JP3659595B2 - 構造化文書の文書部品管理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、構造化文書を編集処理する文書処理装置に関し、詳しくは文書処理装置とともに利用される文書部品管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
論理構造を持つ構造化文書の代表的なものとして、ODA(Office Document Architecture ISO8613-2)で規定された文書がある。この文書は共通論理構造、共通割付け構造、特定論理構造、特定割付け構造の4つの構造から構成されており、論理構造は章・節・段落といった文書の構成部品の組み合わせで構成されている。ここで、ODAの文書構造を図31に、文書処理モデルを図32に示す。図32の文書処理モデルによれば、文書の構造は内容の表示処理が不必要な場合、共通論理構造と特定論理構造でよい。文書の特定論理構造は共通論理構造に従った形式となる。したがって、文書処理装置で文書を保存する際に特定論理構造を保存すると、その保存の構造は共通論理構造に則った形式となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
既存のネットワークシステムに接続されたファイルサーバや、UNIXファイルシステムなどでは、文書のそのものを1単位としてとらえて文書の保管を行っている。このため、これらのファイルシステムと組み合わされた文書処理装置では、文書の内容や構造といった文書内部の構造で検索などを行うことは不可能であった。したがって、「ある表枠のある文書」というような検索条件を指定して、目的の文書を見つけ出すということはできなかった。また、文書の内部構造を不完全なまま保存することができないという不便さがあった。
【0004】
なお、記憶装置に保存されている文書やデータの検索に関する技術として、例えば、文書を分類による階層とインデックスにより管理するようにした文書保管検索システムが特開昭60−129873号公報に、また、文書内に設定された検索項目でも検索できるようにした文書作成装置が特開昭61−100834号公報に、さらには多面的なデータ検索を容易にした文書管理装置が特開平2−96268号公報にそれぞれ提案されている。しかし、これらの文書処理装置についても、文書内部の構造での検索については考慮されておらず、上述した課題を解決するに至っていない。
【0005】
一方、文書処理装置と大規模な保存管理装置(以下、データベースという)の組み合わせは、例えば次のような場面で用いられることが多い。
【0006】
(1)一つの文書形式をひな型とし、文書を構成するグラフ、表データ、図などをデータベースで参照して、多数の文書を作成する場合。
【0007】
(2)グラフ、表データ、図などの文書部品を用途に応じて様々な組み合わせで用い、多数の文書を作成する場合。
【0008】
(3)コピー・ペースト機能を利用して文書を作成する場合。
【0009】
(4)様々な観点からの検索の要求を満たすため、文書部品をデータベースに登録するときにキーワードを設定する場合。
【0010】
しかしながら、上記の使用形態においては、データベースに文書部品を登録する都度、キーワードを設定しなければならず、また、複数のひな型から取り出した文書部品を組み合わせて作成した文書では、キーワードの組み合わせを管理する必要があった。さらに、キーワードの設定は文書の作成者ではなく登録作業者に依存しているため、同種の内容に対して同じキーワードが設定されている保障がなく、データベースの品質が低下するという問題点があった。
【0011】
さらに、従来の文書処理装置とデータベースを組み合わせたシステムでは、外部のデータベースからの参照文書部品を、さらに外部のデータベースに登録する際に、参照状態のまま登録していたが、参照状態のまま登録すると、同一あるいは異サーバのデータベース間での参照のネストが生じるため、参照関係がわかりにくくなるという問題点があった。また、ネストの途中のデータベースが稼動していなかったりした場合など、参照の更新などにより文書部品の内容に不整合が生じるという問題点があった。
【0012】
この発明は、文書の内部構造による検索を可能とし、かつ文書部品として文書の内部構造のみを保存できるようにした構造化文書の文書部品管理装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、この発明は、文書部品作成時における文書部品個別のキーワード設定、及び文書部品を組み合わせた場合の適切なキーワード設定を可能とし、かつ個々の文書のキーワード設定の管理を不要とした構造化文書の文書部品管理装置を提供することを目的とする。
【0014】
さらに、この発明は、参照の多層化による関係の複雑さを解消するとともに、更新のタイミングによる内容の不整合を防ぐことができる構造化文書の文書部品管理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、論理構造を持つ構造化文書を編集処理する文書処理装置とともに利用される構造化文書の文書部品管理装置において、登録要求された文書若しくは文書の一部を、1以上の文書部品を含む処理対象として前記文書処理装置から受け付ける文書部品受付手段と、前記文書部品受付手段が受け付けた処理対象を1以上保持する文書部品保持手段と、前記文書部品保持手段が保持する処理対象を解析し、該処理対象に含まれる文書部品の論理構造を特定する論理構造特定手段と、前記論理構造特定手段が特定した論理構造に基づいて前記処理対象の論理構造を構成する処理対象体を先頭から順次確認し、該処理対象体の論理内容情報から文書部品の先頭となる処理対象体が確認される毎に、該処理対象体から得られる論理階層情報および文書部品の開始位置情報を記憶手段に保管するとともに、該処理対象体の論理内容情報に対応する論理情報を該処理対象体の論理構造上子孫となる内容部から得て前記論理階層情報および文書部品の開始位置情報に追加して前記記憶手段に保管し、文書部品の先頭となる処理対象体が確認された際に前記記憶手段に論理階層情報が保管されている場合には、前記記憶手段に保管されている論理階層情報が示す論理階層が該文書部品の先頭となる処理対象体が確認された論理階層と同じ若しくは小さいことを条件に、前記記憶手段に保管されている論理階層情報および該論理階層情報とともに保管されている論理情報および文書部品の開始位置情報を取り出し、該論理情報および文書部品の開始位置情報および直前に確認された内容部から得られた文書部品の終了位置情報を含む文書部品のインデックス情報を生成し、処理対象体の確認が完了しても前記記憶手段に論理階層情報が保管されている場合にも、前記記憶手段に保管されている論理階層情報および該論理階層情報とともに保管されている論理情報および文書部品の開始位置情報を取り出し、該論理情報および文書部品の開始位置情報および直前に確認された内容部から得られた文書部品の終了位置情報を含む文書部品のインデックス情報を生成するインデックス生成手段と、前記インデックス生成手段により生成されたインデックスを1以上保持するインデックス保持手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記文書部品のキーワードを設定するキーワード設定手段と、前記キーワード設定手段により設定されたキーワードを前記文書部品と対応させて保持するキーワード保持手段と、前記文書部品が複数組み合わされて文書とされた場合に、該文書部品毎のキーワードを合成して1のキーワード集合に変換するキーワード変換手段とを更に具備することを特徴とする。
【0018】
【作用】
第1の発明に係わる構造化文書の文書部品管理装置によれば、ユーザが指定した文書あるいは文書部品(以下、文書部品と総称する)を解析して、文書部品を構成する論理構造をすべて特定し、その構造情報および物理的な位置情報をインデックス内に保管するようにしているので、文書の内部構造を文書としては不完全な形式で保存することができる。また、インデックス内部に文書構造が保持されているため、文書の内部構造を条件とした検索ができる。
【0019】
第2の発明に係わる構造化文書の文書部品管理装置によれば、文書部品単位に属性としてキーワードを設定し、また文書部品単位にキーワードを対応させて保持するようにしたので、文書部品作成時に文書部品個別にキーワードを設定することができる。また、文書部品を組み合わせて用いても、適切なキーワードが自動的に設定される。また、キーワードの設定が登録作業者に依存しなくなるため、データベースの品質を向上させることができる。さらに、登録管理者が文書作成者と異なる場合に、個々の文書のキーワード設定の管理を行わなくてすむ。
【0021】
【実施例】
以下、この発明に係わる構造化文書の文書部品管理装置(この実施例では、単に文書部品管理装置と呼ぶ)の実施例1〜3と、その応用例である実施例4を図面を参照しながら説明する。
【0022】
実施例1
図1は、実施例1における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【0023】
この文書部品管理装置10は、処理内容とともに文書の少なくとも一部を処理対象として受け付けて論理的構造を持つ構造化文書を編集処理する文書処理装置とともに利用される文書部品管理装置であって、登録要求とともに処理対象を文書部品として文書処理装置から受け付ける文書部品受付手段11と、前記受け付けた文書部品を解析して論理構造を特定する論理構造特定手段12と、前記文書部品を1以上保持するスタックからなる文書部品保持手段13と、前記特定した論理構造のインデックスを生成するインデックス生成手段14と、前記生成されたインデックスを1以上保持するインデックス保持手段15とから構成されている。
【0024】
図2は、図1に示した文書部品管理装置10を実現するためのハードウェア構成を示したもので、文書処理装置としての機能を具えた例えばワークステーションやパソコンなどのブロック図を示している。
【0025】
図において、表示装置1は、CRTなどのディスプレイ画面を具え、画面上にデータやリストなどを表示する。表示装置1での表示は表示制御部2により制御されている。
【0026】
キーボード3は、コマンドや文字列などのデータ入力用の入力装置であり、画面上で指示選択を行うためのマウス4が接続されている。キーボード3やマウス4から入力された各種のデータや指示は、キーボード/マウス制御部5を通じてCPU9に送られる。
【0027】
ディスク装置6は、磁気ディスクなどの2次記憶装置で構成され、文書データをファイル形式で格納している。また、文書部品の論理構造を保持するインデックスもディスク装置6に格納されている。ディスク装置6でのデータの入出力はディスク装置制御部7で制御されている。
【0028】
主記憶装置8は、RAMなどのメモリ装置で構成されるバッファ記憶であり、各種の制御プログラム、キーボード3及びマウス4から入力された各種のデータや指示などを一時的に記憶する。
【0029】
CPU(中央処理装置)9は、システム全体の制御を行うと共に、前記キーボード/マウス制御部5から出力される各種の命令に基づいて所定のデータに対する演算処理を行う回路であり、所定の制御プログラムに従って前述の文書部品管理装置10の機能を実現している。
【0030】
上記文書部品管理装置10で使用する共通論理構造を図3〜図5に示す。図3の見出しの論理構造、図4の本文中の枠の論理構造、並びに図5の入れ子枠の論理構造は、図31の共通論理構造に対応している。文書データはこれらの論理構造と凡例に示すルールに従って作成されることになる。
【0031】
次に、上述した文書部品管理装置10において、文書部品の解析とインデックス登録の処理の流れを図6〜図9のフローチャートを参照しながら説明する。また、当該説明に際して、具体的な文書若しくは文書部品の例として、図11を適宜参照する。図11は、文書部品の論理構造とインデックスとの関係を示したもので、同図上部に示した文書に、同図下部に示した特定論理構造が対応しているものである。
【0032】
最初に、上記処理の全体的な流れを図6のフローチャートを用いて説明する。文書部品管理装置10は、ユーザからの文書部品登録要求を受付け(ステップ101)、登録要求されたのは文書そのものであるか、文書部品であるかを判断する(ステップ102)。登録要求されたものが文書そのものである場合には、後に文書に付随する文書概要部の処理が必要となるため、「文書名」、「ページ数」、文書が開始される物理位置などの情報をスタックに保管する(ステップ103)。文書が開始される物理位置とは、当該文書をファイル形式で格納しているディスク装置6のアドレスである。ステップ103の処理を終えるか、登録要求されたものが文書部品であった場合には、文書部品構造の解析とインデックスの構築を行う(ステップ104)。なお、ステップ104の処理の流れは、図7のフローチャートで示されるものでである。
【0033】
ステップ104の処理、つまり、図7に示す処理では、まず、処理対象となる対象体の種別と論理階層の確認を行う(ステップ201)。処理対象となる対象体とは、当初は、登録要求に応じて特定される対象体であり、登録要求されたものが文書そのものである場合には文書論理根の直下の対象体であり、登録要求されたものが文書部品である場合には当該文書部品の先頭の対象体である。例えば、図11に示した文書そのものが登録要求された場合には、オブジェクト識別子が3の文書論理根の直下に位置する、オブジェクト識別子が30の対象体が処理対象となる対象体として特定される。また、図11に示した文書の「1.1節」が登録要求された文書部品であれば、オブジェクト識別子が302の対象体が処理対象となる対象体として特定される。なお、処理対象となる対象体は、この後の処理で別の対象体となるが、この処理の順序は、文書の流れに沿うもので、例えば、図11の上部に示した文書では、上から下に向かう順序となる。この処理の順序の具体例については、以下に、都度、説明を行う。
【0034】
処理対象となる対象体の種別と論理階層の確認を行った結果、まずは、処理対象となる対象体があるか否かを判断する(ステップ202)。処理対象となる対象体があるときは、続いて、スタックの最後に「章・節」の情報が保管されているかどうかを判断する(ステップ203)。「章・節」の情報については後述するが、最初にステップ203の処理を実行する際には、「章・節」の情報が保管されていることはないため、ここでは、「章・節」の情報が保管されていない場合を説明する。
スタックの最後に「章・節」の情報が保管されていない場合には、処理対象となる対象体の種別を判断する(ステップ207)。対象体の種別が複合論理対象体であるときは、文書部品論理対象体の処理を行う(ステップ210)。文書部品論理対象体の処理は、図8のフローチャートで示した処理である。
【0035】
この処理では、最初に、処理対象となる対象体の種別、論理階層、開始の物理位置をスタックに保管する(ステップ301)。対象体の種別は、ステップ301の処理が、ステップ210の処理の一部であることから、複合論理対象体であり、論理階層は、当該文書の文書論理根をルートとした場合の論理階層を示したものである。また、開始の物理位置は、当該対象体(処理対象となる対象体)のディスク装置6内でのアドレスである。
続いて、処理対象となる対象体の論理内容が「枠」または「章・節」のどちらであるかを判断する(ステップ302)。複合論理対象体の論理内容としては、「枠」や「章・節」以外にも「見出し」や「枠本体」等が存在するが、図3乃至5に示したように、文書の論理構造では、「見出し」を論理内容とする複合論理対象体は、「章・節」を論理内容とする複合論理対象体の直下に位置し、「枠本体」を論理内容とする複合論理対象体は、「枠」を論理内容とする複合論理対象体の直下に位置するため、ステップ302の処理を行う際には、論理内容が「枠」または「章・節」のどちらかになるためである。
処理対象の対象体の論理内容が「章・節」であるときは、その下(論理階層が深い)に位置する論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部をスタックの最後の情報に追加する(ステップ303)。このため、当該処理においては、処理対象となる対象体は、論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部まで、文書の流れに沿って進められることとなる。例えば、ステップ302の処理で、図11に示すオブジェクト識別子が30の複合論理対象体を処理したとすると、その論理内容が「章・節」であるため、その下に位置する「見出し文字段落」を論理内容とする基本論理対象体(オブジェクト識別子3001)の直下の内容部(オブジェクト識別子30010)の処理を行うためには、処理対象となる対象体を、オブジェクト識別子が300、3000、30000、3001、30010の各対象体の順に変更することとなる。
【0036】
一方、ステップ302で処理した複合論理対象体の論理内容が「枠」であるときは、枠構造の処理を行う(ステップ304)。枠構造の処理は、図9のフローチャートで示した流れとなる。この処理では、最初に、次に処理対象となる対象体の論理内容が「枠本体」または「枠外テキスト域」のどちらであるかを判断する(ステップ401)。この判断は、文書の論理構造が図4に示すように、論理内容が「枠」の複合論理対象体の直下には、論理内容が「枠本体」または「枠外テキスト域」のいずれかの複合論理対象体が位置することに基づくものである。
そして、処理対象となる対象体の論理内容が「枠外テキスト域」であるときは、次の対象体の論理内容が「枠外テキスト域段落」または「枠見出し」のどちらであるかを判断する(ステップ402)。この判断も、同様に、図4に示す文書の論理構造に基づくものである。処理対象となる対象体の論理内容が「枠見出し」であるときは、その直下に位置する論理内容が「枠見出し文字段落」の基本論理対象体の内容部をスタックの最後の情報に追加し(ステップ403)、処理対象となる対象体の論理内容が「枠外テキスト域段落」であるときは、論理内容が「枠外テキスト域段落」である基本論理対象体の内容部の処理を行う(ステップ405)。基本論理対象体の内容部の処理は、処理対象となる対象体を変更するだけの処理で、スタックへの情報の保管を行うわけではない。また、ステップ401で処理対象となる対象体の論理内容が「枠本体」であると判断されたときは、当該対象体の直下にある基本論理対象体の内容部の処理を行う(ステップ404)。
【0037】
ステップ403、404、405のいずれかの処理を行うと、続いて、次の処理対象となる対象体の種別と論理階層の確認を行い(ステップ406)、当該対象体があるかどうかを判断する(ステップ407)。処理対象となる対象体があるときは、スタックに保管されている論理階層と、処理対象となる対象体の論理階層の大きさを比較する(ステップ408)。比較の結果、処理対象となる対象体の論理階層が大きい場合には、枠構造が終了していないため、ステップ401に戻り、枠構造が終了するまで処理を上記処理を繰り返す。この判断は、スタックに保管されている論理階層は、ステップ301で保管された論理内容が「枠」の複合論理対象体であるため、それよりも処理対象となる対象体の論理階層が大きい場合には、当該対象体が、ステップ301で保管された論理内容が「枠」の複合論理対象体の下に位置することを理由に行われるものである。
また、ステップ408での比較の結果、処理対象となる対象体の論理階層が同じか小さい場合やステップ407での確認で処理対象となる対象体が無かった場合には、枠構造が終了したことを意味しているため、スタックの最後に保管してある枠構造に関する情報を取り出し(ステップ409)、取り出した枠構造に関する情報に、最後に処理を行った対象体の物理位置を付加し、インデックスに追加する(ステップ410)。インデックスに追加する枠構造に関する情報とは、ステップ301でスタックに保管を行った情報であり、このとき、インデックスには、部品種別が枠構造である旨を示す情報と枠種を示す情報を併せて追加する。また、インデックスに追加する情報には、論理内容が「枠見出し文字段落」の基本論理対象体が含まれていた場合は、ステップ403でスタックに保管した情報を含むこととなる。また、最後に処理を行った対象体とは、ステップ403、404、405のいずれかの処理で対象となった対象体であり、その物理位置とは、当該対象体のディスク装置6内でのアドレスである。
【0038】
ここで、図7に示すフローチャートの説明に戻る。ステップ207の判断で、処理対象となる対象体の種別が複合論理対象体であった場合には上述した処理を行うが、処理対象となる対象体の種別が基本論理対象体であるときは、基本論理対象体の処理(ステップ208)、その内容部の処理(ステップ209)を行い、ステップ201の処理に戻る。このステップ207とステップ209で行う処理は、処理対象となる対象体を変更するだけの処理で、スタックへの情報の保管を行うわけではない。
【0039】
さて、ステップ201の処理に戻ると、再び、処理対象となる対象体の種別と論理階層の確認を行い(ステップ201)、対象体があるかどうかを判断する(ステップ202)。ここで、対象体があるときは、スタックの最後に「章・節」の情報が保管されているかどうかを判断し(ステップ203)、保管されていない場合には、上述した処理と同様の処理を行う。
一方、スタックの最後に「章・節」の情報が保管されている場合には、スタックに保管されている論理階層と、処理対象となる対象体の論理階層の大きさを比較する(ステップ204)。上述したように、スタックに保管される情報は、ステップ103の処理における「文書名」、「ページ数」、文書が開始される物理位置などの情報、ステップ301の処理における対象体の種別、論理階層、開始の物理位置、ステップ303の処理における論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部、ステップ403の処理における論理内容が「枠見出し文字段落」の基本論理対象体の内容部であるが、ステップ301で情報を保管した複合論理対象体の論理内容が「枠」であった場合には、当該情報はステップ409の処理で取り出されているため、スタックの最後に論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部が保管されていれば、併せて論理内容が「章・節」の複合論理対象体の種別、論理階層、開始の物理位置が保管されている。また、ステップ103の処理における「文書名」、「ページ数」、文書が開始される物理位置などの情報以外が保管されている点に着目しても当該判断は可能である。
【0040】
続いて、処理対象となる対象体の論理階層が、スタックに保管されている論理階層よりも大きい場合には、スタックに保管されている論理内容が「章・節」の複合論理対象体を先頭とする「章・節」の処理が終了していないと判断されるため、ステップ207の処理に進み、上述した処理と同様の処理を行う。このような状態が発生するのは、文書の構造上、「章・節」の中に「章・節」を含むことができるためである。
【0041】
また、処理対象となる対象体の論理階層が、スタックに保管されている論理階層よりも小さいか同じである場合、スタックに保管されている論理内容が「章・節」の複合論理対象体を先頭とする「章・節」の処理が終了したことを意味しているため、スタックの最後に保管してある見出し構造に関する情報を取り出し(ステップ205)、取り出した見出し構造に関する情報に、最後に処理を行った対象体の物理位置を付加してインデックスに追加する(ステップ206)。ステップ205で取り出す見出し構造に関する情報は、見出し構造を構成する部分の情報で、例えば、図11に示すオブジェクト識別子が300の対象体を先頭とする構造の情報であり、ステップ301の処理でスタックに保管した対象体の種別、論理階層、開始の物理位置に、ステップ303の処理で保管した論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部を加えたものである。ステップ301の処理でスタックに保管した対象体の開始の物理位置は、論理内容が「章・節」である複合論理対象体の開始の物理位置であり、文書の構造上、論理内容が「見出し」の複合論理対象体の開始の物理位置でもあるため、見出し構造に関する情報とすることができる。このとき、インデックスには、部品種別が見出し構造である旨を示す情報を併せて追加する。ステップ206でインデックスに追加する最後に処理を行った対象体の物理位置は、ステップ209、ステップ303、ステップ403、404、405のいずれかの処理で対象となった対象体のディスク装置6内でのアドレスである。
【0042】
また、このような処理を繰り返し、ステップ202で対象体がないと判断された場合には、スタックに情報が保管されているかどうかを判断する(ステップ211)。これは、文書または文書部品を構成する全ての対象体に対する処理が終了しても、階層の異なる見出し構造が存在した場合や、枠構造で文書部品が終了する場合、さらに登録要求された文書部品が文書そのものである場合に、スタックに内容が残っている場合があるからである。ステップ211でスタックに情報が保管されている場合は、スタックの最上段にある情報を取り出し、最後に処理を行った対象体の物理位置を付加してインデックスに追加する(ステップ212)。このとき、スタックに残っている可能性のある内容は、ステップ103の処理における「文書名」、「ページ数」、文書が開始される物理位置などの情報、ステップ301の処理における対象体の種別、論理階層、開始の物理位置にステップ303の処理における論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部が追加されたものである(上述したように、ステップ403の処理における論理内容が「枠見出し文字段落」の基本論理対象体の内容部はステップ409の処理で取り出されているため)。このため、スタックの最後に論理内容が「見出し文字段落」の基本論理対象体の直下の内容部が保管されていれば、部品種別が見出し構造である旨を示す情報をインデックスに追加し、スタックの最後に「文書名」等が保管されていれば、部品種別が文書である旨を示す情報をインデックスに追加する。この後、再びステップ211に戻り、スタックに残っている内容が無くなるまでループを繰り返す。ステップ212でインデックスに追加する最後に処理を行った対象体の物理位置は、ステップ209、ステップ303、ステップ403、404、405のいずれかの処理で対象となった対象体のディスク装置6内でのアドレスである。
【0043】
上述した解析と登録処理により、文書部品の論理情報と物理的な位置情報がインデックスに保管される。インデックスの構造を図10に示す。図10(a)はインデックスレコードのフォーマット例を、同図(b)は部品情報の内容例を、同図(c)は部品種別による固有情報の具体例をそれぞれ示している。インデックスはユーザが保管を行った文書部品一単位を1レコードとして保持している。文書部品の論理構造は単一の構造ではなく、その内部に複数の文書部品が包含されていたり、また入れ子の構造になっていることがあるため、インデックスは可変長とし、不確定な文書部品の要素数に対応可能にする。
【0044】
文書部品の論理構造図とインデックスとの関係を図11に示す。例えば、左上に示したような文書について考えてみると、その特定論理構造は下図のようになる。本例のような論理構造を持つ文書の場合、インデックス内部には、文書全体に関する情報、見出し構造に関する情報、枠構造に関する情報、見出し構造に関する情報、の4つの構造に関する情報が保管される。各情報の内容は次のようになる。ただし、[ ]内の数字は論理構造図の番号に対応している。
1、文書全体に関する情報文書概要の先頭の物理位置から[30220]で示される内容部が終了する物理位置、および文書概要中に記述されている文書全体の情報。
2、見出し構造に関する情報[30]で示される「章・節」構造対象体の先頭の物理位置から[30220]で示される内容部が終了する物理位置、および「見出し文字段落」直下の内容部[30010]の情報。
3、枠構造に関する情報[301]で示される「枠」構造対象体の先頭の物理位置から[30100]で示される内容部が終了する物理位置等の情報。
4、見出し構造に関する情報[302]で示される「章・節」構造対象体の先頭の物理位置から[30220]で示される内容部が終了する物理位置、および「見出し文字段落」直下の内容部[30210]の情報。
【0045】
このように、実際の文書ファイルを恒常的な2次記憶装置に格納し、インデックスに対してアクセスを行うことにより、実際の文書ファイルを取り出すことなく、文書の内部構造を条件とした検索が容易となり、また、多量の文書群の中から特定の構造を高速に検索することが可能となる。
【0046】
実施例2
図12は、実施例2における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。文書部品管理装置21の基本構成は図1と同じであり、これにデータベース22、キーワード選択ユーザインターフェース23、キーワード属性付加手段24、文書部品保持手段(文書内部表現A)25、文書部品保持手段(文書内部表現B)26、コピー・ペースト手段27、キーワード集合合成手段28、文書内部表現変換手段29が付加されている。なお、この図では説明の都合上、文書部品管理装置21と他のブロックを区別して表しているが、実際には、24〜29で示されるブロックは文書部品管理装置21内に含まれている。
【0047】
キーワード選択ユーザインターフェース23は、キーボード、マウス、ディスプレイなどにより構成されている。ここでは、ユーザからの指示や、文書部品の登録要求などを受け付けるとともに、文書部品のキーワードなど必要な情報を可視化して表示する。
【0048】
キーワード属性付加手段24は、登録要求のあった文書部品に、属性としてキーワードを設定する。なお、このキーワードは複数設定可能であり、以後の説明ではキーワード集合という。
【0049】
文書部品保持手段25は、文書を文書部品管理装置の中に表現するための形式(文書内部表現A)を持つ記憶装置であり、各文書部品毎に
A−1)文書部品の内容記述
A−2)文書部品固有の属性
A−3)文書部品に与えられたキーワード集合
の形式を持っている。
【0050】
文書部品保持手段25は、文書をデータベース22の中に表現するための形式(文書内部表現B)を持つ記憶装置であり、次の形式からなる。
【0051】
B−1)文書内部表現Aによる文書の表現
B−2)B−1)から自動的に合成されたキーワード集合(各部品に設定されたキーワード集合の集合和)
コピー・ペースト手段27は、ユーザにより選択された領域を指定された位置に挿入するためのコピー・ペースト処理を行う手段であり、ここでは、上記A−3)の属性のコピーも行うように構成されている。
【0052】
キーワード集合合成手段28は、文書部品単位に設定されたキーワード集合を、文書全体のキーワード集合として合成する。
【0053】
文書内部表現変換手段29は、文書のデータベース登録時に文書内部表現Aからキーワード集合を合成し、文書内部表現Bに変更する。また、読み込み時には、文書内部表現Bを文書内部表現Aに変更する。
【0054】
なお、データベース上での検索のためのキーワード集合としては、上記B−2)を用いる。
【0055】
次に、上述した文書部品管理装置において、キーワード集合を合成する処理の流れを図13のフローチャートを用いて説明する。
【0056】
まず、文書部品保持手段25において、文書内部表現Aをオープンし(ステップ501)、キーワード集合Sを空集合に初期化する(ステップ502)。続いて、すべての文書部品を一つに読み込んだかどうかを判断し(ステップ503)、読み込んでないときは、文書部品を一つ読み込む(ステップ504)。次に、読み込んだ文書部品から、A−3)のキーワード集合を取り出し(ステップ505)、取り出したキーワード集合とSの和集合でSを更新する(ステップ506)。そして、SをB−2)として文書の内部表現Bを生成して(ステップ506)、ステップ503に戻り、すべての文書部品を一つ読み込むまでループを繰り返す。 図14は、グラフや表データを具えた文書に対して、上記処理を実行したときの例を示している。グラフや表データは、文書部品毎に文書内部表現Aの形式でキーワード集合などが設定される。さらに、これらの文書部品単位に設定されたキーワード集合は文書全体のキーワード集合として合成される。文書内部表現Bでは、文書内部表現Aによる文書と、前記文書全体のキーワード集合という形式になり、この形式でデータベースに登録されることになる。
【0057】
すなわち、実施例2の文書部品管理装置によれば、グラフ、表データ、図などの文書部品(またはそのひな型)作成時に、文書部品毎にキーワードが設定できるうえ、グラフ、表データ、図などを様々な組み合わせで用いても、適切なキーワードが自動的に設定される。また、運用で文書部品のひな型にキーワードをつけて使用することができる。さらに、キーワードの設定が登録作業者に依存しなくなるため、データベースの品質が向上する。加えて、データベース管理者が文書作成者と異なる場合に、個々の文書のキーワード設定の管理を行わなくてすむという利点がある。
【0058】
実施例3
図15は、実施例3における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。文書部品管理装置31の基本構成は図1と同じであり、これに参照判断手段32、例外処理手段33が付加されている。なお、この図では説明の都合上、文書部品管理装置31と他のブロックを区別して表しているが、実際には、32と33で示されるブロックは文書部品管理装置31内に含まれている。
【0059】
参照判断手段32は、文書部品管理装置31で受け付けた文書部品に参照があるか否かを判断し、この結果を例外処理手段33に通知する。
【0060】
例外処理手段33は、前記参照判断手段32により参照があると判断された場合に、例外処理を行う。
【0061】
図16は、上記参照判断手段32と例外処理手段33の機能を説明するための説明図である。参照文書部品は、その内部に参照情報(参照元の場所、登録名、登録日時等)を持っている。データベースAから文書部品を参照し、データベースBに登録する時、参照判断手段32は前記文書部品が参照文書部品であるかどうかをチェックする。このとき、参照文書部品であるときは、そのままの状態で登録を許可せず、「参照を解除して登録する」か「登録を中止する」かをユーザに選択させる。「登録する」が選択された場合、例外処理手段33は参照情報を削除した文書部品をデータベースBに登録する。また、「登録を中止する」が選択された場合は、登録処理を中止する。
【0062】
次に、参照文書部品を登録する場合の処理の流れを図17のフローチャートにより説明する。
【0063】
まず、文書部品が外部からの参照物かどうかをチェックし(ステップ601)、参照文書部品かどうかを判断する(ステップ602)。ここで、参照文書部品であるときは、登録中止とするか、参照解除して登録するかの判断をユーザに促し(ステップ603)、ユーザが「参照解除して登録する」を選択したかどうかを判断する(ステップ604)。ここで、Noであるときは、登録処理を中止する(ステップ605)。また、Yesであるときは、参照先から部品の実体をコピーし、参照情報を削除した(ステップ606)後、該当するデータベースに登録する(ステップ607)。
【0064】
実施例3の文書部品管理装置によれば、文書部品の登録時に、参照を解除(参照部品は実体として取り込む)して登録するか登録を中止するかをユーザに選択させて、文書部品管理データベース内に参照文書部品を持つことがないようにしたので、参照の多層化による関係の複雑さが解消され、更新のタイミングによる内容の不整合を防ぐことができる。
【0065】
実施例4
先に述べたように、既存のネットワークシステムに接続されたファイルサーバや、一般的なUNIXファイルシステムなどでは、文書そのものを1単位としてとらえて文書の保管を行っているので、枠や見出しのみというような文書内部の構造(文書部品)により保存や取り出しを行うことは不可能であった。したがって、文書部品の単独での保存/取り出しができるようになれば、多数の利用者による共用が可能となり、文書作成をより効率良く行うことができるようになる。この実施例では、正しい文書としての体裁を整えていない文書部品についても、コピー/ペースト等の手段を用いてサーバに単独で保存/取り出しが行えるようにした例について説明する。
【0066】
図18は、実施例4における文書部品管理システム40の機能的な構成を示すブロック図である。このシステムは、文書エディタ41、コピーバッファ42、保存アプリケーションシステム43、サーバ装置44により構成されている。
【0067】
文書エディタ41は、入力、フォーマット、レイアウト及び修正などの文書の作成/編集に必要な機能を制御している。文書エディタはマウス/キーボード、ディスプレイなどのユーザインターフェースと接続され、マウス/キーボードにより発生するイベントを解釈し、その結果に応じて所定のコマンドを実行する。入力イベントは、キーボードのキーの押下げや、マウスに付属するボタンの押下げ/解放などにより発生する。
【0068】
コピーバッファ42は、ユーザにより選択された文書の一部の特定論理構造を一時的に保存するバッファ記憶である。
【0069】
保存アプリケーションシステム43は、保存アプリケーションによってコピーバッファ42やサーバ装置44へのデータの保存、取り出しを制御する。
【0070】
サーバ装置44は、論理構造を有する文書データや前記コピーバッファ42に一時的に保存されていた特定論理構造を保管する。
【0071】
上記システムで使用する共通論理構造は、図3〜図5に示したものと同じである。これらの構造に基づいた文書エディタ41において、エディタの利用者は文書中のある特定の構造を選択し、「コピー」キーの押下げ等の手段により、文書の一部の特定論理構造のみをコピーバッファ42に保存する。このとき、文書エディタ41は、保存するものがどのような文書部品であるかの情報を付加する。図19は、コピーバッファ内に格納されるデータ形式を模式的に示したものである。図において、内容識別番号51には、内容データが枠構造であるとか、章・節構造であるというような情報が格納されている。この内容識別番号51とプロセスID52で共通部分が構成される。個別情報53には、内容データのコピー範囲に関する情報が任意のバイトストリームで記述されている。内容データ54には、ユーザにより選択された範囲の論理構造に関する情報が任意のバイトストリームで記述されている。
【0072】
ユーザはコピーバッファにある文書部品をサーバ装置に保管しようとするウィンドウ上において、「ペースト」キーの押下げ等の手段により保存アプリケーションに対して通知を発行する。通知を受けた保存アプリケーションは、コピーバッファに保存されている文書部品を取り出し、それに付加されている部品の情報をもとに解析を行い、インデックスに登録する。そして、一時的に保存されていたコピーバッファ上の文書部品を改めてサーバ装置に保管する。
【0073】
図20は、WYSIWYGウィンドウ(文書を印刷イメージに近い状態で表示したウィンドウ)により表示されたコピー元の文書例を示している。図20の文書において、ユーザがカーソルを使用して枠を選択したとすると、選択された領域の白黒が反転し、図21に示すような状態となる。このときの論理構造を模式図で表すと図22のようになる。図中、斜線の部分が選択されている領域(この例では枠)を表している。このとき、コピーバッファに格納されるデータを図23に示す。このように、枠や見出し、あるいは単一の段落などの共通論理構造に定義されている構造が選択されている場合には、共通論理構造で定義される構造がコピーバッファに格納される。
【0074】
図24は、図20の文書から章・節を選択したときの状態を示している。ここでは、ユーザが見出しウィンドウ上でカーソルを使用して2.1節の見出し構造を選択した例を示している。このときの論理構造を図25に、コピーバッファに格納されるデータを図26に示す。
【0075】
サーバ装置に保管される文書部品は特定論理構造で定義されている構造単体で構成されているとは限らないので、文書部品の内部を解析し、登録が行われる文書部品の構造をすべて特定し、その構造情報及び物理的な位置情報をインデックス内に保管する。登録が行われた文書部品は文書としての構造は保持せず、図19で示したコピーバッファ中の「内容データ」そのままの形式で保存される。
【0076】
次に、文書部品の保存を行うときの処理の流れを図27のフローチャートにより説明する。
【0077】
まず、文書エディタ上でのコピー操作により選択された文書の一部の特定論理構造のデータをコピーバッファに格納し(ステップ701)、保存アプリケーションシステムに対してペーストのイベント発生したかどうかを判断する(ステップ702)。ここで、ペーストのイベント発生したときは、コピーバッファ内の内容識別情報を取り出し(ステップ703)、保存が可能な文書部品であるかどうかを判断する(ステップ704)。保存が可能でなければ処理を終了し、保存可能であるならば、データの付加情報をユーザから受け取る(ステップ705)。ここでは、名称やキーワード等の付加情報があれば、それを保存データに付加する。そして、コピーバッファ内の内容データと内容識別番号をサーバ装置に保管する(ステップ706)。
【0078】
「Copy/Pasteキー」により文書部品を保管したときの例を図28に示す。ユーザが文書エディタ上のウィンドウで枠を選択し、Copyキーを押下すると、文書部品はコピーバッファに一時的に保存される。ここで、保存アプリケーションのウィンドウを開いてPasteキーを押下して保存アプリケーションへのイベントを通知すると、文書部品はサーバ装置に保管される。
【0079】
したがって、インデックスに登録されている文書部品のデータを、保存アプリケーションにより文書エディタのコピーバッファにそのまま記述することにより、登録時と逆の手順で登録された文書部品を文書エディタ内にそのまま取り込むことが可能となる。すなわち、ユーザは保存アプリケーションのウィンドウ上において、リストされている文書部品の項目中から目的とする文書部品を選択し、「コピー」キー等を押下することにより、文書エディタのコピーバッファにその内容を記述し、文書エディタ上でのペースト処理により保存アプリケーションで保存されていた文書部品の内容を取り込むことができる。
【0080】
次に、文書部品の取り出しを行うときの処理の流れを図29のフローチャートにより説明する。
【0081】
まず、保存アプリケーションのウィンドウ上でコピーイベントの発生を受け付け(ステップ801)、サーバ装置から該当する文書部品の内容識別情報と内容データを取り出す(ステップ802)。そして、取り出した情報を文書エディタのコピーバッファに書き込む(ステップ803)。
【0082】
「Pasteキー」により文書部品を取り出したときの例を図30に示す。ユーザが保存アプリケーションのウィンドウ上で枠を選択し、Copyキーを押下することにより、保存アプリケーションへの取り出しイベントが通知される。文書エディタのコピーバッファには、保存アプリケーションで保存していた文書部品のデータが記入される。ここで、文書エディタのウィンドウを開き、ペースト処理により文書部品を文書内に取り込む。
【0083】
このとき、登録されている文書部品には割り付け構造が保存されていないため、取り込み先の文書エディタの割付け構造に従った割付け処理が実行されることになり、取り込み先に合わせた柔軟な割付け処理が可能となる。
【0084】
実施例4のシステムによれば、正しい文書としての体裁を整えていない枠や見出しなどの文書部品を、単独で保存/取り出しすることができる。このため、サーバ装置内で統一的に管理されている文書部品を多数の利用者によって共用することが可能となり、従来に比べて文書作成をより効率良く行うことができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明に係わる構造化文書の文書部品管理装置によれば、ユーザが指定した文書あるいは文書部品を解析して、文書部品を構成する論理構造をすべて特定し、その構造情報および物理的な位置情報をインデックス内に保管するようにしたため、文書の内部構造を文書としては不完全な形式で保存することができる。また、インデックス内部に文書構造が保持されているため、文書の内部構造を条件とした検索を行うことができる。
【0086】
また、第2の発明に係わる構造化文書の文書部品管理装置によれば、文書部品単位に属性としてキーワード集合を設定し、また文書部品単位にキーワード集合を対応させて保持するようにしたので、文書部品作成時に文書部品個別にキーワード集合を設定することができるうえ、文書部品を組み合わせて用いても、適切なキーワード集合を自動的に設定することができる。また、キーワードの設定が登録作業者に依存しなくなるため、データベースの品質を向上させることができる。さらに、登録管理者が文書作成者と異なる場合に、個々の文書のキーワード設定の管理を行わなくてすむという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した文書部品管理装置を実現するためのハードウェア構成を示した図。
【図3】文書部品管理装置で使用する共通論理構造(見出しの論理構造)を示す図。
【図4】文書部品管理装置で使用する共通論理構造(本文中の枠の論理構造)を示す図。
【図5】文書部品管理装置で使用する共通論理構造(入れ子枠の論理構造)を示す図。
【図6】文書部品の解析とインデックス登録の処理の流れを示すフローチャート。
【図7】文書部品構造の解析とインデックスの構築処理の流れを示すフローチャート。
【図8】文書部品論理対象体の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】枠構造の処理の流れを示すフローチャート。
【図10】インデックスの構造を示す図。
【図11】文書部品の論理構造図とインデックスとの関係を示す図。
【図12】実施例2における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図13】キーワード集合を合成する処理の流れを示すフローチャート。
【図14】実際の文書に対してキーワード集合の合成処理を実行したときの例を示す図。
【図15】実施例3における文書部品管理装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図16】参照判断手段と例外処理手段の機能を説明する図。
【図17】参照文書部品を登録する場合の処理の流れを示すフローチャート。
【図18】実施例4における文書部品管理システムの機能的な構成を示すブロック図。
【図19】コピーバッファ内に格納されるデータ形式を模式的に示した図。
【図20】WYSIWYGウィンドウにより表示されたコピー元の文書例を示す図。
【図21】領域が選択されたときの表示状態を示す図。
【図22】領域が選択されたときの論理構造を示す模式図。
【図23】コピーバッファに格納されるデータを示す図。
【図24】文書から章・節を選択したときの表示状態を示す図。
【図25】章・節が選択されたときの論理構造を示す図。
【図26】コピーバッファに格納されるデータを示す図。
【図27】文書部品の保存を行うときの処理の流れを示すフローチャート。
【図28】「Copy/Pasteキー」により文書部品を保管したときの例を示す図。
【図29】文書部品の取り出しを行うときの処理の流れを示すフローチャート。
【図30】「Pasteキー」により文書部品を取り出したときの例を示す図。
【図31】ODAの文書構造を示す図。
【図32】文書処理モデルを示す図。
【符号の説明】
10…文書部品管理装置、11…文書部品受付手段、12…論理構造特定手段、13…文書部品保持手段、14…インデックス生成手段、15…インデックス保持手段、24…キーワード属性付加手段、28…キーワード集合合成手段、32…参照判断手段、33…例外処理手段

Claims (2)

  1. 論理構造を持つ構造化文書を編集処理する文書処理装置とともに利用される構造化文書の文書部品管理装置において、
    登録要求された文書若しくは文書の一部を、1以上の文書部品を含む処理対象として前記文書処理装置から受け付ける文書部品受付手段と、
    前記文書部品受付手段が受け付けた処理対象を1以上保持する文書部品保持手段と、
    前記文書部品保持手段が保持する処理対象を解析し、該処理対象に含まれる文書部品の論理構造を特定する論理構造特定手段と、
    前記論理構造特定手段が特定した論理構造に基づいて前記処理対象の論理構造を構成する処理対象体を先頭から順次確認し、該処理対象体の論理内容情報から文書部品の先頭となる処理対象体が確認される毎に、該処理対象体から得られる論理階層情報および文書部品の開始位置情報を記憶手段に保管するとともに、該処理対象体の論理内容情報に対応する論理情報を該処理対象体の論理構造上子孫となる内容部から得て前記論理階層情報および文書部品の開始位置情報に追加して前記記憶手段に保管し、文書部品の先頭となる処理対象体が確認された際に前記記憶手段に論理階層情報が保管されている場合には、前記記憶手段に保管されている論理階層情報が示す論理階層が該文書部品の先頭となる処理対象体が確認された論理階層と同じ若しくは小さいことを条件に、前記記憶手段に保管されている論理階層情報および該論理階層情報とともに保管されている論理情報および文書部品の開始位置情報を取り出し、該論理情報および文書部品の開始位置情報および直前に確認された内容部から得られた文書部品の終了位置情報を含む文書部品のインデックス情報を生成し、処理対象体の確認が完了しても前記記憶手段に論理階層情報が保管されている場合にも、前記記憶手段に保管されている論理階層情報および該論理階層情報とともに保管されている論理情報および文書部品の開始位置情報を取り出し、該論理情報および文書部品の開始位置情報および直前に確認された内容部から得られた文書部品の終了位置情報を含む文書部品のインデックス情報を生成するインデックス生成手段と、
    前記インデックス生成手段により生成されたインデックスを1以上保持するインデックス保持手段と
    を具備することを特徴とする文書部品管理装置。
  2. 前記文書部品のキーワードを設定するキーワード設定手段と、
    前記キーワード設定手段により設定されたキーワードを前記文書部品と対応させて保持するキーワード保持手段と、
    前記文書部品が複数組み合わされて文書とされた場合に、該文書部品毎のキーワードを合成して1のキーワード集合に変換するキーワード変換手段と
    を更に具備することを特徴とする請求項1記載の文書部品管理装置。
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