JP3661510B2 - 耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板及びその製造方法に関する。詳しくは、建築、タンク、橋梁、産業機械及び鋼管など各種溶接構造物の素材として好適な880MPa以上の引張強度、なかでも950MPa以上の引張強度を有する耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板とその製造方法に係わるもので、特に歪み量が5%以下の場合には、歪み時効処理した後でも優れた低温靱性と加工硬化特性を示す高強度厚鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築、タンクや橋梁など各種溶接構造物の大型化傾向が顕著になっており、これらの溶接構造物に使用される鋼板に対しても、より一層の高強度化、厚肉化の要求がなされるようになってきた。
【0003】
例えば、海峡大橋に代表される長大橋梁、海洋構造物であるジャッキアップ型の掘削リグ、産業機械などに対し、既に多くの引張強度が780MPa級の高張力鋼板が使用されている。更に、近年では、超高落差の水力発電所の水圧鉄管において引張強度が950MPa級の高張力鋼板も使用されており、今後溶接構造物に対して引張強度が880MPa以上の超高強度鋼板が一層盛んに用いられることが考えられる。
【0004】
こうした状況の下、引張強度が880MPa以上の超高強度鋼の製造技術に対して盛んに検討が進められており、高い靱性と優れた溶接性を具備させた高強度厚鋼板を安定多量に供給するための技術が提案されている。
【0005】
例えば、特公平6−4889号公報には、重量%で、0.20〜0.35%のCを含むMn−Ni−Cr−Mo鋼でMn/Cr比を1.5以下にすることによって、40mm以上の板厚で90kgf/mm2 (882MPa)以上の引張強度を有する「厚肉超高張力鋼の製造方法」が開示されている。又、特開平8−269546号公報には、引張強度が950MPa以上の鋼板の強靱化のために、重量%で、1.8〜2.5%の高いMn含有量の鋼において、C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びV量で規定される関数Pの値を所定の範囲になるように成分設計した上で、熱間圧延時にオーステナイト・フェライト2相域で制御圧延した後に冷却処理する技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記の各公報で提案された技術は、耐歪み時効特性に対する配慮がなされていないので、高強度鋼板を各種溶接構造物の素材として用いると、歪み時効のために特性が劣化してしまうことがある。
【0007】
溶接構造用の鋼材、なかでも鋼板は成形のために冷間加工される場合があり、又、直接に加工を行わなくとも、溶接時あるいは熱処理時に生ずる熱歪みや長期間使用される間に生ずる歪みなど、鋼材中に各種の歪みが部分的に蓄えられる場合がある。こうした歪み量は5%以下の小さなものであるが、歪んだ部材が更に長期間使用された場合、歪み時効による鋼材の劣化が生ずることがあり、特に、引張強度が880MPa以上の高強度鋼材においては、歪み時効による鋼材の劣化が大きくなる。
【0008】
すなわち、引張強度が400MPa級や500MPa級の鋼材のように従来多用されてきた鋼材の歪み時効による劣化は、歪み時効処理材をシャルピー衝撃試験した結果などによって、実用上ほとんど問題のないことが確認されている。しかし、一般に金属材料は高強度化するほど靱性及び伸び(特に一様伸びの値)が低下する。このため、引張強度が880MPa以上の高強度鋼材の場合、歪み時効によって靱性や一様伸びが大きく低下してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、その目的は、建築、タンク、橋梁、産業機械及び鋼管など各種溶接構造物の素材として好適な、880MPa以上の引張強度、なかでも950MPa以上の引張強度を有する厚さ3.0mm以上の耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板とその製造方法を提供することで、特に歪み量が5%以下の場合には、歪み時効処理した後でも優れた低温靱性と加工硬化特性を示す高強度厚鋼板とその製造方法を提供することである。なお、歪み時効処理後の具体的な特性の目標は、歪み時効処理前の60%以上のシャルピー衝撃特性及び引張試験時の一様伸びを有していることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)に示す耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板、及び(2)、(3)に示す耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法にある。
【0011】
(1)質量%で、C:0.06〜0.15%、Mn:0.40〜1.80%、Mo:0.10〜0.80%、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.004〜0.015%、B:0.0003〜0.003%、Si:0.20%以下、Al:0.008〜0.08%を含み、必要に応じて、Cu:1.5%以下、Ni:3.11%以下、Cr:1.0%以下、V:0.1%以下、Zr:0.03%以下及びCa:0.0030%以下のうち1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、不純物中のPは0.010%以下、Sは0.005%以下、Nは0.0040%以下で、更に下記(1)式で表されるA値が0.42%以下、及び下記(2)式で表されるB値が1.5以下を満足する耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板。
【0012】
A=50N(%)+C(%)+0.3Si(%)+10P(%)・・・(1)式
B={50N(%)+C(%)}/{4Nb(%)+V(%)+10Ti(%)
+2Al(%)+15Zr(%)+3Ca(%)} ・・・(2)式
(2)上記(1)に記載の化学組成を有する鋼片を、950〜1100℃の温度域に加熱して熱間圧延を行った後、850〜700℃の温度から300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷し、次いで、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却することを特徴とする耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法。
【0013】
(3)上記(1)に記載の化学組成を有する鋼片を熱間圧延して得られた厚鋼板を、800〜950℃の温度域に加熱した後、300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷し、次いで、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却することを特徴とする耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法。
【0014】
なお、上記の各温度は鋼片や鋼板の厚さ方向中心部の温度をいい、「冷却速度」も鋼板の板厚中心部における冷却速度をいう。又、「厚鋼板」とは厚さ3.0mm以上の鋼板を指す。
【0015】
以下、上記の(1)〜(3)に記載のものをそれぞれ(1)〜(3)の発明という。
【0016】
本発明者らは、前記した課題を解決するために、すなわち、880MPa以上の引張強度、なかでも950MPa以上の引張強度を有する厚さ3.0mm以上の耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板とその製造方法を提供するために、種々検討を行った結果、下記の知見を得た。
【0017】
(a)歪み時効の直接の原因となるN及びCの含有量を制限することに加えて、SiとPの含有量を制限すれば、高強度鋼材の歪み時効後の低温靱性と一様伸びとを向上させることができる。特に、前記(1)式で表されるA値を0.42%以下とすれば、引張強度が880MPa以上の高強度鋼材において、時効処理による低温靱性と加工硬化特性の劣化を抑制することができる。
【0018】
(b)Alの含有に加え、Nb、V、Ti、Zr及びCaは適正量含有させることによって高強度鋼材の歪み時効による特性劣化を軽減する作用を有する。特に、前記(2)式で表されるB値を1.5以下とすれば、引張強度が880MPa以上の高強度鋼材の歪み時効感受性が著しく低減するので、時効処理による低温靱性と加工硬化特性の劣化を抑制することができる。
【0019】
(c)鋼が特定の化学組成を有するとともに、上記(a)で述べたA値及び(b)で述べたB値を満足しておれば、引張強度が880MPa以上の高強度鋼材に優れた低温靱性と溶接性を具備させることができ、しかも、歪み量が5%以下の場合には、歪み時効処理した後でも優れた低温靱性と加工硬化特性を確保させることができる。
【0020】
(d)鋼材の歪み時効感受性を低減し、歪み時効による特性の劣化を一層安定して抑制するには、前記鋼材の製造において、焼き戻し後に400〜200℃の温度まで加速冷却し、その後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却すればよい。
【0021】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「重量%」を意味する。
【0023】
(A)鋼板の化学組成
C:0.06〜0.15%
Cは、鋼板の強度を確保する目的で含有させるが、その量が0.06%未満では焼き入れ性が不足するため、引張強度で880MPaの強度を確保することが難しく、更に、十分な靱性も得難い。一方、その含有量が0.15%を超えると、母材の靱性及び耐歪み時効特性が低下するだけでなく、溶接部の硬度が上昇して低温割れ感受性が高くなる。したがって、Cの含有量を0.06〜0.15%とした。
【0024】
Mn:0.40〜1.80%
Mnは、鋼板の焼入れ性を向上させ、強度を高めるために添加する元素で、その含有量が0.40%未満では、所望の強度を確保することが困難となる。一方、1.8%を超えて含有させると、母材と溶接部の靱性がともに低下する。したがって、Mnの含有量を0.40〜1.80%とした。
【0025】
Mo:0.10〜0.80%
Moは、焼入れ性向上効果及び焼戻し処理時の析出強化によって、強度と靱性を高める作用を有する。しかし、その含有量が0.10%未満では添加効果に乏しい。一方、0.80%を超えると、鋼の強度を過度に高めるので、却って母材及び溶接部の靱性が損なわれる。したがって、Moの含有量を0.10〜0.80%とした。
【0026】
Nb:0.005〜0.03%
Nbは、母材の組織を微細化し、マルテンサイト組織を微細にすることで、厚肉高強度鋼の靱性を大幅に向上させる作用がある。更に、主にC、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素を安定化し、耐歪み時効特性を向上させる効果も有する。しかし、その含有量が0.005%未満では前記の効果が得られない。一方、0.03%を超えて含有させると、溶接性が損なわれるばかりか、母材の靱性や耐歪み時効特性も却って低下する。したがって、Nbの含有量を0.005〜0.03%とした。
【0027】
Ti:0.004〜0.015%
Tiは、C、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素を安定化し、耐歪み時効特性を大幅に向上させる効果を有し、本発明において不可欠の元素である。更に、Tiには、母材や溶接熱影響部の組織を微細化し、高強度鋼の母材や溶接熱影響部の低温靱性を高める作用もある。しかし、その含有量が0.004%未満ではこれらの効果が得難く、一方、0.015%を超えて含有させると却って耐歪み時効特性が損なわれ、更に、溶接性や母材靱性も低下してしまう。したがって、Tiの含有量を0.004〜0.015%とした。
【0028】
B:0.0003〜0.003%
Bは、焼入れ性を高めて強度と靱性を向上させる作用がある。しかし、その含有量が0.0003%未満では前記の効果が期待できず、一方、0.003%を超えると、鋼の強度が過度に高まり、母材及び溶接部の靱性が損なわれる。したがって、Bの含有量を0.0003〜0.003%とした。
【0029】
Si:0.20%以下
Siは通常脱酸剤として添加されるが、その含有量が0.20%を超えると、母材及び溶接部の靱性が低下するし、耐歪み時効特性も低下するため、Siの含有量を0.20%以下とした。母材及び溶接部の靱性、耐歪時効特性を高めるためには、Siの含有量を0.10%以下とすることが好ましい。
【0030】
Cu:1.5%以下
Cuは添加しなくてもよい。添加すれば、焼入れ性を高め、溶接性をあまり損なうことなく母材を強靱化する作用がある。この効果を確実に得るには、Cuは0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が1.5%を超えると、母材及び溶接部の靱性が損なわれるばかりでなく、熱間延性も大きく低下させる場合がある。したがって、Cuの含有量を1.5%以下とした。
【0031】
Ni:3.11%以下
Niは、添加しなくてもよい。添加すれば、高強度鋼の低温靱性、脆性亀裂伝播停止性能及び溶接性の改善に有効である。この効果を確実に得るには、Niは0.3%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、上限を超えて含有させると前記効果の向上代が小さくなってコストが嵩むばかりか、焼き入れ−焼戻し処理しても過度のオーステナイトが残留して降伏強度が低下する場合がある。本願発明では、Niの含有量を3.11%以下とした。
【0032】
Cr:1.0%以下
Crは添加しなくてもよい。添加すれば、焼入れ性向上効果及び焼戻し処理時の析出強化によって、強度と靱性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Crは0.10%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が1.0%を超えると、鋼の強度を過度に高めるので、却って母材及び溶接部の靱性が損なわれる。したがって、Crの含有量を1.0%以下とした。
【0033】
V:0.1%以下
Vも添加しなくてもよい。添加すれば、焼入れ性向上効果によって、強度と靱性を高める作用がある。更に、C、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素を安定化し、耐歪み時効特性を向上させる効果も有している。こうした効果を確実に得るには、Vは0.005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.1%を超えると、鋼の強度を過度に高めるので、却って母材及び溶接部の靱性が損なわれる。したがって、Vの含有量を0.1%以下とした。
【0034】
Zr:0.03%以下
Zrは添加しなくてもよい。添加すれば、鋼中の介在物の形態を制御し、母材及び溶接部の靱性向上や耐食性向上に効果があるだけでなく、C、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素を安定化し、耐歪み時効特性を向上させる効果も有している。この効果を確実に得るには、Zrは0.005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.03%を超えると、鋼の清浄度が低下し、母材及び溶接部の靱性低下を招くばかりでなく、耐歪み時効特性も低下してしまう。したがって、Zrの含有量を0.03%以下とした。
【0035】
Ca:0.0030%以下
Caも添加しなくてもよい。添加すれば、鋼中の介在物の形態を制御し、母材及び溶接部の靱性向上や耐食性向上に効果があるだけでなく、耐歪み時効特性を向上させる効果も有している。この効果を確実に得るには、Caは0.0010%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.0030%を超えると、鋼の清浄度が低下し、母材及び溶接部の靱性低下を招くばかりでなく、耐歪み時効特性も低下してしまう。したがって、Caの含有量を0.0030%以下とした。
【0036】
Al:0.008〜0.08%
Alを添加すれば、鋼を脱酸する作用に加えて、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素を安定化し、耐歪み時効特性を大幅に向上させる効果も有している。これらの効果を確実に得るには、Alは0.008%以上の含有量とすることが必要である。しかし、Alの含有量が0.08%を超えると、溶接部の特性が劣化するだけでなく、耐歪み時効特性や溶接性も却って低下する。したがって、Alの含有量を0.008〜0.08%とした。
【0037】
本発明においては、不純物元素としてのP、S及びNの含有量を下記のとおりに制限する。
【0038】
P:0.010%以下
Pは母材及び溶接熱影響部の低温靱性を損なうだけでなく、溶接性をも低下させ、更に、耐歪み時効特性も低下させてしまうので、その含有量はできるだけ低くすること好ましいが、P含有量の過度の低減はコスト上昇を招く。したがって、実害を生じさせない範囲として、Pの含有量を0.010%以下とした。
【0039】
S:0.005%以下
Sは母材及び溶接熱影響部の低温靱性を損なうだけでなく、溶接性をも低下させるので、その含有量はできるだけ低くすること好ましいが、S含有量の過度の低減はコスト上昇を招く。したがって、実害を生じさせない範囲として、Sの含有量を0.005%以下とした。
【0040】
N:0.0040%以下
Nは母材及び溶接部の靱性を低下させることに加えて歪み時効感受性を高めてしまう。特にその含有量が0.0040%を超えると、母材及び溶接部の靱性低下が著しくなるばかりか、歪み時効感受性が極めて大きくなり、N以外の元素の含有量を調整して種々の歪み時効感受性低減対策、つまり、耐歪み時効特性向上対策を施しても効果が得られない。したがって、Nの含有量を0.0040%以下とした。
【0041】
A値:0.42%以下
化学組成が既に述べた値であっても、前記(1)式で表されるA値が0.42%を超えると、高強度鋼材の歪み時効感受性が増大し、耐歪み時効特性が劣化してしまう。したがって、A値を0.42%以下とした。なお、特に良好な耐歪み時効特性を確保させるためには、前記(1)式で表されるA値を0.35%以下にすることが望ましい。
【0042】
B値:1.5以下
化学組成が既に述べた値であっても、前記(2)式で表されるB値が1.5を超えると、高強度鋼材の歪み時効感受性が著しく増大し、耐歪み時効特性が極めて低下してしまう。したがって、B値を1.5以下とした。なお、特に良好な耐歪み時効特性を確保させるためには、前記(2)式で表されるB値を1.0以下にすることが望ましい。
【0043】
上記の化学組成を満足させることによって、(1)の発明に係る耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板が得られる。
【0044】
(B)鋼板の製造条件
(B−1)鋼片の加熱温度
鋼片の加熱温度は950〜1100℃とするのがよい。加熱温度が950℃未満では目的とする880MPa以上の引張強度が得難い場合がある。一方、加熱温度が1100℃を超えると、熱間圧延後に、C、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素の安定化が行えず良好な耐歪み時効特性を確保させることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保させることが難しくなる場合がある。したがって、鋼片の加熱温度は950〜1100℃とするのがよい。
【0045】
(B−2)熱間圧延後の急冷
良好な靱性と880MPa以上の引張強度を得るには、鋼片を前記(B−1)項に記載の温度に加熱して熱間圧延した後、850〜700℃の温度から300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷するのがよい。
【0046】
これは、急冷開始温度が850℃を超えると良好な低温靱性を得ることが難しい場合があり、700℃未満では目的とする880MPa以上の引張強度を得ることができない場合があるためである。
【0047】
又、急冷を300℃以下の温度まで行わないと、目的とする880MPa以上の引張強度を得ることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保することが難しくなる場合がある。
【0048】
更に、上記条件で行う急冷の冷却速度が5℃/秒未満の場合にも目的とする880MPa以上の引張強度を得ることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保することが難しくなることがある。
【0049】
したがって、熱間圧延した後、850〜700℃の温度から300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷するのがよい。この急冷処理は例えば、通常の水冷や油冷の処理とすればよい。
【0050】
(B−3)焼戻し
鋼板は650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却するのがよい。
【0051】
焼戻し温度が650℃を超えると、鋼材組織の軟化・粗大化が著しくなって所望の強度と靱性が得られなくなったり、耐歪時効特性が低下する場合があり、一方500℃を下回ると、靱性や耐歪時効特性が低下する場合がある。
【0052】
母材の低温靱性を高めるとともに、耐歪み時効特性を安定化させるために、加速冷却の停止温度は400〜200℃とするのがよいが、これは、加速冷却の停止温度が400℃を超えたり200℃を下回ると、所望の強度・靱性や耐歪み時効特性が得られない場合が生じるからである。
【0053】
又、加速冷却時の冷却速度が3℃/秒を下回っても所望の強度・靱性や耐歪み時効特性が得られないことがある。
【0054】
更に、加速冷却を停止した後室温まで冷却する冷却速度が30℃/hを超えると、所望の耐歪み時効特性が得られない場合がある。
【0055】
したがって、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却するのがよい。なお、加速冷却時の冷却速度は5℃/秒以上とすることが望ましく、10℃/秒以上とすれば一層好ましい。
【0056】
ここで、前記の加速冷却は、例えば、通常の水冷やミスト冷却で行えばよいし、30℃/h以下の冷却速度を得る方法については、例えば、板厚に応じ、空冷または炉冷や保温カバーによる徐冷などの方法で行えばよい。
【0057】
既に述べた(A)項、(B−1)〜(B−3)項における条件を満足させることによって、(2)の発明に係る耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法が得られる。なお、この製造方法は所謂「圧延後直接焼入れ」を利用するものである。
【0058】
次に、(3)の発明に係る耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法について述べる。なお、この製造方法は所謂「再加熱焼入れ」を利用するものである。
【0059】
(B−4)熱間圧延で製造した厚鋼板の加熱温度
熱間圧延で製造した厚鋼板の加熱温度が800℃未満では目的とする880MPa以上の引張強度を得ることができない場合がある。一方、加熱温度が950℃を超えると、C、Nなどの耐歪み時効特性に有害な元素の安定化が行えず良好な耐歪み時効特性を確保させることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保させることが難しくなる場合がある。したがって、熱間圧延で製造した厚鋼板の加熱温度は800〜950℃とするのがよい。
【0060】
(B−5)加熱後の急冷
良好な靱性と880MPa以上の引張強度を得るには、熱間圧延で製造した厚鋼板を前記(B−4)項に記載の温度に加熱した後、300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷するのがよい。
【0061】
急冷を300℃以下の温度まで行わないと、目的とする880MPa以上の引張強度を得ることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保することが難しくなる場合がある。
【0062】
更に、上記条件で行う急冷の冷却速度が5℃/秒未満の場合にも目的とする880MPa以上の引張強度を得ることが難しくなったり、構造部材としての良好な低温靱性を確保することが難しくなることがある。
【0063】
したがって、加熱後に300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷するのがよい。この急冷処理は例えば、通常の水冷や油冷の処理とすればよい。
【0064】
(B−6)焼戻し
前記(B−3)項の場合と同様に、鋼板は650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却するのがよい。
【0065】
焼戻し温度が650℃を超えると所望の強度が得られなかったり、耐歪時効特性が低下する場合があり、一方500℃を下回ると靱性や耐歪時効特性が低下する場合がある。
【0066】
母材の低温靱性を高めるとともに、耐歪み時効特性を安定化させるために、加速冷却の停止温度は400〜200℃とするのがよいが、これは、加速冷却の停止温度が400℃を超えたり200℃を下回ると、所望の強度・靱性や耐歪み時効特性が得られない場合が生じるからである。
【0067】
又、加速冷却時の冷却速度が3℃/秒を下回っても所望の強度・靱性や耐歪み時効特性が得られない場合がある。
【0068】
更に、加速冷却を停止した後室温まで冷却する冷却速度が30℃/hを超えると、所望の耐歪み時効特性が得られない場合がある。
【0069】
したがって、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却するのがよい。なお、加速冷却時の冷却速度は5℃/秒以上とすることが望ましく、10℃/秒以上とすれば一層好ましい。
【0070】
ここで、前記の加速冷却は、例えば、通常の水冷やミスト冷却で行えばよいし、30℃/h以下の冷却速度を得る方法については、例えば、板厚に応じ、空冷または炉冷や保温カバーによる徐冷などの方法で行えばよい。
【0071】
既に述べた(A)項、(B−4)〜(B−6)項における条件を満足させることによって、(3)の発明に係る耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法が得られる。
【0072】
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
【0073】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する転炉−連続鋳造設備にて製造した鋼片を用い、表2に示す種々の条件で板厚50mmの厚鋼板を製造した。
【0074】
表1における鋼A〜Hは化学組成が本発明で規定する範囲内にある本発明例、鋼I〜Mは成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比較例である。
【0075】
表2の製造方法の欄における「DQ」は所謂「圧延後直接焼入れ」を、「RQ」は所謂「再加熱焼入れ」を示す。加熱温度の欄は、「DQ」の場合、鋼片の加熱温度(但し、括弧内は急冷を開始した温度)を示し、「RQ」の場合、厚鋼板の加熱温度を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
前記の板厚50mmの厚鋼板に、「K開先」の突き合わせ溶接を施し、母材部の板厚中心部からJIS4号引張試験片とJIS4号シャルピー衝撃試験片を、又、溶接継ぎ手部のストレートシーム部からJIS4号シャルピー衝撃試験片を採取し、母材部の引張特性(降伏強度、引張強度及び一様伸び)とシャルピー衝撃特性(破面遷移温度vTs(℃)と−60℃での吸収エネルギーvE-60(J))、及び溶接継手部の−20℃でのシャルピー衝撃特性(吸収エネルギーvE-20(J))を調査した。なお、溶接条件は入熱4.5kJ/mmのSAW溶接とした。
【0079】
上記の試験結果を、表3に「歪み時効処理前の機械的性質」として示す。
【0080】
【表3】
【0081】
又、表2の各種条件で製造した板厚50mmの厚鋼板に、2.5%、5.0%の歪みを加えた後、250℃で1時間時効処理し、板厚中心部からJIS4号引張試験片とJIS4号シャルピー衝撃試験片を採取し、引張特性(一様伸び)とシャルピー衝撃特性(−60℃における吸収エネルギーvE-60(J))を調査した。表3に、この試験結果を「歪み時効処理後の機械的性質」として併せて示した。
【0082】
表3から、試験番号1〜14の本発明に係る厚鋼板の場合、母材部はいずれも引張強度950MPa以上の強度を有するとともに、母材部及び溶接継ぎ手部とも良好なシャルピー衝撃特性を有し、更に、歪み量が5%以下の場合には、歪み時効処理した後でも、歪み時効処理前の60%以上のシャルピー衝撃特性及び引張試験時の一様伸びを有しており、耐歪時効特性に優れていることが明らかである。
【0083】
これに対して、化学組成が本発明で規定する範囲から外れる比較例の鋼を用いた厚鋼板の場合、歪み時効処理後の、シャルピー衝撃特性及び引張試験時の一様伸び値の少なくとも一方が目標を満足しない。
【0084】
【発明の効果】
本発明の厚鋼板は、880MPa以上の引張強度を有し、しかも、耐歪み時効特性に優れているので建築、タンク、橋梁、産業機械及び鋼管など各種溶接構造物の素材として利用することができる。この厚鋼板は本発明の方法によって比較的容易に製造することができる。
【0085】
なお、本発明の厚鋼板の良好な耐歪み時効特性は、引張強度が880MPa以上、なかでも950MPaの超高強度の場合に顕著に得られるものではあるが、強度グレードを1グレード低くした引張強度が780MPa級の高張力厚鋼板の場合にも十分な耐歪み時効特性が得られるものである。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.06〜0.15%、Mn:0.40〜1.80%、Mo:0.10〜0.80%、Nb:0.005〜0.03%、Ti:0.004〜0.015%、B:0.0003〜0.003%、Si:0.20%以下、Al:0.008〜0.08%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、不純物中のPは0.010%以下、Sは0.005%以下、Nは0.0040%以下で、更に下記(1)式で表されるA値が0.42%以下、及び下記(2)式で表されるB値が1.5以下を満足する耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板。
A=50N(%)+C(%)+0.3Si(%)+10P(%)・・・(1)式
B={50N(%)+C(%)}/{4Nb(%)+V(%)+10Ti(%)
+2Al(%)+15Zr(%)+3Ca(%)} ・・・(2)式 - さらに、質量%で、Cu:1.5%以下、Ni:3.11%以下、Cr:1.0%以下、V:0.1%以下、Zr:0.03%以下及びCa:0.0030%以下のうち1種または2種以上を含み、下記(1)式で表されるA値が0.42%以下、及び下記(2)式で表されるB値が1.5以下を満足する請求項1に記載の耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板。
A=50N(%)+C(%)+0.3Si(%)+10P(%)・・・(1)式
B={50N(%)+C(%)}/{4Nb(%)+V(%)+10Ti(%)
+2Al(%)+15Zr(%)+3Ca(%)} ・・・(2)式 - 請求項1または2に記載の化学組成を有する鋼片を、950〜1100℃の温度域に加熱して熱間圧延を行った後、850〜700℃の温度から300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷し、次いで、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/時以下の冷却速度で冷却することを特徴とする耐歪時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法。
- 請求項1または2に記載の化学組成を有する鋼片を熱間圧延して得られた厚鋼板を、800〜950℃の温度域に加熱した後、300℃以下の温度まで5℃/秒以上の冷却速度で急冷し、次いで、650〜500℃の温度で焼き戻ししてから400〜200℃の温度まで3℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、加速冷却を停止した後室温まで30℃/h以下の冷却速度で冷却することを特徴とする耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法。
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