JP3658834B2 - 密閉形鉛蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は密閉形鉛蓄電池に関するものである。さらに詳しくは、その極板に用いられるエキスパンド加工により形成される格子体の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池の格子体は生産性向上とメンテナンスフリー化を目的として、アンチモンフリーの鉛または鉛合金製のシートを網状に展開し格子体とするエキスパンド加工品が広く使用され、近年これが密閉形鉛蓄電池にも使用されるようになってきた。従来のエキスパンド加工における格子骨を形成するシートの切り幅の設定は、上部から下部にいたるまで均一にするか、あるいは、特開昭56−159065号公報に示される様に、電池性能や生産能率を損なうことなく軽量化や安価を目的として、シートの切り幅を変化させ、上部親骨に接する部分をシート厚さに対してほぼ等しく、漸次下部親骨に至るに従って狭くする等のシート切り幅に関した例は存在していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エキスパンド方式を用いた格子体にペースト状の活物質を充填する工程では、過剰量のペーストを網状展開部に塗着後スクレーパにより規定量に調整するため、加工時にシート切り幅を変化させる従来構成のエキスパンド式極板においてはスクレーパ開度を調整する基準が無く、ペースト充填時の極板厚さを規制することが難しいため、極板厚さやペースト充填量のばらつきが大きくなるという問題があった。さらに格子体に対しペースト充填後の極板厚さが厚い、いわゆるオーバーペーストにする極板においては、充填時の極板に対するスクレーパの調整が同様に難しく、極板厚さおよびペースト充填量にばらつきを生じたりしていた。一方、密閉形鉛蓄電池においてはセパレータ中と極板内に電解液を含有しているため、前記極板厚さのばらつき等が存在すると、極板群をセル隔壁により加圧する力がばらつき、セパレータと極板間の相互間に均一な密着性が得られず、特に高率放電時の容量やトリクル寿命に悪影響を及ぼすという問題が発生したりしていた。
【0004】
本発明はこれらの問題点を解決するもので、エキスパンド格子体を用いる密閉型鉛蓄電池において、前記格子体の活物質充填量のばらつきを抑制し、さらにはそれを用いる前記蓄電池の高率放電容量やトリクル寿命を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、鉛または鉛合金からなるシート材料をエキスパンド加工した格子体において、結節部を構成する連続した2ヶ所の切り幅の合計が最大で、しかも活物質充填後の極板厚さとほぼ同じく設定した部分を前記格子体の縦断面方向に少なくとも2ヶ所存在させる。そして好ましくは、格子体に活物質を充填して得られた極板の厚さを隣接する2ヶ所の切り幅の和の最大値に対し1.03〜1.08の範囲に設定する。これによりペースト充填時、スクレーパを格子体の最大厚さとなっている結節部にて規制できるので、充填量を一定にすることができ、極板厚さのばらつきを小さくすることができる。さらに、このことはセパレータと極板間の均一な密着を保ち、高率放電時の容量やトリクル寿命を高位平準化するのに有効である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の密閉形鉛蓄電池では、鉛または鉛合金からなるシート材料をエキスパンド加工し、格子体として用いている。前記エキスパンド加工の際の切り幅を前記シート材料の幅方向で変化させ、隣接する2ヶ所の切り幅の和が最大値の箇所を前記幅方向にみて少なくとも1箇所設けている。
【0007】
図1にその実施形態の一例を示す。1は下枠骨、2〜11はそれぞれの格子の結節部である。図2(a)は図1の格子体のa−a’断面を示す。図1および図2(a)から分かるように、それぞれの結節部は隣合う切り幅が接合しているため、その部分における断面の厚さは隣合う切り幅の和にほぼ等しく、隣合う切り幅の大きい結節部4および10の厚さが格子体の最大厚さを決定している。もっと厳密には図5に示すように、結節部におけるシート材表面が格子体の断面方向となす角θを考慮すれば、通常のエキスパンド加工では、切り幅の和の1.03倍程度となる。本発明では前記格子体に対し、ペースト充填時にはスクレーパを切り幅の和が最大となる結節部にて規制するため、ペースト充填量のばらつきが小さく、結果として出来上がった極板の厚さのばらつきも小さい。
【0008】
活物質充填後の極板厚さが切り幅の和の最大値に対して大きい、すなわちややオーバーペースト気味に充填するとしても、その比率が1.08より大きいと充填量のばらつきは大きくなり、1.08から1.03(すなわち格子体の厚さ)に設定するのが良い。
【0009】
【実施例】
次に本発明の具体例とその製造法を説明する。 本発明の実施例として、0.08重量%Ca、1.1重量%Snを含有した1.1mm厚の鉛合金シートをエキスパンド加工して切断し、図1に示すような高さ43mm、幅24.5mmの正極板用格子体を作製した。格子結節部4および10で切り幅の和は最大となり、その値は2.0mmであった。
【0010】
この格子結節部4および10のところにスクレーパを押し当てて、正極活物質ペーストを格子体に充填し、乾燥して厚さ2.06mmの正極板を得た。
【0011】
比較のため、上記実施例と同じ鉛合金シートを用いて切り幅が一定の条件でエキスパンド加工して、上記実施例と同寸法で切断し、従来例による正極板用格子体を作製した。従来例格子体における切り幅の和は、いずれの格子結節部でも一定の1.9mmであった。この従来例格子体に、前記実施例におけるペースト充填時と同様のスクレーパ開度で活物質充填を行い、厚さ2.06mmの従来例による正極板を作製した。
【0012】
これら実施例および従来例の正極板150枚ずつについて、厚さtと重量Wtを測定し、そのばらつきを求めた。このとき、極板の厚さは、極板内3ヶ所をマイクロメータにより測定し、3点の平均値をその極板の厚さとした。ばらつきの尺度として、測定結果より算定される厚さの標準偏差tσと極板重量の標準偏差wσを求め(表1)にまとめた。
【0013】
【表1】
【0014】
(表1)から明らかなように実施例による正極板では、tσおよびwσとも、従来例に比べその値が低下している。これらσ値の低下は、ペースト充填時の充填量を前記2ヶ所の結節部において規制することが可能となるためである。
【0015】
前記実施例および従来例の2種類の正極板を各々、1セル当たり3枚使用し、従来の負極板4枚とガラスマットを介挿して交互に積層し、6セルをモノブロック電槽に入れて、それぞれ実施例および従来例による密閉形鉛蓄電池を構成した。図3に前記20個の供試電池を3.0CA(6A)放電時の放電容量における本発明と従来例電池の比較を示した。本発明によるものは平均11.5分の持続時間で標準偏差0.2分に対し、従来例は10.5分で標準偏差は0.5分であり、従来例に比べ容量のばらつきも低下した。これは、正極板厚さのばらつきが減少することにより、極板群を構成するガラスマットセパレータと正負極板の密着性が均一になるため、電解液の供給および濃度が安定化することに起因していると思われる。
【0016】
図4に、上記電池のトリクル寿命における結果を示す。前記12Vで構成した供試電池を、40℃雰囲気中において、充電電圧13.8Vの定電圧でトリクル充電を行い、3ヵ月ごとに3.0CA放電容量を測定した。この結果から明らかなように、本発明によるものは従来例に比べ、トリクル期間の経過に伴う容量低下のばらつきが少なくなった。これは、先にも述べたように正極板厚さのばらつきが極板群のセパレータと正負極板の密着に影響を与え、前記密着が悪い電池においては、特にトリクル試験中の電解液の水分逸散による内部インピーダンスの増加が大きく、容量低下の原因となっているものと考えられる。
【0017】
本実施例は極板格子単体にて説明したが、鉛合金シートをエキスパンド加工して格子体を作製する場合、通常中央部に鉛合金の無地部が存在し、それを中心にその両側に網状に展開するのが一般的である。この左右の網状展開部に少なくとも1ヶ所に2ヶ所の切り幅の和が活物質充填後の極板厚さに対しほぼ等しく設定された結節部が存在すれば、連続してペーストをする場合にこの結節部を利用して均一にペーストを充填できる。さらに、本実施例においては正極板における効果について説明したが、負極板においても記載した内容と同様な効果が得られる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エキスパンド加工により形成する鉛蓄電池用格子体において、切り幅を変化させ連続する2ヶ所の切り幅の和が、ほぼ極板厚さと等しい部分を設けることにより、活物質ペーストを充填しても極板厚さのばらつきの低減が可能となり、高率放電容量およびトリクル寿命のばらつきが少ない密閉形鉛蓄電池を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による格子体の平面図
【図2】(a)本発明の実施例による格子体の断面図
(b)従来例による格子体の断面図
【図3】本発明の実施例による電池と従来例による電池の高率放電容量の比較を示す図
【図4】本発明の実施例による電池と従来例による電池の40℃におけるトリクル充電期間と高率放電容量との関係を示す図
【図5】格子結節部の断面を示す図
【符号の説明】
1 下枠骨
2〜11 格子結節部
Claims (2)
- 鉛または鉛合金からなるシート材料の幅方向の切り幅を変化させたエキスパンド加工により形成される格子体に活物質を充填した極板を用いる密閉型鉛蓄電池であって、前記格子体には隣接する2ヶ所の切り幅の和の最大値であり、しかも活物質充填後の極板厚さに、ほぼ等しい部分を前記格子体の縦断面方向に少なくとも2ヶ所配する密閉形鉛蓄電池。
- 格子体に活物質を充填して得られた極板の厚さを隣接する2ヶ所の切り幅の和の最大値に対し1.03〜1.08の範囲に設定した極板を用いた請求項1記載の密閉形鉛蓄電池。
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- 1996-02-19 JP JP03028496A patent/JP3658834B2/ja not_active Expired - Fee Related
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