JP3662833B2 - 罫書具及び配線器具の固定方法 - Google Patents

罫書具及び配線器具の固定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配線器具を傾斜せずに建築物内の壁面に取付可能とするために、例えば、配線器具を保持した四角枠状をなす保持枠の側辺を沿わせる直線を壁面に罫書可能とする罫書具及び配線器具の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建築物内の壁材の表面に配線器具を取り付けるために、まず、壁材の設置前に、柱に配線用ボックスが取り付けられる。この配線用ボックスは開口を有する有底四角箱状をなし、その上壁及び下壁の内面には配線器具取付部がそれぞれ一体形成されている。そして、配線用ボックスの一側壁が前記柱に沿うようにその柱に取り付けられ、その配線用ボックス内にはケーブルが配線される。
【0003】
次に、配線用ボックスの開口の前方に壁材が設置され、その壁材の表側から壁材の裏側の配線用ボックスに対応する位置に貫通孔を形成し、配線用ボックスの開口を壁材の表側に臨ませる。次いで、配線用ボックス内のケーブルを壁材の表側に引き出し、そのケーブルに正面横長方形状の配線器具を接続する。
【0004】
最後に、その配線器具を正面四角枠状をなす保持枠の中央に、その保持枠の正面視で左右両縦辺及び上下両横辺それぞれに対して配線器具の正面視で左右両縦辺及び上下両横辺が平行になるように保持させる。そして、その保持枠の上下両端部に形成された孔から前記配線器具取付部にそれぞれ取付ねじを取り付ける。その結果、壁材の表側に保持枠が取り付けられるとともに、その保持枠を介して配線器具が配線用ボックスに取り付けられる。即ち、配線器具が壁材の表面に取り付けられる。
【0005】
なお、保持枠の上下両部の各孔は横方向に延びる長孔状に形成されている。そのため、例えば配線用ボックスが斜めに傾斜した状態で柱に取り付けられても、長孔に沿って保持枠を移動させて、保持枠の左右両縦辺の延びる方向が鉛直方向に延びるとともに、上下両横辺の延びる方向が水平方向に延びるようにその取付位置を調整することができる。その結果、壁材に取り付けられた保持枠が傾斜せず、その保持枠に保持された配線器具を傾斜せずに壁材に取り付けることができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来方法において、保持枠の取付位置の調整作業は作業者の目視により行われている。そのため、配線器具が傾斜せずに配置されるように保持枠を壁材に確実に取り付けることが困難であるという問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向に延びる直線を建築物内の壁面に容易に罫書くことができ、その直線を使用して建築物内の壁面に配線器具を傾斜せずに取付可能とすることができる罫書具及び配線器具の固定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の罫書具は、建築物内の壁面に保持枠を介して配線器具を取り付けるべく、壁面に鉛直方向に延びる鉛直線及び水平方向に延びる水平線のうちの少なくとも一方を罫書くための罫書具であって、前記壁面に沿って配置される正面長方形状をなすとともに、上下両端部が背面側へ突設されて側面コ字状に形成され、正面側を前記壁面に当接させて壁面に沿って移動可能あるいは背面側を前記保持枠に取り付けて該保持枠とともに移動可能とする本体部と、前記本体部に一体形成され、壁面に直線を罫書き可能とする罫書部と、前記本体部内に収容され、同本体部とは独立して鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向を検出する検出部と、前記検出部の表裏面に形成され、同検出部により検出された方向に沿って延びる基準線と、前記本体部の表裏面に形成され、前記基準線に位置合わせ可能であるとともに、前記罫書部に沿う直線に対して平行に延びる位置合わせ部とよりなり、前記基準線に対して位置合わせ部を一致させることにより罫書部を前記基準線に対して平行に延びるように形成し、その罫書部に沿って鉛直線及び水平線のうちの少なくとも一方を壁面に罫書可能に構成したものである。
【0009】
請求項2に記載の発明の罫書具は、請求項1に記載の発明において、前記罫書部は、少なくとも2つの罫書点の頂点が同一直線上に並んで形成されている又は直線状に延びて形成されているものである。
【0010】
請求項3に記載の発明の罫書具は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記罫書部は本体部の少なくとも一側縁部に形成されているものである。
請求項4に記載の発明の罫書具は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記本体部の正面側に突設され、罫書部が壁面より一定幅離間した状態に配置可能とする当接面を備えているものである。
【0011】
請求項5に記載の発明の罫書具は、請求項4に記載の発明において、前記本体部は、同本体部の外部から前記検出部を視認可能とすべく透明体により形成されているものである。
【0012】
請求項6に記載の発明の罫書具は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記壁面に取り付けられる配線器具は保持枠に保持されるとともに、その保持枠は壁面に取り付けられ、本体部は、同本体部を保持枠に位置決め可能とする位置決め手段を備えているものである。
【0013】
請求項7に記載の発明の配線器具の固定方法は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の罫書具を使用した配線器具の固定方法であって、鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向を検出する検出手段により前記方向を検出する第1の工程と、前記検出手段により検出された方向に沿って延びる基準線に基づいて建築物内の壁面に直線を罫書く第2の工程と、前記直線に対し、正面正方形状又は長方形状をなす配線器具の側辺が平行に延びるべく同配線器具を壁面の所定位置に配置する第3の工程と、前記所定位置に配置された配線器具をその壁面に固定する第4の工程とよりなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を罫書具に具体化した一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、罫書具11は、図示しない建築物内の壁面に配置される本体部12と、その本体部12に一体形成され、壁面に直線を罫書き可能とする罫書部13とを備えている。さらに、本体部12はその本体部12とは独立して鉛直方向及び水平方向を検出する検出部としての揺動体14を備えている。また、揺動体14により検出された鉛直方向に沿って延びる基準線としての鉛直基準15及び水平方向に沿って延びる基準線としての水平基準25それぞれに位置合わせ可能であるとともに、前記罫書部13に沿う直線に対して平行に延びる位置合わせ部としての標準線16及び表示線21とを備えている。
【0017】
まず、本体部12について説明すると、本体部12は透明な合成樹脂材料製の第1分割体12aと第2分割体12bとを接合して形成されている。図2に示すように、第1及び第2分割体12a,12bは、それぞれ開口を有する有底箱状をなし、正面略長方形状に形成されている。第2分割体12bは、その外底面の上下両端部は外方へ突設されて側面コ字状に形成されている。
【0018】
両分割体12a,12bの内底面の上下両端部の両側部にはそれぞれ位置決め手段としての磁石を保持可能な磁石保持部17が形成されている。また、両分割体12a,12bの内底面において、上側の磁石保持部17の下側の中央部には、それぞれ一定幅を有した状態で横方向へ円弧状に延びる表示部18が設けられ、この表示部18の中央には、各分割体12a,12bの上下方向へ延びる中心線に沿って前記標準線16が表示されている。また、表示部18にはその標準線16を基準としてその両側にも目盛が印されている。標準線16の延びる方向に対して第1及び第2分割体12a,12bの両長辺、即ち左右縦辺は平行に延び、両短辺、即ち上下横辺は直交する方向に延びている。
【0019】
第1分割体12aの内底面の中央部において、それぞれ前記標準線16の延長線上には軸受け19が内方へ突設され、各軸受け19は中央部に軸20を支持可能に形成されている。各分割体12a,12bの外底面にはそれぞれ前記標準線16の延びる方向に対して直交して延びる表示線21が所定間隔をおいて5箇所に形成されている。
【0020】
さらに、各分割体12a,12bの左右両側縁の中間部にはそれぞれ互いに平行をなすとともに、前記標準線16の延びる方向に対して平行に延びる直線状をなす罫書部13が形成され、上下両側縁にはそれぞれ互いに平行をなすとともに、前記表示線21の延びる方向に対して平行に延びる直線状をなす罫書部13が形成されている。そして、各罫書部13に沿って罫書ペンを移動させることにより壁面に直線を罫書くことができるようになっている。図1に示すように、第1分割体12aの外底面の上下両部にはそれぞれ一定の厚みを有する状態で横方向(図1では左右方向)に延びる当接面22が外方へ突設されている。
【0021】
第1分割体12aと第2分割体12bとの間に収容される前記揺動体14は、その上端部から下方へ所定幅を有して直線状に延び、中間部でその両側が横方向へ延び、さらに下方へ向かうに従い幅広をなす形状に形成されている。揺動体14の中央部には逆扇形状をなす支持孔24が形成されている。
【0022】
揺動体14の表裏面には、揺動体14の上下方向に延びる中心線に沿って鉛直基準15(図2では揺動体14表面の鉛直基準15のみ図示)が形成され、その鉛直基準15の延びる方向に対して直交して延びる水平基準25が4箇所に形成されている。そして、図3に示すように、第1分割体12aと第2分割体12bとの間に揺動体14を配置し、その揺動体14の支持孔24に軸20配置するとともに、その軸20を両分割体12a,12bの各軸受け19に支持させて両分割体12a,12bを接合する。
【0023】
その結果、図1に示すように、両分割体12a,12bにより本体部12が形成されるとともに、その本体部12、罫書部13、揺動体14、表示線21及び標準線16を有する罫書具11が構成される。図4に示すように、その罫書具11は正面長方形状をなすとともに、図3に示すように、その裏面(図3では右側)の上下両端部が背面側へ突設されて側面コ字状に形成されている。また、本体部12内の上下両部において、各分割体12a,12bの各磁石保持部17が相対向して位置し、それら磁石保持部17の間にそれぞれ磁石23が保持されている。
【0024】
罫書具11は透明をなし、図4に破線に示すように、本体部12内に収容された揺動体14がその本体部12の外部から視認可能になっている。また、揺動体14は軸20により揺動可能に本体部12内に支持され、揺動体14が静止した状態で鉛直基準15により鉛直方向を示し、水平基準25により水平方向を示すすようになっている。
【0025】
次に、建築物内の壁面としての壁材の裏側に配置される配線用ボックスについて説明する。図5に破線に示すように、配線用ボックス26は合成樹脂材料により開口を有する有底四角箱状に形成されている。配線用ボックス26の底板27は正面長方形状をなし、その底板27の周縁には、底板27の各辺に対応する側壁28〜31が前方に向けて底板27に対し略垂直に立設されている。
【0026】
図7に示すように、底板27の内底面において、上側壁28及び下側壁29の内側にはそれぞれ配線器具取付部32が配線用ボックス26の開口側へ突設され、各配線器具取付部32は、その前面が配線用ボックス26の前面の開口側に臨むとともに、その前面に取付孔32aが形成されている。また、各配線器具取付部32内には内周に雌ねじが螺刻された雌ねじ部32bが形成されている。左側壁30には長孔状のビス孔33が所定間隔をおいて3箇所に形成されている。そして、柱34に対して前記ビス孔33からビス35を固定することにより、配線用ボックス26がその左側壁30が柱34に沿う状態で柱34に取り付けられる。
【0027】
さらに、その配線用ボックス26の開口側、即ち前方には壁材36が配置され、配線用ボックス26はその壁材36の裏側に配置される。その壁材36において、配線用ボックス26の開口に対応するように壁材36には貫通孔37が形成され、その貫通孔37により配線用ボックス26の開口が壁材36の表側に臨むようになる。
【0028】
図9に示すように、前記壁材36を介して配線用ボックス26の開口側に取り付けられる保持枠38は金属材料により正面略四角枠状に形成され、その上部及び下部の相対向する位置にはそれぞれ横方向へ延びる一対の長孔39が形成されている。また、保持枠38は正面横長方形状をなす配線器具40を、その配線器具40の左右両縦辺が保持枠38の左右両縦辺に、上下両横辺が保持枠38の上下両横辺に対してそれぞれ平行をなす状態で2箇所に保持可能に形成されている。そして、配線器具40を保持した保持枠38の各長孔39から前記各取付孔32aに取付ビス38aを挿通し、各取付ビス38aの雄ねじを前記雌ねじ部32bに螺合する。
【0029】
その結果、図10に示すように、保持枠38が壁材36に配置され、その保持枠38を介して配線器具40が壁材36に取り付けられる、即ち配線器具40が配線用ボックス26に取付けられるようになっている。このとき、配線器具40は貫通孔37を貫通して配線用ボックス26内に収容されるようになっている。
【0030】
前記罫書具11の使用方法について以下に記載する。
まず、図5に示すように、配線用ボックス26を柱34に取り付け、壁材36の裏側に配置するとともに、その配線用ボックス26内にケーブル41を配線し、その配線用ボックス26の開口を貫通孔37から壁材36の表側に臨ませる。その配置状態において、まず、罫書具11の揺動体14により鉛直方向及び水平方向を検出する第1の工程を行う。即ち、図7に示すように、罫書具11を第1分割体12aの外底面が壁材36の表面に臨むように配置し、当接面22を壁材36表面に当接させる。このとき、本体部12は上下両当接面22により罫書部13が壁材36の表面より一定幅離間した状態に配置される。すると、図6に示すように、揺動体14により鉛直方向及び水平方向が検出される。このとき、揺動体14の鉛直基準15は鉛直方向を示し、水平基準25は水平方向を示すが、本体部12が斜めに傾斜していると、鉛直基準15と標準線16とは一致しないとともに、水平基準25も表示線21に一致しない。
【0031】
次いで、鉛直基準15に対して標準線16が一致するとともに、水平基準25に対して表示線21が一致するように本体部12を移動させる。そして、図8に示すように、鉛直基準15に対して標準線16を一致させるとともに、水平基準25に対して表示線21を一致させ、その一致した位置で本体部12の移動を止めて位置決めする。すると、標準線16に対して平行に延びる本体部12左右の罫書部13は鉛直方向に延びるとともに、上下の罫書部13は水平方向に延びて壁材36表面に配置される。
【0032】
続いて、本体部12が壁材36表面に位置決めされた位置において、本体部12の右側の罫書部13に沿って図示しない罫書ペンを移動させ、貫通孔37の右側に位置する壁材36に鉛直方向に延びる鉛直線42を罫書いて第2の工程を行う。なお、第2の工程において、本体部12の上下いずれかの罫書部13に沿って水平方向に延びる水平線を罫書いてもよい。
【0033】
次に、ケーブル41に配線器具40を接続し、図9に示すように、その配線器具40を保持した保持枠38をその右側縦辺の縁部が前記鉛直線42に沿う状態で壁材36の表面に配置して、保持枠38を壁材36に配置する第3の工程を行う。その配置状態で、図10に示すように、保持枠38の上下両長孔39から配線用ボックス26の上下両取付孔32aの雌ねじ部32bに取付ビス38aを螺合して、保持枠38を壁材36に取り付ける第4の工程を行い、配線器具40を配線用ボックス26に取り付ける。
【0034】
その結果、図9に示すように、保持枠38がその左右両縦辺が鉛直方向に延びるとともに、上下両横辺が水平方向に延びて配線用ボックス26に取り付けられる。即ち、保持枠38の上下両横辺及び左右両縦辺それぞれに対して、上下両横辺及び左右両縦辺それぞれが平行をなすように取り付けられた配線器具40が、保持枠38を介して傾斜せずに壁材36に取り付けられる。
【0035】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 標準線16と本体部12左右の罫書部13とが互いに平行をなし、表示線21と本体部12の上下の罫書部13とが互いに平行をなすように罫書具11を形成した。そのため、鉛直基準15に標準線16を、水平基準25に表示線21をそれぞれ位置合わせすることにより、本体部12左右の罫書部13を鉛直方向に、上下の罫書部13を水平方向へ延びた状態で壁材36表面に配置することができる。従って、左右の罫書部13に沿って鉛直線42を壁材36に罫書くことができ、その鉛直線42に保持枠38の縦辺を沿わせることにより保持枠38をその左右両縦辺が鉛直方向に延びるように配線用ボックス26に取り付けることができる。即ち、配線器具40の左右両縦辺が鉛直方向に延びて壁材36に傾斜せずに取り付けることができる。
【0036】
(2) 罫書具11を使用して鉛直線42を罫書くことにより、その鉛直線42に沿って保持枠38をその縦辺が鉛直方向に延びる状態で配線用ボックス26に取り付けることができるとともに、配線器具40を壁材36に傾斜せずに取り付けることができる。従って、建築物内において配線器具40が傾斜して取り付けられてその外観が低下するといった不具合をなくすことができるとともに、傾斜して取り付けられた配線器具40を再度取り付ける作業を行う必要をなくすことができる。
【0037】
(3) 鉛直基準15及び水平基準25に対する標準線16及び表示線21の位置を確認することにより本体部12が鉛直方向に延びて壁材36表面に配置されているか否かを容易に視認することができる。
【0038】
(4) 揺動体14は軸20により支持されているため、本体部12とは別に単独で揺動体14により常に鉛直方向及び水平方向が検出されている。そのため、本体部12を移動させても鉛直方向及び水平方向を常に表示することができ、本体部12の位置合わせ作業を常時行うことができる。
【0039】
(5) 本体部12は上下両部の当接面22により罫書部13が壁材36の表面より一定幅離間した状態に配置される。そのため、罫書部13に沿った罫書ペンの移動を円滑に行うことができる。
【0040】
(6) 罫書部13は直線状に形成されているため、罫書部13に沿って罫書ペンを移動させることにより、壁材36表面に鉛直線42又は水平線を容易に罫書くことができる。
【0041】
(7) 罫書部13は本体部12の上下左右の側縁部に一体形成されているため、本体部12を位置決めしたとき、例えば定規等を別途用意し、その定規を使用して鉛直線42又は水平線を罫書く場合と異なり、その罫書作業の簡易化を図ることができる。
【0042】
(8) 揺動体14は本体部12内に収容されているため、風等により揺動体14が揺れるのを防止して鉛直方向及び水平方向を正確に検出することができる。従って、罫書具11の使用中に鉛直方向及び水平方向が移動してしまうといった不具合をなくすことができる。
【0043】
(9) 本体部12は透明材料により形成されているため鉛直方向及び水平方向を本体部12の外部から視認することができ罫書具11の位置決め作業を容易に行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1分割体12aの外底面の上下両部の両側部に、それぞれ正面円形状又は四角形状をなす当接面22を一定の厚みを有した状態で突設してもよい。また、当接面22を省略してもよい。
【0045】
・ 揺動体14を省略し、本体部12とは別体の検出手段として鉛直器を本体部12に取り付ける。その鉛直器を使用して鉛直方向を検出して第1の工程を行い、鉛直器により鉛直方向を検出した状態で壁材36の表面に罫書具11を配置し、鉛直方向に対して罫書具11の標準線16が鉛直方向に延びる状態に本体部12を位置決めする。続いて、本体部12が位置決めされた位置において、壁材36に鉛直方向に延びる鉛直線42を罫書いて第2の工程を行い、実施形態と同様に第3及び第4の工程を行って保持枠38の位置決め作業を行ってもよい。このように構成した場合も、保持枠38をその縦辺が鉛直方向に延びるように配線用ボックス26に取り付けることができ、配線器具40を傾斜せずに壁材36に取り付けることができる。
【0046】
・ 壁材36の裏側に配置された配線用ボックス26の上部の雌ねじ部32bに取付ビス38aを螺合して保持枠38の上部のみを配線用ボックス26に取り付ける。続いて、罫書具11の背面側へ突出した部分を磁石23により保持枠38の前面に磁着して取り付ける。そして、揺動体14により鉛直方向及び水平方向を検出する第1の工程を行い、次いで、揺動体14の鉛直基準15及び水平基準25に対して標準線16及び表示線21がそれぞれ一致するように本体部12とともに保持枠38を移動させ、一致した位置で本体部12及び保持枠38の移動を止めて位置決めする。
【0047】
さらに、罫書部13に沿って鉛直線42及び水平線のうちの少なくともいずれか一方を罫書いて第2の工程を行い、実施形態と同様に第3及び第4の工程を行って保持枠38の位置決め作業を行ってもよい。このように構成した場合、本体部12を位置決めした後、即座に保持枠38の取付作業を行うことができ、配線器具40の取付作業の簡易化を行うことができる。なお、位置決め手段として磁石23の代わりに粘着テープにより罫書具11を保持枠38に取り付けてもよく、位置決め手段を省略してもよい。さらに、罫書具11の背面側へ突出した部分を保持枠38の上端縁に係止して罫書具11を保持枠38前面に取り付けてもよく、磁石23を省略してもよい。
【0048】
・ 標準線16と鉛直基準15のみが本体部12の外部から視認可能となるように本体部12の上端部のみを透明に形成し、その他の部分を不透明に形成してもよい。又は表示線21と水平基準25のみが本体部12の外部から視認可能となるように本体部12の中央部のみを透明に形成し、その他の部分を不透明に形成してもよい。加えて、標準線16と鉛直基準15及び表示線21と水平基準25が本体部12の外部から視認可能となるように本体部12の上端部及び中央部のみを透明に形成し、その他の部分を不透明に形成してもよい。
【0049】
・ 第1及び第2分割体12a,12bの少なくともいずれか一方の外底面に軸受け19を突設し、その軸受け19に軸20を支持させる。その軸20に揺動体14を支持させて、揺動体14を本体部12の外部の前面及び裏面のうちの少なくともいずれか一面に支持してもよい。
【0050】
・ 本体部12の左右側縁部のうちのいずれか一方のみに罫書部13を形成してもよく、上下側縁部のうちのいずれか一方のみに罫書部13を形成してもよい。又は、本体部12の四側縁部のうちのいずれか一側縁部に罫書部13を形成してもよい。
【0051】
・ 本体部12を貫通して標準線16又は表示線21それぞれに対して平行に延びる罫書部13としての罫書溝を形成し、その罫書溝内に罫書ペンの先端を挿入するとともに、罫書溝に沿って罫書ペンを移動させて鉛直線42又は水平線を罫書いてもよい。
【0052】
・ 本体部12の四側縁部のうちの少なくともいずれか一側縁部において、その側縁部の延びる方向に沿って罫書点を2箇所以上形成し、各罫書点をそれらの頂点を結んで形成される直線が標準線16又は表示線21に対して平行をなすように形成してもよい。このように構成した場合、罫書具11を位置決めした後、各罫書点の頂点を壁材36に罫書き、それらを直線上に結ぶことにより鉛直線42又は水平線を罫書くことができる。
【0053】
・ 表示部18内を空間に形成し、その空間内に気泡が残るように液体を注入して、その気泡により検出部を構成してもよい。そして、本体部12を移動させて表示部18の標準線16に気泡が位置することにより罫書具11の鉛直方向を検出してもよい。このように構成した場合、揺動体14を省略して罫書具11の材料費を節約することができる。
【0054】
・ 配線用ボックス26が配置されていない壁材36に対し罫書具11を使用して鉛直線42及び水平線のうちの少なくとも一方を罫書き、それらに沿って保持枠38の縦辺及び横辺が沿うように保持枠38を壁材36に固定してもよい。
【0055】
・ 表示線21及び水平基準25を省略し、鉛直基準15と標準線16との位置合わせのみにより本体部12の位置決め作業を行ってもよい。又は標準線16及び鉛直基準15を省略し、水平基準25と表示線21との位置合わせのみにより本体部12の位置決め作業を行ってもよい。
【0056】
・ 実施形態では標準線16と鉛直基準15及び表示線21と水平基準25とを位置合わせしたが、標準線16と鉛直基準15のみ又は表示線21と水平基準25のみを位置合わせして本体部12の位置決め作業を行ってもよい。
【0057】
・ 実施形態では標準線16と鉛直基準15及び表示線21と水平基準25とを位置合わせし、鉛直線42のみを壁材36表面に罫書いたが、本体部12の上下いずれかの罫書部13を使用して壁材36に水平線を罫書いてもよい。そして、保持枠38の横辺が水平線に沿うように、同保持枠38を壁材36に固定してもよい。また、鉛直線42及び水平線を壁材36表面に罫書き、保持枠38の縦辺を鉛直線42に、横辺を水平線に沿わせて保持枠38を壁材36に固定してもよい。
【0058】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記本体部は壁面に配置された状態において、壁面の表面から罫書部を一定幅離間した状態に配置可能とする当接面を備えている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の罫書具。このように構成した場合、罫書部に沿って罫書ペンの移動を円滑に行うことができ、直線の罫書作業を容易に行うことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の罫書具によれば、鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向に延びる直線を建築物内の壁面に容易に罫書くことができ、その直線を使用して建築物内の壁面に配線器具を傾斜せずに取付可能とすることができる。また、風等により揺動体が揺れるのを防止して鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方を正確に検出することができる。従って、罫書具の使用中に基準線が移動してしまうといった不具合をなくすことができる。
【0060】
請求項2に記載の発明の罫書具によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、罫書部に沿った直線を正確に罫書くことができる。
請求項3に記載の発明の罫書具によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、例えば定規等を別途用意し、その定規を使用して鉛直線及び水平線のうちの少なくとも一方を壁面に罫書く場合と異なり、直線の罫書作業の簡易化を図ることができる。
【0061】
請求項4に記載の発明の罫書具によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、罫書部に沿って罫書ペンの移動を円滑に行うことができ、直線の罫書作業を容易に行うことができる。
【0062】
請求項5に記載の発明の罫書具によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、検出部に形成された基準線を本体部の外部から視認することができ罫書具の位置決め作業を容易に行うことができる。
【0063】
請求項6に記載の発明の罫書具によれば、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、位置決め手段により本体部を保持枠の取付位置に確実に取り付けることができ、本体部及び保持枠の移動の際に保持枠と本体部とが離れるのを防止することができる。
【0064】
請求項7に記載の発明の配線器具の固定方法によれば、建築物内の壁面に鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方に延びる直線を容易に罫書くことができ、その直線を使用して建築物内の壁面に配線器具を傾斜せずに取付可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の罫書具を示す斜視図。
【図2】 第1分割体、揺動体、軸及び第2分割体を示す分解斜視図。
【図3】 実施形態の罫書具を示す側断面図。
【図4】 実施形態の罫書具を示す正面図。
【図5】 柱に取り付けられた配線用ボックスを示す正面図。
【図6】 罫書具を壁材の表面に配置した状態を示す正面図。
【図7】 罫書具を配線用ボックスの前面に配置した状態を示す側断面図。
【図8】 罫書部に沿って鉛直線を罫書いた状態を示す正面図。
【図9】 鉛直線に沿って保持枠を取り付けた状態を示す正面図。
【図10】 保持枠を取り付けた状態を示す側断面図。
【符号の説明】
11…罫書具、12…本体部、13…罫書部、14…検出部としての揺動体、15…鉛直基準、16…位置合わせ部としての標準線、21…位置合わせ部としての表示線、23…位置決め手段としての磁石、25…水平基準、36…建築物内の壁面を構成する壁材、38…保持枠、40…配線器具、42…鉛直線。

Claims (7)

  1. 建築物内の壁面に保持枠を介して配線器具を取り付けるべく、壁面に鉛直方向に延びる鉛直線及び水平方向に延びる水平線のうちの少なくとも一方を罫書くための罫書具であって、
    前記壁面に沿って配置される正面長方形状をなすとともに、上下両端部が背面側へ突設されて側面コ字状に形成され、正面側を前記壁面に当接させて壁面に沿って移動可能あるいは背面側を前記保持枠に取り付けて該保持枠とともに移動可能とする本体部と、
    前記本体部に一体形成され、壁面に直線を罫書き可能とする罫書部と、
    前記本体部内に収容され、同本体部とは独立して鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向を検出する検出部と、
    前記検出部の表裏面に形成され、同検出部により検出された方向に沿って延びる基準線と、
    前記本体部の表裏面に形成され、前記基準線に位置合わせ可能であるとともに、前記罫書部に沿う直線に対して平行に延びる位置合わせ部とよりなり、
    前記基準線に対して位置合わせ部を一致させることにより罫書部を前記基準線に対して平行に延びるように形成し、その罫書部に沿って鉛直線及び水平線のうちの少なくとも一方を壁面に罫書可能に構成した罫書具。
  2. 前記罫書部は、少なくとも2つの罫書点の頂点が同一直線上に並んで形成されている又は直線状に延びて形成されている請求項1に記載の罫書具。
  3. 前記罫書部は本体部の少なくとも一側縁部に形成されている請求項1又は請求項2に記載の罫書具。
  4. 前記本体部の正面側に突設され、罫書部が壁面より一定幅離間した状態に配置可能とする当接面を備えている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の罫書具。
  5. 前記本体部は、同本体部の外部から前記検出部を視認可能とすべく透明体により形成されている請求項4に記載の罫書具。
  6. 前記壁面に取り付けられる配線器具は保持枠に保持されるとともに、その保持枠は壁面に取り付けられ、本体部は、同本体部を保持枠に位置決め可能とする位置決め手段を備えている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の罫書具。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の罫書具を使用した配線器具の固定方法であって、
    鉛直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方向を検出する検出手段により前記方向を検出する第1の工程と、
    前記検出手段により検出された方向に沿って延びる基準線に基づいて建築物内の壁面に直線を罫書く第2の工程と、
    前記直線に対し、正面正方形状又は長方形状をなす配線器具の側辺が平行に延びるべく同配線器具を壁面の所定位置に配置する第3の工程と、
    前記所定位置に配置された配線器具をその壁面に固定する第4の工程と
    よりなる壁面に対する配線器具の固定方法。
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