JP3659856B2 - Cdma通信システムの移動機における送信タイミング制御方法及び送受信装置 - Google Patents

Cdma通信システムの移動機における送信タイミング制御方法及び送受信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号分割多元接続(CDMA)移動通信システムにおける送受信タイミング制御法および該制御を実現する回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スペクトル拡散通信及びスペクトル拡散通信技術を利用した、例えば移動機が動きながら通信するセルラ環境でのCDMAシステムは、マルチパスフェージングに強く、データの高速化が可能で、通信品質が良好で、周波数利用効率が高い等の特徴を保有しているため、次世代の移動通信及びマルチメディア移動通信に有望な通信方式である。
【0003】
スペクトル拡散通信及びCDMAシステムにおける送信信号は、送信側において伝送すべき信号の帯域幅よりも、はるかに広い帯域に拡散して送信される。一方、受信側ではスペクトル拡散された信号を元の信号帯域幅に復元することにより、上記特徴が発揮される。
【0004】
図13は、CDMAシステムの受信部のブロック図を示している。アンテナ21で受信されたCDMA信号は、RF増幅部22により増幅された後、周波数変換部23により無線周波数から中間周波数またはベースバンド周波数に変換され、逆拡散/同期部24、同期検波およびRake合成機能から成る情報復調部25を介して復調データ28が得られる。
CDMA受信機では、従来の狭帯域通信に対して、逆拡散/同期部24が付加された構成となっている。移動体通信はマルチパス環境下で動作するため、その状況を把握するためのパスサーチ部26があり、逆拡散/同期及びRake合成すべき受信信号のパスを規定する。
また、逆拡散信号またはRake合成後の信号29を利用したAFC(自動周波数調整:Automatic frequency control)部27が構成され、周波数制御信号30が周波数変換部23にフィードバックされる。
【0005】
マルチパス状況を把握し、受信信号のパスまたはメイン受信パスをサーチする一つの方法としてマッチトフィルタ(MF:matched filter)がある。マッチトフィルタは、受信信号に含まれるマルチパスから生じた複数の信号成分を分離する機能がある。すなわち、マッチトフィルタにより受信機に到達した直達波と遅延波を分離した出力信号を得ることができるため、希望波の選択ができ、不要波の影響を削減できる。詳しくは、立野 敏訳“スペクトラム拡散通信”ジャテック出版に説明されている。
【0006】
受信信号のパスまたはメイン受信パスをサーチし選択する他の方法が、特開平10−173630号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記いずれの手段においてもパスを選択し切替える手段が設けられているため、マルチパス環境が変化して、メインとなるパスが変動した場合には、パス選択またはパス入替えの結果、受信信号パスのタイミングが急峻に変化してしまう。
一般に、CDMAセルラーシステムでの送受信タイミングは、一定の間隔が保たれる。従って、受信タイミングを基準に送信タイミングを決定しようとすると、それに伴い移動機の送信タイミングも急峻に変化してしまう。
【0008】
移動機側CDMA受信機は一般に、基地局からの信号を受信し、その受信信号を基に受信機内でのタイミング及びAFC制御が行われる。従って、受信信号のタイミングが急峻に大きく変動すると移動機におけるCDMA受信機でのシステムタイミング管理に大きな影響を与えることとなってしまう。
【0009】
また、基地局側CDMA受信機は一般に、移動機からの送信信号を受信し、その受信信号を基に受信機内でのタイミング制御が行われる。従って、受信信号のタイミングが急峻に大きく変動すると基地局におけるCDMA受信機でのシステムタイミング管理にも大きな影響を与えることとなってしまう。
【0010】
本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、受信パスが急激に変化しても移動機内でのシステムタイミング及び送信タイミングが急激に変化することなく、基地局及び移動機でのシステム管理を容易とする、CDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法及び送受信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、次の構成を有する。
本発明の第1の要旨は、基地局と送受信を行うCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法において、基地局からの複数の受信パスタイミングから一つの基準タイミングを選択する基準タイミング設定工程と、移動機の送信タイミングを基準タイミングからオフセット値分遅延したタイミングに設定する送信タイミング設定工程と、を有し、基準タイミング設定工程にて選択される基準タイミングが予め定めた閾値以上に変化した場合には、オフセット値を変化させることにより移動機の送信タイミングを調整することを特徴とするCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法にある。
【0012】
本発明の第2の要旨は、基準パスタイミング設定工程は、基準タイミングの変化量が予め定めた閾値に達しない場合には、オフセット値を一定とし、移動機の送信タイミングを基準タイミングの変化に追従して変化させることを特徴とする要旨1に記載のCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法にある。
【0013】
尚、要旨1又は2に記載のCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法において、例えば、基準パスタイミング設定工程は、複数の基地局からの信号を受信し、基準タイミングは複数の基地局からの複数の受信パスタイミングのうち最大の受信電力が得られる受信パスタイミングとすることができる。
【0014】
本発明の第3の要旨は、1又は2以上の基地局とCDMA通信により送受信を行う移動機の送受信装置において、基地局からの複数の受信パスタイミングから一つの基準タイミングを選択する基準パスタイミング信号設定部と、移動機の送信タイミングを、基準パスタイミング信号設定部にて選択された基準タイミングからオフセット値分遅延した送信タイミングにて送信する送信部と、を設け、基準タイミングが予め定めた閾値以上に変化した場合には、オフセット値を変化させることを特徴とする送受信装置にある。
【0015】
本発明の第4の要旨は、受信信号に対して相関をとる複数の相関装置を含む受信部と、送信タイミング信号に従って各種データを拡散、送信を行う送信部と、及びタイミング制御部を具備し、複数の相関装置は、各々、受信信号に含まれる、それぞれに対応する遅延波に同期追従する機能を有し、タイミング制御部は、各々の前記相関装置の追従タイミングに同期した、周期的な受信タイミング信号を出力する複数の受信タイミング信号生成部と、複数の相関装置の相関出力データとその複数の受信タイミング信号から、基準タイミングとする基準パス情報を生成すると共に、送受信タイミングの可変可能なオフセット量を決定する選択制御部と、複数の受信タイミング信号と前記選択制御部から出力される基準パス情報により、一つの基準タイミング信号を選択し、出力する基準タイミング信号選択部と、基準タイミング信号選択部から出力された基準タイミング信号に前記選択制御部で決定されたオフセット量を付加することで、周期性を有する送信タイミング信号を生成する送信タイミング信号生成部と、を具備することを特徴とするCDMA通信システムの移動機における送受信装置にある。
【0016】
本発明の第5の要旨は、受信信号に対して相関をとる複数の相関装置を含む受信部と、送信タイミング信号に従って各種データを拡散、送信を行う送信部と、及びタイミング制御部を具備し、複数の相関装置は、各々、受信信号に含まれる、それぞれに対応する遅延波に同期追従する機能を有し、タイミング制御部は、各々の相関装置の追従タイミングに同期した、周期的な受信タイミング信号を出力する複数の受信タイミング信号生成部と、複数の相関装置の相関出力データと複数の受信タイミング信号から基準タイミングとする基準パス情報を生成すると共に、送受信タイミングの可変可能なオフセット量を決定する選択制御部と、複数の受信タイミング信号と、選択制御部から出力される基準パス情報により、一つの基準タイミング信号を選択し、出力する基準タイミング信号選択部と、基準タイミング信号をオフセット量だけ遅延させた遅延後基準タイミング信号と送信タイミング信号の位相差に基づいて、送信クロック信号を伸縮制御する送信クロック生成部と、送信クロック生成部にて伸縮制御された送信クロックを用いて送信タイミング信号を生成する基準タイミング信号生成部と、を具備することを特徴とするCDMA通信システムの移動機における送受信装置にある。
【0017】
第1の要旨によれば、基準タイミング設定工程にて選択される基準タイミングが予め定めた閾値以上に変化した場合には、オフセット値を変化させることで、移動機の送信タイミングを調整するので、基準タイミングが閾値以上に変化した場合であっても送信タイミングの急激な変化を回避できる。よって、基地局と移動機間での通信状態の悪化を防ぎ、基地局と移動機の双方にて安定した通信状態を保つことができる。
また、第2の要旨によれば、ゆるやかなタイミング変動に対しては相関装置が同期追従し、安定した送信タイミングにより通信できる。
さらに、上記要旨1,2において、基準パスタイミング設定工程は複数の基地局からの信号を受信し、基準タイミングは複数の基地局からの複数の受信パスタイミングのうち最大の受信電力が得られる受信パスタイミングとすることによれば、良好な通信とすることができる。
【0018】
第3の要旨によれば、基準パスタイミング信号設定部にて選択される基準タイミングが予め定めた閾値以上に変化した場合には、オフセット値を変化させることにより移動機の送信タイミングを調整するために、基準タイミングが閾値以上に変化した場合であっても送信タイミングの急激な変化をしょうずることはなくなり、基地局と移動機の双方にて安定した通信状態を保つことができる。
【0019】
第4の要旨によれば、送受信タイミングのオフセット量が従来のように常に一定値ではなく、選択制御部が受信タイミング信号の状態により変更調整するので、移動体通信に伴う受信タイミングの変更等があっても、基地局と移動機の双方にて安定した通信状態を保つことができる。
【0020】
第5の要旨によれば、送受信タイミングのオフセット量が、従来のように常に一定値ではなく、受信タイミング信号の状態により変更調整可能となり、移動体通信に伴う受信タイミングの変更等があっても、基地局と移動機の双方にて安定した通信状態を保つことができる。
また、遅延後基準タイミング信号と送信タイミング信号の位相差に基づいて、送信クロック信号を伸縮制御し、その伸縮制御された送信クロック信号を用いて新たに送信タイミング信号を生成するので、送信タイミング信号は基準タイミング信号に同期した信号とできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。アンテナにより受信されたCDMA信号はRF増幅、フィルタリング及び周波数変換された後、ベースバンド処理が実行される。本発明のCDMA送受信装置の説明では、受信信号はベースバンドに変換された信号として取り扱う。
【0022】
図1は、本発明に係わる第1の実施形態のベースバンド信号処理部の概略構成である。受信信号は、M系列、Gold符号およびアダマール符号と組み合わせて生成した疑似ランダム符号により拡散されたCDMA信号である。尚、拡散符号は何ら限定するものではない。
【0023】
本ベースバンド信号処理部は、例えば3個の相関装置121−a,121−b,121−cで構成される受信装置12、タイミング制御部13a、パスサーチ部11、及び送信部14を備えている。
【0024】
上記タイミング制御部13aは、3個の受信タイミング信号生成部131−a,131−b,131−cと、基準タイミング信号選択部132と、基準タイミング信号選択部132を制御する受信パス制御部133と、基準クロック生成部134と、送信タイミング信号生成部135と、オフセット量調整部136で構成されている。
また、受信装置12には上記の他にRAKE回路(図示せず)等が含まれ、受信装置12から復調データおよびAFC制御信号が出力される。
【0025】
パスサーチ部11は、受信信号に含まれるマルチパス成分を分離、検索し復調すべきパス成分を検出する。検出されたパスから、受信信号強度、受信タイミングをもとに、復調すべきパス成分が選択される。選択されたパスは、各相関装置121−a〜121−cに入力され、復調用の信号として利用される。
【0026】
相関装置121−a〜121−cは、例えば特開平11−234168号公報(拡大信号に対する相関処理の同期追従回路)に提起されるようなスライディング相関器、又はマッチトフィルタにより構成される。相関装置121−a〜121−cで逆拡散された相関出力信号は、受信装置12に含まれるRAKE受信部(図示せず)にて合成され復調される。該相関装置の数はRAKE合成すべき数により決定されるが、本発明では簡単のため、3個(121−a〜121−c)として説明する。
各相関装置121−a,b,cでは、逆相関信号を出力するとともに(図示せず)、受信タイミング生成部131−a,b,cにタイミング情報を出力する。
【0027】
受信タイミング生成部131では、タイミング情報を基に、それぞれ逆拡散を行っている受信パスに対する受信タイミング情報を生成する。つまり、受信タイミング生成部131では、受信パスそれぞれに対して、受信タイミング情報が生成される。全ての受信タイミング情報は、基準タイミング信号選択部132及び受信パス制御部133に出力される。受信タイミングの具体的な一例としては相関装置121−a,b,cで逆拡散している相関ピークのタイミング情報がある。
【0028】
受信パス制御部133では、受信タイミング情報のほかに、受信装置12から各相関装置121−a,b,cの相関出力が入力される。受信パス制御部133では、例えば、相関出力信号強度が最大の信号を基準パスに決定する。例えば、相関装置121−bで逆拡散させている受信信号強度が最大であるときには、受信タイミング生成部131−bから出力される受信パスタイミングを基準タイミングとして選択するように基準タイミング信号選択部132に設定する。
【0029】
基準タイミング信号選択部132では、受信パス制御部133から指定されたパス情報(上記の例では、受信タイミング生成部131−bからの信号が基準タイミング)により、出力パスを選択し、その他の受信タイミング情報は廃棄する。選択された基準タイミング信号は、送信タイミング信号生成部135に出力される。
また、受信パス制御部133では、オフセット量の補正情報を、オフセット量調整部136に出力する。
受信パス制御部133は、常に、受信タイミング情報が入力されているので、基準タイミングがどのタイミングであるかを検知している。基準タイミング情報は、次の基準パス情報を確定する時まで保持される。
【0030】
基準タイミングを決定する時に受信パス制御部133では、前回設定した基準タイミングと、新たに基準タイミングに設定しようとしている受信パスのタイミングの差分を算出する。この差分値が、予め定められた閾値以下のときは、オフセット量の変更は不要であると判断し、オフセット量調整部136に補正値0を指示する。差分値が予め定められた閾値以上のときは、この差分を、補正値として設定する。
【0031】
オフセット量調整部136では、受信パス制御部133から入力される補正値で送受信タイミングのオフセット量を調整する。送受信開始時には、送受信タイミングのオフセット量は予め定められた初期値に設定されている。
入力された補正値が「0」である間は、このオフセット量を維持し、送信タイミング信号生成部135に出力しつづける。補正値が「0」以外のときは、オフセット量に補正値を加味し、新たなオフセット量を送信タイミング生成部135に出力する。以後、補正値が変更されたときは、校正されたオフセット量に補正値を加味し、新たなオフセット量を算出し、送信タイミング信号生成部135に出力する。
【0032】
送信タイミング信号生成部135には、基準タイミング信号選択部132から基準タイミング信号が、基準クロック生成部134からシステムクロック信号がそれぞれ入力される。
また、送信タイミング信号生成部135にはカウンタが設けられており、このカウンタは基準タイミング信号が入力された瞬間にリセットされる。リセット後、カウンタはシステムクロック信号に同期してカウントアップしてゆき、オフセット量調整部136から入力されるオフセット量とカウンタ値が一致した時に、送信タイミング信号を出力する。
【0033】
送信タイミング信号生成部135より出力された送信タイミング信号は、送信部14に入力され、送信部14ではこの送信タイミング信号に同期して各種データを予め定められた疑似ランダム符号により拡散し出力する。
前記オフセット量は、基準タイミング信号が一定値以上変化したとき、例えば一定値以上遅延したときには遅延量に相当するタイミングだけオフセット量が減じられるため、受信パスが急峻に変化したときであっても、送信タイミングが急峻に変化することはなくなる。この状況を、図2を用いて説明する。
【0034】
図2は、送受信パスの状態を概念的に示したもので、図2(a)はタイミング変化前の状態を、図2(b)はタイミング変化後の状態を示している。受信は唯一の基地局BTS1からの信号のみが存在している。
受信信号は、パスサーチ部でパスが検出され、▲1▼,▲2▼,▲3▼の3つのパスが選択されており、その受信信号強度はパス▲1▼が最大となり、次にパス▲3▼、一番弱いパスがパス▲2▼となる。この時の基準タイミングは、受信電力が最大となる▲1▼のパスが用いられる。
送信タイミング(図2中では、タイミングチャートMS- TXと表記)は、基準タイミングから一定量オフセットOS1を設けたタイミングとなるので、図中タイミングチャートMS-TXに示す送信タイミングS1で移動機から送信が行われる。
【0035】
図2(a)の後に、フェージングなどにより受信のパスの状態が変化したときの状態を図2(b)に示してある。受信パス▲1▼,▲2▼,▲3▼のタイミングに大きな変化はないが、基準パス▲1▼の受信信号強度が低下し、受信信号強度最大のパスが▲3▼に変化している。従来のシステムでは、送信タイミングは▲3▼からオフセットOS1の分だけ遅延したタイミングに送信タイミングS1が変更されるはずであるが、本実施形態の制御方法では、新たなオフセット値オフセットOS2に設定を変更する。このオフセット値の設定変更は、受信の基準パスを変更するのと同時に実行される。これにより、送信タイミングS1は、図2(a)、(b)から明らかなように、ほぼ一定のタイミングで送信されている。この後、さらに、基準パスが変化したときには、オフセット値がオフセットOS2から、さらに変更され、送信タイミングが、急峻な変化を発生しないように制御される。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態を図3を参照して説明する。図3は、本発明に係わる第2の実施形態のベースバンド信号処理部の概略構成図である。図中、図1と同等の機能を実現する部分は、図1と同一符号を付している。
受信信号は、第1の実施形態と同じく、M系列、Gold符号およびアダマール符号と組み合わせて生成した疑似ランダム符号により拡散された周期性を持ったCDMA信号であるが、疑似ランダム符号は何ら限定するものではない。
【0037】
本ベースバンド信号処理部でも、RAKE合成するパスの数を3個とするので、3個の相関装置121−a,b,cで構成される受信装置12、タイミング制御部13b、パスサーチ部11、及び送信部14を備えている。
【0038】
タイミング制御部13bは、第1の実施形態に示したタイミング制御部13aに送信クロック生成部137を追加したものであり、3個の受信タイミング信号生成部131−a,b,cと、基準タイミング信号選択部132と、基準タイミング信号選択部132を制御する受信パス制御部133と、基準クロック生成部134と、送信クロック生成部137と、オフセット量調整部136と、送信タイミング信号生成部135とを備えている。
【0039】
パスサーチ部11は、受信信号に含まれるマルチパス成分を分離、検索し復調すべきパス成分を選択する。パスサーチ部11は、復調すべきパス成分として、例えば複数個の相関装置にパス情報を設定する。この動作によりCDMAの特徴であるRAKE合成すべきパス情報が得られる。該相関装置の数はRAKE合成すべき数により決定され、第1の実施形態と同じく、3個として説明する。
【0040】
相関装置121−a,b,cにより得られた複数の受信タイミング信号は、基準タイミング信号選択部132に入力され、電力最大、受信時間最小などあらかじめ設定された選択条件にて一つの基準タイミング信号が選択される。
【0041】
相関装置121−a,b,cは、前述したようにスライディング相関器またはマッチトフィルタにより構成される。図3の相関装置121−a,b,cに含まれている同期追従回路を図4に示す。
【0042】
図4は、同期追従回路のブロック図であり、31は受信したベースバンド信号に対して基準位相よりΔ(例えば1/2チップ)進んだ位置での相関出力値を出力するEarly相関器、32は受信したベースバンド信号に対して基準位相よりΔ(例えば1/2チップ)遅れた位置での相関出力値を出力するLate相関器、33はEarly相関器31からの相関値とLate相関器32からの相関値を比較する比較器、34は比較器33からの比較結果の平均化処理を行うループフィルタ、35はサンプルCLKを発生させるCLK発生器、36はループフィルタ34からの位相制御信号によりチップCLKの位相調整を行うチップCLK位相調整器、37はチップクロック位相調整器36から出力されるチップCLK38から基準位相に対してΔ位相を進めた拡散符号とΔ位相を遅らした拡散符号及びシンボルCLK39を発生させる拡散符号発生器である。
【0043】
CLK発生部35では、例えばチッププレートの4倍の速度としたサンプリングCLKをチップクロック位相調整器36に出力する。
【0044】
前記チップクロック位相調整器36では、受信したサンプルのCLKを分周して(この例では4分周)チップクロック38を生成し、拡散符号発生器37、Early相関器31、Late相関器32に出力する。
【0045】
拡散符号発生器37では、基準位相に対してΔ位相を進めた拡散符号をEarly拡散器31、基準位相に対してΔ位相を遅らせた拡散符号をLate相関器32にそれぞれ出力する。チップCLK38と拡散符号を受信したEarly相関器31とLate相関器32では、受信したベースバンド信号を逆拡散してシンボル毎に相関をとり、比較器33に出力する。
【0046】
比較器33では、Early相関器31とLate相関器32の相関値の比較を行い比較結果をループフィルタ34に出力する。
比較器33の動作は、Early相関器31の相関値のほうが大きければ“Low”、小さければ“High”を、図5(B)に示すようなアップダウン信号としてシンボル毎に生成する。
本実施形態では、Early相関器31とLate相関器32は、それぞれチップCLK38毎にシンボル長の間にわたり、その相関出力を加算(積分)し、その後比較器33で差をとることにより、(1,0)の2値のアップダウン信号(図5(B)参照)を生成している。
【0047】
ループフィルタ34(図4)の動作を、図5、6を参照して説明する。
図6は、ループフィルタ34の概略ブロック図であり、アップダウンカウンタ部40と位相制御部41を具備している。
アップ・ダウンカウンタ部40では、比較器33で生成されたアップ・ダウン信号を拡散符号発生器37から入力されるシンボルCLK(図5(A))毎でカウントし、位相制御部41に対してカウント値(図5(C))を出力する。
【0048】
前記位相制御部41では、カウント値がLate側に予め設定した値(図5の例では「15」)と等しくなると位相を遅らせるようにチップCLK位相調整器36に対して指示(Late-rq=“High”)を行い)、これと同時
にアップダウンカウンタ部40にClear信号(図5(F),図6参照)を出力して、カウンタの初期化(Clear−“High”)を行う。
【0049】
上記の処理を、図5を参照しつつ説明する。カウンタ値(C)はシンボルCLK39(A)の立ち上がり時にカウントされ、アップ・ダウン信号がHighのときには「1」減算され、Lowのときには「1」加算される。カウント値があらかじめ指示された値「±15」に達していないときは、Early-rq(D)、Late-rq(E)ともにLowに設定される。アップ・ダウン信号(B)がHighに偏ると、カウント値(C)は減算されていき、予め設定した値「−15」に達すると、Early-rqがHighとなる。
また、この時のClear信号もHighとなり、アップ・ダウンカウンタ部40では、カウンタがクリアされ、次のカウンタ出力は「0」となる。また、アップ・ダウンカウンタ値がLowに偏ると、カウンタ値は、加算されていく。この結果、カウンタ値は予め設定した値15となり、Late-rqは、Highに変更される。この場合も、同様にClear信号が出力され、カウンタ値は「0」に戻される。ループフィルタ34では、以上のような処理により、Early-rq信号とLate-rq信号が生成されチップCLK位相調整器36に出力される。
【0050】
図4において、上記説明したループフィルタ34から位相調整の指示を受けたチップCLK位相調整器36では、進める指示を受信したらチップCLK38を例えば1/4チップ分位相を進め、また、遅らせる指示を受信したら、例えば、1/4チップ分位相を遅らせる処理を行う。この動作を繰り返すことにより同期の追従を行う。
【0051】
次に、受信タイミング信号生成部131−a,b,c(図3)は、前記相関装置121内のチップCLK位相調整器36(図4)で生成された、位相調整されたチップCLK38によりカウントされるカウンタを具有し、このカウンタによって受信信号と同様の周期的なパルスを作り出すことによって受信タイミング信号を出力する。
【0052】
一つの基準タイミング信号を選択する受信パス制御部133(図3)は、パスサーチ部11より選択された受信パスのうち、任意の受信パスを復調している相関装置121より得られる受信タイミング信号から基準タイミング信号を選択する機能を有する。
【0053】
基準タイミング信号選択部132(図3)は、例えばセレクタにより形成され、複数の相関装置121から得られた複数の受信タイミング信号の中から、受信パス制御部133より得られた選択情報を用いて、基準タイミング信号を選択し、出力する。
【0054】
受信パス制御部133(図3)は、基準タイミング信号選択部132で選択される受信タイミングの切り替え制御を行うと同時に、送信信号に関するオフセット量の補正値を生成する。受信パス制御部133では、基準パス情報を保持する手段を有し、受信装置12から出力される相関出力強度のデータにより、基準タイミングとする受信パスを決定すると、保持している基準パス情報と新たに選択した受信パスが同一のパスであるかどうか判定する。もし、同一のパスであれば、オフセット量調整部136に補正値「0」を出力する。異なるパスとなる時は、新たに選択した受信パスの受信タイミングと保持している基準受信パスの受信タイミングを受信タイミング生成部131から取得する。これらの受信タイミングの差分を求め、オフセットの補正量を算出し、オフセット量調整部136に出力する。補正値を算出した後は、基準パス情報に選択した受信パスの情報を再設定し、基準タイミング信号選択部132の受信パス切り替えを行う。
【0055】
オフセット量調整部136(図3)では、送信起動時には、システムで決められた送受信タイミングオフセット量が予め設定され、このオフセット量を送信クロック生成部137に設定している。すなわち、受信パス制御部133からのオフセット補正値が「0」であるときは、このオフセット量を維持し、補正値が「0」以外のときは、この補正量を現在のオフセットに加味し、オフセット量を更新する。オフセット量の更新は、受信パス制御部133で、受信パスの切り替えが発生するたびに実行される。
【0056】
基準クロック生成部134では、チップクロック38の4倍の速度のシステムクロックを生成する。このシステムクロックは、送信クロック生成部137に入力され、送信クロック、チップクロックの生成に利用される。図示していないが、このシステムクロックは、相関装置121、パスサーチ部11、送信部14など各種回路でメインクロックとして使用されている。
【0057】
図7に、送信クロック生成部137(図3)のブロック図を示す。送信クロック生成部137は大きく分けてタイミング判定部50とクロック伸縮部51の二つのブロックを有している。
タイミング判定部50では、基準タイミング信号と送信タイミング信号の位相を比較する。図7では入力信号Aが基準タイミング信号で入力信号Bが送信タイミング信号に対応する。
【0058】
タイミング判定は、基準タイミング信号に入力されるたびに一度だけ実行され、例えば、以下のような三つの状態判定信号を出力する。
P1:遅延後基準タイミング信号と、送信タイミング信号が同位相の場合には“同期状態信号”
P2:遅延後基準タイミング信号より送信タイミング信号の位相が遅れている場合には“遅延状態信号”
P3:遅延後基準タイミング信号より送信タイミング信号の位相が早い場合には“早期状態信号”
ここで、遅延後基準タイミング信号とは、基準タイミング信号を送受信のオフセット分だけ遅延させた信号である。受信タイミングと送信タイミングは一定のオフセット量を有するため、送受信タイミングはそのままでは、比較できない。そこで、受信タイミングを(実際には、比較に使用する基準タイミング信号を)オフセット量だけ遅延させ、位相が比較できるようにしている。
【0059】
前述のような判定動作を行うタイミング判定部50の機能を図8を参照して説明する。図8(A)はマスタークロックであり、この例ではチップクロックの4倍の速度で動作している。図8(B)は遅延後基準タイミングの例である。遅延後基準タイミング信号と送信タイミング信号との位相関係は上記したP1,P2,P3のいずれかの状態であり、それぞれの状態は図8(C),(D)、および(E)に対応する。図8(C),(D)、および(E)に示した信号のいずれかが図7の入力信号Bに対応し、タイミング判定部50による判定結果出力が図8(F),(G)及び(H)に対応し、クロック伸縮部51に入力される。
【0060】
前記クロック伸縮部51は、タイミング判定部50によって判定された三つの状態をうけ、以下のような動作を行う。
P1a:同期状態信号の場合には、単純分周(例えばここでは4分周)を行う。
P2a:遅延状態信号の場合には、クロック調整区間の中では、例えばクロックの凸部(High)をあらかじめ定められた量だけ縮め、その他の区間では通常分周を行う。
P3a:早期状態信号の場合には、クロック調整区間の中では、例えばクロックの凸部(High)をあらかじめ定められた量だけ伸ばし、その他の区間は通常分周を行う。
【0061】
図9を用いて上記の動作を説明する。図9(A)はマスタークロックであり、この例ではチップクロックの4倍で動作しており、4倍クロックを表すために周期毎に“0”、“1”、“2”、“3”と示す。
図9(B)は、P1aの同期状態のときに出力される送信クロック信号を示しており、マスタークロック(A)を単純分周(4分周)した場合である。
図9(C)は、P2aの遅延状態のときに出力される送信クロック信号を示しており、クロック調整区間80においてのみ凸部(High)がマスタークロック周期分81だけ短縮される。よって、送信クロック信号はマスタークロック分だけ早くなり、遅延状態を緩和するように動作する。
図9(D)は、P3aの早期状態のときに出力される送信クロック信号を示しており、クロック調整区間80においてのみ凸部(High)がマスタークロック周期分82だけ伸長される。よって、送信クロック信号はマスタークロック分だけ遅くなり、早期状態を緩和するように動作する。
クロック調整区間80は、判定が行われるたびに一度だけ存在する。この区間で位相調整を行った場合、位相判定部50で判定された結果をクリアし、新たな判定結果の待ち受け状態になる。
尚、クロック調整区間80は、基準タイミング信号の周期毎に、1チップ程度以上の時間幅だけ存在する。
【0062】
前記送信タイミング信号生成部135(図3)は、送信クロック生成部137で生成された送信クロック信号を用いて周期的な送信タイミング信号を作り出す機能を有する。
送信タイミング信号生成部135は、上記送信クロック生成部137により生成された送信クロックに同期して動作するカウンタにより構成され、基準タイミング信号によってトリガがかけられること(スタートパルス)で動作を開始する。この送信タイミング信号生成部135の構成は図10に示されている。図10の入力信号Aが基準タイミング信号に対応し、また動作クロックCが送信クロック生成部137からの出力である送信クロックに対応し、基準タイミング出力Dが送信タイミング信号に対応する。
送信タイミング信号生成部135の一定周期カウンタは、入力信号A、すなわち基準タイミング信号が入力されると、動作クロックC、すなわち送信クロックの信号をカウントし始め、予め規定された一定数をカウントした後に、基準タイミングDである送信タイミング信号を生成する。
【0063】
上記送信タイミング信号生成部135のカウンタを用いることで、基準タイミング信号と同期した送信タイミング信号を生成することが可能となる。
図9(C)又は(D)で説明したように、受信機で最も時間刻みが小さい,すなわち、最も微調整機能として利用可能なマスタークロック周期分だけクロック位相を早く、又は遅くなるように徐々に調整される。従って、この送信タイミング信号、及び送信クロック生成部137より得られる送信クロックを送信部14に用いることで、送信タイミングは基準タイミングと常に同期した動作が実現でき、さらに基準タイミングが切り替えられた場合でも、送信部14において急峻なタイミング変動が生じないよう制御することが可能となる。
【0064】
以上のように送信タイミング信号生成部135に供給する送信クロック信号の位相を送信クロック生成部137で変化させることにより、送信タイミング信号生成部135のカウンタの進み具合を変化させ、送信タイミング信号生成部135の出力位相を変化させることができる。
生成された送信クロックと送信タイミング信号は、送信部14に出力され、送信データの拡散に利用される。このタイミング信号を利用して、送信データの拡散を行うことにより、急峻な送信タイミングの変更が発生しないタイミングの制御が可能となる。
【0065】
実際の送信タイミングの変化を、図11、12を用いて説明する。
図11は、受信タイミングがゆっくりと変化した時の送信タイミングの例である。図11(a)は受信タイミングが変化する前の状態を示す概念図、図11(b)は受信タイミングが変化したときの状態を示す概念図である。
図11では、基地局BTS1の信号を受信しており、パスサーチ部11ではパス▲1▼、▲2▼、▲3▼の3つのピークで表されるパスが選択され、相関装置121−a,b,cで復調に利用されている。受信信号強度は、パス▲1▼のタイミングが一番強く、これが基準タイミングとして選択される。この時の送受信タイミングのオフセット量はオフセットOS1に設定されており、タイミングチャートMS-TXに示す送信タイミングS1で送信が行われる。
【0066】
図11(a)の状態の後、フェージングなどにより受信の状況が図11(b)に示す状態に変化したとする。受信電界強度は、パス▲1▼のそれが一番強く、基準パスタイミングはパス▲1▼のタイミングで固定されている。パス▲1▼の変化の仕方は、一定値以下の変化であるため、オフセット量の変更は加えられない。このため、送信タイミングS1は基準タイミングパス▲1▼の受信タイミングからオフセットOS1の分だけ遅延したタイミングであり、図11(b)に示したようなタイミングとなる。
【0067】
パスサーチ部11で検出パス位置が変化する等、基準タイミングが大きく変化したときは、オフセット量が変更される。具体的な値としては、受信拡散信号のチップレートで1チップ以上ずれ、相関装置121−a,b,cで復調パスの追従が困難な場合である。この例は図に示すものであり、前述した通りである。
【0068】
受信タイミングが同一であるが、基地局が異なるときの例を示したのが図12であり、BTS1、BTS2の2つの基地局の信号を受信している。図12は、図、11と同じく送受信タイミングを示す概念図であり、(a)はタイミング変化前の状況を、(b)がタイミング変更後の状況を示したものである。
【0069】
図12(a)の状態のパスサーチ部11では、パス▲1▼〜▲6▼の6つのパスを検出し、パス▲1▼、▲3▼、▲4▼の3つのパスを受信パスとして選択しているものとする。基準パスは、受信信号強度が最大となるパス▲1▼が選択されている。送信タイミングは、この基準タイミング(パス▲1▼)よりオフセットOS2だけ遅延して、タイミングチャートMS-TXのタイミングS2に設定される。
【0070】
図12(a)の状態の後、移動機の移動、フェージングなどにより、受信パスの状態が図下部に示すような状態に変化したとする。受信しているパスは▲1▼〜▲6▼の6パスとなる。選択されているパスは、パス▲1▼、▲3▼、▲4▼で変化していないものとする。ただし、受信電界強度は、パス▲4▼が最大となるような受信状態に変化している。受信タイミングは、基準パスであるパス▲1▼のタイミングと、新たに選択しようとしている受信パス▲4▼のタイミングがほぼ同一であるためオフセット量はオフセットOS2に固定されたままである。しかしながら、基準パスがパス▲4▼に固定しているため、この後は、受信パス▲1▼が変化しても送信タイミングに変化は生じない。基準パス▲4▼があらかじめ定められた閾値以下の変化で変わっていくときには、パス▲4▼からオフセットOS2のタイミングを保つように送信タイミングS2が制御され、もし、パス▲6▼などに基準タイミングが変化するときには、パス▲4▼とパス▲6▼の差分を補正値として算出し、この差分をオフセットOS2から差し引いて新たなオフセット量を設定することにより、送信タイミングは急峻な変化をすることなく制御することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、最大受信パスの急峻な変化に対しては送受信タイミングのオフセット値を調整することにより移動機内でのシステムタイミングおよび送信タイミングが急激に変化することなく、基地局および移動機でのシステムタイミング管理が容易になる。一方移動機の移動、移動機との局発の周波数誤差等に伴う最大受信パスのゆるやかなタイミング変動に対しては相関装置が同期追従する。従って、移動機側では受信品質の高いAFC制御出力が得られる。また、移動機の周波数誤差によるタイミングのずれが送信タイミングに反映されないため、基地局側では安定した送信タイミングが得られる。また、本発明の送受信装置によれば送受信タイミングが急激に変化しない移動機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送受信装置のベースバンド信号処理部のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送受信装置の受信パスのタイミング変更前(a)と変更後(b)の送受信タイミングのイメージ図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置のベースバンド信号処理部のブロック図である。
【図4】同期追従回路のブロック図である。
【図5】図4の示す同期追従回路内の各信号のタイミングチャートである。
【図6】ループフィルタ34のブロック図である。
【図7】送信クロック生成部137のブロック図である。
【図8】図7に示すタイミング判定部50の作用を説明するタイミングチャートである。
【図9】図7に示すクロック伸縮部51の作用を説明するタイミングチャートである。
【図10】送信タイミング信号生成部135のブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置の送受信パスのタイミングがゆっくり変化した場合の変化前(a)と変化後(b)の送受信タイミングを示すイメージ図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置において、受信タイミングが同一で、基地局が変化する場合の変化前(a)と変化後(b)の送受信タイミングを示すイメージ図である。
【図13】従来のCDMAシステムの受信部のブロック図である。
【符号の説明】
11 パスサーチ部
12 受信装置
121−a,b,c 相関装置
13a,b タイミング制御部
131−a,b,c 受信タイミング生成部
132 基準タイミング信号生成部
133 受信パス制御部
134 基準クロック生成部
135 送信タイミング信号生成部
136 オフセット量調整部
137 送信クロック生成部
14 送信部
31 Early相関器
32 Late相関器
33 比較器
34 ループフィルタ
35 CLK発生器
36 チップCLK位相調整器
37 拡散符号発生器
38 チップクロック
39 シンボルクロック
40 アップ/ダウンカウンタ部
41 位相制御部
50 タイミング判定部
51 クロック伸縮部

Claims (4)

  1. 基地局と送受信を行うCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法において、
    前記基地局からの複数の受信パスタイミングから一つの基準タイミングを選択する基準タイミング設定工程と、
    前記移動機の送信タイミングを、前記基準タイミングからオフセット値分遅延したタイミングに設定する送信タイミング設定工程と、を有し、
    前記基準タイミング設定工程にて選択される基準タイミングが予め定めた閾値以上に遅延した場合には、該基準タイミングの遅延量を前記オフセット値から減算し、前記基準タイミング設定工程にて選択される基準タイミングが予め定めた閾値以上に進んだ場合には、該基準タイミングの進み量を前記オフセット値に加算することで、該オフセット値を変化させることにより移動機の送信タイミングを調整することを特徴とするCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法。
  2. 前記送信パスタイミング設定工程は、基準タイミングの変化量が予め定めた閾値に達しない場合には、オフセット値を一定とし、移動機の送信タイミングを基準タイミングの変化に追従して変化させることを特徴とする請求項1に記載のCDMA通信システムの移動機における送受信タイミング制御方法。
  3. 1又は2以上の基地局とCDMA通信により送受信を行う移動機の送受信装置において、
    前記基地局からの複数の受信パスタイミングから一つの基準タイミングを選択する基準パスタイミング信号設定部と、
    前記移動機の送信タイミングを、前記基準パスタイミング信号設定部にて選択された基準タイミングからオフセット値分遅延した送信タイミングにて送信する送信部と、を設け、
    前記基準タイミングが予め定めた閾値以上に遅延した場合には、該該基準タイミングの遅延量を前記オフセット値から減算し、前記基準タイミングが予め定めた閾値以上に進んだ場合には、該該基準タイミングの進み量を前記オフセット値に加算することで、前記オフセット値を変化させることを特徴とする送受信装置。
  4. 受信信号に対して相関をとる複数の相関装置を含む受信部と、送信タイミング信号に従って各種データを拡散、送信を行う送信部と、及びタイミング制御部を具備し、
    前記複数の相関装置は、各々、受信信号に含まれる、それぞれに対応する遅延波に同期追従する機能を有し、
    前記タイミング制御部は、
    各々の前記相関装置の追従タイミングに同期した、周期的な受信タイミング信号を出力する複数の受信タイミング信号生成部と、
    該複数の相関装置の相関出力データと該複数の受信タイミング信号から基準タイミングとする基準パス情報を生成すると共に、該基準タイミングから前記送信タイミング信号までの可変可能なオフセット量を決定する選択制御部と、
    該複数の受信タイミング信号と前記選択制御部から出力される基準パス情報により、一つの基準タイミング信号を選択し、出力する基準タイミング信号選択部と、
    前記基準タイミング信号をオフセット量だけ遅延させた遅延後基準タイミング信号と送信タイミング信号の位相差に基づいて、送信クロック信号を伸縮制御する送信クロック生成部と、
    前記送信クロック生成部にて伸縮制御された送信クロックを用いて送信タイミング信号を生成する基準タイミング信号生成部と、を具備し、
    前記選択制御部は、前記基準タイミングが予め定めた閾値以上に変化遅延した場合には、該基準タイミングの遅延量を前記オフセット値から減算し、前記基準タイミングが予め定めた閾値以上に進んだ場合には、該該基準タイミングの進み量を前記オフセット値に加算することで、前記オフセット値を変化させることを特徴とするCDMA通信システムの移動機における送受信装置。
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