JP3664006B2 - 移動体通信用発振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信装置に使用される移動体通信用発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年移動体通信は、急激な普及が進んでおり当初割当てられた周波数帯だけではサービスが提供できなくなり、1.5〜2GHz帯に新たな周波数のサービスが導入された。その結果、移動体通信端末においては、その両方の周波数帯域に対応できるものが要求されてきた。一方高周波半導体技術の進歩も著しく、このような背景の中で、移動体通信用発振器においては少なくとも2つのバンドで発振可能であって、かつ半導体集積回路化に適した電圧制御発振器が要望されていた。
【0003】
以下、従来の移動体通信装置に使用される移動体通信用発振器について説明する。従来の移動体通信用発振器は図6に示すように、略900MHzのローバンドの周波数と略1800MHzのハイバンドの周波数とが切替え可能な共振回路1と、この共振回路1に接続された発振回路2と、この発振回路2の出力に接続されたバッファ回路3と、このバッファ回路3の出力が接続された出力端子4とで構成されていた。共振回路1はバリキャップダイオード5とコンデンサ6の並列接続体7と、インダクタ8とインダクタ9の直列接続体10とが並列された並列接続体11で形成されていた。
【0004】
ここで、バリキャップダイオード5には制御入力端子12から供給される制御電圧により、その静電容量が変化し、発振周波数を連続的に可変させていた。また制御入力端子12には、PLL回路の出力がローパスフィルタを介して接続されていた。
【0005】
また、周波数のバンド切替えはバンド切替え端子13からの入力により電子スイッチ14をオン・オフさせて、インダクタ9の両端を開放・短絡することにより行っていた。
【0006】
すなわち、ハイバンドの周波数を発振させるときには、電子スイッチ14をオンしてインダクタ9の両端を短絡させて並列接続体7とインダクタ8との並列接続により略1800MHzの周波数が出力されるようになっていた。また、ローバンドの周波数を発振させるときにはインダクタ9の両端を開放させて並列接続体7と直列接続体10との並列接続により略900MHzの周波数が出力されるようになっていた。また、この発振器はPLL回路にループ接続されて移動体通信装置に用いられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の構成では、ハイバンドとローバンドの切替えにおいて制御電圧に対する周波数感度が異なることになり、PLL回路のループフィルタはハイバンド/ローバンド夫々独立した回路を設け、それを切替える必要があった。また、半導体集積回路にこのまま置き換えることも困難であった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するもので、ハイバンドとローバンドにおける周波数感度を略等しくするとともに半導体集積回路化に適した移動体通信用発振器を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の移動体通信用発振器は、平衡増幅回路と、この平衡増幅回路の一方の端子と他方の端子との間に接続されたインダクタとキャパシタの並列接続回路と、前記一方の端子から第1のバッファ回路を介して出力される第1の出力端子と、前記他方の端子から第2のバッファ回路を介して出力される第2の出力端子とから成り、前記インダクタの切替えによりローバンドとハイバンドの周波数を前記出力端子から出力するとともに、外部から供給される電圧で前記周波数の10分の1以下の範囲内で可変可能な周波数が出力される移動体通信用発振器であって、前記平衡増幅回路と前記バッファ回路とは一つのパッケージ内に集積されるとともに、前記インダクタは第1のインダクタと、電源に接続された中間点を有する第2のインダクタとで構成された第1の直列接続体で形成されるとともに、前記第1のインダクタを略同じインダクタ値に2分割し、この2分割された前記第1のインダクタの間に前記第2のインダクタを接続し、前記キャパシタは、制御入力端子から供給される電圧で静電容量が可変されるバリキャップダイオードと、ハイバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第1のコンデンサと、ローバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第2のコンデンサとが直列に接続された第2の直列接続体で形成され、前記第2のインダクタの両端に接続されるとともに前記出力周波数をローバンドとハイバンドに切替える第1のスイッチ手段と、前記第1のコンデンサの両端に接続されるとともにローバンドとハイバンドの周波数感度を略等しくする第2のスイッチ手段を設け、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とはスイッチ端子から入力される第1の信号で前記第1のスイッチ手段を開放するとともに前記第2のスイッチ手段を短絡し、前記スイッチ端子から入力される第2の信号で前記第1のスイッチ手段を短絡するとともに前記第2のスイッチ手段を開放して前記出力端子から出力されるローバンドとハイバンドとの周波数切替えと、ローバンドとハイバンドとの周波数感度を略等しくしたものである。
【0010】
これにより、ハイバンドとローバンドにおける周波数感度が略等しく、半導体集積回路化に適した移動体通信用発振器を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、平衡増幅回路と、この平衡増幅回路の一方の端子と他方の端子との間に接続されたインダクタとキャパシタの並列接続回路と、前記一方の端子から第1のバッファ回路を介して出力される第1の出力端子と、前記他方の端子から第2のバッファ回路を介して出力される第2の出力端子とから成り、前記インダクタの切替えによりローバンドとハイバンドの周波数を前記出力端子から出力するとともに、外部から供給される電圧で前記周波数の10分の1以下の範囲内で可変可能な周波数が出力される移動体通信用発振器であって、前記平衡増幅回路と前記バッファ回路とは一つのパッケージ内に集積されるとともに、前記インダクタは第1のインダクタと、電源に接続された中間点を有する第2のインダクタとで構成された第1の直列接続体で形成されるとともに、前記第1のインダクタを略同じインダクタ値に2分割し、この2分割された前記第1のインダクタの間に前記第2のインダクタを接続し、前記キャパシタは、制御入力端子から供給される電圧で静電容量が可変されるバリキャップダイオードと、ハイバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第1のコンデンサと、ローバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第2のコンデンサとが直列に接続された第2の直列接続体で形成され、前記第2のインダクタの両端に接続されるとともに前記出力周波数をローバンドとハイバンドに切替える第1のスイッチ手段と、前記第1のコンデンサの両端に接続されるとともにローバンドとハイバンドの周波数感度を略等しくする第2のスイッチ手段を設け、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とはスイッチ端子から入力される第1の信号で前記第1のスイッチ手段を開放するとともに前記第2のスイッチ手段を短絡し、前記スイッチ端子から入力される第2の信号で前記第1のスイッチ手段を短絡するとともに前記第2のスイッチ手段を開放して前記出力端子から出力されるローバンドとハイバンドとの周波数切替えと、ローバンドとハイバンドとの周波数感度を略等しくした移動体通信用発振器であり、第1、第2のスイッチ手段により、ローバンドとハイバンドの切替と、ローバンドとハイバンドの周波数感度を等しくすることができる。
従って、この発振器をPLL回路と接続した場合、PLL回路のローパスフィルタをローバンド用とハイバンド用の2種類用意することなく、安定した移動体通信用電圧制御発振器が実現できる。
【0012】
また、平衡型の発振器としているので、電源Vccから流れる電流が常に一定となり、他の回路との干渉妨害を小さくすることができ、これにより高周波化と多機能化によって、より複雑化が避けられない移動体通信装置の高周波発振器を従来並みの占有面積で実現できる。
【0013】
また、半導体集積回路化しているので、他の回路、例えば低雑音増幅器(以下、LNAという)や混合器(以下、MIXという)などとともに集積回路化すれば小型化も図れる。
【0016】
請求項に記載の発明は、バリキャップダイオードと並列に第3のコンデンサが接続された請求項1に記載の移動体通信用発振器であり、バリキャップダイオードによる周波数感度を適正化することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、第1のインダクタと第2のインダクタはパターンで形成された請求項1に記載の移動体通信用発振器であり、インダクタはパターンで形成されているので、たとえ振動してもインダクタンスの値が変わることはなく、移動体通信用として優れた性能を発揮することになる。
【0018】
請求項に記載の発明は、第1のインダクタをトリミングしてハイバンドの出力周波数を調整した後、第2のインダクタをトリミングしてローバンドの出力周波数を調整する請求項に記載の移動体通信用発振器であり、トリミングによりハイバンドとローバンドの周波数を独立に調整することができる。また、インダクタはパターンで形成されているので、調整した後の周波数は安定している。
【0019】
請求項に記載の発明は、多層基板の内層にインダクタが形成されるとともに、このインダクタの上層或いは下層はグランドパターンが除去された請求項に記載の移動体通信用発振器であり、インダクタンスの近傍にグランドがないので、Qの高いインダクタを得ることができ、所望のC/N特性を容易に実現できる。
【0020】
請求項に記載の発明は、多層基板の内層にインダクタが形成されるとともに、このインダクタの一部をビアホールで表面に導出し、前記インダクタの一部をトリミングすることにより周波数を調整する請求項に記載の移動体通信用発振器であり、電子部品の中では形状の大きい部品であるインダクタを基板内の内層に設けるので小型化が実現できる。また、調整に関しては調整用のインダクタが表面に導出されているので、周波数調整が容易にできる。
【0021】
請求項に記載の発明のスイッチ手段は、第1のコンデンサと第2のインダクタの両端に夫々スイッチングダイオードを接続し、これらのスイッチングダイオードの両端に外部から電圧を加えることにより、開放・短絡を制御する請求項1に記載の移動体通信用発振器であり、簡単な回路で実現しているので、小型化と低価格化を図ることができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を基に説明する。図1は、本発明の移動体通信用発振器の回路図であり、トランジスタで形成された平衡増幅回路21の一方の端子Aと他方の端子Bとの間にインダクタとキャパシタで形成された共振回路22が接続され、この共振回路22を形成するインダクタ23の両端にスイッチ手段24が接続されている。また、前記一方の端子Aからは、トランジスタで形成されたバッファ回路25を介して出力端子26に接続され、他方の端子Bからは、トランジスタで形成されたバッファ回路27を介して出力端子28に接続されている。ここで、バッファ回路25とバッファ回路27とは同一の回路である。なお、これらのトランジスタの代わりにFETを用いても良い。
【0024】
平衡増幅回路21は、インダクタ23の中間点23aに設けられた電源Vccからインダクタ23の一方の半分とインダクタ42を介してトランジスタ35のコレクタに接続されている。また、インダクタ23の他方の半分とインダクタ43を介してトランジスタ34のコレクタに接続されている。また、このトランジスタ34と35のエミッタは接続されて、定電流源36を介してグランドに接続されている。トランジスタ34のベースはコンデンサ37を介してトランジスタ35のコレクタに接続されるとともに端子Aに接続されている。同様にトランジスタ35のベースはコンデンサ39を介してトランジスタ34のコレクタに接続されるとともに端子Bに接続されている。40はバイパスコンデンサであり電源Vccとグランドとの間に接続されている。
【0025】
共振回路22は、端子Aと端子Bとの間にインダクタンスとキャパシタンスを並列接続して形成されている。そしてそのインダクタンスは、パターンで形成されたインダクタ42と、パターンで形成されたインダクタ23と、パターンで形成されたインダクタ43とがこの順序に接続されている。また、インダクタ42と43は同じインダクタンス値のものであり、ハイバンド例えば1800MHz帯の周波数を発振させるときに用いるものである。また、このインダクタ42,43と、インダクタ23とが直列に接続されてローバンド、例えば略900MHz帯の周波数の発振に用いられる。
【0026】
なお、実装面積を小さくする為にインダクタ42と43は一つのインダクタとして、どちらか一箇所にまとめることもできる。
【0027】
また、共振回路22のキャパシタンスは、ローバンドの周波数感度を調整するコンデンサ47と、バリキャップダイオード48と、ハイバンドの周波数感度を調整するコンデンサ49と、直流カット用のコンデンサ44とがこの順に接続されている。また、バリキャップダイオード48の両端には、このバリキャップダイオード48の周波数感度を補正するコンデンサ50が接続されて、そのカソード側にはインダクタ51(抵抗でも可)を介して制御入力端子52に接続されている。また、バリキャップダイオード48のアノード側は、抵抗53を介してグランドに接続されている。なお、コンデンサ47は直流カットの働きもしている。
【0028】
ここで、制御入力端子52に制御電圧を加えると電流はインダクタ51、バリキャップダイオード48、抵抗53と流れてバリキャップダイオード48の両端に電圧が加わる。そこで、制御入力端子52に加える電圧を変化させるとバリキャップダイオード48に加わる電圧が変化し、バリキャップダイオード48の静電容量が変化する。
【0029】
24はスイッチ手段であり、インダクタ23の両端にコンデンサ54とダイオード55とコンデンサ38がこの順に直列に接続されている。この接続点であるダイオード55のカソード側から抵抗56を介してスイッチ端子57に接続されるとともにコンデンサ58を介してグランドに接続されている。また、ダイオード55のアノード側からは、抵抗59を介してスイッチ端子60に接続されるとともにコンデンサ61を介してグランドに接続されている。
【0030】
コンデンサ49の両端には、コンデンサ62とダイオード63が直列に接続されている。この接続点であるとともにダイオード63のアノード側から抵抗64を介して前記スイッチ端子57に接続されている。また、ダイオード63のアノード側には抵抗41を介してスイッチ端子60に接続されている。ここで、コンデンサ58と61はバイパスコンデンサであり、コンデンサ54と38と62は直流カット用のコンデンサである。
【0031】
なお、ダイオード63に並列接続されたコンデンサ49は、本実施の形態ではバリキャップダイオード48と直列に接続しているが、これは、バリキャップダイオード48と並列に接続してもローバンドとハイバンドの周波数感度を略等しくすることができる。
【0032】
以上のように構成された移動体通信用発振器において、スイッチ端子57の電圧をスイッチ端子60の電圧より高くすると、ダイオード55が開放(以下、オフという。)になるとともにダイオード63が短絡(以下、オンという。)になる。すなわち、このときの等価回路は図2に示すようになる。
【0033】
図2において、インダクタ42とインダクタ23とインダクタ43が直列接続された直列接続体65とし、コンデンサ50とバリキャップダイオード48が並列接続された並列接続体66と、この並列接続体66とコンデンサ47とが直列に接続された直列接続体67とすると、端子AB間のインピーダンスは直列接続体65と直列接続体67の並列接続となる。従って、このときの共振周波数は、インダクタンスである直列接続体65とキャパシタンスである直列接続体67の並列共振周波数になる。ここで、制御入力端子52に加える制御電圧を可変することにより、ローバンドの周波数を可変することができる。このローバンドは、本実施の形態では図4の80に示すように、周波数は略900MHzで制御電圧による周波数可変幅81は50〜70MHzである。図4において、横軸は周波数であり縦軸は出力レベルである。
【0034】
また、図1において、スイッチ端子57の電圧をスイッチ端子60の電圧より低くすると、ダイオード55がオンになるとともにダイオード63がオフになる。すなわち、このときの等価回路は図3に示すようになる。
【0035】
図3において、インダクタ42とインダクタ43が直列接続された直列接続体69とし、コンデンサ50とバリキャップダイオード48が並列接続された並列接続体66と、この並列接続体66とコンデンサ47とコンデンサ49が直列に接続された直列接続体70とすると、端子AB間のインピーダンス(図面には番号の記載なし)は直列接続体69と直列接続体70の並列接続となる。従って、このときの共振周波数は、インダクタンスである直列接続体69とキャパシタンスである直列接続体70の並列共振周波数になる。ここで、制御入力端子52に加える制御電圧を可変することにより、ハイバンドの周波数を可変することができる。このハイバンドは、本実施の形態では図4の82に示すように、周波数は略1800MHzで制御電圧による周波数可変幅83は80〜100MHzである。図4において、横軸は周波数であり縦軸は出力レベルである。
【0036】
なお、ここでローバンドはGSMの900MHzとしたがAMPSでは800MHzとなる。また、ハイバンドではGSMの1800MHzとしたがPCSでは1900MHzとなる。
【0037】
図5は本発明の移動体通信用発振器に用いた多層基板71の分解斜視図である。図5において、72は多層基板71の1層目の表面であり電子部品が装着されている。73は2層目でありグランドパターン74が一面に設けられている。75は3層目でありパターンで形成されたインダクタ76が形成されている。77は4層目でありグランドパターン78が一面に設けられている。
【0038】
76aはインダクタ76からビアホール79で1層目に導出されたインダクタの一部である。このインダクタの一部76aは、確実に調整範囲をカバーできるようにインダクタ76の10分の1程度のインダクタとしている。このようにインダクタ76の一部を多層基板71の表面に導出することにより、インダクタンスの調整が容易となる。
【0039】
ここで、インダクタ76の上層73のグランドパターン74は、インダクタ76のQを大きくするために、その対応する部分にグランドパターンの不形成部74aを設けている。また、インダクタ76の下層77のグランドパターン78にも同様の理由でインダクタ76のQを大きくするために、その対応する部分にグランドパターンの不形成部78aを設けている。
【0040】
このように、インダクタンスの大部分を多層基板71の内層に形成することにより、小型化を図ることができる。また、インダクタ76はパターンで形成されているので、例え振動してもインダクタンスの値が変ることはなく移動体通信用としては優れた性能を発揮することになる。
【0041】
なお、このインダクタ76とその1部76aは、図1のインダクタ23,42,43が適用できる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における移動体通信用発振器は、ローバンドの出力周波数の感度を調整するコンデンサ47と、ハイバンドの出力周波数の感度を調整するコンデンサ49とを夫々独立に有しているので、これらのコンデンサ47,49により、ハイバンドとローバンドにおける発振周波数の感度を夫々独立に設定できるとともに、ローバンドとハイバンドの周波数感度を等しくすることができる。
【0043】
また、平衡型の発振器としているので、電源端子Vccに流れる電流が常に一定となり、他の回路との干渉妨害を小さくすることができ、これにより高周波化と多機能化によって、より複雑化が避けられない移動体通信装置の高周波発振器を従来並みの占有面積で実現できる効果がある。
【0044】
また、インダクタ42とインダクタ43とは略同じインダクタンス値にすると共に、この間にインダクタ23が接続されている。従って、スイッチ手段24が接続されるインダクタ23の中間点23aに電源端子Vccを設け、その両側にインダクタ42とインダクタ43が接続されるので、スイッチ手段24の影響が少なくなるとともに、共振回路の平衡度も良い。
【0045】
また、最初にインダクタ23をダイオード55で短絡してインダクタ42か或いはインダクタ43をトリミングすることによりハイバンドの周波数を独立に調整することができる。次に、ダイオード55を開放してインダクタ23をトリミングすることによりローバンドの周波数を独立に調整することができる。
【0046】
また、バリキャップダイオード48と並列にコンデンサ50が接続されているので、バリキャップダイオード48の周波数感度を容易に補正することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、平衡増幅回路とバッファ回路とは一つのパッケージ内に集積されるとともに、前記インダクタは第1のインダクタと、電源に接続された中間点を有する第2のインダクタとで構成された第1の直列接続体で形成されるとともに、前記第1のインダクタを略同じインダクタ値に2分割し、この2分割された前記第1のインダクタの間に前記第2のインダクタを接続し、前記キャパシタは、制御入力端子から供給される電圧で静電容量が可変されるバリキャップダイオードと、ハイバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第1のコンデンサと、ローバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第2のコンデンサとが直列に接続された第2の直列接続体で形成され、前記第2のインダクタの両端に接続されるとともに前記出力周波数をローバンドとハイバンドに切替える第1のスイッチ手段と、前記第1のコンデンサの両端に接続されるとともにローバンドとハイバンドの周波数感度を略等しくする第2のスイッチ手段を設け、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とはスイッチ端子から入力される第1の信号で前記第1のスイッチ手段を開放するとともに前記第2のスイッチ手段を短絡し、前記スイッチ端子から入力される第2の信号で前記第1のスイッチ手段を短絡するとともに前記第2のスイッチ手段を開放して前記出力端子から出力されるローバンドとハイバンドとの周波数切替えと、ローバンドとハイバンドとの周波数感度を略等しくしたものであり、バリキャップダイオードと直列に接続された第1のコンデンサの両端を開放・短絡することにより、ローバンドとハイバンドの周波数感度を等しく設定することができる。従って、この発振器をPLL回路にループ接続した場合、PLL回路のローパスフィルタをローバンド用とハイバンド用の2種類用意することなく、適正なロックアップタイムで適正に切替えることができる。
【0048】
また、平衡型の発振器としているので、常に電源に流れる電流が一定となり、他の回路との干渉妨害を小さくすることができ、これにより移動体通信装置に用いる高周波発振器を従来の占有面積で実現できる効果がある。また、半導体集積回路化が容易で、例えばLNAやMIXとともに集積回路化すれば更なる小型化・低価格化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による移動体通信用発振器の回路図
【図2】同、スイッチ手段のスイッチ開放時の共振回路の等価回路図
【図3】同、スイッチ手段のスイッチ短絡時の共振回路の等価回路図
【図4】同、周波数バンドの説明図
【図5】同、多層基板の分解斜視図
【図6】従来の移動体通信用発振器の回路図
【符号の説明】
21 平衡増幅回路
22 共振回路
23 インダクタ
24 スイッチ手段
25 バッファ回路
26 出力端子
27 バッファ回路
28 出力端子
42 インダクタ
43 インダクタ
47 コンデンサ
48 バリキャップダイオード
49 コンデンサ
50 コンデンサ
51 インダクタ
52 制御入力端子
55 ダイオード
57 スイッチ端子
60 スイッチ端子
63 ダイオード

Claims (7)

  1. 平衡増幅回路と、この平衡増幅回路の一方の端子と他方の端子との間に接続されたインダクタとキャパシタの並列接続回路と、前記一方の端子から第1のバッファ回路を介して出力される第1の出力端子と、前記他方の端子から第2のバッファ回路を介して出力される第2の出力端子とから成り、前記インダクタの切替えによりローバンドとハイバンドの周波数を前記出力端子から出力するとともに、外部から供給される電圧で前記周波数の10分の1以下の範囲内で可変可能な周波数が出力される移動体通信用発振器であって、前記平衡増幅回路と前記バッファ回路とは一つのパッケージ内に集積されるとともに、前記インダクタは第1のインダクタと、電源に接続された中間点を有する第2のインダクタとで構成された第1の直列接続体で形成されるとともに、前記第1のインダクタを略同じインダクタ値に2分割し、この2分割された前記第1のインダクタの間に前記第2のインダクタを接続し、前記キャパシタは、制御入力端子から供給される電圧で静電容量が可変されるバリキャップダイオードと、ハイバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第1のコンデンサと、ローバンドにおける出力周波数の周波数感度を調整する第2のコンデンサとが直列に接続された第2の直列接続体で形成され、前記第2のインダクタの両端に接続されるとともに前記出力周波数をローバンドとハイバンドに切替える第1のスイッチ手段と、前記第1のコンデンサの両端に接続されるとともにローバンドとハイバンドの周波数感度を略等しくする第2のスイッチ手段を設け、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段とはスイッチ端子から入力される第1の信号で前記第1のスイッチ手段を開放するとともに前記第2のスイッチ手段を短絡し、前記スイッチ端子から入力される第2の信号で前記第1のスイッチ手段を短絡するとともに前記第2のスイッチ手段を開放して前記出力端子から出力されるローバンドとハイバンドとの周波数切替えと、ローバンドとハイバンドとの周波数感度を略等しくした移動体通信用発振器。
  2. バリキャップダイオードと並列に第3のコンデンサが接続された請求項1に記載の移動体通信用発振器。
  3. 第1のインダクタと第2のインダクタはパターンで形成された請求項1に記載の移動体通信用発振器。
  4. 第1のインダクタをトリミングしてハイバンドの出力周波数を調整した後、第2のインダクタをトリミングしてローバンドの出力周波数を調整する請求項3に記載の移動体通信用発振器。
  5. 多層基板の内層にインダクタが形成されるとともに、このインダクタの上層或いは下層はグランドパターンが除去された請求項4に記載の移動体通信用発振器。
  6. 多層基板の内層にインダクタが形成されるとともに、このインダクタの一部をビアホールで表面に導出し、前記インダクタの一部をトリミングすることにより周波数を調整する請求項4に記載の移動体通信用発振器。
  7. スイッチ手段は、第1のコンデンサと第2のインダクタの両端に夫々スイッチングダイオードを接続し、これらのスイッチングダイオードの両端に外部から電圧を加えることにより、開放・短絡を制御する請求項1に記載の移動体通信用発振器。
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