JP2001212272A - ウッド型ゴルフクラブヘッド - Google Patents

ウッド型ゴルフクラブヘッド

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JP2001212272A JP2000028239A JP2000028239A JP2001212272A JP 2001212272 A JP2001212272 A JP 2001212272A JP 2000028239 A JP2000028239 A JP 2000028239A JP 2000028239 A JP2000028239 A JP 2000028239A JP 2001212272 A JP2001212272 A JP 2001212272A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低重心化を図って球を上がり易くし、飛距離
の増大を図る。 【解決手段】 ヘッド高さに比べヘッド幅が大きく、金
属製外殻で形成された中空部を有するウッド型ゴルフク
ラブヘッドにおいて、ヘッド本体1のソール部2にフェ
ース側から後方に向かって凸状部7を設け、この凸状部
7にヘッド本体1より比重の大きな材料を嵌合出来るよ
うに凹部6を形成し、この凹部6に比重9以上のタング
ステン合金からなる錘部3を嵌合固定し、前記凹部6に
嵌合された錘部3の質量が25〜80gであるように構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッド高さよりヘ
ッド幅が大きく、金属製外殻で形成された中空部を有す
る所謂ウッド型ゴルフクラブヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、ウッド型ゴルフクラブヘッドの
ソール部に凸状部を設け、スウィング方向の方向安定性
を向上させる目的としたものや、ソール面に凹部を設
け、銅合金をこの凹部に圧入や嵌合により固着して低重
心化したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術では、単に方向を安定させるためや、タングステ
ン合金に比べ比重の軽いものであるため、充分な低重心
化が出来なかった。従って、本発明の目的は、充分に低
重心化できるウッド型ゴルフクラブヘッドを提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、ヘッド高さに比べヘッド幅が大きく、
金属製外殻で形成された中空部を有するウッド型ゴルフ
クラブヘッドにおいて、ヘッド本体のソール部にフェー
ス側から後方に向かって凸状部を設け、この凸状部にヘ
ッド本体より比重の大きな材料を嵌合出来るように凹部
を形成し、この凹部に比重9以上のタングステン合金か
らなる錘部を嵌合固定し、前記凹部に嵌合された錘部の
質量が25〜80gであるように構成した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述すると、
本発明のウッド型ゴルフクラブヘッドは、ヘッド高さに
比べヘッドの幅が大きいヘッド形状をなし、マグネシュ
ウム合金、アルミニウム合金、ステンレス鋼、マルエイ
ジング鋼、チタニウム合金などの金属で少なくとも、フ
ェース部5、サイド部11、クラウン部4、ソール部2
を形成することによって、中空部を有している所謂、メ
タルヘッドと呼ばれるウッド型ゴルフクラブヘッドに関
するものである。
【0006】本発明のウッド型ゴルフクラブヘッドは、
ヘッド本体1のソール部2にフェース部5側から後方に
向かって凸状部7を設ける。この凸状部7の構成は、ヘ
ッド本体1より比重の大きな材料を嵌合出来るように、
ソール部2に凹部6を形成し、この凹部6に比重9以上
19以下、好ましくは、10以上15以下のタングステ
ン合金からなる金属部材(錘部3)を嵌合固定する。比
重を9以上としたのは、9未満であれば、真鍮などの銅
合金に置き換えられるためであり、ヘッド本体1をステ
ンレス製としたとき、このステンレスと比重差が少な
く、低重心の効果が少ないためである。また、19以下
としたのは、タングステンの比重が19.3であるため
である。好ましい範囲を15以下にしたのは、銅やニッ
ケル、その他の金属を混ぜることによって、合金の硬度
を軟らかくし、圧入し易くし、ヘッド本体1のソール部
2に設けた凹部6と嵌合させて固定する錘部3との間に
隙間を出来にくくするためである。
【0007】また、ヘッド本体1のソール部2に、フェ
ース部5側から後方に向かって凸状部7を設けることに
より、地面や芝に接する面積が小さくなり、芝の抵抗を
受けにくくなると共に、ヘッドのスウィング方向を矯正
する働きがある。
【0008】一般にヘッド本体1をステンレスで作る
と、全体的にコストが安くなり、ユーザーにとって有り
難いものである。しかし、ヘッド本体1は、チタニウム
合金で作るより重くなるため、錘部3は25〜60gで
ある必要がある。25g未満では低重心の効果が少な
く、また錘部3が小さくなりソール部2の凹部6に嵌合
しにくい。フェアウェーウッドの場合ソールの大きさか
ら60g以下が好ましい。但し、チタニウム合金製のド
ライバー用ウッド型ゴルフクラブヘッドの場合は、80
gまで可能である。それ以上重くするとヘッドを小さく
する必要があり、好ましくない。特に、このゴルフクラ
ブヘッドは、ロフト角が12°〜27°、好ましくは1
3°〜24°のフェアウエーウッドにとって、効果的で
ある。フェアウエーウッドは、地面に転がったボールを
打つため、重心を低くすることが好ましく、錘部3をソ
ール部2に付けるのと同様に、錘部3をフェース部5寄
りに付けることによって、フェース上の重心を低くする
方法がある。そのため、錘部3は、ソール部2の中心付
近に位置することが好ましく、ソール幅の3分の2より
錘部3の重心の位置がフェース寄りに位置することが好
ましい。ヘッドの高さを低くし、芝の抵抗を少なくする
ため、あまりヘッドを大きくすることが好ましくないた
めである。そのため、ヘッド体積は、130〜200c
3が好ましく、特に135〜170cm3が好ましい。
【0009】さらに、ソール部2に嵌合固定されている
金属材料(錘部3)が、ソール外壁面に露出するように
固定されていることが好ましく、その露出面積が充分に
広く、具体的には500〜1000mm2であることが
好ましい。露出面積が少ないと、錘部3の高さが増し、
低重心化になりにくく、また、広すぎると錘部3が薄く
なり、固定し難かったり、ソール部2の凹部6に収まら
なくなるためである。
【0010】以下実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明する。本発明における実施例のゴルフクラブヘ
ッドは、ヘッド本体1にカーペンターーズ社(米国)製
のステンレス鋼CUSTOM(カスタム) 450を使
用して、インベストメント鋳造により成形した。CUS
TOM 450の組成は、Feを主成分とし、Crが1
4〜16%、Niが5〜7%、Cuが1.25〜1.7
5%、Moが0.5〜1.0%、Sが0〜0.03%、
Siが0〜1.0%である。前記ステンレス鋼は、金属
製のウッド型ゴルフクラブヘッドに一般に使用されてい
るステンレス鋼であるSUS630に比べ強度が強く、
伸びがあり、比重が7.75とSUS630の比重7.
78とほぼ等しいのが特徴である。
【0011】本ヘッドのソール部2の凹部6に嵌合され
る錘部3(図5参照)は、主にタングステンとニッケル
の合金で出来ており、比重が12であり、重さ43gで
あり、ソール部2に露出されている表面積は690mm
2であり、厚さは5mmであるものを用いた。この錘部
3をソール部2の中心の位置に嵌合固定し、ゴルフクラ
ブヘッドのソール部2を研磨した後の錘部3の重量は3
3gであった。ヘッド本体1のソール部2は、ヘッド本
体1と別体に作り、錘部3を圧入により凹部6に嵌合し
た後、アーク溶接によりヘッド本体1に固定した。
【0012】クラウン部4の厚さは、通常のステンレス
材を用いると、強度面を考慮した場合に0.8mmとす
るが、カスタム 450を使用した本発明では、クラウ
ン部4の厚さを0.6mm以下に設定し、本発明のクラ
ウン部4の厚さは0.5mmとした。また、フェース部
5の厚さも同様に通常2.7mmの厚さであるのに対
し、本発明のフェース部5の厚さは2.4mm以下に設
定し、2.2mmとした。
【0013】前記錘部3のソール部2の凹部6上面に当
接する面には、錘部3の外周に沿って連続する断面が直
角三角形状の錘凸部12(図9及び図10参照)が設け
られ、その四隅には、圧入時に空気が逃げられるように
欠落部13が設けられている。前記錘凸部12は、圧入
時にソール部2の凹部6の上面に沿って設けられた幅1
mmの溝部14に塑性変形して入り込み錘部3をソール
部2に嵌合固定される。
【0014】本発明の実施例であるウッド型ゴルフクラ
ブヘッドのソール形状は、ソール半径を127mmと
し、そのトウ8側とヒール9側のセンター部に、幅50
mmに渡って、80mmのソール半径を凸状に形成し、
フェース部5側からバック側に向かって凸状部7を設け
た。また、図8に示すように、ソール部2のトウ8側の
端とヒール9側の端とを結んだラインLよりも錘部3
が下方になるように凸状部7を設計することが好まし
く、ソール部2に設けた凸状部7のトウ8側とヒール9
側端とを結んだラインLよりも錘部3が下方になるよ
うに凸状部7を設計した。
【0015】また、本発明の実施例であるウッド型ゴル
フクラブヘッドの平面図(図6参照)で表現される投影
面積については、実施例のゴルフクラブヘッドのライ角
は58°であるため、ライ角を58°にセットし、ヘッ
ド本体1の投影面積について3次元測定機を用い計測
し、同様にソール部2の投影面積の測定を行った。その
結果、ソール部2の投影面積は、ヘッド本体1の投影面
積の82〜83%であった。これは、サイド部11をほ
ぼ垂直に設計し、ソール部2の面積を広くし低重心化し
たためである。
【0016】上記実施例と一般的なフェアウエーウッド
について、それぞれ、3番ウッド及び5番ウッドを作成
して、比較を行った。その結果を表1にまとめる。
【0017】
【表1】
【0018】上記実施例と比較例について、試打評価を
行った結果、球が上がりやすく、また、ソール部2に設
けられた凸状部7が地面の抵抗を受けにくく、スウィン
グ方向を改善するようなので、打ちやすいといった評価
を得ることが出来た。また、引き続き強度評価として、
1000発実打評価を行い、錘部3のがたつきやソール
部2との隙間の有無について、調査を行ったが、がたつ
きや隙間は見られなかった。
【0019】本発明において、ヘッド本体1をチタニウ
ム合金で成形することにより、ヘッド体積を大きくで
き、ロフト角が7°〜14°の所謂ドライバーと呼ばれ
るウッド型ゴルフクラブヘッドにも応用できる。チタニ
ウム合金ヘッドは、ステンレスヘッドに比べ、比重がお
よそ4.2〜5.0であるため、ヘッド体積を大きくす
ることができ、ヘッド体積は250〜380cm3にす
ることも出来る。そのため、チタニウム合金製のドライ
バー用ウッド型ゴルフクラブヘッドでは、錘部3の重量
を40〜80g、好ましくは50〜70g配置でき、ス
テンレスでヘッドを作るよりも低重心化出来る。
【0020】上記のウッド型ゴルフクラブヘッドにおい
ては、ヘッド本体1のサイド部11をトウ8側からヒー
ル9側にかけて、フェース部を除く全周の60%以上、
好ましくは80%以上が基準面に対し75〜95°、好
ましくは80〜90°の範囲に設定することにより、ソ
ール面積を大きくして低重心化を図ることができ、しか
も、ゴルフクラブをアドレスの状態に構えたときにサイ
ド部11が目に入らなく、気にならないため、好まし
い。このとき、ヘッド本体1の投影面積に対するソール
部2の投影面積は、80〜100%の範囲にあることが
好ましい。ヘッドの計測方法は、ヘッドそれぞれの適正
なライ角で計測し、クラウン部4の最大高さ位置でホー
ゼル部10を水平方向に切り落とした状態でクラウン部
4の投影面積を計測し、ソール部2の投影面積を比較す
る。
【0021】上述したウッド型ゴルフクラブヘッドにお
いては、ヘッド本体1のソール部2を別体にて成形し、
前記ソール部2に凹部6を設け、さらに、前記凹部6の
側壁面に溝部を設け、前記錘部3を圧入時に、錘部3の
変形により、前記錘部3が溝部に入り込み、且つ、ソー
ル部2の凹部6の外周縁部に突起部を設け、その突起部
を潰すことにより、ソール部2に錘部3を固定し、ヘッ
ド本体1に溶接によって前記ソール部2を固定するよう
にすることが好ましい。錘部3は、比重が大きく、重い
ため、圧入のみならず、かしめ加工もすることにより、
より強固にヘッド本体1に固定することが出来る。圧入
するためには、ヘッド本体1と別にソール部2を作り、
錘部3を圧入後、ヘッド本体1に溶接により固定するこ
とが好ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明のウッド型ゴルフクラブヘッドの
ソール部に凸状部を設けることによりスウィング方向の
方向安定性を向上させ、さらに、比重の大きい合金から
なる錘部をソール部に用いることにより低重心化するこ
とができ、球が上がり易いという効果を奏することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例を示す正面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】図1の左側面図である。
【図5】図1の底面図である。
【図6】図1の平面図である。
【図7】図1のA−A線断面図である。
【図8】図2のB−B線断面図である。
【図9】分解断面図。
【図10】錘部の斜視図。
【符号の説明】
1 ヘッド本体 2 ソール部 3 錘部 4 クラウン部 5 フェース部 6 凹部 7 凸状部 8 トウ 9 ヒール 10 ホーゼル部 11 サイド部 12 錘凸部 14 溝部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド高さに比べヘッド幅が大きく、金
    属製外殻で形成された中空部を有するウッド型ゴルフク
    ラブヘッドにおいて、 ヘッド本体のソール部にフェース側から後方に向かって
    凸状部を設け、 この凸状部にヘッド本体より比重の大きな材料を嵌合出
    来るように凹部を形成し、 この凹部に比重9以上のタングステン合金からなる錘部
    を嵌合固定し、 前記凹部に嵌合された錘部の質量が25〜80gである
    ことを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1のウッド型ゴルフクラブヘッド
    において、 ソール部に嵌合固定されている比重9以上の錘部がソー
    ル外壁面に露出するように固定され、その露出面積が5
    00〜1000mm2であることを特徴とするウッド型
    ゴルフクラブヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のウッド型ゴルフ
    クラブヘッドにおいて、 ヘッド本体の投影面積が、ソール部の投影面積に対し8
    0〜100%の範囲にあることを特徴とするウッド型ゴ
    ルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のウッド型ゴルフ
    クラブヘッドにおいて、 ヘッド本体のソール部を別体にて成形し、前記ソール部
    に凹部を設け、前記凹部の側壁面に溝部を設け、 前記錘部圧入時の錘部の変形により変形された錘部が溝
    部に入り込み、ソール部に錘部を固定し、ヘッド本体部
    に溶接によって前記ソール部を固定することを特徴とす
    るウッド型ゴルフクラブヘッド。
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