JP3658418B2 - スチームヘアーブラシ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はスチーム発生装置で発生したスチームをブラシ台部から吐き出すスチームヘアーブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスチームヘアーブラシは頭髪を軟化してくせ直しをしたり、頭髪に水分を供給し、うるおいを与えていたわりながらブラッシングするときに使用される。このスチームヘアーブラシとしては、例えば、柄部の先端に中空状のブラシ台部を設け、スチーム発生装置はブラシ台部の内部に設け、スチームをブラシ台部のブリッスルどうし間に穿設したスチーム吐出孔から吐き出すようにしたものがある(例えば、実開昭55−121301号公報や特公昭62−40004号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前出の従来例のものでは、不使用時にスチーム吐出孔を有するブラシ台部が外気で冷えており、使用時にスチームがその冷えているブラシ台部の内面に結露して湯滴が生じる。こうした湯滴はスチーム吐出孔に詰まったり、スチーム吐出孔から滴下し頭皮に当たって熱い不快感を与えたり、火傷を負わす原因となる。
【0004】
本発明の目的は、こうしたスチームヘアーブラシにおいて結露防止対策を講じることによりスチーム吐出孔の詰まり防止や頭皮への湯滴落下防止を図る点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図示例のようにヒータ23を有するスチーム発生装置21を内蔵したブラシ台部3の外表面上に、ブリッスル4を植設したブラシベース5を張設し、スチーム発生装置21とブラシベース5との間に、スチーム発生装置21で発生するスチームをブラシベース5のブリッスル4の根元どうし間に導くスチーム導出空間Tを形成しているスチームヘアーブラシにおいて、スチーム導出空間Tはスチーム発生装置21のスチーム発生地点X寄りに広く、スチーム発生地点Xから遠去かるに従って狭く形成していることを特徴とする。
上記ヒータ23はスチーム導出空間Tの狭い側に偏倚させて配設することが好ましい。
【0006】
【作用】
スチーム導出空間Tのスチーム発生地点X寄りを広く形成しておくと、スチームをスチーム発生地点Xから遠去かる箇所へも送り易くなり当該箇所でのスチーム吐出量をスチーム発生地点X寄りの吐出量と同じようにすることができる。
スチーム導出空間Tのスチーム発生地点Xから遠去かる箇所を狭くしておくと、該スチーム導出空間T内の容積が徐徐に小さくなるため、内部圧力が徐徐に増加して、この狭い側でのスチームの滞留量をできるだけ少なくできてスチーム吐出を素早く行うことができ、結露発生を防止できる。
【0007】
【実施例】
本発明に係るスチームヘアーブラシの一実施例を図面に基づき説明する。
図2および図3において、このヘアーブラシはプラスチック製の上下の分割ケース1a・1bを突き合わせてなる本体ケース1に細長い中空状の柄部2と、該柄部2の先端に一体に連設した中空状のブラシ台部3とを形成している。ブラシ台部3の外周面上半部にはブリッスル4を備えたブラシベース5を取付ける。
図4において、ブラシベース5は耐熱性、耐候性、撥水性に優れるシリコンゴム等の弾性材料からなり、そのほぼ中央部にスチーム吐出孔6を数個(図示例では4個)を設け、スチーム吐出孔6の周辺に多数の孔7を前後左右に所定ピッチで列設し、各孔7に別体にプラスチック成形されたブリッスル4の基部に設けた上下の鍔10・11間のくびれ部4aを通すことによりブリッスル4が前後左右に所定ピッチで上下方向に抜け止め状に植設されている。
【0008】
このブラシベース5は断面円弧状に曲げてブラシ台部3のほぼ平坦な外表面上に空間Sを形成するよう張設するとともに、その周縁部をブラシ台部3の外表面上に環状のブラシ押え部材12で押し付けて重合固定する。図6に示すように、ブラシベース5の周縁部はその全周にわたって小さい孔13を有し、この孔13にブラシ押え部材12の内面に設けた爪14を挿入係合させる。
ブラシ押え部材12は係合爪15およびねじボス16を有し、この係合爪15をブラシ台部3の孔17に抜止め状に差し込み係合するとともに、ねじボス16にブラシ台部3の孔18からねじ19をねじ込むことによりブラシ台部3にブラシ押え部材12がブラシベース5を押さえ状態に一体的に結合される(図5参照)。
【0009】
一方、ブラシ台部3の内部にはスチーム発生装置21を組み込む。スチーム発生装置21は、図4および図5に示すように、ブラシ台部3の先端に抜き差し自在に装着する給水タンク22と、ヒータ23と、給水タンク22内の水をヒータ23側へ供給する吸水体24とからなる。ヒータ23は、アルミダイキャストや銅、真鍮などの熱伝導性に優れる材料からなるヒータケース25内にヒータエレメント26を封入してなる。ヒータエレメント26はヒータボビン26aにヒータ線26bを巻付けてなり、この周りに絶縁体27を充填し、シリコン接着剤28でエンドシールしてなる。ヒータエレメント26としては、そのほかに、例えば正特性サーミスタを用いることもできる。
【0010】
このヒータ23は、図5に示すように、ブラシ台部3の内部にビス29で取付ける筒状のヒータホルダ30の内部に配され、底部をシリコン接着剤等により防水密封される。図3に示すように、ヒータ23のヒータエレメント26から後方へ導き出されるリード線31は柄部2の後端に装着した電源コード32に回路基板33およびスイッチ34を介して接続する。図3において、Lはスイッチ34をオンにしてヒータ23を通電している状態で点灯表示する表示ランプである。
【0011】
図4において、ヒータホルダ30の前端の開口部には給水タンク22の給水筒口22aが挿入されるとともに、給水筒口22aにOリング35を介して抜き差し自在に挿入した吸水体ホルダ36がパッキン体37を介して挿入される。吸水体ホルダ36には耐熱ナイロン等からなる吸水体24を挿通保持し、この吸水体24の吸水体ホルダ36からの露出部はヒータケース25の前端部に当接させている。したがって、ヒータエレメント26の発熱により、ヒータケース25の表面が加熱されて吸水体24に伝達され、その吸水体24に含まれている水もしくはトリートメントローション等の薬剤を加熱してスチームを発生する。
【0012】
吸水体24から発散するスチームは、ヒータケース25の前端から側面にかけて形成したスチームガイド溝38を通ってヒータホルダ30の内部へ導入され、ヒータホルダ30の内部からブラシベース5のスチーム吐出孔6にまで導いて吐き出す。そのために、図4および図5に示すように、ブラシベース5で覆われるブラシ台部3のほぼ平坦な外表面一部に開口39を、またヒータホルダ30の周壁の前記開口39に面する部分に開口40をそれぞれ設け、これら開口39・40に、スチームをブラシベース5のスチーム吐出孔6に導いて吐き出すスチームガイド体41を装着する。図5において、ヒータケース25のスチーム吐出側寄りにはヒータ23の回路に結線されるサーミスタや熱電対等からなる温度センサ51が配され、ヒータ23を所定温度、例えばトリートメントローションのスチームを発生させる場合179〜180℃に制御する。また過熱による部材焼損事故防止のために温度ヒューズ等の安全素子53をヒータホルダ30の外表面上に設けた凹溝52に配置している。
【0013】
スチームガイド体41は耐熱性、耐薬品性、剛性に優れるPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)等の材料からなり、ブラシ台部3の開口39の四角形状に対応する断面逆皿形状に形成されてその内部にスチーム導出空間Tを下方開放状態に形成しており、その上壁41aから前後4個のスチーム吐出口42を上向きに突設するとともに、その周壁下端からフランジ43を外向きに張出し形成している。
【0014】
このスチームガイド体41は、図1および図5に示すようにそのスチーム吐出口42をブラシベース5のスチーム吐出孔6に内嵌させるとともに、そのフランジ43をブラシ台部3の開口39周縁の内面とヒータホルダ30の開口40周縁の上面との間にシリコン製のパッキン44を介して嵌合させることによりブラシ台部3の外表面から上方突出状に固定される。
【0015】
このスチームガイド体41はブラシベース5の中央を支持する部材に兼用する。すなわちスチームガイド体41はスチーム吐出口42を前述したようにブラシベース5のスチーム吐出孔6に内嵌させるとともに、その上壁41aのスチーム吐出口42・42どうし間でブラシベース5のほぼ中央部内面を受け止め支持することによりブラシベース5が過剰にへこんだり、位置ずれしたりすることのないようにしている。
図4において、ブラシベース5の内面のスチーム吐出孔6・6間の中央から径大部46を有する係止突起47を一体に垂設し、この係止突起47をスチームガイド体41のスチーム吐出口42・42間の中央に設けた孔48に径大部46を介して抜け止め状に圧入させる。この圧入によりブラッシング時にそのブラシベース5の中央部分のブリッスル4が頭髪によって傾く場合もブラシベース5の中央部分がスチームガイド体41から浮き上がるのを確実に防止する。
【0016】
上記スチーム導出空間Tは、スチームガイド体41の上壁41aの内面を前方上り傾斜状のテーパ面に形成することによりスチーム発生地点X(ヒータケース25と吸水体24との接触部)寄りの前方で最も広く、該スチーム発生地点Xから遠去かる後方へ至るに従って漸次狭くなるよう形成する。
このようにスチーム導出空間Tのスチーム発生地点X寄りの前方を広く形成することにより、スチームをスチーム発生地点Xから遠去かる後方へも送り易くなり、後方側のスチーム吐出口42からも前方側のスチーム吐出口42からの吐出量とほぼ均等に吐出させることができる。
またスチーム発生地点Xから遠去かる後方を狭くすることにより容積が減少していくため、スチーム供給により内部圧力が徐徐に増加して行き、この後方側でのスチームの滞留量をできるだけ減少できて当該箇所から素早くスチームを吐出させることができ、結露発生を防止できる。すなわち、スチームの滞留量が多く、また滞留時間が長いとそれだけ外気で冷えている上壁41aとの接触時間が長くなって結露しやすいからである。
このようにスチーム導出空間Tのスチーム発生地点Xから遠去かる後方でのスチーム滞留量の減少、滞留時間の短縮を図ることで結露発生を効果的に防止でき、湯滴がスチーム吐出孔6に詰まったり、頭皮に落下するのを防止でき、また湯滴が柄部2内へ流れて回路基板33など電気、電子部品に付着するのを防止することもできる。
【0017】
スチーム導出空間Tとヒータ23との配置関係について、ヒータ23のヒータエレメント26はスチーム導出空間Tの真下に配置することなくそのスチーム導出空間Tの狭い後方側へ偏らせて配置する。また、スチームガイド体41の上壁41aとヒータケース25との間隔はスチーム発生地点Xから遠去かる後方へ行くに従い狭く設定する。これによりスチーム発生地点Xから離れたスチーム導出空間Tの狭い後方側の上壁41aがヒータケース25の輻射熱でできる限り早く高温となるため、スチーム発生地点Xから遠去かる後方での結露発生防止効果をより高めることができる。また結露防止のためにヒータ23の輻射熱を利用することにより特別に熱源を必要としないことにもなる。
なお、本発明は本体ケース1の内部にブラシベース5部分から温風もしくは冷風を選択的に供給する送風装置を備えたタイプのスチームブラシであってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スチーム発生装置21とブラシベース5との間に形成するスチーム導出空間Tは、スチーム発生装置21のスチーム発生地点X寄りに広く、スチーム発生地点Xから遠去かるに従って狭く形成した。したがってスチームをスチーム発生地点Xから遠去かる方向にわたって均一に吐出でき、しかもスチーム発生地点Xから遠去かる箇所での結露の発生を確実に防止できて頭皮への湯滴落下やスチーム吐出孔6の詰まりを防止でき、さらに電気、電子部品を湯滴から防護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部の概略図である。
【図2】全体の平面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図3における要部の拡大断面図である。
【図5】図3におけるB−B線拡大断面図である。
【図6】主要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 本体ケース
2 柄部
3 ブラシ台部
4 ブリッスル
5 ブラシベース
21 スチーム発生装置
23 ヒータ
T スチーム導出空間
X スチーム発生地点
Claims (2)
- スチーム発生装置21を内蔵したブラシ台部3の外周面上半部に、ブリッスル4を植設したブラシベース5が張設されており、
ブラシベース5のほぼ中央部に複数のスチーム吐出孔6が設けられており、
スチーム発生装置21は、ブラシ台部3の先端に抜き差し自在に装着される給水タンク22と、ヒータケース25内にヒータエレメント26が封入されたヒータ23と、給水タンク22内の水をヒータ23側へ供給する吸水体24とを含み、
ヒータ23が、ブラシ台部3の内部に配されており、
吸水体24が、ヒータケース25の前端部に当接しており、
吸水体24から発散するスチームをヒータケース25の前端からブラシベース5のスチーム吐出孔6に導き出すために、ブラシベース5で塞がれるブラシ台部3の一部に開口39を設け、
この開口39にスチームガイド体41が装着されており、
スチームガイド体41は、ブラシ台部3の開口39の形状に対応する断面逆皿形状に形成されて、その内部にスチーム導出空間Tが下方開放状態に形成されており、
スチームガイド体41の上壁41aに、スチームをブラシベース5のスチーム吐出孔6に導いて吐き出す複数のスチーム吐出口42が設けられており、
スチームガイド体41の上壁41aでブラシベース5のほぼ中央部内面を受け止め支持しており、
前記スチーム導出空間Tは、スチームガイド体41の上壁41aの内面を前方上がり傾斜状に形成することにより、ヒータケース25と吸水体24とが接触するスチーム発生地点X寄りの前方で広く、スチーム発生地点Xから遠去かる後方へ至るに従って狭くなるように形成されていることを特徴とするスチームヘアーブラシ。 - ヒータ23はスチーム導出空間Tの狭い側に偏倚させて配設してある、請求項1記載のスチームヘアーブラシ。
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1994
- 1994-01-31 JP JP02883394A patent/JP3658418B2/ja not_active Expired - Fee Related
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