JP3665074B2 - イオンセンサーおよびイオンセンサーを製造する方法 - Google Patents

イオンセンサーおよびイオンセンサーを製造する方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明はイオン種を検知するためのシステムに関する。さらに詳細には、本発明は、血液などの流体中のイオン種を検知するのに有用なセンサー、およびこのセンサーを製造する方法に関する。
発明の背景
現代の診療において、患者の状態を示す重要な指標は血液中に溶解しているガスやイオンの濃度である。従来、イオン種やガス種は、血液試料を採取し、これを電気化学的技術で分析することによって測定していた。近年は、脈管系内に留置したサンサーによって行われる直接接触測定が使用されている。このようなセンサーは、たとえば、電気化学的性質のものであっても光学的なものであってもよい。
光学的血液センサーの1種では、関心事の種の濃度が変化するにつれて変化するシグナルを提供するのに適した検知成分でマトリックス材料を処理する。一般に、この検知成分はマトリックス材料に共有結合しているが、このことは必ずしも必要ではない。このマトリックス材料および検知成分は、検知要素の構成要素である。このようなセンサーでは、検知成分は蛍光色素であり、マトリックス材料はセルロース膜シートである。膜シートから小さいディスクを切り取り、これをセンサーカセットのウェルに入れ、このカセット自身を光ファイバーの近くに設置する。ディスクの露出表面に不透明な保護被膜材料を物理的に配置して、カセットを固定することができる。ディスクから物理的に離れているこの保護被膜は、検知要素中の色素を光学的に隔離する。別のタイプの構造は、セルロース膜に共有結合した蛍光色素を含むセルロース膜のディスク、およびディスクにやはり共有結合した保護被膜材料を含む(米国特許第5,081,041号を参照)。いずれのタイプの構造でも、検知成分に負荷した光によって検知成分が励起するとき、検知成分は蛍光を発光し、シグナルを発する。この放出シグナルは光ファイバーによってプロセッサーに伝達され、そこで解析されて関心事の種の濃度が決定される。
このようなセンサーを製造する周知の方法にはある制限がある。その方法は、ある反応が完了するのに不都合に長い時間を要する場合もある。また、その方法は、有毒な試薬を使用する必要があったり、有毒な中間生成物や副産物が発生することもある。さらに、同一膜シートの異なる部分から切り取られるセンサー間の一貫性は、センサーを可能な最低の費用で社会に提供するには不十分である。また、ある既知の技術は、色素濃度およびpKa値が低く、且つ変わり易いため、完成した装置に十分な感度を与えない。
発明の概要
本発明は、大量生産用に容易にスケールアップされ、以前に必要であったより少ない毒性試薬を使用し、一般に色素濃度およびpKa値がより高く、より均一な結果として、より一定した結果および良好な感度を提供するセンサーを製造する全過程を提供することによって、従来の技術における上記制限に対処する。全過程には、検知成分の生成および検知成分の基質材料への結合に関連した、改良された様々な処理工程が含まれる。検知成分をを基質材料に結合させた後で保護被膜を検知要素に塗布するセンサーの製造に、これらの処理工程を使用することが好ましい。全過程の好ましい実施態様では、従来の方法より必要とする時間がかなり少なく、有毒物質の使用量も発生量も少なく、pKa値がより一定したセンサーを製造し、しかもpKa値がより一定して高い、好ましくは37℃で少なくとも約6.90であるセンサーを製造する。
特に、本発明は、水膨潤性イオン透過性基質材料を、検知成分またはその前駆体の水性系の槽(この槽は、水、および検知成分またはその前駆体を可溶化するのに有効な量の有機溶媒を含む)とを、前記検知成分またはその前駆体を水膨潤性イオン透過性基質材料に共有結合させるのに有効な条件で接触させること、共有結合した検知成分またはその前駆体を有する水膨潤性イオン透過性基質材料を、pHが少なくとも約10であり、イオン強度が、少なくともほぼ5%塩化ナトリウム水溶液のイオン強度である水溶液と接触させて検知要素を形成すること、および検知要素を不透明な保護被膜材料で覆うことを含む、イオンセンサーを製造する方法を提供する。
本発明は、ヒドロキシピレントリスルホネートをアセトキシピレントリスルホネートに変換すること、およびアセトキシピレントリスルホネートを塩化チオニルおよび触媒量の二置換ホルムアミドと反応させてアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを生成することを含む方法により製造されたアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを、アミン修飾ポリマー・イオン透過性基質材料と反応させて結合したアセトキシピレンスルホンアミドを生成すること、結合したアセトキシピレンスルホンアミドをヒドロキシ形、すなわち、ヒドロキシピレンスルホンアミドに変換して検知要素を形成すること、および検知要素を不透明な保護被膜材料で覆うこととを含む、イオンセンサーを製造する方法も提供する。
本発明はさらに、第一ポリマー・イオン透過性基質材料の表面に、不透剤が中に混合された不透剤を有する第二ポリマー・イオン透過性基質材料を塗布すること、両基質材料を、分子当たり少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシドと反応させて2種の基質材料を互いに共有結合させてペンダントエポキシ基を形成すること、エポキシ基を、分子当たり少なくとも2個のアミン基を有する有機アミンと反応させてペンダントアミン基を形成すること、ヒドロキシトリピレントリスルホネートをアセトキシピレントリスルホネートに変換することとアセトキシピレントリスルホネートを塩化チオニルおよび触媒量の二置換ホルムアミドと反応させてアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを生成することを含む方法により製造されたアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを、水、アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを可溶化するのに有効な量の有機溶媒、および緩衝塩を含む水性系の槽内でペンダントアミン基と反応させて、結合したアセトキシピレンスルホンアミドを形成すること、この結合したアセトキシピレンスルホンアミドを結合したヒドロキシ形に変換すること、および未反応アミン基を、アセチル化剤、有機アミン、およびエーテル溶媒を含む溶液と接触させることによって、この基質材料上のあらゆる未反応アミン基をキャップすることを含む、イオンセンサーを製造する方法も提供する。
上記の方法に加えて、本発明は、ポリマー・イオン透過性基質材料と、エポキシドおよびアミン結合基を介してポリマー・イオン透過性基質材料に結合している検知成分とを含み、前記検知成分が媒体中のイオン種の濃度が変化するにつれて変化するシグナルを提供するのに有効な量で存在する検知要素と、検知成分が基質材料に結合した後に塗布される、検知要素を覆う不透明な保護被膜材料とを含む、媒体中のイオン種の濃度を検知するためのイオンセンサーを提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るセンサー装置の略図である。
発明の詳細な説明
本発明は、イオン透過セルロースなどの基質材料を含み、その中に含まれる蛍光色素などの検知成分および不透明な保護被膜材料を有する、イオンセンサーを製造する方法を提供する。基質材料と検知成分の組み合わせを、本願では検知要素と呼ぶ。検知要素は、モニタリングすべき媒体中の関心事のイオン種の濃度の変動に応答して変化する、シグナルを提供するのに有効な量の検知成分を含む。不透明な保護被膜材料は、たとえば、インク層、黒色の膜、または第二基質材料を不透明にするのに有効な量で第二基質材料中に含まれる、カーボンブラックなどの不透剤を有する、デキストランなどの第二基質材料であってもよい。不透明の保護被膜材料は、検知要素から物理的に離れていてもよく、または、たとえば、米国特許第5,081,041号に開示されているセンサー同様、保護被膜材料は検知要素と直接接触していてもよい。本発明の方法を使用して、どちらのタイプのセンサーも作製することができる。
これらの方法は、モニタリングすべき媒体中の関心事のイオン種の濃度変化に極めて敏感な、高度に信頼できる検知シグナルをセンサーに提供する。このセンサーや、より均一な色素濃度、より一定したpKa値、およびより一定して高いpKa値を示す。好ましくは、本発明のセンサーは約37℃の温度で少なくとも約6.90のpKa値を示し、より好ましくは、少なくとも約6.95を示す。
本発明の検知要素は、媒体中、好ましくは、流体媒体、特に血液中の、イオン種の濃度を検知する方法に有用である。モニタリングすべき媒体をまず第一に検知要素と接触させると、検知要素内の検知成分がシグナルを放出するが、これはモニタリングすべき媒体中の関心事のイオン種の濃度によって異なる。この「放出」シグナルを、従来技術において周知の技術を使用して分析し、モニタリングすべき媒体中の関心事のイオン種の濃度を決定する。
検知成分
検知成分が本システムの機能またはモニタリングすべき媒体に対して実質的に悪影響を及ぼさなければ、任意の適当な検知成分を、本発明の検知要素に使用することができる。検知成分は、好ましくは吸光度指示薬や蛍光指示薬などの光学指示薬である。さらに好ましくは、検知成分は蛍光指示薬である。検知成分は、水素イオン(H+)、水酸イオン(OH−)、およびアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属などの金属イオンの濃度の検知に特に有用である。この態様では、媒体のpHを測定することが最も多い。適するpH検知成分としては、多くの周知のpH指示薬またはこのような指示薬の機能化誘導体またはその両者がある。なかでも特に有用なpH検知成分は、ヒドロキシピレントリスルホン酸およびその誘導体、たとえばそれらの塩類、フェノールフタレイン、フルオレセイン、フェノールレッド、クレゾールレッド、パラローズアニリン、マゼンタレッド、キシレノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロムクロルフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、クロルフェノールレッド、O−クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、メタニルイエロージフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、インジゴブルー、アリザリン、アリザリンイエローGG、アリザリンイエローR、コンゴレッド、メチルレッド、メチルバイオレット6B、2,5−ジニトロフェノール、および/または上記種の様々な機能化誘導体である。その他のイオン種用検知成分は、フルオレセイン、ジヨードフルオレセイン、ジクロロフルオレセイン、フェノサフラニン、ローズベンガル、カジンIブルーイッシュ、カジンイエローイッシュ、マグネゾン、タートラジン、エリオクロムブラックT、クマリン、アリザリンなどを含む有機種から作られる。好ましいpH検知成分は、ヒドロキシピレントリスルホン酸、ヒドロキシピレントリスルホン酸の誘導体、およびそれらの混合物である。
センサー要素の製作用に特に好ましい検知成分、たとえば、検知色素は、ヒドロキシピレントリスルホン酸であり、これは、基質材料に結合しているとき、スルホンアミドの形をとっている。従来、この色素は、固体であるヒドロキシピレントリスルホネート(HPTS)のアシル化形を調製し、これを固体のPC15と一緒に粉砕することによって反応させることにより作られる。結果として生じる生成物はアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリド(APTSC)であり、次にこれを基質材料に結合させ、ヒドロキシ形に変換する。一般に、この方法で調製したAPTSCは、除去することが困難な不純物を含む。これらの不純物は、検知要素のpKa値を低下させ、不定にさせる。より純粋な生成物を提供し、大規模製造により貢献する、より便利な反応手順でAPTSCを調製できることがわかっている。この方法では、HPTSをアセトキシピレントリスルホネート(APTS)に変換した後、塩化チオニルおよび二置換ホルムアミドを使用して、APTSCに変換する。塩化チオニルは、APTSを基準にして化学量論的にかなり過剰に使用する。二置換ホルムアミドは、触媒量で使用し、好ましくは、約1:100〜1:1000(APTSの部に対する二置換ホルムアミドの部数)の量で使用する。二置換ホルムアミドは、APTSのAPTSCへの変換を妨げない任意のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。二置換ホルムアミドは、(C1−C8)アルキル基、(C5−C10)アリール基(アルキル置換アリール基を含む)、またはそれらの組み合わせで置換されていることが好ましい。適当な例としては、ジメチルホルムアミド、ジベンジルホルムアミド、ベンジルメチルホルムアミド、フェニルメチルホルムアミド、などがある。特に好ましい二置換ホルムアミドは、ジメチルホルムアミドである。
特に、この方法は、ジメチルホルムアミド中HPTSを基準にしてかなり過剰な(好ましくは10〜50倍過剰な)無水酢酸の暖かい溶液(すなわち、約20〜70℃、好ましくは40〜50℃)を溶媒として調製する工程と、この溶液にHPTSおよび酢酸ナトリウムを(好ましくはHPTSの量を基準にして化学量論的量から3倍過剰までの間の量で)加えて反応を起こす工程と、溶媒を除去してアセトキシピレントリスルホネート(APTS)を回収する工程と、乾燥、無酸素(好ましくは、不活性な)大気条件で塩化チモールおよび触媒量の二置換ホルムアミドと共にAPTSを還流させ、それによってアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを生成する工程を含む。好ましくは、この方法は、有機溶媒中で生成物で洗浄した後、有機溶媒を除去することによってアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを回収する工程も含む。塩化チオニル反応によりAPTSを塩素化するこの方法には、大量生産のためのスケールアップが容易なこと、所望の生成物から反応副産物(一般に不溶性または揮発性のいずれかである)を除去することが容易なこと、および塩素化剤と検知要素の基質材料との間の好ましくない副反応の回避を含め、APTSCを合成する周知の方法にまさる利点が幾つかある。このAPTSC生成物はより純粋なため、検知要素は、より一貫した、より高いpKa値を有することになる。
検知要素に使用する検知成分の量は、モニタリングすべき媒体中の関心事のイオン種濃度を決定するにあたって、伝達し、分析するのに十分な強度であるイオン種濃度依存性シグナルを提供するのに十分でなければならない。使用する検知成分の明確な量は、たとえば使用する特定の検知成分、検知するイオン種、モニタリングすべき媒体、および使用するセンサーシステムの他の成分によって異なる。
基質材料
検知要素の基質材料、すなわち、第一基質材料、ならびに保護被膜内の基質材料(このような構造を使用する場合)、すなわち、第二基質材料は、関心事のイオン種透過性であり、好ましくはモニタリングすべき媒体に実質的に不溶性である。すなわち、第一基質材料および第二基質材料は、関心事のイオン種がこのような基質材料を物理的に透過できるように構築されるべきである。このような基質材料が、システムの機能性またはモニタリングすべき媒体に悪影響を及ぼさなければ、任意の適当な第一基質材料および第二基質材料を使用することができる。好ましいイオン透過性基質材料は、セルロースと同様、水膨潤性である。
第一基質材料および第二基質材料は、各々ポリマー材料であることが好ましい。基質材料は、膜、粒子、繊維などの形をとってもよい。モニタリングすべき媒体に実質的に不溶性であり、且つ関心事のイオン種透過性である高分子親水性ポリマーは、水性媒体のモニタリングに使用するシステムの第一基質材料または第二基質材料またはその両者に特に有用である。このようなポリマーとしては、たとえば、イオン透過セルロース材料、高分子ポリビニルアルコール(PVA)または架橋ポリビニルアルコール、デキストラン、架橋デキストラン、ポリウレタン類、四級化ポリスチレン類、スルホン化ポリスチレン類、ポリアクリルアミド類、ポリヒドロキシアルキルアクリレート類、ポリビニルピロリドン類、親水性ポリアミド類、ポリエステル類およびそれらの混合物などがある。好ましくは、第二基質材料(使用する場合)は架橋されている。さらに好ましくは、第一基質材料も第二基質材料も、共に架橋されている。特に有用な実施態様では、第一基質材料はセルロース誘導体であり、特にイオン透過性架橋セルロースである。セルロース誘導体第一基質材料を使用する場合、第二基質材料(使用する場合)は、デキストランから誘導されることが好ましく、さらに好ましくは架橋デキストランである。第一基質材料および第二基質材料の各々は、特に第二基質材料は、1種以上の可溶性材料から誘導することができる。
基質材料ポリマーは、所望の通り、陰イオン特性であっても陽イオン特性であってもよく、また従来の周知の技術を使用してそのように製作することができる。たとえば、このような諸ポリマー、またはそれらの機能化誘導体を、有機スルホン酸やカルボン酸などの酸性成分と反応させて陰イオンポリマーを生成することができ、また有機アミンなどの塩基性成分と反応させて陽イオンポリマーを生成することができる。
使用する第一基質材料の量は、たとえば、使用する特定の第一基質材料および検知成分によって異なる。このような第一基質材料は、検知成分または体積を増加させるためのフィラーまたはその両者のキャリヤーの役割を果たすのに有効な量で存在することが好ましい。第一基質材料は関心事のイオン種透過であるため、この第一基質材料は、このイオン種と検知成分との間の相互作用を促進し、その結果、本願に記載のイオン種濃度可変性シグナルとなる。この検知成分は、実質的に第一基質材料に均質に分布していることが好ましい。使用する第二基質材料の量は、たとえば、使用する特定の第二基質材料および不透剤に応じて変化させることが可能である。このような第二基質材料は、体積を増加させるためのキャリヤーまたは結合材の役割をすることが好ましい。
検知要素
検知成分を、物理的または化学的に、第一材料基質に結合させて検知要素を形成することができる。あるいは、検知要素は検知成分および第一基質材料を含有する物理的混合物を含んでもよい。検知成分は、好ましくは第一基質材料に化学的に結合しており、さらに好ましくは共有結合している。検知成分の第一基質材料への化学的結合は、第一基質材料の反応部位、たとえばセルロースまたはPVAのヒドロキシル基に、検知成分を直接カップリングすることによって、あるいは、第一基質材料にカップリングされるか化学的に結合される置換基を使用した間接的カップリング、たとえば、エポキシ結合、アミン結合、またはその両者によって行うことができる。
好ましくは、第一基質材料はヒドロキシル(−OH)基またはカルボキシル(−COOH)基を有し、さらに好ましくはヒドロキシル基を有する。検知成分とカップリングさせるために基質材料を修飾する際に、上記−OH官能基をエポキシド、すなわち分子当たり2個以上のエポキシ基を有する化合物と反応させてエポキシ修飾基質材料を形成することが好ましい。これにより、セルロースは架橋してペンダントエポキシ官能基となる。好ましくは、エポキシドはジエポキシドである。次に、有機アミン、すなわち分子当たり2個以上のアミノ基を有する有機化合物を、このエポキシ修飾基質材料と反応させる。有機アミンはジアミンであることが好ましい。次に、検知成分を、このアミン修飾基質材料と結合させる。このように、エポキシドおよびアミン結合基を介して検知成分を基質材料に結合させる。
検知成分は、保護被膜材料を塗布する前に第一基質材料に結合させることが好ましい。完全な検知要素を製造してから保護被膜材料を塗布することが好ましい。しかし、その代わりに、米国特許第5,081,041号に開示されているように、保護被膜を塗布した後で検知成分を第一基質材料に結合させることもできる。簡単に説明すると、この方法では、第一基質材料、たとえば、セルロースの表面に、第二基質材料、たとえば、デキストランの中に不透剤、たとえば、カーボンブラックを混合して塗布する。次に、この2種の基質材料を架橋させ、それによってエポキシドと互いに共有結合させると、やはりペンダントエポキシ基を形成する。このペンダントエポキシ基を有機アミンと反応させて、ペンダントアミン基を形成する。所望の検知成分、またはその前駆体を、アミン基を介して複合基質材料に結合させる。
本発明の好ましい実施態様では、ヒドロキシル基を含有するポリマー基質材料は、好ましくはイオン透過セルロースを、セルロースの架橋およびペンダントエポキシ基の形成を惹起する条件で、エポキシドと結合させる。好ましくは、この条件はセルロースの架橋を最小限に抑えてペンダントエポキシ基の形成を最大限にするような条件である。次に、結果として得られたエポキシ修飾セルロースを、ペンダントアミン基を形成する条件で、有機アミンと結合させる。好ましくは、この条件はセルロースのさらなる架橋を最小限に抑えてペンダントアミン基の形成を最大限にするような条件である。ペンダントアミン基を検知成分または検知成分前駆体との反応に利用して、検知成分をセルロースに結合することができる。
エポキシドは、所望の機能を果たす分子当たり少なくとも2個のエポキシキ基を有する任意のエポキシドであってもよい。適する例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、分子当たり少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂などがある。有機アミンは、所望の機能を果たす分子当たり少なくとも2個のアミン基を有する任意のアリールアミンまたはアルキルアミンであってもよい。適する例としては、たとえば、ヘキサンジアミン、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン、JEFFAMINEポリエーテルジアミン(Texac o,Inc.,Housston,TXから入手可能)などがある。好ましくは、有機アミンはジアミンであり、さらに好ましくは(C2−C20)アルキルジアミンまたは(C6−C10)アリールジアミンである。
一般に,エポキシドとの反応は、−OH官能基とエポキシドとの反応を促進するため、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質の存在下で行われる。エポキシドとの反応は、第一基質材料を十分に多孔性に維持するように作用する透過性薬剤の存在下でも実施することができるため、結果として得られた検知要素は関心事のイオン種を透過させることができる。透過性薬剤は、検知要素の製造方法に実質的に悪影響を及ぼさない薬剤から選択することが好ましい。特に有用な透過性薬剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。
第一基質材料の少量の架橋および高濃度のペンダントエポキシ基の形成を促進する好ましい反応条件としては、セルロースに対してかなり過剰のエポキシド、短い反応時間(好ましくは約12時間未満、さらに好ましくは約30分未満、最も好ましくは約2〜4分)、低温(好ましくは約10〜50℃)などがある。第一基質材料の少量の架橋および高濃度のペンダントアミン基の形成を促進する好ましい反応条件としては、かなり過剰のアミン、短い反応時間(たとえば、約12時間未満、さらに好ましくは約30分未満、最も好ましくは約2〜4分)、低温(好ましくは約10〜60℃)などがある。
媒体中のイオン種の濃度が変化するにつれて変化するシグナルを提供するのに有効な量で検知成分を含む検知要素を形成するのに有効な条件で、アミン基で好ましく修飾された第一基質材料を、検知成分または検知成分前駆体と接触させる。接触工程を1回以上繰り返して、基質材料中の検知成分を所望の量にすることができる。検知成分を第一基質材料と物理的に結合させるか、または混合することができるが、第一基質材料に化学的に結合させることが好ましく、共有結合させることがさらに好ましい。上述の通り、これは保護被膜たとえば、その不透剤を中に含む第二基質材料を、検知要素に塗布する前に行うことが好ましい。
検知成分を溶媒に溶解し、この溶液に基質材料を所望の検知強度を与えるのに有効な時間浸漬することによって、検知成分を第一基質材料に結合させる。従来、好ましいヒドロキシピレントリスルホン酸色素の場合、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)を溶媒として使用した。しかし、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)を溶媒として使用すると、好ましいセルロース基質材料は孔が崩壊する結果として収縮し、首尾一貫しない不均質な濃度の検知色素がセルロースに結合した。これは、セルロースおよび他の水膨張性基質材料の場合、水性系の槽を使用することによってこれを回避できることがわかっている。好ましくは、槽の溶媒は、水と有機溶媒または界面活性剤、好ましくは検知成分またはその前駆体(好ましくは前駆体APTSC)を分散または可溶化することができ、水で均質な溶液または分散液を形成することができる有機溶媒との混合物であることが好ましい。有機溶媒は、検知成分またはその前駆体と反応しないが、検知成分またはその前駆体を可溶化するか、または分散させるものである。APTSCを可溶化するのに適した有機溶媒の例としては、アセトンやアセトニトリルなどがある。特に好ましい有機溶媒はアセトンである。有機溶媒または界面活性剤は、検知成分は可溶化され、且つ基質材料は完全に乾燥されず、孔が崩壊する結果として収縮しない、適切な量で使用される。さらに好ましくは、有機溶媒および水を約0.4:1から2.4:1(有機溶媒の部数と水の部数)の量で使用する。
最も好ましくは、水性系の槽(たとえば、色素槽)は、適当な溶媒、選り抜きの検知成分または前駆体、好ましくはAPTSC、および基質材料、好ましくはセルロースを膨張した状態に維持するように溶液の適切なpHを維持するのに有効な緩衝塩を含む。好ましくは、緩衝塩は、pHの範囲が8〜11の有効緩衝液である水溶性無機塩である。適する緩衝塩の例は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、第二リンナトリウム、ホウ酸ナトリウムなどであり、これらは様々な組み合わせで使用することができる。上記塩のナトリウムイオンは、他の適当な緩衝塩の他の塩形成イオンで置きかえられることは理解されるであろう。好ましい緩衝塩は、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムである。緩衝塩は、槽内の検知成分または前駆体の濃度、溶液の所望のpH(アミンがAPTSCと反応する場合、pHは7より大きくなくてはならない)、所望の反応時間などによって、種々様々な濃度で使用することができる。これらの量および適切なpHは、当業者によって容易に決定される。
検知成分を基質材料に結合させるのに十分な時間、基質材料を検知成分槽と接触させることが好ましい。検知成分槽を基質材料と接触させる前に、反応部位数を減少させるために検知成分を熟成させることができる。たとえば、APTSCは、緩衝アセトン/水溶液中である期間、好ましくは、分子当たり1個の反応部位にするのに有効な時間、熟成させて反応部位の一部を加水分解することができる。このように、APTSCを、アミン修飾セルロースと結合させた後は、APTSCを熟成させたか否かによって、また熟成させた時間の長さによって、たとえば、分子当たり1個、2個または3個のスルホンアミド結合を形成することができる。ATPSCは、基質材料に結合した際に、分子当たりただ1個のスルホンアミド結合が形成されるのに十分な時間、熟成させることが好ましい。
一般に、結果として得られる検知要素は、検知成分またはその前駆体の共有結合した分子(たとえば、本願でアセトキシピレンスルホンアミドと呼ばれる、スルホンアミド結合により結合したAPTSC)を有する。この検知要素は、検知要素のpKaに悪影響を及ぼす可能性がある、未反応アミン基も有する可能性がある。様々な方法で、これらのアミン基をキャップすること、すなわち非妨害基に変換することができる。従来、未反応アミン基は、2工程の方法を使用してキャップされた。最初に、無水酢酸を使用してアミド基を形成する。次に、ピリジンの存在下でメタンスルホニルクロリドを使用して、スルホン化アミン基を形成する。
有機アミン含有溶液を、有機溶媒中、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグリムなどのエーテル溶媒中のアセチル化剤と共に使用することによって、メタンスルホニルクロリド工程を使用せず、アセチル化工程をかなり短縮し、無水酢酸の量を減少できることがわかっている。この新しい、好ましいアセチル化方法は、一般に室温(20〜25℃)で実施され、かなり速やかに(一般に約5分未満で)行われる。この方法は、たとえば、蛍光pHセンサーの製作に使用する従来の方法より速く、使用する試薬は少なく、危険な廃物の発生は少ない。この方法によって、検知要素のpKaは有意に、たとえば、約0.04単位上昇する。
アセチル化剤は無水酢酸が好ましいが、塩化アセチルやN−ヒドロキシスクシンイミドの酢酸エステルなど、アミン基をアセチル化することができる他の化合物であってもよい。有機アミンは、反応の経過中に生成した酸を中和することができ、且つアセチル化剤と反応することができないものである。有機アミンは、トリエチルアミン、ピリジン、および4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロロジノピリジン、シクロヘキシルアミノピリジンなどの置換ピリジンなど、第三級アミンであることが好ましい。第三級アミンはトリエチルアミンであることがさらに好ましい。有機アミンは、アセチル化剤1モル当たり約2モルの量で使用することが好ましい。
溶液はアセチル化の反応速度を増進することができる触媒を、任意に含むことができる。触媒は置換ピリジンが好ましい。このような触媒の適例は、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロロジノピリジン、シクロヘキシルアミノピリジンなどである。さらに好ましくは、触媒は4−ジメチルアミノピリジンである。触媒は、使用する有機アミンの量に基づいて、約0.1〜100モル%の量で使用することが好ましく、約0.1〜2モル%の量で使用することがさらに好ましい。
検知要素は、不安定で間違った高いpKa値を与えることによって検知要素のpKaに悪影響を与える可能性がある、イオン結合した検知成分、またはその前駆体も有すると考えられる。イオン結合した物質は、pHが少なくとも約10であり、且つイオン強度が高い(すなわち、少なくとも、5%塩化ナトリウム溶液のイオン強度ぐらい)水溶液を使用することによって除去することができ、それによって、特に検知要素のpKaに関して、より一定した結果を得られることがわかっている。この溶液は、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基、および所望のイオン強度を提供する無機塩類を含むことが好ましい。適する無機塩類の例としては、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどがある。上記の塩基および塩は、様々な組み合わせで使用することができる。特に好ましい実施態様では、塩基性pH用に炭酸ナトリウムを使用し、高イオン強度用に塩化ナトリウムを使用する。この工程は、未使用アミン基をキャップする前またはキャップした後、または要望に応じてその両者に、実施することができる。この反応は、イオン結合した検知成分分子の除去に有効な温度で、有効な時間、反応を実施することが好ましい。一般に、有効な温度は約20〜90℃であり、約65〜75℃が好ましい。
この反応工程で、アセトキシピレンスルホンアミドの形をとっている結合したAPTSCも、好ましいヒドロキシピレンスルホンアミド色素に変換することが理想的であり、これは、従来、2.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液を使用して行われた。したがって、イオン結合した検知成分分子を除去し、且つ検知成分前駆体を検知成分に変換するのに有効な温度で、有効な時間、反応を実施することがさらに好ましい。イオン結合した検知成分、またはその前駆体が全く混在しなければ、この変換を行うための塩化ナトリウムを含まない炭酸ナトリウム水溶液を使用できることは理解できるであろう。
保護被膜
検知成分の効果的な光学分離に所望する程度の不透明度を与え、本システムの機能またはモニタリングすべき媒体に実質的に悪影響を与えない保護被膜であれば、任意の不透明な保護被膜材料を使用することができる。保護被膜は、米国特許第5,081,041号に記載のように、検知成分を第一基質材料に結合させる前に塗布することもでき、また結合させた後で塗布することもできる。保護被膜は、検知要素に直接結合させることもでき、また検知要素から離れていてもよい。好ましい実施態様では、検知成分を第一材料に結合させた後で保護被膜を塗布する。
保護被膜は、上述の通り、カーボンブラックなどの不透剤、炭素を主成分とする不透剤、酸化第二鉄、金属性フタロシアニン類などを含有する基質材料であってもよい。このような不透剤は、所望する程度の不透明度を与えて、所望の光学分離を与えるのに有効な量で第二材料に実質的に均質に分散されることが好ましい。特に有用な不透剤はカーボンブラックである。保護被膜は、インクジェット技術やインクスクリーニング技術など様々な技術を使用して塗布した検知要素上のインクコーティングであってもよい。保護被膜は、検知要素を保持しているカセットにステープルで留めるか熱で固定した黒色の膜であってもよい。保護被膜は、たとえば、黒色DURAPORE膜(白色の膜としてMilliporeから入手でき、これを黒色インクで処理する)であって、カセットにヒートシールしてもよい。
センサー
ヒドロキシピレントリスルホン酸検知成分を使用して血液のpHをモニタリングする、有用な一実施態様では、架橋セルロースを第一基質材料として使用し、架橋デキストランを第二基質材料として、またカーボンブラックを不透剤として使用し、第一材料または第一層の第二材料または第二層に対する相対的体積または相対的厚さは、それぞれ、約1〜0.01対1〜0.5の範囲であることが好ましい。セルロースとデキストランが互いに共有結合しているこの種のセンサーは、米国特許第5,081,041号に開示されている。
第1図は、検知要素を形成した後で、すなわち、検知成分を基質材料に結合させた後で保護被膜を塗布する本発明のpHセンサー10の別の実施態様を表わす図である。光ファイバーは光伝達装置14に接続されている。光伝達装置14は励起光を発生する。光ファイバー12は、光受信装置16にも接続されている。光受信装置16は、蛍光検知成分からの発光を受信して分析する。
光ファイバー12の光学表面18は、一般に20に示される検知要素から少し離れている。本願の実施例に記載の通りに製造される検知要素20は、不透明な保護被膜22で覆われている透明なポリウレタンを主成分とする接着剤層26は検知要素20をウェル28に接着する。不透明な保護被膜22と検知要素22と接着剤層26の厚さの比率は、約1:約5:約100である。検知要素20は、第1図に示した通り、カセット30のウェル28内に設置されている。ウェル28は、一端で開放しており、直円柱側壁27および円形底壁29を含む。ウェル28の直径は0.15インチ(0.38cm)であり、深さは0.010±0.0005インチ(0.025±0.0013cm)である。不透明な保護被膜22の最上表面23は、カセット30の内表面と実質的に同一平面である。カセット30は透明なポリカーボネートで作られている。カセット30を通る流体流路の無菌性はウェル28内に検知要素20が存在することによって妨害を受けない。
使用する際には、カセット30内の媒体を不透明な保護被膜22で被覆された検知要素を横切って前後に流すことによってpHをモニタリングすべき流動性媒体、たとえば、血液を検知要素20と接触させる。光伝達装置14からの適当な波長の励起光を光ファイバー12に送りこの光ファイバーが励起光を検知要素20に伝達する。この励起光は検知要素20内の検知成分と相互に作用して蛍光を発しモニタリングすべき媒体のpHによって異なるシグナルを放出する。蛍光からの発光は、光ファイバー12によって光受信装置16に伝達され、ここで処理および分析されて、モニタリングすべき媒体のpHが決定される。
本発明の目的および利点は、以下の実施例によってさらに例証される。これらの実施例に記載されている特定の材料およびその量ならびに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するものではない。すべての材料は、記述されているか別の方法で明らかにされている場合を除き、市販されている。
実施例1
プレマリンセンサー色素
アセトキシピレントリスルフェートの調製
ヒドロキシピレントリスルホネート(HPTS)をアセトキシピレントリスルホネート(APTS)に変換するために、以下の反応を行った。無水酢酸(125ml)とジメチルホルムアミド(DMF、1000ml)をフラスコ内で混合した。この混合物を連続的に攪拌しながら45±5℃に加熱した。この溶液にHPTS(25g、8−ヒドロキシ−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム塩として、Eastman Fine Chemicals,Rochester,NYから製品番号1191774で市販されている)および酢酸ナトリウム(3.75g)を加えた。この混合物を約90分間45℃に維持しながら反応させた。スターリングバーを取り除き、461型水浴と共に使用するRE121型回転蒸発装置(両者ともスイスの
Figure 0003665074
から市販されている)で処理することによって溶媒を除去した。回転蒸発装置を80℃に設定すると、溶媒を除去する工程に約1.5時間を要した。残りの材料は、完全真空、60℃、30分間に設定したNAPCO5831型真空オープン(イリノイ州シカゴのPrecision Scientificから市販されている)内で、真空オーブン乾燥させた。結果として得られた生成物APTSを、250mlのメタノールをフラスコに加えて15分間攪拌することによって洗浄した。#5フィルター(英国MaidstoneのWhatmanから市販されている)を通過させる真空濾過によって、生成物を上清から分離した。完全真空、60℃、30分間に設定した上記真空オーブン内のフィルター上で、生成物を真空オーブン乾燥させた。
アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドの調製
以下のように、APTSをアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリド(APTSC)に変換した。実施例1のAPTSをフラスコに入れ、150mlの塩化チオニル(ウィスコンシン州MilwaukeeのAldrich Chemical Companyから市販されている)を加えた。次に、2滴のDMF(カリフォルニア州GardenaのSpectrumから市販されている)をフラスコに加えた。マグネティックスターラーバーを加えて、混合物を加熱/攪拌プレート上で連続的に攪拌しながら加熱した。この反応系で、加熱/攪拌プレート上のフラスコをガス入り口を具備するガス入り口アダプターを介してコンデンサーに接続した。ガス入り口は、チューブを介して乾燥窒素源に接続した。コンデンサーは、入り口アダプターに接続し、これをチューブを介してフィルターフラスコに接続した。フィルターフラスコは、乾燥トラップの役割をするもので、横側口を具備し、この横側口をチューブによってフラスコに接続した。このフラスコはウェットトラップにするつもりであった。スパージャーチューブはフラスコ内の水の充満レベルより下に伸びていた。窒素流を、ウェットトラップの液体内に気泡の流れを発生させるのに十分な約1〜2psi(7〜14kPa)に調節して開始した。溶媒が反応フラスコにゆっくり流れて戻り溶液がコンデンサー内を還流するのに十分な約65±5℃に反応フラスコを加熱/攪拌プレート上で加熱した。この還流を45分間継続した。
結果として生じたAPTSCを、以下のように溶媒から除去した。実施例1の回転蒸発装置および溶媒受けフラスコをイソプロピルアルコールで注意深く洗浄し、痕跡量の水を完全に除去した。上記反応フラスコを回転蒸発装置に据え付け、クランプで固定した。テフロンチャンバ付真空ポンプを、ドライアイス/イソプロピルアルコール冷却トラップとして回転蒸発装置に接続した。このトラップは、余分の塩化チオニルを真空ポンプから抜き取るのに必要であった。次に、ドライアイス/イソプロピルアルコール混合物を回転蒸発装置のトラップに入れ反応フラスコを乾燥するまで回転蒸発させた。さらに45分間、テフロン真空ポンプをフラスコに直接接続した。APTSCが入っている反応フラスコを回転蒸発装置から取り外し殘留塩化チオニルを考慮して、溶媒受け身の溶媒を注意深く中和して処理した。APTSCは、次のように精製した。トルエン(1000ml)を、加熱/攪拌プレート上で適度に攪拌しながら80±5℃に加温した。加熱したトルエンの半量(500ml)を、乾燥APTSCが入っているフラスコに加え、フラスコを攪拌し、十分に振とうした。残りのトルエンをフラスコに加え、この溶液を沸騰するまで加熱した。次に、この溶液を、ガラス製ロート内の折りたたんだ#5ワットマンフィルターを重力濾過させた。濾液を保持し、固形物を捨てた。濾液を乾燥するまで回転蒸発させた。乾燥生成物の入っている容器に、室温(20〜25℃)のトルエン(150ml)を加え、容器の側面から材料をかき集め、溶液を十分に混合した。この液体を再度ワットマン#5フィルターを通過させて真空濾過し、沈殿を採集した。最終精製APTSCを、60℃の真空オーブン内で30分間乾燥させた。
実施例2
検知要素の作製
再生セルロース膜(CUPROPHAN from MembraneとしてドイツOhderstrabeのEnka AG社から市販されている)の22cm×22cmのシート8枚を水に浸漬し、ガラスプレート上に広げた。余分の水をピペットで除去した。シートで覆ったガラスプレート上にプラスチック製の枠をクランプで締め付けた。95%ブタンジオールジグリシジルエーテル(Aldrichから市販されている)40g、ジメチルスルフォキシド(Spectrumから市販されている)と脱イオン水の50:50w/w(重量/重量)混合物240g、および0.75Mの水酸化ナトリウム溶液120gを混合することによって溶液を調製した。この溶液50gを各膜に注ぎ、溶液を20分間反応させた。次に、膜を水ですすぎ、ガラスプレートから取り外し、70%ヘキサンジアミン(Eastman Fine Chemicalsから市販されている)120mlと脱イオン水2リットルとを混合した溶液中に15分間浸漬した。この膜を槽から取り出して1000mlの脱イオン水で3回洗浄した。
従来の合成経路に従ってPCl5を介して調製したアセトピレントリス(スルホニル)クロリド160mgをアセトン280mlに溶解することによって色素溶液を調製した。この溶液に、10mMの炭酸ナトリウム150mlと10mMの重炭酸ナトリウム50mlで作った混合液140mlを加えた。この色素溶液を12分間熟成させた。完成した膜から手に入れたい蛍光の強度に応じて様々な時間処理した膜をこの溶液と反応させた。膜を色素溶液から取り出して、水中2.5% w/w炭酸ナトリウムと10% w/w塩化ナトリウムの槽に入れ、これを70℃に20分間維持した。この膜を槽から取り出して脱イオン水ですすぎ、ブロットし、2.5% w/w炭酸ナトリウム水溶液中20% v/v(体積/体積)グリセロールの溶液に15分間浸漬した。この膜を、無水酢酸120ml、トリエチルアミン75ml、4−ジメチルアミノピリジン1.5g、テトラヒドロフラン480mlの溶液と5分間反応させた。膜を取り出して、水中2.5% w/w炭酸ナトリウムと10% w/w塩化ナトリウムの溶液800mlで作った槽に浸漬しこれを70℃に30分間維持した。膜を脱イオン水ですすぎ、水中20% v/vグリセロール溶液中に浸漬した。
実施例3
センサーカセットの作製と評価
センサー要素の役割をするのに適した小さな円いディスクを、実施例2の記載通りに作製した検知膜から打ち抜き、各々をウレタン接着剤(FLEXOBOND431としてカリフォルニア州IrvineのBacon Co.から市販されている)で光ファイバーの端に接着した。各光ファイバーを使用して、6701型としてカリフォルニア州TustinのCDI/3M Health Careから市販されているタイプのセンサーカセットを製作した。このようなカセットに関する情報は、米国特許第4,640,820号、第4,786,474号、第5,104,623号および第5,289,255号に記載されている。このセンサーカセットを、5400型ex vivo血液ガスアナライザー(CDI/3M Health Careから市販されている)と共に使用して、37℃に維持した既知の炭酸塩緩衝液のpHを測定したセンサー要素に短波放射線を照射する手段照射手段によって照射した後のセンサー要素の蛍光応答を測定する手段、センサーの蛍光応答から液体のpH値を算出する手段を含めこのようなアナライザーに関する情報は、米国特許第4,557,900号および第Re31,879号に記載されている。
これらの測定から、センサーディスクのpKaは約37℃で6.91±0.02であることがわかった。試料を試験した24時間後、シグナルの強度は、異なる膜で作製したセンサーおよび同一膜の異なる位置で作製したセンサーの間で10%の範囲内で均一であった。これらの結果は、コントロールとして使用した在庫品6701型センサーカセットより一貫してすぐれていた。
1つの緩衝液から別の緩衝液に急速に変えることによって、センサーカセットをpH変化工程に供すると同時にこのアナライザーで新たな平衡示度に達するまでの時間を記録した。試験した24試料の間で、新たな示度水準で実質的に完全平衡に達するまでの時間は約60秒であり、実際の血液ガス検知に応用できる結果であった。
実施例4
検知要素の作製
再生セルロース膜のシート(22cm×22cm)(CUPROPHANとしてEnka AKから市販されている)を、少なくとも2000mlの脱イオン水で3回洗浄し、ガラスプレート上に広げた。余分の水をピペットで除去した。脱イオン水中ジメチルスルフォキシド(DMSO、Spectrumから市販されている)350mlの溶液を20±1℃に冷却した。このDMSO/水の溶液(640ml)を、100gの95%ブタンジオールジグリシジルエーテル(Aldrichから市販されている)に攪拌しながら混合した。この混合液に、水酸化ナトリウム溶液(脱イオン水844ml中50%水酸化ナトリウム16g)を攪拌しながら加えて、3分間熟成させるためにタイマーを起動させた。熟成した溶液中に、セルロース膜を浸水させ、20分間反応させて膜を架橋させた。上述の期間の後、2000mlの脱イオン水で2回洗浄することによって反応を停止させた。
脱イオン水1600mlと混合した70%ヘキサンジアミン(Eastman Fine Chemicalsから市販されている)96gから溶液を調製した。この溶液を、攪拌条件で5分間熟成させた。熟成中に、必要に応じて6NHCl溶液を滴下することによって、この溶液のpHを12±0.01に調整した。熟成後、洗浄したセルロースシートをこの溶液に20分間浸漬した。上述の期間後、2000mlの脱イオン水ですすぐことによって反応を停止させた。このシートを2000mlの脱イオン水でさらに2回洗浄し、最終すすぎ液中に30分間浸漬させた。
実施例1に従って調製したアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリド480mgをアセトン1070mlに溶解することによって色素溶液を調製した。実施例4の膜をディスクに切断し12のセンサーを異なるシート9枚から作製したこと以外は実施例3の方法に従って試験した。これらのセンサーのpKaは、約37℃で6.99±0.02であった。
1つの緩衝液から別の緩衝液に急速に変えることによって、センサーカセットをpH変化工程に供すると同時にこのアナライザーで新たな平衡示度に達するまでの時間を記録した。試験した24試料の間で、新たな示度水準で実質的に完全平衡に達するまでの時間は約50秒であり、実際の血液ガス検知に応用できる結果であった。
本発明を特定の実施態様と関連させて説明したが、さらなる修正を加えることができることは理解されるであろう。本願の請求の範囲は、当業者であれば本願に記載されているものと化学的に同等な物として認識する変化をも包含するものである。したがって、当業者は、以下の請求の範囲によって示される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本願に記載の原理に対して様々な修正を行うことが可能である。

Claims (20)

  1. (a)水膨潤性イオン透過性基質材料と、検知成分またはその前駆体の水性系の槽とを、前記検知成分またはその前駆体を水膨潤性イオン透過性基質材料に共有結合させるのに有効な条件で接触させること、ここで前記水性系の槽は水、および検知成分またはその前駆体を可溶化するのに有効な量の有機溶媒を含む、
    (b)共有結合した検知成分またはその前駆体を有する前記水膨潤性イオン透過性基質材料を、pHが少なくと 10であり、イオン強度が少なくとも5%塩化ナトリウム水溶液のイオン強度である水溶液と接触させて検知要素を形成すること、および
    (c)前記検知要素を不透明な保護被膜材料で覆うこと、
    を含むイオンセンサーを製造する方法。
  2. 前記水性系の槽が緩衝化されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水性系の槽が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムおよびそれらの混合物から成る群から選択される塩で緩衝化される、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(b)で使用する前記水溶液が、
    (i)炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される塩基と、
    (ii)塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される塩、を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記検知成分またはその前駆体を前記基質に共有結合させる前記工程の前に、
    (a)前記水膨潤性イオン透過性基質材料を、分子当たり少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシドと反応させてエポキシ修飾基質材料を形成すること、および
    (b)前記エポキシ修飾基質材料を、分子当たり少なくとも2個のアミン基を有する有機アミンと反応させてアミン修飾基質材料を形成すること、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 未反応アミン基を、アセチル化剤、有機アミン、およびエーテル溶媒を含む溶液と接触させることによって前記基質材料に共有結合している前記検知成分またはその前駆体を有する前記基質材料上のあらゆる未反応アミン基をキャップする工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記有機アミンは第三級アミンであり、前記溶液は触媒をさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記触媒は置換ピリジンである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記検知成分前駆体は、アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドであり、これは、
    (a)ヒドロキシピレントリスルホネートをアセトキシピレントリスルホネートに変換すること、および
    (b)アセトキシピレントリスルホネートを塩化チオニルおよび触媒量の二置換ホルムアミドと反応させてアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを形成すること、
    を含む方法により製造されるものである、請求項1に記載の方法。
  10. (a)アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを、アミン修飾ポリマー・イオン透過性基質材料と反応させて結合したアセトキシピレンスルホンアミドを形成すること、ここで前記アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドは
    (i)ヒドロキシピレントリスルホネートをアセトキシピレントリスルホネートに変換すること、および
    (ii)アセトキシピレントリスルホネートを、塩化チオニルおよび触媒量の二置換ホルムアミドと反応させてアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを形成すること、
    を含む方法により製造されるものである、
    (b)前記結合したアセトキシピレンスルホンアミドをヒドロキシ形に変換して検知要素を形成すること、および
    (c)前記検知要素を不透明な保護被膜材料で覆うこと、を含む、イオンセンサーを製造する方法。
  11. 前記ポリマー・イオン透過性基質材料はセルロースである、請求項10に記載の方法。
  12. アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを前記アミン修飾ポリマー・イオン透過性基質材料と反応させる前記工程が、水、前記アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを可溶化するのに有効な量の有機溶媒、および緩衝塩を含む水性系の槽内で反応させることを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記結合したアセトキシピレンスルホンアミドを前記結合したヒドロキシ形に変換させる前記工程が、前記結合したアセトキシピレンスルホンアミドを、pHが少なくとも10であり、イオン強度が、少なくとも5%塩化ナトリウム水溶液のイオン強度である水溶液と結合させることを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記水溶液が、
    (a)炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される塩基と、
    (b)塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物から成る群から選択される塩、
    を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 未反応アミン基を、アセチル化剤、有機アミン、およびエーテル溶媒を含む溶液と接触させることによって前記基質材料に共有結合している前記検知成分またはその前駆体を有する前記基質材料上のあらゆる未反応アミン量をキャップする工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  16. (a)第一ポリマー・イオン透過性基質材料の表面に、不透剤が中に混合された第二ポリマー・イオン透過性基質材料を塗布すること、
    (b)両基質材料を、分子当たり少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシドと反応させて2種の基質材料を互いに共有結合させてペンダントエポキシ基を形成すること、
    (c)前記エポキシ基を、分子当たり少なくとも2個のアミン基を有する有機アミンと反応させてペンダントアミン基を形成すること、
    (d)アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを、水、前記アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを可溶化するのに有効な量の有機溶媒、および緩衝塩を含む水性系槽内で前記ペンダントアミン基と反応させて結合したアセトキシピレンスルホンアミドを形成すること、ここで前記アセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドは、
    (i)ヒドロキシピレントリスルホネートをアセトキシピレントリスルホネートに変換すること、および
    (ii)アセトキシピレントリスルホネートを塩化チオニルおよび触媒量の二置換ホルムアミドと反応させてアセトキシピレントリス(スルホニル)クロリドを形成すること、
    を含む方法により製造されるものである、
    (e)前記結合したアセトキシピレンスルホンアミドを結合したヒドロキシ形に変換すること、および
    (f)未反応アミン基を、アセチル化剤、有機アミン、およびエーテル溶媒を含む溶液と接触させることによって前記基質材料上のあらゆる未反応アミン基をキャップすること、
    を含む、イオンセンサーを製造する方法。
  17. 第一ポリマー・イオン透過性基質材料はセルロースであり、第二ポリマー・イオン透過性基質材料はデキストランであり、不透剤はカーボンブラックである、請求項16に記載の方法。
  18. (a)(i)ポリマー・イオン透過性基質材料と、
    (ii)エポキシドおよびアミン結合基を介してポリマー・イオン透過性基質材料に結合している検知成分、
    を含み、前記検知成分が媒体中のイオン種の濃度が変化するにつれて変化するシグナルを与えるに有効な量で存在する検知要素と、
    (b)前記検知成分が前記基質材料に結合した後に塗布される、検知要素を覆う不透明な保護被膜材料、
    を含む、媒体中のイオン種の濃度を検知するためのイオンセンサー。
  19. 前記ポリマー・イオン透過性基質材料はセルロースである、請求項18に記載のイオンセンサー。
  20. 前記不透明な保護被膜材料はインクである、請求項18に記載のイオンセンサー。
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