JP3659473B2 - 汚泥の乾燥方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥を乾燥処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市下水または産業排水処理場での残査物として生じる汚泥の処理は、関係当事者にとっては重要な問題となっており、また、生活水準の向上と工業生産の増加とにより汚泥量はさらに著しく増加するという傾向にある。
【0003】
従来は、汚泥を単に堆積させ、埋め立てて、あるいは汚泥を農作上有効に利用して土壌の肥沃化、改良化などに役立てることにより、処理・処分の方法としてきた。小規模の下水処理場や廃水処理場等では、これらの自然的な処理方法は現在でも有効であるが、大規模な処理場、または人口の密集する地帯では問題を生じており、その“臭い”については特に問題となっている。
【0004】
近年、臭いの問題を解決する方法として汚泥を嫌気性、または好気性消化する方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、嫌気性、または好気性消化しただけでは、その臭いを十分に消すことは不可能であり、また非衛生的な汚泥を衛生的な最終物とするには、嫌気性、または好気性消化した後の汚泥を乾燥する必要がある。
【0006】
ここで、汚泥を乾燥する場合、汚泥に熱を加えて乾燥する方法は、最も単純であり、よく用いられる方法の1つである。
【0007】
しかし、汚泥を直接加熱した場合、汚泥の温度が約70℃を超えると、アンモニアガス等が発生することがあり、汚泥自体の臭い以上の悪臭を放つことがある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アンモニアガス等の悪臭を放つガスを発生させることなく汚泥を乾燥し、衛生的な最終物とすることができる汚泥の乾燥方法を提供することを主目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために請求項1において、ヒートポンプを用いて、汚泥の乾燥に用いる空気を、20℃以下に冷却・除湿する冷却工程と、前記冷却工程により冷却された空気を、前記冷却工程において用いたヒートポンプで加熱して、乾燥用空気とする加熱工程と、前記乾燥用空気を、前記ヒートポンプとは別の加熱手段にて40℃以上に加熱する再加熱工程と、この乾燥用空気と乾燥する汚泥とを直接接触させて、乾燥直後の汚泥の温度が25℃〜60℃になる範囲で、前記汚泥の乾燥を行うための乾燥工程と、を有し、前記乾燥工程により温度が低下し増湿した空気を、前記冷却工程へと送入することにより循環使用することを特徴とする汚泥の乾燥方法を提供する。
【0010】
本発明においては、上述のような方法つまり汚泥を直接加熱することなく乾燥した空気を利用して乾燥させ、しかも乾燥直後の汚泥の温度が25℃〜60℃の範囲内の低い温度で乾燥させることにより、アンモニア等の悪臭を放つガスの発生を防止しつつ汚泥を乾燥させることができ、衛生的な最終物とすることができる。
【0011】
また、請求項2に記載するように、請求項1に記載する発明において前記汚泥が、下水処理で発生する汚泥に嫌気性又は好気性消化を施し脱水した汚泥、し尿処理の際に嫌気性消化を施し脱水した汚泥、またはし尿に破砕した生ゴミを混合して嫌気性消化を施し脱水した汚泥、のいずれか、もしくはこれらの汚泥の混合物であることが好ましい。
【0012】
汚泥の中でも、前記に挙げたような汚泥が特にアンモニア等の悪臭ガスを発生するからである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の汚泥の乾燥方法は以下の各工程により構成されている。
(1)汚泥の乾燥に用いる空気を、乾燥直後の汚泥の温度より5℃低い温度以下に冷却・除湿する冷却工程。
(2)前記冷却工程により冷却された空気を40℃以上に加熱して、乾燥用空気とする加熱工程。
(3)この乾燥用空気と乾燥する汚泥とを直接接触させて、乾燥直後の汚泥の温度が25℃〜60℃になる範囲で、前記汚泥の乾燥を行うための乾燥工程。
【0014】
なお、乾燥工程により温度が低下し増湿した空気は、前記冷却工程へと送入され循環使用される。
【0015】
まず、上記(1)の冷却工程について説明する。冷却工程の目的は、乾燥に用いる空気は循環使用されているため(後で詳しく説明する。)、一度乾燥に使用されて水分を多く含んだ状態の空気を乾燥直後の汚泥の温度(以下、品温とする。)より5℃低い温度以下に冷却することにより、循環使用される空気(以下、循環空気とする。)中の水分を除去するためである。
【0016】
ここで品温とは、上述したように乾燥工程により乾燥されて排出される際の乾燥直後の汚泥の温度である。本発明の方法では、この品温をアンモニアガス等の悪臭ガスが発生しないように25℃〜60℃の間となるように乾燥を行うところに特徴を有するものである。
【0017】
一般に汚泥等を乾燥する場合の基準として、水分1kgを乾燥するのに使用する空気量は200Nm3以下であることが好ましく、水分1kgを乾燥するのに200Nm3より多い空気を使用することはあまり効率的ではないとされている。
【0018】
本発明の方法において循環空気を品温より5℃低い温度以下に冷却するのは、乾燥装置計算における水分量の計算を行った結果、水分1kgを乾燥するのに200Nm3以下の空気量で足りるようにするためには、循環空気温度を品温より5℃以上低い温度とする必要があるとの結果を得たためである。
【0019】
また、本発明の方法で乾燥する汚泥の種類は、特に限定されるものではなくいかなる種類であってもよい。しかしながら、下水処理で発生する汚泥に嫌気性又は好気性消化を施し脱水した汚泥、し尿処理の際に嫌気性消化を施し脱水した汚泥、またはし尿に破砕した生ゴミを混合して嫌気性消化を施し脱水した汚泥、のいずれか、もしくはこれらの汚泥の混合物であることが好ましい。前記汚泥は従来から乾燥時にアンモニアガス等による悪臭を放つことが問題となることが多いことからであり、このような場合に、嫌気性消化を前処理として行うことにより悪臭の原因の一つであるタンパク質等を分解できるからである。さらに、乾燥の前処理として、汚泥を大まかに脱水しておくことが好ましい。
【0020】
また、本発明の方法は、循環空気を冷却する方法について特に限定するものではなく、いかなる冷却方法でもよい。例えば、ヒートポンプを使用することも可能であり、また冷媒として冷却水を利用して循環空気を冷却することも可能である。
【0021】
次に、(2)の加熱工程について説明する。
【0022】
加熱工程は、前記冷却工程により冷却された循環空気を40℃以上に加熱して、乾燥用の空気とするための工程である。ここで、循環空気を40℃以上としたのは、上述した汚泥の乾燥に際しての一般的基準である200Nm3の循環空気を用いて1kg以上の水分を除去するという基準を満たすためには、乾燥装置計算における熱量の計算から、循環空気を40℃以上に加熱する必要があるとの結果を得たためである。
【0023】
また、本発明は循環空気を加熱する方法について特に限定するものではなく、40℃以上に加熱することができる方法であればいかなる方法でもよい。例えば、前記冷却工程でも使用可能なヒートポンプを用いることもでき、また加熱ヒータ等を使用することもできる。
【0024】
次に、(3)乾燥工程について説明する。
【0025】
乾燥工程は、前記加熱工程により40℃以上に加熱された乾燥用空気と、汚泥とを直接接触させて、品温が25℃〜60℃になる範囲で汚泥の乾燥を行う工程である。
【0026】
ここで、品温を25℃〜60℃になる範囲とするのは、汚泥からアンモニアガス等の悪臭ガスが発生することを防ぐためである。前述したように汚泥を乾燥する目的の一つは、汚泥から発生する悪臭をなくすことであり、本目的を達成するための乾燥中に汚泥からアンモニア等のガスが発生したのでは乾燥させる意味がないため、汚泥の温度を25〜60℃の範囲と定めた。
【0027】
また、本発明の方法において汚泥を乾燥する方法は、乾燥空気と汚泥とを直接接触させる方法であればいかなる方法であってもよい。
【0028】
更に、本発明においては、前記乾燥工程により温度が低下し増湿した空気は、前記冷却工程へと送入されることにより循環使用される。
【0029】
これは、循環空気には、アンモニア等の悪臭ガスが含まれており外気に放出するには脱臭処理等が必要になるからであり、また循環使用することにより外気の条件の変動による影響を受けずに安定して汚泥の乾燥を行うことができるからである。
【0030】
次に本発明を実施するための装置の一例を図面を用いて説明する。
【0031】
図1は、本発明の汚泥の乾燥方法を実施するための汚泥の乾燥装置の一例を示す概略図である。汚泥乾燥装置1は、汚泥を実際に乾燥するための乾燥装置2と、乾燥装置2へ乾燥した循環空気を送入し、循環させるための循環ファン3と、乾燥した循環空気を作り出すためのヒートポンプ式除湿乾燥装置4とから概略構成されたものである。
【0032】
上記乾燥装置2上部には、汚泥5を装置内へ供給するための、汚泥供給ホッパー6が設置されている。汚泥供給ホッパー6から供給された汚泥5は、乾燥装置2内部に設置されている数段のコンベア7により、乾燥装置内を下方へ向かって進んでいく。汚泥5は、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内で作り出され、乾燥空気送入口8より送入される乾燥した循環空気に直接接触し、ここで汚泥5内の水分が乾燥した循環空気内へ奪われることにより乾燥する。乾燥された汚泥5は、最下段のコンベア7から落下し、乾燥装置2下部に設置されている汚泥排出口9から排出される。
【0033】
乾燥した循環空気を乾燥装置送入口8から乾燥装置2へ送入すると、前記乾燥空気は上述したように乾燥装置2内のコンベア7上にある汚泥5から水分を奪うことにより汚泥5を乾燥させる。その後、前記空気は乾燥装置2下方に設置されている空気排出口10から排出される。この場合、排出された循環空気は、汚泥5から水分を吸収したため低温・多湿となっており、またこの時乾燥されて汚泥排出口9から排出される汚泥5の品温は25〜60℃の範囲である。前記低温・多湿となった循環空気は、配管11を通り、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内へ送られる。
【0034】
ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内は、空気冷却部12と空気加熱部13とに分かれている。配管11を通った低温・多湿状態の循環空気は、始めにヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12内へ送入される。ここで、前記低温・多湿状態の循環空気は品温より5℃低い温度以下まで冷却され、その相対湿度は100%となり、空気内の水分が除去される。
【0035】
ヒートポンプの冷媒は、冷媒循環回路17を循環している。冷媒は、冷媒膨張弁14を介して、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12に供給され、その後冷媒圧縮機15で加圧されて、一部は空気加熱部13で空気の再加熱に使用され、残りは冷媒熱交換機16で冷却される。
【0036】
前記ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12において水分が除去された循環空気は、空気加熱部13で所定の温度まで加熱され乾燥した循環空気となり、循環ファン3により再加熱ヒーター18を経て再び乾燥装置2へ送入される。
【0037】
再加熱ヒーター18は、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気加熱部13で所定の温度まで加熱された循環空気を乾燥装置2へ送入する前に再加熱するための装置であり、本装置を使用することにより乾燥した循環空気をさらに高温とすることができ、効率よく汚泥を乾燥することができる。
【0038】
以上のような汚泥の乾燥装置1により汚泥を乾燥させた場合に品温は、上述したように25〜60℃であり、アンモニア等のガスを発生することはなく、本発明の目的を十分に達成できる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものはいかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1−1)
上述した図1に示す装置を用いて実施例1−1を行った。
【0041】
図1に示すように、43℃・相対湿度27%の乾燥した循環空気を乾燥装置送入口8から、乾燥装置2内へ送入した。乾燥装置2内で汚泥5を乾燥させ、乾燥装置2下方に設置されている空気排出口10から排出された循環空気は、約32.5℃・相対湿度60%となっており、またこの時乾燥されて汚泥排出口9から排出される汚泥5の品温は25℃であった。前記32.5℃・相対湿度60%の循環空気は、配管11を通り、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12内へ送入され、品温より5℃低い温度つまり20℃まで冷却された。この際、循環空気の相対湿度は100%となっており、循環空気内の水分が除去されたことがわかった。
【0042】
前記ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12において水分が除去された循環空気は、空気加熱部13で33℃・相対湿度45.8%まで加熱され乾燥空気となり、循環ファン3により再加熱ヒーター18を経て再び乾燥装置2へ送入された。
【0043】
再加熱ヒーター18を使用することにより乾燥した循環空気を43℃・相対湿度27%とすることができ、効率よく汚泥を乾燥することができた。
【0044】
以上のような汚泥の乾燥装置1により汚泥を乾燥させた場合に品温は、上述したように25℃であり、アンモニア等のガスを発生することはなく、本発明の目的を十分に達成できた。
【0045】
上記のような方法・装置を使用し汚泥を乾燥させた場合、水分1kgを乾燥するのに必要な空気量は200Nm3であり、一般的な乾燥の基準(水分1kg当たり空気量200Nm3を使用)内であることから所定の乾燥効率を有することがわかった。
(実施例1−2)
さらに、本発明の方法の実施例1−2について図2を用いて説明する。実施例1−2においては、上記実施例1−1と同じ装置を用い、温度条件を変化させて行った。
【0046】
実施例1−2では、73℃・相対湿度4.8%の乾燥空気を乾燥装置送入口8から乾燥装置2へ送入し、汚泥5を乾燥させ、乾燥装置2下方に設置されている空気排出口10から排出させた。この場合、排出された循環空気は、約37℃・相対湿度60%となっており、またこの時乾燥されて汚泥排出口9から排出される汚泥5の品温は30℃であった。前記37℃・相対湿度60%の循環空気は、配管11を通りヒートポンプ式除湿乾燥装置4内へ送られた。
【0047】
次いで循環空気は、ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12内へ入り、ここで15℃、すなわち品温より5℃低い温度以下に冷却された。15℃まで冷却した場合その循環空気の相対湿度は100%となっており、空気内の水分が除去されていることがわかった。
【0048】
前記ヒートポンプ式除湿乾燥装置4内の空気冷却部12において水分が除去された循環空気は、空気加熱部13で、33℃・相対湿度34%まで加熱され乾燥空気となり、さらに再加熱ヒーター18により、73℃・相対湿度4.8%まで加熱され再度乾燥装置2内へ送入された。
【0049】
以上のような条件で汚泥を乾燥させた場合に、最終的に品温は、上述したように30℃であり、アンモニア等のガスを発生することはなく、本発明の目的を十分に達成できた。
【0050】
上記のような方法により汚泥を乾燥させた場合、水分1kgを乾燥するのに必要な空気量は58Nm3であり、一般的な乾燥の基準(水分1kg当たり空気量200Nm3を使用)と比べてはるかに乾燥効率がよいことがわかった。
(比較例)
次に比較例について図3を用いて説明する。
【0051】
図3に示す比較例は、再加熱ヒーター18が設けられていない点を除いて、上述した図1に示す装置と同じ装置を用いて行い、上記実施例1−2と同様に空気加熱部13排出時の温度及び湿度が33℃・相対湿度34%である循環空気を再加熱せずにそのまま乾燥装置2内に送入して行った。
【0052】
空気排出口から排出された循環空気は25℃・相対湿度60%であり、乾燥され汚泥排出口9から排出された汚泥の温度、すなわち品温は19.6℃であった。
【0053】
この約25℃・相対湿度60%となった循環空気を品温より約5℃低い温度以下である15℃・相対湿度100%まで冷却除湿した。この際必要とされた空気量は、水分1Kgに対して632Nm3であり、乾燥効率が非常に悪いことがわかった。
【0054】
前記実施例1−2と比較例を比較すると明らかなように、再加熱ヒーターを設置して、乾燥空気を40℃以上にすることが乾燥効率上好ましいことがわかった。
【0055】
また、上記の乾燥方法により乾燥された汚泥は、肥料として特に問題なく利用された。
(実施例2)
次に、本発明の方法により、汚泥を乾燥する際にアンモニアガス等の発生を防止することができているか否かをテストした結果を以下に示す。
【0056】
図4は、上記テスト(以下ピーピングテスト)用の流路図である。図4を見れば分かるように、基本的には図1、2に示した汚泥乾燥装置1と同じ構造であるが、テスト用であるため、簡略化されており、更に乾燥用の空気は循環しないようになっている。汚泥を乾燥させ、乾燥部から排出された空気は、そのまま、恒温槽20に浸かっているガス収集瓶21内へ送られ、ガス収集瓶21内にある水中へと送入される。
【0057】
ここで、汚泥が乾燥する際にアンモニアガスを発生していれば、発生したアンモニアガスは、乾燥用空気と共に乾燥部から排出されガス収集瓶21内の水の中へ溶け出るはずである。つまり、収集瓶21内の水中に溶けているアンモニウムイオン(NH4 +)を測定することにより、汚泥が乾燥する際にアンモニアガスを発生しているか否かが、分かるのである。
【0058】
表1は上記ピーピングテストの結果を示したものである。
【0059】
【表1】
Figure 0003659473
【0060】
表1より、汚泥の温度が75℃では、アンモニアが大量に発生していることが分かるが、45℃においては、ほとんど発生していなかった。このように、本発明では、比較的低温の乾燥した空気で汚泥の乾燥を行うため、汚泥の温度が25℃〜60℃の範囲で乾燥することができ、これによりアンモニアガスの発生を防止することができるのである。
【0061】
【発明の効果】
上述のような方法、つまり汚泥を直接加熱することなく、所定の条件で乾燥した空気を利用して汚泥を25℃〜60℃の温度で乾燥することにより、アンモニア等の悪臭ガスの発生を防止すると共に、効率的に汚泥の乾燥を行うことが可能となり、汚泥を衛生的な最終物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥の乾燥を実施するための装置の一例、及び実施例(1−1)の乾燥条件を示す説明図である。
【図2】図1に示す装置を用いて行った実施例(1−2)の乾燥条件を示す説明図である。
【図3】比較例の乾燥条件を示す説明図である。
【図4】アンモニアガスのピーピングテスト用の流路図である。
【符号の説明】
1…汚泥の乾燥装置、
2…乾燥装置、
3…循環ファン、
4…ヒートポンプ式除湿乾燥装置、
5…汚泥、
6…汚泥供給ホッパー、
7…コンベア、
8…乾燥空気送入口、
9…汚泥排出口、
10…空気排出口、
11…配管、
12…空気冷却部、
13…空気加熱部、
14…冷媒膨張弁、
15…冷媒圧縮機、
16…冷媒熱交換器、
17…冷媒循環回路、
18…再加熱ヒーター、
20…恒温槽、
21…ガス収集瓶。

Claims (2)

  1. ヒートポンプを用いて、汚泥の乾燥に用いる空気を、20℃以下に冷却・除湿する冷却工程と、
    前記冷却工程により冷却された空気を、前記冷却工程において用いたヒートポンプで加熱して、乾燥用空気とする加熱工程と、
    前記乾燥用空気を、前記ヒートポンプとは別の加熱手段にて40℃以上に加熱する再加熱工程と、
    この乾燥用空気と乾燥する汚泥とを直接接触させて、乾燥直後の汚泥の温度が25℃〜60℃になる範囲で、前記汚泥の乾燥を行うための乾燥工程と、
    を有し、
    前記乾燥工程により温度が低下し増湿した空気を、前記冷却工程へと送入することにより循環使用することを特徴とする汚泥の乾燥方法。
  2. 前記汚泥が、
    下水処理で発生する汚泥に嫌気性又は好気性消化を施し脱水した汚泥、
    し尿処理の際に嫌気性消化を施し脱水した汚泥、または
    し尿に破砕した生ゴミを混合して嫌気性消化を施し脱水した汚泥、
    のいずれか、もしくはこれらの汚泥の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の乾燥方法。
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