JP3658840B2 - 発光ダイオード及びそれを用いた表示装置 - Google Patents

発光ダイオード及びそれを用いた表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本願発明は、半導体発光素子(以下、LEDチップともいう。)が樹脂モールドで封止されている発光ダイオードに関し、特にモールド部材の経時変化による黄着色、それに伴う見た目の発光光率の低下を防止した発光ダイオード及びそれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LEDは、応答速度がナノ秒であり単に電気信号の入出力端によって発光制御でき、小型で信頼性の高く寿命が長い発光素子として各種電子・電気機器の光源や表示装置として使用されている。発光ダイオードは、一組のリード端子と、この一組のリード端子の一方の先端部に取り付けられた発光素子と他方のリード端子とを接続する金属ワイヤーとを透明又は半透明の樹脂で封止したモールド部とから構成されている。この様な発光ダイオードを各種電気機器の操作パネルに複数配列し、その点滅によりスイッチのON/OFFや各種インジケータの表示を行う。さらには、発光ダイオードをマトリックス配置などした表示器に画像や文字情報を表示してある。表示装置は発光ダイオードをマトリックス状などに複数配列したプリント基板と発光ダイオードを駆動させるLSIやICなどの電子部品を搭載した駆動用プリント基板とからなり各発光ダイオードを挿入するための貫通する複数の孔を有するケースで保護される。所定の発光ダイオードを点灯させることによって文字、数字及び図形などの情報の表示を行っている。
【0003】
【発明の解決する課題】
しかしながら、発光ダイオードを構成する半導体発光素子の寿命は長く、上記の操作パネルやマトリックス表示器に長時間直射日光などの外光が長年に渡って照射され続けるとモールド部材を構成する樹脂が耐候性に優れた樹脂を使用していたとしていたとしても外光に含まれる紫外線などの影響により変質する。特に樹脂劣化変質によりモールド部材が黄変することにより非発光時の黄着色が生じ外観不良や見た目の発光光率の低下、さらには表示色の変調、すなわち、経時変化に伴いディスプレイの表示色が大きく変化するという問題が生じている。特に野外などの紫外光の影響を受けうる場所で用いられることが多い表示装置や発光光の成分に紫外域光を含む発光ダイオードの場合は重要な問題となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記の目的を達成するため、少なくとも一対のリード端子と、該一対のリード端子の一方の先端部に取り付けられ且つ電気的に接続された半導体発光素子と、該半導体発光素子と他方のリード端子とを接続する電気的接続部材と、半導体発光素子を含むリード線先端部を透光性樹脂で封止するモールド部と、を有する発光ダイオードであって、
前記モールド部の半導体発光素子の非発光面側底部にモールド部材の黄変に対応して補色の関係となる青白色の補色形成部を有する発光ダイオードである。また、前記半導体発光素子が窒化物系化合物半導体である発光ダイオードである。さらに、前記発光ダイオードを2以上配列した第1のプリント基板と前記発光ダイオードを駆動させるための電子部品を搭載した第2のプリント基板と、前記第1のプリント基板と第2のプリント基板とを電気的に接続させた表示装置である。
【0005】
【発明の効果】
本願発明の請求項1の構成とすることによって、外光に含まれる紫外線などの影響により生じるモールド部材の外観不良や見た目の発光光率の低下、さらには表示色の変調を防止することができる。
【0006】
また、本願発明の請求項2の構成とすることによって、発光光の成分に紫外域光を含む発光ダイオードによるモールド部材の外観不良や見た目の発光光率の低下、表示色の変調を防止することができる。
【0007】
さらに、本願発明の請求項3の構成とすることによって、野外などの紫外光の影響を受けうる場所で用いられることが多い表示装置においてもモールド部材の外観不良や見た目の発光光率の低下、表示色の変調を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明者は種々の実験の結果、長時間野外などで使用した発光ダイオードやLEDチップとして窒化物系化合物半導体を使用した発光ダイオードにおける非発光時の着色、見た目の発光光率の低下、発光時の色変調が発光ダイオードを構成するモールド部材の経時変化に伴う黄変などにものであり、これをモールド部材の底面に補色形成部を設けることにより低減或いは防止できることを見出したことに基づいて本願発明を成すに至った。
【0009】
即ち、発光ダイオードを構成するモールド部材はLEDチップやその電気的接続部材を野外などでも十分使用できるように水分、塵芥や外部応力などから保護する目的でエポキシ樹脂などの透光性樹脂で形成されている。しかしながら、発光ダイオードは比較的寿命が長く長時間野外などで使用するとLEDチップの特性劣化よりもそのモールド部材の劣化の方が早い場合が生ずる。モールド部材の劣化は紫外線などによりモールド部材の樹脂の二重結合が切れたことによると考えられる。この場合モールド部材の劣化黄変を引き起こし発光ダイオードの非発光時の着色が生じ甚だ見栄えが悪い。また、見た目の発光光率の低下を招くと同時にディスプレイなどでは色度変調を引き起こす。
【0010】
そこで本願発明は、発光光率や見栄えの低下を引き起こさないようにLEDを構成するモールド部材の底部に予めモールド部材の黄変に対応して補色の関係となる青白色に着色部を構成させるものである。これにより、未使用時に色ずれが少ない青白色に着色された補色形成部を有する発光ダイオードがたとえモールド部材の黄変により黄色く着色しても見た目には青白色から白色に変調していくため色変化が少ない発光ダイオードとすることができる。また、RGBの各発光素子を搭載した場合でも発光時及び/又は非発光時の色ずれが少ないものとすることができる。したがって、経時変化に伴う非発光時の着色、見た目の発光光率の低下を防止した発光ダイオードを提供できるものである。
【0011】
特に、比較的短波長の可視光や紫外光が発光可能な窒化物系化合物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X≦1、0≦Y≦1)を用いた場合、その発光波長、及び発光波長の広がりからモールド部材が劣化する短波長が含まれていることがあり野外の紫外線などとの相乗効果によりLEDチップや電気的接続部材を保護するモールド部材の黄変などが進みやすいと考えられる。
【0012】
以下、図面を用いて本願発明を詳述する。図1は本願発明による発光ダイオードを示し、この発光ダイオードは、少なくとも一組の金属製のリード端子と、このうちの一方のリード端子の先端部に窒化物系化合物半導体などのLEDチップがダイボンディングされている。LEDチップは金線などの電気的接続部材によりそれぞれのリード端子とワイヤーボンディングされている。さらに、LEDチップを含むリード線の先端部を透明又は半透明のエポキシ樹脂などで封止しモールド部材を構成させてある。モールド部材の底面にはモールド部材に生じる黄変を外観上補償するため黄変と補色関係の青白色の着色剤が含有された青白色部が形成されている。以下本願発明の構成部材を詳述する。
【0013】
(モールド部材101)
本願発明のモールド部材101は、LEDチップ、電気的接続部材及びリード端子先端部などを外部からの力、水分、塵芥などから保護するために用いられる。具体的には、エポキシ樹脂、ユリア樹脂などの耐候性に優れた透光性樹脂が好適に用いられる。モールド部材は所望の形状とすることによってLEDチップからの発光を収束させたり拡散させたりするレンズ効果を持たせることができる。従って、モールド部材は複数積層した構造としても良い。具体的には凸レンズ形状、凹レンズ形状や屈折率の違う樹脂を複数積層させたものである。また、モールド部材に拡散剤を含有させることによってLEDチップからの指向性を調整し視野角を増やすことができる。この様な拡散剤としてチタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などが好適に用いられる。
【0014】
(電気的接続部材102)
本願発明に用いられる電気的接続部材102とは、LEDチップの電極とリード端子とを電気的に接続させるためのものであり、LEDチップの電極とのオーミック性機械的接続性などが良いものが求められる。この様な電気的接続部材として具体的には、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金などを用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボンなどの導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤などを用いることができる。作業性を考慮してアルミニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
【0015】
(半導体発光素子103)
本願発明に用いられる半導体発光素子103としては、液層成長法やMOCVD法などにより基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaNなどの半導体を発光層として形成させたものが好適に用いられる。半導体の構造としてはMIS接合、PN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造或いはダブルへテロ構造のものが挙げられる。また、量子効果を持たせるために単一井戸構造、多重量子構造とさせてもよい。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。野外などの使用を考慮する場合、高輝度な半導体材料として緑色及び青色を窒化物系化合物半導体を用いることが好ましく、また、赤色ではガリウム・アルミニウム・砒素系の半導体やアルミニウム・インジュウム・ガリウム・燐系の半導体を用いることが好ましいが、用途によって種々利用できることは言うまでもない。この様なLEDチップは所望に応じて種々選択できるとともに複数種のLEDチップを用いて1つの発光ダイオードを構成しても良いことは言うまでもない。
【0016】
(補色形成部104)
本願発明の補色形成部104とは、モールド部材の黄変によって、消灯時にLEDが黄色に変色することをLEDチップの発光面より底部のモールド部で補色により見かけ上打ち消すものである。即ち、予め着色による色の影響が少ない青白色をLEDチップからの発光光への影響が少ない発光素子よりも後方(非発光側)のモールド部材底部に補色形成部として構成するものである。したがって、補色形成部の色濃度は、使用するモールド部材の材質による経時劣化率や着色率、さらに使用する場所や半導体の発光波長などによって種々選択されるが、分光反射率の分光分布より求めたCIE座標で好ましくは(0.20≦x≦0.31、0.20≦y≦0.31)であり、より好ましくは(0.28≦x≦0.30、0.28≦y≦0.30)である。この様な補色形成部は発光面前面のモールド部材を形成させた後、青色及び白色の染料及び/顔料などを調整して含有させた樹脂で発光面後方のモールド部材として形成させることができる。また、モールド部材形成後、青白色のテープ上の部材を張り付けて形成させても良い。さらに、リード端子を表裏両面からテープを貼り付けることによって覆い、この状態でリードフレーム全体を青白色塗料を溜めたタンク内に発光ダイオードのモールド部の下半分を浸漬した後引き上げて乾燥させ補色形成部を形成させても良い。
【0017】
(リード端子105、106)
本願発明に用いられるリード端子105、106としては、ボンディングワイヤーなどの電気的接続部材との機械的密着性、電気伝導性などが良好なことが求められる。また、リード端子の先端部をLEDチップ搭載のための積置部を構成するため加工性が優れたものがよい。リード端子の電気抵抗としては、300μΩ-cm以下が好ましくより好ましくは3μΩ-cm以下である。これらの条件を満たす具体的な材料としては、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅などが挙げられる。
【0018】
(プリント基板302、303)
プリント基板302、303は、発光ダイオードをマトリックス状など2以上複数に配置できるよう穴があけられ、それぞれ個別に駆動できるように銅箔などのパターンが形成されたもの、或いは発光ダイオードをON、OFF制御し駆動させるための電子部品を搭載させそれぞれ銅箔などのパターンにより電気的に接続させるためのものである。
プリント基板としては種々のものが用いられるが、発光ダイオードの指向性や発光ダイオードからの熱による影響を考慮してソリ、ウネリが少なく表面が平坦であることが好ましい。また、熱伝導性の良いことが求められる。このようなプリント基板として具体的にはセラミック基板や、アルミ、ステンレスなどの金属ベース上に絶縁層を形成しその上に銅箔を接着したメタルベース基板などが挙げられる。
【0019】
(電子部品304)
電子部品304としては、IC、LSIなどを種々利用して構成させることができる。これらは、発光ダイオードの駆動用として駆動回路を構成する。駆動回路としては入力される表示データを一時的に記憶させるRAM(Random Access Memory)と、RAMに記憶されるデータから発光ダイオードを所定の明るさに点灯させるための階調信号を演算する階調制御回路と、階調制御の出力信号でスイッチングされた、発光ダイオードを点灯させるドライバーとを備える。階調制御回路は、RAMに記憶されるデータから発光ダイオードの点灯時間を演算してパルス信号を出力する。階調制御回路から出力されるパルス信号である階調信号は、発光ダイオードのドライバーに入力されてドライバをスイッチングさせる。ドライバーがオンになると発光ダイオードが点灯されオフになると消灯される。これによって、種々の情報を表示装置で表示させることができる。以下、本願発明の具体的実施例について詳述するが本願発明はこれのみに限られるものでないことは言うまでもない。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
鉄入り銅の金属板剤を打ち抜いて発光ダイオードを構成する一組のリード端子を互いに平行にタイバー部で連結した状態のリードフレームを形成する。サファイヤ基板上にMOCVD法でN型及びP型窒化ガリウム半導体をそれぞれ5μm、1μm堆積させPN接合を有し各電極が形成された300μm角のLEDチップを、リード端子の先端に形成させたLEDチップ搭載部上に接着剤で固着する。次にLEDチップの各電極とリード端子とを電気的接続部材である金線でワイヤーボンディングし電気的に接続する(図2(A))。
【0021】
ついで発光ダイオードのモールド部の形状に対応するくぼみが形成されたキャスティングケースの凹部にLEDチップ及びリード端子が覆われる位置までエポキシ樹脂を注入し100℃30分で仮硬化させた(図2(B))。
【0022】
仮硬化させたエポキシ樹脂の上にさらに、青白色の顔料を混合させたエポキシ樹脂を補色形成部用としてポッティング注入し150℃10時間で本硬化させる(図2(C))。
【0023】
タイバー部の所定箇所を切断しキャステイングケースから分離して発光ダイオードを形成させた。こうしてLEDチップを含むリード端子の先端部を覆うモールド部が形成される。
【0024】
この構成においてモールド部が紫外線などにより黄変しても補色関係にある青白色に形成された補色形成部により黄色く見えず青白色から白っぽく見えるにすぎない。したがって、見かけ上の輝度の低下及び発光時の色変化が抑えられる。
【0025】
(比較例1)
補色形成部の青白色顔料を含有させない以外は実施例1と同様にして発光ダイオードを形成させた。この発光ダイオードを実施例1とともに視外線照射によるテストを行ったところ比較例1の発光ダイオードが黄色に着色された時点で紫外線照射を止めた。真横からの観測では比較例1及び実施例1とも黄色く変色していたが実施例1は発光観測面側からではわずかに白くなったのみで黄色への変色が観測されなかった。また、発光時の色変化は比較例1で見られたのに対し実施例1ではまったく見られなかった。
【0026】
(実施例2)
補色形成部の青白色顔料を含有させないかわりにモールド部材形成後モールド部材底部に青白色塗料を塗布し硬化させた以外は実施例1と同様にして発光ダイオードを形成させた。
【0027】
次に、本願発明の発光ダイオード225個をマトリックス状に配置して第1のプリント基板にとりつける。第1のプリント基板への発光ダイオードの取り付けは第1のプリント基板の所定の位置に予め設けておいた第1のプリント基板を貫通する複数個の孔に発光ダイオードのリード線を挿入し半田付け固定することによって行われる。第2のプリント基板には、発光ダイオードを駆動し輝度などを調整するためのIC、トランジスタやコンデンサーなどの電子部品が取り付けられ第1のプリント基板と第2のプリント基板は導体によって電気的に接続される。さらに、基板の上面には外部応力から内部回路を保護するケースが設けられている。これによってモールド部材の劣化による黄色に着色する色変化が見た目上抑えられた表示器とすることができる。また、各発光ダイオードごとの黄変の度合が異なることによる部分的な発光色バラツキが抑えれる表示装置とすることができる。
【0028】
【発明の効果】
発光ダイオードのモールド部の底面に補色形成部を形成して青白色に着色したのでモールド部の経時劣化などにおける黄変を緩和することができる。したがって、外観不良や見た目の発光光率の低下、さらには表示色の変調などを抑制した発光ダイオード及びそれを用いた表示装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の発光ダイオードの一例を示す模式的断面図である。
【図2】本願発明の発光ダイオードの製造方法の一例を示す模式的説明図である。
【図3】本願発明の表示装置の一例を示す模式的断面図である。
【図4】本願発明と比較のために示す発光ダイオードの模式的断面図である。
【符号の説明】
101・・・モールド部材
102・・・電気的接続部材
103・・・LEDチップ
104・・・補色形成部
105・・・LEDチップが積置可能なリード端子
106・・・リード端子
201・・・複数連結されたリードフレーム
202・・・キヤスティングケース
301・・・ケース
302・・・第1のプリント基板
303・・・第2のプリント基板
304・・・電子部品
401・・・モールド部材
402・・・電気的接続部材
403・・・LEDチップ
405・・・LEDチップが積置可能なリード端子
406・・・リード端子

Claims (3)

  1. 少なくとも一対のリード端子と、該一対のリード端子の一方の先端部に取り付けられ且つ電気的に接続された半導体発光素子と、該半導体発光素子と他方のリード端子とを接続する電気的接続部材と、半導体発光素子を含むリード線先端部を透光性樹脂で封止するモールド部と、を有する発光ダイオードであって、
    前記モールド部の半導体発光素子の非発光面側底部にモールド部材の黄変に対応して補色の関係となる青白色の補色形成部を有することを特徴とする発光ダイオード。
  2. 前記半導体発光素子が窒化物系化合物半導体である請求項1記載の発光ダイオード。
  3. 請求項1に記載の発光ダイオードを2以上配列した第1のプリント基板と前記発光ダイオードを駆動させるための電子部品を搭載した第2のプリント基板と、前記第1のプリント基板と第2のプリント基板とを電気的に接続させた表示装置。
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