JP3658744B2 - 豆乳製造用おから搾り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は豆腐の製造原料である豆乳製造用おから搾り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汚泥や果汁等微細な固形物に大量の水分を含むスラリー状のものから水分を分離する装置として、円筒状のフィルタを用い、該フィルタの先端には固形物の排出間隙の調整可能な閉塞部材を配置し、内部には羽根の先端がフィルタに内接して回転するスクリュウを挿入した絞り装置は従来から公知である。
【0003】
近年、この種の絞り装置が豆乳製造工程の伍液(大豆に水を加え粉砕し煮沸したもの)から豆乳を分離する装置として、利用されている。例えば特開平8−275749号公報は豆乳製造用圧搾機および圧搾方法であって、図3に示すように、多孔板で形成した円筒状の圧搾フィルタ86と、筒状のジャケット88とを内外二重に配置する。圧搾フィルタ86の内側の圧搾室80に、圧搾羽根85bを備えたスクリュウ85を配置する。圧搾フィルタ86の先端開口部には開閉自在の閉塞板87が取り付けられ、圧搾フィルタ開口部との間隙が調整できるようになっており、圧搾フィルタの基端側から注入された伍液はスクリュウ86の回転により圧搾されながら先端部へ送られる間に、豆乳が圧搾フィルタ86により濾過され、絞りかすであるおからが圧搾フィルタの先端と閉塞板との間から排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような豆乳製造用圧搾装置においては、圧搾フィルタを構成する多孔板の孔径をいかに小さくしても、伍液中の豆乳がフィルタを透過する際に、従来の豆乳製造用おから搾り装置では得られなかったようなさらに微細なみじんが発生し、これが得られた豆乳に混入するので、この豆乳圧搾装置だけでは、みじんの無い完全な豆乳は得られない。
【0005】
そのため、圧搾フィルタとその内部で回転するスクリュウを用いて得られた微細なみじんを含有する豆乳は、図4に示すようにさらに別に用意したみじん取り装置へ送り、豆乳に含まれるみじんを除去する必要がある。しかしながら、このように伍液絞り装置とみじん取り装置を別体で用意することは、豆乳製造用おから搾り装置を設置するに大きな場所を取ると共に、最終的に得られた豆乳の温度のロスが発生し、場合によっては得られた豆乳を再加熱する必要がある。
【0006】
本発明は筒状の圧搾フィルタの内部でスクリュウを回転して伍液強制圧搾する豆乳製造用おから搾り装置の前記のごとき問題点を解決すべくなされたものであって、設置場所を取らずコンパクトで熱的なロスが少ない豆乳製造用おから搾り装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の豆乳製造用おから搾り装置は、先端に調整可能なおから排出スリットを設けた筒状の煮伍フィルタと該煮伍フィルタに内接して回転する圧搾用スクリュウとからなり基端から注入された煮伍を圧搾しながら先端に送ることによりみじんを含む第1の豆乳とおからに分離する煮伍搾り装置と、前記煮伍搾り装置に外嵌され豆乳排出口を設けた筒体であって煮伍搾り装置から流出するみじんを含む第1の豆乳を捕集し前記豆乳排出口から排出する第1の豆乳捕集筒と、前記第1の豆乳捕集筒の基端側に嵌着され前記圧搾スクリュウの回転軸が貫通すると共に前記煮伍フィルタ側には煮伍注入口を取り付けると共に前記煮伍フィルタに連通する煮伍溜まり空間を設け該煮伍溜まり空間に隣接して前記圧搾スクリュウの前記回転軸を水密的に軸支する軸受け部を設けた煮伍供給筒と、前記第1の豆乳捕集筒の外側に回転可能に配置され両端に環状の堰板を設け内面にスパイラル状の送り板を有した筒状のみじん取りフィルタと、前記みじん取りフィルタにより濾過され第2の豆乳を捕集し排出する第2の豆乳排出口と前記みじん取りフィルタの一端から堰板をオーバフロウした豆乳を含むみじんを排出するみじん排出口を設けると共に装置全体を収納する外殻体とからなり、該外殻体内の空間を利用したことを要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下図面に従って説明する。図1は本発明の1実施の形態を示す断面図であり、図2は図1の実施例のA−A線における断面図である。
煮伍搾り装置10の煮伍フィルタ12は特殊鋼板からなり多数の細かい孔を穿設した多孔板を筒状に形成したものであって、両端は保持リング14に取り付けられている。図1において左側が基端部であって、煮伍フィルタ12は図1の右側の先端部に向けて縮径するテーパ状になっている。なお、煮伍フィルタ12は先端部も基端部も同じ径のストレートにしても良く、このように先端に向けてテーパ状とすると、圧搾効率が向上する。また、両端の保持リング14の間には図示しないが4本の補強ロッドが連結され煮伍フィルタ12が取り付けまたは取り外しの際に変形しないように補強されている。
【0009】
第1の豆乳捕集筒16は保持リング14が嵌入する内径を有し両端にフランジ18を有する筒体であって、装置全体を収納する外殻体20の基端部である煮伍注入側の側面20aの中心に設けた取付孔22に挿通され、基端部側のフランジ18bは外殻体20の基端部である煮伍注入側の側面20bに固定され、先端のフランジ18aは、外殻体20先端部側であるおから排出側の側面20aに設けたおから排出孔20cに臨んでいる。また、この第1の豆乳捕集筒16の伍液注入側である基端側16bには、先端から煮伍フィルタ12の長さを残して煮伍供給筒24が内嵌されている。なお、おから排出孔20cの前には閉塞板21が前後に移動可能でかつ弾力的に取り付けられ調整ハンドル23により、おから排出孔20cと閉塞板21との間隙25が調整される。
【0010】
外殻体20のおから排出側の側面20aは図示しないがヒンジ機構を介して開閉自在であって、煮伍フィルタ12を取り付けるには、側面20aを開き、基端側の保持リング14bが煮伍供給筒24に当接するまで挿入する。煮伍フィルタ12が第1の豆乳捕集筒16に挿入されると、先端部の保持リング14aとフランジ18aが同一面に揃うので、煮伍フィルタ12の先端と同じ大きさのおから通路26を貫設した固定円板28をフランジ18aに取り付けることにより、煮伍フィルタ12が第1の豆乳捕集筒16内に固定される。
【0011】
圧縮スクリュウ30は煮伍フィルタ12の先端から煮伍供給筒24を貫通する回転軸32と、回転軸32に螺旋状に取り付けられ煮伍フィルタ12に内接して回転する圧搾羽根34とからなる。煮伍供給筒24の第1の豆乳捕集筒16側は煮伍フィルタ12の基端に連通する煮伍溜まり空間36となっており、この煮伍溜まり空間36のある煮伍供給管24には煮伍供給注入パイプ38が取付られている。
【0012】
煮伍供給筒24の煮伍溜まり空間36に隣接した側には回転軸32の軸受け筒40がねじ込まれており、内蔵された軸受け42により回転軸32が軸支されている。その結果、回転軸32の前後の位置調整は煮伍供給筒24への軸受け筒40のねじ込み具合によって、容易に調整できる。回転軸32の後端には駆動プーリ44が取り付けられ図示しないモータにより回転する。
【0013】
みじん取りフィルタ46は、両端に環状の堰板48配置し、その間に筒状フィルタ50を取り付け、その内面に送り羽根52をスパイラル状に設けたものであって、第1の豆乳捕集筒16の外側を取り囲むように、外殻体20の内面底部に取り付けた4個の駆動ローラ54の上に回転可能に配置されている。駆動ローラ54の回転軸56は外殻体20を貫通しその後端にはプーリ58が取り付けられ、図示しないモータにより回転される。
【0014】
第1の豆乳捕集筒16のおから排出側の底部には、捕集したみじんを含む第1の豆乳の排出口60が設けられ、そこから排出された第1の豆乳はみじん取りフィルタ46の先端側に落下する。みじん取りフィルタ46回転しているので、第1の豆乳は、スパイラル状の羽根により筒状フィルタ50の上を先端部から後端部に運ばれる間に、筒状フィルタ50により豆乳が濾過され、濾過された豆乳は外殻体20の底部の豆乳捕集部62に落下し、精製豆乳排出管64から取り出される。
【0015】
以上の構成からなる豆乳製造用おから搾り装置の作動について説明すると、図示しない煮伍製造装置で製造された煮伍は、煮伍輸送管70を介して一旦煮伍タンク68に収容される。煮伍タンク68内の煮伍は、ポンプ72を配置した煮伍供給パイプ38により、煮伍供給筒24の煮伍溜まり空間36内へ注入される。煮伍空間36は煮伍フィルタ12の基端部に連通しているので、煮伍は圧搾スクリュウ30の回転により煮伍フィルタ12の中へ送り込まれる。
【0016】
煮伍フィルタ12内へ送り込まれた煮伍は、圧搾スクリュウ30の圧搾羽根34により、圧搾されながらフィルタ12の先端に送り出される間に、微細なみじんを含む第1の豆乳が搾られる。煮伍フィルタ12の先端から押し出されたおからは固定円板28のおから通路26および外殻体のおから通路20cを通り、閉塞板21に突き当たり、外殻体の側面20aと閉塞板21との間隙25から外部へ排出される。
【0017】
一方、煮伍フィルタ12により濾過されたみじんを含む第1の豆乳は第1の豆乳捕集筒16により捕集され第1豆乳排出孔60からみじん取りフィルタ46の先端側に滴下する。みじん取りフィルタ46は駆動ローラ54により回転しているので、みじん取りフィルタ46に流入した第1の豆乳は筒状フィルタ50の内面に螺旋状に設けられた送り羽根52により筒状フィルタ50の先端部から基端部へ移送されその間に精製豆乳とみじんが分離される。
【0018】
みじん取りフィルタ46により濾過された精製豆乳は外殻体20の豆乳捕集部20dにより捕集され精製豆乳排出管64から取り出される。一方、みじん取りフィルタ46で濾過されずに残された若干の豆乳を含むみじんは、基端部側の堰板48bをオーバフロウしてみじん排出管66に落下し、煮伍タンク58へ環流される。
【0019】
【発明の効果】
本発明の豆乳製造用おから搾り装置は、装置全体を囲む外殻体20の中心に筒状フィルタ12とその内部で回転する圧搾スクリュウ30からなる煮伍搾り装置10を配置し、基端部から注入した煮伍を圧搾スクリュウの回転により先端部へ送る間にみじんを含む第1の豆乳を濾過し、フィルタの先端部からおからを排出し、濾過した第1の豆乳は煮伍搾り装置10の外側に設けた豆乳捕集筒16で捕集して排出孔60から豆乳捕集筒16の外側で回転するみじん取りフィルタ46に滴下し精製豆乳を製造するものであって、煮伍が圧搾スクリュウにより濾過されるので煮伍の濾過効率が良く、またみじん取り装置を煮伍搾り装置を取り囲むように配置したので、装置自体が極めてコンパクトになると共に煮伍の搾り装置とみじん取り装置が一体化されるので、場所を取らずかつ豆乳の熱損失が少なく高温で良質の豆乳を製造できる。さらに、煮伍搾り装置10を中心としてみじん取りフィルタ装置を一体化して外殻体に収納したので、装置内に外気の入り込む余地が無く、装置の内部の湿潤状態が常に確保され、おから搾り工程において、湯葉の張り付きによるフィルタ類の目詰まりが完全に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の豆乳製造用おから搾り装置の断面図である。
【図2】 図1の豆乳製造用おから搾り装置のA−A線における断面図である。
【図3】 従来の圧搾スクリュウを用いた豆乳製造用おから搾り装置の断面図である。
【図4】 従来の圧搾スクリュウとみじん取り装置を組み合わせた豆乳製造用おから搾り装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10・・・・煮伍搾り装置、12・・・・煮伍フィルタ、16・・・・第1の豆乳捕集筒、20・・・・外殻体、20a・・・・・外殻体の煮伍注入側の側面、20b・・・・・外殻体の排出側の側面、21・・・・閉塞板、22・・・・取付孔、24・・・・煮伍供給筒、25・・・・間隙、26・・・・おから排出通路、30・・・・圧搾スクリュウ、32・・・・回転軸、34・・・・圧搾羽根、36・・・・煮伍溜まり空間、40・・・・軸受け筒、46・・・・みじん取りフィルタ、50・・・・筒状フィルタ、52・・・・送り羽根、60・・・・第1豆乳排出口、66・・・・みじん排出管
Claims (3)
- 先端に調整可能なおから排出スリットを設けた筒状の煮伍フィルタと該煮伍フィルタに内接して回転する圧搾用スクリュウとからなり基端から注入された煮伍を圧搾しながら先端に送ることによりみじんを含む第1の豆乳とおからに分離する煮伍搾り装置と、前記煮伍搾り装置に外嵌され豆乳排出口を設けた筒体であって煮伍搾り装置から流出するみじんを含む第1の豆乳を捕集し前記豆乳排出口から排出する第1の豆乳捕集筒と、前記第1の豆乳捕集筒の基端側に嵌着され前記圧搾スクリュウの回転軸が貫通すると共に前記煮伍フィルタ側には煮伍注入口を取り付けると共に前記煮伍フィルタに連通する煮伍溜まり空間を設け該煮伍溜まり空間に隣接して前記圧搾スクリュウの前記回転軸を水密的に軸支する軸受け部を設けた煮伍供給筒と、前記第1の豆乳捕集筒の外側に回転可能に配置され両端に環状の堰板を設け前記みじん取りフィルタにより濾過され第2の豆乳を捕集し排出する第2の豆乳排出口と前記みじん取りフィルタの一端から堰板をオーバフロウした豆乳を含むみじんを排出するみじん排出口を設けると共に装置全体を収納する外殻体とからなり、該外殻体内の空間を利用したことを特徴とする豆乳製造用おから搾り装置。
- 前記煮伍フィルタおよび前記圧搾用スクリュウを基端から先端にかけて縮径するテーパ状としたことを特徴とする請求項1に記載の豆乳製造用おから搾り装置。
- 前記煮伍供給筒内に前記スクリュウの前記回転軸の前記軸受け部をねじ止めし前記回転軸の前後位置を調整可能としたことを特徴とする請求項2に記載の豆乳製造用おから搾り装置。
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