JP3660016B2 - 真空装置の異常放電抑制・消滅装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、真空中のプラズマを利用するスパッタ装置及びエッチング装置等の真空装置における異常放電を抑制・消滅する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直流電源に接続された真空装置において、電極のある一部に放電密度の高い部分が生ずる現象によってインピーダンスが低下したり、或いは、導電性のゴミ等が電極間を機械的に短絡する等によりプラズマの一時的な異常放電が発生したとき、その負荷電流の増加を検出し、検出してから数ミリ秒後に電源を遮断するが、負荷に特性或いは電源のフィルタの特性によって異常放電の消滅までに時間がかかるので、一定の休止時間(一般的には5〜数10ミリ秒)経過後に電圧を復帰させて作業を再開するという方法が広く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
反応性プロセス、即ち、例えばスパッタリングの最中に、ターゲットと封入ガスとが反応してターゲットに絶縁性堆積物が蓄積されるようなプロセスにおいては、電源が単純な直流では次第にプラズマ放電、延いてはスパッタリングが行われなくなるので、直流にこれと逆極性の数十kHzのパルスを重畳してスパッタリング装置の電極に印加している。そのため、このような真空装置においては、上記した従来のような単純な電圧又は電流のレベルの検出によっては真空装置における異常放電の検出ができなかった。
【0004】
本発明は、このような不具合を解消することができる真空装置における異常放電の抑制・消滅装置装置を提供することをその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、周期的にゲート信号が入力されているインバータ回路と、インバータ回路の出力を整流する整流器と、整流器の出力を平滑するフィルタとを備える直流電源にパルス電源を介して接続され、直流電圧と、直流電圧と逆極性のパルス電圧とが重畳されて印加される真空装置において、パルス電源のパルスの立ち下がりでサンプルホールドした真空装置の電極間電圧と、パルスの立ち下がりから所定時間後にサンプルホールドした電極間電圧とを比較することにより異常放電を検出する制御手段を備え、制御手段が、異常放電を検出したときの異常検出信号によりインバータ回路の出力を急速に絞って負荷側のエネルギーを低下させ、異常放電を検出しなくなるまで異常検出信号によりインバータ回路の出力を絞る動作と復帰する動作とを繰り返し、異常放電が消滅したときインバータ回路の出力電力が設定電力に復帰して正常放電に移行するようにした構成を有している。
【0006】
【作用】
真空装置のプラズマ放電時のインピーダンスは、正常放電時と異常放電時で変化する。このインピーダンスの変化は電極間電圧の変化として現れ、図4に示すように、異常放電時bには正常放電時aより電極間電圧値が低下する。電極に印加される電圧が、単純な直流ではなく、これと逆極性の数十kHzのパルスが重畳されて該周波数で正負に変化する真空装置、例えば、スパッタリング装置では、そのターゲットに負の電位がかかっている期間にスパッタリングが行われるので、ターゲットに負の電位がかかっている負の直流電圧の低下で異常放電を検出する。 本発明の制御手段によれば、パルス電源のパルスの立ち下がりでサンプルホールドした真空装置の電極間電圧と該パルスの立ち下がりから所定時間後の電極間電圧を比較し、両電極間電圧の差から異常放電を検出し異常検出信号を出力する。この異常検出信号によりインバータは、その出力が急速に絞られるので、真空装置に供給される電圧は低下し、真空装置に供給されるエネルギーは低下する。それでも異常放電が継続しているときは、以後のパルスで再び同様の動作を繰り返す。したがって、異常放電の原因が解消していれば、異常放電は抑制・消滅して、再び正常放電になり、真空装置の作動例えば、スパッタリングが進行する。
【0007】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0008】
図1において、1はスパッタリング装置等の真空装置、2は直流電源、3は直流電源2の直流電圧に対して逆極性のパルス電圧を発生し、この電圧を変圧器を介して真空装置の電極に印加するためのパルス発振器である。直流電源2は、交流電源に接続され整流器を含む入力回路4と、インバータ回路5と、その出力に変圧器6を介して接続された整流器7と、抵抗器8、コンデンサ9及びリアクトル10等から成るフィルタ回路11とから構成され、その出力端子12から平滑された直流電圧を出力する。パルス発振器3は、例えば周波数が40kHzで且つ振幅が直流電圧値より大きいパルスを出力するものである。又、同図において、13はインバータ回路5を制御する制御手段としての制御回路、14は分圧器から構成された電圧検出器、15は抵抗等から成る電流検出器、16は抵抗及びコンデンサから成る異常放電電圧検出器、17は分圧器から構成され、真空装置の電極間電圧を検出する負荷電圧検出器である。
【0009】
制御回路13は、図2に示すように、増幅器18を介して負荷電圧検出器17に接続されたサンプル・ホールド回路19と、遅延回路20及び立ち下がり検出回路21を介して負荷電圧検出器17に接続されたサンプル・ホールド回路22と、サンプルホールド回路19と22の出力電圧を比較する比較器23と、この比較器23の出力に、オア回路24を経て接続されたパルス幅設定器25とを備える。制御回路13は、この実施例においては、その他に、電圧検出器14で検出された整流器7の出力電圧と電流検出器15で検出された電流を乗算し、その出力をパルス幅設定器25に供給してインバータ回路5の出力電力が設定電力になるように制御するための乗算器26と、電流検出器16で検出された電流の過電流検出レベルを設定し、電流が設定した過電流検出レベルを越えたときこれを検出し、その検出信号をオア回路24を介してパルス幅設定器25に供給してインバータ回路5のパルス幅を制御し、その出力を急速に絞るための過電流設定器27とを有している。
【0010】
次に上記実施例の作用を説明する。
【0011】
例えば、スパッタリング装置が正常に作動しているときは、そのターゲットには、図3にaで示すように所定の負電圧−Vが印加され、この負電圧は前記パルス発振器3から出力する40kHzの周波数のパルスの周期で正電圧まで振られる。しかるに、異常放電が発生すると、図4にbで示すようにターゲットに対して負の印加電圧はパルスの発生から遅れて(遅くとも例えば10μ秒)低下するのが普通である。したがって、先ず、負荷電圧検出器17で検出された電極間電圧が増幅器18を介してサンプルホールド回路19、22に入力し、パルスの立下がりでトリガが掛けられて正常放電時の電極間電圧がサンプルホールド回路19によりホールドされ、又、立ち下がり検出回路21及び遅延回路20により遅延されたパルスの立ち下がりでトリガが掛けられて異常放電時の電極間電圧がサンプルホールド回路22によりサンプルホールドされる。したがって、サンプルホールド回路19と22でホールドされた電極間電圧が比較器23で比較され、差が生じるので、その差が異常検出信号としてオア回路24を介してパルス幅設定器25に入力し、この異常検出信号によりインバータ回路5に入力するゲート信号のパルス幅信号が絞られ、該回路5の出力は急速に絞られる。それでも異常放電が消滅しないときは、以後のパルスで前記の動作を繰り返す。かくして、異常放電が抑制・消滅されて連続アーク放電に移行することがなく、異常放電の原因が解消していれば、正常放電に移行する。
【0012】
この実施例においては、前述のように、異常放電電圧検出器16及び過電流設定器27が設けられているので、異常放電が発生したときは、その発生が異常放電電圧検出器16で電圧の変化として検出され、その出力がオア回路24を介してパルス幅設定器25に入力し該パルス幅設定器25の出力によりインバータ回路5の出力が急速に絞られる。直流電源2には、フィルタ回路11が含まれているので、それに蓄えられているエネルギーの放出により負荷電流は再び増加し、過電流検出レベルを越えたときは、過電流設定器27から検出信号が出力してオア回路24を介してパルス幅設定器25に入力し、その出力によりインバータ回路の出力が急速に絞られる。再び負荷電流が過電流レベルを越える時はこの過電流設定器27により前記制御動作が再び繰り返される。
【0013】
したがって、この回路の付加により、サンプルホールド回路19、22及び比較器23等から成る前記回路の動作とあいまって、異常放電の抑制・消滅動作がより確実に行われる。
【0014】
この実施例では、制御回路13は、回路部品で構成しているが、マイクロコンピュータに置き換えて同様の動作を行わせることができる。
【0015】
本発明の他の実施例として、前記制御回路13において、過電流設定器27、異常放電電圧検出器16及びオア回路24を省略した制御回路を用いて構成にすることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成によるときは、直流電圧とこれと逆極性のパルス電圧が重畳されて印加される真空装置における一時的な異常放電の場合でも、ミリ秒のオーダーの長時間に亘って電源回路を遮断することがなく、ほとんど無駄時間なしに真空装置のエッチング又はスパッタリングなどの動作を進行させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の回路図。
【図2】 図1の回路の要部のブロック図。
【図3】(A)及び(B)は正常放電時の負荷電圧及び負荷電流の波形図。
【図4】(A)及び(B)は異常放電時の負荷電圧及び負荷電流の波形図。
【符号の説明】
1 真空装置 2 直流電源
3 パルス電源 5 インバータ回路
11 フィルタ回路 12 出力端子
13 制御回路 14 電圧検出器
15 電流検出器 16 異常放電電圧検出器
17 負荷電圧検出器 19 サンプルホールド回路
20 遅延回路 21 立ち下がり検出回路
22 サンプルホールド回路 23 比較回路
25 パルス幅設定器 27 過電流設定器
Claims (1)
- 周期的にゲート信号が入力されているインバータ回路と、このインバータ回路の出力を整流する整流器と、この整流器の出力を平滑するフィルタとを備える直流電源にパルス電源を介して接続され、直流電圧と、この直流電圧と逆極性のパルス電圧とが重畳されて印加される真空装置において、
前記パルス電源のパルスの立ち下がりでサンプルホールドした前記真空装置の電極間電圧と、該パルスの立ち下がりから所定時間後にサンプルホールドした該電極間電圧とを比較することにより異常放電を検出する制御手段を備え、
前記制御手段が、異常放電を検出したときの異常検出信号により前記インバータ回路の出力を急速に絞って負荷側のエネルギーを低下させ、異常放電を検出しなくなるまで異常検出信号によりインバータ回路の出力を絞る動作と復帰する動作とを繰り返し、異常放電が消滅したときインバータ回路の出力電力が設定電力に復帰して正常放電に移行するようにしたことを特徴とする真空装置の異常放電抑制・消滅装置。
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JP11183795A JP3660016B2 (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 真空装置の異常放電抑制・消滅装置 |
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-
1995
- 1995-05-10 JP JP11183795A patent/JP3660016B2/ja not_active Expired - Fee Related
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