JP3662146B2 - ブラシレスモータ駆動回路及びブラシレスモータ駆動回路の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、永久磁石を回転子とし、界磁に回転交流磁界を発生させて駆動する、いわゆるブラシレスモータの駆動回路及びその制御方法に関するものであり、特に回転子の回転位置センサを必要とせずにブラシレスモータを駆動する駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷凍空調機器の圧縮機などを可変速で駆動して冷却能力を調整する方法として、圧縮機の駆動源である電動機を可変速駆動することが行われている。特に固定子側に電機子巻線を巻き、回転子側に永久磁石を取り付けたブラシレスモータは効率がよいことが知られている。その反面ブラシレスモータは、回転子の回転位置に応じて界磁の磁極を切り換える必要があるため電動機には回転位置検出用のセンサが取り付けられる。しかしながら、密閉型圧縮機などにブラシレスモータを用いる場合は、電動機そのものが密閉されており、しかも電動機内部が高温になるなどのため、回転位置センサの取付が困難となり、その結果としてブラシレスモータの駆動回路が少し複雑になる。
【0003】
現在、ブラシレスモータの回転位置センサを用いない駆動回路としては、山村監修、大野編著による「パワーエレクトロニクス入門(改訂2版)1991年」の241〜243頁に記載されているものが用いられている。
【0004】
図14は、上記文献に記載された従来のブラシレスモータ駆動回路を示す図である。次に、同図を参照しながら、従来のブラシレスモータ駆動回路の構成を述べる。
【0005】
図14において、18は120度通電方式で駆動されるブラシレスモータ、19は該ブラシレスモータ18の三相の端子に接続された三相ブリッジ回路、20はブラシレスモータ18の誘起電圧を検出する電圧位相検出回路、21は設定回転数に対してブラシレスモータ18を120通電方式で駆動するタイミングパルスの発生等を行なう制御回路、22は交流電源23と三相ブリッジ回路19の間に接続された倍電圧整流回路を示す。
【0006】
また、同図において、可変レート制限回路1211は、始動時には超低速状態から回転速度をゆっくりと加速させていくためのものであり、判定回路1212は、速度をある程度上昇することが出来た時に、磁極位置検出回路による制御方法と切り替えるかどうかを判別するものである。また、V/F変換回路1213は、回転速度に略比例した三相交流電圧となるパルス幅変調信号を発生するものであり、切り替えスイッチ1214a〜1214cは、制御回路21とV/f変換回路1213の出力を判定回路1212の出力結果により切り替えるものである。
【0007】
次に、図15を参照しながら、上記ブラシレスモータ駆動回路による磁極位置検出の原理を説明する
図15(a)〜図15(f)は、上記ブラシレスモータ駆動回路による磁極位置検出の原理を説明するための図である。即ち、図15(a)は、ブラシレスモータの誘起電圧の内、u相、v相、w相の端子電圧の各波形を示し、図15(b)は、ブラシレスモータ18の駆動電圧により流れるu,v,w相の各相における相電流の波形を示し、図15(c)は、一次遅れフィルタ20aから出力されたu相の端子電圧1201の波形を示している(図14参照)。又、図15(d)は、u相の端子電圧1201を入力とする比較器20bの出力電圧1202の波形を示し(図14参照)、図15(e)は、比較器出力電圧1202を積分した積分電圧波形を示し、図15(f)は、上記積分電圧を入力とする比較器(制御回路21に含まれる)の出力電圧波形を示している。尚、u相の端子電圧を単にu相電圧とも呼ぶ。他の相電圧も同様である。
【0008】
上記ブラシレスモータ駆動回路は、三相ブリッジ回路19により120度の位相角だけブラシレスモータ18の電機子巻線に相電流を流し60度の位相角は電流を流さないようにして、この電流を流さない非通電期間は電機子巻線に誘起する電圧を電圧位相検出回路20で検出するものである。即ち、図15(c)では、u相電流が流れていない非通電期間をθuとして表している。同図に示す様に、非通電期間θuでは、u相の誘起電圧だけが現れている。尚、図15(c)に示す様に、PWMによる高周波電圧は、一次遅れフィルタ20aで平滑されている。
【0009】
上記相電流は、図15(b)に示すように、ほぼ120度位相角の方形波の交流であり、その基本波は各相誘起電圧と同相になるように流す。ブラシレスモータは、もともと同期電動機であるので、電圧の周波数は回転数に比例する。電圧位相検出回路20は各相の誘起電圧が零になる時点を検出するように作られており、その時点は三相分で1サイクルに6回あるが、その時間間隔を計測することで回転数が検出できる。これを使ってフィードバックループを構成し、回転数制御器の出力を電圧指令とすることで回転数制御を行なう。上記制御は一般にはマイクロコンピュータを用いて行われている。尚、図8(c)では、上記ゼロクロスの時点をθ0として示した。
【0010】
すなわち、上記ブラシレスモータ駆動回路では、ブラシレスモータ18の三相の端子に対して120度毎に各相に順番に通電し、一方、非通電期間である60度期間を用いて、ブラシレスモータ18の誘起電圧を検出し、この誘起電圧波形を90度遅らせた波形のゼロクロスタイミング(図15(f)では、θ’0として示した)をもって、界磁磁極を切り換えるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な従来のブラシレスモータ駆動回路の構成では、誘起電圧は回転速度に比例した電圧であるので、モータの始動時には誘起電圧が非常に小さい値になってしまう。さらに、端子電圧はパルス幅変調されているので、パルス幅変調信号を除去するための低域通過フィルタ(一次遅れフィルタ20a)が用いられ、図15(c)に示す様に、実際に使用する誘起電圧はさらに振幅が小さくなっているので検出が非常に困難である。そのため、回転位相が実質上検出できない。したがって、起動時では上述のような誘起電圧波形を用いてブラシレスモータを駆動することができない。
【0012】
そこで、まず、始動時には、誘導電動機などと同様にV/f変換回路1213を用いて、電圧/周波数の関係を一定に保つ制御であるV/f制御を行い、その後、誘起電圧が検出できるようになった時点で、判定回路1212や切り替えスイッチ1214a〜1214cを用いて、誘起電圧波形を用いた上述の制御に切り換える手法がとられていた。
【0013】
ところが、このような始動制御と通常制御の切り換えに際しては、制御の遅れや、パラメータのずれなどにより、切り換え時に過大な電流が流れることがあるため、モータ駆動用のパワートランジスタに大型のものを必要としたり、あるいは過大電流のために永久磁石が減磁する可能性があるなどの問題を有していた。
【0014】
又、上記の様な、始動時の制御方法では、誘起電圧が検出できないような低速回転を維持させる場合には、回転数を制御することは困難であるという課題を有していた。
【0015】
また、検出回路の精度を上げることにより、低速回転時における誘起電圧を検出しようとしても、パルス幅変調信号に重畳された誘起電圧は、始動時や低速回転時には印加電圧が低く、パルス幅変調のONデューティが小さく、検出できる時間幅も極めて狭くなっている。このような制御はマイクロコンピュータにより実現されるが、マイクロコンピュータから出されるONタイミング指令と実際のスイッチ素子がONするタイミングにはずれがあり、ON時間幅が狭くなるとずれにより検出タイミングを誤ることが発生する。このため、低速回転を精度良く制御することは困難であるという課題を有していた。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、始動制御と通常制御との切り換えを必要とせずに、同じ制御方法でブラシレスモータの駆動を行なうことのできるブラシレスモータ駆動回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、パルス幅変調された信号を出力する三相ブリッジ回路と、
前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータへの通電が休止されている相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記三相ブリッジ回路の通電を制御する制御手段とを備え、
前記端子電圧検出手段は、前記検出したパルス状の電圧の立ち上がり時の時定数よりも、立ち下がり時の時定数の方が大きくなるように調整されていることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路である。
【0018】
又、第2の本発明は、(1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において、少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備え、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、前記検出した誘起電圧値が、(a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、又は、(b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を進める様に調整することを特徴とするブラシレスモータ駆動回路である。
【0019】
又、第3の本発明は、(1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備え、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、(a)前記検出された誘起電圧が増加する相の電圧である場合で、その誘起電圧値が、プラス側の電源電位とマイナス側電源電位との間の所定の電圧より低い電位であるとき、又は、(b)前記検出された誘起電圧が減少する相の電圧である場合で、その誘起電圧値が、プラス側の電源電位とマイナス側の電源電位との間の所定の電圧より高い電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を遅らせることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路である。
【0020】
又、第4の本発明は、(1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において、少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備えた、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路の制御方法であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、
(1)前記検出した誘起電圧値が、(1−a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、もしくは、(1−b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を進める様に制御し、又は、
(2)前記検出した誘起電圧値が、(2−a)立ち上がり時に、所定値以下の電位であるとき、もしくは、(2−b)立ち下がり時に、所定値以上の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を遅らせる様に制御することを特徴とするブラシレスモータ駆動回路の制御方法である。
【0021】
又、第5の本発明は、三相ブリッジ回路と、前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、前記ブラシレスモータへの通電を休止している相の端子電圧を検出する第1の検出手段と、電源電圧のプラス側からパルス幅変調による通電もしくは連続にて通電されている相の通電時の端子電圧を検出する第2の検出手段と、前記電源電圧のマイナス側からパルス幅変調による通電もしくは連続にて通電されている相の端子電圧を検出する第3の検出手段とを、備えたブラシレスモータ駆動回路の制御方法であって、
前記ブラシレスモータの始動時には、誘起電圧の立ち上がり期間において前記第1の検出手段で検出された結果と、誘起電圧の立ち下がり期間において前記第1の検出手段で検出された結果との差に基づいて前記駆動電圧基準値を調整し、前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、前記第1の検出手段で検出された結果が、(a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、又は、(b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記通電相の切り替えタイミングを進め、(c)立ち上がり時に、所定値以下の電位であるとき、又は、(d)立ち下がり時に、所定値以上の電位であるときは前記通電相の切り替えタイミングを遅らせ、
立ち上がり時の第1の検出結果と立ち下がり時の第1の検出結果との差が一定期間連続して一定範囲内にあることを検出したときには、前記第2の検出手段の検出結果と、前記第3の検出手段の検出結果との差の半分の値を前記第1の検出手段の検出結果と比較し、該比較結果が反転したときから所定時間遅延したタイミングで通電相を切り替えることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路の制御方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるブラシレスモータ駆動回路の構成を示す回路ブロック図である。同図を参照しながら、本実施の形態の構成と各回路の動作の概要を述べる。
【0028】
即ち、図1に示すように、回転数(周波数)指令fはV/f変換回路11に入力され、同時に120度通電パルス・各種タイミング発生回路4にも入力される。
【0029】
120度通電パルス・各種タイミング発生回路4では、同一周波数による120度通電パルス(U上、V上、W上、U下、V下、W下信号)と、関連するタイミングパルス信号(SEL、SP1、SP2、SP3信号)とを発生する。このうち、U上(101)、V上(102)、W上(103)の信号はPWM変調回路3を経由して、U下(104)、V下(105)、W下(106)の信号と同じく、三相ブリッジ回路2に入力される。三相ブリッジ回路2は直流電源(+Vおよび0)から擬似三相交流を出力するものである。PWM変調回路3はU上、V上、W上の信号に対して、第1比較回路10の出力(Vm)で変調(乗算)される。三相ブリッジ回路2は3相のブリッジ(U、V、W)を有し、各相に対して上側(+V側)のトランジスタをONする方をU上、V上、W上とし、下側(0V側)のトランジスタをONする方をU下、V下、W下とする。なお、図示していないが、実際の回路では各トランジスタを駆動するプリドライブ回路が必要である。三相ブリッジ回路2の出力は、ブラシレスモータ1に接続されると共に、端子電圧波形処理回路12u、12v、12wを経由して選択回路5に接続されている。
【0030】
選択回路5の選択指令SELは、上述の120度通電・各種タイミング発生回路4より入力されている。選択回路5の出力は、3つのサンプル・ホールド回路6、7、13に送られ、それぞれに対応するサンプルパルスSP1、SP2、SP3にて、サンプル・ホールドされる。サンプル・ホールド回路6、7の出力は第2比較回路8に送られ、出力の差を得て、制御補償回路9に送られる。また、サンプル・ホールド回路13の出力は、判定回路14に送られ、120度通電パルス・各種タイミング発生回路4のタイミング位相を変調する。制御補償回路9は第2比較回路8の出力がゼロになり、かつ制御系が安定であるようにするためのものであり、あらかじめそのパラメータを決定しておく。制御補償回路9の出力は比較回路10に送られる。比較回路10では、V/f変換回路11の出力と、制御補償回路9の出力との差を求め、得られた値をモータ駆動電圧Vmとする。モータ駆動電圧VmはPWM変調回路3により三相ブリッジ回路2の上側のトランジスタをONするデューティとなり、ブラシレスモータ1の駆動電圧に相当する。
【0031】
ここで、120度通電パルス・各種タイミング発生回路4、サンプル・ホールド回路6,7,13及び制御補償回路9等が制御手段を構成し、比較回路10及びV/f変換回路11が基準電圧出力手段を構成している。
【0032】
次に、上記120度通電パルス・各種タイミング発生回路4による出力信号について説明する。
【0033】
図2は、120度通電パルス・各種タイミング発生回路4による出力信号のタイミング図である。図2において、θは電気角であり、図2では約720度分すなわち2周期分を示している。
【0034】
上記120度通電パルス・各種タイミング発生回路4は、三相ブリッジ回路2に対してU上、U下、V上、V下、W上、W下の各信号を出力する。U上の信号は、電気角θが0度から120度、および360度から480度の期間だけONする指令を出力する。U下の信号は、電気角θが180度から300度、および540度から680度の期間だけONする指令を出力する。V上の信号は、電気角θが120度から240度、および480度から600度の期間だけONする指令を出力する。V下の信号は、電気角θが300度から420度、および−60度から+60度の期間だけONする指令を出力する。W上の信号は、電気角θが240度から360度、および−120度から0度の期間だけONする指令を出力する。W下の信号は、電気角θが60度から180度、および420度から540度の期間だけONする指令を出力する。
【0035】
また、120度通電パルス・各種タイミングパルス発生回路4は、選択回路5に対してSEL信号を出力する。選択回路5への信号である選択指令SELは、選択回路5が、電気角θが0度から60度の間はW相の端子電圧を、60度から120度の間はV相の端子電圧を、120度から180度の間はU相の端子電圧を、それぞれ選択する様に出力されて、その後は60度ごとに、W→V→U相の順となる様に繰り返し出力される。
【0036】
さらに、120度通電パルス・各種タイミングパルス発生回路4は、サンプル・ホールド回路6、7、13に対してSP1、SP2、SP3の各信号を出力する。サンプル・ホールド回路6、7へのサンプリングパルスSP1、SP2は、電気角θが120度ごとに出力される。すなわち、サンプル・ホールド回路6には、電気角θが90度、210度、330度のように120度ごとにパルスSP1が出力され、サンプル・ホールド回路7には、30度、150度、270度のように120度ごとにパルスSP2が出力されている。
【0037】
一方、電気角θが45度、105度、165度、225度、285度、345度のように60度毎にパルスSP3が出力され、サンプル・ホールド回路13に入力される。サンプル・ホールド回路13の出力は判定回路14に出力され、判断結果により、タイミングパルス発生回路4のタイミング位相を変調する。
【0038】
次に、図3(a)、図3(b)を用いて図1における端子電圧波形処理回路12u、12v、12wについて説明する。尚、図3(a)は、図1に示すブラシレスモータ1の一つの端子電圧110の波形を示す図である。ここでは、図1に示す電気角θが約300度〜400度の範囲に対応する時間における波形を模式的に示している。又、この端子電圧110は、端子電圧波形処理回路12uに入力される。図3(b)は、端子電圧波形処理回路12uの出力電圧113の波形の模式図である。この出力電圧113は、選択回路5への入力電圧となる。
【0039】
始動時などでは、モータの回転数が低いため、PWMによるONパルスデューティが小さくなってしまう。このON期間301に誘起電圧情報が含まれているため、細い幅のパルスとして現れる一瞬の電圧を観測する必要がある。ここで、図1の12u、12v、12wはピークホールド回路であり、立ち上がりには殆ど時定数を有していないが、立ち下がりには抵抗とコンデンサによる時定数を有している。そのため、図3(b)に示すように、実質上パルス幅が広くなったかのような波形、即ち、端子電圧(誘起電圧)を観測しやすい波形に処理して出力することができる。
【0040】
次に、図1に示した実施の形態1によるブラシレスモータ駆動回路の動作について説明する。
【0041】
本実施の形態のブラシレスモータ駆動回路においては、まず、回転数指令fをV/f変換回路11により変換して駆動電圧基準値Vm とする。この駆動電圧基準値Vm はPWM変調回路3を経て三相ブリッジ回路2に入力され、そして、三相ブリッジ回路2からブラシレスモータ1の三相の端子に対して120度ごとに各相に順次通電することによりブラシレスモータ1を駆動する。
【0042】
一方、ブラシレスモータ1のそれぞれの相について、電流を流さない非通電期間においては、選択回路5によりそれぞれの相の誘起電圧を検出する。このとき、サンプル・ホールド回路6,7、比較器8、制御補償回路9、および比較器10がフィードバックループを構成しているので、サンプル・ホールド回路6,7と比較器8により立ち上がり時の誘起電圧と立ち下がり時の誘起電圧の差をとる。そして、この差により上記V/f変換回路11から出力される駆動電圧基準値Vm を可変し、これにより、電気角θに対してブラシレスモータ1の機械角が追従するようブラシレスモータ1の回転数制御を行なう。尚、サンプル・ホールド回路6、7と比較器8の上記動作については、更に詳細に後述する。
【0043】
次に、上記動作の内容を、始動制御動作と、通常制御動作に分けて更に具体的に説明する。
【0044】
上記ブラシレスモータ駆動回路では、始動時は従来と同じく回転数指令fを超低速から徐々に増加する方法をとる。すなわち、始動時では、印加電圧は低く、誘起電圧も低いので、電気角θと機械角とのずれに関わらず、サンプル・ホールド回路6、7の出力値は殆ど同じであるため、比較回路10からの出力は、V/f変換回路11の出力にほぼ等しくなる。従って始動制御動作では、結果的には図14に示した従来の駆動回路と同じ始動方法になる。
【0045】
その後、ブラシレスモータ1の回転数が上昇して誘起電圧が観測され始めると、駆動電圧はその都度のモータ回転数および負荷に対して適正な値に自動制御される状態に自動的に突入していく。
【0046】
従って、上記駆動回路は、図14に示した従来の駆動回路とは異なり、始動制御と通常制御の切り換え動作は発生しない。
【0047】
次に、上述した通り、サンプル・ホールド回路6,7と比較器8の動作について、図4(a)〜図4(c)を参照しながら更に詳細に説明する。
【0048】
図4(a)は、図1に示したブラシレスモータ駆動回路のu相〜w相の各端子電圧110、111、112の波形を示したものであり、図4(a)〜図4(c)では電気角θが−60度から+360度までを示している。又、図4(a)中で、点線で表したところは、電気角に対して機械角が遅れている場合の端子電圧波形を示している。尚、これらの端子電圧は、図3(a)に示した様に、PWM波形であるが、ここでは、見やすくするために、連続的に描いてある。
【0049】
図4(a)に示す様に、モータ1のU相端子電圧110の値は、電気角θが0度から120度までは、U上の信号101(図2参照)により三相ブリッジ回路2のトランジシタがONしているのでVmとなる。また、電気角θが180度から300度まではU下の信号104により上記トランジシタがONしているので端子電圧110は0である。電気角θが−60度から0度までと120度から180度までは、U相の上下の信号101、104により、トランジスタはともにOFFしている期間であり、この期間はモータ1の誘起電圧を観測することができる。 すなわち、ブラシレスモータ1が効率よく駆動されているときは、印加電圧の位相と誘起電圧位相が同相である。従ってこの場合、図4(a)において実線で表した様に、電気角θが−60度から0度までは誘起電圧は0からVmまで立ち上がる波形となり、一方、電気角θが120度から180度までは誘起電圧はVmから0まで立ち下がる波形となる。
【0050】
その結果、U相の端子電圧110の観測波形は台形波形となる。V相の端子電圧111は、U相と同じ波形となるが、その位相が120度遅れた波形となり、また、W相の端子電圧112も同様にU相に対して240度遅れた波形となる。
【0051】
次に、負荷が重くなり、駆動電圧が不足している場合について説明する。
【0052】
駆動電圧が不足すると、モータ1はトルク不足となり、駆動信号に対して位相遅れを生ずる。このため、誘起電圧波形も位相遅れを生じ、図4(a)の点線に示すような波形となる。すなわち、誘起電圧の立ち上がり部分では、位相遅れの生じていない場合と比べて電圧が下がり、一方、立ち下がり部分では電圧が高くなっている。
【0053】
図4(b)は、図2で説明した選択指令SEL及び、サンプリングパルスSP1、SP2を示す図である。これらの信号により、誘起電圧のみが現れている端子電圧がサンプリングされる。又、図4(c)は、サンプル・ホールド回路6、7の出力結果であるS&H1、A&H2を示す図である。
【0054】
これらの図に示す様に、例えば、SP2により270度におけるV相の端子電圧がサンプリングされ、SP1により330度におけるU相の端子電圧がサンプリングされた場合について述べる。
【0055】
すなわち、駆動電圧が正常であれば、図4(c)で実線で示した様に、サンプル・ホールド回路6,7の出力電圧S&H1,S&H2はそれぞれVm/2となるが、電圧が不足していれば、点線で示しているように出力電圧S&H1は減少し、出力電圧S&H2は逆に増加する。サンプル・ホールド回路6,7の出力S&H1、S&H2は比較回路8に入力されており、S&H1からS&H2の差を得て、制御補償回路9を経由してモータ印加電圧Vmを減算する。
【0056】
この様に、駆動電圧が不足するとサンプル・ホールド回路6の出力電圧S&H1が減少し、比較回路8の出力も減少する。その結果、制御補償回路9の出力は減少し、比較回路10の出力Vmは増加するので、駆動電圧を上げるように制御される。したがって、負荷に応じて駆動電圧が適正になるように調節される制御が行われることになる。
【0057】
これにより、従来の様に始動制御と通常制御とを切り替えるための手段を備えることなく、ブラシレスモータの回転制御を精度良く行うことが出来る。
【0058】
尚、本実施の形態では、立ち上がり時の誘起電圧と立ち下がり時の誘起電圧の差をとる場合、双方のサンプリングのタイミングの間隔は出来るだけ短い方が、精度の高い制御が出来るので、異なる相でのサンプル値を用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば、同一の相でのサンプル値を用いても勿論良い。この場合、例えば、立ち下がり時の誘起電圧は、150度におけるサンプリング値を用い、立ち上がり時の誘起電圧は、330度におけるサンプリング値を用いる。
【0059】
又、上記実施の形態では、2つのサンプリング・ホールド回路を設け、双方の差をとる構成としたが、これに限らず、例えば、立ち下がり時又は立ち上がり時の何れか一方の誘起電圧をサンプリングして、ずれの生じていない時の値Vm/2と比較する構成としても良い。
【0060】
次に図5、および図6を用いて、判定回路14の動作について説明する。
【0061】
回転位相が正常であれば、即ち、位相のずれが生じていなければ、図5および図6の点線で示すような端子電圧(図中において、符号501、701を付した)が観測される。尚、これらの図に示す端子電圧は、図1に示した端子電圧波形処理回路12uの出力電圧113に対応する。
【0062】
次に図5において、実際の回転位相(機械角)が、制御位相(電気角)より進んでいるときの判断および処理を説明する。回転位相が進んでいると、端子電圧は実線(図中において、符号502を付した)のように早く立ち上がる。
【0063】
この様な状況において、図2に示す様に、選択指令の信号SELは、電気角θが300度から360度の期間では、U相の選択を示している。更に、サンプリングパルスSP3は、電気角が345度の時点で出力される。従って、サンプル・ホールド回路13には、電気角が345度の時点のU相の端子電圧が測定される。
【0064】
判定回路14は、この時点での端子電圧が、予め定められたしきい値を超えているかどうかを調べる。しきい値を超えていれば、その瞬間の制御位相を345度から360度に進めることにより、電気角を現実の機械角に追従させることが出来る。
【0065】
次に図6を用いて、回転位相が遅れているときの、判定回路14における判断および処理を説明する。
【0066】
回転位相が遅れていると端子電圧は実線(図中において、符号702を付した)のようにゆっくりと立ち上がる。このとき、図5で説明したのと同様にして、判定回路14が、回転位相345度時点での端子電圧がしきい値を下回っているかどうかを調べる。しきい値を下回っている場合には、その瞬間の位相を345度から330度に戻すことにより位相遅れへの追従を行う。
【0067】
尚、上記説明では、いずれも立ち上がり時の端子電圧(誘起電圧)を観測する場合について述べたが、図7,図8に示すように、電気角が165度の時点で出力されるサンプリングパルスSP3による、U相の立ち下がり時の端子電圧を観測する場合の各回路動作は、上記と同様である。
【0068】
即ち、図7のように回転位相が進んでいるときには、しきい値を下回っているかどうかを調べる。そして、下回っている場合には、その瞬間の制御位相を165度から180度に進めることにより、電気角を現実の機械角に追従させることができる。同様に、図8のように回転位相が遅れているときには、しきい値を上回っているかどうかを調べる。そして、上回っている場合には、その瞬間の制御位相を165度から150度に戻すことにより、電気角を現実の機械角に追従させることができる。
【0069】
尚、本実施の形態では、サンプル・ホールド回路6、7〜比較回路10を用いたフィードバックループによる回転制御構成に加えて、判定回路14による位相角のずれをも補正することにより、より高精度の回転制御が出来る構成について述べたが、判定回路14を備えない構成でもかまわない。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について図面を用いて説明する。
【0070】
図9は、実施の形態2の全体構成を示すブロック回路図である。図10(a)は図9における各種タイミング発生手段404およびPWM手段3の処理ブロック図であり、図10(b)は、図10(a)の回路の動作タイミングを示す図である。又、図11は動作状況を示す波形図である。
【0071】
ここで、図10(a)の演算回路34が、図9のPWM手段403に相当している。尚、図9では、回路主体の記載をしており、図10(a)では、情報処理主体の記載をしている。又、演算回路34の出力は、図9では、PWM手段403の出力信号(W上が出力されるタイミングを示す信号)3cに対応し、遅延手段33の出力は、図9では、WM手段403の出力信号(U上が出力されるタイミングを示す信号)3aに対応している。更に、演算回路34への入力であるVdcは、図9では、演算手段450により算出される。演算手段450は、図10(a)の演算手段31に対応している。演算手段450への入力信号の選択は、図10(b)の図表に基づいて、各種タイミング発生手段404からの指令により行われる。
【0072】
図9において、図1と同様に、各種タイミング発生手段404からPWM手段3を一部経由して三相ブリッジ回路を経由してモータ1を駆動する。モータ1の端子電圧情報は、図1の場合と同様の回路12u、12v、12wを経由して各種タイミング発生手段404に入力される。各種タイミング発生手段404では、これまで述べたのと同様の120度通電PWM信号を発生してモータ1を駆動する。駆動制御の方法は図10を用いて説明する。また、駆動制御の結果選られた実回転数は比較手段410に送られて回転数指令と比較されて、回転数の誤差情報を得て、補償演算手段409を経由してモータ駆動用の電圧情報Vmとなり、PWM手段3に送られる速度制御部分を構成している。
【0073】
図10(a)はモータ端子電圧情報Vu、Vv、Vwに基づく、各種タイミング発生およびPWMデューティ演算方法を示すブロック図である。
【0074】
図10(a)では、電気角が300度から360度までの期間における処理を示している。
【0075】
即ち、同図に示す第1端子部30a、第2端子部30b、第3端子部30cには、それぞれ、モータ端子電圧情報Vw、Vv、Vuが入力されている。図10(b)は、これらの各端子部30a〜30cに入力される電圧情報の切り替えのタイミングやクランプ要因の変更のタイミングなどを説明するための図である。尚、これらの各端子部30a〜30cに供給される電圧情報の切り替え動作は、図9の端子電圧波形処理回路12u〜12wからの出力電圧を入力とし、図10(b)に示すタイミングに基づいて、供給先の端子部を切り替えるための切り替え回路(図示省略)により行われる。
【0076】
電気角が300度から360度までの期間においては、W相はプラスの電圧が印加され、V相はゼロボルトになるように接続されている。また、U相は非通電であり端子より誘起電圧情報を見ることはできる。W相およびV相の電圧情報は第3比較回路31に送られてその差を演算する。このときの電圧は、直流電圧Vdcになる。第3比較回路31の出力は、演算手段35に送られ、その出力である電源電圧Vdcの半分(すなわち電源電圧の中性点)が第4の比較手段32に送られ、非通電基幹の端子電圧Vuと比較される。第4の比較手段32は、非通電の端子電圧Vuと、Vdcの半分とを比較するものである。この第4の比較結果は、遅延手段33に送られて、Vuが1/2Vdcを上回ったときから「30度−α」遅延させたタイミングを得る。また「α」の値の算出は、Vu端子がVdcにクランプしている期間tvをゼロ/Vdcクランプ期間検出手段36で算出し、演算手段39にてその半分の値を求めて算出する。この算出結果は、60度保留手段40により、次の60度期間後に使用する。このようにして得られたタイミングで次のU相の上アームの通電開始タイミングすなわち、電気角が360度(もしくは0度)となるタイミングとする。結局、「α」だけ通電を進めた制御を実現している。
【0077】
次に、電気角が0度から60度になるタイミングを算出する場合には、図10(a)において、第1端子部30aに、VwのかわりにVuを入力し、又、第3端子部30cに、VuのかわりにVwを入力する。尚、第2端子部30bへの入力はVvのままである。また、ゼロ/Vdcクランプ期間検出手段36では、ゼロにクランプしている期間tvを算出し、遅延手段33の出力で、V相下アームの通電開始タイミングにすることにより、上記制御が実現できる。
【0078】
又、60度から120度になるタイミングを算出する場合には、各端子部30a〜30cには、Vu、Vw、Vvの順に入力し、Vdcクランプ期間tvを算出し、V相上アームの通電開始タイミングにすることにより、上記制御が実現できる。 以下、このように、U相,V相,W相について、かつ、クランプ検出の条件を図10(b)に示すタイミング図のようにサイクリックに変えていくことにより、上記制御が実現できる。
【0079】
一方、Vdc情報は演算回路34へ送られ、所望のモータ印加電圧情報Vmと演算を行ってPWMデュティとすることにより、直流電圧Vdcが変化しても、モータへの印加電圧が変動しないので、安定した駆動を行うことができる。
【0080】
図9のPWM変調回路403には、補償演算手段409の出力Vmと、Vdcの双方が入力されるので、Vmの値からPWMのONデューティを計算する際、電源電圧Vdcの変動をも考慮した計算が行える。
【0081】
また、図11は、図10での動作を示すタイミング波形図である。電気角300度から360度の期間においては、PWMがオンしている瞬間では、VwはVdc、Vvはゼロになっている。また、Vuは最初の期間はVdcにクランプされており、以降、電圧が上昇する。したがって、VwとVvとを用いることにより、Vdcが算出できる。また、VuがVdcの半分を超過するタイミングは、ここで説明している期間のほぼ中ほどである。
【0082】
また、αを算出するのに用いたクランプ期間は、60度期間手前の情報であり、V相の端子電圧がゼロにクランプされていた期間を元に算出した値を用いる。なお、図11ではモータ端子電圧はPWMによる振幅を有しているが、図9で示したように、ピークホールド回路12u、12v、12wを経由することにより、ほぼ包路線の波形を得ることができる。
【0083】
ここで「α」は、その前の相でV相の端子電圧Vvが非通電期間で立ち下がる最初に0Vに貼りついていた期間tv(図11参照)の半分の期間に対応する電気角である。また、通電切り換えにおいては選択回路5などと通電切り換えとのタイミングが完全に一致していない場合があるので、相切り換え直後は第4比較回路32の動作を停止させておく。
【0084】
図12は、「α」に関する説明を行うためのU相に関する波形図である。図12において、端子電圧はPWM波形であるが、見やすくするために連続的に描いてある。上アームのみをPWMするときには、上アーム側の相を切り替えた時と、下アーム側の相を切り替えたときでは、モータインダクタンスによる電流遅れ量が異なる。下アーム側の相を切り替えたときは、図12のα1のタイミングのように、モータインダクタンスに蓄積された電流は急速に減衰する。このため、電流位相の遅れは少ない。この遅れ時間は、端子電圧がプラスにクリップされている期間(2α1)の半分(α1)である。しかし、上アーム側の相を切り替えた時には、図12のα2のタイミングのように、モータインダクタンスに蓄積された電流の減衰は遅い。このため、電流位相も遅れてしまう。したがって、特に電流がモータに流れ込む時の電流位相が誘起電圧に対して大きく遅れている。この遅れ時間は、端子電圧がゼロにクリップされている期間の半分になっている。このため、モータの最大効率ポイントからずれて駆動されてしまう。したがって、上アーム側の相を切り替えるときには、手前の上アームの相を切り替えた時の電圧がクリップされている期間(2α2)の半分(α2)だけ相切り換えを進めてやればよい。下アーム側の相を切り替える時も同様である。
【0085】
これにより、より一層精度良くモータの回転制御を行うことが出来る。
【0086】
尚、上記実施の形態では、PWM演算回路34と、各遅延回路(33、37、38)の双方を備えた構成としたが、これに限らず例えば、何れか一方の回路を図1に追加した構成としても勿論よい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図13を用いて説明する。
【0087】
始動時および低速回転の時には、モータの誘起電圧が低く、電源電圧の中性点とのクロスタイミングを精度良く得ることは困難であるが、図1で示した制御方法では、誘起電圧がバランスするように制御しているので、低い誘起電圧でも用いることができる。
【0088】
しかしながら、上記実施の形態の構成では、フィードバック制御による安定化を前提としているので、急激なトルク変動などでは追従できないことがあり、中速以上の回転では図9、図10、図11で示した制御方式の方がより安定である。しかしながら、単に2つの制御を切り替えるだけでは、制御状態によっては過大な電流が流れることもある。このため、制御の状態を検出しながら、制御を切り替える必要がある。
【0089】
以上の観点から本実施の形態では、図13に示すように、比較回路8の出力を判別手段901に入力する。判別手段では、比較回路8の出力結果が一定期間以上にわたって、一定の範囲内にあることを検出した場合、切り替え手段902に切り替え指令を出力する。切り替え手段902では、実施形態1のためのタイミング発生手段4の出力を、実施形態2のためのタイミング発生手段404の出力に切り替える。
【0090】
これにより、制御方式の切り換え時に過大な電流が流れることがなくなる。
【0091】
なお、上記各実施の形態の実現方法としては殆ど全てハードウェアによる回路ブロックで説明したが、120度通電パルス・各種タイミング発生回路4、選択回路5、サンプル・ホールド回路6、7、13、比較回路8、10、V/f変換回路11、補償演算回路9、PWM変調回路3などはマイクロコンピュータのソフトにより実現できることも容易に考えられる。
【0092】
また、上記実施の形態においては、モータ駆動電圧の調整の実現手段として、三相ブリッジ回路2の上側のトランジスタをパルス幅変調して、所望の駆動電圧を得る方法を説明したが、下側のトランジスタをパルス幅変調しても同様のことが実現できることはいうまでもない。また、三相ブリッジ回路2のトランジスタをパルス幅変調するかわりに、三相ブリッジ回路2への直流電源の+V側の電源を可変することにより実現することも可能である。
【0093】
また、上記実施の形態1、2においては、ブラシレスモータ1への三相すべての誘起電圧を用いる方法を説明したが、負荷変動などが少ない場合には、より簡便な方法として、一つの相の誘起電圧だけを用いる方法も可能である。例えばU相のみの誘起電圧を用いるとすると、図3において、電気角θが−30度と150度において、それぞれ誘起電圧をサンプリングして比較回路8へ入力すればよい。すなわち、この場合、選択回路5を不要とし、SP1の90度,210度、SP2の30度,270度を間引くことにより実現できる。
【0094】
また、上記実施の形態1においては、回転数に比例した電圧を駆動電圧の基準値とする場合を説明したが、ポンプなどのように回転数に応じて軸トルクが増加するものに対しては、回転数の2乗に比例した電圧を駆動電圧の基準値とすることで、容易にこれに対応できる。
【0095】
さらにまた、上記実施の形態では、120度通電方式で説明したが、通電幅が130度など異なる場合であっても本発明が適用できることは明白である。
【0096】
尚、上記実施の形態では、三相ブリッジ回路の出力信号が、パルス状に変調された場合について述べたが、これに限らず例えば、高速回転制御の際にはPWM変調信号が連続波形となる場合もある。
以上述べたところから明らかなように、上記発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、モータに印加する電圧をパルス幅変調にて作成する場合に、電源電圧が高くて印加パルスのパルス幅が極めて細い場合でも確実に誘起電圧を検出することができ、安定で広範囲な始動を実現できる。
又、上記発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、負荷が急激に軽くなった場合や重くなった場合にも、瞬時に回転位相を変調するすることができ、負荷変動に対しても脱調することなく駆動ができる。
又、上記発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、電源電圧を常に監視できるので、電源電圧変動などにも対応できる。
又、上記発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、モータのインダクタンスによる電流遅れを自動的に補償でき、常に最大効率でモータを駆動することができる。
又、上記発明によるブラシレスモータ駆動回路又はその制御方法によれば、超低速から高速のそれぞれに適切な駆動方法がスムーズに選択できる。
【0097】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、モータに印加する電圧をパルス幅変調にて作成する場合に、電源電圧が高くて印加パルスのパルス幅が極めて細い場合でも確実に誘起電圧を検出することができ、安定で広範囲な始動を実現できる。
【0098】
又、本発明によるブラシレスモータ駆動回路によれば、負荷が急激に軽くなった場合や重くなった場合にも、瞬時に回転位相を変調することができ、負荷変動に対しても脱調することなく駆動ができる。
【0101】
又、本発明によるブラシレスモータ駆動回路又はその制御方法によれば、超低速から高速のそれぞれに適切な駆動方法がスムーズに選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるブラシレスモータ駆動回路の回路ブロック図
【図2】同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路における各種タイミングの波形図
【図3】(a):同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路における端子電圧110の波形の説明図
(b):同実施の形態1の端子電圧波形処理回路12uの出力電圧113の波形の説明図
【図4】(a):同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路における端子電圧の波形図
(b):同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路におけるタイミング信号の図
(c):同実施の形態1のサンプル・ホールド回路の出力電圧を示す図
【図5】同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路における位相進ませ調整の原理波形図
【図6】同実施の形態1のブラシレスモータ駆動回路における位相遅らせ調整の原理波形図
【図7】同実施の形態1の立ち下がり時における位相進ませ調整の原理波形図
【図8】同実施の形態1の立ち下がり時における位相遅らせ調整の原理波形図
【図9】本発明にかかる実施の形態2のブラシレスモータ駆動回路の回路ブロック図
【図10】(a):本実施の形態2のブラシレスモータ駆動回路に含まれる、各種タイミング発生手段及びPWM手段のブロック図
(b):本実施の形態2の電圧情報の切り替えのタイミングやクランプ要因の変更のタイミングなどを説明するための図
【図11】本実施の形態2のブラシレスモータ駆動回路の端子電圧の波形図
【図12】上記実施の形態2における、モータ電流と端子電圧の位相関係を示す波形図
【図13】本発明にかかる実施の形態3のブラシレスモータ駆動回路の回路ブロック図
【図14】従来のブラシレスモータ駆動回路の回路ブロック図
【図15】(a)〜(f):従来のブラシレスモータ駆動回路による磁極位置検出の原理を説明する動作波形図
【符号の説明】
1、18 ブラシレスモータ
2、19 三相ブリッジ回路
3 PWM変調回路
4 120度通電パルス・各種タイミング発生回路
5 選択回路
6、7、13 サンプル・ホールド回路
8、10 比較回路
9 制御補償回路
11 V/f変換回路
12u、12v、12w 端子電圧波形処理回路
14 判定回路
20 電圧位相検出回路
21 制御回路
22 倍電圧整流回路
23 交流電源
Claims (5)
- パルス幅変調された信号を出力する三相ブリッジ回路と、
前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータへの通電が休止されている相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記三相ブリッジ回路の通電を制御する制御手段とを備え、
前記端子電圧検出手段は、前記検出したパルス状の電圧の立ち上がり時の時定数よりも、立ち下がり時の時定数の方が大きくなるように調整されていることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路。 - (1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において、少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備え、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、前記検出した誘起電圧値が、(a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、又は、(b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を進める様に調整することを特徴とするブラシレスモータ駆動回路。 - (1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備え、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、(a)前記検出された誘起電圧が増加する相の電圧である場合で、その誘起電圧値が、プラス側の電源電位とマイナス側電源電位との間の所定の電圧より低い電位であるとき、又は、(b)前記検出された誘起電圧が減少する相の電圧である場合で、その誘起電圧値が、プラス側の電源電位とマイナス側の電源電位との間の所定の電圧より高い電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を遅らせることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路。 - (1)三相ブリッジ回路と、(2)前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、(3)そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、(4)同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、(5)前記ブラシレスモータの非通電期間において、少なくとも一相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、(6)その検出された端子電圧の立ち上がり時の端子電圧値と立ち下がり時の端子電圧値とを比較する比較器とを備えた、前記比較器の出力に応じて前記駆動電圧基準値を可変できるブラシレスモータ駆動回路の制御方法であって、
前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、
(1)前記検出した誘起電圧値が、(1−a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、もしくは、(1−b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を進める様に制御し、又は、
(2)前記検出した誘起電圧値が、(2−a)立ち上がり時に、所定値以下の電位であるとき、もしくは、(2−b)立ち下がり時に、所定値以上の電位であるときには、前記パルス発生手段の周波数位相を遅らせる様に制御することを特徴とするブラシレスモータ駆動回路の制御方法。 - 三相ブリッジ回路と、前記三相ブリッジ回路に接続されて駆動されるブラシレスモータと、そのブラシレスモータの設定回転数に対応した電圧をモータ駆動電圧基準値として出力する基準電圧出力手段と、同一周波数で三相のパルスをサンプリングするためのパルスを発生するパルス発生手段と、前記ブラシレスモータへの通電を休止している相の端子電圧を検出する第1の検出手段と、電源電圧のプラス側からパルス幅変調による通電もしくは連続にて通電されている相の通電時の端子電圧を検出する第2の検出手段と、前記電源電圧のマイナス側からパルス幅変調による通電もしくは連続にて通電されている相の端子電圧を検出する第3の検出手段とを、備えたブラシレスモータ駆動回路の制御方法であって、
前記ブラシレスモータの始動時には、誘起電圧の立ち上がり期間において前記第1の検出手段で検出された結果と、誘起電圧の立ち下がり期間において前記第1の検出手段で検出された結果との差に基づいて前記駆動電圧基準値を調整し、前記非通電期間における中間タイミング以降のタイミングにおいて、前記第1の検出手段で検出された結果が、(a)立ち上がり時に、所定値以上の電位であるとき、又は、(b)立ち下がり時に、所定値以下の電位であるときには、前記通電相の切り替えタイミングを進め、(c)立ち上がり時に、所定値以下の電位であるとき、又は、(d)立ち下がり時に、所定値以上の電位であるときは前記通電相の切り替えタイミングを遅らせ、
立ち上がり時の第1の検出結果と立ち下がり時の第1の検出結果との差が一定期間連続して一定範囲内にあることを検出したときには、前記第2の検出手段の検出結果と、前記第3の検出手段の検出結果との差の半分の値を前記第1の検出手段の検出結果と比較し、該比較結果が反転したときから所定時間遅延したタイミングで通電相を切り替えることを特徴とするブラシレスモータ駆動回路の制御方法。
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