JP3663464B2 - コンテナのパレット及びスリーブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製品や資材などの運搬、保管に用いるコンテナに関し、詳細にはコンテナのパレット及びスリーブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンテナにはさまざまな構造のものが用いられるが、図5に一例を示す。51は対象物を積載するパレットであり、52はパレット53の上に組み付け、積載物の周囲を囲むスリーブ、53はスリーブ52の上部を覆うキャップである。パレット51は繊維強化PP複合樹脂などの熱可塑性樹脂の深絞り加工によって作られる。51aは下面側に突出させた3本の脚部で、脚部間の空隙に運搬用フォークリフトのフォークが差し込まれるようにしてある。51bは周囲を巡る外周縁部、51cは並列に多数形成した荷受け面、51dは荷受け面51cの長手方向の端面と外周縁部51bの内側壁面との間に形成される谷状の凹部、51eは荷受け面51cの長手方向の端面と外周縁部51bの内側壁面との間に補強のため設けたビードである。ビード51eは荷受け面51cの各端面にそれぞれ形成されている。
【0003】
図4は脚部51aを下面側から見た斜視図である。前記ビード51eを上面側に熱可塑性樹脂の深絞り加工によって形成するためには、下面側の脚部51aの底面に溝が形成される。45はその溝であって、図のように複数が平行かつ、脚部51aの長手方向と直交する向きに並んで形成される。
【0004】
スリーブ52は軽量化のために厚いダンボール等の軽い素材で形成され、下端縁部はパレット51の凹部51dに差し込んで組み付ける。下端縁部には複数の切り込み52eが形成されており、下端縁部をパレット51の凹部51dに差し込んで組み付けた場合、パレット51のビード51e等に当たらないよう逃げて、下端縁部が凹部51dの底面まで達するようにしてある。
【0005】
キャップ53もパレット51同様、繊維強化PP複合樹脂などの熱可塑性樹脂の絞り加工によって作られ、スリーブ52の上端縁に組み付ける。このようにしてコンテナが構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構造のパレット及びスリーブにおいては、
スリーブ52の下端縁部をパレット51の凹部51dに差し込んで組み付ける際、下端縁部に設けた多数の切り込み52eにより、補強のために設けた多数のビード51eを逃げて差し込んで取り付けなくてはならない。4面を備えるスリーブ52がいずれかの面にそりを生じている場合もあり、このような条件が加わって組み付けが容易に出来ないことがある。また、組み付け後、スリーブの下端縁が変形し、所定位置からずれる問題も残されている。
ビード51eを避ける切りこみ52eを形成するため、スリーブ52の製作工程が複雑になる。
各所に補強リブ等を形成し、強度を大きくしてあるが、取り扱い上の問題もあって、強度のさらなる向上が要望されている。
パレット保管時には積み重ねることが多く、スペース節減上、多数積み重ねても、その積み重ね状態が安定していることが望まれている。
パレットを工場内で移動させるにはローラーコンベアを利用することが多いが、この際、ローラー上にパレットの下面の脚部51aを、その長手方向がローラーの長手方向と直交する向きに載せることになる。そのため、図4に示した複数の溝45が複数のローラーに当たる都度、パレットは上下動し騒音を発生させるので工場内の静粛さが妨げられる。
などの諸問題が解決すべき課題として与えられている。本発明はこのような問題点を解決した、コンテナのパレット及びスリーブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は本発明によれば、下面を閉じ台座となるパレットと、前記パレットの外周縁内側にその下端を嵌めこんで中間部の周囲をカバーするスリーブと、前記スリーブの上面を閉じるキャップとからなるコンテナにおいて、パレット外周縁の壁面内側にスリーブ受け座を複数個突出形成し、このスリーブ受け座は、その上面をパレット外周縁上面より低くして段差を有するように形成すると共に、下方を上方よりも巾広とした台形に突出形成し、上面に前記スリーブ下端の脱落防止及び挿入ガイドとしてリブ状のストッパーを上方へ向け突出形成し、前記スリーブ受け座の下部と、パレットの切れ目のない外周縁に囲まれた面内に並列に形成した複数の荷受け面の長手方向の端面との間にフォークリフトの挿入のために形成したパレット底面から突出させた脚部の長手方向の向きとは斜交する向きに補強ビードを突出形成し、前記パレットの全外周を囲むように形成したパレット外周縁端面と、前記荷受け面と、は同一高さに形成したことにより解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のコンテナのパレット及びスリーブは、繊維強化PP複合樹脂などの熱可塑性樹脂の絞り加工によって作られるパレット外周縁の壁面内側に、その上面を外周縁上面より低くして段差を有するようにしたスリーブ受け座を複数個所設け、該各スリーブ受け座上面にてスリーブの下端面を受けるようにし、スリーブの下端縁は切り込み、切り欠き、段差等を設けず、直線状としたものである。
【0009】
スリーブ受け座は台形にして強度を増し、また、一部の受け座上面にストッパーを設けて、スリーブ挿入のガイドとスリーブ下端が受け座上面から脱落するのを防止する。
【0010】
パレット外周縁端面と、パレット外周縁に囲まれた面内に並列に複数個所突出させて形成した荷受け面の面とは同一高さとして積み重ね時の安定を図る。
【0011】
パレット外周縁端内壁面と、パレット外周内に並列に形成した複数の荷受け座の端面との間に補強ビードを設け、補強ビードは、フォークリフトのフォーク挿入のために形成するパレット底面から突出させた脚部の長手方向の向きとは斜交する向きとする。このようにすることによって、ローラーコンベアを利用してパレットを工場内で移動させる際、ローラー上にパレットの下面の凹凸部分が落ち込んで騒音が発生することがないものとなる。複数の補強ビードの相互間の向きは、互いに平行とするか、あるいは相互関係のないランダムな向きとすればよい。
【0012】
【実施例】
図1は本発明のコンテナのパレット上面の部分斜視図であり、全面積のほぼ1/4を図示している。1はパレットであって、繊維強化PP複合樹脂などの熱可塑性樹脂の深絞り加工によって作られる。11は下面側に突出させた3本の脚部(1本のみ図示)で、脚部間の空隙に運搬用フォークリフトのフォークが差し込まれるようにしてあり、17はそのフォーク持ち上げ面である。12は周囲を巡る外周壁面、12aは外周壁面12の端面である外周縁部、13は脚部11の長手方向とは直交する方向に並列に多数形成された、積載物を載せる荷受け面、14は外周壁面12の内壁側突出させて設けたスリーブ受け座、15は外周壁面12の内面側と荷受け面13の端部壁面との間に架橋するように設けた補強ビード、16は一部のスリーブ受け座14の上面に、外周壁面12の内面側との間に所定間隔を設けて上向きに突出させたストッパーである。
【0013】
スリーブ受け座14は外周壁面12の内壁側へ突出させて複数を形成し、この上面14aにスリーブの下端を載せて組み付ける。その形状は図1のように上方よりも下方を大きくした台形とする。このようにすることにより上面にスリーブの下端が載って重量がかかってもパレット1の底面に対する負荷は分散され、強度を増すことができる。また、荷受け面13の長手方向と平行な外周壁面寄りにもスリーブ受け座18を形成し、その上面18aを前記のスリーブ受け座14の上面14aと同じ高さに設定する。
【0014】
図3に本発明の実施例によるスリーブを示す。32はスリーブであって、その下端縁32eは図で明らかなように従来のような切り込み等がなく、フラットな直線状となっている。これはパレット1に組み付ける場合、従来のようにパレットの底面に達するまで差し込むのではなく、前記したようにスリーブ受け座14、18の上面14a、18aに載置するようにしたためである。複数のスリーブ受け座14、18の上面14a、18aのレベルは全て同一レベルとしてあることはもちろんである。
【0015】
一部のスリーブ受け座14の上面14aにはストッパー16が形成される。ストッパー16はスリーブ受け座14の上面14aに載置されるスリーブ32の下端縁32eが挿入される場合のガイドとして、また、なんらかの原因でスリーブがずれて、上面14aから脱落しないようにするものである。従ってストッパー16と外周壁面12の内壁側との間にはスリーブ32の厚みを十分に受け入れるだけの寸法を設定しておく。
【0016】
周囲を巡る外周壁面12の端面である外周縁部12aの面と、荷受け面13とのレベルは同一面としてある。同一面とすることによって、パレット1の保管時や運搬時に多数を積み重ねてもその状態が安定し、崩れにくいものとなる。
【0017】
外周壁面12の内面側と荷受け面13の長手方向の端部壁面との間に架橋するように設けた補強ビード15は、脚部11の長手方向とは斜めに交差するように形成する。図1の例では、さまざまな方向に向いて補強ビード15が設けられているが、脚部11の長手方向と斜めに交差していれば補強ビード15同士は平行であってもよい。
【0018】
図2は前記した斜めの補強ビード15の裏面側を説明するための、本発明のコンテナのパレット下面の部分斜視図であり、ごく一部分を示している。11は前記した3本の脚部の中の一つで、25は上面に補強ビード15を熱可塑性樹脂の深絞り加工によって形成するために生じる下面側の溝であって、さまざまな方向を向いているが、いずれも脚部11の長手方向のラインとは斜めに交差するように設定されている。
【0019】
このように脚部11の長手方向のラインとは斜めに交差するように補強ビード15を設定しておくことによって下面側の溝25も斜めとなり、一般に多く利用されるローラーコンベアのローラー上でパレット1を転がして運搬移動することがあっても溝25内にローラーが入り込んでパレット1が上下するようなことがないので、騒音を多く発生することがない。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スリーブの下端縁部をパレットの外周内に差し込んで組み付けるためのスリーブ受け座をパレット外周内壁に設けたので、スリーブの下端の切り込みや切り欠きが不要となり、組立作業が容易なものとなり、作業時間の短縮が可能となる。
【0021】
また、スリーブ側についても、下端の切り込みや切り欠きを形成する工程が不要となるので、形状が簡素なものとなり、製作しやすい。
【0022】
さらに、スリーブ下端からパレット面にかかる荷重が分散され、破損等の生じにくいものとなる効果がある。
【0023】
スリーブ受け座は上方よりも下方が幅広な台形としたので、受け座にかかる荷重は下部で分散され、この部分又は周辺の変形や破損を阻止できる効果がある。
【0024】
スリーブ受け座の上面には、ストッパーを上向きに延設したので、スリーブを組み付ける際にガイドとなって組みつけやすく、また、ここにスリーブの下端を載せた場合、ずれて脱落するようなことがない。
【0025】
パレット外周縁端面と、パレット上に対象物を載せる面である荷受け座の座面とは同一高さとしたので、積み重ね時にコンテナが安定し、また、パレットの積み重ね時にも安定して崩れにくいので、保管が容易である。
【0026】
パレット外周縁端内壁面と、パレット外周内に並列に形成した複数の荷受け座の端面との間に補強ビードを設け、補強ビードは、フォークリフトのフォーク挿入のために形成するパレット底面から突出させた脚部の長手方向の向きとは斜交する向きとし、複数の補強ビードの相互間の向きは、互いに平行とするか、あるいは相互関係のないランダムな向きとしたので、パレットを工場内で移動させるのにローラーコンベアを利用する際、ローラーにパレットの下面の溝が落ち込んで騒音が発生することがなく、工場内の静粛さを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のパレットの上面部分斜視図である。
【図2】 本発明の一実施例のパレットの下面部分斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例のスリーブの斜視図である。
【図4】 従来のパレットの下面部分斜視図である。
【図5】 従来のコンテナの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パレット
11 脚部
12 外周縁部
13 荷受け面
14、18 スリーブ受け座
15 ビード
16 ストッパー
17 フォーク持ち上げ面
Claims (1)
- 下面を閉じ台座となるパレットと、前記パレットの外周縁内側にその下端を嵌めこんで中間部の周囲をカバーするスリーブと、前記スリーブの上面を閉じるキャップとからなるコンテナにおいて、
パレット外周縁の壁面内側にスリーブ受け座を複数個突出形成し、このスリーブ受け座は、その上面をパレット外周縁上面より低くして段差を有するように形成すると共に、下方を上方よりも巾広とした台形に突出形成し、上面に前記スリーブ下端の脱落防止及び挿入ガイドとしてリブ状のストッパーを上方へ向け突出形成し、前記スリーブ受け座の下部と、パレットの切れ目のない外周縁に囲まれた面内に並列に形成した複数の荷受け面の長手方向の端面との間にフォークリフトの挿入のために形成したパレット底面から突出させた脚部の長手方向の向きとは斜交する向きに補強ビードを突出形成し、前記パレットの全外周を囲むように形成したパレット外周縁端面と、前記荷受け面と、は同一高さに形成したことを特徴とするコンテナのパレット及びスリーブ。
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- 2001-04-09 JP JP2001109923A patent/JP3663464B2/ja not_active Expired - Lifetime
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