JP3663620B2 - メタルウッド用ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は低重心でシャフト軸まわりの慣性モーメントが小さく、反発特性に優れたメタルウッド用ゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のメタルウッド用ゴルフクラブヘッドの設計において、ヘッドの重量配分や重心位置の自由度を得ることが出来るといった効果が見込めるため、比重の異なる材料を組み合わせて製作する技術が多数開示されている。
【0003】
たとえば、特開平6−23072号公報には、中空のヘッド本体を比較的比重の小さいチタンまたはチタン合金で鋳造する一方、このヘッド本体の開口部に対応した形状のソール蓋をヘッド本体の比重より重い金属で製造し、さらに上記ヘッド本体の開口部にソール蓋を取付けた後、このソール蓋の外縁部にチタンまたはチタン合金で製造した固定部材を押し付け、この固定部材を上記ヘッドに固着するといった製造方法が提案されている。
【0004】
また、特開平6−296716号公報には、ヘッドの重心位置を下げることを目的に、中空な金属製ゴルフクラブヘッドにおいて、ソール上に重錘を固着するといった技術が開示されている。
【0005】
また、その他、ヘッド本体が全てチタンあるいはチタン合金からなるメタルウッド用ゴルフクラブにおいては、低重心設計にするためにソール部の肉厚を厚くするなどの方法も取られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ヘッドの重心が低くなればなるほど、ボールが上がり易いクラブが得られるため、近年は低重心のクラブが頻繁に開発されている。
【0007】
しかし、上記従来のソール蓋をヘッド本体の比重より重い金属で製造し、ヘッド本体の開口部にソール蓋を取付ける製造方法においては、重い金属を用いることにより重心を低くすることは可能であるが、ヘッド本体とソール蓋がそれぞれ異種の金属で形成されていること、及びヘッド本体のクラウン部とソールの肉厚に大きな差が発生することとなる。そのため、ヘッド全体として優れた反発特性が得られないといった問題点があった。
【0008】
また、同様にヘッド本体が全てチタンあるいはチタン合金からなるゴルフクラブヘッド、あるいはヘッド本体及びソール部を含むヘッド本体の外殻全体をほぼ均一の厚さに形成したゴルフクラブヘッドにおいても、ゴルフクラブヘッドのソール部に、直接重り部材を固着することによりソール部の反発特性が低下する。その結果、上記問題と同様にヘッド全体としての優れた反発特性を得られないといった問題があった。さらに、従来、用いられていた重り部材においては、低重心化に限界があった。
【0009】
そこで、本発明では、上記問題点を解決するために、ソールとクラウンの肉厚差を小さくし、且つソール部に比重の重い金属(重量体)を直接に溶接あるいは嵌合しないことにより反発特性に優れ、しかも低重心設計により高弾道が得られるメタルウッド用ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、メタルウッド用ゴルフクラブであって、ヘッド本体と同質の素材からなり、ソール部より大きい曲率半径をもって湾曲した板状部材には、ヘッド本体の素材よりも比重の大きい素材からなる重り部材を固着し、該ソール上面と該板状部材の裏面の2辺とで橋架け状態に溶接することにより、該板状部材と前記ソール上面とは該2辺以外では2層となるようにしたことを特徴とするメタルウッド用ゴルフクラブヘッドである。
【0011】
このように、前記板状部材をヘッド本体と同質の素材から形成することにより、該板状部材をソール上面に溶接加工によってより固着することができる。
【0012】
本発明において、前記重り部材は、厚みが一定でありクラブヘッドのトウ側を上底、ヒール側を下底とする台形に形成され、該上底と下底の長さの比が4:6〜2:8の範囲とすることが好ましい。このように構成することによって、ヘッドのトウ・ヒール方向重心位置をシャフト軸よりに変位させ、低重心を維持しつつシャフト軸回りの慣性モーメントを小さくすることができる。
【0013】
また、本発明において、前記重り部材は、ヘッド本体をクラウン側から見たときのヘッド幅(投影幅)をHとしたときに、フェース側から2/3Hよりもフェース側に位置するように構成することも可能である。このように構成することによって、ヘッドの重心深度を浅くすることができ、フェース面上のスィート・スポットの位置を低くしてフェース中央付近に合致させることができる。
【0014】
さらに、本発明において、前記ソール部とクラウン部の肉厚は0.8mm以上1.5mm以下であり、且つそれぞれの肉厚差が0.3mm以下となるようにすることが好ましい。
【0015】
このように構成することにより、反発特性のさらに優れたメタルウッド用ゴルフクラブヘッドを提供することができる。すなわち、ソール部及びクラウン部の肉厚が0.8mm未満である場合、ボールを打球したときの衝撃に耐えられず、ヘッドが変形等するおそれがある。
【0016】
一方、ソール部及びクラウン部の肉厚が1.5mmより厚いと、特にクラウン部の厚みが厚くなることにより、スィートスポットの高さが高くなり、ヘッド全体の反発特性が低下し打球の飛距離の向上が望めない。
【0017】
また、前記ソール部とクラウン部の肉厚差に関し、一般的には、ソール部の肉厚のほうが厚くなるように形成されるが、その際、該肉厚差が0.3mmより大きい場合、ソール部とクラウン部の反発特性の差が大きくなってしまい、打球が安定しないおそれがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドは、前記クラウン部及びソール部、フェース面部、サイド部及びホーゼル部を主体に外殻が形成されるゴルフクラブヘッドである。
【0020】
該外殻構造は、複数の分割された部材を溶接により一体化されたものが一般的である。例えば、フェース面部材、ホーゼル部材、クラウン部とサイド部が一体となった部材、及びソール部といったように4分割された部材からなるものや、フェース面とホーゼル部が一体に成形された部材、クラウン部とサイド部が一体となった部材及びソール部といったように3分割された部材からなるもの等、分割構造は特に限定されるものではないが、前記板状体や錘を外殻内に配置するため、少なくとの2分割以上の外殻構造を有するものである。
【0021】
本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブに用いられる素材は、SAS630鋼といったステンレス鋼が用いられるが、Ti−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Alといったチタン合金、あるいは純チタンを用いることにより、優れた反発特性を維持しつつ、ゴルフクラブヘッドの軽量化を図ることができ好適である。
【0022】
メタルウッド用ゴルフクラブのソール部は、トウ・ヒール方向に湾曲する形状を有している。本発明に係る板状部材は、該ソール部材の湾曲よりも大きい曲率半径を持って湾曲して形成される。
【0023】
また、本発明において該板状部材を介さずに前記重り部材を直接ソール部に配する場合において、該重り部材が、該ソール部材の湾曲よりも大きい曲率半径を持って湾曲して形成される。このようにこれらの部材が、前記ソール部の湾曲よりも大きい曲率半径を持って湾曲しているため、湾曲の向きを合わせて重ね合わせても、裏面全面がソール面上に当接することはなく、かならず、2辺で持たされた橋架け状態となる。
【0024】
本発明に係る重り部材は、ヘッド本体の素材よりも比重の大きい素材からなる。例えば、タングステン、コバルト、銅、鉛、鉄やこれらの合金の中から適宜選択されるものである。
【0025】
該重り部材と前記板状部材を固着する方法は、接着剤を用いる方法、ビス止めする方法、あるいは板状部材に加工穴を形成して該重り部材を圧入する方法など、長年にわたる繰り返しの衝撃に耐えうる固着方法のうちから適宜選択することができる。
【0026】
本発明に係る板状部材をソール部に固着する方法に関し、特に限定されるものではなく、接着剤を用いる方法、ビス止めする方法等適宜選択することができるが、該板状部材とソール部とが同質の金属材料から形成される場合において、溶接加工を用いて固着することが可能となり好適である。
【0027】
本発明において、前記重り部材は、厚みが一定の長方形の板状に形成することも可能であるが、クラブヘッドのトウ側を上底、ヒール側を下底とする台形に形成され、該上底と下底の長さの比が4:6〜2:8の範囲とすることが好ましい。また、本発明において、前記重り部材は、ヘッド本体をクラウン側から見たときのヘッド幅(投影幅)をHとしたときに、フェース側から2/3Hよりもフェース側に位置するように構成することが好適である。
【0028】
本発明において、前記ソール部とクラウン部の肉厚は0.8mm以上1.5mm以下であり、好ましくは0.9〜1.2mm程度が好適である。これら肉厚は、ヘッド本体に用いられる素材との関係で、十分な強度を保持しつつ反発特性を発揮しうる範囲で決定される。
【0029】
また、それぞれの肉厚差が0.3mm以下、好ましくは同じ肉厚に形成する。
【0030】
本発明において、少なくとも前記ヘッド本体、ソール部及び板状部材がチタンまたはチタン合金から形成することが好ましい。具体的には、α型チタン、β型チタンあるいはαβ型チタン、又は各種チタン合金など従来から用いられているチタン系金属素材から適宜選択される。この場合、各部材の成形方法は、鋳造法、鍛造法またはこれらの組み合わせによって成形される。
【0031】
【実施例】
以下、図面を引用して本願発明の実施例を説明する。図1はこの発明の実施例を示す図である。図1に示すように、本実施例のメタルウッド用ゴルフクラブヘッドはTi−15V−3Cr−3Sn−3Alチタン合金よりなるフェース部1、クラウン部3とソール部4及び純チタンからなるネック部2で構成される。チタン合金より比重の大きいSUS630ステンレス鋼より形成される重り部材5がチタン製の板状部材6に嵌合圧入により一体成型される。該板状部材6は、ソール部4の上面のトウ及びヒール方向の2箇所で溶接する。
【0032】
図2に一体成型される前の重り部材5と板状部材6を示す。図2に示すように、板状部材6には重り部材5を挿入するために重り部材5の外周形状と同形で、深さ約2mm程度の加工穴8がフライス加工またはプレス加工により形成される。
【0033】
該加工穴8に重り部材5を嵌め合わせ、接着剤で固着した後、ソール部の曲率半径より大きくなるように鍛造成型によって湾曲加工する。図3の拡大図に示すように、曲率半径を持たせる湾曲加工により前記加工穴8の両端部はアンダーカット形状になり、重り部材5の抜けを防ぐことが出来る。
【0034】
また、曲率半径を比較的小さく湾曲加工する場合は、接着剤を用いることなく加工穴8のアンダーカット形状のみで挟着することもできる。
【0035】
他の実施例として、図4に示すように鍛造成型して曲率半径を持った板状部材6に重り部材5を2箇所以上のビス9でビス止めすることによって強固に固着することも可能である。
【0036】
図5は、本実施例に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドのフェース部1側から見た断面図である。図5に示すように、板状部材6はソール部4よりも大きい曲率半径を持ち、ソール部4の上面に2辺で持たされた橋架け状態で固着されるため、該板状部材6の下面とソール部の接触面積を少なくすることができる。
【0037】
図6は、本実施例に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドのクラウン部3側見た断面図である。図6に示すように、重り部材5は厚みが一定でトウ側10を上底11、ヒール側12を下底13とする台形であり、かつ上底11と下底13の長さの比が4:6になる構造を有する。また、重り部材6の位置はヘッド幅(投影幅)Hとしたときに、フェース側から2/3Hよりもフェース部1側の位置にある構造になっている。
【0038】
更には、図7にヘッド本体14をフェースセンターラインSからカットしたときの断面図を示す。本実施例において、ソール部4の肉厚1.0mm、クラウン部3の肉厚0.9mmであり、それぞれの肉厚差は0.1mmとなるよう形成した。
【0039】
本実施例に示すメタルウッド用ゴルフクラブヘッドは、低重心で高弾道が得られ、反発特性にも優れるため、構造上、重心位置が高くなりがちなフェアウエイウッドとして用いるのに適していると言える。また、シャフト軸まわりの慣性モーメントも従来より小さくできるため、上級者に好まれる設計になっているが、前記、重り部材5の上底11と下底12との比率を調整することにより、シャフト軸まわりの慣性モーメントを変化させ初中級者用の設計にすることも可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドは、上記のように構成されるため、従来の重り内蔵式のゴルフクラブヘッドよりさらに低重心にすることができ、高弾道の打球が得られるだけでなく、優れた反発特性によって大きな飛距離が得られる。
【0041】
しかもシャフト軸心まわりの慣性モーメントを小さく設計できるため、コントロール性に優れたメタルウッド用ゴルフクラブを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドの組み立て分解図である。
【図2】図2は、板状部材と重り部材の実施例を示す図である。
【図3】図3は、板状部材と重り部材の他の実施例を示す図である。
【図4】図4は、板状部材と重り部材の断面図である。
【図5】図5は、本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドのフェース面側断面図である。
【図6】図6は、本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドのクラウン部側断面図である。
【図7】図7は、本発明に係るメタルウッド用ゴルフクラブヘッドのフェースセンターラインにおける断面図である。
【符号の説明】
1 フェース部
2 ネック部
3 クラウン部
4 ソール部
5 重り部材
6 板状部材
7 溶接部
8 加工穴
9 ビス
10 トウ側
11 上底
12 ヒール側
13 下底
14 ヘッド本体

Claims (4)

  1. メタルウッド用ゴルフクラブであって、ヘッド本体と同質の素材からなり、ソール部より大きい曲率半径をもって湾曲した板状部材には、ヘッド本体の素材よりも比重の大きい素材からなる重り部材を固着し、該ソール上面と該板状部材の裏面の2辺とで橋架け状態に溶接することにより、該板状部材と前記ソール上面とは該2辺以外では2層となるようにしたことを特徴とするメタルウッド用ゴルフクラブヘッド。
  2. 前記重り部材は、厚みが一定でありクラブヘッドのトウ側を上底、ヒール側を下底とする台形に形成され、該上底と下底の長さの比が4:6〜2:8の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のメタルウッド用ゴルフクラブヘッド。
  3. 前記重り部材は、ヘッド本体をクラウン側から見たときのヘッド幅をHとしたときに、フェース側から2/3Hよりもフェース側の位置にあることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1に記載のメタルウッド用ゴルフクラブヘッド。
  4. ソール部とクラウン部の肉厚は0.8mm以上1.5mm以下であり、且つそれぞれの肉厚差が0.3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のメタルウッド用ゴルフクラブヘッド。
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