JP3658137B2 - 移動体認識方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、認識対象となる移動体をインターレース走査により撮像し、テンプレート画像と対比させるテンプレートマッチング方式により移動体を自動的に認識する移動体認識方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、生産の自動化による生産ライン上を移動する部品や製品の生産管理においては、シリアルナンバー、製品名ロゴ、形状等を画像認識により自動的に識別することが必要とされている。この他、例えば、生産開始時、定常時、生産数の増加時又は減少時等に伴って速度が変化する生産ライン上での認識・管理や、次工程への進行具合により速度・移動状態が決定される生産ラインのバッファ部での認識・管理などにおいても、移動体を画像認識により自動的に識別することが必要とされている。
【0003】
ここに、従来の移動体の認識方法としては、例えば単カメラによる時間差をおいて撮像した複数のフレーム画像間の差分から移動距離を導出する方法、2台のカメラによる撮像画像間の差分を取る方法、高速シャッタカメラを用いて静止画像を得る方法、照明系にストロボを用いて静止画像を得る方法等がある。ところが、撮像の標準方式(例えば、NTSC方式)により1秒30フレーム画像の撮像とすると、複数フレーム画像間の差分から移動体を検出する方法では、1フレームの撮像時間で移動体を捕らえることは不可能である。2台(複数台)のカメラを用いる方法でも同様の問題がある。また、高速シャッタカメラを用いる方法では、高照度の照明系が必要であり、作業者が居る生産ラインに設置するとなると高照度照明系は作業者に精神的な圧迫を与え、かつ、熱も発生しやすく、環境を整える配慮や装置自体或いは周辺装置のコストアップにより高価なシステムとなってしまう。照明系にストロボを用いる方法では、撮影環境を整えるのに手間がかかってしまう。
【0004】
このような点を考慮し、従来では、改良された各種の認識方法が提案されている。
【0005】
第1に、特開昭62−157981号公報に示される方法がある。この方法では、各種生産工程等における文字認識に関し、インターレース走査による撮像手段を用いた場合、インターレース走査の奇数フィールドの走査列と偶数フィールドの走査列とではずれを生ずる点に着目し、インターレース走査をする撮像系により文字を撮像し、その奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とを回路的に独立したメモリに格納させて得、各々のフィールドの画像を2重走査して、Y方向(垂直方向)のサイズを入力画像と合わせた2枚の画像を得て、これらの2枚の画像と比較パターンとを照合することにより、文字認識するようにしている。この際、比較パターンとしては、2重走査した画像を用意しておき、文字認識を行うものとする。
【0006】
第2に、特開平6−52312号公報に示される方法がある。この方法では、撮像面に対して垂直方向に移動する移動体の1フレーム画像の奇数フィールドと偶数フィールドの画像の差分からY方向(垂直方向)の移動量を検出するようにしている。
【0007】
第3に、特開平6−52313号公報に示される方法がある。この方法では、撮像面に対して垂直方向に移動する移動体の1フレーム画像の奇数フィールドと偶数フィールドとの一方の画像をテンプレート画像とし、他方の画像中から移動体をパターンマッチングにより探し出して移動体を検出するようにしている。
【0008】
第4に、特開平7−37099号公報に示される方法がある。この方法では、1フレーム画像に対して奇数フィールドと偶数フィールドとの間のずれを顕著にするカーネルを用いてフィルタリングすることにより、1フレーム画像内での移動体を検出するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1の方法の場合、奇数フィールドと偶数フィールドとの何れか一方のフィールドを2重走査することにより認識画像を得ているものであり、差別化されている画像自体が他の画像と似通ってしまう可能性がある。この結果、相関等を取る場合に、他の認識候補とのS/Nが悪くなってしまう可能性がある。また、2重走査した画像を比較パターンとする場合、上記の理由により比較パターンの集合中に似通った候補を形成してしまう可能性があり、認識率の低下が懸念される。
【0010】
第2及び第3の方法の場合、何れも、移動体の移動方向の制限(撮像面に対して垂直方向)があり、画像のずれやぶれに弱い認識方法である。
【0011】
第4の方法において、カーネルと称するフィルタリング演算はY方向(垂直方向)のラプラシアンフィルタによるものであり、Y方向の2次微分をとることにより画像のY方向の画素変化を捕らえることに相当するが、例えば、静止しているX方向(水平方向)に平行な線の画像なども検出されるので、これだけではずれ量を検出したことにはならない。従って、認識率の低いものとなる。
【0012】
そこで、本発明は、高速に移動する移動体であっても、より高い認識率で認識し得る移動体認識方法を提供することを目的とする。即ち、インターレース走査による撮像手段を用いた場合、インターレース走査の奇数フィールドの走査列と偶数フィールドの走査列とにずれを生ずるとともに、認識対象の移動体の移動速度が速い場合には奇数フィールドの走査列同士、偶数フィールドの走査列同士の間でもずれを生ずるが、このようなずれ量を踏まえて、テンプレートマッチング法による一致度を向上させ得る移動体認識方法を提供することを目的とする。
【0016】
特に、移動速度の速い認識対象なる移動体の場合でも、テンプレートマッチングにおける一致度を高めることができる移動体認識方法を提供することを目的とする。
【0025】
課題を解決するための手段
請求項記載の発明は、インターレース走査をして認識対象の移動体の撮像画像を入力する撮像手段と、この撮像手段により入力される撮像画像のアナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換手段と、A/D変換された撮像画像のデジタルデータに対して2値化処理を含む画像処理をする画像処理手段とを備え、撮像面に対して水平方向に移動する前記移動体の静止画像をテンプレート画像として予め格納しておき、前記移動体を前記撮像手段により撮像したときに奇数フィールドの走査列データと偶数フィールドの走査列データとを分離してメモリに格納した後、各々の走査列データを垂直方向に詰めて元画像に対して垂直方向の画像幅を半分とした圧縮画像を得、各々の圧縮画像における部品の重心位置を検出し、これらの重心位置間の位置関係に基づき前記移動体の移動速度を検出し、この移動速度に基づき奇数フィールド、偶数フィールド間の撮像時間間隔における各フィールド画像の水平方向の膨張量を検出し、各フィールドの走査列毎に膨張量分だけ水平方向に補正してフレーム画像を得、そのフレーム画像と前記テンプレート画像とのマッチング判断を行うようにした。
【0026】
従って、インターレース走査により撮像された撮像画像の水平方向のずれ量を1フレーム画像内の1フィールド間のずれ量として、移動体の移動速度を導出し、導出された移動速度と1フィールドの撮像時間間隔とにより撮像画像が移動方向に膨張する膨張量を検出し、インターレース走査によって基本的に生ずるフィールド間のずれ量の補正とともに、シャッタ速度等に依存する撮像時間間隔での移動方向への撮像画像の膨張量を補正してから、テンプレートマッチングが行われる。これにより、移動速度の速い移動体の場合でも、一致度の高いテンプレートマッチングが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態の移動体認識方法は、例えば、図1に示すように、生産の自動化による生産ライン1上を水平方向に移動する製品(移動体)2の生産管理を行うために、この製品2に付されている製品名ロゴ3を画像認識により識別するシステムに適用されている。ここに、認識方法としては、製品2をインターレース走査により撮像し、テンプレートマッチング法により製品名ロゴ3を認識することを基本としている。このため、前記生産ライン1上を移動する製品2(製品名ロゴ3を含む)を撮像する撮像手段として、蓄積動作がインターレース走査方式とされたCCDエリアセンサ4が用いられている。このCCDエリアセンサ4により撮像された撮像画像が入力される画像処理装置5が設けられている。この画像処理装置5に関しては、特に図示しないが、各種のハードウェア構成からなり、撮像された撮像画像に関してアナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換手段や、A/D変換された撮像画像のデジタルデータに対して2値化処理を含む画像処理をする画像処理手段の機能や、各種メモリや、テンプレートマッチング処理手段の機能等を備えている。
【0028】
さらに、本実施の形態では、前記製品2中の一部には図2に示すように1本の垂直指示線6が垂直方向に付されている。この垂直指示線6は図2に示す如く、製品2の製品名ロゴ3と同一撮像面内に収まるように製品名ロゴ3のすぐ左側個所に付されている。
【0029】
また、画像処理装置5中の所定のメモリ(図示せず)或いはこの画像処理装置5に装填される記憶メディア(図示せず)等には、前記製品名ロゴ3の静止画像がテンプレート画像(例えば、図4参照)として予め格納されている。
【0030】
このような概略構成の下、本実施の形態における認識方法について説明する。まず、生産ライン1上を水平方向に移動する製品2はCCDエリアセンサ4により撮像され、撮像画像は画像処理装置5に取り込まれる。このとき、CCDエリアセンサ4はインターレース走査方式により撮像するため、製品名ロゴ3付近を撮像した撮像面7の撮像画像(1フレーム分)B1 を例示すると、図3のようになる。ここに、TVカメラ等に準じて1秒間に30フレーム分の撮像とした場合の、奇数フィールド、偶数フィールド間の撮像間隔は16.6msとなる。即ち、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとではX方向(水平方向)にずれを生ずる。このとき、同一撮像面7内に撮像されている垂直指示線6に対応する画像はインターレース走査に起因して図3に示す如く垂直方向に2列の点線像6ODD ,6EVENとして現われる。これらの点線像6ODD ,6EVEN間の距離k〔pixel〕 はインターレース走査に起因するものであり、この距離k〔pixel〕 が奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれ量を表している。従って、距離k〔pixel〕 に基づき奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれ量を検出することができる。そこで、検出されたずれ量分だけ、一方のフィールドの走査列、例えば、偶数フィールドの走査列SEVENを左側に移動補正させることで、フィールド間にずれのないフレーム画像(図示せず)が得られる。よって、この補正後のフレーム画像と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像とのマッチングを行って一致・不一致が判断される。撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像がテンプレート画像にマッチングしていれば、認識対象であると判断される。
【0031】
従って、本実施の形態によれば、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとがずれた場合のずれ量を示す指標となる垂直指示線6を認識対象である製品2に持たせているので、簡易にフィールド間にずれ量を検出し、そのずれ量を適正に補正することにより、予め格納しやすい静止画像をテンプレート画像としたテンプレートマッチング法による認識が可能となる。これは、認識対象である製品が静止中、移動中の如何に関わらずテンプレートマッチングが可能なことを意味している。この結果、製品2の自動生産において生産ライン1を停止させることなく、フィールド間のずれ量の適正な補正により、撮像画像を認識するためのテンプレートマッチングの一致度を向上させることができる。
【0032】
本発明の第二の実施の形態を図4ないし図6に基づいて説明する。前記実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも順次同様とする)。本実施の形態では、前述した垂直指示線6を用いることなく、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれ量を検出し、そのずれ量分を補正することで、テンプレートマッチングが可能とされている。
【0033】
まず、図4は認識対象の静止画像に基づき予めメモリ或いは記憶メディア等に格納されているテンプレート画像T1 の一例を示す。このテンプレート画像T1 の部品においてその最上点を含むフィールドの走査列(Y方向の最初の走査列)S1 の最左点P1Lの座標と、その1列下のフィールドの走査列S2 の最左点P2Lの座標との間の参照距離(X方向における距離)m〔pixel〕 が予め検出されている(図4に示す例では、参照距離m=0)。
【0034】
このような前提の下、本実施の形態における認識方法について説明する。まず、生産ライン1上を水平方向に移動する製品2はCCDエリアセンサ4により撮像され、撮像画像は画像処理装置5に取り込まれる。このとき、CCDエリアセンサ4はインターレース走査方式により撮像するため、製品名ロゴ3付近を撮像した撮像面7の撮像画像(1フレーム分)を例示すると、図5のようになる。図5(a)は図4に示したようなテンプレート画像T1 と同種の認識対象の撮像画像B2 の場合を示し、図5(b)はテンプレート画像T1 とは異種の認識対象の撮像画像B3 の場合を示している。
【0035】
そこで、このような撮像画像B2 に関しても、図4の場合と同様に、最上点を含むフィールドの走査列の最左点と次のフィールドの走査列の最左点との間の座標上の撮像上距離m′〔pixel〕 を検出する。次に、これらの距離m,m′を比較し、撮像画像B2 から検出された撮像上距離m′が参照距離mに一致するように一方のフィールドの走査列の撮像画像をX方向に移動補正させることで、フィールド間にずれのないフレーム画像(図示せず)が得られる。よって、このフレーム画像と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像T1 とのマッチングを行って一致・不一致が判断される。撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像がテンプレート画像T1 にマッチングしていれば、認識対象であると判断される。
【0036】
一方、撮像画像B3 の場合も同様に認識処理されるが、このようなテンプレート画像T1 とは異種の認識対象の撮像画像B3 の場合には、その撮像上距離m′が参照距離mに一致するような移動補正を行っても、得られるフレーム画像F3 は図6に示すようになり、フィールド間で櫛状のずれが残ることになる。この結果、このフレーム画像F3 と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像T1 とのマッチングを行って一致・不一致が判断されるが、撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像F3 がテンプレート画像T1 にマッチングしないので、テンプレート画像T1 とは異種の認識対象であると判断される。
【0037】
従って、本実施の形態によれば、移動する製品2の撮像時における奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれを、予め格納されているテンプレート画像T1 の特質を利用して補正した後で、テンプレートマッチングを行って認識処理を行うので、撮像画像がテンプレート画像T1 を示す場合にはずれが正しく補正されたフィールド画像が得られるが、テンプレート画像T1 を示す画像でない場合にはずれの補正が不完全となり、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれが櫛状に残ることになる。この結果、マッチングした際の一致度が向上するので、S/Nを安定させることができ、誤認識を極力避けることができる。このようにして、本実施の形態によれば、製品2自身に垂直指示線6を付しておく必要がなく、製品2に関してデザイン上の拘束を与えることはない。
【0038】
本発明の第三の実施の形態を図7ないし図13に基づいて説明する。本実施の形態でも、製品2がX方向(水平方向)に移動することを前提としている。まず、図7は生産ライン1上を水平方向に移動する製品2をCCDエリアセンサ4により撮像して得られる撮像画像B4 の一例を示す。このときインターレース走査によるため、前述した場合と同様に奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとではX方向(水平方向)にずれを生ずる。そこで、このような撮像画像B4 に関して、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとで分離して、奇数フィールドの走査列SODD のみによる奇数列画像B4ODD(図8参照)と偶数フィールドの走査列SEVENのみによる偶数列画像B4EVEN (図9参照)とを得る。これらの画像B4ODD,B4EVEN を一旦メモリに格納させた後、Y方向に飛び越し走査したフィールドの走査列分を詰めることにより、Y方向の画像幅が元画像B4ODD,B4EVEN の半分となる圧縮画像B4ODD′ ,B4EVEN′ を生成する(図10,図11参照)。次に、これらの圧縮画像B4ODD′ ,B4EVEN′ について各々重心位置(X方向の座標)を導出する。この場合の重心位置の導出は、圧縮画像B4ODD′ ,B4EVEN′ における各隅部の座標等に基づき重心位置を求めるための所定の演算式によればよい。重心位置が導出されたら、これらの重心位置間の距離(X方向における座標間の差n〔pixel〕 )を導出し、この距離を奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとの間のずれ量として、偶数列画像B4EVEN を左方向に差n〔pixel〕 分だけ移動補正した後、奇数列画像B4ODDと合わせることで、図B4 に示すように補正されたフレーム画像F4 を得る。よって、この補正後のフレーム画像F4 と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像とのマッチングを行って一致・不一致が判断される。撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像F4 がテンプレート画像にマッチングしていれば、認識対象であると判断される。
【0039】
図13はこのような認識処理の手順を示すフローチャートである。まず、撮像画像が入力された場合(ステップS1)、この撮像画像に対して閾値処理を行って撮像画像B4 を得る(S2)。次に、この撮像画像B4 中から偶数フィールドの走査列SEVENの画像を除去することにより奇数列画像B4ODDを得て、この奇数列画像B4ODDをメモリに格納する(S3)。同様に、撮像画像B4 中から奇数フィールドの走査列SODD の画像を除去することにより偶数列画像B4EVEN を得て、この偶数列画像B4EVEN をメモリに格納する(S4)。この後、メモリに格納された奇数列画像B4ODDに関して偶数フィールド部分を除去して上方向に詰めることにより圧縮画像B4ODD′を得る(S5)。同様に、メモリに格納された偶数列画像B4EVEN に関して奇数フィールド部分を除去して上方向に詰めることにより圧縮画像B4EVEN′ を得る(S6)。そして、圧縮画像B4ODD′について重心位置X1 を導出するとともに(S7)、圧縮画像B4EVEN′ について重心位置X2 を導出する(S8)。これらの重心位置X1 ,X2 間の差をn〔pixel〕 として導出し(S9)、偶数列画像B4EVEN をX方向にn画素分移動して、補正された偶数列画像B4EVEN″ を得る(S10)。この後、奇数列画像B4ODDと補正された偶数列画像B4EVEN′ との論理積(AND)を取ることにより、補正されたフレーム画像F4 を得て(S11)、このフレーム画像F4 をパターンマッチング用の認識画像とする。
【0040】
従って、本実施の形態による場合も、フィールド間のずれを補正する上で垂直指示線6を用いないので、製品2自身に垂直指示線6を付しておく必要がなく、製品2に関してデザイン上の拘束を与えることはない。また、前記実施の形態のように最左点等の周囲点をずれ補正に利用する方法では、デジタルノイズや2値化の際の周囲画素の差異による誤差等が懸念されるが、本実施の形態によれば、各フィールド毎に分離された圧縮画像B4ODD′,B4EVEN′ における各々の重心位置の導出に基づくため、誤差があっても平均化されることになり、ノイズの影響の少ない認識処理となる。この際、奇数列画像B4ODDと偶数列画像B4EVEN との各々の重心位置は、静止時に撮像されるそれらの重心位置に一致するという前提の下、製品2が静止状態にあっても移動状態にあっても、予め格納されている静止画像によるテンプレート画像を変形する必要はない。また、本実施の形態によれば、フィールド間のずれの補正の基準をテンプレート画像に置かず、認識対象の撮像画像自身に置くことにより、テンプレートマッチング毎のずれ補正が不要となり、認識処理に要する時間を短縮させることができる。即ち、認識対象自身の特質のみに基づくずれ量の補正であるので、1回だけのずれ量の補正で認識対象として用いることができる。
【0041】
本発明の第四の実施の形態を図14ないし図19に基づいて説明する。本実施の形態の認識方法は、基本的に前記第三の実施の形態に準ずるが、前記第三の実施の形態では製品2が水平方向にみ移動することを前提としてのに対して、本実施の形態では任意の方向の移動を想定しているものである。
【0042】
まず、図14は生産ライン1上を任意方向に移動する製品2をCCDエリアセンサ4により撮像して得られる撮像画像B5 の一例を示す。このときインターレース走査によるため、前述した場合と同様に奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとではX方向(水平方向)及びY方向(垂直方向)にずれを生ずる。そこで、このような撮像画像B5 に関して、奇数フィールドの走査列SODD と偶数フィールドの走査列SEVENとで分離して、奇数フィールドの走査列SODD のみによる奇数列画像B5ODD(図15参照)と偶数フィールドの走査列SEVENのみによる偶数列画像B5EVEN (図16参照)とを得る。これらの画像B5ODD,B5EVEN を一旦メモリに格納させた後、Y方向に飛び越し走査したフィールドの走査列分を詰めることにより、Y方向の画像幅が元画像B5ODD,B5EVEN の半分となる圧縮画像B5ODD′,B5EVEN′ を生成する(図17,図18参照)。次に、これらの圧縮画像B5ODD′,B5EVEN′ について各々重心位置(X方向及びY方向の座標)を導出する。この場合の重心位置の導出も、圧縮画像B5ODD′,B5EVEN′ における各隅部の座標等に基づき重心位置を求めるための所定の演算式によればよい。重心位置が導出されたら、これらの重心位置間のX方向の差p〔pixel〕 及びY方向の差q〔pixel〕 を導出する。これらの差p,qをフィールド間のずれ量として、偶数列画像B5EVEN に関してX方向にp、Y方向にqだけ移動補正した後、奇数列画像B5ODDと合わせることで、図19に示すように補正されたフレーム画像F5 を得る。よって、この補正後のフレーム画像F5 と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像とのマッチングを行って一致・不一致が判断される。撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像F5 がテンプレート画像にマッチングしていれば、認識対象であると判断される。
【0043】
従って、本実施の形態によれば、前記第三の実施の形態の場合と同様な効果が得られるが、その際に、製品2の移動方向が水平方向に限られず、任意方向の移動についてテンプレートマッチングの一致度の高い認識処理となる。
【0044】
本発明の第五の実施の形態を図20ないし図23に基づいて説明する。本実施の形態は、例えば前述した第三の実施の形態による認識方法を前提としており、さらに、認識対象である製品2の移動速度が特に速い場合を想定しているものである。
【0045】
まず、図10,図11等に基づき説明した各フィールド毎の圧縮画像B4ODD′,B4EVEN′ の重心位置間の差n〔pixel〕 から、相対的に、CCDエリアエンセ4におけるフィールド蓄積間の移動速度がわかるもので、通常のTVカメラの如く、NTSC対応であれば、1/60秒間での移動速度がわかる。ここに、撮像時のシャッタ速度が125秒の如く高速で、認識対象となる製品2の移動速度が速い場合には撮像画像自体の移動方向へのぶれないしは伸長が生じ、撮像画像B6 は例えば図20に示すような状態となるため、第三の実施の形態のような補正を行っただけでテンプレート画像とのマッチングを行った場合には一致度が低下してしまう。図20に示す撮像画像B6 なる部品において、フィールド蓄積間隔t秒で移動する移動速度を画素単位でn/t〔pixel/秒〕 として検出し、その時のシャッタ速度T秒での移動距離nT/t〔pixel〕 として導出する。ここに、nの値は第三の実施の形態で説明したように重心位置間の差として導出される。従って、移動速度n/tもnの値を用いているものであり、これらの重心位置間の位置関係に基づき検出される。また、移動距離nT/t〔pixel〕 はX方向の膨張量を示すものとなる。
【0046】
次に、伸長した膨張量分を撮像画像B6 から除去するため、この撮像画像B6 における黒部分を“1”、白なる背景部分を“0”として論理式を用いて補正することで、図21に示すような補正画像B6′ を得る。このような補正画像B6′ に関して、図22に示すような認識対象である製品2の移動方向に依存するフィルタ8によるフィルタリングをかけることで、図23に示すような伸長の末端抽出画像B6″ を得る。撮像画像B6 に対して、このような末端抽出画像B6″ を用いて移動方向に対して逆方向(右側から左側)に移動距離に相当する長さnT/t〔pixel〕 分だけ画素値を0にしていくことで、シャッタ速度T秒での認識対象とすべき撮像画像B6 の膨張分が補正される。このようにして得られた補正後のフレーム画像と静止画像に基づき予め格納されているテンプレート画像とのマッチングを行って一致・不一致が判断される。撮像された画像に基づく補正後のフレーム画像がテンプレート画像にマッチングしていれば、認識対象であると判断される。
【0047】
従って、本実施の形態によれば、基本的に第三の実施の形態の場合と同様な効果が得られるが、加えて、認識対象である製品2が高速で移動して、その移動速度が事前にわからず、撮像画像B6 が全体的にX方向に膨張してしまうような条件下であっても、各フィールド画像間の相対的な距離関係から移動速度を検出して、その膨張量を補正する処理を行って極力静止画像に近付けた状態でテンプレートマッチングに供しているので、移動速度の大きな認識対象に対しても支障なく、一致度の高いテンプレートマッチングを行うことができる。
【0052】
発明の効果
請求項記載の発明によれば、撮像面に対して水平方向に移動する移動体の静止画像をテンプレート画像として予め格納しておき、移動体を撮像手段により撮像したときに奇数フィールドの走査列データと偶数フィールドの走査列データとを分離してメモリに格納した後、各々の走査列データを垂直方向に詰めて元画像に対して垂直方向の画像幅を半分とした圧縮画像を得、各々の圧縮画像における部品の重心位置を検出し、これらの重心位置間の位置関係に基づき移動体の移動速度を検出し、この移動速度に基づき奇数フィールド、偶数フィールド間の撮像時間間隔における各フィールド画像の水平方向の膨張量を検出し、各フィールドの走査列毎に膨張量分だけ水平方向に補正してフレーム画像を得、そのフレーム画像とテンプレート画像とのマッチング判断を行うようにしたので、移動速度の速い移動体の場合でも、一致度の高いテンプレートマッチングを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の認識システムの概要を示す斜視図である。
【図2】製品の一部を示す正面図である。
【図3】撮像画像を示す正面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態を示すテンプレート画像の説明図である。
【図5】撮像画像を示す正面図である。
【図6】異種の認識対象の場合の補正後の撮像画像を示す正面図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態を示す撮像画像の正面図である。
【図8】抽出された奇数列画像を示す正面図である。
【図9】抽出された偶数列画像を示す正面図である。
【図10】奇数列画像に関する圧縮画像を示す正面図である。
【図11】偶数列画像に関する圧縮画像を示す正面図である。
【図12】補正された撮像画像を示す正面図である。
【図13】その処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第四の実施の形態を示す撮像画像の正面図である。
【図15】抽出された奇数列画像を示す正面図である。
【図16】抽出された偶数列画像を示す正面図である。
【図17】奇数列画像に関する圧縮画像を示す正面図である。
【図18】偶数列画像に関する圧縮画像を示す正面図である。
【図19】補正された撮像画像を示す正面図である。
【図20】本発明の第五の実施の形態を示す撮像画像の正面図である。
【図21】その補正画像を示す正面図である。
【図22】フィルタを示す説明図である。
【図23】抽出された末端抽出画像を示す正面図である。
【符号の説明】
2 移動体
4 撮像手段
6 垂直指示線
ODD ,6EVEN 点線像
7 撮像面
B 撮像画像
F フレーム画像
T テンプレート画像
k 距離
m 参照距離
m′ 撮像上距離

Claims (1)

  1. インターレース走査をして認識対象の移動体の撮像画像を入力する撮像手段と、この撮像手段により入力される撮像画像のアナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換手段と、A/D変換された撮像画像のデジタルデータに対して2値化処理を含む画像処理をする画像処理手段とを備え、
    撮像面に対して水平方向に移動する前記移動体の静止画像をテンプレート画像として予め格納しておき、
    前記移動体を前記撮像手段により撮像したときに奇数フィールドの走査列データと偶数フィールドの走査列データとを分離してメモリに格納した後、各々の走査列データを垂直方向に詰めて元画像に対して垂直方向の画像幅を半分とした圧縮画像を得、各々の圧縮画像における部品の重心位置を検出し、これらの重心位置間の位置関係に基づき前記移動体の移動速度を検出し、この移動速度に基づき奇数フィールド、偶数フィールド間の撮像時間間隔における各フィールド画像の水平方向の膨張量を検出し、各フィールドの走査列毎に膨張量分だけ水平方向に補正してフレーム画像を得、そのフレーム画像と前記テンプレート画像とのマッチング判断を行うようにしたことを特徴とする移動体認識方法。
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