JP3665163B2 - 超音波洗浄装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽を収容する間接槽を有し、前記間接槽の底部に加えられ間接槽用液を伝わってきた超音波が透過する超音波透過板が前記洗浄槽の底部に設けられている超音波洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3はこの種の超音波洗浄装置の従来例の構造を示す縦断面図である。
【0003】
この従来の超音波洗浄装置は洗浄液2と洗浄槽3と間接槽用液4と洗浄液給排口5と間接槽36と超音波透過板7と給液パイプ8と振動子10と振動板11と高周波電源12とからなる。
【0004】
間接槽36は、間接槽用液4を収容する。洗浄槽3は、間接槽36の中の間接槽用液4に所定の位置まで浸漬され、洗浄液2を収容する。洗浄液2は、超音波により被洗浄物1を洗浄する。洗浄液給排口5は、洗浄槽3に対し洗浄液2の給液・排液を行なう。給液パイプ8は、間接槽36に間接槽用液4を給液する。高周波電源12は、振動子10に電力を供給する。振動子10は、振動板11の下側に密着して設けられていて、高周波電源12から供給された電力により振動する。振動板11は、間接槽36の底部に設けられていて、振動子10からの振動を間接槽用液4に伝える。超音波透過板7は、洗浄槽3の底部に設けられていて、間接槽用液4を伝わってきた超音波を透過させ洗浄液2に伝える。
【0005】
この超音波洗浄装置で被洗浄物1を洗浄する際は、洗浄槽3を間接槽36の中の所定の位置に設置した後、間接槽36の中に給液パイプ8より間接槽用液4を給液し、洗浄槽3の中に洗浄液給排口5より洗浄液2を給液する。このとき間接槽36の容量以上の間接槽用液4は間接槽36の上部より流れ落ちる。そして、被洗浄物1を洗浄液2の中に浸した後、高周波電源12より振動子10に電力を供給し振動子10を振動させることにより振動板11を振動させる。振動板11から発生した超音波は、間接槽用液4を伝わり超音波透過板7を透過し洗浄液2に伝わり被洗浄物1を振動させる。被洗浄物1は、洗浄液2の中で振動することにより洗浄される。
【0006】
この従来の超音波洗浄装置では、超音波洗透過板7には、洗浄液2の水圧が上側から、間接槽用液4の水圧が下側から加わっている。ここで、間接槽36の側壁は洗浄液2の水位より低いため、間接槽用液4の水位は常に洗浄液2の水位より下になり、上側からの水圧の方が強くなり超音波透過板7には下側に押される力が常時加わる。
【0007】
この超音波洗浄装置において、超音波の透過をよくするため、振動板11および超音波透過板7の板厚は、超音波の共振長であるλ/2(λは超音波の波長)となっている。例えば、石英ガラスを用いた場合、λ/2は用いる超音波の周波数が1MHzの場合で3mm、2MHzで1.5mm、3MHzで1.0mmとなる。
【0008】
また、半導体プロセスにおいては、洗浄度を高めるためメガソニック帯域(1MHz以上の周波数帯域)の超音波を用いた洗浄装置が重要になる。そのためには超音波の高周波数化が必要となるが、超音波が高周波数化するにつれ超音波透過板7の板厚は薄くする必要がある。
【0009】
現在使用されている超音波の周波数は1MHz程度であるが、今後は洗浄度を高めるために、2MHz以上の周波数が必要となることが予想される。しかし、超音波透過板7の板厚を薄くすれば強度が低くなり、洗浄液2と間接槽用液4の水位差が大きい場合、2つの液の水圧差に耐えきれなくなり破損してしまう。
【0010】
また、大きな被洗浄物1を洗浄するためには大きな超音波洗浄装置が必要となるが、この場合では洗浄液2の量も大きくなるため超音波透過板7にかかる負荷はますます大きくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の超音波洗浄装置では、洗浄槽と間接槽の深さが異なるため、洗浄液と間接槽用液の水位を同じにできず、超音波透過板には常に水圧差による負荷がかかり、場合によっては超音波透過板が破損してしまうという問題点があり、また、超音波洗浄装置を大きくすると超音波透過板にかかる水圧差による負荷がさらに大きくなるため、超音波洗浄装置を大型化できないという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、超音波透過板に水圧差による負荷がかからない超音波洗浄装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の超音波洗浄装置は、洗浄槽の水位と同じ水位の間接槽用液を収容可能な大きさの間接槽を有し、洗浄槽の洗浄液の水位と間接槽の間接槽用液の水位を常にほぼ同じに保つ水位保持手段を有する。
【0014】
本発明は、間接槽と洗浄槽の水位が常に同じになるようにして、超音波透過板に負荷をかけないようにしたものである。したがって、超音波透過板を薄くすることができる。
【0015】
本発明の実施態様によれば、前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記間接槽へ流入する間接槽用液の量を制御する間接槽用液給液量制御手段と、
前記間接槽から流出する間接槽用液の量を制御する間接槽用液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記間接槽用液給液量制御手段と前記間接槽用液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる。
【0016】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記洗浄槽へ流入する洗浄液の量を制御する洗浄液給液量制御手段と、
前記洗浄槽から流出する洗浄液の量を制御する洗浄液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記洗浄液給液量制御手段と前記洗浄液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる。
【0017】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段がポンプである。
【0018】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段が弁である。
【0019】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記水位検知手段が超音波式液面センサである。
【0020】
本発明は、水位検知手段により水位を自動的に検知し、液量の制御を制御回路により行なうので、通常洗浄時はもちろん、液交換時などの場合にも超音波透過板を破損することが無くなる。
【0021】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記超音波透過板がフィルム状の材質である。
【0022】
本発明は、間接槽と洗浄槽の水位が常に同じになるようにして、超音波透過板に負荷をかけないようにし、超音波透過板にフィルム状の材質を使用するようにしたものである。したがって、超音波透過板の製作が容易になり超音波の透過率が向上し、また洗浄槽を軽量化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)、図1(b)はそれぞれ本発明の第1の実施形態の超音波洗浄装置の縦断面図、上面図、図2は本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。図3中と同番号は同じ構成要素を示す。
【0024】
本実施形態の超音波洗浄装置は、従来の超音波洗浄装置に対し、給液パイプ8に給液弁13が設けられ、間接槽用液4を排液するための排液口9が間接槽6の底部に設けられ、洗浄液2と同じ水位の間接槽用液4を収容できるようにしたものである。
【0025】
間接槽6は、洗浄液2と同じ水位の間接槽用液4を収容できるような深さを有し、また、間接槽用液4を排液するための排液口9をその底部に備えている。また、排液口9には、排液弁14が設けられていて、排液する間接槽用液4の液量を調整できるようになっている。また、給液弁13は、給液パイプ8が給液する間接槽用液4の液量を調整できるようになっている。
【0026】
実際に被洗浄物1を洗浄する際は、まず、洗浄槽3を振動板11と直接接触しないように間接槽内6に設置する。次に、給液弁13を開き、間接槽6に純水等の液体を間接槽用液4として給液パイプ8より給液し、洗浄槽3に洗浄液2を洗浄液給排口5を通して給液する。この際、間接槽6と洗浄槽3の水位が常に同水位となるように給液弁13の液量を常に調整し、間接槽用液4の給液量を調整しながら給液する。そして、間接槽6の最大容量まで間接槽用液4が満たされたところで給液を停止することにより、間接槽用液4と洗浄液2は同水位のまま、洗浄槽3にも所定の水位まで洗浄液2が満たされる。
【0027】
また、排液時にも同様にして、洗浄液2を洗浄液給排口5より排液し、2つの液が同水位になるように、間接槽用液4の排液量を排液弁14により調整しながら排液口9より排液することにより、超音波透過板7に負荷をかけずに全ての洗浄液2と間接槽液4を排液することができる。
【0028】
このことにより、給液・排液中と通常使用時を通して超音波透過板7の上側と下側に加えられる水圧は常に一定となり、超音波透過板7に負荷がかかることがない。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。
【0029】
本実施形態の超音波洗浄装置は、第1の実施形態の超音波洗浄装置に対し、超音波式液面センサ21と、マイクロコンピュータ22と、給液弁制御回路24と、排液弁制御回路25が設けられたものである。
【0030】
超音波式液面センサ21は、洗浄液2と間接槽用液4の上部にそれぞれ設置され、それぞれの液の水位を検知し、その検知信号を出力する。マイクロコンピュータ22は、超音波式液面センサ21が出力した検知信号を入力し、給液弁制御回路24と、排液弁制御回路25にそれぞれ制御信号を出力し、洗浄液2と間接槽用液4の水位が常に同じになるように制御する。
【0031】
給液弁制御回路24は、マイクロコンピュータ22からの制御信号により給液弁13を制御し間接槽用液4の給液量を調節する。排液弁制御回路25は、マイクロコンピュータ22からの制御信号により排液弁14を制御し間接槽用液4の排液量を調節する。
【0032】
次に、本実施形態の動作について図2を参照して説明する。
【0033】
ここで、超音波洗浄装置に洗浄液2と間接槽用液4を給液する場合、超音波式液面センサ21は常に洗浄液2と間接槽用液4の水位を検知しマイクロコンピュータ22に検知信号を出力し、マイクロコンピュータ22は間接槽用液4の給液量を調節し2つの液の水位が同じになるように給液弁制御回路24に対し制御信号を出力する。このことにより、2つの液が同水位のまま給液が行なわれる。また、排液する場合は間接槽用液4の水位が洗浄液2の水位と同じになるように、マイクロコンピュータ22が、排液弁制御回路25に制御信号を出力することにより2つの液が同水位のままで排液が行なわれる。
【0034】
本実施形態では、給液弁13と排液弁14を制御することにより間接槽用液4の給液量と排液量を調整したが、弁のかわりにポンプを制御し液量を調整してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、水位検知手段として超音波式液面センサ21を用いたが、水位が検出できる水位センサのような他の手段でもよい。
【0036】
また、本実施形態では、間接槽用液4の液量を制御したが、同様にして洗浄液2の液量を制御して洗浄液2と間接槽用液4の水位を同じに保つようにしてもよい。
【0037】
また、上記の第1と第2の実施形態において、超音波透過板7には負荷がかからないため、超音波透過板7の材質は石英ガラス等に限られず0.03〜1mm程度のテフロン、ポリエチレン等のフィルム状の材質を使用してもよい。超音波透過板7をフィルム状とすることで、石英ガラス等を使用した場合に比べて超音波透過板7の製作が容易になるとともに超音波の透過率を向上することができ、また洗浄槽3を軽量化することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、下記のような効果を有する。
(1)洗浄液と間接槽用液の水位を常に同じに保つことにより超音波透過板にかかる水圧を同じにし負荷をかけないため、超音波透過板を薄くすることができ使用する超音波の周波数を高くすることができる。
(2)超音波透過板に負荷がかからないため、超音波洗浄装置を大型化することができる。
(3)超音波透過板に負荷がかからないため、超音波透過板にフィルム状の材質を使用することができ、超音波透過板の製作が容易になり超音波の透過率が向上し、また洗浄槽を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の超音波洗浄装置の縦断面図(図1(a))と上面図(図1(b))である。
【図2】本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。
【図3】従来の超音波洗浄装置の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 被洗浄物
2 洗浄液
3 洗浄槽
4 間接槽用液
5 洗浄液給排口
6 間接槽
7 超音波透過板
8 給液パイプ
9 排液口
10 振動子
11 振動板
12 高周波電源
13 給液弁
14 排液弁
21 超音波式液面センサ
22 マイクロコンピュータ
24 給液弁制御回路
25 排液弁制御回路
36 間接槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽を収容する間接槽を有し、前記間接槽の底部に加えられ間接槽用液を伝わってきた超音波が透過する超音波透過板が前記洗浄槽の底部に設けられている超音波洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3はこの種の超音波洗浄装置の従来例の構造を示す縦断面図である。
【0003】
この従来の超音波洗浄装置は洗浄液2と洗浄槽3と間接槽用液4と洗浄液給排口5と間接槽36と超音波透過板7と給液パイプ8と振動子10と振動板11と高周波電源12とからなる。
【0004】
間接槽36は、間接槽用液4を収容する。洗浄槽3は、間接槽36の中の間接槽用液4に所定の位置まで浸漬され、洗浄液2を収容する。洗浄液2は、超音波により被洗浄物1を洗浄する。洗浄液給排口5は、洗浄槽3に対し洗浄液2の給液・排液を行なう。給液パイプ8は、間接槽36に間接槽用液4を給液する。高周波電源12は、振動子10に電力を供給する。振動子10は、振動板11の下側に密着して設けられていて、高周波電源12から供給された電力により振動する。振動板11は、間接槽36の底部に設けられていて、振動子10からの振動を間接槽用液4に伝える。超音波透過板7は、洗浄槽3の底部に設けられていて、間接槽用液4を伝わってきた超音波を透過させ洗浄液2に伝える。
【0005】
この超音波洗浄装置で被洗浄物1を洗浄する際は、洗浄槽3を間接槽36の中の所定の位置に設置した後、間接槽36の中に給液パイプ8より間接槽用液4を給液し、洗浄槽3の中に洗浄液給排口5より洗浄液2を給液する。このとき間接槽36の容量以上の間接槽用液4は間接槽36の上部より流れ落ちる。そして、被洗浄物1を洗浄液2の中に浸した後、高周波電源12より振動子10に電力を供給し振動子10を振動させることにより振動板11を振動させる。振動板11から発生した超音波は、間接槽用液4を伝わり超音波透過板7を透過し洗浄液2に伝わり被洗浄物1を振動させる。被洗浄物1は、洗浄液2の中で振動することにより洗浄される。
【0006】
この従来の超音波洗浄装置では、超音波洗透過板7には、洗浄液2の水圧が上側から、間接槽用液4の水圧が下側から加わっている。ここで、間接槽36の側壁は洗浄液2の水位より低いため、間接槽用液4の水位は常に洗浄液2の水位より下になり、上側からの水圧の方が強くなり超音波透過板7には下側に押される力が常時加わる。
【0007】
この超音波洗浄装置において、超音波の透過をよくするため、振動板11および超音波透過板7の板厚は、超音波の共振長であるλ/2(λは超音波の波長)となっている。例えば、石英ガラスを用いた場合、λ/2は用いる超音波の周波数が1MHzの場合で3mm、2MHzで1.5mm、3MHzで1.0mmとなる。
【0008】
また、半導体プロセスにおいては、洗浄度を高めるためメガソニック帯域(1MHz以上の周波数帯域)の超音波を用いた洗浄装置が重要になる。そのためには超音波の高周波数化が必要となるが、超音波が高周波数化するにつれ超音波透過板7の板厚は薄くする必要がある。
【0009】
現在使用されている超音波の周波数は1MHz程度であるが、今後は洗浄度を高めるために、2MHz以上の周波数が必要となることが予想される。しかし、超音波透過板7の板厚を薄くすれば強度が低くなり、洗浄液2と間接槽用液4の水位差が大きい場合、2つの液の水圧差に耐えきれなくなり破損してしまう。
【0010】
また、大きな被洗浄物1を洗浄するためには大きな超音波洗浄装置が必要となるが、この場合では洗浄液2の量も大きくなるため超音波透過板7にかかる負荷はますます大きくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の超音波洗浄装置では、洗浄槽と間接槽の深さが異なるため、洗浄液と間接槽用液の水位を同じにできず、超音波透過板には常に水圧差による負荷がかかり、場合によっては超音波透過板が破損してしまうという問題点があり、また、超音波洗浄装置を大きくすると超音波透過板にかかる水圧差による負荷がさらに大きくなるため、超音波洗浄装置を大型化できないという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、超音波透過板に水圧差による負荷がかからない超音波洗浄装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の超音波洗浄装置は、洗浄槽の水位と同じ水位の間接槽用液を収容可能な大きさの間接槽を有し、洗浄槽の洗浄液の水位と間接槽の間接槽用液の水位を常にほぼ同じに保つ水位保持手段を有する。
【0014】
本発明は、間接槽と洗浄槽の水位が常に同じになるようにして、超音波透過板に負荷をかけないようにしたものである。したがって、超音波透過板を薄くすることができる。
【0015】
本発明の実施態様によれば、前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記間接槽へ流入する間接槽用液の量を制御する間接槽用液給液量制御手段と、
前記間接槽から流出する間接槽用液の量を制御する間接槽用液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記間接槽用液給液量制御手段と前記間接槽用液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる。
【0016】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記洗浄槽へ流入する洗浄液の量を制御する洗浄液給液量制御手段と、
前記洗浄槽から流出する洗浄液の量を制御する洗浄液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記洗浄液給液量制御手段と前記洗浄液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる。
【0017】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段がポンプである。
【0018】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段が弁である。
【0019】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記水位検知手段が超音波式液面センサである。
【0020】
本発明は、水位検知手段により水位を自動的に検知し、液量の制御を制御回路により行なうので、通常洗浄時はもちろん、液交換時などの場合にも超音波透過板を破損することが無くなる。
【0021】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記超音波透過板がフィルム状の材質である。
【0022】
本発明は、間接槽と洗浄槽の水位が常に同じになるようにして、超音波透過板に負荷をかけないようにし、超音波透過板にフィルム状の材質を使用するようにしたものである。したがって、超音波透過板の製作が容易になり超音波の透過率が向上し、また洗浄槽を軽量化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)、図1(b)はそれぞれ本発明の第1の実施形態の超音波洗浄装置の縦断面図、上面図、図2は本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。図3中と同番号は同じ構成要素を示す。
【0024】
本実施形態の超音波洗浄装置は、従来の超音波洗浄装置に対し、給液パイプ8に給液弁13が設けられ、間接槽用液4を排液するための排液口9が間接槽6の底部に設けられ、洗浄液2と同じ水位の間接槽用液4を収容できるようにしたものである。
【0025】
間接槽6は、洗浄液2と同じ水位の間接槽用液4を収容できるような深さを有し、また、間接槽用液4を排液するための排液口9をその底部に備えている。また、排液口9には、排液弁14が設けられていて、排液する間接槽用液4の液量を調整できるようになっている。また、給液弁13は、給液パイプ8が給液する間接槽用液4の液量を調整できるようになっている。
【0026】
実際に被洗浄物1を洗浄する際は、まず、洗浄槽3を振動板11と直接接触しないように間接槽内6に設置する。次に、給液弁13を開き、間接槽6に純水等の液体を間接槽用液4として給液パイプ8より給液し、洗浄槽3に洗浄液2を洗浄液給排口5を通して給液する。この際、間接槽6と洗浄槽3の水位が常に同水位となるように給液弁13の液量を常に調整し、間接槽用液4の給液量を調整しながら給液する。そして、間接槽6の最大容量まで間接槽用液4が満たされたところで給液を停止することにより、間接槽用液4と洗浄液2は同水位のまま、洗浄槽3にも所定の水位まで洗浄液2が満たされる。
【0027】
また、排液時にも同様にして、洗浄液2を洗浄液給排口5より排液し、2つの液が同水位になるように、間接槽用液4の排液量を排液弁14により調整しながら排液口9より排液することにより、超音波透過板7に負荷をかけずに全ての洗浄液2と間接槽液4を排液することができる。
【0028】
このことにより、給液・排液中と通常使用時を通して超音波透過板7の上側と下側に加えられる水圧は常に一定となり、超音波透過板7に負荷がかかることがない。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。
【0029】
本実施形態の超音波洗浄装置は、第1の実施形態の超音波洗浄装置に対し、超音波式液面センサ21と、マイクロコンピュータ22と、給液弁制御回路24と、排液弁制御回路25が設けられたものである。
【0030】
超音波式液面センサ21は、洗浄液2と間接槽用液4の上部にそれぞれ設置され、それぞれの液の水位を検知し、その検知信号を出力する。マイクロコンピュータ22は、超音波式液面センサ21が出力した検知信号を入力し、給液弁制御回路24と、排液弁制御回路25にそれぞれ制御信号を出力し、洗浄液2と間接槽用液4の水位が常に同じになるように制御する。
【0031】
給液弁制御回路24は、マイクロコンピュータ22からの制御信号により給液弁13を制御し間接槽用液4の給液量を調節する。排液弁制御回路25は、マイクロコンピュータ22からの制御信号により排液弁14を制御し間接槽用液4の排液量を調節する。
【0032】
次に、本実施形態の動作について図2を参照して説明する。
【0033】
ここで、超音波洗浄装置に洗浄液2と間接槽用液4を給液する場合、超音波式液面センサ21は常に洗浄液2と間接槽用液4の水位を検知しマイクロコンピュータ22に検知信号を出力し、マイクロコンピュータ22は間接槽用液4の給液量を調節し2つの液の水位が同じになるように給液弁制御回路24に対し制御信号を出力する。このことにより、2つの液が同水位のまま給液が行なわれる。また、排液する場合は間接槽用液4の水位が洗浄液2の水位と同じになるように、マイクロコンピュータ22が、排液弁制御回路25に制御信号を出力することにより2つの液が同水位のままで排液が行なわれる。
【0034】
本実施形態では、給液弁13と排液弁14を制御することにより間接槽用液4の給液量と排液量を調整したが、弁のかわりにポンプを制御し液量を調整してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、水位検知手段として超音波式液面センサ21を用いたが、水位が検出できる水位センサのような他の手段でもよい。
【0036】
また、本実施形態では、間接槽用液4の液量を制御したが、同様にして洗浄液2の液量を制御して洗浄液2と間接槽用液4の水位を同じに保つようにしてもよい。
【0037】
また、上記の第1と第2の実施形態において、超音波透過板7には負荷がかからないため、超音波透過板7の材質は石英ガラス等に限られず0.03〜1mm程度のテフロン、ポリエチレン等のフィルム状の材質を使用してもよい。超音波透過板7をフィルム状とすることで、石英ガラス等を使用した場合に比べて超音波透過板7の製作が容易になるとともに超音波の透過率を向上することができ、また洗浄槽3を軽量化することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、下記のような効果を有する。
(1)洗浄液と間接槽用液の水位を常に同じに保つことにより超音波透過板にかかる水圧を同じにし負荷をかけないため、超音波透過板を薄くすることができ使用する超音波の周波数を高くすることができる。
(2)超音波透過板に負荷がかからないため、超音波洗浄装置を大型化することができる。
(3)超音波透過板に負荷がかからないため、超音波透過板にフィルム状の材質を使用することができ、超音波透過板の製作が容易になり超音波の透過率が向上し、また洗浄槽を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の超音波洗浄装置の縦断面図(図1(a))と上面図(図1(b))である。
【図2】本発明の第2の実施形態の超音波洗浄装置の流量制御回路のブロック図である。
【図3】従来の超音波洗浄装置の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 被洗浄物
2 洗浄液
3 洗浄槽
4 間接槽用液
5 洗浄液給排口
6 間接槽
7 超音波透過板
8 給液パイプ
9 排液口
10 振動子
11 振動板
12 高周波電源
13 給液弁
14 排液弁
21 超音波式液面センサ
22 マイクロコンピュータ
24 給液弁制御回路
25 排液弁制御回路
36 間接槽
Claims (7)
- 洗浄槽を収容する間接槽を有し、前記間接槽の底部に加えられ間接槽用液を伝わってきた超音波が透過する超音波透過板が前記洗浄槽の底部に設けられている超音波洗浄装置において、前記洗浄槽の水位と同じ水位の前記間接槽用液を収容可能な大きさの間接槽を有し、前記洗浄槽の洗浄液の水位と前記間接槽の間接槽用液の水位を常にほぼ同じに保つ水位保持手段を有することを特徴とする超音波洗浄装置。
- 前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記間接槽へ流入する間接槽用液の量を制御する間接槽用液給液量制御手段と、
前記間接槽から流出する間接槽用液の量を制御する間接槽用液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記間接槽用液給液量制御手段と前記間接槽用液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記水位保持手段が、
前記洗浄槽と前記間接槽の液の水位をそれぞれ検知する水位検知手段と、
前記洗浄槽へ流入する洗浄液の量を制御する洗浄液給液量制御手段と、
前記洗浄槽から流出する洗浄液の量を制御する洗浄液排液量制御手段と、
前記両水位検知手段によって検出された前記洗浄液の水位と前記間接槽用液の水位が常にほぼ同じに保たれるように前記洗浄液給液量制御手段と前記洗浄液排液量制御手段の少なくとも1つを制御する制御回路とからなる請求項1記載の超音波洗浄装置。 - 前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段がポンプである請求項2または3記載の超音波洗浄装置。
- 前記間接槽用液給液量制御手段または前記間接槽用液排液量制御手段または前記洗浄液給液量制御手段または前記洗浄液排液量制御手段が弁である請求項2または3記載の超音波洗浄装置。
- 前記水位検知手段が超音波式液面センサである請求項2または3記載の超音波洗浄装置。
- 前記超音波透過板がフィルム状の材質である請求項1から6のいずれか1項記載の超音波洗浄装置。
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