JP3659289B2 - 防振ゴム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の空調装置等に使用される電磁クラッチの作動時の騒音を防止するための防振ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の空調装置におけるコンプレッサの運転をON/OFFする電磁クラッチは、基本的にはコンプレッサの回転軸に固定されたプレートと、エンジンのクランクプーリからの駆動力がVベルトを介して伝達されることによって回転されるロータと、前記プレートに軸方向移動自在に保持されたアーマチュアと、このアーマチュアを磁気吸引して前記ロータの端面に摩擦接合させる励磁コイルとを備える。すなわち励磁コイルを電流の供給により励磁することによって、その電磁吸引力でアーマチュアがロータに摩擦接合され、ロータの駆動力を回転軸に伝達してコンプレッサを運転状態とし、また、励磁コイルへの電流の供給を遮断することによって、前記ロータとアーマチュアの摩擦接合状態が解除され、前記回転軸への駆動力の伝達を遮断するようになっている。
【0003】
この種の電磁クラッチにおいては、アーマチュアが励磁コイルの磁気吸引力によってロータと接触する際に衝突音が発生する問題があり、このような衝突音の発生を防止するための従来技術が、例えば特開平7−174167号公報に開示されている。この従来技術によれば、図8に示すように、係合ピン103が、プレート101に開設された嵌合孔101aに遊嵌挿通されると共にアーマチュア102に固定されており、この係合ピン103の外周に、防振ゴム104を装着した構成を有する。この防振ゴム104は、内周に係合ピン103の軸部103aを挿通する貫通孔104aが開設され、外周にプレート101の嵌合孔101aに嵌合される小径の首部104bを有する。また、厚肉の主弾性部104cには、遠心力による過大な変形を防止するための金属環104dが加硫接着されている。
【0004】
この構成によれば、アーマチュア102が励磁コイル105の磁気吸引力によってロータ106の端面に吸着される際に、前記アーマチュア102と一体的に軸方向変位する係合ピン103の頭部フランジ103bが、回転軸(図示省略)に固定されたプレート101との間で防振ゴム104の主弾性部104cを圧縮変形させる。このため、アーマチュア102がロータ106に吸着衝合される際の衝撃は、前記主弾性部104cの変形動作により吸収されるので、騒音の発生を有効に防止することができ、また、ロータ106からの駆動力は、アーマチュア102から係合ピン103及び防振ゴム104の首部104bを介してプレート101に伝達されるため、ロータ106へのアーマチュア102の摩擦接合に伴うトルクの立ち上がりの際に、係合ピン103の軸部103aとプレート101の嵌合孔101aとの間で、前記首部104bがプレート101及びアーマチュア102の回転方向で圧縮変形され、これによってロータ106からの急激な駆動力伝達に伴う衝撃を緩和することができる。
【0005】
また、上述のようなロータ106とアーマチュア102の摩擦接合状態から、励磁コイル105が励磁電流の遮断によって消磁されると、アーマチュア102は直ちにロータ106から離れてプレート101側へ復帰動作するが、この時のアーマチュア102とプレート101の接触は、防振ゴム104の鍔状弾性部104dによって防止されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば図8に示すように、防振ゴム104が金属環104dを主弾性部104cに加硫接着したものである場合は、遠心力による前記主弾性部104cの過大な変形は防止されるが、近年のコンプレッサには、高出力化を図るために10000rpmを超えるような高速回転を行うものがあり、このような場合は、金属環104dによる変形防止作用の及ばない鍔状弾性部104dが遠心力CFによって過大変形を来し、破損に到る恐れがある。
【0007】
また、図9に示すように、防振ゴム104の内周面(貫通孔104a)のほぼ全面に金属筒104fを加硫接着した場合は、上述のような高速回転においても遠心力による主弾性部104c及び鍔状弾性部104dの過大変形を有効に防止することができるが、この場合は防振ゴム104の首部104bをプレート101の嵌合孔101aに挿入嵌合する際に、鍔状弾性部104dの縮径変形が金属筒104fによって抑えられるので、挿入困難となって組み付け性が悪化し、場合によっては前記鍔状弾性部104dが損傷する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、電磁クラッチへの装着性が良く、しかも高速回転条件での耐久性の優れた防振ゴムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係る防振ゴムは、電磁クラッチのアーマチュアを軸方向移動自在に保持するプレートに開設された嵌合孔に遊嵌挿通されると共に固定端が前記アーマチュアに開設された取付孔に固定される係合ピンの外周に一体的に接着され、前記係合ピンの頭部フランジと前記プレートの間に介在される主弾性部と、この主弾性部の一端内周から軸方向に延在され前記嵌合孔に挿通可能な首部と、この首部の先端から前記係合ピンの固定端の外周を非接着状態で包囲するように延在され前記嵌合孔に挿通可能なスカート部とからなるものとする。すなわちこの防振ゴムは、係合ピンに一体的に接着されることによって遠心力による過大変形が抑制されている。
【0010】
この防振ゴムの主弾性部は、アーマチュアが励磁コイルの磁気吸引力によってロータの端面に摩擦接合される際の衝撃を吸収するものである。また、スカート部は、当該防振ゴムの装着に際して、係合ピンの固定端をプレートの嵌合孔を通してアーマチュアの取付孔に固定する過程で、前記嵌合孔を前記固定端と共に通過した後、前記アーマチュアとプレートとの間で係合ピンの外周側へ強制的に屈曲されることによって、前記アーマチュアとプレートとの間の緩衝手段として機能する。
【0011】
本発明において一層好ましくは、スカート部を円周方向に分割し、あるいはスカート部の内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取りを形成し、あるいはスカート部の径方向肉厚を首部の径方向肉厚より小さくする。このように構成すれば、防振ゴムの装着過程で、プレートの嵌合孔を通過したスカート部が、アーマチュアとの接触によって外周側へ展開しやすくなる。また、スカート部の肉厚を薄くした場合は、その外周面又は内周面に突起部を形成することによって、緩衝性の低下を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る防振ゴムが装着された自動車の空調装置用コンプレッサの電磁クラッチを示すものである。この電磁クラッチは、コンプレッサハウジング1の一端内周に突設された筒状部11の外周にボールベアリング12を介して回転可能に支持されたロータ2と、前記筒状部11から突出したコンプレッサの回転軸13にその軸端13aに螺合したナット14によって固定されたハブ15に複数の連結具16を介して固定されたプレート3と、このプレート3と前記ロータ2との間に軸方向移動自在に配置された磁性体からなるアーマチュア4と、外周側の端部が前記アーマチュア4に連結具41を介して固定され前記アーマチュア4をロータ2の端面2aから常時引き離す方向に付勢する板バネ5と、前記ロータ2に形成された円周方向に連続した中空部2b内に配置されると共に取付金具17を介してコンプレッサハウジング1に固定された励磁コイル6とを備えている。
【0013】
ロータ2は回転軸13と同心的に保持されており、このロータ2の外周部には、自動車エンジンのクランクプーリの回転力を伝達するVベルト(図示省略)が巻架されるプーリ2cが一体的に設けられている。また、励磁コイル6は、外部電源から温度調節スイッチを介して励磁電流が供給されることによって、アーマチュア4をロータ2の端面2aに吸引して摩擦接合させる磁気吸引力を発生するものである。
【0014】
図1の一部を拡大した図2にも示すように、プレート3の外周部には、複数の嵌合孔3aが円周方向等間隔で開設されており、アーマチュア4には、前記各嵌合孔3aと対応する位置に、それぞれこの嵌合孔3aよりも小径の取付孔4aが開設されると共に、プレート3のロータ2側の面における前記取付孔4aの開口位置には、この取付孔4aよりも適宜大径の凹部4bが形成されている。そして本発明の第一実施形態に係る防振ゴム7は、それぞれ前記プレート3の嵌合孔3aを通して前記アーマチュア4の取付孔4aに取り付けられた係合ピン8に一体的に加硫接着されている。
【0015】
これを更に詳細に説明すると、係合ピン8は、プレート3の嵌合孔3aより小径でアーマチュア4の取付孔4aより大径の軸部81と、プレート3の外側へ突出した前記軸部81の頭部から円盤状に展開形成され前記嵌合孔3aより大径の頭部フランジ82と、前記軸部81の先端に形成され前記取付孔4aに挿入可能すなわち前記軸部81より適宜小径の固定端83とを有する。また、この固定端83は取付孔4aの長さよりも長いものとなっている。
【0016】
防振ゴム7は、係合ピン8の頭部フランジ82及び軸部81に加硫接着されると共に頭部フランジ82と反対側の端面71aがプレート3に接触された厚肉の主弾性部71と、前記端面71aの内周から軸方向に延在されてプレート3の嵌合孔3aを通り、内周面が前記軸部81に加硫接着された首部72と、この首部72の先端から外周側へ屈曲した状態でプレート3とアーマチュア4の間に介在されたスカート部73とからなる。前記主弾性部71における端面71aの内周部には、首部72との境界に沿って断面略半円形状の円周溝71bが形成されている。
【0017】
また、防振ゴム7は、係合ピン8をインサートした状態で図3に示すような形状に加硫成形されたものである。すなわち、この図3に示すように、電磁クラッチへの未装着状態では、スカート部73は首部72と連続した円筒状を呈するものであって、係合ピン8の固定端83の外周側を包囲するように延在され、この固定端83の外周面とは軸部81との段差に相当する大きさの隙間を介して非接着状態に形成されている。
【0018】
電磁クラッチへの防振ゴム7の装着に際しては、プレート3の嵌合孔3aから係合ピン8の固定端83をアーマチュア4の取付孔4aに挿入し、凹部4b内に突出した前記固定端83の先端を潰すことによって、前記係合ピン8をアーマチュア4に固定する。そしてその過程で、防振ゴム7のスカート部73はプレート3の嵌合孔3aは通過するがアーマチュア4の取付孔4aには挿入不可能であるため、係合ピン8の固定端83が前記取付孔4aに挿入されて行くのに伴い、前記スカート部73がアーマチュア4との干渉によって外周側へ強制的に屈曲・展開されると共に、主弾性部71の端面71aがプレート3と密接し、図1及び図2に示す装着状態になるものである。
【0019】
以下、本実施形態による防振ゴム7の作用を、電磁クラッチの動作と共に説明する。まず図1に示す電磁クラッチにおいては、自動車エンジンのクランクプーリの回転駆動力がVベルトを介してプーリ2cに入力されることによってロータ2がボールベアリング12の周りで回転される。一方、係合ピン8、防振ゴム7、プレート3、連結具16及びハブ15を介してコンプレッサの回転軸13に相対回転が防止された状態で取り付けられているアーマチュア4は、励磁コイル6が消磁された状態では、板バネ5の付勢力等によって、ロータ2の端面2aから所定の隙間Gだけ離間した位置に保持されている。このため、ロータ2の回転は回転軸13には伝達されず、コンプレッサは停止した状態にある。
【0020】
ここで図示の状態から温度調節スイッチを介して励磁コイル6に励磁電流が供給されると、この励磁コイル6に発生した磁気吸引力によって磁性体からなるアーマチュア4がロータ2側へ軸方向移動し、このロータ2の端面2aと摩擦接合状態となる。このため、ロータ2の回転がアーマチュア4、係合ピン8、防振ゴム7、プレート3、連結具16及びハブ15を介してコンプレッサの回転軸13に伝達され、コンプレッサが運転状態となる。
【0021】
このとき、アーマチュア4がロータ2側へ軸方向移動する過程では、アーマチュア4に固定された係合ピン8も一体的に移動されるので、この係合ピン8の頭部フランジ82がプレート3との間で防振ゴム7の主弾性部71を軸方向に圧縮変形させる。このため、アーマチュア4がロータ2の端面2aと接合される際の衝撃が前記主弾性部71の圧縮変形動作により緩和され、これによって騒音の発生が有効に抑えられる。また、ロータ2とアーマチュア4の摩擦接合と同時にアーマチュア4からプレート3へ伝達されるトルクの立ち上がりが、係合ピン8の軸部81とプレート3の嵌合孔3aとの間に介在する防振ゴム7の首部72の変形によって緩和される。
【0022】
なお、主弾性部71と首部72の間には円周溝71bが形成されているので、主弾性部71の圧縮変形に伴って主弾性部71と首部72の境界に沿った亀裂が発生するのを有効に防止することができる。
【0023】
アーマチュア4及びプレート3がロータ2と一体的に回転している状態では、防振ゴム7は、前記アーマチュア4及びプレート3の外周側へ向けて大きな遠心力を受けることになる。しかし、上記実施形態によれば、防振ゴム7の主弾性部71はその背面及び内周面が係合ピン8の頭部フランジ82及び軸部81に加硫接着されており、また、鍔状に展開されたスカート部73はその内周が、係合ピン8の軸部81に加硫接着された首部72に保持されているので、前記遠心力による過大な変形が有効に防止される。
【0024】
次に、上述したロータ2とアーマチュア4の摩擦接合状態から、温度調節スイッチにより励磁コイル6への励磁電流の供給が遮断されると、アーマチュア4をロータ2に磁気吸引している励磁コイル6が消磁されるので、アーマチュア4が板バネ5の付勢力及び防振ゴム7の主弾性部71の圧縮反力によってロータ2の端面2aから離れてプレート3側へ軸方向移動し、図1及び図2に示す状態に復帰する。このとき、アーマチュア4とプレート3との接触が防振ゴム7のスカート部73によって防止され、衝突音の発生が防止される。
【0025】
図4は、本発明に係る防振ゴム7の第二の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73が軸方向に延びるスリット73bによって円周方向に複数の分割片73aに分割(図示の例では四分割)されている。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した図2に示す状態に装着する過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられる各分割片73aが外周側へ容易に屈曲するので、装着性が向上する。
【0026】
図5は、本発明に係る防振ゴム7の第三の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73の内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取り73cが形成されている。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73が外周側へ屈曲しやすくなるので、この場合も装着性が向上する。なお、先に説明した図4に示す第二の実施形態においても同様に、各分割片73aの内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取り73cを形成すれば、装着性を一層向上させることができる。
【0027】
図6は、本発明に係る防振ゴム7の第四の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73を、その先端に向けて徐々に拡径したテーパ状に形成したものである。好ましくは、このテーパ状のスカート部73の先端外周面に、プレート3の嵌合孔3aに挿入しやすくするための面取り73dが形成される。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73は外周側へ屈曲しやすくなるので、この場合も装着性が向上する。またこの場合、スカート部73における首部72側の端部へ向けて肉厚が減少するように、スカート部73の内周面と外周面を異なるテーパ角度に形成すれば、前記装着過程で外周側への屈曲が一層容易に行われる。
【0028】
図7は、本発明に係る防振ゴム7の第五の実施形態を示すものである。この実施形態においては、円筒状に形成したスカート部73の径方向肉厚を首部72よりも薄くし、その外周面に、円周方向に連続又は断続した突起部73eを形成したものである。その他の部分は第一の実施形態と同様である。すなわちこの実施形態によれば、スカート部73の径方向肉厚を薄くしたことによって、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73が外周側へ屈曲しやすくなり、前記肉厚の減少による緩衝性の低下が、突起部73eによって補償される。また、この突起部73eは、スカート部73の内周面に設けても良い。
【0029】
なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。例えば防振ゴム7と係合ピン8は加硫接着に限らず、防振ゴム7を加硫成形後、その主弾性部71及び首部72を係合ピン8に接着剤によって接着することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る防振ゴムは、電磁クラッチのアーマチュアに固定される係合ピンと一体的に接着されているため、遠心力による過大変形が抑制され、この過大変形による亀裂の発生等を有効に防止することができる。このため、高速回転条件における耐久性の向上が実現される。
【0031】
また、前記電磁クラッチへの装着状態においてアーマチュアとプレートの間に介在される鍔状部分が、防振ゴムの取付に際して、係合ピンの固定端をプレートの嵌合孔を通してアーマチュアの取付孔に挿入固定する過程で、前記固定端の外周側を包囲しているスカート部がアーマチュアに押し付けられて外周側へ強制的に展開されることによって形成されるため、前記プレートの嵌合孔を通過する際にこの嵌合孔との干渉によって損傷を受けるようなこともない。このため、装着性の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の防振ゴムが装着された自動車の空調装置用コンプレッサの電磁クラッチを軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】上記電磁クラッチにおける防振ゴムの装着部分を拡大して示す要部断面図である。
【図3】上記防振ゴムの未装着状態を電磁クラッチのプレート及びアーマチュアと共に示す断面図である。
【図4】本発明に係る防振ゴムの第二の実施形態を示す未装着状態の断面斜視図である。
【図5】本発明に係る防振ゴムの第三の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図6】本発明に係る防振ゴムの第四の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図7】本発明に係る防振ゴムの第五の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図8】従来技術に係る防振ゴムの装着状態を示す断面図である。
【図9】従来技術に係る防振ゴムの装着過程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサハウジング
11 筒状部
12 ボールベアリング
13 回転軸
15 ハブ
2 ロータ
3 プレート
3a 嵌合孔
4 アーマチュア
4a 取付孔
5 板バネ
6 励磁コイル
7 防振ゴム
71 主弾性部
71a 端面
71b 溝
72 首部
73 スカート部
73a 分割片
73b スリット
73c テーパ面又は面取り部
73d 面取り部
73e 突起部
8 係合ピン
81 軸部
82 頭部フランジ
83 固定端
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の空調装置等に使用される電磁クラッチの作動時の騒音を防止するための防振ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の空調装置におけるコンプレッサの運転をON/OFFする電磁クラッチは、基本的にはコンプレッサの回転軸に固定されたプレートと、エンジンのクランクプーリからの駆動力がVベルトを介して伝達されることによって回転されるロータと、前記プレートに軸方向移動自在に保持されたアーマチュアと、このアーマチュアを磁気吸引して前記ロータの端面に摩擦接合させる励磁コイルとを備える。すなわち励磁コイルを電流の供給により励磁することによって、その電磁吸引力でアーマチュアがロータに摩擦接合され、ロータの駆動力を回転軸に伝達してコンプレッサを運転状態とし、また、励磁コイルへの電流の供給を遮断することによって、前記ロータとアーマチュアの摩擦接合状態が解除され、前記回転軸への駆動力の伝達を遮断するようになっている。
【0003】
この種の電磁クラッチにおいては、アーマチュアが励磁コイルの磁気吸引力によってロータと接触する際に衝突音が発生する問題があり、このような衝突音の発生を防止するための従来技術が、例えば特開平7−174167号公報に開示されている。この従来技術によれば、図8に示すように、係合ピン103が、プレート101に開設された嵌合孔101aに遊嵌挿通されると共にアーマチュア102に固定されており、この係合ピン103の外周に、防振ゴム104を装着した構成を有する。この防振ゴム104は、内周に係合ピン103の軸部103aを挿通する貫通孔104aが開設され、外周にプレート101の嵌合孔101aに嵌合される小径の首部104bを有する。また、厚肉の主弾性部104cには、遠心力による過大な変形を防止するための金属環104dが加硫接着されている。
【0004】
この構成によれば、アーマチュア102が励磁コイル105の磁気吸引力によってロータ106の端面に吸着される際に、前記アーマチュア102と一体的に軸方向変位する係合ピン103の頭部フランジ103bが、回転軸(図示省略)に固定されたプレート101との間で防振ゴム104の主弾性部104cを圧縮変形させる。このため、アーマチュア102がロータ106に吸着衝合される際の衝撃は、前記主弾性部104cの変形動作により吸収されるので、騒音の発生を有効に防止することができ、また、ロータ106からの駆動力は、アーマチュア102から係合ピン103及び防振ゴム104の首部104bを介してプレート101に伝達されるため、ロータ106へのアーマチュア102の摩擦接合に伴うトルクの立ち上がりの際に、係合ピン103の軸部103aとプレート101の嵌合孔101aとの間で、前記首部104bがプレート101及びアーマチュア102の回転方向で圧縮変形され、これによってロータ106からの急激な駆動力伝達に伴う衝撃を緩和することができる。
【0005】
また、上述のようなロータ106とアーマチュア102の摩擦接合状態から、励磁コイル105が励磁電流の遮断によって消磁されると、アーマチュア102は直ちにロータ106から離れてプレート101側へ復帰動作するが、この時のアーマチュア102とプレート101の接触は、防振ゴム104の鍔状弾性部104dによって防止されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば図8に示すように、防振ゴム104が金属環104dを主弾性部104cに加硫接着したものである場合は、遠心力による前記主弾性部104cの過大な変形は防止されるが、近年のコンプレッサには、高出力化を図るために10000rpmを超えるような高速回転を行うものがあり、このような場合は、金属環104dによる変形防止作用の及ばない鍔状弾性部104dが遠心力CFによって過大変形を来し、破損に到る恐れがある。
【0007】
また、図9に示すように、防振ゴム104の内周面(貫通孔104a)のほぼ全面に金属筒104fを加硫接着した場合は、上述のような高速回転においても遠心力による主弾性部104c及び鍔状弾性部104dの過大変形を有効に防止することができるが、この場合は防振ゴム104の首部104bをプレート101の嵌合孔101aに挿入嵌合する際に、鍔状弾性部104dの縮径変形が金属筒104fによって抑えられるので、挿入困難となって組み付け性が悪化し、場合によっては前記鍔状弾性部104dが損傷する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、電磁クラッチへの装着性が良く、しかも高速回転条件での耐久性の優れた防振ゴムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係る防振ゴムは、電磁クラッチのアーマチュアを軸方向移動自在に保持するプレートに開設された嵌合孔に遊嵌挿通されると共に固定端が前記アーマチュアに開設された取付孔に固定される係合ピンの外周に一体的に接着され、前記係合ピンの頭部フランジと前記プレートの間に介在される主弾性部と、この主弾性部の一端内周から軸方向に延在され前記嵌合孔に挿通可能な首部と、この首部の先端から前記係合ピンの固定端の外周を非接着状態で包囲するように延在され前記嵌合孔に挿通可能なスカート部とからなるものとする。すなわちこの防振ゴムは、係合ピンに一体的に接着されることによって遠心力による過大変形が抑制されている。
【0010】
この防振ゴムの主弾性部は、アーマチュアが励磁コイルの磁気吸引力によってロータの端面に摩擦接合される際の衝撃を吸収するものである。また、スカート部は、当該防振ゴムの装着に際して、係合ピンの固定端をプレートの嵌合孔を通してアーマチュアの取付孔に固定する過程で、前記嵌合孔を前記固定端と共に通過した後、前記アーマチュアとプレートとの間で係合ピンの外周側へ強制的に屈曲されることによって、前記アーマチュアとプレートとの間の緩衝手段として機能する。
【0011】
本発明において一層好ましくは、スカート部を円周方向に分割し、あるいはスカート部の内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取りを形成し、あるいはスカート部の径方向肉厚を首部の径方向肉厚より小さくする。このように構成すれば、防振ゴムの装着過程で、プレートの嵌合孔を通過したスカート部が、アーマチュアとの接触によって外周側へ展開しやすくなる。また、スカート部の肉厚を薄くした場合は、その外周面又は内周面に突起部を形成することによって、緩衝性の低下を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る防振ゴムが装着された自動車の空調装置用コンプレッサの電磁クラッチを示すものである。この電磁クラッチは、コンプレッサハウジング1の一端内周に突設された筒状部11の外周にボールベアリング12を介して回転可能に支持されたロータ2と、前記筒状部11から突出したコンプレッサの回転軸13にその軸端13aに螺合したナット14によって固定されたハブ15に複数の連結具16を介して固定されたプレート3と、このプレート3と前記ロータ2との間に軸方向移動自在に配置された磁性体からなるアーマチュア4と、外周側の端部が前記アーマチュア4に連結具41を介して固定され前記アーマチュア4をロータ2の端面2aから常時引き離す方向に付勢する板バネ5と、前記ロータ2に形成された円周方向に連続した中空部2b内に配置されると共に取付金具17を介してコンプレッサハウジング1に固定された励磁コイル6とを備えている。
【0013】
ロータ2は回転軸13と同心的に保持されており、このロータ2の外周部には、自動車エンジンのクランクプーリの回転力を伝達するVベルト(図示省略)が巻架されるプーリ2cが一体的に設けられている。また、励磁コイル6は、外部電源から温度調節スイッチを介して励磁電流が供給されることによって、アーマチュア4をロータ2の端面2aに吸引して摩擦接合させる磁気吸引力を発生するものである。
【0014】
図1の一部を拡大した図2にも示すように、プレート3の外周部には、複数の嵌合孔3aが円周方向等間隔で開設されており、アーマチュア4には、前記各嵌合孔3aと対応する位置に、それぞれこの嵌合孔3aよりも小径の取付孔4aが開設されると共に、プレート3のロータ2側の面における前記取付孔4aの開口位置には、この取付孔4aよりも適宜大径の凹部4bが形成されている。そして本発明の第一実施形態に係る防振ゴム7は、それぞれ前記プレート3の嵌合孔3aを通して前記アーマチュア4の取付孔4aに取り付けられた係合ピン8に一体的に加硫接着されている。
【0015】
これを更に詳細に説明すると、係合ピン8は、プレート3の嵌合孔3aより小径でアーマチュア4の取付孔4aより大径の軸部81と、プレート3の外側へ突出した前記軸部81の頭部から円盤状に展開形成され前記嵌合孔3aより大径の頭部フランジ82と、前記軸部81の先端に形成され前記取付孔4aに挿入可能すなわち前記軸部81より適宜小径の固定端83とを有する。また、この固定端83は取付孔4aの長さよりも長いものとなっている。
【0016】
防振ゴム7は、係合ピン8の頭部フランジ82及び軸部81に加硫接着されると共に頭部フランジ82と反対側の端面71aがプレート3に接触された厚肉の主弾性部71と、前記端面71aの内周から軸方向に延在されてプレート3の嵌合孔3aを通り、内周面が前記軸部81に加硫接着された首部72と、この首部72の先端から外周側へ屈曲した状態でプレート3とアーマチュア4の間に介在されたスカート部73とからなる。前記主弾性部71における端面71aの内周部には、首部72との境界に沿って断面略半円形状の円周溝71bが形成されている。
【0017】
また、防振ゴム7は、係合ピン8をインサートした状態で図3に示すような形状に加硫成形されたものである。すなわち、この図3に示すように、電磁クラッチへの未装着状態では、スカート部73は首部72と連続した円筒状を呈するものであって、係合ピン8の固定端83の外周側を包囲するように延在され、この固定端83の外周面とは軸部81との段差に相当する大きさの隙間を介して非接着状態に形成されている。
【0018】
電磁クラッチへの防振ゴム7の装着に際しては、プレート3の嵌合孔3aから係合ピン8の固定端83をアーマチュア4の取付孔4aに挿入し、凹部4b内に突出した前記固定端83の先端を潰すことによって、前記係合ピン8をアーマチュア4に固定する。そしてその過程で、防振ゴム7のスカート部73はプレート3の嵌合孔3aは通過するがアーマチュア4の取付孔4aには挿入不可能であるため、係合ピン8の固定端83が前記取付孔4aに挿入されて行くのに伴い、前記スカート部73がアーマチュア4との干渉によって外周側へ強制的に屈曲・展開されると共に、主弾性部71の端面71aがプレート3と密接し、図1及び図2に示す装着状態になるものである。
【0019】
以下、本実施形態による防振ゴム7の作用を、電磁クラッチの動作と共に説明する。まず図1に示す電磁クラッチにおいては、自動車エンジンのクランクプーリの回転駆動力がVベルトを介してプーリ2cに入力されることによってロータ2がボールベアリング12の周りで回転される。一方、係合ピン8、防振ゴム7、プレート3、連結具16及びハブ15を介してコンプレッサの回転軸13に相対回転が防止された状態で取り付けられているアーマチュア4は、励磁コイル6が消磁された状態では、板バネ5の付勢力等によって、ロータ2の端面2aから所定の隙間Gだけ離間した位置に保持されている。このため、ロータ2の回転は回転軸13には伝達されず、コンプレッサは停止した状態にある。
【0020】
ここで図示の状態から温度調節スイッチを介して励磁コイル6に励磁電流が供給されると、この励磁コイル6に発生した磁気吸引力によって磁性体からなるアーマチュア4がロータ2側へ軸方向移動し、このロータ2の端面2aと摩擦接合状態となる。このため、ロータ2の回転がアーマチュア4、係合ピン8、防振ゴム7、プレート3、連結具16及びハブ15を介してコンプレッサの回転軸13に伝達され、コンプレッサが運転状態となる。
【0021】
このとき、アーマチュア4がロータ2側へ軸方向移動する過程では、アーマチュア4に固定された係合ピン8も一体的に移動されるので、この係合ピン8の頭部フランジ82がプレート3との間で防振ゴム7の主弾性部71を軸方向に圧縮変形させる。このため、アーマチュア4がロータ2の端面2aと接合される際の衝撃が前記主弾性部71の圧縮変形動作により緩和され、これによって騒音の発生が有効に抑えられる。また、ロータ2とアーマチュア4の摩擦接合と同時にアーマチュア4からプレート3へ伝達されるトルクの立ち上がりが、係合ピン8の軸部81とプレート3の嵌合孔3aとの間に介在する防振ゴム7の首部72の変形によって緩和される。
【0022】
なお、主弾性部71と首部72の間には円周溝71bが形成されているので、主弾性部71の圧縮変形に伴って主弾性部71と首部72の境界に沿った亀裂が発生するのを有効に防止することができる。
【0023】
アーマチュア4及びプレート3がロータ2と一体的に回転している状態では、防振ゴム7は、前記アーマチュア4及びプレート3の外周側へ向けて大きな遠心力を受けることになる。しかし、上記実施形態によれば、防振ゴム7の主弾性部71はその背面及び内周面が係合ピン8の頭部フランジ82及び軸部81に加硫接着されており、また、鍔状に展開されたスカート部73はその内周が、係合ピン8の軸部81に加硫接着された首部72に保持されているので、前記遠心力による過大な変形が有効に防止される。
【0024】
次に、上述したロータ2とアーマチュア4の摩擦接合状態から、温度調節スイッチにより励磁コイル6への励磁電流の供給が遮断されると、アーマチュア4をロータ2に磁気吸引している励磁コイル6が消磁されるので、アーマチュア4が板バネ5の付勢力及び防振ゴム7の主弾性部71の圧縮反力によってロータ2の端面2aから離れてプレート3側へ軸方向移動し、図1及び図2に示す状態に復帰する。このとき、アーマチュア4とプレート3との接触が防振ゴム7のスカート部73によって防止され、衝突音の発生が防止される。
【0025】
図4は、本発明に係る防振ゴム7の第二の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73が軸方向に延びるスリット73bによって円周方向に複数の分割片73aに分割(図示の例では四分割)されている。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した図2に示す状態に装着する過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられる各分割片73aが外周側へ容易に屈曲するので、装着性が向上する。
【0026】
図5は、本発明に係る防振ゴム7の第三の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73の内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取り73cが形成されている。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73が外周側へ屈曲しやすくなるので、この場合も装着性が向上する。なお、先に説明した図4に示す第二の実施形態においても同様に、各分割片73aの内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取り73cを形成すれば、装着性を一層向上させることができる。
【0027】
図6は、本発明に係る防振ゴム7の第四の実施形態を示すものである。この実施形態においては、スカート部73を、その先端に向けて徐々に拡径したテーパ状に形成したものである。好ましくは、このテーパ状のスカート部73の先端外周面に、プレート3の嵌合孔3aに挿入しやすくするための面取り73dが形成される。その他の部分は第一の実施形態と同様である。このように構成すれば、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73は外周側へ屈曲しやすくなるので、この場合も装着性が向上する。またこの場合、スカート部73における首部72側の端部へ向けて肉厚が減少するように、スカート部73の内周面と外周面を異なるテーパ角度に形成すれば、前記装着過程で外周側への屈曲が一層容易に行われる。
【0028】
図7は、本発明に係る防振ゴム7の第五の実施形態を示すものである。この実施形態においては、円筒状に形成したスカート部73の径方向肉厚を首部72よりも薄くし、その外周面に、円周方向に連続又は断続した突起部73eを形成したものである。その他の部分は第一の実施形態と同様である。すなわちこの実施形態によれば、スカート部73の径方向肉厚を薄くしたことによって、先に説明した装着過程で、先端がアーマチュア4に押し付けられたスカート部73が外周側へ屈曲しやすくなり、前記肉厚の減少による緩衝性の低下が、突起部73eによって補償される。また、この突起部73eは、スカート部73の内周面に設けても良い。
【0029】
なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。例えば防振ゴム7と係合ピン8は加硫接着に限らず、防振ゴム7を加硫成形後、その主弾性部71及び首部72を係合ピン8に接着剤によって接着することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る防振ゴムは、電磁クラッチのアーマチュアに固定される係合ピンと一体的に接着されているため、遠心力による過大変形が抑制され、この過大変形による亀裂の発生等を有効に防止することができる。このため、高速回転条件における耐久性の向上が実現される。
【0031】
また、前記電磁クラッチへの装着状態においてアーマチュアとプレートの間に介在される鍔状部分が、防振ゴムの取付に際して、係合ピンの固定端をプレートの嵌合孔を通してアーマチュアの取付孔に挿入固定する過程で、前記固定端の外周側を包囲しているスカート部がアーマチュアに押し付けられて外周側へ強制的に展開されることによって形成されるため、前記プレートの嵌合孔を通過する際にこの嵌合孔との干渉によって損傷を受けるようなこともない。このため、装着性の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の防振ゴムが装着された自動車の空調装置用コンプレッサの電磁クラッチを軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】上記電磁クラッチにおける防振ゴムの装着部分を拡大して示す要部断面図である。
【図3】上記防振ゴムの未装着状態を電磁クラッチのプレート及びアーマチュアと共に示す断面図である。
【図4】本発明に係る防振ゴムの第二の実施形態を示す未装着状態の断面斜視図である。
【図5】本発明に係る防振ゴムの第三の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図6】本発明に係る防振ゴムの第四の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図7】本発明に係る防振ゴムの第五の実施形態を示す未装着状態の断面図である。
【図8】従来技術に係る防振ゴムの装着状態を示す断面図である。
【図9】従来技術に係る防振ゴムの装着過程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサハウジング
11 筒状部
12 ボールベアリング
13 回転軸
15 ハブ
2 ロータ
3 プレート
3a 嵌合孔
4 アーマチュア
4a 取付孔
5 板バネ
6 励磁コイル
7 防振ゴム
71 主弾性部
71a 端面
71b 溝
72 首部
73 スカート部
73a 分割片
73b スリット
73c テーパ面又は面取り部
73d 面取り部
73e 突起部
8 係合ピン
81 軸部
82 頭部フランジ
83 固定端
Claims (4)
- 外部駆動源からの駆動力により回転されるロータ(2)と、
このロータ(2)に軸方向に対向配置され回転軸(13)に固定されたプレート(3)と、
前記ロータ(2)とプレート(3)の間に配置され前記プレート(3)に軸方向移動自在に保持されたアーマチュア(4)と、
前記アーマチュア(4)を磁気吸引力によって前記ロータ(2)に摩擦接合させる励磁コイル(6)と、
を備える電磁クラッチに用いられる防振ゴム(7)であって、
前記プレート(3)に開設された嵌合孔(3a)に遊嵌挿通されると共に固定端(83)が前記アーマチュア(4)に開設された取付孔(4a)に固定される係合ピン(8)に一体的に接着され、
前記係合ピン(8)の頭部フランジ(82)と前記プレート(3)の間に介在される主弾性部(71)と、
この主弾性部(71)の一端内周から軸方向に延在され前記嵌合孔(3a)に挿通可能な首部(72)と、
この首部(72)の先端から前記係合ピン(8)の固定端(83)の外周を非接着状態で包囲するように延在され前記嵌合孔(3a)に挿通可能なスカート部(73)と、
からなることを特徴とする防振ゴム。 - 請求項1の記載において、
スカート部(73)が円周方向に複数の分割片(73a)に分割されたことを特徴とする防振ゴム。 - 請求項1又は2の記載において、
スカート部(73)の内周面に先端側が大径となるテーパ面又は面取り部(73c)が形成されたことを特徴とする防振ゴム。 - 請求項1乃至3のうちいずれかの記載において、
スカート部(73)の径方向肉厚が首部(72)の径方向肉厚より小さく、前記スカート部(73)の外周面又は内周面に突起部(73e)が形成されたことを特徴とする防振ゴム。
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