JP3664262B2 - 紫外線硬化性組成物、それを用いた接着方法、及び接着物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、紫外線硬化性組成物、それを用いた接着方法、及び接着物に関し、さらに詳しくは接着強度に優れ、可撓性が賦与された紫外線硬化性組成物、それを用いた接着方法、及び接着物に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な分野において、成形材料として熱可塑性樹脂の技術が進展し、耐熱性、耐光性、耐湿性、耐酸化性等に優れた熱可塑性樹脂が開発され、他の材料から熱可塑性樹脂への置き換えが進行している。
【0003】
しかし、熱可塑性樹脂は一般に線膨張係数が大きく、金属のような線膨張係数の小さい材料からなる被着体と熱可塑性樹脂成形品を接着した場合、温度変化により、被着体と熱可塑性樹脂成形品の膨張、収縮の大きさが異なるため、接着面において剥離が生じることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、特定の組成を有する紫外線硬化性組成物が、硬化後に可撓性を有し、また接着強度に優れることを見い出し、本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、脂環式アクリレート成分100重量部、鎖状脂肪族単官能アクリレート成分10〜70重量部、エラストマーを脂環式アクリレート成分と鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の総量100重量部に対し1〜50重量部及び光重合開始剤から成る紫外線硬化性組成物、および熱可塑性樹脂成形品の接着面および/または被着体の接着面に該紫外線硬化性組成物を塗布し、熱可塑性樹脂成形品の接着面と被着体の接着面を密着させ、接着面に紫外線を照射して紫外線硬化性組成物を硬化させることを特徴とする接着方法、該接着方法で接着した接着物が提供される。
【0006】
(脂環式アクリレート成分)
本発明で使用する脂環式アクリレート成分は、脂環構造を有するアクリレートモノマーおよび/またはそのオリゴマーである。脂環式アクリレートモノマーは、脂環式アルコールとアクリル酸やメタクリル酸等とのエステルであり、単官能脂環式アクリレートモノマーでも、2官能や3官能などの多官能脂環式アクリレートモノマーでもよい。なお、本発明においては、アクリレート基の数により、単官能アクリレートモノマー、2官能アクリレートモノマー、3官能アクリレートモノマー等というが、アクリレート基の数が少ないほど本発明の紫外線硬化性組成物が硬化後に可撓性を有するので、これらの中でも、単官能脂環式アクリレートモノマーが好ましい。また、本発明において、アクリレート基は、狭義のアクリレート基のほかに、メタクリレート基、エタクリレート基なども含むが、ラジカル酸素により硬化反応が阻害されないように、狭義のアクリレート基を有する脂環式アクリレートモノマーが好ましい。炭素数は30以下が好ましく、20以下がより好ましい。脂環式アクリレートオリゴマーは、脂環式アクリレートモノマーを公知の方法によって予備重合すればよい。
【0007】
脂環式アクリレートモノマーとしては、例えば、特開昭61−136529号公報、特開平2−588529号公報等で公知のものが例示され、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,09,14]ヘプタデシル−4−アクリレート、12−メチルヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,09,14]ヘプタデシル−4−アクリレート、オクタシクロ[8,8,0,12,9,14,7,111,18,113,16,03,8,012,17]ドコシル−5−アクリレート、15−メチルオクタシクロ[8,8,0,12,9,14,7,111,18,113,16,03,8,012,17]ドコシル−5−アクリレート、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート、2,7−ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート、9−ステアリル−テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート等が挙げられる。
【0008】
(鎖状脂肪族単官能アクリレート成分)
本発明で使用する鎖状脂肪族単官能アクリレート成分は、鎖状脂肪族単官能アクリレートモノマーおよび/またはそのオリゴマーである。鎖状脂肪族単官能アクリレートモノマーとしては、脂肪族鎖部分の直鎖の炭素数が5〜20のものが好ましく、8〜16のものがより好ましい。脂肪族鎖部分の直鎖の炭素数が少なすぎると接着性が悪くなる。脂肪族直鎖部分の直鎖の炭素数が10以上の場合、硬化収縮を減少させるため、炭素数4〜6程度の側鎖を有していてもよい。
【0009】
鎖状脂肪族単官能アクリレートモノマーとしては、具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート等が例示される。
【0010】
(光重合開始剤)
本発明で使用する光重合開始剤は、特に限定されず、公知のものでよい。例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類; ベンゾフェノン類; ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類; α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロパン、ヒドラゾン等のアゾ化合物; ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の有機パーオキサイド類; ジフェニルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジベンゾイルジサルファイド等のジフェニルジサルファイド類; 等が挙げられる。また、イルガキュアー184(チバガイギー製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)等の市販の光重合開始剤も使用できる。
【0011】
(紫外線硬化性組成物)
本発明の紫外線硬化性組成物は、脂環式アクリレート成分、鎖状脂肪族単官能アクリレート成分、及び光重合開始剤から成る。脂環式アクリレート成分100重量部に対し、鎖状脂肪族単官能アクリレート成分5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは15〜50重量部、脂環式アクリレート成分と鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の総量100重量部に対し、光重合開始剤を通常、1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部を添加する。鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の量が少なすぎると硬化後に可撓性が不足し、多すぎると粘着性が強くなるため接着強度は低下する。光重合開始剤の量が少なすぎると硬化に時間を要し、多すぎると硬化後の分子量が低下して接着強度が低下する。
【0012】
本発明の紫外線硬化性組成物には、可撓性を改善するため、さらにエラストマーを添加してもよい。エラストマーは、特に限定されず、例えば、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ジエン系エラストマー、アクリルゴム等が挙げられ、特にポリスチレン系エラストマーであるポリスチレン系ブロック共重合体エラストマーが好ましい。ポリスチレン系ブロック共重合体エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー、スチレン・イソプレン・ペンタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー等が挙げられる。また、エラストマーは水素添加や、カルボキシル変性などの変性したものであってもよい。添加量は脂環式アクリレート成分と鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の総量100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。エラストマーの量が少なすぎると可撓性が改善されず、多すぎると粘度が高くなり塗布作業性が悪くなる。なお、紫外線硬化性組成物は硬化後の粘度の指標であるショア硬度Dが80以下のものが好ましく、70以下のものがより好ましく、60以下のものが特に好ましい。
【0013】
本発明の紫外線硬化性組成物には、本発明の効果を有する限りにおいて、さらに適当な添加剤や、タルク、シリカ等の無機フィラー等を加えてもよい。例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤を添加することにより、熱可塑性樹脂成形品との濡れが改良される。また、適当な熱可塑性樹脂を添加することにより、粘度を調製することもできる。
【0014】
(熱可塑性樹脂成形品)
本発明で使用する熱可塑性樹脂成形品は、特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂を成形したものであり、接着面が熱可塑性樹脂から成るものである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。接着剥離が起こりにくいことから、熱可塑性樹脂成形品として、熱可塑性ノルボルネン系樹脂成形品を用いることが好ましい。
【0015】
(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)
熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開昭51−80400号公報、特開昭60−26024号公報、特開平1−168725号公報、特開平1−190726号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報、特開平4−63807号公報などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体などが挙げられる。
【0016】
(紫外線硬化性組成物) 本発明の紫外線硬化性組成物は、脂環式アクリレート成分100重量部、鎖状脂肪族単官能アクリレート成分10〜70重量部、及び光重合開始剤から成る。脂環式アクリレート成分100重量部に対し、鎖状脂肪族単官能アクリレート成分は、好ましくは15〜50重量部、脂環式アクリレート成分と鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の総量100重量部に対し、光重合開始剤を通常、1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部を添加する。鎖状脂肪族単官能アクリレート成分の量が少なすぎると硬化後に可撓性が不足し、多すぎると粘着性が強くなるために接着強度は低下する。光重合開始剤の量が低下すると硬化に時間を要し、多すぎると硬化後の分子量が低下して接着強度が低下する。
【0017】
本発明においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測定したポリスチレン換算値で、10,000〜200,000、好ましくは15,000〜100,000、より好ましくは20,000〜50,000のものである。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が分子構造中に不飽和結合を有している場合は、水素添加することにより、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とすることができる。水素添加する場合。水素添加率は耐熱劣化性、耐光劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。
【0018】
また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(以下、Tgという)は、110℃以上のものが好ましく、120℃以上のものがより好ましく、130℃以上のものが特に好ましい。Tgが低すぎると耐熱性が低下する。
【0019】
また、熱可塑性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤を添加してもよい。例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の場合、フェノール系やリン系等の老化防止剤; フェノール系等の熱劣化防止剤; ベンゾフェノン系等の紫外線安定剤; アミン系等の帯電防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテル等の滑剤; 等の各種添加剤を添加してもよく、他の樹脂、ゴム、フィラー等を混合して用いることもできる。特に線膨張係数を小さくすることができるため、フィラーを添加することが好ましい。ただし、フィラーを添加すると熱可塑性樹脂の軽量性、透明性などが損なわれる場合もあるので、接着物の用途によって注意する必要がある。
【0020】
本発明で使用する成形品を成形する方法は、特に限定されない。射出成形、溶融押し出し、熱プレス、溶剤キャスト、インフレーション等の熱可塑性樹脂の一般の成形方法を用いることでできる。本発明で使用する成形品としては、接着面が熱可塑性樹脂から成るものであれば、例えば、レンズ、プリズムなどの形状に熱可塑性樹脂を成形しただけのものでも、基板に反射膜を積層したミラーや光学ディスク基板などの成形した後に加工して各種の膜を積層したり、金属等を挿入して一体成形したものであってもよい。
【0021】
(表面処理)
本発明においては、接着性を向上させるために、本発明の紫外線硬化性組成物を塗布する前に、成形品の接着面に、表面改質処理及び/またはプライマー処理を施してもよい。
【0022】
表面改質処理の具体例としては、エネルギー線照射処理、薬品処理が挙げられる。エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理とプラズマ処理が好ましく、特にコロナ放電処理が好ましい。エネルギー線照射処理条件は、接着性が向上する限り、特に限定されず、公知の方法でよい。例えば、コロナ放電処理の場合、特公昭58−5314号公報、特開昭60−146078号公報などで公知の条件でよい。また、プラズマ処理の場合も特公昭53−794号公報、特開昭57−177032号公報などで公知の条件でよい。
【0023】
また、薬品処理は、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液と成形品の接着面を接触させた後、充分に水で洗浄すればよい。処理時間が短すぎると表面改質が不十分であり、処理時間が遅すぎると表面が溶解するという問題があり、用いる熱可塑性樹脂、用いる薬品の反応性、濃度などに応じて処理時間を調整する必要がある。
【0024】
(被着体)
本発明で使用される被着体は、本発明で使用される成形品の接着面と密着する接着面を持っているものであれば、限定されない。線膨張係数が3.0×10-5/℃以下のセラミクスや金属などのように線膨張係数が小さい材料を被着体とした場合でも、他の接着剤に比べると温度変化の激しい環境下で使用しても接着面が剥離しにくい。そのような接着体と熱可塑性樹脂を接着した接着物としては、レンズ、プリズム等の熱可塑性樹脂光学部品を金属性の枠等に固定した光学部品、熱可塑性樹脂製光学ディスク基板と金属ハブとを接着した光学ディスク等がある。
【0025】
(接着方法)
本発明においては、成形品の接着面及び/または被着体の接着面に本発明の紫外線硬化性組成物を塗布し、成形品の接着面と被着体の接着面を密着させて、紫外線を照射して、組成物を硬化させて接着する。
【0026】
塗布する方法は、特に限定されず、例えば、スプレー、浸漬、スピンコート、ロールコーターを用いる方法、マイクロディスペンサーを用いる方法等が可能である。
【0027】
紫外線硬化性組成物の塗布量は、一般に紫外線硬化剤組成物層が硬化後10〜50μm程度の厚さとなるようにすることが好ましい。層が薄すぎると接着性が得られず、層が厚すぎると、硬化反応に時間がかかり、生産性が悪くなり、また、硬化が不十分で硬度が低かったり、可撓性が不十分であったりする。
【0028】
紫外線照射は高圧水銀灯等の紫外線を効率的に発生する高原から紫外線を照射することにより、硬化が短時間で起こり、接着体と被着体が接着される。紫外線の照射量は、アクリレート成分や光重合開始剤の反応性によっても異なるが、通常、80W/cmの高圧水銀灯の場合、5〜30秒程度の短時間で硬化させることができる。硬化後の接着強度は特に限定されないが、硬化後の厚さ10〜20μm程度で10kg/cm2以上のものが好ましく、15kg/cm2以上のものがより好ましい。
【0029】
【実施例】
以下は、参考例、実施例、比較例によって具体的に説明する。なお、ショア硬度Dは、アルミ皿に試料を約500μmの厚さになるように入れ、80W/cmの高圧水銀灯を30秒紫外線を照射し、硬化させることを繰り返し、厚さが3mmの硬化シートを得、上島製作所HD−104Nを用い、JIS K7215に準じて測定した。ただし、ショア硬度Dが40以下のものは、同様に6mmにして測定した。接着強度は、万能引っ張り圧縮試験機(新興通信工業製、TCM500)を用いて測定した。また、ヒートサイクル試験は、恒音恒湿器(Humidic Chamber IW240、ヤマト科学製)を用いて、−30℃で30分、80℃で30分を1サイクルとして20サイクルの温度変化のある環境下に接着した試験片を保持して行った。
【0030】
参考例1
ZEONEX 280(熱可塑性ノルボルネン系樹脂、日本ゼオン製、数平均分子量28,000、水素添加率99.7%以上、Tg約140℃)100重量部に対して0.2重量部のフェノール系老化防止剤ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.2重量部を添加して、溶融押し出し法によりペレットとした。
【0031】
このペレットを以下の条件で射出成形し、厚さ2.5mmの100mm×25mmの板状の試験片を得た。
型締め圧:65t
樹脂温度:325℃
金型温度:110℃(固定側)、100℃(可動側)
【0032】
参考例2
イソボニルアクリレート(共栄社化学製、IB−XA)100重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(東亜合成製、2EHA)25重量部、光重合開始剤(チバガイギー製、イルガキュアー184)5重量部を混合して、紫外線硬化性組成物を得た。この紫外線硬化性組成物の硬化後のショア硬度Dは77であった。
【0033】
参考例1で得た試験片の一方の末端の25mm×25mmの部分を接着面として、この接着面に紫外線硬化性組成物20mg/cm2を塗布し、また、参考例1で得た試験片のもう一枚を被着体とし、被着体の一方の末端の25mm×25mmの部分を被着体の接着面として、互いに接着面のない末端が反対側になるように接着面同士を密着させ、80W/cmの高圧水銀灯で20秒間紫外線照射して、紫外線硬化性組成物を硬化させて、硬化層の厚さが15〜20μmになるように接着した。接着強度は19.3kg/cm2であった。
【0034】
また、厚さ2.5mmの100mm×25mmの板状のアルミ片を被着体として用いる以外は同様に接着させ、ヒートサイクル試験を行ったが、剥離は認められなかった。
【0035】
参考例3
イソボニルアクリレートの代わりにジシクロペンタジエニルアクリレート(日立化成製、FA513A)、2−エチルヘキシルアクリレートの代わりにラウリルアクリレート(共栄社化学製、L−A)を用いる以外は参考例2と同様に紫外線硬化性組成物を得た。この紫外線硬化性組成物の硬化後のショア硬度Dは60、この紫外線硬化性組成物を用いて実施例1と同様に試験片同士を接着した。接着強度は15.9kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離しなかった。
【0036】
実施例1
2−エチルヘキシルアクリレート25重量部の代わりに43重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184)5重量部の代わりに4重量部を用い、さらにスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー(旭化成製、タフテックH1052)19重量部を加える以外は実施例1と同様に紫外線硬化性組成物を得た。この紫外線硬化性組成物の硬化後のショア硬度Dは32、この紫外線硬化性組成物を用いて参考例2と同様に試験片同士を接着した。接着強度は32.7kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離しなかった。
【0037】
実施例2
イソボニルアクリレートの代わりにジシクロペンタジエニルアクリレート(FA513A)、2−エチルヘキシルアクリレート25重量部の代わりにラウリルアクリレート(L−A)43重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184)5重量部の代わりに5.7重量部を用い、さらにスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー(タフテックH1052)19重量部を加える以外は参考例2と同様に紫外線硬化性組成物を得た。この紫外線硬化性組成物の硬化後のショア硬度Dは44、この紫外線硬化性組成物を用いて参考例2と同様に試験片同士を接着した。接着強度は34.2kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離しなかった。
【0038】
実施例3
光重合開始剤(イルガキュアー184)5.7重量部の代わりに5.0重量部を用い、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体エラストマー(タフテックH1052)19重量部の代わりにカルボキシル変性アクリルニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン製、Nipol 1072J)10重量部を用いる以外は実施例2と同様に紫外線硬化性組成物を得た。この紫外線硬化性組成物の硬化後のショア硬度Dは42、この紫外線硬化性組成物を用いて参考例2と同様に試験片同士を接着した。接着強度は19.9kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離しなかった。
【0039】
比較例1
イソボニルアクリレート(IB−XA)100重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184)4重量部を混合して、組成物を得た。この組成物の硬化後のショア硬度Dは81、この組成物を用いて参考例2と同様に試験片同士を接着した接着強度は5.9kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離した。
【0040】
比較例2
ジシクロペンタジエニルアクリレート(FA513A)100重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184)4重量部を混合して、組成物を得た。この組成物の硬化後のショア硬度Dは84、この組成物を用いて参考例2と同様に試験片同士を接着した接着強度は6.1kg/cm2、アルミ片と接着した接着体はヒートサイクル試験で剥離した。
【0041】
比較例3
ラウリルアクリレート(L−A)100重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184)4重量部を混合して、組成物を得た。この組成物は硬化後、粘着性が高く、ショア硬度Dは測定できず、この紫外線硬化剤を用いて参考例2と同様に試験片同士、またはアルミ片と接着しようとしたが、接着できなかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化性組成物は、紫外線硬化型接着剤として熱可塑性樹脂の接着に用いると接着強度に優れており、また、本発明の紫外線硬化性組成物は硬化後に可撓性を有するため、金属などのような線膨張係数の小さな被着体と熱可塑性樹脂とをこの組成物で接着した接着物は温度変化のある環境下でも接着面が剥離にしくい。
Claims (4)
- 脂環式アクリレート成分100重量部、炭素数5−20のアルキル基を有する単官能アルキルアクリレート成分10〜70重量部、スチレン−ジエン系ブロック共重合体、アクリルニトリルブタジエンゴム、またはそれらの水添物もしくはそのカルボキシル変性物のエラストマーを脂環式アクリレート成分と炭素数5−20のアルキル基を有する単官能アルキルアクリレート成分の総量100重量部に対し1〜50重量部及び光重合開始剤から成る紫外線硬化性組成物。
- 熱可塑性樹脂成形品と被着体の接着方法であって、熱可塑性樹脂成形品の接着面および/または被着体の接着面に請求項1記載の紫外線硬化性組成物を塗布し、熱可塑性樹脂成形品の接着面と被着体の接着面を密着させ、接着面に紫外線を照射して紫外線硬化性組成物を硬化させることを特徴とする接着方法。
- 熱可塑性樹脂が熱可塑性ノルボルネン系樹脂である請求項2記載の接着方法。
- 熱可塑性樹脂成形品と被着体とを請求項2、または3記載の接着方法で接着してなる複合体。
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