JPH1027178A - 文書データベース管理装置 - Google Patents

文書データベース管理装置

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JPH1027178A
JPH1027178A JP8178293A JP17829396A JPH1027178A JP H1027178 A JPH1027178 A JP H1027178A JP 8178293 A JP8178293 A JP 8178293A JP 17829396 A JP17829396 A JP 17829396A JP H1027178 A JPH1027178 A JP H1027178A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 文書データベース管理装置に関し、複数の文
書スキーマにまたがって文書を効率良く検索できるよう
にする。 【解決手段】 文書スキーマを保持するスキーマ保持手
段1と、文書スキーマの構文規則を満たした文書を保持
する文書保持手段2と、問い合わせに使用した文書スキ
ーマの構文規則を自らの構文規則の部分集合とする文書
スキーマをスキーマ保持手段1の文書スキーマ群から特
定するスキーマ特定手段3と、特定された文書スキーマ
群を出力する文書検索制御手段4と、特定された文書ス
キーマ群に対応する文書保持手段2の文書から前記問い
合わせの条件を満足する文書を検索する文書検索手段5
とで構成し、複数の文書スキーマで共有される構文規則
に現われる要素に関する条件や要素間の接続関係に関す
る条件を満たす文書を単一の問い合わせで検索し、か
つ、構文規則を含まない文書スキーマの文書を事前に検
索対象から除外できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は文書データベース管
理装置に関し、特に電子文書を保持管理しかつ複数の文
書型にまたがって行われる文書の検索を効率化した文書
データベース管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】文書を表現する際には、表現対象の種類
ごとに文書型を定義することが行われている。ここで、
文書型とは、対応する文書が従うべき構文規則である。
【0003】また、章や節、段落や図表などの文書構成
要素とそれらの間の接続関係とで文書を表現する構造化
文書が広く用いられている。構造化文書の表現形式の一
つであるSGML(Standard General
ized Markup Language)(ISO
/IEC 8879:1989;JIS X4151)
では、文書型(Document Type Defi
nition、以下DTDと略称する)を表現するため
の形式が定められている。SGMLについては、例えば
Martin Bryan著「SGML入門」、株式会
社アスキー、1991年3月31日発行、を参照された
い。
【0004】さて、SGML文書のような構造化文書の
文書型では、対応する文書がどのような論理構造を持ち
得るのか、すなわち、文書構造中に現われる要素の種
類、各要素が持ち得る属性、各要素が持ち得る下位構造
が定められていることが一般的である。
【0005】ところで、実際の組織では、上で説明した
ような複数の文書型の構文規則に従う文書が管理される
ことになる。以下、組織で扱われる文書型の性質につい
て説明する。
【0006】組織で作成される文書の文書型は、文書管
理を行う組織の要求を反映して定義される。このような
文書型を定義する場合、複数の文書型で図表や数式など
を表現するための構文規則を共通して定めることが広く
行われている。図表や数式などの構文規則は一般に複雑
なので、既知の構文規則が文書型の一部として参照され
ることが多い。このように、組織においては、図表や数
式などを表現する構文規則が複数の文書型で共有されて
いる。
【0007】さて、このような文書型を文書データベー
ス管理システムに導入する場合、何らかの方法でデータ
ベースのスキーマと文書型とを対応付けることになる。
この対応付けの方法としては、以下の二通りの方法が知
られている。
【0008】第一の方法は、任意の文書型と対応する単
一のスキーマをデータベースで提供する方法である。こ
の方法では、どんな文書型の文書も、単一のスキーマの
インスタンスとして格納される。この方法の例として、
特開平7−44579号公報に記載の論理構造文書検索
方式が挙げられる。
【0009】第二の方法は、文書型と一対一に対応する
スキーマをデータベースで提供する方法である。この方
法では、ある文書を格納する時、その文書はその文書の
文書型に対応する文書スキーマのインスタンスとして格
納される。
【0010】ところで、文書要素に関する条件や文書要
素間の接続条件を含む問い合わせに対する検索効率を向
上させるための方法として、インデックスを用いること
が知られている。このインデックスは、文書要素の名称
や文書構造における文書要素のパスを保持するエントリ
の集合から構成され、個々のエントリには対応する文書
要素へのポインタが保持されている。
【0011】このようなインデックスの例として、特開
平7−44579号公報記載の論理構造文書検索方式に
おけるエレメントパス(文書構造におけるルートから文
書要素へのパス)を利用したパスインデックスが挙げら
れる。パスインデックスは、文書要素間の接続条件を満
たす要素の組を効率的に検索するために提供されるもの
で、エレメントパスを保持するエントリから構成され
る。検索処理では、個々のパスインデックスエントリが
問い合わせの接続条件を満足するか否かのチェックがな
され、接続条件を満足するエントリからポインタが張ら
れている文書要素が接続条件を満足する要素として得ら
れる。
【0012】一方、上に挙げた文書型と一対一に対応す
るスキーマをデータベースで提供する第二の対応付け方
法では、文書スキーマごとにインデックスを作成するこ
とができる。文書スキーマに対応するインデックスを用
いることにより、ある文書スキーマの指すエントリがそ
の文書スキーマの文書のすべての要素を指し、他の文書
スキーマの文書の要素を全く指さないことを保証でき
る。このため、問い合わせと共に文書スキーマが特定さ
れると、特定された文書スキーマに対応するインデック
スエントリだけをチェックすることで検索処理が行える
ので、検索効率が向上する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで、複数の文書型
で共有されている図表や数式などを表現する構文規則に
現われる要素に関する条件を満足する文書要素の検索方
法について、検索処理の効率と文書利用者の負担という
二つの観点から評価する。
【0014】まず、任意の文書型と対応する単一のスキ
ーマをデータベースで提供する第一の対応付け方法を利
用した場合を考える。この場合には、文書利用者がデー
タベース中の文書に対する問い合わせを一つだけ発行す
ればよいので文書利用者の負担は小さい。一方、要素を
特定する処理では、文書型ごとのインデックスを提供す
ることができないので、インデックス中の全エントリに
ついて、エントリに対応する要素が要素に関する条件を
満足するか否かのチェックをしなくてはならない。この
ため、検索効率は低い。
【0015】一方、文書型と一対一に対応するスキーマ
をデータベースで提供する第二の対応付け方法を採用し
た場合を考える。この場合には、文書利用者が構文規則
を共有する文書型に対応する文書スキーマごとに問い合
わせを発行する必要があるので文書利用者の負担は大き
い。一方、個々の問い合わせは文書スキーマごとに発行
されるので、個々の問い合わせにおける要素特定処理で
は、文書スキーマに対応するインデックスを利用するこ
とで、問い合わせを発行していない文書スキーマに対応
するインデックスエントリをチェックせずにすむ。この
ため、検索効率は高い。
【0016】このように、文書データベース管理装置に
おいて、複数の文書スキーマで共有される構文規則に現
われる要素に関する条件や要素間の接続関係に関する条
件を満たす文書を検索する場合には、従来は上記の2通
りの方法のいずれかを選択せねばならず、それぞれ対応
するデメリットを受け入れなければならないという問題
点があった。
【0017】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、複数の文書スキーマで共有される構文規則に
現われる要素に関する条件や要素間の接続関係に関する
条件を満たす文書を単一の問い合わせで、かつ効率良く
検索できる文書データベース管理装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、電子文書を管理対象とする文書データベ
ース管理装置において、文書の構文規則である文書スキ
ーマを保持しているスキーマ保持手段と、前記スキーマ
保持手段中の文書スキーマの構文規則を満たした文書が
検索対象として保持されている文書保持手段と、問い合
わせに使用した文書スキーマおよび前記スキーマ保持手
段に保持されている文書スキーマ群を入力とし、前記文
書スキーマの構文規則を自らの構文規則の部分集合とす
る文書スキーマを前記文書スキーマ群から特定するスキ
ーマ特定手段と、前記スキーマ特定手段にて特定された
文書スキーマ群および前記文書スキーマの構文規則を満
たす文書を対象とした問い合わせを入力して、前記特定
された文書スキーマ群および前記問い合わせを出力する
文書検索制御手段と、前記文書検索制御手段からの前記
文書スキーマ群および前記問い合わせを入力とし、前記
文書スキーマ群に対応する前記文書保持手段中の文書か
ら前記問い合わせの条件を満足する文書を検索する文書
検索手段とを具備することを特徴とする文書データベー
ス管理装置が提供される。 このような文書データベー
ス管理装置によれば、スキーマ特定手段は、文書スキー
マと、スキーマ保持手段中の文書スキーマ群とを入力す
ることにより、文書スキーマの構文規則を自らの構文規
則の部分集合とする文書スキーマを文書スキーマ群から
特定する。文書検索制御手段はスキーマ特定手段で特定
された文書スキーマ群を検索対象の文書群に対応する文
書スキーマとして得る。その後、文書検索手段による検
索処理では、検索対象の文書の文書スキーマが明らかに
なっているので、複数の文書型に跨がった文書が単一の
問い合わせで検索される。さらに、検索条件を満たし得
ない文書要素を検索対象から除外することによって、検
索効率が向上される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明するが、まず、本発明の原理構成につい
て先に説明する。
【0020】図1は本発明の文書データベース管理装置
の原理構成図である。電子文書を管理対象とする本発明
の文書データベース管理装置は、文書の構文規則である
文書スキーマを保持しているスキーマ保持手段1と、こ
の文書データベース管理装置で管理される電子文書を保
持している文書保持手段2と、問い合わせ作成時に使用
された文書スキーマとスキーマ保持手段1に保持されて
いる文書スキーマ群とを受けるように接続されたスキー
マ特定手段3と、スキーマ特定手段3の出力および文書
スキーマの構文規則を満たす文書を対象とした問い合わ
せを受けるように接続された文書検索制御手段4と、文
書検索制御手段4の出力を受けて文書保持手段2に保持
されている文書に対して検索を実行するように接続され
た文書検索手段5とから構成されている。
【0021】ここで、作用の説明に入る前に、説明で用
いる用語を定義しておく。まず、スキーマを構文規則の
集合と考える。あるスキーマの構文規則の集合が他のス
キーマの構文規則の集合の部分集合となっている時、前
者のスキーマを、後者のスキーマのフラグメントと呼
ぶ。
【0022】フラグメントという概念はスキーマの包含
関係に基づいて定義されているため、単一の文書スキー
マのみに着目し、その文書スキーマがフラグメントであ
るか否かを判断することはできない。
【0023】図1に示した文書データベース管理装置に
は、文書スキーマ保持手段1中の文書スキーマ群のフラ
グメントとなる文書スキーマと、その文書スキーマに現
われる要素に関する条件や要素間の接続条件からなる問
い合わせとが入力される。これらの情報が本発明の文書
データベース管理装置に入力されると、入力されたフラ
グメント文書スキーマと、スキーマ保持手段1中の文書
スキーマ群とがスキーマ特定手段3に入力される。ここ
で、スキーマ特定手段3は、入力された文書スキーマを
フラグメントとする文書スキーマ群をスキーマ保持手段
1より入力された文書スキーマ群から特定する。文書検
索制御手段4はスキーマ特定手段3で特定された文書ス
キーマ群に対応する文書群を検索対象の文書群に対応す
る文書スキーマとして得る。その後、文書検索手段5に
よる検索処理が行われる。この検索処理では、検索対象
の文書の文書スキーマが明らかになっているので、それ
ぞれの文書スキーマに対応するインデックスを利用する
ことができ、高い検索効率を実現できる。
【0024】また、文書検索制御手段4は、入力の文書
スキーマをフラグメントとする文書スキーマの文書が入
力の問い合わせの条件を満足し得るか否かを検証する機
能を備えることができる。これに対応して、入力の文書
スキーマをフラグメントとする文書スキーマの文書が入
力の問い合わせの条件を満足し得ることが検証された場
合にのみ、文書検索制御手段4は検索対象の文書に対応
する文書スキーマを得ることになる。これにより、問い
合わせの作成を誤まるなどして、検索結果の文書が存在
し得ないような問い合わせが入力された場合でも、文書
に対する検索を行う前に問い合わせの欠陥を検出できる
ので、問い合わせにヒットし得ない文書スキーマの文書
を検索する無駄を事前に防止できることになる。
【0025】さらに、文書検索制御手段4が上記検証す
る機能を備える文書データベース管理装置であって、文
書要素と文書要素間の接続関係で表現される構造化文書
が文書保持手段2で保持されており、入力される問い合
わせが文書要素型に関する条件と文書要素型の間の接続
条件とからなる状況では、文書検索制御手段4で出力さ
れる文書スキーマの条件は以下のように具体化される。
【0026】まず、文書データベース管理システムの文
書検索制御手段4で出力される文書スキーマの条件は、
条件1として入力された文書スキーマの構文規則の集合
が該文書スキーマの構文規則の部分集合であること、お
よび条件2として該文書スキーマの文書が問い合わせの
条件を満足し得ることである。
【0027】条件1を検証するためには、前者の文書ス
キーマの構文規則と後者の文書スキーマの構文規則とを
比較すればよい。この条件については、上の状況を考慮
した具体化は必要ないと考える。
【0028】したがって、以下に、上の状況において条
件2を検証するための具体的な方法について検討する。 命題(1):本発明の文書データベース管理装置におけ
る文書保持手段中の文書が構造化文書であり、その文書
に対する問い合わせが文書要素に関する条件と文書要素
間の接続関係に関する条件とで表現される場合を考え
る。このとき、ある文書スキーマと問い合わせに関し
て、以下の条件(1)が成立するならば、その文書スキ
ーマの文書はその問い合わせの条件を満足し得ない: 条件(1):文書スキーマにおける文書要素型間の接続
関係を組み合わせることで、問い合わせで用いられてい
る文書要素間の接続条件が表現できない。
【0029】ここで、文書要素型間の接続関係を組み合
わせて文書要素間の接続関係を生成する処理について説
明する。文書要素型はある種の文書要素が保持すべき性
質を記述したものである。一方、個々の文書要素は、た
だ一つの文書要素型に対応し、その文書要素型の性質を
継承している。文書要素型と文書要素との間には、この
ような対応関係が存在する。
【0030】一方、文書スキーマを木構造と見たとき、
木構造における個々のアークは文書要素型間の親子関係
を表している。そして、各々のアークの両端にはノード
として文書要素型が一つずつ存在することになる。
【0031】そして、文書要素型間の親子関係が階層的
に存在する場合には、ある文書要素型Aの子供である文
書要素型Bが他の文書要素型Cの親になるという状況が
発生する。この場合には、上に挙げた親子関係以外に
「文書要素型Aは文書要素型Cの祖先である」という接
続関係も表現されていることになる。本明細書では、こ
の祖孫間の接続関係を「文書要素型Aと文書要素型Bと
の間の接続関係と、文書要素型Bと文書要素型Cとの間
の接続関係とを組み合わせたことによる文書要素型Aと
文書要素型Cとの接続関係」と呼ぶ。
【0032】以上の説明では、文書要素型間の接続関係
を組み合わせても文書要素間の接続関係を表現すること
にはならないが、すでに述べた文書要素型と文書要素の
対応関係を利用して、接続関係の組み合わせにより生成
された接続関係に関わる文書要素型ごとにその文書要素
型と対応する文書要素と置き換えることで、文書要素間
の接続関係を表現できる。
【0033】さて、命題(1)が真であることは自明で
あると考えられる。 命題(2):ある文書スキーマとある問い合わせについ
て、以下の条件(2)が成立するならば、その文書スキ
ーマの文書はその問い合わせの条件を満足し得ない: 条件(2):前記文書スキーマのフラグメントとなる文
書スキーマにおける文書要素型間の接続関係を組み合わ
せることで、問い合わせで用いられている文書要素間の
接続条件が表現できない。
【0034】以下、命題(1)が真であることを利用し
て、命題(2)が真であることを証明する。ある文書ス
キーマにおける文書要素型のすべての接続関係を要素と
する集合は、その文書スキーマをフラグメントとする文
書スキーマにおける文書要素間のすべての接続関係を要
素とする集合の部分集合である。
【0035】このため、命題(1)が真であるなら命題
(2)が真であることは明らかである。よって、命題
(2)は真である。もし、文書スキーマと問い合わせと
が上記の条件(2)を満足してしまう場合には、その問
い合わせでその文書スキーマの文書を検索してもヒット
する可能性はない。このため、本発明の文書データベー
ス管理装置の文書検索制御手段4においては、フラグメ
ントとなる文書スキーマおよび問い合わせが入力される
と、先に示した条件1に加えて上記の条件(2)を満足
しないことが明らかになった場合のみ、入力された文書
スキーマをフラグメントとする文書スキーマを出力す
る。これにより、ヒットする文書が存在し得ない問い合
わせの発行を減少させることができ、検索効率がさらに
向上することになる。
【0036】次に、本発明の文書データベース管理装置
の具体例について説明する。図2は文書データベース管
理装置の構成例を示すブロック図である。図2に示した
文書データベース管理装置10は、スキーマ保持部1
1、文書保持部12、スキーマ特定部13、文書検索制
御部14、文書検索部15から構成される。また、スキ
ーマ特定部13には、スキーマ共有関係テーブル13
a、要素セット13bおよび接続関係テーブル13cを
保持している。文書データベース管理装置10は入出力
装置20を通じて文書利用者30によって操作される。
【0037】スキーマ保持部11は、文書保持部12の
中の文書に対応する文書スキーマを保持する。スキーマ
保持部11は、メモリ、磁気ディスクといった計算機の
記憶領域上に実現される。文書保持部12は、この文書
データベース管理装置10で管理される電子文書を保持
する。文書保持部12は、スキーマ保持部11と同様、
計算機の記憶領域上に実現される。スキーマ特定部13
は、文書検索制御部14を介して入出力装置20からの
文書スキーマとスキーマ保持部11からの文書スキーマ
群とを入力とし、前者の文書スキーマをフラグメントと
する文書スキーマを後者の文書スキーマ群から特定して
出力する。スキーマ特定部13は、このような動作を実
行するための手続きを記述した計算機プログラムで実現
される。なお、スキーマ特定部13が保持するスキーマ
共有関係テーブル13aと、要素セット13bおよび接
続関係テーブル13cとについては後述する。文書検索
制御部14は、入出力装置20からの問い合わせと文書
スキーマとを入力とし、入力された文書スキーマとスキ
ーマ保持部11の中の文書スキーマ群をスキーマ特定部
13に入力する。そしてスキーマ特定部13から得られ
た文書スキーマ群および入力された問い合わせを検索対
象の文書に対応する文書スキーマとして文書検索部15
に渡す。文書検索制御部14は、このような動作を実行
するための手続きを記述した計算機プログラムで実現さ
れる。そして、文書検索部15は、文書検索制御部14
からの問い合わせと文書スキーマ群とを入力とし、文書
保持部12の中の文書のうち入力された文書スキーマに
対応する文書から入力された問い合わせの条件を満足す
る文書を検索して出力装置に出力する。文書検索部15
は、このような動作を実行するための手続きを記述した
計算機プログラムで実現される。文書検索部15では、
前述したインデックスを利用して、検索処理を高速に実
行することが実現可能である。
【0038】入出力装置20は、文書利用者30から、
問い合わせおよび他の文書スキーマのフラグメントとな
る文書スキーマを特定する指示を得て、文書検索制御部
14に出力する入力装置と、文書検索部15から検索の
結果得られた文書を得て可視化表示する出力装置とから
構成される。入力装置は、例えば、マウス、キーボー
ド、計算機プログラムなどを利用して容易に実現でき
る。また、出力装置は、例えば、印刷装置、ディスプレ
イ、ディスプレイ制御用の計算機プログラムなどを利用
して容易に実現できる。
【0039】なお、文書データベース管理装置10およ
び入出力装置20で用いられる構成要素は、パーソナル
コンピュータやワークステーションなどといった計算機
上の資源および周辺機器を用いて実現することが可能で
ある。
【0040】上記構成の文書データベース管理装置10
の全体的な処理の流れについて説明する。図3は文書デ
ータベース管理装置の動作の一例を説明する流れ図であ
る。なお、Sに続く数字はステップ番号を示している。 〔S1〕スキーマ保持部11の中の文書スキーマが入出
力装置20を介して文書利用者30に提示される。 〔S2〕フラグメントとなる文書スキーマが文書利用者
30によって選択され、選択された文書スキーマに基づ
いて問い合わせを作成する。この時作成される問い合わ
せが満足すべき条件について、以下に説明する。まず、
文書利用者30は、フラグメントとなる文書スキーマを
選択した時点で、その文書スキーマをフラグメントとす
るすべての文書スキーマの文書を検索対象にしようと考
えているはずである。このため、作成される問い合わせ
は、選択された文書スキーマをフラグメントとするすべ
ての文書スキーマについて、その文書スキーマの文書を
検索結果として得る可能性を持つものでなくてはならな
い。 〔S3〕文書利用者30により検索指示が文書データベ
ース管理装置10に出され、文書利用者30によって選
択された文書スキーマが文書データベース管理装置10
の中のスキーマ特定部13に入力される。 〔S4〕スキーマ特定部13が起動し、入力された文書
スキーマからその文書スキーマをフラグメントとするス
キーマ保持部中の文書スキーマが特定される。 〔S5〕文書検索制御部14および文書検索部15が起
動し、ステップS4で特定された文書スキーマと文書利
用者によって作成された問い合わせを基にして、文書保
持部12の中の文書に対する検索が行われる。 〔S6〕文書検索部15によって得られた文書保持部1
2の中の文書が出力装置を介して文書利用者30に示さ
れる。以上で、文書データベース管理装置10の一連の
動作が終了する。
【0041】ここで、構文規則である文書スキーマが文
書属性の型のみからなる場合を例にした第1の実施の形
態について説明する。具体例として、スキーマ保持部1
1に保持される文書スキーマは「報告書スキーマ」、
「論文スキーマ」、「基本文書スキーマ」、「技術文書
スキーマ」、および「特殊文書スキーマ」の5つである
とする。
【0042】図4はスキーマ保持部における文書スキー
マの一例を示す説明図である。図4には、スキーマ保持
部11に保持されている文書スキーマ「報告書スキー
マ」、「論文スキーマ」、「基本文書スキーマ」、「技
術文書スキーマ」、および「特殊文書スキーマ」を示し
ている。
【0043】図4における文書スキーマの表記方法につ
いて説明する。まず、各行には、文書スキーマに属する
文書が保持すべき属性に関する情報が記述される。ただ
し、行頭に”*”がある行は、”*”直後の文字列の名
称を持つスキーマフラグメントを文書スキーマの一部と
して含むことを意味する。”*”を行頭に持たない個々
の行においては、”:”の前までが属性の名称を表
し、”:”の後が属性の値の型(”(”および”)”で
囲まれている場合)、または、値として取り得る候
補(”[”および”]”で囲まれている場合)を表して
いる。
【0044】したがって、図示の記述例によれば、報告
書スキーマの文書は「評価」という名称の管理属性を持
ち、その値は”A”、”B”、”C”のいずれかであ
る。同様に、論文スキーマの文書は「学会名」および
「採録の可否」という名称の管理属性を持ち、「学会
名」属性の値は任意の文字列であり、「採録の可否」属
性の値は”OK”または”NG”のいずれかである。ま
た、報告書スキーマおよび論文スキーマは共に文書スキ
ーマ「技術文書スキーマ」をフラグメントとしているの
で、上に挙げた属性に加えて技術文書スキーマで定義さ
れる属性をも文書スキーマの一部として含む。技術文書
スキーマの文書は、「技術分野」という名称の属性を持
つ。「技術分野」属性の値は”ハード”または”ソフ
ト”のいずれか一方である。技術文書スキーマは文書ス
キーマ「基本文書スキーマ」をフラグメントとしている
ので、基本文書スキーマで定義される属性をも文書スキ
ーマの一部として含む。基本文書スキーマの文書は「文
書表題」、「著者名」、「発行日」という名称の属性を
持つ。「文書表題」属性の値は任意の文字列であり、
「著者名」属性の値は人名型のデータを要素とするリス
トであり、「発行日」属性の値は日付型のデータであ
る。特殊文書スキーマの文書は「文書表題」、「著者
名」、「有効期限」、「配布範囲」という名称の属性を
持つ。「文書表題」属性の値は任意の文字列であり、
「著者名」属性の値は人名型のデータを要素とするリス
トであり、「有効期限」属性の値は日付型のデータであ
り、「配布範囲」属性の値は”研究所”または”研究グ
ループ”のいずれかである。
【0045】次に、文書保持部12に保持される文書の
具体例として、文書保持部12に保持される文書は「報
告書A」、「報告書B」、「報告書C」、「論文A」、
「論文B」、「特殊文書A」、「特殊文書B」、および
「特殊文書C」の8つであるとする。
【0046】図5ないし図7は文書保持部における文書
の一例を示す説明図である。図5ないし図7には、文書
保持部12に保持される文書「報告書A」、「報告書
B」、「報告書C」、「論文A」、「論文B」、「特殊
文書A」、「特殊文書B」、および「特殊文書C」を示
している。
【0047】図5ないし図7における文書の表記方法に
ついて説明する。個々の文書における最初の空行の前に
は、属性名と属性値との組が”:”を区切り子として各
行に記述されている。最初の空行の後には、文書の内容
が記述される。なお、各文書の先頭の属性「文書スキー
マ」は、文書スキーマでは定義されていないものである
が、文書格納時に本発明の文書データベース管理装置が
自動的に付与する属性であるものとする。
【0048】次に、第1の実施の形態においては、スキ
ーマ特定部13は、フラグメントとなる文書スキーマか
ら対応する文書スキーマを特定するため、内部的にスキ
ーマ共有関係テーブル13aを保持するものとする。
【0049】図8はスキーマ共有関係テーブルの一例を
示す説明図である。図8におけるスキーマ共有関係テー
ブル13aの表記方法について説明する。” ”(空
白)以外の文字で始まる行はフラグメントとなる文書ス
キーマの名称を表す。また、空白で始まる行は、テーブ
ルを先頭から辿った時、その空白で始まる行に到達する
すぐ前に見出されたフラグメントの文書スキーマを一部
とする文書スキーマの名称を表す。よって、図8のテー
ブルは、技術文書スキーマが報告書スキーマおよび論文
スキーマのフラグメントであること、および、基本文書
スキーマが技術文書スキーマのフラグメントであること
を表している。
【0050】このスキーマ共有関係テーブル13aは、
文書利用者30による検索指示がなされる前に、あらか
じめスキーマ特定部13によって作成されるものとす
る。そのスキーマ共有関係テーブル13aの作成処理の
一例を以下に示す。
【0051】図9および図10はスキーマ共有関係テー
ブル作成の処理の一例を説明する流れ図である。このス
キーマ共有関係テーブル作成処理では、一時ファイルが
利用される。このため、ステップS11では、処理の前
準備としてこの一時ファイルがクリアされる。 〔S12〕スキーマ保持部11の中の文書スキーマのう
ち、ステップS14以降で評価されていないものが存在
するか否かがチェックされ、もし存在する場合は処理を
ステップS13に進め、存在しない場合は処理をステッ
プS16に進める。 〔S13〕ステップS14以降で評価されていないスキ
ーマ保持部11の中の文書スキーマを一つ特定し、処理
をステップS14に進める。 〔S14〕ステップS13で特定された文書スキーマの
記述を参照し、行頭に”*”が与えられている行をすべ
て特定し、その行の文字列から先頭の”*”を除いたも
のをステップS13で特定された文書スキーマのフラグ
メントとなる文書スキーマ名称として得て、処理をステ
ップS15に進める。 〔S15〕ステップS13で特定した文書スキーマと、
ステップS14で特定したフラグメントである文書スキ
ーマとの組を、参照元の文書スキーマと参照先の文書ス
キーマが明示される形式で一時ファイルに追加し、処理
をステップS12に進める。 〔S16〕一時ファイルが空であるか否かがチェックさ
れ、もし空であれば処理を終了し、空でない場合は処理
をステップS17に進める。 〔S17〕一時ファイルで参照先として記述されている
文書スキーマを一つ特定し、処理をステップS18に進
める。 〔S18〕一時ファイルから、ステップS17で特定さ
れた文書スキーマが参照先としてステップS15で書き
込まれている組すべてを特定し、処理をステップS19
に進める。 〔S19〕ステップS17で特定された文書スキーマ名
称からなる行をスキーマ共有関係テーブル13aの末尾
に追加し、処理をステップS20に進める。 〔S20〕ステップS18で特定された組の参照元の文
書スキーマごとに、その名称の先頭に” ”(空白)一
つを加えた文字列からなる行をスキーマ共有関係テーブ
ル13aの末尾に追加し、処理をステップS21に進め
る。 〔S21〕ステップS18で特定された組を一時ファイ
ルから削除し、処理をステップS16に戻す。
【0052】次に、上で示した文書スキーマが保持され
ている状況でスキーマ共有関係テーブル13aを作成し
た場合に、ステップS12からステップS16に処理が
進んだ時点での一時ファイルの内容例を以下に示す。
【0053】図11はスキーマ共有関係テーブル作成時
の一時ファイルの内容例を示す図である。図11の一時
ファイルでは、各行に参照元と参照先が組として記述さ
れている。各行では、”:”を区切り子とし、前に参照
元の文書スキーマの名称、後に参照先の文書スキーマの
名称が記述される。
【0054】なお、上に示したスキーマ共有関係テーブ
ル作成処理は、スキーマ特定部13が起動する図3のス
テップS4において実行されてももちろん構わない。以
下、上述した文書データベース管理装置10の動作の一
例について、具体例を基に詳細に説明する。以下の説明
は、図3で示した文書データベース管理装置10の全体
的な処理の流れに従って説明する。
【0055】まず、ステップS1における文書スキーマ
の提示では、スキーマ保持部11の中の文書スキーマを
リストアップした問い合わせエディタがディスプレイ上
に表示されて、文書利用者30に選択を促す。その問い
合わせエディタの一例を以下に示す。
【0056】図12は問い合わせエディタの一例を示す
図である。図12の問い合わせエディタ40には、文書
スキーマリスト表示領域41、スキーマ表示領域42、
問い合わせ作成領域43、および”適用”ボタン44が
備えられている。文書スキーマリスト表示領域41に
は、スキーマ保持部11の中の文書スキーマの名称が一
覧表示される。
【0057】続いて、ステップS2では、文書利用者3
0は問い合わせ作成時に利用する文書スキーマを一つだ
け選択する。ここでは、文書スキーマ「基本文書スキー
マ」が選択されたものとする。選択された文書スキーマ
を基に、文書利用者30が問い合わせを作成する。ここ
では、選択された文書スキーマの表現を参照したり、問
い合わせを作成するために、図12の問い合わせエディ
タ40を用いる。先に文書スキーマ「基本文書スキー
マ」が選択されているので、それに対応してスキーマ表
示領域42には「基本文書スキーマ」の記述が表示され
る。文書利用者30はこの表示を参照したり、記述の一
部を再利用することで問い合わせを作成していく。
【0058】図13は問い合わせが作成された時点での
問い合わせエディタの表示例を示す図である。図13に
示した問い合わせエディタ40で表現されている問い合
わせの表記方法について説明する。問い合わせは、各行
に記された検索条件の連言標準形として解釈される。個
々の行では、行頭に属性名が示され、関係子および直後
の属性値によって属性値に関する検索条件が与えられ
る。このため、問い合わせ作成領域43に表示されてい
る問い合わせは、「文書表題」属性の値に”異種混合”
という文字列を含み、かつ、「発行日」属性の日付型の
値が”1996年3月1日”以前であるような文書の問
い合わせを意味する。
【0059】続いて、ステップS3の検索指示では、文
書利用者30によって文書データベース管理装置10に
検索指示が出され、ステップS2で選択された文書スキ
ーマがスキーマ特定部12に入力される。本実施の形態
においては、文書利用者30による検索指示は、問い合
わせエディタ40の下部の”適用”ボタン44を押下す
ることでなされ、スキーマ特定部13には、問い合わせ
エディタ40で選択された「基本文書スキーマ」が入力
されることになる。
【0060】ステップS4の文書スキーマの特定では、
スキーマ特定部13が起動し、ステップS3で入力され
た文書スキーマをフラグメントとするスキーマ保持部1
1の中の文書スキーマを特定する。ここで、文書スキー
マを特定する処理の一例を以下に示す。
【0061】図14はスキーマ特定部の処理の一例を示
す流れ図である。文書スキーマを特定する処理に先立
ち、ステップS31では、内部的に保持する展開対象リ
ストおよび出力リストをクリアする。 〔S32〕入力された文書スキーマを展開対象リストお
よび出力リストの末尾に追加する。 〔S33〕展開対象リストが空であるか否かを判断す
る。その結果、空である場合は処理をステップS36に
進め、文書スキーマの名前が入っている場合は処理をス
テップS34に進める。 〔S34〕スキーマ特定部13の内部に保持するスキー
マ共有関係テーブル13aを参照し、ステップS32で
の展開対象リスト先頭の文書スキーマをフラグメントと
する文書スキーマを特定する。そして、特定された文書
スキーマが出力リストに記述されていない場合には、そ
の文書スキーマを出力リストおよび展開対象リストの末
尾に追加する。 〔S35〕展開対象リスト先頭の文書スキーマを削除
し、処理をステップS33に戻す。 〔S36〕出力リスト中の文書スキーマを出力して処理
を終了する。
【0062】本実施の形態では、フラグメントとなる文
書スキーマとして基本文書スキーマが入力されたので、
基本文書スキーマをフラグメントとする技術文書スキー
マ、技術文書スキーマをフラグメントとする報告書スキ
ーマと論文スキーマ、および基本文書スキーマ自身の合
計4つの文書スキーマが出力されることになる。
【0063】次に、図3のステップS5の文書の検索で
は、文書検索部15において、ステップS4で出力され
た文書スキーマの文書が特定され、それらの文書のみを
対象にして、問い合わせの条件を満たす文書が検索され
る。本実施の形態では、文書の「文書スキーマ」属性を
参照することで、文書の文書スキーマを容易に特定する
ことができ、ここでは、文書保持部12の中の8つの文
書のうち、報告書スキーマに対応する報告書A、報告書
B、報告書Cと、論文スキーマに対応する論文A、論文
Bの合計5つの文書が検索の対象となる。
【0064】文書検索部15での文書検索処理は、既存
の文書検索システムの機能を用いて実現できるので、具
体的な処理手順の説明は省略する。本実施の形態におい
ては、文書検索部15における文書検索処理の結果得ら
れる文書は、報告書Aおよび論文Aの合計2つである。
【0065】そして、ステップS6の検索結果の表示で
は、ステップS5で得られた文書がディスプレイなどの
出力装置を介して文書利用者30に示される。検索の結
果得られた文書を文書利用者30に示す文書ホルダを図
15に示す。
【0066】図15は検索結果を表示する文書ホルダの
表示例を示す図である。図15の文書ホルダ50には、
文書リスト表示領域51および文書表示領域52が備え
られている。文書リスト表示領域51には、検索の結果
得られた文書の文書表題属性の値が一覧表示されてい
る。文書リストの項目を選択すると、対応する文書の内
容が文書表示領域に表示される。図15は、報告書Aが
選択された様子を示している。この文書ホルダ50を利
用して、文書利用者30は問い合わせエディタを通じて
指示した検索処理の結果を得ることができる。
【0067】以上の一連の処理の結果、文書利用者30
は、報告書スキーマと論文スキーマという、異なる文書
スキーマの文書を単一の問い合わせで検索することがで
きた。しかも、問い合わせに適合する可能性のない特殊
文書スキーマの文書をあらかじめ検索対象から除外して
検索処理を行うことができた。
【0068】なお、この第1の実施の形態では、文書利
用者による検索指示が出されてから、文書スキーマをフ
ラグメントとする文書スキーマを特定した。しかし、検
索指示の前にスキーマ保持部中のすべての文書スキーマ
について、その文書スキーマを一部として含むすべての
文書スキーマを挙げ、それらの対応関係を内部的に保持
しておく一方、検索指示の後の処理では、内部的に保持
されている対応関係を基にして検索対象の文書スキーマ
を決定するよう構成することももちろん実現可能であ
る。
【0069】次に、文書型を持つ構造化文書であるSG
ML文書に適用した第2の実施の形態について説明す
る。第2の実施の形態では、スキーマ保持部11の中の
文書スキーマおよび文書保持部12の中の文書が第1の
実施の形態で使用したものと異なるので、これら文書ス
キーマおよび文書の例を以下に示す。
【0070】第2の実施の形態における文書スキーマ
は、文書要素の型に関する規則と、文書要素型の間の接
続関係に関する規則とから構成されるもので、スキーマ
保持部11に、たとえば「report」、「mem
o」、「sect」、および「misc」の4つの文書
スキーマが保持されているものとする。
【0071】図16は文書スキーマの一例の説明図であ
る。図16には、スキーマ保持部11に保持されている
文書スキーマ「report」、「memo」、「se
ct」、および「misc」を示している。図16にお
ける文書スキーマの表記方法は、SGMLの参照具体構
文に基づくDTDの構文の表記方法であるので、詳細な
表記方法の説明は省略する。ここでは、各文書スキーマ
のうち、「report」スキーマが意味する構文規則
を書き下すこととする。
【0072】reportスキーマは、reportス
キーマの文書に対し、以下の構文規則を満足することを
要求する。すなわち、文書全体を表すreport要素
の直下に1つのfront要素、1つ以上のchap要
素、1つのback要素がこの順序で保持されなくては
ならない。front要素の直下に1つのtitle要
素、1つのauthor要素、1つのnote要素がこ
の順序で保持されなくてはならない。author要
素、note要素はいずれも直下に他の要素を持たず、
内容として内容データを保持しなくてはならない。ch
ap要素の直下に1つのtitle要素、0個以上のp
ara要素、1つ以上のsect要素がこの順序で保持
されなくてはならない。システム識別子”sect”で
識別される外部実体の内容として表現される構文規則を
満足しなくてはならない。back要素の直下に1つの
biblio要素、1つのindex要素がこの順序で
保持されなくてはならない。biblio要素、ind
ex要素はいずれも直下に他の要素を持たず、内容とし
て内容データを保持しなくてはならない。
【0073】上の構文規則の説明で示したように、re
portはsectをフラグメントとしている。同様
に、memoもsectをフラグメントとしている。一
方、第2の実施の形態において文書保持部12に保持さ
れる文書は、たとえば「report1」、「repo
rt2」、「report3」、「memo1」、「m
emo2」、「misc1」、「misc2」、および
「misc3」の8つであるとし、以下にその内容例を
示す。
【0074】図17ないし図20は第2の実施の形態に
おける文書の一例を示す図である。図17ないし図20
には、文書保持部12に保持される「report
1」、「report2」、「report3」、「m
emo1」、「memo2」、「misc1」、「mi
sc2」、および「misc3」を示している。
【0075】図17ないし図20における文書の表記方
法は、SGMLの参照具体構文に基づくSGML文書の
構文の表記方法であるので、表記方法の説明は省略す
る。このような文書スキーマおよび文書が保持されてい
るため、スキーマ特定部13の内部で保持されるスキー
マ共有関係テーブル13aは図21のように表現され
る。
【0076】図21は第2の実施の形態におけるスキー
マ共有関係テーブルの一例を示す説明図である。図示の
スキーマ共有関係テーブルによれば、sectスキーマ
がreportスキーマおよびmemoスキーマによっ
て共有されていることを表している。
【0077】第2の実施の形態における文書データベー
ス管理装置10の基本的な動作の流れは、図3で示した
動作の流れと同一であるので、以下、文書データベース
管理装置10の動作例を図3の流れに従って説明する。
【0078】まず、ステップS1の文書スキーマの提示
では、第1の実施の形態の場合と同様に、スキーマ保持
部11の中の文書スキーマをリストアップした問い合わ
せエディタ40がディスプレイ上に表示され、文書利用
者30に文書スキーマの選択を促す。このときの問い合
わせエディタ40の表示例を図22に示す。
【0079】図22は問い合わせエディタの表示例を示
す図である。図22に示した問い合わせエディタ40に
よれば、文書スキーマリスト表示領域41には、スキー
マ保持部11に保持されている文書スキーマの名称(文
書構造の根となる要素型の名称)が一覧表示される。す
なわち、「report」、「memo」、「sec
t」、「misc」が一覧表示される。
【0080】続いて、ステップS2では、文書スキーマ
リスト表示領域41に表示されているリストに対して、
文書利用者30は問い合わせ作成時に利用する文書スキ
ーマを一つだけ選択する。ここでは、文書スキーマ「s
ect」が選択されたものとする。選択された文書スキ
ーマを基に、文書利用者30が問い合わせを作成する。
選択された文書スキーマの参照や問い合わせの作成には
図22の問い合わせエディタ40が用いられる。文書ス
キーマ「sect」が選択されているので、それに対応
してスキーマ表示領域41では「sect」の記述が表
示される。文書利用者30はこの表示を参照したり、記
述の一部を再利用することで問い合わせを作成してい
く。
【0081】図23は問い合わせが作成された時点での
問い合わせエディタの表示例を示す図である。図23に
示した問い合わせエディタ40で表現されている問い合
わせの表現方法について説明する。問い合わせは、文書
スキーマの文書要素型に関する条件および文書要素タイ
プ間の接続関係で表現される。問い合わせ作成領域43
においては、文書要素タイプに関する条件は領域中の個
々の矩形領域に示される。また、文書要素タイプ間の接
続条件は、矩形領域を結ぶアークで示される。問い合わ
せ作成領域43における矩形領域内の表記の意味は、 <要素型名>(”<要素が含むべき文字列>”) である。また、矩形領域間が実線の矢印で接続されてい
る場合、矢印の元の矩形領域に対応する要素型が、矢印
の先の矩形領域に対応する要素型の親にあたることを意
味する。同様に、矩形領域間が破線の矢印で接続されて
いる場合、矢印の元の矩形領域に対応する要素型が、矢
印の先の矩形領域に対応する要素型の祖先にあたること
を意味する。
【0082】このため、問い合わせ作成領域43の中で
表示されている問い合わせは、内容に文字列”異種”を
含むtitle要素を子供に持ち、内容に文字列”混
合”を含むpara要素を子孫に持つsect要素を持
った文書の問い合わせを意味している。
【0083】続いて、ステップS3の検索指示では、文
書利用者30によって文書データベース管理装置10に
検索指示が出され、ステップS2で選択された文書スキ
ーマがスキーマ特定部13に入力される。文書利用者3
0による検索指示は、問い合わせエディタ40の下部に
ある”適用”ボタン44を押下することでなされ、スキ
ーマ特定部には、問い合わせエディタで選択された「s
ect」が入力されることになる。
【0084】ステップS4の文書スキーマの特定では、
スキーマ特定部13が起動し、ステップS3で入力され
た文書スキーマをフラグメントとするスキーマ保持部1
1の中の文書スキーマを特定する。第2の実施の形態に
おけるスキーマ特定部13の処理の流れは、第1の実施
の形態において図14で示された流れと同一であるの
で、説明を省略する。ここでは、スキーマ特定部13
は、フラグメントとなる文書スキーマとしてsectが
入力されたので、sectをフラグメントとするrep
ortとmemo、そしてsect自身の合計3つの文
書スキーマを文書検索制御部14に出力することにな
る。
【0085】ステップS5では、文書検索部15におい
て、ステップS4で出力された文書スキーマの文書が特
定されて、特定された文書のみを対象にして問い合わせ
の条件を満たす文書が検索される。ここでは、文書先頭
行のdoctype宣言に記載されているDTD名を参
照することで、文書が従う文書スキーマを特定すること
ができる。すなわち、文書保持部12の中の8つの文書
のうち、reportスキーマに従うreport1、
report2、report3、および、memoス
キーマに従うmemo1およびmemo2の合計5つの
文書が検索の対象となる。
【0086】文書検索部15での処理は、文書要素型間
の接続関係による問い合わせを扱う構造化文書検索シス
テムの機能を用いて実現出来るので、具体的な処理手順
の説明は省略する。ここでは、文書検索部15における
検索処理の結果得られる文書は、report1、re
port2、およびmemo1の3つである。
【0087】ステップS6の検索結果の表示では、ステ
ップS5で得られた文書がディスプレイを介して文書利
用者30に示される。検索の結果得られた文書を文書利
用者に表示する文書ホルダは図15に示した文書ホルダ
50と同一であるので、説明を省略する。
【0088】以上の一連の処理の結果、文書利用者30
は、reportとmemoという、異なる文書スキー
マの文書を単一の問い合わせで検索することができた。
しかも、問い合わせに適合する可能性のないmiscの
文書をあらかじめ検索対象から外して検索処理を効率よ
く行うことができた。
【0089】次に、第3の実施の形態として、実際にS
GML文書の検索を行う前に、入力の文書スキーマをフ
ラグメントとする文書スキーマの文書が入力の問い合わ
せの条件を満足し得ないか否かを検証する機能を備えて
いる場合を例にして、以下に説明する。
【0090】ただし、文書データベース管理装置10の
スキーマ特定部13は、文書保持部12の中の文書に対
する問い合わせとスキーマ保持部11の中の文書スキー
マとを入力とし、以下の条件すべてを満足するスキーマ
保持部11の中の文書スキーマを出力するものとする。
すなわち、条件1:入力された文書スキーマの構文規則
の集合が該文書スキーマの構文規則の部分集合であるこ
と、条件2:問い合わせで用いられるすべての文書要素
が、フラグメントとなる文書スキーマで文書要素型とし
て定められていること、および条件3:フラグメントと
なる文書スキーマにおける文書要素型間の接続関係を組
み合わせることにより問い合わせで用いられている文書
要素間の接続条件が表現できることである。
【0091】したがって、スキーマ特定部13は、この
ような動作を実行するための手続きを記述した計算機プ
ログラムで実現される。また、スキーマ特定部13は、
図2に示したように、スキーマ共有関係テーブル13a
に加え、スキーマ保持部11の中の個々の文書スキーマ
に対応した要素セット13bと接続関係テーブル13c
とを内部的に保持しているものとする。
【0092】要素セット13bには、文書スキーマで定
義された文書要素型の集合が保持される。また、接続関
係テーブル13cには、個々の文書要素に関し、その要
素の子供となる文書要素型の集合と、その要素の子孫と
なる文書要素型の集合とが保持される。この要素セット
13bおよび接続関係テーブル13cは、スキーマ特定
部13の処理において、上記の条件3を検証する際に用
いられる。
【0093】要素セット13bを作成するためには、文
書スキーマ中の個々の要素宣言について、宣言されてい
る要素をすべて要素セット13bに格納すればよい。こ
の処理は、既存の文字列処理言語を用いることで容易に
実現可能である。作成された要素セット13bの例を以
下に示す。
【0094】図24は要素セットの保持内容を示す図で
ある。図24に示した要素セット13bには、スキーマ
保持部11に保持されている文書スキーマ「repor
t」、「memo」、「sect」、および「mis
c」の中でそれぞれ宣言されているすべての要素が記述
されており、文書スキーマごとにどのような要素がある
かを示している。
【0095】次に、接続関係テーブル13cの作成処理
について以下に説明する。図25は接続関係テーブル作
成の処理の一例を示す流れ図である。接続関係テーブル
13cを作成する以下の処理では、キューを保持する変
数Qと、集合を保持する変数Sが内部的に用いられる。 〔S41〕作成対象の文書スキーマのルートが選択さ
れ、処理をステップS42に進める。 〔S42〕選択した要素型を起点として、親から子を辿
って到達できる要素型の集合を求め、処理をステップS
43に進める。 〔S43〕ステップS42で得た要素型の集合にルート
を加えた集合を変数Sに保持させ、処理をステップS4
4に進める。 〔S44〕変数Sに未処理の要素型があるかどうかを検
査する。未処理の要素型がなければ処理を終了する。未
処理の要素型があれば処理をステップS45に進める。 〔S45〕変数S中の要素型を一つ選択し、処理をステ
ップS46に進める。 〔S46〕選択した要素型の子供となる要素型の集合を
求め、処理をステップS47に進める。ある要素型の子
供の要素型を得るためは、文書スキーマ中でその要素型
の要素定義を特定し、その内容モデル中に子供として出
現し得る要素型をすべて取り出せばよい。この処理は、
既存の文字列処理言語を組み合わせることで容易に実現
可能である。 〔S47〕選択した要素型を起点にして、親から子を辿
って到達できる要素型の集合を求め、処理をステップS
48に進める。 〔S48〕選択中の要素型、ステップS46で得られた
要素型の集合、ステップS47で得られた要素型の集合
を3つ組として接続関係テーブル13cの末尾に追加
し、処理をステップS44に進める。
【0096】図26は選択要素型の到達可能要素特定処
理の一例を示す流れ図である。 〔S51〕変数Sを空集合とする。 〔S52〕選択要素型の子供である要素型を変数Qに保
持させる。 〔S53〕変数Qの要素型数が0か否かを判定し、0の
場合は処理を戻す。要素型数が1以上の場合は、変数Q
の先頭要素型を取り出す。 〔S54〕取り出した要素型が変数Sに含まれているか
どうかを判定し、含まれている場合はステップS53に
処理を進める。含まれていない場合にはステップS55
に処理を進める。 〔S55〕変数Sに取り出した要素型を加える。 〔S56〕取り出した要素型の子供である要素型を変数
Qの末尾に追加し、処理をステップS53に進める。
【0097】上の処理の結果、生成される接続関係テー
ブルは以下のようになる。図27は接続関係テーブルの
例を示す図である。図27に示した接続関係テーブル1
3cには、文書スキーマごとにある要素に対して子供と
して、および子孫として出現し得るすべての要素が記述
されている。たとえば、接続関係テーブル13cの中の
reportというスキーマにおいて、最初の1行は、
reportという要素が子供に持ち得る要素はfro
nt,chap,backであり、reportが子孫
として持ち得る要素はfront,chap,bac
k,...indexであることを記述している。次の
行は、frontという要素に関する記述となる。な
お、要素の中で、区切り子”:”しか持たない、たとえ
ばtitleという要素があるが、ここでの記述はti
tle要素が子供にも子孫にも要素を持ち得ないことを
意味している。
【0098】なお、接続関係テーブル13cの作成処理
は、文書利用者30による検索指示が出される前に行わ
れてもよいし、検索指示の後でスキーマ特定部13にて
接続関係テーブル13cが参照される直前に行われても
構わない。
【0099】また、スキーマ保持部11および文書保持
部12に保持されている文書スキーマおよび文書や、ス
キーマ特定部13に内部的に保持されているスキーマ共
有関係テーブル13aは、第2の実施の形態の場合と同
一であるので、説明を省略する。
【0100】本実施の形態における動作の流れは、図3
で示した動作の流れと基本的には同一である。ただし、
ステップS4の文書スキーマの特定処理において、本発
明の文書データベース管理装置10が個々の文書を検索
する前に入力された問い合わせにヒットする文書が存在
し得ないことを検知した場合には、文書利用者30にそ
の旨が示され、ステップS2に処理が戻される。この場
合の処理の流れを以下に示す。
【0101】図28は第3の実施の形態での文書データ
ベース管理装置の動作の一例を説明する流れ図である。
以下の説明は、図2で示した構成要素がすべて用意され
ていることを前提とする。 〔S61〕文書利用者30に示される問い合わせエディ
タや、文書利用者30の操作は第2の実施の形態と同一
であるので説明を省略する。問い合わせエディタで選択
される文書スキーマも第2の実施の形態と同じ文書スキ
ーマ「sect」であるとする。 〔S62〕ここで利用される問い合わせエディタも第2
の実施の形態と同一であるが、文書利用者30によって
作成された問い合わせは第2の実施の形態における問い
合わせとは異なる。問い合わせが作成された時点での問
い合わせエディタを以下に示す。
【0102】図29は問い合わせが作成された時点での
問い合わせエディタの表示例を示す図である。図29の
問い合わせエディタで表現されている問い合わせの表現
方法は、図23で示した表現方法と同一であるので説明
を省略する。図29の問い合わせ作成領域43で表示さ
れている問い合わせは、内容に文字列”異種”を含むt
itle要素を子供に持つsect要素を含む文書であ
って、このtitle要素は内容に文字列”混合”を含
むpara要素を子孫に持つような文書を対象としてい
ることを表している。 〔S63〕文書利用者30によって文書データベース管
理装置10に検索指示が出され、ステップS62で選択
された文書スキーマがスキーマ特定部13に入力され
る。文書利用者30による検索指示は、問い合わせエデ
ィタ40の下部にある”適用”ボタン44を押下するこ
とでなされる。また、スキーマ特定部13には、問い合
わせエディタ40で選択された「sect」が入力され
ることになる。 〔S64〕スキーマ特定部13が起動し、ステップS6
2で作成された問い合わせとステップS62で選択され
た文書スキーマとを入力とし、入力された文書スキーマ
の構文規則の集合が該文書スキーマの構文規則の部分集
合であり(条件1)、問い合わせで用いられるすべての
文書要素がフラグメントとなる文書スキーマで文書要素
型として定められていて(条件2)、しかも、フラグメ
ントとなる文書スキーマにおける文書要素型間の接続関
係を組み合わせることにより問い合わせで用いられてい
る文書要素間の接続条件が表現できること(条件3)、
の3つの条件をすべて満足した、スキーマ保持部11の
中の文書スキーマが特定され、出力される。 〔S65〕ステップS64の判定において、条件2また
は条件3が満足されない場合には、問い合わせにヒット
する文書は存在し得ないとしてステップS62に戻り、
問い合わせの作成をやり直す。また、条件2および条件
3が満足された場合には、問い合わせにヒットする文書
は存在し得るとしてステップS66に進む。 〔S66〕文書が存在し得る問い合わせで実際に文書の
検索処理を行う。 〔S67〕検索の結果得られた文書が文書ホルダ50を
通じて文書利用者30に示される。
【0103】次に、上記のステップS64における文書
スキーマの特定処理の詳細について以下に説明する。図
30は第3の実施の形態におけるスキーマ特定部の処理
の一例を示す流れ図である。 〔S71〕条件2が満足されたか否かの判断を行う。 〔S72〕ステップS71で条件2が満足された場合は
処理をステップS73に進める。満足されなかった場合
は処理を終了し、出力装置を介して問い合わせ中の要素
型に関する条件に不備がある旨指摘する。 〔S73〕条件3が満足されたか否かの判断を行う。 〔S74〕ステップS73で条件3が満足された場合は
処理をステップS75に進める。満足されなかった場合
は処理を終了し、出力装置を介して問い合わせ中の要素
型間の接続条件に不備がある旨指摘する。 〔S75〕第2の実施の形態で示された図14の一連の
処理が行われ、得られた文書スキーマが出力されて処理
が終了する。なお、ステップS75の処理は、条件1を
満足する文書スキーマを特定する処理に相当する。
【0104】以上の一連の処理を行うことで、上に挙げ
た条件1、条件2、および条件3のすべてを満足する文
書スキーマが特定され、出力されることになる。次に、
上記のステップS71の条件2が満足されたかどうかを
判断する処理の詳細を以下に示す。
【0105】図31は条件2判定処理の一例を示す流れ
図である。以下の処理では、文書要素のキューを保持す
る変数Qが内部的に用いられる。 〔S81〕問い合わせで用いられているすべての文書要
素を変数Qに格納する。 〔S82〕変数Qが空であるか否かが判定され、空の場
合は条件2が満足されたという結果を返し、ステップS
71の処理を終了する。空でない場合はステップS83
へ処理を進める。 〔S83〕変数Qの先頭要素を取り出す。 〔S84〕取り出された要素が対応する文書スキーマの
要素セットに含まれているか否かを判定する。含まれて
いる場合は処理をステップS82に進め、含まれていな
い場合は条件2が満足されなかったという結果を返し、
ステップS71の処理を終了する。
【0106】次に、上記のステップS73の条件3が満
足されたかどうかを判断する処理の詳細を以下に示す。
図32は条件3判定処理の一例を示す流れ図である。以
下の処理では、2つの文書要素と接続関係とからなる3
つ組のキューを保持する変数Q'が内部的に用いられ
る。 〔S91〕問い合わせで用いているすべての要素間接続
関係を、第1要素(親または祖先)の要素名、第2要素
(子供または子孫)の要素名、および関係(親子関係ま
たは祖孫関係)の3つ組で表現し、変数Q'に格納す
る。 〔S92〕変数Q'が空であるか否かが判定され、空の
場合は条件3が満足されたという結果を返し、ステップ
S73の処理を終了する。空でない場合はステップS9
3に処理を進める。 〔S93〕変数Q'の先頭の3つ組を取り出す。 〔S94〕取り出された3つ組と対応する文書スキーマ
の接続関係テーブルのエントリとを照合し、処理をステ
ップS92に進める。
【0107】次に、上記のステップS94の照合処理の
詳細を以下に示す。図33は3つ組と接続関係テーブル
のエントリとの照合処理の一例を示す流れ図である。 〔S101〕3つ組の第1要素と同一の第1要素を持つ
エントリを接続関係テーブルから特定する。 〔S102〕3つ組の第3要素が親子関係である場合は
処理をステップS103に進め、祖孫関係である場合は
処理をステップS104に進める。 〔S103〕3つ組の第2要素がステップS101で特
定されたエントリの第2要素に含まれるか否かが判断さ
れる。含まれていた場合にはステップS94の処理を終
了する。含まれていなかった場合は条件3が満足されな
かったという結果を返し、ステップS73の処理を終了
する。 〔S104〕3つ組の第2要素がステップS101で特
定されたエントリの第3要素に含まれるか否かが判断さ
れる。含まれていた場合にはステップS94の処理を終
了する。含まれていなかった場合は条件3が満足されな
かったという結果を返し、ステップS73の処理を終了
する。
【0108】上に示した処理を行うスキーマ特定部13
に、図29で示した問い合わせおよび文書スキーマ「s
ect」が入力された場合の、スキーマ特定部13の具
体的な動きについて説明する。
【0109】まず、図30のステップS71において、
条件2が満足されるか否かが判断される。問い合わせに
含まれる要素型はsect、title、paraの3
種類であり、sectスキーマに対応する要素セットも
sect、title、paraの3つの要素型を保持
するので、条件2は満足される。ステップS72では、
ステップS73に処理が進められる。
【0110】ステップS73では、条件3が満足される
か否かが判断される。問い合わせに対応して図32のス
テップS91で作成され、変数Q'に格納される3つ組
は以下の2つである。 sect:title:親子関係 title:para:祖孫関係 最初の3つ組を対象とした照合では、対応する接続関係
テーブルのエントリとして、『sect:title、
sect、para:title、sect、par
a』が特定される。
【0111】そして、図33のステップS103では、
3つ組の第2要素がエントリの第2要素に含まれるか否
かが判定される。この場合、3つ組の第2要素(tit
le)はエントリの第2要素(title、sect、
para)に含まれているので、次の3つ組を対象とし
た照合が行われる。
【0112】二つ目の3つ組を対象とした照合では、対
応する接続関係テーブルのエントリとして以下のものが
特定される。 title:: そして、ステップS104では、3つ組の第2要素がエ
ントリの第3要素に含まれるか否かが判定される。この
場合、3つ組の第2要素(para)はエントリの第3
要素(空)に含まれないので、図30のステップS74
でスキーマ特定部の処理が終了し、出力装置を介して問
い合わせ中の要素型間の接続条件に不備がある旨が指摘
される。
【0113】図34は接続条件エラー報告ウインドウの
表示例を示す図である。文書利用者30は、出力装置を
介して表示される接続条件エラー報告ウインドウ60を
参照することで、図28のステップS62において作成
した問い合わせの接続条件に不備があることを知る。
【0114】問い合わせに不備があることを知った文書
利用者30が、問い合わせを図23で示したものに修正
し、再度検索指示を出したものとすると、この場合に
は、図30のステップS71において問い合わせの修正
前と同様に条件2が満足すると判断され、処理がステッ
プS73に進められる。
【0115】ステップS73では、条件3が満足される
か否かが判断される。問い合わせに対応して図32のス
テップS91で作成され、変数Q'に格納される3つ組
は以下の2つである。 sect:title:親子関係 sect:para:祖孫関係 最初の3つ組を対象とした照合では、問い合わせ修正前
と同様の結果が得られる。二つ目の3つ組を対象とした
照合では、対応する接続関係テーブルのエントリとし
て、『sect:title、sect、para:t
itle、sect、para』が特定される。
【0116】そして、図33のステップS104では、
3つ組の第2要素がエントリの第3要素に含まれるか否
かが判定される。この場合、3つ組の第2要素(par
a)はエントリの第3要素(title、sect、p
ara)に含まれるので、条件3は満足される。そし
て、処理は図30のステップS75に進み、結果的に第
2の実施の形態にて示した結果とまったく同様の結果が
文書利用者30に示される。
【0117】以上の一連の処理の結果、文書利用者30
は、文書を得る可能性のない問い合わせを誤って作成
し、その問い合わせに基づく検索指示を出してしまって
も、本発明の文書データベース管理装置10が誤りを指
摘するので、その指摘に基づいて問い合わせを修正でき
る。さらに、本発明のデータベース管理装置10は、実
際に文書を検索する前に誤りを指摘できるので、文書利
用者が誤りに気づくまでの時間を短縮でき、文書利用者
による作業を効率化できる。また、計算機による無駄な
検索処理を未然に防ぐことができる。
【0118】なお、第2および第3の実施の形態では、
文書の表現形式としてSGMLの参照具体構文で定めら
れているものを採用したが、これにより本発明が限定さ
れるものではない。文書保持部中の文書が文書要素と文
書要素間の接続関係からなる構造化文書で、文書型を定
義可能なものであれば、文書の表現形式によらず同様の
文書データベース管理装置を構成することができる。
【0119】また、上の各実施の形態では、文書スキー
マのフラグメントは文書スキーマの外部ファイルとして
実現されているものとした。一方、フラグメントが文書
スキーマと同一ファイル上に実現されている状況も考え
られる。この状況においても、スキーマ特定部がフラグ
メントとなる文書スキーマを特定できれば、上の各実施
の形態で示した処理の流れとまったく同じ流れで同様の
結果を得ることが可能である。
【0120】さらに、上の各実施の形態では、スキーマ
特定部に入力された文書スキーマをフラグメントとする
スキーマ保持部中のすべての文書スキーマがスキーマ特
定部で特定されていた。しかし、スキーマ特定部で特定
された文書スキーマを文書利用者に示して選択させ、文
書利用者に選択された文書スキーマをスキーマ特定部で
特定される文書スキーマ群とするように構成することも
可能である。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、複数の
文書スキーマで共有される構文規則に現われる要素に関
する条件や要素間の接続関係に関する条件を満たす文書
の検索を単一の問い合わせで実現し、かつ、検索条件を
満たし得ない文書を検索対象から除外することで検索効
率を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文書データベース管理装置の原理構成
図である。
【図2】文書データベース管理装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【図3】文書データベース管理装置の動作の一例を説明
する流れ図である。
【図4】スキーマ保持部における文書スキーマの一例を
示す説明図である。
【図5】文書保持部における文書の一例を示す説明図
(その1)である。
【図6】文書保持部における文書の一例を示す説明図
(その2)である。
【図7】文書保持部における文書の一例を示す説明図
(その3)である。
【図8】スキーマ共有関係テーブルの一例を示す説明図
である。
【図9】スキーマ共有関係テーブル作成の処理の一例を
説明する流れ図(その1)である。
【図10】スキーマ共有関係テーブル作成の処理の一例
を説明する流れ図(その2)である。
【図11】スキーマ共有関係テーブル作成時の一時ファ
イルの内容例を示す図である。
【図12】問い合わせエディタの一例を示す図である。
【図13】問い合わせが作成された時点での問い合わせ
エディタの表示例を示す図である。
【図14】スキーマ特定部の処理の一例を示す流れ図で
ある。
【図15】検索結果を表示する文書ホルダの表示例を示
す図である。
【図16】文書スキーマの一例の説明図である。
【図17】第2の実施の形態における文書の一例を示す
図(その1)である。
【図18】第2の実施の形態における文書の一例を示す
図(その2)である。
【図19】第2の実施の形態における文書の一例を示す
図(その3)である。
【図20】第2の実施の形態における文書の一例を示す
図(その4)である。
【図21】第2の実施の形態におけるスキーマ共有関係
テーブルの一例を示す説明図である。
【図22】問い合わせエディタの表示例を示す図であ
る。
【図23】問い合わせが作成された時点での問い合わせ
エディタの表示例を示す図である。
【図24】要素セットの保持内容を示す図である。
【図25】接続関係テーブル作成の処理の一例を示す流
れ図である。
【図26】選択要素型の到達可能要素特定処理の一例を
示す流れ図である。
【図27】接続関係テーブルの例を示す図である。
【図28】第3の実施の形態での文書データベース管理
装置の動作の一例を説明する流れ図である。
【図29】問い合わせが作成された時点での問い合わせ
エディタの表示例を示す図である。
【図30】第3の実施の形態におけるスキーマ特定部の
処理の一例を示す流れ図である。
【図31】条件2判定処理の一例を示す流れ図である。
【図32】条件3判定処理の一例を示す流れ図である。
【図33】3つ組と接続関係テーブルのエントリとの照
合処理の一例を示す流れ図である。
【図34】接続条件エラー報告ウインドウの表示例を示
す図である。
【符号の説明】
1 スキーマ保持手段 2 文書保持手段 3 スキーマ特定手段 4 文書検索制御手段 5 文書検索手段 10 文書データベース管理装置 11 スキーマ保持部 12 文書保持部 13 スキーマ特定部 13a スキーマ共有関係テーブル 13b 要素セット 13c 接続関係テーブル 14 文書検索制御部 15 文書検索部 20 入出力装置 30 文書利用者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/20 590E 15/40 370A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子文書を管理対象とする文書データベ
    ース管理装置において、 文書の構文規則である文書スキーマを保持しているスキ
    ーマ保持手段と、 前記スキーマ保持手段中の文書スキーマの構文規則を満
    たした文書が検索対象として保持されている文書保持手
    段と、 問い合わせに使用した文書スキーマおよび前記スキーマ
    保持手段に保持されている文書スキーマ群を入力とし、
    前記文書スキーマの構文規則を自らの構文規則の部分集
    合とする文書スキーマを前記文書スキーマ群から特定す
    るスキーマ特定手段と、 前記スキーマ特定手段にて特定された文書スキーマ群お
    よび前記文書スキーマの構文規則を満たす文書を対象と
    した問い合わせを入力して、前記特定された文書スキー
    マ群および前記問い合わせを出力する文書検索制御手段
    と、 前記文書検索制御手段からの前記文書スキーマ群および
    前記問い合わせを入力とし、前記文書スキーマ群に対応
    する前記文書保持手段中の文書から前記問い合わせの条
    件を満足する文書を検索する文書検索手段と、 を具備することを特徴とする文書データベース管理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記スキーマ保持手段は、文書が保持す
    る属性の型を文書の構文規則として規定した文書スキー
    マを保持していることを特徴とする請求項1記載の文書
    データベース管理装置。
  3. 【請求項3】 前記スキーマ保持手段は、文書要素が保
    持すべき性質を記述した文書要素型および文書要素型間
    の接続関係を構文規則として規定した文書スキーマを保
    持していることを特徴とする請求項1記載の文書データ
    ベース管理装置。
  4. 【請求項4】 前記文書検索制御手段は、前記スキーマ
    特定手段によって特定された文書スキーマ群の各々の文
    書スキーマのうち、入力された前記問い合わせの条件を
    満たし得る文書に対応する文書スキーマだけを前記文書
    検索手段に出力することを特徴とする請求項1記載の文
    書データベース管理装置。
  5. 【請求項5】 前記文書保持手段は文書要素と要素間の
    接続関係とからなる構造化文書を保持し、前記文書検索
    制御手段は文書要素型に関する条件と文書要素型間の接
    続条件とからなる問い合わせを入力とし、前記スキーマ
    特定手段に入力された文書スキーマにおける文書要素間
    の接続関係を組み合わせることで前記問い合わせに用い
    られた文書要素型間の接続関係を表現できる場合のみ、
    前記スキーマ特定手段で特定された文書スキーマ群を前
    記文書検索手段に出力することを特徴とする請求項4記
    載の文書データベース管理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009076086A (ja) * 2002-10-31 2009-04-09 Nec Soft Ltd 構造化自然言語問い合わせおよび知識システム
WO2010147114A1 (ja) * 2009-06-15 2010-12-23 日本電気株式会社 検索式生成システム
JP2019144915A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 学校法人 京都産業大学 検索装置、検索方法、およびプログラム

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