JP3658655B2 - エアポンプ - Google Patents
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- F16C2380/26—Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明はエアポンプ、さらに詳しくは、ハウジングと、一端がハウジングから突出するようにハウジング内に配された回転軸と、回転軸のハウジングから突出した部分に取付けられた羽根車とを備えており、かつ触媒コンバータに送られるエンジンの排気ガス中に空気を送り込むエアポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、自動車用エンジンの排気ガスの一層の清浄化を図るために、触媒コンバータに送られる排気ガス中に空気を送り込むシステムが適用されている。このシステムは、図２に示すように、図示しない排気マニホルドと触媒コンバータ(30)とを接続する排気ガス流通管(31)の途中に空気送り込み管(32)が接続されており、空気送り込み管(32)にエアポンプ(33)が設けられたものである。エアポンプ(33)は、ハウジング(34)と、一端がハウジング(34)から突出するようにハウジング(34)内に配された回転軸(35)と、回転軸(35)のハウジング(34)から突出した部分に取付けられた羽根車(36)とを備えており、羽根車(36)が空気送り込み管(32)内に位置するように設けられている。そして、エアポンプ(33)によって、排気ガス流通管(31)内に、空気が高速で送り込まれるようになされている。このようなシステムにおいて、排気ガスの清浄化を図るためには、エアポンプ(33)の回転軸(35)、すなわち羽根車(36)を高速回転させることが要求される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエアポンプでは、回転軸は転がり軸受やすべり軸受によってハウジングに支持されているので、軸受損失が大きく、回転軸、すなわち羽根車を高速回転させることができないという問題がある。しかも、軸受寿命が短くなるという問題がある。
【０００４】
また、従来のエアポンプでは、回転軸を回転駆動させる油圧ポンプ、油圧モータなどの駆動源を必要とし、コストが高くなるという問題がある。さらに、駆動源を必要とするために、エアポンプが大型化するという問題がある。
【０００５】
この発明の目的は、上記問題を解決したエアポンプを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明によるエアポンプは、
ハウジングと、一端がハウジングから突出するようにハウジング内に配された回転軸と、回転軸のハウジングから突出した部分に取付けられた羽根車とを備えており、かつ触媒コンバータに送られるエンジンの排気ガス中に空気を送り込むエアポンプであって、
回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受と、回転軸のアキシアル方向およびラジアル方向の位置を検出する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置とを備えており、
両磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成され、
両位置検出装置が、上側磁気軸受の被吸引部の上方および下側磁気軸受の被吸引部の下方において回転軸に全周にわたって設けられ、かつ被吸引部と同方向を向くように形成されたテーパ面を有するセンサターゲットと、ハウジングにおけるセンサターゲットの周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲットに対向する面が凹状部分円錐面となされている複数のアキシアル・ラジアル兼用センサとにより構成され、
各磁気軸受の電磁石および各位置検出装置のセンサが制御回路に接続されており、制御回路が、センサよりの位置信号に基いて電磁石に供給する電流を制御するようになされているものである。
【０００７】
この発明によるエアポンプにおいて、上記磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していることがある。
【０００８】
【作用】
回転軸が、磁気軸受によりハウジングに支持されるようになされているエアポンプによれば、回転軸をハウジングに対して非接触支持することができるので、軸受損失がなくなり、回転軸の高速回転が可能になる。しかも、軸受寿命が長くなる。
【０００９】
また、磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していると、油圧ポンプや油圧モータなどの回転軸の駆動源を別個に設ける必要がなくなる。
【００１０】
また、磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成されていると、上記磁気軸受により、回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向の両方向に支持することが可能になる。したがって、使用する電磁石の数が少なくなる。回転軸をハウジングに対して非接触支持するためには、１組のアキシアル磁気軸受と２組のラジアル磁気軸受とを備えた周知の５軸制御型磁気軸受装置を用いることが考えられるが、この５軸制御型磁気軸受装置では、アキシアル磁気軸受は回転軸のアキシアル方向に対向するように配置された１対（２個）の電磁石を必要とし、各ラジアル磁気軸受は回転軸の周方向に等角度間隔で配置された２対（４個）の電磁石を必要とする。すなわち、合計１０個の電磁石を必要とすることになり、コストが高くなるという問題がある。しかも、電磁石の数が多くなると、電磁石系の故障率の点から考えると、磁気軸受装置の信頼性の面で問題がある。
【００１１】
【実施例】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【００１２】
図１はこの発明によるエアポンプを一部を省略して示す。
【００１３】
図１において、エアポンプ(1)は、ハウジング(2)と、ハウジング(2)内に配された回転軸(3)とを備えている。回転軸(3)の一端部はハウジング(2)から突出しており、ここに図示しない羽根車が取付けられている。ハウジング(2)内に、回転軸(3)をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)と、回転軸(3)のアキシアル方向およびラジアル方向の位置を検出する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)(7)と、転がり軸受からなる上下２組のタッチダウン軸受(8)(9)とが設けられている。以下、上側のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)を上側磁気軸受、下側のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(5)を下側磁気軸受というものとする。また、上側のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)を上側位置検出装置、下側のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(7)を下側位置検出装置というものとする。
【００１４】
上側磁気軸受(4)は、回転軸(3)の上部に全周にわたって設けられかつ外側斜め上方を向いたテーパ面(11a)を有する被吸引部(11)と、ハウジング(2)における被吸引部(11)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(11)に対向する面が凹状部分円錐面(12a)となされている複数、たとえば４つの吸引用電磁石(12)とよりなる。下側磁気軸受(5)は、回転軸(3)の下部に全周にわたって設けられかつ外側斜め下方を向いたテーパ面(13a)を有する被吸引部(13)と、ハウジング(2)における被吸引部(13)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(13)に対向する面が凹状部分円錐面(14a)となされている複数、たとえば４つの吸引用電磁石(14)とよりなる。各磁気軸受(4)(5)の被吸引部(11)(13)は、回転軸(3)の周囲に圧入されて固定された複数枚の磁性材料製円板、たとえば円板状ケイ素鋼板(15)により形成されている。回転軸(3)の互いに直交する２つのラジアル方向にのびる軸をＸ軸およびＹ軸とすると、各磁気軸受(4)(5)の電磁石(12)(14)はＸ軸上およびＹ軸上に２つずつ配されている。
【００１５】
上側磁気軸受(4)および下側磁気軸受(5)のうち少なくともいずれか一方は、回転軸(3)を回転駆動する電動駆動機能を有するものである。すなわち、図示は省略したが、ハウジング(2)における被吸引部(11)(13)の周囲の部分に、吸引用電磁石(12)(14)と周方向に離隔するとともに相互に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(11)(13)に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の回転駆動用電磁石が配されている。
【００１６】
上側位置検出装置(6)は、上側磁気軸受(4)の被吸引部(11)の上方において回転軸(3)に全周にわたって設けられかつ外側斜め上方を向いたテーパ面(16a)を有するセンサターゲット(16)と、ハウジング(2)におけるセンサターゲット(16)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲット(16)に対向する面が凹状部分円錐面(17a)となされている複数、たとえば４つのアキシアル・ラジアル兼用センサ(17)とよりなる。下側位置検出装置(7)は、下側磁気軸受(5)の被吸引部(13)の下方において回転軸(3)に設けられかつ外側斜め下方を向いたテーパ面(18a)を有するセンサターゲット(18)と、ハウジング(2)におけるセンサターゲット(18)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲット(18)に対向する面が凹状部分円錐面(19a)となされている複数、たとえば４つのアキシアル・ラジアル兼用センサ(19)とよりなる。各位置検出装置(6)(7)のセンサターゲット(16)(18)は、回転軸(3)の周囲に圧入されて固定された複数枚の磁性材料製円板、たとえば円板状ケイ素鋼板(21)により形成されている。各位置検出装置(6)(7)のセンサ(17)(19)はＸ軸上およびＹ軸上に２つずつ配されている。
【００１７】
各磁気軸受(4)(5)の電磁石(12)(14)および各位置検出装置(6)(7)のセンサ(17)(19)は、図示しない制御回路に接続されており、制御回路が、センサ(17)(19)よりの位置信号に基いて電磁石(12)(14)に供給する電流を制御する。
【００１８】
このようなエアポンプ(1)においては、回転軸(3)が少なくともいずれか一方のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)により回転駆動させられるさいに、２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)およびアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)(7)によりアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持される。
上記実施例においては、各磁気軸受(4)(5)は、４つの吸引用電磁石(12)(14)を備えているが、これに代えて、３つの吸引用電磁石を備えていてもよい。この場合にも、回転軸(3)をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持することができる。
【００１９】
【発明の効果】
この発明のエアポンプによれば、上述のように、回転軸をハウジングに対して非接触支持することができるので、軸受損失がなくなり、回転軸の高速回転が可能になる。したがって、排気ガスへの空気の送り込み効率が向上し、排気ガスの一層の清浄化を図ることができる。しかも、軸受寿命が長くなる。
【００２０】
また、磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成されているので、上記磁気軸受により、回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向の両方向に支持することが可能になる。したがって、使用する電磁石の数が少なくなる。その結果、コスト低減および信頼性の向上が可能になる。
また、磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していると、油圧ポンプや油圧モータなどの回転軸の駆動源を別個に設ける必要がなくなる。したがって、コストが安くなるとともに、エアポンプの大型化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明によるエアポンプの一部を省略した縦断面図である。
【図２】 触媒コンバータに送られる排気ガス中に空気を送り込むシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
(1) エアポンプ
(2) ハウジング
(3) 回転軸
(4) アキシアル・ラジアル兼用磁気軸受
(5) アキシアル・ラジアル兼用磁気軸受
(6) アキシアル・ラジアル兼用位置検出装置
(7) アキシアル・ラジアル兼用位置検出装置
(11) 被吸引部
(11a) テーパ面
(12) 吸引用電磁石
(12a) 凹状部分円錐面
(13) 被吸引部
(13a) テーパ面
(14) 吸引用電磁石
(14a) 凹状部分円錐面
(16) センサターゲット
(16a) テーパ面
(17) アキシアル・ラジアル兼用センサ
(17a) 凹状部分円錐面
(18) センサターゲット
(18a) テーパ面
(19) アキシアル・ラジアル兼用センサ
(19a) 凹状部分円錐面
【産業上の利用分野】
この発明はエアポンプ、さらに詳しくは、ハウジングと、一端がハウジングから突出するようにハウジング内に配された回転軸と、回転軸のハウジングから突出した部分に取付けられた羽根車とを備えており、かつ触媒コンバータに送られるエンジンの排気ガス中に空気を送り込むエアポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、自動車用エンジンの排気ガスの一層の清浄化を図るために、触媒コンバータに送られる排気ガス中に空気を送り込むシステムが適用されている。このシステムは、図２に示すように、図示しない排気マニホルドと触媒コンバータ(30)とを接続する排気ガス流通管(31)の途中に空気送り込み管(32)が接続されており、空気送り込み管(32)にエアポンプ(33)が設けられたものである。エアポンプ(33)は、ハウジング(34)と、一端がハウジング(34)から突出するようにハウジング(34)内に配された回転軸(35)と、回転軸(35)のハウジング(34)から突出した部分に取付けられた羽根車(36)とを備えており、羽根車(36)が空気送り込み管(32)内に位置するように設けられている。そして、エアポンプ(33)によって、排気ガス流通管(31)内に、空気が高速で送り込まれるようになされている。このようなシステムにおいて、排気ガスの清浄化を図るためには、エアポンプ(33)の回転軸(35)、すなわち羽根車(36)を高速回転させることが要求される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエアポンプでは、回転軸は転がり軸受やすべり軸受によってハウジングに支持されているので、軸受損失が大きく、回転軸、すなわち羽根車を高速回転させることができないという問題がある。しかも、軸受寿命が短くなるという問題がある。
【０００４】
また、従来のエアポンプでは、回転軸を回転駆動させる油圧ポンプ、油圧モータなどの駆動源を必要とし、コストが高くなるという問題がある。さらに、駆動源を必要とするために、エアポンプが大型化するという問題がある。
【０００５】
この発明の目的は、上記問題を解決したエアポンプを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明によるエアポンプは、
ハウジングと、一端がハウジングから突出するようにハウジング内に配された回転軸と、回転軸のハウジングから突出した部分に取付けられた羽根車とを備えており、かつ触媒コンバータに送られるエンジンの排気ガス中に空気を送り込むエアポンプであって、
回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受と、回転軸のアキシアル方向およびラジアル方向の位置を検出する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置とを備えており、
両磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成され、
両位置検出装置が、上側磁気軸受の被吸引部の上方および下側磁気軸受の被吸引部の下方において回転軸に全周にわたって設けられ、かつ被吸引部と同方向を向くように形成されたテーパ面を有するセンサターゲットと、ハウジングにおけるセンサターゲットの周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲットに対向する面が凹状部分円錐面となされている複数のアキシアル・ラジアル兼用センサとにより構成され、
各磁気軸受の電磁石および各位置検出装置のセンサが制御回路に接続されており、制御回路が、センサよりの位置信号に基いて電磁石に供給する電流を制御するようになされているものである。
【０００７】
この発明によるエアポンプにおいて、上記磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していることがある。
【０００８】
【作用】
回転軸が、磁気軸受によりハウジングに支持されるようになされているエアポンプによれば、回転軸をハウジングに対して非接触支持することができるので、軸受損失がなくなり、回転軸の高速回転が可能になる。しかも、軸受寿命が長くなる。
【０００９】
また、磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していると、油圧ポンプや油圧モータなどの回転軸の駆動源を別個に設ける必要がなくなる。
【００１０】
また、磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成されていると、上記磁気軸受により、回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向の両方向に支持することが可能になる。したがって、使用する電磁石の数が少なくなる。回転軸をハウジングに対して非接触支持するためには、１組のアキシアル磁気軸受と２組のラジアル磁気軸受とを備えた周知の５軸制御型磁気軸受装置を用いることが考えられるが、この５軸制御型磁気軸受装置では、アキシアル磁気軸受は回転軸のアキシアル方向に対向するように配置された１対（２個）の電磁石を必要とし、各ラジアル磁気軸受は回転軸の周方向に等角度間隔で配置された２対（４個）の電磁石を必要とする。すなわち、合計１０個の電磁石を必要とすることになり、コストが高くなるという問題がある。しかも、電磁石の数が多くなると、電磁石系の故障率の点から考えると、磁気軸受装置の信頼性の面で問題がある。
【００１１】
【実施例】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【００１２】
図１はこの発明によるエアポンプを一部を省略して示す。
【００１３】
図１において、エアポンプ(1)は、ハウジング(2)と、ハウジング(2)内に配された回転軸(3)とを備えている。回転軸(3)の一端部はハウジング(2)から突出しており、ここに図示しない羽根車が取付けられている。ハウジング(2)内に、回転軸(3)をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)と、回転軸(3)のアキシアル方向およびラジアル方向の位置を検出する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)(7)と、転がり軸受からなる上下２組のタッチダウン軸受(8)(9)とが設けられている。以下、上側のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)を上側磁気軸受、下側のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(5)を下側磁気軸受というものとする。また、上側のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)を上側位置検出装置、下側のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(7)を下側位置検出装置というものとする。
【００１４】
上側磁気軸受(4)は、回転軸(3)の上部に全周にわたって設けられかつ外側斜め上方を向いたテーパ面(11a)を有する被吸引部(11)と、ハウジング(2)における被吸引部(11)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(11)に対向する面が凹状部分円錐面(12a)となされている複数、たとえば４つの吸引用電磁石(12)とよりなる。下側磁気軸受(5)は、回転軸(3)の下部に全周にわたって設けられかつ外側斜め下方を向いたテーパ面(13a)を有する被吸引部(13)と、ハウジング(2)における被吸引部(13)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(13)に対向する面が凹状部分円錐面(14a)となされている複数、たとえば４つの吸引用電磁石(14)とよりなる。各磁気軸受(4)(5)の被吸引部(11)(13)は、回転軸(3)の周囲に圧入されて固定された複数枚の磁性材料製円板、たとえば円板状ケイ素鋼板(15)により形成されている。回転軸(3)の互いに直交する２つのラジアル方向にのびる軸をＸ軸およびＹ軸とすると、各磁気軸受(4)(5)の電磁石(12)(14)はＸ軸上およびＹ軸上に２つずつ配されている。
【００１５】
上側磁気軸受(4)および下側磁気軸受(5)のうち少なくともいずれか一方は、回転軸(3)を回転駆動する電動駆動機能を有するものである。すなわち、図示は省略したが、ハウジング(2)における被吸引部(11)(13)の周囲の部分に、吸引用電磁石(12)(14)と周方向に離隔するとともに相互に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部(11)(13)に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の回転駆動用電磁石が配されている。
【００１６】
上側位置検出装置(6)は、上側磁気軸受(4)の被吸引部(11)の上方において回転軸(3)に全周にわたって設けられかつ外側斜め上方を向いたテーパ面(16a)を有するセンサターゲット(16)と、ハウジング(2)におけるセンサターゲット(16)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲット(16)に対向する面が凹状部分円錐面(17a)となされている複数、たとえば４つのアキシアル・ラジアル兼用センサ(17)とよりなる。下側位置検出装置(7)は、下側磁気軸受(5)の被吸引部(13)の下方において回転軸(3)に設けられかつ外側斜め下方を向いたテーパ面(18a)を有するセンサターゲット(18)と、ハウジング(2)におけるセンサターゲット(18)の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲット(18)に対向する面が凹状部分円錐面(19a)となされている複数、たとえば４つのアキシアル・ラジアル兼用センサ(19)とよりなる。各位置検出装置(6)(7)のセンサターゲット(16)(18)は、回転軸(3)の周囲に圧入されて固定された複数枚の磁性材料製円板、たとえば円板状ケイ素鋼板(21)により形成されている。各位置検出装置(6)(7)のセンサ(17)(19)はＸ軸上およびＹ軸上に２つずつ配されている。
【００１７】
各磁気軸受(4)(5)の電磁石(12)(14)および各位置検出装置(6)(7)のセンサ(17)(19)は、図示しない制御回路に接続されており、制御回路が、センサ(17)(19)よりの位置信号に基いて電磁石(12)(14)に供給する電流を制御する。
【００１８】
このようなエアポンプ(1)においては、回転軸(3)が少なくともいずれか一方のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)により回転駆動させられるさいに、２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受(4)(5)およびアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置(6)(7)によりアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持される。
上記実施例においては、各磁気軸受(4)(5)は、４つの吸引用電磁石(12)(14)を備えているが、これに代えて、３つの吸引用電磁石を備えていてもよい。この場合にも、回転軸(3)をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持することができる。
【００１９】
【発明の効果】
この発明のエアポンプによれば、上述のように、回転軸をハウジングに対して非接触支持することができるので、軸受損失がなくなり、回転軸の高速回転が可能になる。したがって、排気ガスへの空気の送り込み効率が向上し、排気ガスの一層の清浄化を図ることができる。しかも、軸受寿命が長くなる。
【００２０】
また、磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成されているので、上記磁気軸受により、回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向の両方向に支持することが可能になる。したがって、使用する電磁石の数が少なくなる。その結果、コスト低減および信頼性の向上が可能になる。
また、磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有していると、油圧ポンプや油圧モータなどの回転軸の駆動源を別個に設ける必要がなくなる。したがって、コストが安くなるとともに、エアポンプの大型化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明によるエアポンプの一部を省略した縦断面図である。
【図２】 触媒コンバータに送られる排気ガス中に空気を送り込むシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
(1) エアポンプ
(2) ハウジング
(3) 回転軸
(4) アキシアル・ラジアル兼用磁気軸受
(5) アキシアル・ラジアル兼用磁気軸受
(6) アキシアル・ラジアル兼用位置検出装置
(7) アキシアル・ラジアル兼用位置検出装置
(11) 被吸引部
(11a) テーパ面
(12) 吸引用電磁石
(12a) 凹状部分円錐面
(13) 被吸引部
(13a) テーパ面
(14) 吸引用電磁石
(14a) 凹状部分円錐面
(16) センサターゲット
(16a) テーパ面
(17) アキシアル・ラジアル兼用センサ
(17a) 凹状部分円錐面
(18) センサターゲット
(18a) テーパ面
(19) アキシアル・ラジアル兼用センサ
(19a) 凹状部分円錐面
Claims (2)
- ハウジングと、一端がハウジングから突出するようにハウジング内に配された回転軸と、回転軸のハウジングから突出した部分に取付けられた羽根車とを備えており、かつ触媒コンバータに送られるエンジンの排気ガス中に空気を送り込むエアポンプであって、
回転軸をアキシアル方向およびラジアル方向に非接触支持する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用磁気軸受と、回転軸のアキシアル方向およびラジアル方向の位置を検出する上下２組のアキシアル・ラジアル兼用位置検出装置とを備えており、
両磁気軸受が、回転軸におけるアキシアル方向に離隔した２箇所にアキシアル方向に関して互いに反対側を向くように形成されたテーパ面を有する被吸引部と、ハウジングにおける被吸引部の周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつ被吸引部に対向する面が凹状部分円錐面となされている複数の吸引用電磁石とにより構成され、
両位置検出装置が、上側磁気軸受の被吸引部の上方および下側磁気軸受の被吸引部の下方において回転軸に全周にわたって設けられ、かつ被吸引部と同方向を向くように形成されたテーパ面を有するセンサターゲットと、ハウジングにおけるセンサターゲットの周囲の部分に周方向に間隔をおいて配され、かつセンサターゲットに対向する面が凹状部分円錐面となされている複数のアキシアル・ラジアル兼用センサとにより構成され、
各磁気軸受の電磁石および各位置検出装置のセンサが制御回路に接続されており、制御回路が、センサよりの位置信号に基いて電磁石に供給する電流を制御するようになされているエアポンプ。 - 上記磁気軸受が、回転軸を回転駆動する電動駆動機能を有している請求項１記載のエアポンプ。
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| JP13323795A JP3658655B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | エアポンプ |
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| JP13323795A JP3658655B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | エアポンプ |
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| JPH08326530A JPH08326530A (ja) | 1996-12-10 |
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|---|---|---|---|
| JP13323795A Expired - Fee Related JP3658655B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | エアポンプ |
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| JP (1) | JP3658655B2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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1995
- 1995-05-31 JP JP13323795A patent/JP3658655B2/ja not_active Expired - Fee Related
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