィルタとの最適な組み合せに関しても開示されていない。
【0010】
一方、従来技術2のものでは、不純物を取り除くための浄水フィルターを設けることが示されているが、鉱物類を取り除くためのイオン交換機能材を設けることについては開示されておらず、鉱物類を取り除いて透明な氷を作成することができないという課題を有すると共に、イオン交換機能材と浄水フィルターとの最適な組み合せに関しては開示されていないものである。
【0011】
本発明の目的は、給水タンクへの着脱が容易でかつ給水タンクを利用してイオン交換機能材の再生を容易に行なうことができ、且つ給水タンクの補水口の大きさに係わりなく軟水ユニットの軟水化能力を大きくできることより軟水ユニットの取換え周期または再生周期を長くできると共に透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることにある。
【0012】
本発明の別の目的は、給水タンクの内表面に硬度成分であるスケールが付着することを防止できると共に、給水タンクの掃除の煩わしさを緩和でき、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることにある。
【0013】
本発明の別の目的は、透明度が高く、しかも臭気の少ない氷を作ることができる冷蔵庫を得ることにある。
【0014】
本発明の別の目的は、イオン交換機能材の偏りを防止して硬度成分の除去性能を向上すると共に、イオン交換機能材の交換または再生周期を長くすることができ、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることにある。
【0015】
本発明の別の目的は、イオン交換機能材の充填密度を高くしても硬度成分の除去性能を十分に確保することができ、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、冷蔵室に配置される給水タンク、給水タンク内に収納される軟水化装置、冷凍室に配置される製氷皿、及び給水タンクから製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、給水タンクは上面を開口したタンク本体とこのタンク本体の上面開口を塞ぐように着脱可能に設けられたタンクカバーとタンク内に水を供給する補水口とを有し、軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、軟水化カートリッジは、補水貯溜空間を形成して給水タンクの補水口の下方に対向して配置し、補水口とイオン交換機能材との間には開口が設けられ、タンクカバーに着脱可能に取付けたことにある。
【0017】
本発明の第2の特徴は、タンクカバーを給水タンクから取外すことにより補水口よりも大きな軟水化カートリッジをタンクカバーから着脱可能としたことにある。
【0018】
本発明の第3の特徴は、水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有する軟水化装置とすると共に、脱臭作用をする浄水フィルターを有する浄水化装置とし、給水タンクの補水口から製氷皿に至る水の流れに対して浄水フィルターをイオン交換機能材より下流側に設けたことにある。
【0020】
本発明の第の特徴は、冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、冷蔵室に配置される給水タンク、給水タンク内に収納される軟水化装置、給水タンク内に収納される浄水化装置、冷凍室に配置される製氷皿、及び給水タンクから製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、給水タンクは上面を開口したタンク本体とこのタンク本体の上面開口を塞ぐように着脱可能に設けられたタンクカバーとを有し、タンクカバーは上面に補水口を有し、軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、軟水化カートリッジは補水貯溜空間を形成して給水タンクの補水口の下方に対向して配置し、イオン交換機能材はビーズ状、繊維状、粉末状等のいずれかまたはこれらの混合物で形成し、軟水化カートリッジの容器は上下面に多数の通水用孔が形成される平面状に構成され、この平面状の空間内にイオン交換機能材を複数の収納空間に区画して収納する仕切部を形成したことにある。
【0022】
本発明の第の特徴は、冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、冷蔵室に配置される給水タンク、給水タンク内に収納される軟水化装置、冷凍室に配置される製氷皿、及び給水タンクから製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、軟水化カートリッジはポンプの吸込配管路中に配置され、このポンプの吸込配管路は、給水タンク内の底面近くに拡大して開口した拡大開口部と、この拡大開口部よりも上部に位置する拡大部とを有しており、拡大開口部から給水タンク内の水を吸込んで製氷皿へと供給される構成を備え、ポンプの吸込配管路の拡大部に軟水化カートリッジが配置され、軟水化カートリッジの前後に空間部を形成したことにある。
【0023】
本発明の第の特徴は、ポンプの吸込配管路中に配置した軟水化カートリッジとすると共に、軟水化カートリッジをバイパスするバイパス管路を逆止弁を有して形成したポンプの吸込配管路としたことにある。
【0024】
本発明の第の特徴は、水の硬度成分を除去するイオン交換機能材と脱臭作用をする浄水フィルターとを一つの容器内に分離して収納した軟水化カートリッジを有し、ポンプの吸込配管路中に浄水フィルターがイオン交換機能材より下流側に位置するように軟水化カートリッジを配置したことにある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例を図を用いて説明する。なお、第2実施例以降の実施例においては第1実施例と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。各実施例の図における同一符号は同一物又は相当物を示す。
【0026】
まず、本発明の第1実施例を図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の第1実施例の冷蔵庫の要部縦断面図、図2は図1の給水タンク部の断面図、図3は図2の給水タンク部に用いる軟水化カートリッジ単体の平面図である。
【0027】
図1に示すように、冷蔵庫本体110は、断熱箱体により冷蔵室101及び冷凍室102を形成し、その前面には開閉可能なドア100が夫々設けられている。この実施例では、冷蔵室101が冷凍室102の上方に配置されているが、給水ポンプ7を有しているので、逆の位置関係に配置されている場合でも本発明の適用は可能である。
【0028】
また、製氷装置は、給水タンク1、軟水化装置10、浄水化装置24、給水ポンプ7、配管路104、製氷皿103、駆動モータ105及び貯氷容器106等により構成されている。
【0029】
給水タンク1は、内部に軟水化装置10及び浄水化装置24を収納しており、製氷皿103に供給するための水9を貯水した状態で冷蔵室101内に配置され、そして、冷蔵室101から取出し可能に配置されている。また、給水タンク1は、浄水化装置24から延びる給水口6が給水ポンプ7に着脱可能に接続されている。
【0030】
給水ポンプ7は、自吸式ポンプで構成され、冷蔵室101の後部に配置されており、給水タンク1内の水9を配管路104を介して製氷皿103に供給するものである。なお、給水ポンプ7は給水タンク1の内部に設置されていても良い。
【0031】
製氷皿103は、冷凍室102内に配置され、配管路104の先端の直下に位置している。また、製氷皿103は一側が駆動モータ105に取付けられている。この駆動モータ105の駆動により製氷皿103が反転されて製氷された氷が貯氷容器106に落下されるようになっている。この貯氷容器106は、ドア100に取付けられ、ドア100を引き出すことにより貯氷された氷を容易に取出すことができる。なお、図1の矢印107は、冷凍室102内の冷気の流れを示し、この実施例では主に製氷皿103の上面から冷却するように冷気が流れるものである。
【0032】
次いで、給水タンク部分の詳細を図2を用いて説明する。
【0033】
給水タンク1は、上面を開口した合成樹脂製タンク本体4とこのタンク本体4に着脱可能に取付けられる合成樹脂製タンクカバー3とから構成されている。タンクカバー3は、タンク本体4の上面開口を塞ぐように図示していないパッキングを介してタンク本体4に機密的に装着され、その上面一部に補水口5が形成されている。補水口5は、タンクカバー3をタンク本体4から取外すことなく水道水等を給水タンク1内に供給するためのものであり、水道の蛇口から直接あるいはやかん等の道具を使って水道水等が供給できる適宜な大きさの開口に設定されている。
【0034】
軟水化装置10は、イオン交換機能材14を収納した軟水化カートリッジ15を備え、タンク本体4内の補水口5側に(具体的には補水口5の下方に)配置されてタンクカバー3に着脱可能に取付けられている。この軟水化カートリッジ15は軟水化装置10に着脱可能に取付けられている。軟水化カートリッジ15は、合成樹脂製であり、イオン交換機能材14を収納する容器26とその周囲から立ち上がる鍔部20とより構成され、容器26の上面に補水貯溜空間51が形成されている。なお、鍔部20の上方は開放され、オーバーフロー用開口27を形成している。
【0035】
イオン交換機能材14は、水の硬度成分を除去するものであり、例えばナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂等が用いられ、ビーズ状、繊維状、粉末状等のいずれかまたはこれらの混合物で形成されている。
【0036】
また、容器26は、上下面に多数の通水用孔が形成されており、高さが低くかつ広い面積で一平面状に構成され、図3で明らかなようにイオン交換機能材14を複数の収納空間に区画して収納する仕切部26aが形成されている。この仕切部26aにより区画された収納空間は、イオン交換機能材14が略均等に収納される大きさに設定され、水流や持運び時の動き等によりイオン交換機能材14の不必要な移動や偏りが生ずるのを防止することができる。
【0037】
浄水化装置24は、筒状体24a、浄水フィルター8及び給水口6より構成されている。筒状体24aは、下端がタンク本体4の底面近傍に位置し、下面が開口して形成されている。浄水フィルター8は、脱臭作用をする活性炭フィルターが用いられ、筒状体24aの開口部に着脱可能に取付けられてタンク本体4の底面近傍に配置されている。給水口6は、一端側が筒状体24a内に延びて浄水フィルター8の直上にその先端が位置し、他端側がタンク本体4の外部に延びて給水ポンプ7に着脱可能に接続され、給水ポンプ7の吸込配管路を構成している(図1参照)。
【0038】
かかる第1実施例の冷蔵庫における製氷に係る動作について説明する。
【0039】
まず、軟水化カートリッジ15を着脱するには、冷蔵室101から給水タンク1を取出し、タンク本体4からタンクカバー3を取外すことにより、軟水化カートリッジ15が露出するので、軟水化カートリッジ15を容易に着脱できるものである。このように、軟水化カートリッジ15は、その着脱が補水口5を通して行なわれるものではないので、補水口5の大きさによる制約はなく、給水タンク1内の空間を大きく利用してその大きさを設定することができる。これにより、軟水化カートリッジ15のイオン交換機能材14を大きくして硬度成分の除去性能を向上することができ、透明度の高い氷を作ることができると共に、軟水化カートリッジ15の取換えまたは再生周期を長くすることができる。
【0040】
また、給水タンク1に水を補水するには、給水タンク1を冷蔵室101から取出して、水道の蛇口より直接的にまたはやかん等用いて水道水等の原水25を補水口5から給水タンク1内に供給する。
【0041】
この水の補水において、図2に示すように補水口5から供給される原水25は、補水貯溜空間51に貯溜されると共に、イオン交換機能材14を通ることにより軟水化されて給水タンク1内に水9として貯水される。この軟水化は、原水中の硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンとイオン交換機能材14のナトリウムイオンとが置換することにより行われる。このように、給水タンク1内に貯水される水9は、硬度成分が取り除かれているため、給水タンク1の内表面に硬度成分であるスケールが付着することを防止できると共に給水タンク1の掃除の煩わしさを緩和できる。
【0042】
そして、原水25は、その供給が一般的に手動操作で行なわれるので、供給量が増減しやすいが、補水貯溜空間51によりその増減を容易に吸収することができ、これにより安定してイオン交換機能材14を通過して給水タンク1内に供給される。さらに、鍔部20の上方を開放してオーバーフロー用開口27を形成しているので、原水25が貯溜できない程多量に補水された場合には、補水の一部は鍔部26の上面からオーバーフローして、給水タンク1に貯水できるようになっている。
【0043】
また、原水25が供給される際の水流によりイオン交換機能材14が移動しようとするが、仕切部26aでその移動を防止することができるので、イオン交換機能材14の充填密度を適切に設定しても偏りを防止することができる。これにより、原水25をイオン交換機能材14全体に均等に流すことができ、硬度成分の除去性能を向上することができると共に、イオン交換機能材14の交換または再生周期を長くすることができる。
【0044】
補水を終了した給水タンク1は、冷蔵室101に戻し、給水口6を給水ポンプ7に接続する。そして、冷凍室102内の製氷皿103で製氷を行う場合には、給水ポンプ7を所定時間運転して、給水タンク1内の所定量の水9を製氷皿103に給水する。この給水される水9は、図1に示すように、給水ポンプ7の吸引力によって、浄水化装置24の浄水フィルター8から矢印12の如く流入され、さらに、配管路104を矢印12のように流れて製氷皿103に供給される。供給された水は、製氷皿103において冷気流107により冷却されて氷となる。その後、駆動モータ105が駆動して製氷皿103が反転されて作られた氷が貯氷容器106に落下されて貯氷される。貯氷容器106内の氷が所定量になるまで、この製氷動作が繰り返される。
【0045】
このようにして作られる氷は、硬度成分であるカルシウムイオンやマグネシウムイオンがイオン交換機能材14で除去された水を用いているので、透明度の高いおいしい氷とすることができる。さらには、この氷は、浄水フィルター8を通して脱臭された水を用いているので、臭気の少ないおいしい氷とすることができる。これにより、透明度が高く、しかも臭気の少ないおいしい氷が得られる。
【0046】
給水タンク1の補水口5から製氷皿103に至る水の流れに対して浄水フィルター8をイオン交換機能材14より下流側に設けているので、万一、イオン交換機能材14に腐敗や異臭のもとになる不純物が発生しても、その下流側の浄水フィルター8でその不純物を除去することができるので、より衛生上好ましいものとすることができる。
【0047】
そして、イオン交換樹脂で形成されたイオン交換機能材14は、所定量の硬度成分を除去すると、再生をする必要がある。イオン交換機能材14を再生するには、冷蔵室101から給水タンク1を取出してタンク本体4からタンクカバー3を取外し、さらにタンクカバー3から軟水化カートリッジ15を取外すと共に、タンク本体4に塩水溶液を入れて取外した軟水化カートリッジ15を浸漬することによりイオン交換機能材14が再生される。なお、タンク本体4に入れる塩水溶液は、水道水等に家庭で日常に使われている塩や食塩を加えることにより簡単に作ることができる。
【0048】
このように、イオン交換機能材14の再生は、タンク本体4を利用して簡単に行なうことができると共に、塩水溶液の除菌や殺菌効果による給水タンク1の洗浄を兼ねることができて給水タンク1をより衛生的に保つことができる。
【0049】
軟水化カートリッジ15の再生が終了すれば、タンク本体4に水を満たし、再生直後の軟水化カートリッジ15のすすぎを行い、この軟水化カートリッジ15を給水タンク1に装着することにより再び軟水化に利用できる。なお、再生周期は、軟水化カートリッジに内蔵するイオン交換機能材14の種類や封入量により調節できるが、再生周期の目安はニ、三ヶ月間から半年間程度に設定するのが望ましく、この場合、イオン交換機能材14の封入量は30ミリリットルから100ミリリットル程度とすることができる。
【0050】
なお、軟水化カートリッジ15の再生時期や交換時期を利用者に知らせるために、給水タンク1を備えた冷蔵庫のドア100等の表示部に、再生や交換を知らせる表示、例えば表示灯の点滅又は点灯を施すと便利である。
【0051】
次に、本発明の第2実施例を図4を用いて説明する。図4は本発明の第2実施例による給水タンクの要部断面図である。この第2実施例は、給水タンク1に原水を補給する補水口5付近に軟水化装置10を備えた他の実施例である。
【0052】
第1実施例では、軟水化カートリッジ15内のイオン交換機能材14を水平な一平面にのみ設けているが、この第2実施例では、イオン交換機能材14を水平面以外に側面にも設けて軟水化カートリッジ15を構成しており、原水25の通水に対して十分な補水貯溜空間51を確保している。即ち、補水口5から補給された原水25は、軟水化カートリッジ15の上部を除いたあらゆる面を通過できるので、スムーズで効率良い軟水化が行える。鍔部20の上部にはオーバーフロー用開口27が形成されている。なお、軟水化カートリッジ15の形状は、この実施例では底面を有する円筒形状であるが、四角い箱形状でもよい。さらに、軟水化カートリッジ15は給水タンク1のタンクカバー3に取り付けるが、タンクカバー3から容易に着脱できるようになっている。
【0053】
次に、本発明の第3実施例を図5を用いて説明する。図5は本発明の第3実施例による給水タンクの要部断面図である。
【0054】
本実施例では、軟水化手段を構成する軟水化カートリッジ15は給水タンク1の途中に備えられており、補水口5から補給された原水25は、一旦給水タンク1の左側の部屋1aに貯水9され、右方向矢印25の如く、順次軟水化カートリッジ15を通過して軟水化され、給水タンク1の右側の部屋1bに貯水9aされていく。なお、本実施例では、給水タンク1の左側の部屋1aに貯水9された水は直ぐには軟水化されないが、製氷皿103への給水時は必ず右側の部屋1bに移り、給水ポンプ7を介して給水されるので、製氷皿103へ送水される給水は必ず軟水化されることになる。
【0055】
ここで、軟水化カートリッジ15は、給水タンク1のタンクカバー3又はタンクベース4に取り付けられるが、タンクカバー3又はタンクベース4から容易に着脱自在である。
【0056】
次に、本発明の第4実施例を図6から図10を用いて説明する。図6は本発明の第4実施例による給水タンクの断面概略図、図7は図6の給水タンクの要部断面図、図8は図7に用いる軟水化カートリッジの断面図、図9は図7の逆止弁部の拡大断面図、図10は図7の逆止弁部の変形例の拡大断面図である。
【0057】
本実施例は、図6に示すように、軟水化装置10が補水口5側でなく給水ポンプ7側に配置されたものである。そして、軟水化装置10は、図7に示すように、ケース60により吸込配管路61及びバイパス配管路62を形成し、浄水フィルター8、軟水化カートリッジ15、逆止弁A16及び逆止弁B18が配管路61、62中に配置されている。
【0058】
給水タンク1はタンク本体4及びタンクカバー3から構成され、タンクカバー3はタンクベース4に着脱可能に取付けられている。タンクカバー3をタンク本体4から取外すことにより、給水タンク1の内部清掃等が容易に行えるようになっている。本実施例では、給水ポンプ7が給水タンク1の外部配管路(図示せず)途中に取り付けられている。
【0059】
吸込配管路61は、給水タンク1内の底面近くに拡大して開口しており、その拡大開口部に浄水フィルター8が着脱可能に配置されている。また、吸込配管路61は、給水タンク1内の上部において拡大部を有しており、その拡大部に軟水化カートリッジ15が着脱可能に配置されている。なお、この軟水化カートリッジ15の着脱はケース60を分離することにより行なえるようになっている。吸込配管路61は、軟水化カートリッジ15から給水口6に至る途中に給水開口17を有しており、この給水開口17を開閉する逆止弁A16が配置されている。
【0060】
一方、バイパス配管路62は、給水口6に対して吸込配管路61と並列に設けられ、出口部に戻り水開口19を有しており、この戻り水開口19を開閉する逆止弁B18が配置されている。
【0061】
ここで、給水ポンプ7の運転による水9の流れを説明する。給水ポンプ7は正逆回転可能なポンプで、まず正回転運転をすると、逆止弁A16が開路すると共に逆止弁B18が閉路し、給水タンク1内の水9が図7の矢印12に示すように流れて給水ポンプ7に吸込まれる。即ち、水9は、浄水フィルター8、軟水化カートリッジ15、逆止弁A16及び給水口6の順に流れて給水ポンプ7に吸込まれる。このように、軟水化カートリッジ15は、給水ポンプ7の吸込管路中に配置され、給水ポンプ7の吸込圧力による水流が強制的に流れるので、イオン交換機能材14の充填密度を高くしても硬度成分の除去性能を十分に確保することができる。
【0062】
また、給水ポンプ7を逆回転運転をすると、逆止弁B18が開路すると共に逆止弁A16が閉路し、給水ポンプ7側の配管路の水が図7の矢印13に示すように流れて給水タンク1内に戻される。即ち、配管路内の水は、軟水化カートリッジ15及び浄水フィルター8をバイパスして戻り水開口19から給水タンク1内に戻される。
【0063】
軟水化カートリッジ15は、図8に示すように、容器26にイオン交換機能材14が所定量内蔵されている。ここで、イオン交換機能材14として、例えば陽イオン交換樹脂等が利用できる。メッシュフィルタ21は、イオン交換機能材14への異物混入やイオン交換機能材14の漏洩を防止するために、容器26の通水面となる上下面に形成されている。手掴み用のつまみ22は、軟水化カートリッジ15の着脱を容易にするために、下面中央部に設けられている。
【0064】
吸込配管路61は、図7に示すように、イオン交換機能材14を挟む2つのメッシュフィルタ21の下方及び上方に空間61a、61bを設けている。この空間61a、61bを設けることにより、イオン交換機能材14の一部にのみ給水が偏流するのを防止し、イオン交換機能材14全体に均一に給水し、効率よくイオン交換することができる。
【0065】
陽イオン交換樹脂14としては、例えばナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂等が用いられ、形状はビーズ状、繊維状または粉末状等いずれでもよいし、適量ずつ混合されていてもよい。例えばビーズの場合、イオン交換性能を良くするには、同じ容量でもビーズ径が小さいほど表面積を多くとることができるので、径は0.1から0.3mm程度または、それ以下が望ましい。ただし、径が小さいと給水の通路抵抗増大に繋がることもあるので、その場合は、0.5から1mm程度またはそれ以上のビーズを利用するのが好ましい。
【0066】
また、イオン交換性能を良くするにはビーズ等の樹脂容量は多い方が好ましく、さらに多くの給水を軟水化させるにはやはり樹脂容量は多い方が好ましいが、コンパクトな製氷用給水タンク1の軟水化カートリッジ15に収容できる樹脂容量は30から150ミリリットル程度が望ましい。より望ましくは50から100ミリリットル程度であり、30リットルから100リットル程度の給水を軟水化させることができる。なお、イオン交換機能材14は樹脂に限る必要はなく、樹脂容量も上記に限る必要はないことは言うまでもない。
【0067】
ここで、逆止弁A16とこの逆止弁A16が開閉する開口部17の詳細構造を図9を用いて説明する。逆止弁A16は傘状弁を用いている。図9に示す逆止弁位置は、給水ポンプ7の正回転時の吸引力により逆止弁A16が上方に持ち上がった状態で、給水開口17が開状態となり、給水が矢印12で示すように空間200から201へ流れ込み、製氷皿への給水が行われる。
【0068】
一方、図示しないが、給水ポンプ7の逆回転時には吐出力により逆止弁A16が給水開口17に押し付けられ、給水開口17が閉状態となり、空間200と空間201が遮断される。この逆止弁A16の上下方向の動きにより、給水開口17が状況に応じて開閉される。逆止弁B18の場合も同様の動作が行われる。
【0069】
かかる第4実施例の冷蔵庫における製氷に係る動作について説明する。
【0070】
予め、冷蔵室101内の給水タンク1の中には補水口5を介して水道水等の原水が貯水9されている。冷凍室102内の製氷皿103で製氷が行われる場合、給水ポンプ7が一定時間のみ正回転運転して、所定量の給水が製氷皿103に送られる。この場合、図7において、給水タンク1内の貯水9は、給水ポンプ7の吸引力によって、軟水化装置10の下部にある浄水フィルター8から軟水化装置10に矢印12の如く流入する。流入した給水は、その後、給水の通過を妨げるように設置された軟水化カートリッジ15に至り、この軟水化カートリッジ15内のイオン交換機能材14と接触して通過することにより、原水の硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンとイオン交換機能材14のナトリウムイオンとが置換される。よって、軟水化カートリッジ15を通過した給水12は原水から不純物である硬度成分が除去されて軟水化し、給水ポンプ7の正回転運転による吸引力で開状態にある給水開口17及び給水ポンプ7を介して、製氷皿103に軟水が送水される。
【0071】
この時、バイパス配管路62の下流側に設けられた逆止弁B18は、給水ポンプ7の吸引力により持ち上げられ、戻り水開口19を閉状態にしている。
【0072】
ここで、軟水化カートリッジ15は、配管路途中で給水の通過を妨げるように、つまり給水の流れを遮る抵抗体ように設置されているので、製氷皿103に送水される製氷用給水は必ず一度は軟水化カートリッジ15内を通過するので、原水が効率良く軟水化されることになる。
【0073】
軟水化カートリッジ15による給水の軟水化では、水道水等の原水の硬度は低い方がイオン交換性能の持続は長くなり、有利であるが、例えば硬度が50から100ppm程度の国内の水道水であっても、本発明の軟水化カートリッジ15を利用すれば、ほぼ硬度ゼロの軟水を得ることも可能である。
【0074】
一方、給水ポンプ7が正回転運転により所定量の給水を製氷皿103に送水した直後に、給水ポンプ7が逆回転運転する。これは、配管路中への水の残留を防止するためで、衛生面でも好ましい。
【0075】
この場合、図7において、給水ポンプ7の吐出力により、戻り水が黒色矢印13のように逆流するが、本発明の軟水化装置10では、逆止弁A16とB18の働きにより、戻り水13は軟水化カートリッジ15及び浄水フィルター8を通過せずに、バイパス配管路62を通過する。つまり、給水ポンプ7の吐出力により、逆止弁A16が給水開口17を閉状態にし、逆止弁B18が戻り水開口19を開状態にするため、戻り水13はバイパス配管路62を通過して容易に給水タンク1に戻り、貯水9と合流する。この場合、戻り水13は通路抵抗の大きい軟水化カートリッジ15及び浄水フィルター8を通らないでバイパスするので、逆回転時の給水ポンプ7の負荷が軽減される。また、バイパス配管路62を設ける別の理由は、戻り水13を浄水フィルター8を通すと、浄水フィルター8による除菌や消毒等のため塩素成分まで除去し、貯水9に必要である残留塩素が低減してしまうのを防止するためである。さらには、水の流れを制御する逆止弁A16とB18の駆動は、全て水の力で行われるため、電磁弁等のような個々の駆動源が不要である。
【0076】
ここで、第4実施例における逆止弁と該逆止弁が開閉する開口部の構成の変形例を図10を用いて説明する。この変形例では、逆止弁Aとして球状弁202を用いており、給水ポンプ7の正逆回転の違いにより該球状弁202が上下方向に動き、給水開口203が開閉される。なお、逆止弁A及び逆止弁Bは、以上説明した傘状弁や球状弁に限られるものではない。
【0077】
次に、本発明の第5実施例を図11を用いて説明する。図11は本発明の第5実施例による軟水化カートリッジの断面図である。
【0078】
本実施例では、図8に示す軟水化カートリッジ15に図7に示す浄水フィルター8を併設して一体化させて軟水化カートリッジ15としたものであり、その他の点においては第4実施例と基本的に同一である。本実施例によれば、給水の硬度成分と腐敗や異臭の発生源となる不純物や汚れ成分を一個所で順次除去できる。ここで、軟水化カートリッジ15の容器26内には、例えば軟水化用としてイオン交換機能材14を、浄水化用として活性炭を用いればよく、それぞれの素材を挟むメッシュフィルタ21のメッシュはイオン交換機能材14と活性炭の形状や大きさに応じて決められる。
【0079】
この軟水化カートリッジ15では、給水の流れ12において、イオン交換機能材14である軟水化手段が給水経路の上流側に、活性炭8である浄水化手段が給水経路の下流側に設けられているので、万一、イオン交換機能材14に腐敗や異臭のもとになる不純物が残留、発生しても、下流の活性炭8等の浄水化手段で不純物を除去でき、衛生上さらに望ましい構成となる。
【0080】
浄水化手段である浄水フィルター8は再生が不可能で、一般には、所定期間又は所定量使用したら新品と交換する。本発明の軟水化手段である軟水化カートリッジ15を浄水フィルター8と一体化して構成する場合、浄水フィルター8と軟水化カートリッジ15の交換時期を合わせるようにし、同時に交換できるようにするとよい。例えば、浄水フィルター8の交換時期の目安が半年間であれば、軟水化カートリッジ15の交換時期の目安も半年間位になるようにイオン交換機能材14の封入量を調節すればよい。なお、軟水化手段と浄水化手段が一体化されていない場合でも、軟水化手段である軟水化カートリッジ15を、所定期間使用したら交換する方式にしてもよい。交換目安の所定期間としては、三ヶ月間、半年間又は一年間程度でよい。
【0081】
なお、軟水化手段と浄水化手段は図11のように一体化されてもよいし、それぞれの手段が離れて設置されていても差し支えないが、定期的な交換や保守管理等を考えた場合、一体化されている方が扱いやすい。
【0082】
次に、本発明の第6実施例を図12を用いて説明する。図12は本発明の第6実施例による給水タンクの断面図である。
【0083】
本実施例は、軟水化手段と浄水化手段を一体化させた軟水化装置10の他の実施例である。第4実施例との相違は、バイパス配管路を備えていないことで、製氷皿103への給水も、給水タンク1への戻り水も全て該浄化ユニット24、つまり軟水化手段を往復通過する。また、図7との相違は、軟水化手段が浄水化手段の給水経路の下流側に設けられていることで、浄水化、軟水化の順に処理が行われる。
【0084】
次に、本発明の第7実施例を図13を用いて説明する。図13は本発明の第7実施例による給水タンクの断面図である。
【0085】
本実施例は、第6実施例と比較して、給水ポンプ7を給水タンク1に内蔵した点にて相違している。このように、給水ポンプ7を給水タンク1内に収納することにより、給水ポンプ7の配置を簡略化することができる。
【0086】
なお、以上説明した各実施例の構成を組み合せることにより、より効果の大きな冷蔵庫を得ることができる。
【0087】
以上説明した各実施例において、製氷時に、製氷皿103の水への冷気の当て方が悪いと、氷の中に空気等の気泡を閉じ込めてしまい、透明度が低下する場合がある。この場合には、第8実施例として図14に示すように、水を満たした製氷皿103の下部に、所定の間隔を保って製氷皿103を覆うように冷気ダクト150を構成し、冷気ダクト150と製氷皿103で構成された流路151に冷気107を流し、製氷皿103の下部からゆっくりと冷やして、製氷皿103の上方の水方面から脱泡させながら製氷するとよい。このとき、合わせて製氷皿103に周期的な変位を与えて製氷するとよい。周期的な変位は、モータ等の駆動源を利用した機械的な振動でもよいし、20キロヘルツ以上の超音波であってもよい。なお、製氷皿103に流入する給水12を事前に脱泡させておくと、さらに透明度の高い氷を作ることができる。
【0088】
なお、以上説明した各実施例の構成を組み合せることにより、より効果の大きな冷蔵庫を得ることができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、給水タンクへの着脱が容易でかつ給水タンクを利用してイオン交換機能材の再生を容易に行なうことができ、給水タンクの補水口の大き係わりなく軟水ユニットの軟水化能力を大きくできることより軟水ユニットの取換え周期または再生周期を長くできると共に透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることができる。
【0090】
本発明によれば、給水タンクの内表面に硬度成分であるスケールが付着することを防止できると共に、給水タンクの掃除の煩わしさを緩和でき、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることができる。
【0091】
本発明によれば、透明度が高く、しかも臭気の少ない氷を作ることができる冷蔵庫を得ることができる。
【0092】
本発明によれば、イオン交換機能材の偏りを防止して硬度成分の除去性能を向上すると共に、イオン交換機能材の交換または再生周期を長くすることができ、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることができる。
【0093】
本発明によれば、イオン交換機能材の充填密度を高くしても硬度成分の除去性能を十分に確保することができ、しかも透明度の高い氷を作ることができる冷蔵庫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の冷蔵庫の要部縦断面図である。
【図2】図1の給水タンク部の断面図である。
【図3】図2の給水タンク部に用いる軟水化カートリッジ単体の平面図である。
【図4】本発明の第2実施例による給水タンクの要部断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による給水タンクの要部断面図である。
【図6】本発明の第4実施例による給水タンクの断面概略図である。
【図7】図6の給水タンクの要部断面図である。
【図8】図7に用いる軟水化カートリッジの断面図である。
【図9】図7の逆止弁部の拡大断面図である。
【図10】図7の逆止弁部の変形例の拡大断面図である。
【図11】本発明の第5実施例による軟水化カートリッジの断面図である。
【図12】本発明の第6実施例による給水タンクの断面図である。
【図13】本発明の第7実施例による給水タンクの断面図である。
【図14】本発明の第8実施例による製氷皿部の断面図である。
【符号の説明】
1…給水タンク、3…タンクカバー、4…タンク本体、5…補水口、6…給水口、7…給水ポンプ、8…浄水フィルター、9…水、10…軟水化装置、11…バイパス経路、12、13…矢印、14…イオン交換機能材、15…軟水化カートリッジ、16…逆止弁A、17…給水開口、18…逆止弁B、19…戻り水開口、20…鍔部、21…メッシュフィルタ、24…浄水化装置、24a…筒状体、25…原水、26…容器、26a…仕切部、27…オーバーフロー用開口、51…補水貯溜空間、60…ケース、61…吸込配管路、62…バイパス配管路、100…ドア、101…冷蔵室、102…冷凍室、103…製氷皿、104…配管路、105…駆動モータ、106…貯氷容器、107…冷気流、110…冷蔵庫本体、202…球状弁、150…冷気ダクト。

Claims (7)

  1. 冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、前記冷蔵室に配置される給水タンク、前記給水タンク内に収納される軟水化装置、前記冷凍室に配置される製氷皿、及び前記給水タンクから前記製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、
    前記給水タンクは上面を開口したタンク本体とこのタンク本体の上面開口を塞ぐように着脱可能に設けられたタンクカバーとタンク内に水を供給する補水口とを有し、
    前記軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、
    前記軟水化カートリッジは、補水貯溜空間を形成して前記給水タンクの補水口の下方に対向して配置し、前記補水口と前記イオン交換機能材との間には開口が設けられ、前記タンクカバーに着脱可能に取付けたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記タンクカバーを前記給水タンクから取外すことにより前記補水口よりも大きな軟水化カートリッジを前記タンクカバーから着脱可能としたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 記給水タンク内に収納される浄水化装置を備え、前記浄水化装置は脱臭作用をする浄水フィルターを有し、前記給水タンクの補水口から前記製氷皿に至る水の流れに対して前記浄水フィルターを前記イオン交換機能材より下流側に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  4. 冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、前記冷蔵室に配置される給水タンク、前記給水タンク内に収納される軟水化装置、前記給水タンク内に収納される浄水化装置、前記冷凍室に配置される製氷皿、及び前記給水タンクから前記製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、
    前記給水タンクは上面を開口したタンク本体とこのタンク本体の上面開口を塞ぐように着脱可能に設けられたタンクカバーとを有し、
    前記タンクカバーは上面に補水口を有し、前記軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、
    前記軟水化カートリッジは補水貯溜空間を形成して前記給水タンクの補水口の下方に対向して配置し、
    前記イオン交換機能材はビーズ状、繊維状、粉末状等のいずれかまたはこれらの混合物で形成し、
    前記軟水化カートリッジの前記容器は上下面に多数の通水用孔が形成される平面状に構成され、この平面状の空間内に前記イオン交換機能材を複数の収納空間に区画して収納する仕切部を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、前記冷蔵室に配置される給水タンク、前記給水タンク内に収納される軟水化装置、前記冷凍室に配置される製氷皿、及び前記給水タンクから前記製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、
    前記軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、
    前記軟水化カートリッジは前記ポンプの吸込配管路中に配置され、
    このポンプの吸込配管路は、前記給水タンク内の底面近くに拡大して開口した拡大開口部と、この拡大開口部よりも上部に位置する拡大部とを有しており、前記拡大開口部から前記給水タンク内の水を吸込んで前記製氷皿へと供給される構成を備え、前記ポンプの吸込配管路の拡大部に前記軟水化カートリッジが配置され、前記軟水化カートリッジの前後に空間部を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  6. 冷蔵室及び冷凍室を形成する冷蔵庫本体と、前記冷蔵室に配置される給水タンク、前記給水タンク内に収納される軟水化装置、前記冷凍室に配置される製氷皿、及び前記給水タンクから前記製氷皿へ給水するポンプを有する製氷装置とを備え、
    前記軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材を容器内に収納した軟水化カートリッジを有し、
    前記軟水化カートリッジは前記ポンプの吸込配管路中に配置し、
    前記ポンプの吸込配管路は前記軟水化カートリッジをバイパスするバイパス管路を逆止弁を有して形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 記軟水化装置は水の硬度成分を除去するイオン交換機能材と脱臭作用をする浄水フィルターとを一つの容器内に分離して収納した軟水化カートリッジを有し、前記軟水化カートリッジは前記ポンプの吸込配管路中に前記浄水フィルターが前記イオン交換機能材より下流側に位置するように配置したことを特徴とする請求項5又は6に記載の冷蔵庫。
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