JP3661027B2 - 複数の動力伝達機構を持つ走行車両 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば野菜選択収穫機の走行台車として採用するのに適した複数の動力伝達機構を持つ走行車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、野菜収穫機の走行台車に、手動操作による機械的な動力伝達手段として、車体に搭載したエンジンからテンションクラッチを備えたVベルトを介して変速機の入力軸に動力伝達し、変速機で変速してクローラ(あるいは車輪)を駆動回転して走行するようにしたものがある。また、上記変速機の入力位置に油圧無段変速装置(HST)や割りプーリを設けて、これらを別途操作して作業時に無段変速するようにしたものもある。そして、手動操作による作業用の微速走行制御(副変速)と、移動用の高速走行制御(主変速)とを可能にしている。さらに、上記油圧無段変速装置に圧油を供給制御する電磁弁を電気的な信号によって操作し、作業用の微速走行制御を行うようにしたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の野菜収穫機においては、変速機の入力位置に油圧無段変速装置や割りプーリを設けた場合には、構成が複雑となるばかりでなくコスト高になるという問題点があった。また、手動操作による移動用の高速走行制御と電気的な信号によって作業用の微速走行制御とを行う場合には、2系統の動力伝達機構のうちの使用しない伝動機構は確実に切り離しておき、使用する側の伝動機構を切換え操作する必要があり、構成が複雑になり、操作が面倒である、という問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、変速機の入力軸へ動力を伝達する手段として、手動操作による機械的な動力伝達機構と、電気的制御が可能な動力伝達機構とを有していながらも、構成の簡略化及び操作の簡略化を図ることができ、上記の各問題点を解決するようにした複数の動力伝達機構を持つ走行車両を提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、変速機6の入力軸7へ動力を伝達する入力プーリ8とエンジン3の出力軸4に設けた出力プーリ5との間にVベルト9を巻回し、該Vベルト9に対して手動により操作して動力を接・断するテンションクラッチ10と、前記入力プーリ8及び入力軸7に動力伝達する電気的制御が可能な油圧モータ11とを有する走行車両において、
上記油圧モータ11から入力プーリ8及び入力軸7に動力伝達する出力軸12に、一方向クラッチ13を同軸に組み込んだことを特徴とする。
【0006】
【作用】
上記の構成によって本発明の複数の動力伝達機構を持つ走行車両は、変速機の入力軸へ動力を伝達する手段として、手動操作による機械的な動力伝達機構と電気的制御が可能な動力伝達機構とを備え、電気的制御が可能な動力伝達機構に一方向クラッチを組み込むことにより、機械的な動力伝達機構を操作して移動用の高速走行制御を行っているときは電気的制御が可能な動力伝達機構に動力伝達されず、機械的な動力伝達機構を動力伝達しない状態にして、そのままの状態で電気的制御が可能な動力伝達機構により作業用の微速走行制御が行われる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付の図面に基づいて具体的に説明する。
図において、符号1は野菜選択収穫機の走行台車として用いられる,2つの動力伝達機構を持つ走行車両であり、その車体に左右一対のクローラ2,2を装備し、エンジン3を搭載している。エンジン3の出力軸4には出力プーリ(Vプーリ)5が固設され、この出力プーリ5と、クローラ2,2間に配設した変速機6の入力軸7に固設された入力プーリ(Vプーリ)8との間にVベルト9が巻回されている。このVベルト9の中間部には、テンションクラッチ10が設けられ、エンジン3から変速機6への動力伝達を入り,切り操作するようになっており、これらにより手動操作による機械的な動力伝達機構を構成している。
【0008】
一方、入力プーリ8の入力軸7と反対側には図示しない電磁弁(ソレノイドバルブ)により回転速度が制御される油圧モータ11が設けられ、この油圧モータ11の出力軸12の先端部に一方向(ワンウエイ)クラッチ13の軸心側が取付けられており、この一方向クラッチ13の外周側を入力プーリ8の入力軸7とは反対側面に、入力プーリ8及び入力軸7と同軸に接続し、これらにより電気的制御が可能な動力伝達機構を構成している。上記変速機6から左右に突出する変速出力軸14,14の各先端部には駆動ホイール15,15が固設され、クローラ2,2を駆動し走行するようにしている。
【0009】
そして、手動操作による機械的な動力伝達機構を作動させたとき、即ち、テンションクラッチ10を入り状態にしたときは、エンジン3から変速機6へ動力伝達され、移動用の高速走行制御が行われる。このとき、一方向クラッチ13は空転していて出力軸12及び油圧モータ11には動力伝達されない。また、テンションクラッチ10を切った状態にし、機械的な動力伝達機構を作動させずに電気的制御が可能な動力伝達機構を作動させたとき、即ち、電磁弁により油圧モータ11を作動させたときは、その動力が出力軸12及び一方向クラッチ13を介して入力プーリ8、入力軸7に伝達され、変速機6で変速されて作業用の微速走行制御が行われる。
【0010】
なお、図示しないが上記エンジン3の近傍には油圧装置の油圧ポンプが配設され、エンジン3から動力を受けて常時ほぼ一定回転数以上の回転数で回転駆動されるようになっている。従って、テンションクラッチ10を切って機械的な動力伝達機構を作動させないときでも、エンジン3はほぼ一定回転数を保って油圧ポンプを駆動している。また、油圧モータ11の回転速度を制御する電磁弁の操作を、遠隔操作可能に構成してもよいものである。
【0011】
次に、以上のように構成された2つの動力伝達機構を持つ走行車両(野菜選択収穫機の走行台車)1の動作について説明する。
まず走行車両1を移動用の高速走行制御するときは、テンションクラッチ10を手動により入り状態にすると、エンジン3の動力は出力軸4、出力プーリ5、Vベルト9を介して入力プーリ8に伝達され、入力軸7を回転させて変速機6に入力される。変速機6で変速された動力は、変速出力軸14,14に出力されて駆動ホイール15,15を介してクローラ2,2を駆動し高速走行する。このとき、一方向クラッチ13は空転し、出力軸12及び油圧モータ11を回転させない。
【0012】
次いで走行車両1を作業用の微速走行させるときは、テンションクラッチ10を切った状態にし、電磁弁を操作して油圧モータ11を作動させると、その動力は出力軸12及び一方向クラッチ13を介して入力プーリ8、入力軸7に伝達され、変速機6で変速されて変速出力軸14,14に出力し、駆動ホイール15,15を介してクローラ2,2を駆動し微速(自動)走行が行われ、野菜選択が行われる。このとき、油圧装置の油圧ポンプは、エンジン3から動力を受けてほぼ一定回転数以上の回転数で回転駆動されている。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複数の動力伝達機構を持つ走行車両によれば、変速機6の入力軸7へ動力を伝達する入力プーリ8とエンジン3の出力軸4に設けた出力プーリ5との間にVベルト9を巻回し、該Vベルト9に対して手動により操作して動力を接・断するテンションクラッチ10と、前記入力プーリ8及び入力軸7に動力伝達する電気的制御が可能な油圧モータ11とを有し、上記油圧モータ11から入力プーリ8及び入力軸7に動力伝達する出力軸12に、一方向クラッチ13を同軸に組み込んだので、機械的な動力伝達機構を操作して移動用の高速走行制御を行っているときは、一方向クラッチにより電気的制御が可能な動力伝達機構に動力伝達されず、機械的な動力伝達機構を動力伝達しない状態にして、電気的制御が可能な動力伝達機構を作動させるだけで一方向クラッチを介して作業用の微速走行(自動走行)制御を行うことができる。また、電気的制御が可能な動力伝達機構を作動させるときは、切換え操作を必要とせず、操作が簡単である。さらに、従来の変速機の入力位置に油圧無段変速装置や割りプーリを設けたものと比較して、操作が簡単となるばかりでなく、構成が簡単となり、生産コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数の動力伝達機構を持つ走行車両の概略平面図である。
【符号の説明】
1 2つの動力伝達機構を持つ走行車両(野菜選択収穫機の走行台車)
2 クローラ
3 エンジン
4 エンジンの出力軸
5 出力プーリ(Vプーリ)
6 変速機
7 変速機の
8 入力プーリ(Vプーリ)
9 Vベルト
10 テンションクラッチ
11 油圧モータ
12 油圧モータの出力軸
13 一方向(ワンウエイ)クラッチ
14 変速出力軸
15 駆動ホイール
Claims (1)
- 変速機(6)の入力軸(7)へ動力を伝達する入力プーリ(8)とエンジン(3)の出力軸(4)に設けた出力プーリ(5)との間にVベルト(9)を巻回し、該Vベルト(9)に対して手動により操作して動力を接・断するテンションクラッチ(10)と、前記入力プーリ(8)及び入力軸(7)に動力伝達する電気的制御が可能な油圧モータ(11)とを有する走行車両において、
上記油圧モータ(11)から入力プーリ(8)及び入力軸(7)に動力伝達する出力軸(12)に、一方向クラッチ(13)を同軸に組み込んだことを特徴とする複数の動力伝達機構を持つ走行車両。
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JP00580595A JP3661027B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 複数の動力伝達機構を持つ走行車両 |
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JPH08192650A JPH08192650A (ja) | 1996-07-30 |
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ID=11621305
Family Applications (1)
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JP00580595A Expired - Fee Related JP3661027B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 複数の動力伝達機構を持つ走行車両 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3661027B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP00580595A patent/JP3661027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08192650A (ja) | 1996-07-30 |
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