JP3658924B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル複写機、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿画像を読み取るために原稿ガラス上に置かれた原稿の位置が誤って傾いている場合に、この原稿の傾きを補正することが望ましい。このため、画像読取装置から出力するための2次元画像データの任意角回転処理機能が提案されている(たとえば特公昭63−9266号公報)。この任意角回転処理では、原稿ガラス上の置かれた原稿の傾きを検出して、画像データを正常な向きに回転し、こうして補正された画像データについて画像を形成する。これにより、ユーザーが不慮に傾いて置いた原稿も、自動的に画像の傾きを補正して出力できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の任意角回転による傾き補正処理では、入力画像データが文字画像のような単純2値画像でも、写真画像のような中間調画像でも同様に自動的に処理する。また、回転角度の大小にもかかわらず同様に処理してしまう。このとき、文字画像の場合、任意角回転処理をした後の画像は、ほとんど画質が変わらない。しかし、中間調画像については、任意角回転処理をした後の画像の画質が劣化してしまうという不都合が生じる。たとえば、中間調画像部にざらつきが生じる。特に回転角度が大きいと画質の劣化がひどくなる。ユーザーにとって自動的に原稿の傾きを補正してコピーがとれるのは便利であるが、画質が劣化してしまうのは問題である。特に中間調画像は画質が要求される場合が多いため、スムージングなどによる補正をする必要がある。なお、中間調画像にも種々の種類があり、また、使用者の意図も種々であるので、一括的な判断は困難である。画像を多値のデータ(階調性をもたせたデータ)として任意角回転処理をすれば、画質の劣化はある程度抑えられる。しかし、その場合、複雑な構成が必要であり、処理スピードは遅くなり、コストが大幅に増加してしまう。
【0004】
本発明の目的は、原稿画像データの特徴に応じて任意角回転機能を制御できる画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、2次元の入力画像より入力画像の回転角度を設定する回転角設定手段と、回転角設定手段により設定された回転角度で入力画像を回転する任意角回転手段と、任意角回転手段により回転された画像に対してスムージング処理をするスムージング手段と、回転角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に、前記スムージング手段を作動させる制御手段とを備える。これにより、画質の劣化が大きくなる回転角度をあらかじめ決めておき、これを越えると移転後の画像データに対してスムージング処理をして画質劣化を少なくする。
好ましくは、画像形成装置は、さらに、入力画像データが単純2値画像であるのか中間調画像であるのかを判別する判別手段を備え、前記の制御手段は、判別手段による判別の結果、入力画像データのうち中間調画像があらかじめ決められた量または割合より大きい場合、回転角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に前記スムージング手段を動作させる。
好ましくは、画像形成装置は、さらに、画質モードを設定するモード設定手段を備え、前記の制御手段は、設定された画質モードが写真モードである場合、任意角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に前記のスムージング手段を動作させる。
好ましくは、画像形成装置は、さらに、原稿台ガラスの上の原稿の画像を入力する画像読取手段を備え、前記の回転角設定手段は、画像読取手段により入力された画像データから原稿の回転角を設定する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置の1実施形態であるデジタル複写機を、以下に添付の図面を参照して説明する。
(1)複写機の構成
図1は、デジタル複写機1の全体の構成を図式的に示す。このデジタル複写機1は、読取装置200、プリンタ装置300、原稿搬送部500、操作パネル(図2参照)および再給紙ユニット600からなる。
原稿搬送部500は、原稿給紙トレー510上にセットされた原稿を自動的に原稿ガラス18上の読取位置に搬送し、読取装置200が原稿を読み取った後に原稿を排出トレイ511へ排出する。原稿のサイズは、センサ551と552により検出される。
読取装置200は、走査系、画像処理部20などからなる。走査系では、原稿ガラス18上の原稿を読み取り、その原稿の画像の各画素に対応する画像データを生成する。すなわち、原稿は、原稿ガラス18の下方を移動するスキャナ19に組み付けられた露光ランプ12により照射される。原稿からの反射光は、第1ミラー12と固定ミラー13a,13bと集光用のレンズ14を経て、CCDアレイなどを用いたラインセンサ(光電変換素子)16に入射される。スキャナ位置センサ17は、スキャナ19が原稿読取領域(画像領域)に達することを検出するために設けられる。ラインセンサ16は、図1の紙面に直交する方向(主走査方向)に多数の光電変換素子を配列したものであり、たとえば400DPIで画像を読み取り、原稿の画像の各画素に対応する反射光を電気信号に変換し、画像信号処理部20に出力する。画像信号処理部20は、入力電気信号を処理し、メモリユニット部30に対して画像データを出力する。ここで、画像信号処理部20は、原稿の傾きを検出できる。メモリユニット部30は、画像信号処理部20から入力される画像データを圧縮して一旦記憶し、次に、伸長処理を行ってプリンタ装置300に送信する。伸長の際、必要ならば、傾いた原稿に対する任意角回転などの編集処理などが施される。
また、メモリユニット部30は、後述する外部機器インターフェース部を備えており、外部機器接続用コネクタ50を介し、外部ケーブル51を通して外部機器に接続される。
【0007】
プリンタ装置300は、印字処理部40、レーザ光学系60、作像系などから構成される。印字処理部40は、メモリユニット部30から受信される画像データに基づいてレーザ光学系60を制御する。レーザ光学系60において、半導体レーザ61は、印字処理部40からの信号によって変調されるレーザビームを放射し、ポリゴンミラー65は、このレーザビームを偏向し、感光体ドラム71上へ走査させる。すなわち、偏向されたレーザビームは、f-θレンズ66および反射ミラー67、68をへて、感光体ドラム71上の露光位置に導かれ、この走査により、感光体ドラム71上に原稿画像の潜像が形成される。
【0008】
画像形成は作像系において電子写真方式で行われ、感光体ドラム71上に形成された潜像を現像し、用紙上に転写かつ定着して用紙上に画像を形成する。ここで、図1の反時計方向に回転駆動される感光体ドラム71が帯電チャージャ72により一様に帯電された後で露光され、潜像は現像器73により現像される。(図示を簡単にするため1個の現像器のみが記載されるが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーの現像器を設けることにより、カラー画像が現像できる。)一方、用紙は、カセット80a、80bから用紙ガイド81とタイミングローラ82をへて感光体ドラム71へ導かれ、現像で得られたトナー像は、転写チャージャ74により用紙に転写される。次に、用紙は、分離チャージャ75により分離され、定着ローラ84へ搬送される。定着ローラ84は、像を用紙に熱で定着し、その後、用紙は、再給紙ユニット600を経て排出される。
【0009】
図2は、複写機の操作パネルの平面図である。操作パネルには、状態表示および各種モード設定のための液晶タッチパネル91、コピーの数値(枚数、倍率など)を入力するためのテンキー92、数値を標準値に戻すためのクリアキー93、コピーモードを初期化するためのパネルリセットキー94、コピーの中止を指示するためのストップキー95、コピーの開始を指示するためのスタートキー96、割り込み起動および復帰を指定するための割り込みキー97、画質モード(写真/文字)を指定する画質モードキー98、任意角回転補正モードを指示するキー102などが配置される。キー102を押すことにより、液晶タッチパネル91において、任意角回転機能に関連した各種チョイス設定(モード設定など)が行える。
図3は、複数のデジタル複写機1、1'をネットワーク上に接続したシステム形態の1例を示す。デジタル複写機1、1’は、外部機器インターフェースコネクタ50にて、インターフェースケーブル51を介して、外部機器の1例であるコントローラ2、2'に接続される。コントローラ2は、Ethernetなどの汎用インターフェースを介してコンピュータ3に接続され、また、コントローラ2'を通して他のデジタル複写機1'に接続される。1例として、コンピュータ3で作成したデータファイルのプリントのため、各種設定(用紙サイズ、倍率、プリント枚数、ステープル、ソーティングなどの条件)および出力命令が入力されると、コンピュータ3上でのプリント処理でコントローラ2へ送られる。コントローラ2では、一般的にコンピュータ3から送られてくる画像データ(ポストスクリプトデータなど)をラスターデータへ変換する。そのため、コントローラ2には、最低で1画面分のメモリが搭載される。ビットマップデータに変換されると、デジタル複写機1へ画像データを伝送し(同時に、各種設定条件もコントローラ2を介して送信し)、デジタル複写機1側で、用紙上への画像形成および各種処理が施される。なお、本発明はこのシステム形態に限定されるものではなく、モデムと電話回線を通して接続されているファクシミリ装置などのシステムなども含むものである。
【0010】
(2)複写機の制御系
図4と図5は、複写機1を制御する制御部100を示す。制御部100は、8個のCPU101〜107を中心に構成され、これら各CPU101〜107には、それぞれプログラムを格納したROM111〜117およびプログラム実行のワークエリアとなるRAM121〜127が設けられている。なお、CPU103は、メモリユニット30内に設けられる。
【0011】
第1CPU101は、操作パネル(図2参照)の各種操作キーからの信号の入力および液晶タッチパネルの表示を制御する。
第2CPU102は、読取装置200の走査系の駆動制御と画像信号処理部20の各部の制御を行なう。ここで、読み取った画像より、原稿の傾きを検出する。
第3CPU103は、メモリユニット部30を制御することによって読取った画像データを圧縮し符号メモリ303に一旦格納し、次にこれを読出して印字処理部40へ出力する。ここで、読み出し時に、画像傾き補正を含む画像データの回転編集などが行われる。なお、メモリユニット部30には、外部機器とのインターフェースを行なう機能があり、画像データや制御データが送受信される。
第4CPU104は、プリンタ装置300の印字処理部40、光学系60および作像系の制御を行なう。
第5CPU105は、制御部100の全体的なタイミング調整や動作モードの設定のための処理を行なう。
第6CPU106は、原稿搬送部500の制御を行なう。
第7CPU107は、再給紙ユニット600の制御を行なう。
これらのCPU101〜107の間では、割込みによるシリアル通信が行なわれ、コマンド、レポートなどやデータが授受される。
【0012】
図6は、CPU105により制御されるコントローラ2のブロック図である。第1外部インターフェース700は、外部のコンピュータ3と信号のやりとりをする。インタープリタ702は、コンピュータ3から送られてきたデータ(たとえばポストスクリプトデータ)を翻訳してラスターデータへ展開し、メモリ部702は、ラスターデータを記憶する。1ページ分の画像データを格納すると、第2外部インターフェース704を介して印字部へ画像データが出力される。
【0013】
次に、画像データの処理について説明する。図7は、画像信号処理部20を示し、画像信号処理部20は、タイミング制御部21、アンプ23、A/D変換器25、シェーディング補正部26、濃度変換部27、電気変倍部28、編集加工部29などからなり、CPU102により制御される。画像信号処理部20によって、ラインセンサ16からの入力信号が、アンプ23により増幅され、A/D変換器25により画素ごとに8ビットの画像データに量子化される。画像データは、その後、シェーディング補正、濃度データへの変換(ガンマ補正)、電気変倍、編集加工の種々の処理が施された後に、画像データとしてメモリユニット30やプリンタ装置に送られる。CPU102は、画像信号処理部20の各部26〜29へのパラメータの設定、レーザ走査系のスキャナモータのスキャン制御、CPU105との通信などを行い、読取装置200全体を制御する。
原稿サイズおよび原稿の向きは次のように検知される。読み取った画像が原稿であるか否かの判断において、たとえば、原稿搬送装置500の原稿カバーを鏡面のものとして、原稿ガラス18上に置かれた原稿を走査し、反射光量が多いところを原稿と判断する。鏡面であれば反射光量がほとんどないため、その判断が容易である。したがって、原稿カバーを開放した状態で走査してもよい。
CPU102は、CPU105より原稿サイズ検出動作の指示を受けると、予備スキャンをおこなう。CPU102は、スキャナ位置センサ17からの位置情報に基づいて、スキャナ19を駆動するスキャナモータを制御し、スキャナ19を副走査方向に走査させる。副走査位置に対応したタイミングで、画像データの内容とモニタ位置情報とから、原稿サイズと縦置き/横置きを検出し、検出結果をCPU105へ送信する。CPU102は、CPU105から送信される倍率情報を基に、画像読取時に、その倍率情報にあったスキャン速度でスキャナモータの速度を制御する。
【0014】
図8は、メモリユニット30のブロック図である。切り換え部301は、画像信号処理部20、印字処理部、外部インターフェース310への画像データのルートを切り換える。領域判別部303は、入力画像データが単純2値データであるか中間調データであるかについて領域判別をする。2値化処理部302は、第3CPU103からのパラメータ設定に基づいて、誤差拡散、ディザ法などにより多値画像データに復元可能な範囲で画像データを2値データに変換する。画像メモリは、2ページ分の容量を有する。2値データは、画像メモリに記憶される。画像メモリ304から読み出された2値データは、次に、符号処理部305の中の圧縮器311によって圧縮され、符号メモリ306に記憶される。符号メモリ306は、たとえば、400DPIでA4サイズの1頁分の容量を有するマルチポートのメモリである。符号メモリ306には、複数頁の原稿画像の読取データが一時的に記憶されるが、符号メモリ306内のデータは、RAM126内に設けられた符号管理テーブルによって管理される。
【0015】
プリント時には、符号メモリ306内の圧縮された画像データは、伸長器312によって伸長される。また画像編集が必要な場合は、伸長時に編集制御部307で編集処理(回転、変倍、移動など)を行い、編集処理と伸長処理を同時に行う。必要ならば伸長時に傾斜角回転も行われる。伸長されたデータは、画像メモリ304に転送される。1ページ分のデータの伸長がなされると、画像メモリ304から読み出された2値データは、多値化処理部308により多値データに変換され、必要ならばスムージング処理部309においてスムージング処理がされた後、切り換え部301を介して、印字処理部40または外部機器に転送される。CPU103は、多値化処理部302とスムージング処理部309に制御パラメータを送る。
【0016】
次に、画像読取及びプリントにおける複写機1の動作シーケンスについて、CPU101〜106の間でやりとりされる要求コマンド(Q)、レポート(A)およびデータの流れを中心に説明する。図9は、メモリ書き込み動作の概略のシーケンスを示す。まず、全体のシーケンスを管理している第5CPU105が、メモリユニット部30を制御する第3CPU103に対してメモリ準備を要求する。これを受けて、CPU103は、内部ハードウエアに対し、画像信号処理部20からの画像データを画像メモリ304へ転送させるためのバス接続状態の設定、2値化処理のためのモードの設定、画像メモリ304における書き込み領域の開始アドレス、XYレングス情報などの設定をおこなう。これらの設定が終わって準備が完了すると、CPU103は、CPU105に対してメモリ準備の完了を通知する。
次に、CPU105は、CPU103とCPU102に対して読取を要求する。これに応じて、CPU102は、読取装置200の原稿走査部に対してスキャンを要求する。こうして、原稿のスキャンが開始され、スキャナ19が原稿ガラス上の原稿読取領域に達すると、CPU102により設定された画像処理モードに応じて、読み取りデータ(画像データD2)が画像信号処理部20からメモリユニット部30に転送される。スキャンが終了すると、スキャン終了信号がCPU102に送られ、CPU102、103から読取の完了がCPU105に通知される。
次に、CPU105は、CPU103に対して、データの圧縮を要求する。これを受けて、CPU103は、画像メモリ304からの読み出しアドレス、XYレングス情報、符号メモリ306への書き込みアドレス、圧縮器311のモード(たとえば算術符号化方式、MH方式)などを設定し、各部の起動を行う。これによって圧縮器311による圧縮処理が行われ、符号データが符号メモリ306に格納される。
圧縮処理が完了すると、CPU103はCPU105に圧縮の完了を通知する。このとき、符号メモリ306がデータでいっぱいになっていた場合には、圧縮不可能を示すパラメータを付加した圧縮完了レポートがCPU105に送られる。これによって、CPU105は、符号メモリ306がフルになったことを知ることができる。
【0017】
図10は、メモリ読み出し動作の概略のシーケンスを示す。メモリ読み出し動作では、画像メモリ304から画像データが読み出され、その画像データに基づいて用紙に複写画像がプリントされる。CPU105は、CPU103に対してデータ伸長を要求する。これを受けて、CPU103は、符号メモリ306からの読み出しアドレス、データの量、画像メモリ304への書き込みアドレス、XYレングス情報、伸長器312のモード(たとえば、算術符号化方式、MH方式)、傾斜角回転などの編集処理モードなどを設定して、各部の起動をおこなう。これによって伸長(編集)処理がおこなわれ、画像データが画像メモリ304に書き込まれる。伸長処理が終了すると、CPU103はCPU105に対して伸長完了を通知する。
次に、CPU105は、CPU103に対して、画像メモリ304から画像を読み出すためのメモリ準備を要求する。これを受けて、CPU103は、内部ハードウエアに対して、画像メモリ304から印字処理部40へ画像データを出力するためのバス接続状態の設定、画像メモリ304の読み出し領域の開始アドレスおよびXYレングス情報などの設定を行い、CPU105にメモリ準備完了を通知する。
次に、CPU105は、CPU103と印字部40に対して、プリントを要求する。印字処理部40からCPU105に用紙の搬送状態を知らせる給紙レポートが送られ、その後、画像メモリ304から読み出された画像データが印字処理部40に出力され、プリントが行われる。プリントが終了すると、CPU103と印字処理部40がCPU105に対してプリント完了レポートとイジェクト完了レポートを送る。これらのレポートを受け取ったCPU105は、必要に応じてCPU103に対してメモリクリア要求を与える。
【0018】
(3)原稿が傾いている場合の原稿読取
次に、原稿ガラス18上で読み取られる原稿が傾いている場合の画像読取について説明する。図11に示すように、原稿10は、右上端(3角印で示す)を基準とする原稿ガラス18の上に、原稿の複写面を下向きに置かれている。原稿ガラス18の長手方向がスキャン読取の副走査方向であり、それに垂直な方向が主走査方向である。図11に示した例では、原稿は、画像基準から離れて置かれ、その位置は副走査方向と平行ではない。この例では、原稿は読取領域からはみ出ていない。
図12と図13は、原稿10(破線で示す)が読取領域(実線で示す長方形)からはみ出ていない場合の読み取った画像のイメージを示す。(原稿10を複写面側から見るので、画像基準は左上端である。)画像信号処理部20では、少なくとも原稿の範囲を含む長方形領域の画像データを処理して、原稿が存在する原稿領域の検出を行い、原稿の周囲(すなわちエッジ部)のすべての座標から、図に示すように長方形原稿の4隅の座標を検出する。ここで、主走査方向がX軸であり、副走査方向がY軸である。XmaxとXminは、最大と最小のX座標であり、残りの2つのX座標のうち大きいほうがX1であり、小さいほうがX2である。また、YmaxとYminは、最大と最小のY座標であり、残りの2つのY座標のうち大きいほうがY1であり、小さいほうがY2である。図12の例では、原稿の4隅のX座標とY座標は、(X1,Ymin)、(Xmax,Y2)、(Xmin,Y1)、(X2,Ymax)である。原稿10の4辺の長さa、b、c、dは、原稿の座標から以下のとおり計算できる。
a=√{(Xmax−X1)2+(Y2−Ymin)2
b=√{(X1−Xmin)2+(Y1−Ymin)2} (1)
c=√{(X2−Xmin)2+(Ymax−Y1)2
d=√{(Xmax−X2)2+(Ymax−Y2)2
また、図13の例では、原稿の傾きの方向が図12の場合と異なり、原稿の4端の座標は、(Xmin,Y1)、(X1,Ymin)、(X2,Ymax)、(Xmax,Y2)である。この場合も4辺の長さa、b、c、dは同じ式で計算できる。
ここで、傾いた画像を補正するための編集処理パラメータは、次のようになる。まず、X1−Xmin<Y1−Yminの場合(図12)、
Figure 0003658924
回転座標は、図の左上端に近い隅の座標である。回転角θは、回転座標位置を基準として原稿を回転して読取領域に平行にするための回転角である。デスティネーションアドレスは、メモリへの転送先の座標であり、左上端の位置から画像基準への長さに相当する。
【0019】
(4)任意角回転による傾斜角補正
読み取った原稿の傾きが検出された場合に、画像を傾斜角だけ自動的に回転して、傾かない画像を得る。したがって、使用者が原稿を原稿ガラス上に置く場合に、誤って傾いて置いた場合などにおいて、画像は自動的に傾斜角だけ回転されるので、正常な画像が得られる。以下で、この任意角回転処理について説明する。
任意角回転は、画像読取により検出された編集パラメータに基づいて、メモリユニット30内の編集処理部307において行われる。まず、編集処理部307について説明する。図14は、メモリユニット30内の編集処理部307の任意角回転に関連する部分と画像メモリ304を示す。編集処理部307による回転などの編集は、画像メモリ304を利用し、シフト処理、X−Y変換処理およびビットスワップ処理を組み合わせて進められる(図15、図16参照)。なお、回転処理をしない場合(0°回転)は、破線で示すように、ビットスワップ処理のみがおこなわれ、信号W2、R2のみがアクセスされる。
【0020】
回転処理をする場合、伸長部312より転送される入力画像データは、16ビットであり、編集処理部307において、まず16→32変換部3070で32ビットに変換される。編集処理部307の内部動作および画像メモリ304へのアクセスを高速に処理するため、データ処理はすべて32ビットで行われる。第1シフト部3071は、ビット変換後のデータが必要であれば、シフト処理をし、画像メモリ304内の第1-1スライスエリア部3040と第1-2スライスエリア部3041に書き込む。第1-1X-Y変換部3072と第1-2X-Y変換部3073は、それぞれ、第1-1スライスエリア部3040と第1-2スライスエリア部3041から読み出されたデータR1についてX-Y変換処理をする。第2シフト部3074はX-Y変換後のデータについて必要であればシフト処理をする。第1ビットスワップ部3075は、16→32変換部3070からのデータまたは第2シフト部3074からのデータを必要であればビットスワップ処理をし、画像メモリ304内の編集用の仮想用紙エリア3042(最大でA3サイズの容量)に書き込む。第2X-Y変換部3076は、プリント出力時に、必要であれば第2ビットスワップ部3077により、画像メモリ304内のプリント出力用の仮想用紙エリア3042から読み出したR2データのX-Y変換処理をして、画像メモリ304内の第2スライスエリア3043に書き込む。プリント出力動作時に仮想用紙エリア3042から読み出されたR2データまたは第2スライスエリア3043から読み出されたR3データは、32→1変換部3078により1ビットに変換され、多値化処理部308へ転送される。連続動作時には、画像メモリ304へのアクセス(信号W1〜W3、R1〜R3)は、32ビットバスラインにて時分割で並列処理される。
【0021】
次に、図15を参照して、画像データの90°回転処理を説明する。伸長部312より転送される入力画像のイメージは、左上の(a)に示すように、左上端を画像基準として受信される。この入力画像データは、右上の(b)に示すように、ライン単位で第1-1スライスエリア部3040から32ビット×32ラインのデータから、32ビット×32ビットのブロックの単位で読み出されて、第1-1X-Y変換部3072で編集処理される。次に、90°回転のために、中央の(c)に示すように読み出され、右下の(d)に示すように、仮想用紙エリア3042に書き込まれる。このとき、画像基準(デスティネーションアドレス(pmdax,pmday))が左下端になるように、データを展開する。第1-1スライスエリア部3040と第1-2スライスエリア部3041は、対になっていて、上記の処理がダブルバッファ動作で行われる。
次に、図16を参照して、第1ビットスワップ部3075と第2ビットスワップ部3077による画像データのビットスワップ処理を説明する。この処理において、図の上部に示すように、32ビットのデータの並びを逆転する。そして、図の下部に示すように、逆転したデータを、仮想用紙エリア3042において、画像基準(デスティネーションアドレス)が右下端になるように書き込む。また、90°回転とビットスワップ処理を組み合わせることにより270°回転もすることができる。このとき、画像基準が右上端になるようにデータを展開する。なお、編集処理部307では、画像基準の仮想用紙エリアへの転送先(デスティネーションアドレス)を変えることにより、画像の平行移動も同時に処理することができる。また、説明はしないが、特定の領域の画像の消去や複写・貼り付けなどの処理も可能である。
【0022】
次に、任意角回転のための演算について説明する。次の式は、アフィン変換における回転処理を示す。式(4)に示されるように、座標(X,Y)は角度θだけ回転されて座標(U,V)になる。この演算は、式(5)に示すように分解され、第1シフト、90°回転、第2シフト、−90°回転の組み合わせとなる。上述の編集処理部307では、これらの処理を組み合わせて演算が行われる。第1シフトと第2シフトでは、Y軸パラメータ固定でX軸パラメータのみが処理される。
【数1】
Figure 0003658924
【0023】
次に、上述の回転アドレス演算の逆演算を示す。式(6)、(7)は、式(4)、(5)の逆変換を示す。
【数2】
Figure 0003658924
【0024】
画像データの任意角回転処理では、上述の任意角回転のための演算に従って画像データが処理される。図17により、画像データの任意角回転処理(シフトシフト方式)を説明する。編集処理部307において、図17の左上に示すように、伸長部312より転送される入力画像のイメージは、左上端を基準として受信される。この入力画像データは、図の中央部上側に示すように、上述の第1シフト部3071において、設定された回転角θに応じて第1シフト処理がなされ、第1-1スライスエリア3041と第1-2スライスエリア3042へライン単位で書き込まれる。次に、第1-1スライスエリア3041と第1-2スライスエリア3042から32×32ビットのブロックの単位で読み出され、第1-1X-Y変換部3072と第1-2X-Y変換部3073により処理される。次に、2ブロック分のデータを基に、第2シフト部3074にて、設定された回転角θに応じた第2シフト処理がなされ、このデータが仮想用紙エリア3042に書き込まれる。2つのスライスエリア3040、3041は対になっており、上述の動作がダブルバッファ動作にて行われる。これまでの処理で、画像は(90°+θ)回転した状態となる。仮想用紙エリア3042からプリント出力をするとき、−90°回転(270°回転)を第2X-Y変換部3076と第2ビットスワップ部3077を用いて処理し、第2スライスエリア部3043へバッファリング(ビット変換)をしてから、多値化処理部308へ出力する。シフトシフト方式による回転処理は、処理後の画質を考慮するとθはなるべく小さい角度が望ましいため、−45°<θ<45°とする。それ以上の角度の回転は、90°単位の回転と組み合わせることにより処理する。
【0025】
次に、画像データの任意角回転と変倍処理とを同時に処理するための論理式を示す。式(8)は、アフィン変換における回転処理と変倍処理を示し、座標(X,Y)は角度θだけ回転されてα倍になって座標(U,V)になる。これは、式(10)に示すように分解され、第1シフト、90°回転、第2シフト、−90°回転となる。第1と第2のシフトは、Y軸パラメータ固定でX軸パラメータのみが処理される。
【数3】
Figure 0003658924
次に、上述の回転アドレス演算の逆演算を示す。式(10)、(11)は、式(8)、(9)の逆変換を示す。
【数4】
Figure 0003658924
【0026】
図18は、上述の画像データの任意角回転処理を示す。この処理は、シフト処理、90°回転、シフト処理、−90°回転からなる。変倍は、図14に示す編集処理部307において、第1と第2のシフト部において変倍のパラメータを対応させることにより行なう。ただし、倍率によっては、スライスエリアの数を増やすことが必要になる。このとき、変倍のみを処理し、回転しない場合は、回転角度の設定を0°にすればよい。
【0027】
(5)画像の性質に応じた任意角回転処理
任意角回転による傾き補正処理により得られる画像の画質は、回転角度に依存する。回転角度が大きいほど画質が劣化する。また、画質の劣化の程度は画像の種類により異なる。入力画像データが文字画像のような単純2値画像の場合は、任意角回転処理をした後の画像は、ほとんど画質が変わらない。しかし、中間調画像については、任意角回転処理をした後の画質が劣化してしまう。特に中間調画像は画質が要求される場合が多いため、スムージングなどによる補正をする必要がある。また、画質の劣化が望ましくない場合は、任意角回転補正を禁止することが望ましい。
そこで、本画像形成装置では、原稿ガラスの上の原稿の画像を読み取り、こうして得られた2次元の入力画像より入力画像の回転角度を設定し、設定された回転角度で入力画像を回転して画像の傾きを補正する。さらに、回転された画像に対してスムージング処理をするが、このスムージング処理は、画像の回転角θがあらかじめ決められた角度より大きい場合に行う(図26、図28参照)。この角度はたとえば15°であるが、画像の特徴や画質劣化の程度に応じて使用者により設定される。こうして、画像を正常な向きに補正する際に、回転角θが所定角度より大きい場合にスムージング処理をして画質の劣化(ざらつきなど)を少なくする。
ここで、画像形成装置は、さらに、入力画像データが単純2値画像であるのか中間調画像であるのかを判別する(図25参照)。この画像属性の判別の結果、入力画像データのうち中間調画像があらかじめ決められた量または割合より大きい場合(図25、ステップS355、S356参照)、かつ、回転角θがあらかじめ決められた角度より大きい場合にスムージング処理を行わせる。中間調画像は回転により画質が大きく劣化するが、単純2値画像では画質への影響が少ないので、中間調画像に対してのみスムージング処理をする。
また、画像形成装置は、さらに、操作者が画質モードを設定する操作パネルを備え、設定されたモードが写真モード(中間調画像モード)である場合(図26、ステップS363参照)、回転角θがあらかじめ決められた角度より大きい場合にスムージング処理を行う。すなわち、写真モードである場合、画質への回転の影響を少なくするため、スムージング処理を行う。
【0028】
(6)複写機の制御
以下に本複写機の制御のフローを説明する。この複写機では、回転された画像に対するスムージング処理は、画像の回転角θがあらかじめ決められた角度より大きい場合に行う。
図19は、操作パネルを制御する第1CPU101のメインフローチャートである。電源が投入されると、まず、RAMやレジスタなどを初期化する初期設定を行なう(ステップS11)。その後、1ルーチンの長さを規定する内部タイマーをセットし(ステップS12)、キー操作を受け付けるキー入力処理をし(ステップS13)、キー操作に応じた表示を行なうパネル表示処理をする(ステップS14)。そして、傾斜角回転処理のためチョイス設定処理をする(ステップS15、図26参照)。そして、その他の処理をした後(ステップS17)、内部タイマーの終了を待って(ステップS18でYES)、ステップS12に戻り、上述の処理をくり返す。また、適時に割り込み処理として、他のCPUとの通信をおこなう。
【0029】
図20は、画質モード設定のフローチャートである。操作パネルで画質モードキー102が押し下げられると(ステップS171)、もし、現在の画質モードMDが写真モードであれば(ステップS172でYES)、文字モードを設定し(ステップS173)、写真モードでなければ(ステップS172でNO)、写真モードを設定して(ステップS174)、リターンする。
【0030】
図21は、チョイス設定(図25、ステップS15)のフローチャートである。操作パネルでは、チョイス設定のための画面が表示される。操作パネルより各種設定値が入力される。まず、領域判別モード(RYO)または画質モード(GASITU)がスムージング判定モードS_HANTEIとして登録される(ステップS161)。次に、しきい値番号により(ステップS162)、複数(3種類)の任意角しきい値のいずれかがSHIKII_1、SHIKII_2またはSHIKII_3に登録される(ステップS163〜S165)。次に、領域判別比較データをREFに登録する(ステップS166)。さらに、スムージングパラメータ番号により(ステップS167)、複数(3種類)のスムージングパラメータSMOOTH_1、SMOOTH_2、SMOOTH_3のいずれかが登録される(ステップS168〜S16A)。そして、その他の処理をして(ステップS16B)、リターンする。
【0031】
図22は、画像信号処理部20を制御する第2CPU102のメインフローチャートである。RAMやレジスタなどを初期化する初期設定をおこなった後(ステップS21)、1ルーチンの長さを規定する内部タイマーをセットする(ステップS22)。次に、画像データを入力し(ステップS23)、原稿検出処理をし(ステップS24、図23参照)、画像処理をし(ステップS25)、画像データを出力する(ステップS26)。そして、その他の処理をし(ステップS27)、内部タイマーの終了を待って(ステップS28でYES)、ステップS22に戻り、上述の処理をくり返す。
【0032】
図23は、原稿検出処理(図22、ステップS24)のフローチャートである。ここで、原稿領域においてエッジ部の座標を抽出し、抽出した複数の座標からなる直線を原稿領域の各辺とみなす(ステップS241)。次に、Xmin点とXmax点の座標およびYmin点とYmax点の座標(図12、図13参照)を抽出する(ステップS242、S243)。X1−Xmin<Y1−Yminであれば(ステップS244でYES)、−tan-1((X1−Xmin)/(Y1−Ymin))を傾き角θ'とする(ステップS245)。また、X1−Xmin>Y1−Yminであれば(ステップS246でYES)、−tan-1((Y1−Ymin)/(X1−Xmin))を傾き角θ'とする(ステップS247)。また、X1−Xmin=Y1−Yminであれば(ステップS248でYES)、傾き角θ'を0とする(ステップS249)。以上のいすれにも該当しない場合は、傾き角θ'を45°とする(ステップS250)。
【0033】
図24は、メモリユニット部30を制御する第3CPU103のメインフローチャートである。まずRAMやレジスタなどを初期化する初期設定をおこなう(ステップS31)。次に、第5CPUからのコマンドを受信するコマンド受信処理(ステップS32)、第5CPUへステータスを送信するステータス送信処理(ステップS33)、画像メモリ書き込み処理(ステップS34)、領域判別処理(ステップS35、図25参照)、スムージング判定処理(ステップS36、図26参照)、圧縮制御処理(ステップS37)、伸長制御処理(ステップS38)、編集制御処理(ステップS39、図27参照)、スムージング制御処理(ステップS3A、図28参照)、画像メモリ読み出し処理(ステップS3B)、および、その他の処理(ステップS3C)をする。そして、ステップS32に戻り、上述の処理をくり返す。
【0034】
図25は、領域判定処理のフローチャート(図24、ステップS35)である。領域判別モードでは、入力画像において、文字領域と写真領域とを判別し、文字領域と判別される領域と写真領域と判別される領域との割合から入力画像が写真画像であるか文字画像であるかを判定する。画像入力が終了したら(ステップS351でYES)、領域判別結果を読み出し、文字領域をMOJI、写真領域をSYASINと設定する(ステップS352、S353)。次に、全体に対する写真領域の割合(SYASIN/(SYASIN+MOJI)をHANBETUとする(ステップS354)。次に、算出結果HANBETUを領域判別比較データREFと比較し(ステップS355)、算出結果HANBETUのほうが大きい場合は写真画像(SYASIN_IMG)をIMAGEに設定し(ステップS356)、小さい場合は文字画像(MOJI_IMG)をIMAGEに設定する(ステップS357)。比較データREFは、チョイス設定で入力される。
【0035】
図26は、スムージング判定処理のフローチャート(図24、ステップS36)である。まずチョイスまたは操作パネルにより設定されたスムージング判定モード(S_HANTEI)により分岐する(ステップS361、S362)。スムージング判定モードが領域判別モードRYOである場合は、さらにIMAGEの内容により分岐する(ステップS363)。画質モードが設定されていれば、画質モードが写真モードか文字モードかで分岐する(ステップS363)。
スムージング判定モードが写真画像(SYASIN_IMG)である場合、または、画質モードが写真モードである場合、スムージング処理をする。ここで、回転角θの大きさが大きいほどスムージング処理のためのスムージングパラメータを大きくする。まず、回転角θがしきい値SIKII_3より大きい場合(ステップS364でYES)、SMOOTH_3をスムージングパラメータSMOOTH_PARAに設定する(ステップS365)。回転角θがしきい値SIKII_3より小さくしきい値SIKII_2より大きい場合(ステップS366でYES)、SMOOTH_2をスムージングパラメータSMOOTH_PARAに設定する(ステップS367)。回転角θがしきい値SIKII_2より小さくしきい値SIKII_1より大きい場合(ステップS368でYES)、SMOOTH_1をスムージングパラメータSMOOTH_PARAに設定する(ステップS369)。回転角θがしきい値SIKII_1より小さい場合(ステップS368でNO)、SMOOTH_0をスムージングパラメータSMOOTH_PARAに設定する(ステップS36A)。
また、スムージング判定モードが文字画像MOJI_IMGである場合、または、画質モードが文字画像モードである場合、ただちにステップS36Aに進み、SMOOTH_0をスムージングパラメータSMOOTH_PARAに設定する。
以上に説明したように、文字画像である場合は、画像回転による画質劣化が少ないので、スムージングパラメータをSMOOTH_0に設定する(図28に示されるように、この場合、スムージング処理は禁止される)。一方、写真画像では、画像回転による画質劣化の影響が大きいので、スムージング処理を行うが、回転角が大きくなるにつれスムージングパラメータを大きく設定する。
【0036】
図27は、編集制御(図24、ステップS39)のフローチャートである。符号メモリ306にプリント用のデータが蓄えられていれば(ステップS391でYES)、90°単位回転パラメータ(90θ)を設定し(ステップS392)、任意角回転パラメータθを設定し(ステップS393)、デスティネーションパラメータ(pmdax、pmday)を設定する(ステップS394)。そして、他のパラメータを設定する(ステップS395)。次に、設定されたデスティネーション、回転角に基づいて任意角回転処理を実行する(ステップS396)。次に、90°回転をすると判断されると(ステップS397でYES)、90°単位回転を実行する(ステップS398)。そして、リターンする。
【0037】
図28は、スムージング制御処理のフローチャート(図24、ステップS3A)である。符号メモリ306にプリント用のデータが蓄えられていれば(ステップS3A1でYES)、スムージングパラメータSMOOTH_PARAがSMOOTH_0であれば(ステップS3A2でYES)、スムージング処理のディスエーブル設定を行い(ステップS3A3)、スムージングパラメータSMOOTH_PARAがSMOOTH_0でなければ(ステップS3A2でNO)、スムージング処理のイネーブル設定を行う(ステップS3A4)。そして、他のパラメータを設定する(ステップS3A5)。
【0038】
図29は、プリンタ部を制御する第4CPU104のメインフローチャートである。RAMやレジスタなどを初期化する初期設定をおこなった後(ステップS41)、1ルーチンの長さを規定する内部タイマーをセットする(ステップS42)。次に、現像・転写系の制御(ステップS43)、搬送系の制御(ステップS44)、定着系の制御(ステップS45)、印字処理部の制御(ステップS46)をする。そして、その他の処理をする(ステップS47)。次に、内部タイマーの終了を待って(ステップS48でYES)、ステップS42に戻り、上述の処理をくり返す。
図30は、複写機全体の制御を統括する第5CPU105のメインフローチャートである。RAMやレジスタなどを初期化する初期設定をおこなった後(ステップS51)、1ルーチンの長さを規定する内部タイマーをセットする(ステップS52)。次に、他のCPUからの入力データをチェックする入力データ解析処理(ステップS53)、操作内容に応じて動作モードを定めるモード設定処理(ステップS54)、割り込み切換処理(ステップS55)、モードに応じたコマンド設定処理(ステップS56)、コマンドを通信ポートに待機させる出力データ設定(ステップS57)、および、その他の処理(ステップS58)をする。次に、内部タイマーの終了を待って(ステップS59でYES)、ステップS52に戻り、上述の処理をくり返す。
【0039】
以上で、原稿読取装置から入力した画像データの任意角回転処理について述べたが、同様にネットワーク上の外部機器から通信される画像データ(角度パラメータ付き)を処理することも可能である。たとえば、外部機器から入力される画像データについて任意角回転処理をして印字処理部で印字できる。また、画像読取装置で読み取った画像データについて任意角回転処理をして外部機器に出力できる。また、外部機器から入力される画像データについて任意角回転処理をして再び外部機器に出力できる。
【0040】
(7)第2実施形態
第2実施形態の複写機では、画像の属性に応じて任意角回転の動作/禁止が制御される。2次元の入力画像より入力画像の回転角を設定し、設定された回転角度で入力画像を回転して画像の傾きを補正する。ここで、入力画像データの画像の属性を判別し、判別された画像の属性と、設定された回転角とに応じて任意角回転の動作/禁止を制御する(図33参照)。これにより、画質の劣化が大きいと判断される場合に画像の任意角回転を禁止し、画質劣化を防止する。図32に示す例では、入力画像データのうち中間調画像があらかじめ決められた量または割合より大きいと判別した場合、かつ、任意角回転手段により回転される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に、任意角回転の動作を禁止する。または、操作者により設定された画質モードに応じて任意角回転の動作/禁止を制御する。画質モードが設定されると、設定された画質モードに応じて任意角回転の動作/禁止を制御する(図33参照)。たとえば、画質の劣化が望ましくない写真モード(中間調画像モード)が設定されると、任意角回転を禁止する。第2実施形態の複写機の制御のフローチャートは、図19〜図30に記載された第1実施形態の複写機と共通する部分が多く、これと異なる点のみを以下に説明する。
【0041】
図31は、操作パネルを制御する第1CPU101のフローにおけるチョイス設定(図19、ステップS15)のフローチャートである。操作パネルでは、チョイス設定のための画面が表示される。まず、スムージングモード(RYOまたはGASITU)を任意角判定モードN_HANTEIに登録する(ステップS1161)。領域判別によるモードではRYOを設定し、画質モードによる場合はGASITUを設定する。次に、設定された領域判別比較データをREFに登録する(ステップS1162)。そして、その他のチョイス設定をして(ステップS1163)、リターンする。なお、画質モード設定(図19、ステップS15)は図20に示したフローと同じなので説明を省略する。
【0042】
図32は、メモリユニット部30を制御する第3CPU103のメインフローチャートである。まずRAMやレジスタなどを初期化する初期設定をおこなう(ステップS31)。次に、第5CPUからのコマンドを受信するコマンド受信処理(ステップS32)、第5CPUへステータスを送信するステータス送信処理(ステップS33)、画像メモリ書き込み処理(ステップS34)、領域判別処理(ステップS35'、図33参照)、任意角回転判定処理(ステップS36'、図34参照)、圧縮制御処理(ステップS37)、伸長制御処理(ステップS38)、編集制御処理(ステップS39'、図35参照)、スムージング制御処理(ステップS3A)、画像メモリ読み出し処理(ステップS3B)、および、その他の処理(ステップS3C)をする。そして、ステップS32に戻り、上述の処理をくり返す。
【0043】
図33は、領域判別処理(図32、ステップS35')のフローチャートである。画像入力処理が終了したら(ステップS1351でYES)、領域判別結果を読み出し、文字領域をMOJIとし(ステップS1352)、写真領域をSYASINとする(ステップS1353)。そして、全体に対する写真領域の割合SYASIN/(SYASIN+MOJI)を算出し、HANBETUとする(ステップS1354)。次に、算出結果HANBETUが、チョイス(図31、ステップS1162)により設定された領域判別比較データ(REF)より大きいか否かを判定する(ステップS1355)。算出結果HANBETUが比較データREFより大きい場合、IMAGEを写真画像(SYASIN_IMG)とし(ステップS1356)、比較データREFより小さい場合、IMAGEを文字画像(MOJI_IMG)とする(ステップS1357)。
【0044】
図34は、任意角回転判定処理(図32、ステップS36')のフローチャートである。チョイスにより設定された任意角判定モード(N_HANTEI)が、領域判別によるモード(RYO)であれば(ステップS1361)、IMAGEの内容により分岐する(ステップS1362)。また、画質モード(GASITU)が設定されている場合、その内容(MD)により分岐する(ステップS1363)。
もしIMAGEがMOJI_IMGであれば、任意角回転を許可し(ステップS1364)、IMAGEがSYASIN_IMGであれば、任意角回転を禁止する(ステップS1365)。一方、任意角判定モード(N_HANTEI)が、画質モード設定による場合(ステップS1361)、MDの内容により分岐する(ステップS1363)。画質モード設定が文字モードであれば、任意角回転を許可し(ステップS1364)、写真モードであれば、任意角回転を禁止する(ステップS1365)。以上に説明されるように、文字画像に対しては任意角回転を許可するが、画質が劣化する写真画像に対しては任意角回転を禁止する。
【0045】
図35は、編集制御(図32、ステップS39')のフローチャートである。符号メモリ306にプリント用のデータが蓄えられていれば(ステップS1391でYES)、90°単位回転パラメータ(90θ)を設定する(ステップS1392)。次に、任意角回転が許可されていれば(ステップS1393でYES)、任意角回転パラメータθを設定し(ステップS1394)、デスティネーションパラメータ(pmdax、pmday)を設定する(ステップS1395)。また、任意角回転が許可されていなければ(ステップS1393でNO)、デスティネーションパラメータ(pmdax、pmday)のみを設定する(ステップS1396)。この場合、それぞれのデスティネーションアドレスは異なる値になる。そして、他のパラメータを設定する(ステップS1397)。
次に、設定されたデスティネーションと回転角に基づいて任意角回転処理を実行する(ステップS1398)。ここで、90°回転がある場合は(ステップS1399でYES)、90°単位の回転を実行して(ステップS139A)、リターンする。
【0046】
【発明の効果】
原稿が原稿ガラス上に傾いて置かれた場合にも、回転角度があらかじめ決められた値より大きい場合、回転された画像データに対してスムージング処理がされるので、再現された画像の劣化と小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る複写機の図式的な断面図である。
【図2】 複写機の操作パネルの平面図である。
【図3】 複写機を含むシステム形態の1例の図である。
【図4】 複写機の制御部の1部のブロック図である。
【図5】 複写機の制御部の1部のブロック図である。
【図6】 コントローラのブロック図である。
【図7】 画像信号処理部のブロック図である。
【図8】 メモリユニット部のブロック図である。
【図9】 メモリ書き込み動作の図である。
【図10】 メモリ読み出し動作の図である。
【図11】 スキャンによる原稿画像入力の説明をするための図である。
【図12】 読み取った画像のイメージの1例の図である。
【図13】 読み取った画像のイメージの1例の図である。
【図14】 メモリユニット内の編集処理部のブロック図である。
【図15】 画像データの90°回転処理を説明するための図である。
【図16】 画像データのビットスワップ処理を説明するための図である。
【図17】 画像データの任意角回転処理(シフトシフト処理)を説明するための図である。
【図18】 画像データの任意角回転(シフトシフト処理)と変倍を同時に行なう処理を説明するための図である。
【図19】 第1CPUのメインフローチャートである。
【図20】 画質モード設定のフローチャートである。
【図21】 チョイス設定のフローチャートである。
【図22】 第2CPUのメインフローチャートである。
【図23】 原稿検出のフローチャートである。
【図24】 第3CPUのメインフローチャートである。
【図25】 領域判定のフローチャートである。
【図26】 スムージング判定のフローチャートである。
【図27】 編集制御のフローチャートである。
【図28】 スムージング制御のフローチャートである。
【図29】 第4CPUのメインフローチャートである。
【図30】 第5CPUのメインフローチャートである。
【図31】 第2実施形態におけるチョイス設定のフローチャートである。
【図32】 第2実施形態における第3CPUのメインフローチャートである。
【図33】 領域判別制御のフローチャートである。
【図34】 任意角回転判定処理のフローチャートである。
【図35】 編集制御のフローチャートである。
【符号の説明】
30 メモリユニット部、 103 第3CPU、
200 画像読取部、 307 編集処理部。

Claims (4)

  1. 2次元の入力画像より入力画像の回転角度を設定する回転角設定手段と、回転角設定手段により設定された回転角度で入力画像を回転する任意角回転手段と、任意角回転手段により回転された画像に対してスムージング処理をするスムージング手段と、回転角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に、前記スムージング手段を作動させる制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載された画像形成装置において、さらに、入力画像データが単純2値画像であるのか中間調画像であるのかを判別する判別手段を備え、前記の制御手段は、判別手段による判別の結果、入力画像データのうち中間調画像があらかじめ決められた量または割合より大きい場合、回転角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に前記スムージング手段を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載された画像形成装置において、さらに、画質モードを設定するモード設定手段を備え、設定された画質モードが写真モードである場合、前記の制御手段は、任意角設定手段により設定される回転角があらかじめ決められた角度より大きい場合に前記のスムージング手段を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1から3までのいずれかの請求項に記載された画像形成装置において、さらに、原稿台ガラスの上の原稿の画像を入力する画像読取手段を備え、前記の回転角設定手段は、画像読取手段により入力された画像データから原稿の回転角を設定することを特徴とする画像形成装置。
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