JP3665000B2 - 固定子および固定子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電電動機の固定子および固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来技術の一例に係る固定子の要部を示す平面図であり、固定子鉄心は各スロット毎に分割された複数の分割鉄心2,…,2により構成されている。しかしながら、この固定子では、各分割鉄心2,…,2を互いの所定位置に結合するための構成が設けられていないために、結合作業が困難になるという問題がある。
また、図11は従来技術の他の一例に係る固定子の要部を示す平面図であり、固定子鉄心は、ヨーク部3と、ヨーク部3に締結可能な複数の各ティース部4,…,4により構成されている。
この固定子では、ヨーク部3に複数の締結凹部3a,…,3aが設けられ、各ティース部4,…,4には、ヨーク部3の締結凹部3aに嵌合可能な締結凸部4aが設けられ、締結凸部4aは固定子の軸線方向と平行な方向から締結凹部3aに挿入されるように形成されている。
しかしながら、この固定子では、ヨーク部3に各ティース部4,…,4を締結する際に、各ティース部4,…,4に装着された各固定子巻線のコイルエンド部を成形するという煩雑な手間が必要となる。
また、図12は従来技術の他の一例に係る固定子の要部を示す平面図であり、固定子鉄心は、ヨーク部5と、ヨーク部5に装着可能な複数の各ティース部6,…,6と、ヨーク部5に装着されたティース部6を固定するための継鉄部材7により構成されている。
しかしながら、この固定子では、ヨーク部5にティース部6を固定するための特別な部材として継鉄部材7を必要とするため、固定子の製造に要する費用が嵩むという問題がある。
【0003】
これらの問題に対して、例えば特開2000−159643号公報に開示された固定子のように、固定子鉄心を、ティース鉄心部とコアバック鉄心部とに分割して、ティース鉄心部間のスロット部に固定子巻線を巻装した後、ティース鉄心部間にコアバック鉄心部を径方向の外側から押圧挿入してなる固定子が知られている。
この固定子では、隣り合うティース鉄心部を内周側の端部同士で連続に接続しており、隣り合うティース鉄心部の対向する側面間の距離が、内周側から外周側に向かい大きくなるようなテーパ状に形成されている。そして、この対向する側面に当接するように、コアバック鉄心部は周方向の幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係る固定子においては、隣り合うティース鉄心部の対向する側面間の距離が、内周側から外周側に向かい大きくなるようなテーパ状に形成されていることから、隣り合うティース鉄心部間にコアバック鉄心部を挿入しただけでは、コアバック鉄心部は容易に径方向外方に抜け落ちてしまうという問題がある。
このため、コアバック鉄心の外周面上の端部に当接して、コアバック鉄心の径方向外方への移動を規制する部材として、ティース鉄心部の外周側の端部から周方向の外側に向かい突出可能なエッジ部が設けられている。
しかしながら、このように隣り合うティース鉄心部間にコアバック鉄心部を固定するための特別な部材を設ける必要があることで、固定子を製造する際に煩雑な手間がかかると共に、費用が嵩むという問題が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、分割されたティース鉄心とコアバック鉄心とを備えて構成される固定子鉄心において、ティース鉄心とコアバック鉄心とを容易に結合することができると共に、ティース鉄心およびコアバック鉄心が径方向に抜け落ちることを確実に防止することが可能な固定子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の固定子の製造方法は、所定円周上に所定間隔をおいて、周方向における幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成された複数のティース鉄心を配置する第1のステップと、複数本の固定子巻線を同時に供給する複数のノズルを所定間隔をあけて同時に前記ティース鉄心の外周側から前記ティース鉄心間を周回させて前記固定子巻線を装着する第2のステップと、隣り合う前記ティース鉄心間に外周側からコアバック鉄心を挿入する第3のステップとを含むことを特徴としている。
このような固定子の製造方法によれば、ティース鉄心に固定子巻線を装着した後に、ティース鉄心間に径方向の外側からコアバック鉄心を挿入するため、固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができる。しかも、周方向における幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成された複数のティース鉄心を、隣り合うティース鉄心間の間隔が内周側から外周側に向かい狭くなるように、あるいは、内周側から外周側に亘って所定値となるように配置することにより、コアバック鉄心とティース鉄心との締結力を向上させ、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
さらに、複数の各ノズル毎に複数本の固定子巻線を供給し、かつ、複数のノズルを所定間隔をあけて同時にティース鉄心間を周回させて固定子巻線を巻装させるので、固定子巻線の装着に要する時間の短縮が可能であると共に、占積率を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明の固定子は、請求項1に記載された固定子の製造方法により製造されたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができ、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
また、本発明の固定子は、所定円周上に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心(例えば、後述する実施の形態におけるティース鉄心11,31)と、隣り合う前記ティース鉄心間の外周側に設けられたコアバック鉄心(例えば、後述する実施の形態におけるコアバック鉄心12,32)とを備えた固定子であって、前記ティース鉄心は、前記固定子の周方向における幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成されたことを特徴としている。
【0007】
上記構成の固定子によれば、各ティース鉄心の周方向の幅を内周側から外周側に向かい大きくなるように形成することにより、複数のティース鉄心を所定円周上の周方向に所定間隔をおいて配置した際に、例えば隣り合うティース鉄心間の間隔が内周側から外周側に向かい狭くなるように設定することができる。
ここで、隣り合うティース鉄心間に、例えば周方向に一定の幅等を有するコアバック鉄心を挿入すると、コアバック鉄心は隣り合うティース鉄心の特に外周部によって挟み込まれるようにして固定され、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0008】
さらに、本発明の固定子では、前記コアバック鉄心は外周側の端部から延出する延出部(例えば、後述する実施の形態における延出部33)を備えたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、コアバック鉄心の延出部を、例えば周方向に延出させることによって、隣り合うティース鉄心間にコアバック鉄心を圧入する際に、ティース鉄心の外周面にコアバック鉄心の延出部が当接した時点で、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができる。
さらに、隣り合うコアバック鉄心同士の延出部が互いに当接するように設定し、この当接部分を溶接等により接合することによって、各コアバック鉄心およびティース鉄心同士の締結力を向上させ、各鉄心の周方向内方および外方への抜け落ちを防止することができる。
【0009】
さらに、本発明の固定子は、前記ティース鉄心は外周側の端部に、前記コアバック鉄心の前記延出部が係合可能な切欠部(例えば、後述する実施の形態における切欠部34)を備えたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、コアバック鉄心の延出部がティース鉄心の切欠部に係合することによって、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができる。これに加えて、コアバック鉄心の外周面とティース鉄心の外周面とが滑らかに連なるように配置することができ、例えばコアバック鉄心の外周面とティース鉄心の外周面とを覆うリング状の部材等を装着して、各鉄心の締結力を向上させることが可能となる。
【0010】
また、本発明の固定子では、前記ティース鉄心は径方向の中途部から突出して前記コアバック鉄心の内周側の端部に当接可能な突出部(例えば、後述する実施の形態における突出部22)を備えたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、ティース鉄心の突出部を、例えば隣接するティース鉄心に向かい突出させることによって、隣り合うティース鉄心間にコアバック鉄心を挿入する際に、コアバック鉄心の内周側の端部がティース鉄心の突出部に当接した時点で、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができ、コアバック鉄心を所定位置に位置決めをすることができる。
しかも、ティース鉄心の内周側に装着された固定子巻線が突出部に当接することで、固定子巻線が径方向外方に向かい変位することを防止して、固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができる。
【0013】
また、本発明の固定子は、前記ティース鉄心および前記コアバック鉄心の外周面を覆う外周リングを備えたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向外方に向かい抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0014】
さらに、本発明の固定子は、隣り合うコアバック鉄心同士の前記延出部が互いに当接または近接するように設定され、隣り合う延出部の先端同士が溶接により固着されたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、各コアバック鉄心およびティース鉄心同士の締結力を向上させ、各鉄心の周方向内方および外方への抜け落ちをより確実に防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の固定子は、前記ティース鉄心の切欠部に前記コアバック鉄心の前記延出部が係合してなる係合部が、溶接により固着されたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、各コアバック鉄心およびティース鉄心同士の締結力を向上させ、各鉄心の周方向内方および外方への抜け落ちをより確実に防止することができると共に、コアバック鉄心の外周面とティース鉄心の外周面とが滑らかに連なるように配置することができる。
【0016】
さらに、本発明の固定子では、前記コアバック鉄心および前記ティース鉄心は方向性電磁鋼鈑からなり、前記コアバック鉄心は固定子の径方向に磁化され、前記ティース鉄心は固定子の周方向に磁化されたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、コアバック鉄心およびティース鉄心により形成される磁気回路内での磁束の流れを滑らかにして、鉄損を低減することができ、固定子の磁気特性を向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明の固定子では、前記ティース鉄心は多方向の方向性電磁鋼鈑からなり、固定子の周方向および径方向に磁化されたことを特徴としている。
上記構成の固定子によれば、コアバック鉄心およびティース鉄心により形成される磁気回路内での磁束の流れ、特に、コアバック鉄心とティース鉄心との当接部近傍での磁束の流れを滑らかにして、より一層、固定子の磁気特性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固定子の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る固定子10の斜視図であり、図2は図1に示す固定子10の平面図であり、図3は図1に示す固定子10のティース鉄心11の断面図であり、図4は図1に示す固定子10のコアバック鉄心12の断面図であり、図5は図2に示す固定子10の要部平面図である。
本実施の形態による固定子10は、例えば図1および図2に示すように略円筒状に形成され、所定円周上に所定間隔をおいて配置された複数のティース鉄心11,…,11と、隣り合うティース鉄心11,…,11間に配置されたコアバック鉄心12,…,12とを備えて構成されている。
【0019】
ティース鉄心11は、例えば図3に示すように、珪素鋼鈑等の方向性を有する電磁鋼鈑が積層されてなり、例えば磁化容易方向が固定子10の径方向に設定されている。
ティース鉄心11は、固定子10の中心軸線と平行な方向に所定の厚さを有しており、内周側の巻線部21と、一対の突出部22,22と、一対の爪部23,23と、外周側の継鉄部24とを備えて構成されている。
【0020】
巻線部21は周方向に所定幅を有するように形成され、この巻線部21の外周側の端部には、周方向の外側に向かい突出する一対の突出部22,22が設けられ、内周側の端部には、周方向の外側に向かい突出する一対の爪部23,23が設けられている。
ここで、隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの突出部22,22は、ティース鉄心11,11間に挿入されたコアバック鉄心12の内周側の端部に当接可能とされており、コアバック鉄心12の径方向内方に向かう移動を規制するようになっている。
また、巻線部21の一対の爪部23,23は、巻線部21に巻装される固定子巻線(図示略)の径方向内方への抜け落ちを防止するようになっている。
【0021】
継鉄部24は、周方向の幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成され、例えばテーパ状の継鉄部側面24A,24Aを有している。すなわち、継鉄部側面24A,24A間の距離aは、内周側から外周側に向かい漸次大きくなるように設定されている。
そして、例えば図5に示すように、所定円周上に所定間隔をおいて配置された隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの継鉄部側面24A,24A間の距離bは、内周側から外周側に亘って所定の値となるように、あるいは、内周側から外周側に向かい若干小さくなるように設定されている。
【0022】
コアバック鉄心12は、例えば図4に示すように、珪素鋼鈑等の方向性を有する電磁鋼鈑が積層されてなる略直方体状に形成され、例えば磁化容易方向が固定子10の周方向に設定されている。
コアバック鉄心12の厚さは、例えばティース鉄心11の厚さと同等に形成され、径方向の長さdは、例えばティース鉄心11の継鉄部24の径方向の長さcと同等に形成されている。
さらに、コアバック鉄心12の周方向の幅fは、内周側から外周側に亘って所定の値、例えば隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの継鉄部側面24A,24A間の距離bと同等の値、あるいは、この距離bよりも若干大きな値となるように形成されている。
【0023】
ここで、継鉄部側面24A,24A間の距離bを内周側から外周側に向かい小さくなるように設定した場合には、隣り合うティース鉄心11,11間に圧入したコアバック鉄心12は継鉄部側面24A,24Aの特に外周部によって挟み込まれるようにして固定される。
また、継鉄部側面24A,24A間の距離bを内周側から外周側に亘って所定値となるように設定した場合には、コアバック鉄心12の両側面を継鉄部側面24A,24Aと面接触させ、コアバック鉄心12を継鉄部側面24A,24Aの全面によって両側から挟み込むようにして固定することができる。
【0024】
本実施の形態による固定子10は上記構成を備えており、次に、この固定子10の製造方法について添付図面を参照しながら説明する。図6は所定間隔をおいて配置したティース鉄心11,…,11に固定子巻線25を巻き付ける工程を示す図であり、図7は固定子10の製造方法を示す工程図である。
【0025】
先ず、例えば図6に示すように、略円柱状のティース固定治具26の外周面上に、所定間隔をおいて複数のティース鉄心11,…,11を配置する(ステップS01)。
次に、ティース固定治具26に固定されたティース鉄心11,…,11の外周面に沿って周回移動可能、かつ、固定子10の軸線と平行な方向に揺動可能とされた適宜の巻線機(図示略)の複数あるノズル27、…、27から各ノズル27毎に複数本束ねた固定子巻線25を供給し、各ティース鉄心11の巻線部21に固定子巻線25を巻き付ける(ステップS02)。
このとき、ノズル27を、隣り合うティース鉄心11,…,11を所定数毎に跨いで縫うようにして動かしてティース鉄心11に固定子巻線25を巻き付けるようにして周回させ、各周回毎に同じ相の固定子巻線25が同じティース鉄心11,…,11間に巻装されるように設定する。上記ノズル27は、固定子10に巻装される複数の相の固定子巻線25,…,25の相数と同じ数のノズル27,…,27を備えたものであり、例えば、3相モータの場合には、U相、V相、W相に対応して3個のノズル27,27,27を備えており、それぞれのノズル27からは、複数本の固定子巻線25,…,25を同時に束ねた状態で供給するように構成され、これら3個のノズル27,27,27を同時にティース鉄心11,…,11間を縫うようにして周回させるようになっている。これにより、ノズル27,27,27の周回を複数回行うことによって、多相(例えば、U相、V相、W相)分の巻装が行われる。
このように、1つのノズル27から複数本の固定子巻線25,…,25を供給し、かつ、複数のノズル27,…,27を所定間隔をあけて同時にティース鉄心11,…,11間を周回させて固定子巻線25を巻装させるので、固定子巻線25の装着に要する時間の短縮が可能であると共に、占積率を向上させることができる。
【0026】
次に、例えば図5に示すように、各隣り合うティース鉄心11,11間に外周側からコアバック鉄心12を圧入し、コアバック鉄心12の内周側の端部に、隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの突出部22,22を当接させる(ステップS03)。
そして、ティース固定治具26を取り外して(ステップS04)、一連の工程を終了する。
【0027】
上述したように、本実施の形態による固定子10によれば、各ティース鉄心11の継鉄部24の周方向の幅を内周側から外周側に向かい大きくなるように形成したことにより、複数のティース鉄心11,…,11を所定円周上の周方向に所定間隔をおいて配置した際に、隣り合うティース鉄心11,11の継鉄部24,24間の間隔が内周側から外周側に向かい狭くなるように、あるいは、内周側から外周側に亘って所定値となるように設定することができる。
これにより、隣り合うティース鉄心11,11間に圧入されたコアバック鉄心12は継鉄部側面24A,24Aによって両側から挟み込まれるようにして固定され、コアバック鉄心12,…,12およびティース鉄心11,…,11が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0028】
さらに、上述した本実施の形態による固定子の製造方法によれば、ティース鉄心11に固定子巻線を装着した後に、ティース鉄心11,11間に径方向の外側からコアバック鉄心12を圧入するため固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができる。
しかも、隣り合うティース鉄心11,11間で対向する2つの継鉄部側面24A,24A間の距離bが、内周側から外周側に亘って所定の値となるように、あるいは、内周側から外周側に向かい若干小さくなるように配置されることから、ティース鉄心11,…,11、および、各ティース鉄心11,…,11に圧入されたコアバック鉄心12,…,12が、径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0029】
なお、上述した本実施の形態においては、ティース鉄心11,…,11間に各コアバック鉄心12,…,12を圧入して固定子10を形成するとしたが、例えば、さらに、適宜の環状部材に複数のティース鉄心11,…,11および各コアバック鉄心12,…,12を圧入してもよい。
この場合、ティース鉄心11,…,11およびコアバック鉄心12,…,12が径方向外方に向かい抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0030】
なお、上述した本実施の形態においては、例えば図8に示す本実施形態の固定子10の第1変形例に係るティース鉄心31およびコアバック鉄心32のように、コアバック鉄心32の外周側の端部から周方向の外側に向かい延出する一対の延出部33,33を設け、ティース鉄心31の外周側の端部にコアバック鉄心32の延出部33が係合可能な切欠部34を設けてもよい。
この場合には、コアバック鉄心32の延出部33がティース鉄心31の切欠部34に係合することによって、コアバック鉄心32の径方向内方への変位を規制することができる。
【0031】
また、例えば図9に示す本実施形態の第2変形例に係る固定子40の要部平面図のように、コアバック鉄心32の外周側の端部から周方向の外側に向かい延出する一対の延出部33,33を設け、隣り合うコアバック鉄心32,32同士の延出部33,33が互いに当接または近接するように設定し、これらの延出部33,33によってティース鉄心11の外周面を覆うように設定してもよい。
この場合には、隣り合う延出部33,33の先端同士を溶接等により接合することによって、各コアバック鉄心32,…,32およびティース鉄心11,…,11同士の締結力を向上させ、各鉄心32,…,32、11,…,11が周方向内方および外方へ抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0032】
なお、上述した本実施の形態においては、ティース鉄心11の磁化容易方向を固定子10の径方向に設定したが、例えば磁化容易方向を固定子10の径方向および周方向に設定してもよい。
この場合には、コアバック鉄心12,…,12およびティース鉄心11,…,11により形成される磁気回路内での磁束の流れ、特に、コアバック鉄心12とティース鉄心11との当接部近傍での磁束の流れを滑らかにして、より一層、固定子10の磁気特性を向上させることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明の固定子の製造方法によれば、ティース鉄心に固定子巻線を装着した後に、ティース鉄心間に径方向の外側からコアバック鉄心を挿入するため、固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができる。
しかも、周方向における幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成された複数のティース鉄心を、隣り合うティース鉄心間の間隔が内周側から外周側に向かい狭くなるように、あるいは、内周側から外周側に亘って所定値となるように配置することにより、コアバック鉄心とティース鉄心との締結力を向上させ、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
さらに、複数の各ノズル毎に複数本の固定子巻線を供給し、かつ、複数のノズルを所定間隔をあけて同時にティース鉄心間を周回させて固定子巻線を巻装させるので、固定子巻線の装着に要する時間の短縮が可能であると共に、占積率を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明の固定子によれば、固定子巻線の占積率が低下することを防ぐことができ、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
また、本発明の固定子によれば、例えば隣り合うティース鉄心間の間隔が内周側から外周側に向かい狭くなるように設定することができ、コアバック鉄心を圧入すると、コアバック鉄心は隣り合うティース鉄心の特に外周部によって挟み込まれるようにして固定され、コアバック鉄心およびティース鉄心が径方向に抜け落ちてしまうことを防止することができる。
さらに、本発明の固定子によれば、隣り合うティース鉄心間にコアバック鉄心を圧入する際に、ティース鉄心の外周面にコアバック鉄心の延出部が当接した時点で、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができる。
【0034】
さらに、本発明の固定子によれば、コアバック鉄心の延出部がティース鉄心の切欠部に係合することによって、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができる。
さらに、本発明の固定子によれば、隣り合うティース鉄心間にコアバック鉄心を挿入する際に、コアバック鉄心の内周側の端部がティース鉄心の突出部に当接した時点で、コアバック鉄心の径方向内方への変位を規制することができ、コアバック鉄心を所定位置に位置決めをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る固定子の斜視図である。
【図2】 図1に示す固定子の平面図である。
【図3】 図1に示す固定子のティース鉄心の断面図である。
【図4】 図1に示す固定子のコアバック鉄心の断面図である。
【図5】 図2に示す固定子の要部平面図である。
【図6】 所定間隔をおいて配置したティース鉄心に固定子巻線を巻き付ける工程を示す図である。
【図7】 図1に示す固定子の製造方法を示す工程図である。
【図8】 本実施形態の固定子の第1変形例に係るティース鉄心およびコアバック鉄心の断面図である。
【図9】 本実施形態の第2変形例に係る固定子の要部平面図である。
【図10】 従来技術の一例に係る固定子の要部を示す平面図である。
【図11】 従来技術の他の一例に係る固定子の要部を示す平面図である。
【図12】 従来技術の他の一例に係る固定子の要部を示す平面図である。
【符号の説明】
10,40 固定子
11,31 ティース鉄心
12,32 コアバック鉄心
22 突出部
33 延出部
34 切欠部
Claims (2)
- 所定円周上に所定間隔をおいて、周方向における幅が内周側から外周側に向かい大きくなるように形成された複数のティース鉄心を配置する第1のステップと、
複数本の固定子巻線を同時に供給する複数のノズルを所定間隔をあけて同時に前記ティース鉄心の外周側から前記ティース鉄心間を周回させて前記固定子巻線を装着する第2のステップと、
隣り合う前記ティース鉄心間に外周側からコアバック鉄心を挿入する第3のステップとを含むことを特徴とする固定子の製造方法。 - 請求項1に記載された固定子の製造方法により製造されたことを特徴とする固定子。
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