JP3661561B2 - シリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置 - Google Patents

シリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷や塗工に用いるシリンダー状グラビア版の側面の汚れ防止に関するものであり、さらに詳細には、シリンダー側面の汚れを抑制するドクター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダー状グラビア版の全面あるいは部分的に画像部として形成する凹点(セル)に、インキあるいは塗液を詰め、ドクター装置でその余分をかき落として、凹点(セル)中のインキあるいは塗液のみを紙やフィルムに転写するグラビア印刷法あるいはグラビア塗工法として知られ、印刷インキによる一般印刷あるいは接着剤やニス等の塗工に広く使用されている。
【0003】
しかし、上記グラビア印刷あるいはグラビア塗工において、前記のドクター装置でかき落とされたインキあるいは塗工液が飛散、流出してシリンダーの側面やシャフト等を汚すという問題があり、この汚れは、次の印刷や塗工に悪影響となるので洗浄しなければならないが、この汚れ問題は、実質的に避けられないとの認識から、従来は多大な労力と費用(例えば、洗浄用タンクと洗浄剤費あるいは大がかりな自動洗浄機の設置による設備費とその洗浄剤費等)を掛けて、印刷や塗工後に洗浄しているのが一般的であった。
【0004】
そこで本発明者らは、上記多大な労力と費用の問題点の解決策として、例えば図6の側断面図に示すように、ドクター装置(10)を構成するドクターホルダー(12)の下部に、くの字に加工された短冊状のプラスチック板でなるスクレーパ(16)を取り付け、その先端(16a)を、回転するシリンダー状グラビア版(20)の両端の非画像部(セルのない部分)に接するように取り付けて、印刷または塗工の試験を行い、その時のシリンダー側面(22)のインキ汚れ程度を観察した。
【0005】
しかしながら、上記プラスチック板のスクレーパ(かき板)方式では、従来の汚れ防止対策を施さない方式に比べ、インキや塗液の飛散、流出によるシリンダー側面のインキ汚れが約20%の抑制効果でしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、グラビア印刷あるいは塗工において、それに用いるシリンダー状グラビア版の側面のインキ汚れの抑制を、コストが嵩まず簡便な手段でほぼ完全に成し得るシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、回転するシリンダー状グラビア版面の余分な印刷インキもしくは塗工液をかき落とす、ドクターホルダー板の間にドクターブレード、あて板が順に挟まれているドクター装置において、該ドクター装置の両端で、シリンダー状グラビア版の非画像部に相当する位置に、前記ドクターブレードとあて板の間もしくはあて板とドクターホルダーの間に短冊状紙片の上端を挟み込み、該短冊状紙片がドクターブレードの刃先を包み込むようにしてその下端を前記シリンダー状グラビア版の回転方向と対向するように垂らされ、前記ドクターブレードの刃先でシリンダー状グラビア版に押しつけられるように接触設置されていることを特徴とするシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置としたものである。
【0008】
上記請求項1の発明によれば、短冊状紙片をドクター装置に挟み込むという簡便な手段で、かつこの接触する短冊状紙片によりシリンダー状グラビア版の両端非画像部(セルのない部分)の余分な印刷インキや塗工液が取られて、シリンダー状グラビア版の側面への印刷インキあるいは塗工液の飛散や流出を抑制するので、従来のような多大な労力と費用を掛ける洗浄操作を皆無にする汚れ防止用ドクター装置を提供できる。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記短冊状紙片は、坪量50〜300g/m2 の洋紙もしくは板紙でなることを特徴とする請求項1記載のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置としたものである。
【0010】
上記請求項2の発明によれば、短冊状紙片の坪量を50〜300g/m2 として、紙の腰強度や厚さを限定することによって、シリンダー状グラビア版側面の汚れを抑制するドクター装置とするもので、坪量50g/m2 に満たない薄くて腰強度のない短冊状紙片では、インキパン(液状インキを入れる皿状のもの)から持ち上げられるインキまたは塗液とともに持ち上げられ、ドクター装置に巻き込まれたりする危惧があり、また、坪量300g/m2 を越える厚くて腰強度のある短冊状紙片では、シリンダー状グラビア版面とドクターブレード間に、フレキシブルなブレードの押し圧では防ぎきれない間隔が生じて印刷汚れや塗工ムラの原因となるので好ましくない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
本発明は、図2の側断面図に示すように、グラビア法の印刷や塗工に用いるシリンダー状グラビア版(20)の側面(22)やシャフト(24)等の汚れを防止するためのドクター装置(10)に関するものである。
【0012】
そのシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置(10)は、図1の正面図および図2に示す図1のB−B面断面図に示すように、例えば回転するシリンダー状グラビア版(20)面の余分なインキもしくは塗工液をかき落とすためのドクター装置(10)であり、そのドクター装置(10)は、ドクターホルダー板(12)の間にドクターブレード(11)、あて板(13)が順に挟まれているもので、図1に示すように、そのドクター装置(10)の両端で、シリンダー状グラビア版の非画像部(26)に相当する位置に、図2に示すように、前記ドクターブレード(11)とあて板(13)の間に短冊状紙片(30)の上端を挟み込みんでボルト(15)で締めて固着し、この短冊状紙片(30)でドクターブレード(11)の刃先(11a)を包み込むようにし、その下端を前記シリンダー状グラビア版(20)の回転方向(P)と対向するように垂らし、前記ドクターブレードの刃先(11a)でシリンダー状グラビア版(20)に押しつけるように短冊状紙片(20)を接触させるものである。
【0013】
上記短冊状紙片(30)の上端の挟み込みは、図示しないがドクターホルダー板(12)とあて板(13)との間としてもよい。あるいはドクターホルダー板(12)にテープ等で貼着しても構わないが、使用する印刷インキや塗工液の溶剤等で剥がれたりするので好ましくなく、上記のように挟み込みによる取り付けが好ましい。
【0014】
また本発明では、図2に示す短冊状紙片(30)の材料を坪量50〜300g/m2 の洋紙もしくは板紙とし、その腰強度や厚さを限定し、その長さは、特に限定するものではないが、例えば図2に示すように、短冊状紙片(30)の垂れ下がる下端(30b)がインキパン(40)中の印刷インキもしくは塗工液(42)に接触しない程度とする好ましい。
【0015】
上記のように短冊状紙片の腰強度や厚さを坪量で限定するもので、坪量が50g/m2 に満たない薄くて腰強度のない短冊状紙片(30)では、例えばインキパン(40)から回転するシリンダー状グラビア版(20)に沿って持ち上げられるインキまたは塗液(42a)とともに短冊状紙片(30)の下端(30b)まで持ち上げられ、ドクター装置(10)に巻き込まれたりする危惧があり好ましくない。
【0016】
また逆に坪量が300g/m2 を越えて厚くかつ腰強度のある短冊状紙片(30)とすると、例えば図3の部分正面拡大図に示すように、シリンダー状グラビア版(20)面とドクターブレード(11)間に、この厚い短冊状紙片(30)が挟まれるようになり、従ってこの短冊状紙片(30)の端に、フレキシブルなドクターブレード(11)の押し圧でも防ぎきれない間隔(11b)が生じて、この部分にすじ状の印刷汚れや塗工ムラとなって現れるので好ましくない。
【0017】
また、短冊状紙片(30)の垂れ下がる下端(30b)がインキパン(40)中の印刷インキあるいは塗工液(42)に接触する長さとすると、回転するシリンダー状グラビア版(20)に沿って持ち上げられるインキまたは塗液(42a)とともに持ち上げられ、ドクター装置(10)に巻き込まれたりする危惧があるので好ましくない。
【0018】
本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置(1)を構成する
短冊状紙片(30)の洋紙としては、例えば上質紙、中質紙、コート紙、アート紙が挙げられ、また板紙としては、コートボール、ノーコートボール、コートマニラ、コート・ノーコートアイボリーなどが挙げられ、シリンダーの大きさ等によって適宜選定することができる。
【0019】
以上のようなシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置(10)は、図4の側断面図に示すように、インキパン(40)の印刷インキあるいは塗工液(42)にシリンダー状グラビア版(20)を直接ドブ漬けするドブ漬け型のグラビア方式、あるいは図5に示すように、インキパン(40)とシリンダー状グラビア版(20)との間にファニッシャーロール(50)を介して印刷インキあるいは塗工液(42)をシリンダー状グラビア版(20)に供給する着けローラ型のグラビア方式のいずれにも適用可能で、後者の着けローラ型に適用した場合は、シリンダー状グラビア版(20)の側面(22)およびそのシャフト(24)の他にファニッシャーロール(50)の側面(52)にもインキ汚れ等を抑制できる効果があるものである。また図示しないが、ノズルから回転するシリンダー状グラビア版に印刷インキあるいは塗工液をかける方式(カスケード型という)にも短冊状紙片の長さ等を考慮すれば適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、回転するシリンダー状グラビア版面の余分な印刷インキもしくは塗工液をかき落とすドクター装置の両端で、シリンダー状グラビア版の非画像部に相当する位置に、前記ドクターブレードとあて板の間もしくはあて板とドクターホルダーの間に短冊状紙片の上端を挟み込み、該短冊状紙片がドクターブレードの刃先を包み込むようにしてその下端を前記シリンダー状グラビア版の回転方向と対向するように垂らされ、前記ドクターブレードの刃先でシリンダー状グラビア版に押しつけられるように接触設置されているように、簡便な手段でシリンダー状グラビア版の側面の印刷インキあるいは塗工液の飛散や流出を抑制できるので、従来のような多大な労力と費用を掛ける洗浄操作を皆無にする汚れ防止用ドクター装置とすることができる。
【0021】
また、前記短冊状紙片の坪量を50〜300g/m2 として、紙の腰強度や厚さを限定することによって、短冊状紙片の巻きつき等のトラブルがなくより確実にシリンダー状グラビア版側面のインキ汚れを抑制するドクター装置とすることができる。
【0022】
従って本発明は、グラビア印刷あるいは接着剤やニスのグラビア塗工法に用いるシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置の一実施の形態を説明するための正面図である。
【図2】本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置の実施の形態を説明するもので、図1のB−B面断面図である。
【図3】本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置の一実施の形態を説明する部分拡大正面図である。
【図4】本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置が適用可能なグラビア方式の一事例を示す側断面図である。
【図5】本発明のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置が適用可能なグラビア方式の他の一事例を示す側断面図である。
【図6】従来試されたシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置の一事例を説明する側断面図である。
【符号の説明】
10‥‥ドクター装置
11‥‥ドクターブレード
11a‥‥ドクターブレードの刃先
11b‥‥ドクターブレードの押し圧でも防ぎきれない間隔
12‥‥ドクターホルダー板
13‥‥あて板
15‥‥ボルト
16‥‥スクレーパ
16a‥‥スクレーパの先端
20‥‥シリンダー状グラビア版
22‥‥シリンダー状グラビア版の側面
24‥‥シャフト
26‥‥非画像部
30‥‥短冊状紙片
30a‥‥短冊状紙片の上端
30b‥‥短冊状紙片の下端
40‥‥インキパン
42‥‥印刷インキあるいは塗工液
42a‥‥持ち上げられる印刷インキあるいは塗工液
50‥‥ファニッシャロール
52‥‥ファニッシャロールの側面
54‥‥紙
56‥‥圧胴
P‥‥シリンダー状グラビア版の回転方向

Claims (2)

  1. 回転するシリンダー状グラビア版面の余分な印刷インキもしくは塗工液をかき落とす、ドクターホルダー板の間にドクターブレード、あて板が順に挟まれているドクター装置において、該ドクター装置の両端で、シリンダー状グラビア版の非画像部に相当する位置に、前記ドクターブレードとあて板の間に短冊状紙片の上端を挟み込み、該短冊状紙片がドクターブレードの刃先を包み込むようにしてその下端を前記シリンダー状グラビア版の回転方向と対向するように垂らされ、前記ドクターブレードの刃先でシリンダー状グラビア版に押しつけられるように接触設置されていることを特徴とするシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置。
  2. 前記短冊状紙片は、坪量50〜300g/m2 の洋紙もしくは板紙でなることを特徴とする請求項1記載のシリンダー側面の汚れ防止用ドクター装置。
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