JP3661093B2 - ディスククランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスククランプ装置に係り、より詳細には種々の情報を記録した円盤状のディスクを回転させるターンテーブルを設けて、このターンテーブルとともにディスクを上方から挟持するクランパを備えたディスククランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスククランプ装置は、例えば、CD、DVDなどの種々の情報を記録した円盤状のディスクを少なくとも記録又は再生する際、ディスクを載置して回転させるターンテーブルを設け、このターンテーブルの上方からディスクを抑えてターンテーブルとともにディスクを挟持するクランパを備えている。図7は、このようなディスクを少なくとも記録又は再生する装置に採用した従来のディスククランプ装置を示す図である。また、図8は、図7に示したクランパ50の詳細を示す図である。また、図9は、図7に示したディスククランプ装置によりディスク1を挟持する動作を示す動作説明図であり、図9(a)は挟持する前の状態を、図9(b)は挟持した後の状態を、図9(c)は挟持後に衝撃を受けた状態を各々示している。
【0003】
図7に示すように、ディスクを少なくとも記録又は再生する装置に採用した従来のディスククランプ装置は、DVDなどのディスク1を少なくとも記録又は再生する装置の外装を形成する本体10を備え、この本体10にディスク1を搬送及び排出するトレイ40を設け、このトレイ40の下部で昇降可能に支持されて本体10内に搬送されたディスク1を載置して回転させるターンテーブル34と、このターンテーブル34上に配置されてターンテーブル34とともにディスク1を上方から挟持するクランパ50とを備えている。
【0004】
ここで、ターンテーブル34は、本体10内の底面に弾性を備える弾性部材32を介してフローティング(浮動)状態に支持された浮動シャシ30の表面に配置されている。また、ターンテーブル34は、浮動シャシ30の表面に配置したモータ34aと、このモータ34aに回転可能に軸支した回転台34bとにより形成されている。この回転台34bは、内部に磁気性を備えたマグネット(図示せず)を設け、このマグネットによりクランパ50を吸着して間にディスク1を挟持する構造を備えている。
【0005】
また、浮動シャシ30には、ターンテーブル34を配置した近傍にトレイ40により搬送されたディスク1を少なくとも記録又は再生する光ピックアップ36などの光学部品を複数配置している。この浮動シャシ30は、ディスク1を搬送するトレイ40の下部に昇降可能に支持され、ターンテーブル34をクランパ50の位置まで上昇させてクランパ50とともにディスク1を挟持するように形成している。
【0006】
また、クランパ50は、本体10内のターンテーブル34上に固定板29を配置し、この固定板29の挿入穴29a(図8参照)に回転可能に支持されている。この固定板29は、図8に示すように、平板状の表面にクランパ50を回動可能に支持する円形状の支持穴29aを開口している。そして、クランパ50は、この支持穴29aに挿入する円筒状の挿入部51と、この挿入部51の一端側を円盤形状に延在して封止するフランジ状の鍔部52とにより形成されている。この挿入部51には、円筒状の周壁に弾性を備えて突出するツメ部54を複数形成している。また、クランパ50には、円盤状で金属体からなる金属板58を装着し、前述したターンテーブル34のマグネットにより吸着されてターンテーブル34との間にディスク1を挟持するように形成している。この金属板58は、クランパ50に一体に形成した軸55により位置決めされるとともに、挿入部51の内周に形成した係止ツメ56により固定される。
【0007】
このような構成からなる従来のディスククランプ装置を用いてディスク1を挟持する場合、まず、図7に示したようにディスク1をトレイ40に載置し、このトレイ40を摺動させてディスク1を本体10内に収納する。この際、トレイ40が本体10内に摺動すると、図9(a)に示すように、浮動シャシ30が同時に上昇してターンテーブル34をクランパ50に近接させる。これによりターンテーブル34は、浮動シャシ30の上昇によりディスク1を載置してトレイ40から取り上げて芯出しする。これと同時に、ターンテーブル34は、図9(b)に示すように、モータ34aに軸支された回転台34bのマグネットにより、芯出ししたディスク1上に金属板58を装着したクランパ50を吸着する。これによりディスク1は、ターンテーブル34とクランパ50との間に挟持され、図7に示したモータ34aにより回転して浮動シャシ30に設けた光ピックアップ36などの光学部品により、所定の情報が少なくとも記録又は再生される。
【0008】
このように、従来のディスククランプ装置は、図8に示したように、ツメ部54によりクランパ50を固定板29の支持穴29aに回動可能に支持し、このクランパ50に金属板58を装着して図9(b)に示したようにターンテーブル34のマグネット(図示せず)に吸着させることでターンテーブル34とクランパ50との間にディスク1を挟持するように形成していた。
【0009】
しかしながら、このような従来のディスククランプ装置では、固定板29に弾性を備えるツメ部54を介してクランパ50を支持しているため、図9(c)に示すように、クランパ50のツメ部54が撓んでターンテーブル34の中心位置からクランパ50がズレてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のディスククランプ装置では、クランパ50が固定板29に弾性を備えるツメ部54を介して支持されているため、本体10(図7参照)に所定の衝撃が加わった場合、図9(c)に示したように、ツメ部54が撓んでターンテーブル34の中心位置からクランパ50がズレてしまい、本体10内でディスク1の芯出し及び挟持を良好に行えないという不具合があった。
本発明はこのような課題を解決し、クランパのツメ部による撓みを抑えてターンテーブル上でのズレを防止し、ディスクの芯出し及び挟持を良好に行えるディスククランプ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、種々の情報を記録した円盤状のディスクを回転させるターンテーブルを設けてこのターンテーブルとともにディスクを上方から挟持するクランパを備えたディスククランプ装置であって、クランパをターンテーブル上に回動可能に支持する支持穴を備えた固定板と、この固定板の支持穴に挿入する挿入部を備えて一端側にフランジ状に延在して挿入方向の後端で係止する鍔部を備えて他端側に弾性を有して挿入方向外周の先端で出没して抜け防止に係合する複数のツメ部を設けたクランパと、このクランパ内に固定されて外周縁が外周のツメ部に当接して撓みを抑えるとともにターンテーブルにクランパを磁着させてディスクを挟持する金属板とを設ける。
【0012】
ここで、ツメ部は、クランパに複数形成した少なくとも1つ以上を弾性がなくクランパから直接突出した突起部に形成することで、固定板に装着した際の撓みを低減することが好ましい。また、金属板は、クランパに装着して回転させることでクランパに設けた係止ツメに係合して固定するとともに、この固定時にクランパのツメ部に当接して撓みを抑えることが好ましい。また、ツメ部には、金属板に向かって延在するリブを一体に形成し、このリブに金属板が当接して撓みを防止することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明によるディスククランプ装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明によるディスククランプ装置の実施の形態を示す図である。また、図2は、図1に示したクランパ20の詳細を示す図である。また、図3は、図2に示したクランパ20を固定板29に装着する動作を示す図であり、図3(a)はクランパ20を圧入する状態を、図3(b)はクランパ20を装着した状態を各々示している。また、図4は、図2に示した固定板29にクランパ20及び金属板28を装着した状態を示す図である。また、図5は、図4に示したA−A線の断面を示す断面図である。また、図6は、図1に示したディスク1をターンテーブル34とクランパ20とにより挟持した状態を示す図である。ここで、図1に示したディスククランプ装置は、クランパ20及び金属板28以外は全て図6に示した従来のディスククランプ装置と同じ構成要素であり、同一構成要素には同じ符号を記載する。
【0014】
図1に示すように、本発明によるディスククランプ装置の実施の形態は、図7に示した従来技術と同様に、ディスクを少なくとも記録又は再生する装置に採用したものであり、DVDなどのディスク1を少なくとも記録又は再生する装置の外装を形成する本体10を備え、この本体10にディスク1を搬送及び排出するトレイ40を設け、このトレイ40の下部で昇降可能に支持されて本体10内に搬送したディスク1を載置して回転させるターンテーブル34と、このターンテーブル34上に配置されてターンテーブル34とともにディスク1を上方から挟持するクランパ20とを備えている。
【0015】
ここで、ターンテーブル34は、本体10内の底面に弾性を備える弾性部材32を介してフローティング(浮動)状態に支持された浮動シャシ30の表面に配置されている。このターンテーブル34は、浮動シャシ30の表面に配置したモータ34aと、このモータ34aに回転可能に軸支した回転台34bとにより形成されている。回転台34bは、内部に磁気性を備えたマグネット(図示せず)を設け、このマグネットによりクランパ20を吸着して間にディスク1を挟持する構造を備えている。
【0016】
また、浮動シャシ30には、ターンテーブル34を配置した近傍にトレイ40により搬送したディスク1を少なくとも記録又は再生する光ピックアップ36などの光学部品を複数配置している。この浮動シャシ30は、ディスク1を搬送するトレイ40の下部に昇降可能に支持され、ターンテーブル34をクランパ20の位置まで上昇させてクランパ20とともにディスク1を挟持するように配置している。
【0017】
また、クランパ20は、本体10内に配置したターンテーブル34の上部に固定板29を配置し、この固定板29に回転可能に支持されている。この固定板29は、図2に示すように、平板状の表面にクランパ20を回動可能に支持する円形状の支持穴29aを開口している。そして、クランパ20は、図8に示した従来技術とは異なり、固定板29の支持穴29aに挿入する円筒状で一端側を封止した凹状の挿入部21を備え、この挿入部21の端部にフランジ状に延在して固定板29の挿入穴29aに係止する鍔部22を設けている。また、クランパ20には、挿入部21の外周に弾性を備えて出没して抜け防止に係合するツメ部24と、このツメ部24とともに挿入部21の外周に突出させて抜けを防止する突起部23とを一体に形成している。また、クランパ20のツメ部24には、挿入部21の内側に向かって延在するリブ24aを一体に形成している。
【0018】
また、クランパ20は、円盤状で金属体からなる金属板28を挿入部21内に装着して固定する軸25と係止ツメ26とを一体に形成しており、この金属板28を装着することで前述したターンテーブル34のマグネットに吸着されてディスク1を挟持するように形成している。この金属板28には、図8に示した従来技術とは異なり、円盤状に形成されてクランパ20の軸25を挿入して位置決めする中心穴28aと、クランパ20の係止ツメ26を挿入するツメ穴28bと、ツメ部24に形成したリブ24aの当接を防止する切り欠き部28cとを形成している。
【0019】
このように形成されたクランパ20を固定板29に装着する場合、まず、図2に示したクランパ20の挿入部21を挿入穴29aに挿入してクランパ20を固定板29に固定させる。この際、クランパ20は、図3(a)に示すように、突起部23を形成した片側を固定板29の挿入穴29aに挿入した後、他方のツメ部24側を挿入穴29aに付勢させながら圧入する。これによりクランパ20は、図3(b)に示すように、固定板29の挿入穴29aに回動可能に支持される。この挿入穴29aに装着したクランパ20は、図3(b)に示した突起部23を形成する片側(左側)が弾性を備えてなく挿入穴29aに係合しているため、図9(c)に示した従来技術の撓みを防止できる。一方、クランパ20は、図3(b)に示したツメ部24側(右側)が弾性を備えているため、このツメ部24の撓みを金属板28(図2参照)を用いて防止している。
【0020】
この金属板28は、図2に示したように、中心穴28a、ツメ穴28b、及び切り欠き部28cにクランパ20の軸25、係止ツメ26、及びツメ部24のリブ24aを各々位置合わせして挿入する。そして、金属板28は、クランパ20の軸25、係止ツメ26、及びツメ部24のリブ24aに各々挿入した後、図2に示した軸25を中心に回転させる。これにより金属板28は、図4に示すように、係止ツメ26がツメ穴28bに係合してクランパ20内に固定されるとともに、切り欠き部28cが回転することでツメ部24のリブ24aが円盤状の外周に当接する。従って、クランパ20は、図5に示すように、挿入部21内に金属板28を回転させて装着することで係止ツメ26により固定され、この金属板28の外周縁にツメ部24のリブ24aを当接させてツメ部24の撓みを防止するように形成している。
【0021】
そして、このような構成からなるディスククランプ装置を用いてディスク1を挟持する場合、まず、図1に示したようにディスク1をトレイ40に載置し、このトレイ40を摺動させてディスク1を本体10内に収納する。この際、トレイ40が本体10内に摺動すると、浮動シャシ30が同時に上昇してターンテーブル34をクランパ20に近接させる。これによりターンテーブル34は、浮動シャシ30の上昇によりディスク1を載置してトレイ40から取り上げて芯出しする。これと同時に、ターンテーブル34は、図6に示すように、モータ34aに軸支された回転台34bのマグネットにより、芯出ししたディスク1上に金属板28を装着したクランパ20を吸着する。これによりディスク1は、ターンテーブル34とクランパ20との間に挟持され、図1に示したモータ34aにより回転して浮動シャシ30に設けた光ピックアップ36などの光学部品が駆動することで、所定の情報が少なくとも記録又は再生される。
【0022】
以上、本発明によるディスククランプ装置の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、クランパにツメ部と突起部とを各々1箇所設けた実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、クランパに複数のツメ部と突起部とを各々設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明によるディスククランプ装置によれば、クランパのツメ部を金属板を用いて固定するとともにツメ部の一部を突起部にすることで、ツメ部による撓みを抑えてクランパがターンテーブルの中心位置からズレることを防止しているため、本体内でディスクの芯出し及び挟持を良好に実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディスククランプ装置の実施の形態を示す図。
【図2】図1に示したクランパの詳細を示す図。
【図3】図2に示したクランパを固定板に装着する動作を示す図。
【図4】図2に示した固定板にクランパ及び金属板を装着した状態を示す図。
【図5】図4に示したA−A線の断面を示す断面図。
【図6】図1に示したディスクをターンテーブルとクランパとにより挟持した状態を示す図。
【図7】従来のディスククランプ装置を示す図。
【図8】図7に示したクランパの詳細を示す図。
【図9】図7に示したディスククランプ装置によりディスクを挟持する動作を示す動作説明図。
【符号の説明】
1 ディスク
10 本体
20 クランパ
21 挿入部
22 鍔部
23 突起部
24 ツメ部
24a リブ
25 軸
26 係止ツメ
28 金属板
28a 中心穴
28b ツメ穴
28c 切り欠き部
29 固定板
29a 挿入穴
30 浮動シャシ
32 ターンテーブル
32a モータ
32b 回転台
40 トレイ
Claims (4)
- 種々の情報を記録した円盤状のディスクを回転させるターンテーブルと、このターンテーブルとともに前記ディスクを上方から挟持するクランパとを備えたディスククランプ装置において、
前記クランパを前記ターンテーブル上に回動可能に支持する支持穴を備えた固定板と、
前記固定板の支持穴に挿入する挿入部を備えて一端側にフランジ状に延在して挿入方向の後端で係止する鍔部を備え、他端側に弾性を有して挿入方向外周の先端で出没して抜け防止に係合する複数のツメ部を設けたクランパと、
前記クランパ内に固定されて外周縁が前記外周のツメ部に当接して撓みを抑えるとともに前記ターンテーブルに前記クランパを磁着させて前記ディスクを挟持する金属板とを設けたことを特徴とするディスククランプ装置。 - 請求項1に記載のディスククランプ装置において、
前記ツメ部は、前記クランパに複数形成した少なくとも1つ以上を弾性がなく前記クランパから直接突出した突起部に形成することで、前記固定板に装着した際の撓みを低減することを特徴とするディスククランプ装置。 - 請求項1又は2に記載のディスククランプ装置において、
前記金属板は、前記クランパに装着して回転させることで前記クランパに設けた係止ツメに係合して固定するとともに、この固定時に前記クランパのツメ部に当接して撓みを抑えることを特徴とするディスククランプ装置。 - 請求項3に記載のディスククランプ装置において、
前記ツメ部には、前記金属板に向かって延在するリブを一体に形成し、このリブに前記金属板が当接して撓みを防止することを特徴とするディスククランプ装置。
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