JP3658754B2 - タイヤ空気圧予知警報システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両走行時におけるタイヤの空気圧を予知して警報を発するタイヤ空気圧予知警報システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤの内圧を検出し、タイヤの内圧が異常である場合には、警報を発するタイヤ内圧警報装置が知られている(特開平7−81338号公報)。このタイヤ内圧警報装置においては、各タイヤに近接させてタイヤの内圧を検出するタイヤ内圧検出手段を設け、タイヤの内圧の異常を検出した場合には、表示により警報を発している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のタイヤ内圧警報装置においては、車両走行中等に実際にタイヤの内圧が異常となった時点で警報がなされるため、警報がなされた場合であっても即座にタイヤ内圧を適正にすることができず、しばらくの間、タイヤ内圧が異常な状態で走行を続けなければならなかった。
【0004】
この発明の課題は、走行を開始する前に予めタイヤ内圧の異常を警報することができるタイヤ空気圧予知警報システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のタイヤ空気圧予知警報システムは、現在のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、ナビゲーション装置から取得したナビゲーション情報に基づいて、現在位置から目的地までのルート上における高度情報を抽出する高度情報抽出手段と、前記タイヤ空気圧検出手段により検出された現在のタイヤの空気圧と前記高度情報抽出手段により抽出された高度情報に基づいて、タイヤの空気圧を推定するタイヤ空気圧推定手段と、前記タイヤ空気圧推定手段により推定されたタイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧となったか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により推定されたタイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧と判別された場合に警報を発する警報手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この請求項1記載のタイヤ空気圧予知警報システムによれば、タイヤ空気圧検出手段により検出された現在のタイヤの空気圧と高度情報抽出手段によりナビゲーション情報から抽出された現在位置から目的地までのルート上における高度情報に基づいて、タイヤ空気圧推定手段により現在位置から目的地までのルート上におけるタイヤの空気圧が推定される。そして判別手段により、推定されたタイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧となることが判別された場合に警報手段により警報を発する。従って、走行を開始する前に目的地までの間にタイヤの空気圧が異常となることがあるか否かを判別し、異常となる場合には予め警報を発することができる。
【0007】
また、請求項2記載のタイヤ空気圧予知警報システムは、請求項1記載のタイヤ空気圧予知警報システムに前記ナビゲーション装置から取得したナビゲーション情報に基づいて、現在位置から目的地までのルート上における警報タイヤ空気圧となる地点を特定する特定手段を更に備え、前記警報手段により警報を発する場合に前記特定手段により特定された地点の情報も出力することを特徴とする。
【0008】
この請求項2記載のタイヤ空気圧予知警報システムによれば、特定手段により現在位置から目的地までのルート上における警報タイヤ空気圧となる地点を特定し、警報手段により警報を発する場合に特定された地点の情報も出力するため、走行開始前にタイヤの空気圧が異常となる地点を知ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して、この発明の実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムの説明を行う。図1は、タイヤ空気圧予知警報システムのブロック構成図である。
【0010】
図中、符号10で示すものはタイヤ空気圧予知警報装置である。このタイヤ空気圧予知警報装置10には、ナビゲーション装置12が接続され、現在位置、目的地、地図情報等のナビゲーション情報が入力される。この地図情報には、高度に関する情報も含まれている。又、タイヤ空気圧予知警報装置10には、各輪にそれぞれ設けられている左前輪圧力センサ14LF、右前輪圧力センサ14RF、左後輪圧力センサ14LR及び右後輪圧力センサ14RRが接続され、これらのセンサにより検出された各輪のタイヤ空気圧の検出値が入力される。
【0011】
また、このタイヤ空気圧予知警報装置10には、表示装置16及びスピーカ18が接続され、この表示装置16及びスピーカ18によりタイヤ空気圧が警報空気圧(異常空気圧)となると判別された場合に警報が発せられる。
【0012】
次に、図2のフローチャートを参照して、タイヤ空気圧予知警報システムにおいて行われるタイヤの空気圧の予知及び警報の発令について説明する。イグニッションキー(I/G)がオンされると、タイヤ空気圧予知警報装置10は、現在の各輪のタイヤ空気圧の読み込みを行う(ステップS10)。即ち、タイヤ空気圧予知警報装置10は、左前輪圧力センサ14LF、右前輪圧力センサ14RF、左後輪圧力センサ14LR及び右後輪圧力センサ14RRにより検出された各輪のタイヤ空気圧の検出値の読み込みを行う。
【0013】
次に、ナビゲーション装置12からナビゲーション情報の読み込みを行う(ステップS11)。即ち、ナビゲーション装置12により検出された現在位置、ナビゲーション装置12において設定されている目的地及び現在位置から目的地までの地図情報等の読み込みを行う。
【0014】
次に、現在位置から目的地までのルート上における最高高度(HH)、最低高度(HL)及びその地点の特定を行う(ステップS12)。即ち、読み込まれた現在位置から目的地までの地図情報等を参照して現在位置から目的地までのルート上における最高高度(HH)、最低高度(HL)及びその地点の特定を行う。
【0015】
次に、最高高度地点及び最低高度地点におけるタイヤ空気圧の推定値(SH),(SL)の算出を行う(ステップS13)。即ち、タイヤの空気圧と高度との間には、図3に示すような関係があることから、この関係に基づいて最高高度地点及び最低高度地点におけるタイヤ空気圧推定値SH,SLを算出する。
【0016】
次に、タイヤ空気圧推定値SH,SLと予め記憶されている警報タイヤ空気圧SKとの比較を行う(ステップS14)。即ち、警報タイヤ空気圧SKとしてタイヤ空気圧の上限を示すタイヤ空気圧と下限を示すタイヤ空気圧が予め記憶されているため、タイヤ空気圧推定値SHが上限を示すタイヤ空気圧以上となる場合及びタイヤ空気圧推定値SLが下限を示すタイヤ空気圧以下となる場合には、タイヤ空気圧について警報が必要と判断して(ステップS15)警報を発令する(ステップS16)。即ち、表示部16において、目的地までのルート上においてタイヤ空気圧が警報圧となる旨及びその地点の地名等の表示を行うと共に、スピーカ18において同様な内容の警報を音声により出力する。
【0017】
従って、このタイヤ空気圧予知警報システムによれば、走行を開始する前に目的地までの間にタイヤの空気圧が警報空気圧となることがある場合には警報が発令されるため、走行開始前にタイヤの空気圧を適正な空気圧に調整することができる。また、警報が発令される場合に最高地点情報及び最低高度地点情報も出力されるため、走行開始時においてタイヤの空気圧を適正な空気圧に調整できなかった場合においても、タイヤ空気圧が警報空気圧になる地点に到達する前にタイヤの空気圧の調整を行うことができる。
【0018】
なお、この実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムによれば、各輪に圧力センサ14LF,14RF,14LR,14RRを設けて、直接タイヤの空気圧の検出を行っているが、これに限らず走行中に検出される車輪速信号よりタイヤの空気圧を推定するようにしても良い。即ち、走行中に検出される車輪速信号よりタイヤの共振周波数の変化をタイヤ回転方向のモデルから、ばね乗数の変化として推定し空気圧の変化を検出する。この場合には、車両停止直前におけるタイヤ空気圧の推定値を記憶しておき、この推定タイヤ空気圧を走行開始時におけるタイヤ空気圧として用いる。
【0019】
また、この実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムによれば、現在位置から目的地までのルート上における最高高度(HH)、最低高度(HL)及びその地点の特定を行ない、この最高高度地点及び最低高度地点のみにおけるタイヤ空気圧の推定値(SH),(SL)が警報タイヤ空気圧SKとなった場合に警報の発令を行っているが、これに限らず、現在位置から目的地までのルート上において、複数の地点でタイヤ空気圧の推定値が警報タイヤ空気圧SKとなる場合には、その全ての地点の情報をタイヤ空気圧の警報を行う際に出力するようにしても良い。
【0020】
この場合には、ナビゲーション装置12から読み込まれた現在位置から目的地までの高度情報の各変極点(高度が上昇から下降に変わる地点、高度が下降から上昇に変わる地点)におけるタイヤ空気圧の推定値を算出し、各地点のタイヤ空気圧の推定値が警報タイヤ空気圧SKとなるか否かの判別を行う。そして、警報タイヤ空気圧SKとなる場合にはその地点の情報を警報の発令の際に、表示部16及びスピーカ18により出力する。
【0021】
更に、ナビゲーション装置12から読み込まれた現在位置から目的地までの高度情報により各地点におけるタイヤ空気圧の推定値が警報タイヤ空気圧SKとなるか否かの判別を行ない、警報タイヤ空気圧SKとなる場合には、その地点の情報を警報発令する際に表示部16及びスピーカ18により出力するようにしてもよい。
【0022】
また、この実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムによれば、走行開始前に警報を発令しているが、これに限らず走行中に警報タイヤ空気圧SKとなる前に警報を発令するようにしてもよい。走行中において、警報タイヤ空気圧SKとなる地点より手前で警報を発令することで、タイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧SKとなる前にタイヤ空気圧を適正な空気圧とすることができる。
【0023】
また、タイヤの空気圧を検出して、この検出された空気圧に基づいて最適なサスペンション特性、エンジンマウント特性を算出して、サスペンション特性(ばね定数、ショックアブソーバ特性、ブッシュ特性)の制御及びエンジンマウント特性の制御を行うようにしても良い。この場合には、タイヤの空気圧の変化に伴う操縦安定性の低下や乗り心地の低下を良好に抑制することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、走行を開始する前に目的地までの間にタイヤの空気圧が異常となることがあるか否かを判別し異常となる場合には予め警報を発するため、走行を開始する前にタイヤの空気圧を適正な空気圧とすることができる。
【0025】
また、請求項2記載の発明によれば、警報手段により警報を発する場合に特定手段により特定された警報タイヤ空気圧となる地点の情報も出力するため、走行を開始する前にタイヤの空気圧が異常となる地点を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムのブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかるタイヤ空気圧予知警報システムにおいて実施される制御を示すフローチャートである。
【図3】高度とタイヤ内圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…タイヤ空気圧予知警報装置、12…ナビゲーション装置、14LF…左前輪圧力センサ、14RF…右前輪圧力センサ、14LR…左後輪圧力センサ、14RR…右後輪圧力センサ、16…表示装置、18…スピーカ。
Claims (2)
- 現在のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、
ナビゲーション装置から取得したナビゲーション情報に基づいて、現在位置から目的地までのルート上における高度情報を抽出する高度情報抽出手段と、
前記タイヤ空気圧検出手段により検出された現在のタイヤの空気圧と前記高度情報抽出手段により抽出された高度情報に基づいてタイヤの空気圧を推定するタイヤ空気圧推定手段と、
前記タイヤ空気圧推定手段により推定されたタイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧となったか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、推定されたタイヤ空気圧が警報タイヤ空気圧と判別された場合に警報を発する警報手段と、
を備えることを特徴とするタイヤ空気圧予知警報システム。 - 前記ナビゲーション装置から取得したナビゲーション情報に基づいて、現在位置から目的地までのルート上における警報タイヤ空気圧となる地点を特定する特定手段を更に備え、
前記警報手段により警報を発する場合に前記特定手段により特定された地点のの情報も出力することを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧予知警報システム。
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- 1998-03-17 JP JP06683398A patent/JP3658754B2/ja not_active Expired - Fee Related
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