JP3657778B2 - 多流体噴射式燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にガスタービンに使用される、燃料と空気及び水蒸気を噴出して燃焼する多流体噴射式燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンに使用される多流体噴射式燃焼器は、ケーシングとも言われる外筒に、ライナとも言われる内筒を同芯状に挿入し、内筒内を燃焼室に、内筒と外筒の間を空気通路にそれぞれ構成している。
【0003】
内筒と外筒の頭部には、燃料を燃焼室に噴出する燃料ノズルを貫通して設け、内筒と外筒の間の空気通路の空気を燃焼室に噴出する空気ノズルを設け、また、燃焼室の燃焼火炎の温度上昇を抑えて排気中の窒素酸化物NOXを低減するた め、水蒸気を噴出する蒸気ノズルを設けている。
【0004】
そして、水蒸気を噴出する位置によって2種類に大別される。その一は、水蒸気噴出位置が内筒と外筒の間の空気通路である。他は、水蒸気噴出位置が燃焼室である。
【0005】
水蒸気を内筒と外筒の間の空気通路に噴出する燃焼器においては、水蒸気が混入して酸素濃度が低下した空気が燃焼室に流入して燃焼に使用されるので、火炎の不安定や排気の悪化の原因になる。また、蒸気ノズルと燃料ノズルは、離れた位置に別々に設けるので、製作費や保守費が安価になり難い。
【0006】
水蒸気を燃焼室に噴出する燃焼器においては、水蒸気が燃焼室の燃焼火炎に直接噴射されるので、少ない水蒸気量で燃焼火炎の温度を低下させることができ る。水蒸気の消費量が少量で済む。また、蒸気ノズルと燃料ノズルは、近接した位置に設けるので、一体構造にすることができる。製作費や保守費が安価にな る。
【0007】
また、水蒸気を燃焼室に噴出する燃焼器は、水蒸気噴出位置と燃焼噴出位置の相対位置によって2種類に分類される。その一は、水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の中心である。他は、水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の外回りである。
【0008】
水蒸気を燃焼火炎の中心に直接噴出する前者の燃焼器の方が、後者の燃焼器より、燃焼火炎の温度を所定温度に低下させる水蒸気量が少ない。水蒸気の消費量が少量で済む。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、水蒸気は、蒸気ボイラから供給されて燃焼器内に噴出するまでに冷却され、過飽和の水分が凝縮して水滴を含むことがある。燃焼器において、凝縮水の水滴が含まれる水蒸気が噴出されることがある。
【0010】
また、蒸気ボイラから燃焼器に供給される水蒸気の量が変動することがある。燃焼器において、水蒸気の噴出量が変動することがある。
【0011】
水蒸気を燃焼室に噴出する燃焼器において、燃焼室の燃料と空気及び水蒸気の混合気に凝縮水の水滴が含まれると、その水滴は、寸法と分散が均一にはならないので、燃料の分散が不均一になって、燃焼効率が悪化したり、水滴が燃焼火炎によって急激に蒸発して燃焼火炎が不安定になったり、消えたりすることがあ る。また、燃焼室に噴出する水蒸気の量が変動すると、燃料の分散が不均一になって、燃焼効率が悪化したり、燃焼火炎が不安定になったり、消えたりすることがある。
【0012】
水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の中心である燃焼器の方が、水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の外回りである燃焼器より、水蒸気中の水滴や水蒸気噴出量の変動による影響が大きい。燃焼効率の悪化、燃焼火炎の不安定化や消炎が発生し易 い。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外筒に内筒を挿入して、内筒内を燃焼室に、内筒と外筒の間を空気通路にそれぞれ構成し、空気通路から燃焼室に燃焼用空気を流入させる空気流入口を設け、
燃料通路と蒸気通路をそれぞれ形成した多流体噴射ノズルを設け、多流体噴射ノズルの先端に形成した燃料噴射口を燃焼室に開口し、
蒸気通路と空気通路を接続した円環形状の混合室を設け、混合室において、蒸気通路から流入する水蒸気が空気通路から流入する空気と混合して旋回し、水蒸気は飽和度が低下して水蒸気中の水滴が蒸発し、また、水蒸気中の水滴が旋回による遠心力で混合室の外周面や端面に付着して蒸発し、水蒸気中の水滴が消滅または減少する構成にし、
混合室に形成した混合気噴射口を燃焼室に開口して燃料噴射口の外回りに配置し、混合気噴射口から噴出する水蒸気と空気の混合気が燃料噴射口から噴出する燃料の根本部に衝突する構成にし、
混合気噴射口の外回りに燃焼室より小径の周壁を設けて周壁内を、混合気噴射口から噴出する水蒸気と空気の混合気と燃料噴射口から噴出する燃料とが衝突して混合する衝突空間にし、衝突空間から流出する水蒸気、空気と燃料の混合気が燃焼室で空気流入口から流入する燃焼用空気と混合して燃焼する構成にした。
【0014】
【発明の効果】
水蒸気は、燃料噴射口から噴出する燃料と混合する前に、円環形状の混合室に流入して空気通路から流入する空気と混合して旋回する。混合室に流入する水蒸気に、凝縮水の水滴が含まれていても、その水蒸気は、混合室に流入し、空気通路から混合室に流入する空気と混合して飽和度が低下し、水蒸気中の水滴が蒸発する。また、水蒸気中の水滴が旋回による遠心力で混合室の外周面や端面に付着して蒸発する。水蒸気中の水滴は、消滅または減少する。
【0015】
また、多流体噴射ノズルの蒸気通路に供給される水蒸気の量が変動しても、その水蒸気は、混合室に流入し、空気通路から流入する空気と混合して旋回すると、変動が緩和される。混合気噴射口から噴出する混合気中の水蒸気量は、水蒸気の供給量程には変動しない。
【0016】
更に、水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の外回りであるので、水蒸気中の水滴や水蒸気噴出量の変動による影響が小さい。
【0017】
従って、排気中の窒素酸化物NOXを低減する水蒸気に起因する燃焼効率の悪化、燃焼火炎の不安定化や消炎が発生し難い。
【0018】
【発明の実施の形態】
参照例と実施形態例について説明する。
<第1例、参照例(図1〜図6参照)>
[構 成]
本例の多流体噴射式燃焼器は、図1と図5に示すように、ケーシングの円形断面の外筒1にライナの円形断面の内筒2を同芯状に挿入し、外筒1と内筒2の頭部を円環形状の取付部材3で固定している。内筒2内は、燃焼室4に構成している。燃焼室4は、図5に示すように、内筒2の頭部側の小径の室と、これに同芯状に接続した大径の室の2室からなる。外筒1と内筒2の間は、空気通路5に構成している。
【0019】
外筒1と内筒2の頭部及び取付部材3には、多流体噴射ノズル6を同芯状に貫通して複数のボルト7で取外可能に取り付けている。多流体噴射ノズル6は、洗浄や交換の際、取外が容易である。
【0020】
多流体噴射ノズル6は、図1に示すように、円形断面の細長い第1燃料通路 11と中空円盤形状の第2燃料通路12を同芯状に設け、第1燃料通路11の先端を第2燃料通路12の中心部に接続している。
【0021】
第1燃料通路11は、図1に示すように、基端に燃料供給口13を同芯状に設けている。第2燃料通路12は、図1と図2に示すように、先端壁と外周壁の間の円錐筒形状の面取り壁に多数の円形断面の燃料噴射口14を周方向等間隔位置に貫通している。各燃料噴射口14は、その貫通位置の面取り壁と直交する方向に開口している。
【0022】
即ち、多流体噴射ノズル6は、先端に多数の燃料噴射口14を円上に等間隔に配列して形成し、各燃料噴射口14を燃焼室4に開口している。
【0023】
第1燃料通路11の外回り位置には、図1に示すように、円輪断面の細長い蒸気通路15を同芯状に設けている。蒸気通路15は、基端の外周壁に蒸気供給口16を径方向に設け、先端の外周壁に複数の蒸気流出口17を周方向等間隔位置に貫通している。各蒸気流出口17は、図3に示すように、その貫通位置の外周壁内面の接線方向に開口している。
【0024】
多流体噴射ノズル6の外周面と取付部材3の内周面の間には、図1に示すように、円環形状の空間18を設けている。即ち、蒸気通路15の先端の外回り位置には、円環形状の混合室18を同芯状に設けている。
【0025】
混合室18は、内周中央に各蒸気流出口17を接続し、外周壁の先端側に複数の空気流入口19を周方向等間隔位置に貫通している。各空気流入口19は、図4に示すように、その貫通位置の外周壁内面の接線方向に開口している。
【0026】
空気通路5の空気を混合室18に流入させる空気流入口19は、総断面積が、水蒸気を混合室18に流入させる蒸気流出口17と同等またはそれより少ない。水蒸気と空気の混合気が旋回して流れる混合室18は、断面積が、空気流入口 19の総断面積と蒸気流出口17の総断面積の和と同等またはそれより少ない。
【0027】
また、混合室18は、図1と図2に示すように、先端壁の内周側に円輪断面の混合気噴射口20を同芯状に貫通している。混合気噴射口20は、これと同芯の円上に配列した燃料噴射口14に近接してその外回りで基端側に配置している。
【0028】
燃料供給装置は、図5に示すように、都市ガスの配管41をガスコンプレッサ42、電磁開閉弁43、電磁開閉弁44と流量制御弁45を経て多流体噴射ノズル6の燃料供給口13に接続している。電磁開閉弁43と電磁開閉弁44の間のガス通路は、ガスパージ用に電磁開閉弁46を経て大気に開放している。
【0029】
蒸気供給装置は、図5に示すように、蒸気ボイラ51を減圧弁52、開閉弁 53、固定絞り54、電磁開閉弁55と逆止弁56を経て多流体噴射ノズル6の蒸気供給口16に接続している。開閉弁53と固定絞り54の間の蒸気通路は、ドレーン排出用に電磁開閉弁57を経て大気に開放している。
【0030】
燃焼室4は、図5に示すように、上流端に点火プラグ61を突出し、下流端をガスタービン62のガス流入口に接続している。空気通路5には、ガスタービン62と連結した空気圧縮機63の空気出口を接続している。本例の多流体噴射式燃焼器は、ガスタービンプラントに使用されている。
【0031】
[作 用]
本例の多流体噴射式燃焼器を作動する場合、ガスコンプレッサ42を起動し、13Aと呼ばれる都市ガスを9気圧程度に昇圧させる。ガスタービン62は、スタータモータで起動する。空気圧縮機63も回転駆動される。点火プラグ61 は、通電する。電磁開閉弁43と電磁開閉弁44は、開放する。
【0032】
すると、都市ガスのガス燃料は、流量制御弁45で設定された流量で多流体噴射ノズル6に供給され、燃料噴射口14から燃焼室4に噴出する。また、空気通路5の空気は、混合室18を経て混合気噴射口20から燃焼室4に噴出する。燃焼室4に形成される燃料と空気の混合気は、点火プラグ61によって着火して拡散燃焼または予混合燃焼する。
【0033】
一方、蒸気ボイラ51を起動し、圧力が10気圧程度で温度が180℃位の水蒸気を発生させる。開閉弁53と電磁開閉弁57は、開放する。ドレーンを排出すると共に、蒸気通路を昇温する。ガスタービン62が所定の回転速度に達したところで、電磁開閉弁57を閉鎖して電磁開閉弁55を開放する。
【0034】
すると、水蒸気は、減圧弁52で設定された圧力と固定絞り54で設定された流量で多流体噴射ノズル6に供給され、混合室18を経て混合気噴射口20から燃焼室4に噴出する。
【0035】
多流体噴射ノズル6に供給されたガス燃料は、第1燃料通路11の先端でジェットになって第2燃料通路12の先端壁に衝突し、第2燃料通路12を径方向に流れ、燃料噴射口14から先広の円錐筒形状に噴出する。第2燃料通路2の先端壁は、外面が燃焼室4の燃焼火炎で加熱されるが、内面に60℃位の温度のガス燃料が衝突することにより冷却される。
【0036】
空気通路5の空気は、燃焼室4の熱で加熱されて温度が300℃位になり、空気流入口19から混合室18に流入し、混合室18を旋回して流れる。混合室 18を構成する取付部材3は、燃焼室4の熱で加熱され、混合室18の外周面と先端側端面の温度が300〜400℃位になる。
【0037】
多流体噴射ノズル6に供給された水蒸気は、蒸気通路15を通過中に冷却されるが、60℃位の温度のガス燃料が流れる第1燃料通路11の外回りを流れることにより温度低下が抑制される。
【0038】
蒸気通路15を流れる水蒸気は、蒸気流出口17から混合室18に流入し、混合室18を旋回して流れる。混合室18での水蒸気の旋回は、混合室18での空気の旋回と同方向である。混合室18は、水蒸気と空気が流入して混合する。
【0039】
蒸気ボイラ51で発生した水蒸気は、供給配管の途中で冷却され、多流体噴射ノズル6の蒸気通路15に流入するときには温度が150℃位に低下し、凝縮水の水滴を含むことがある。
【0040】
混合室18に流入する水蒸気に凝縮水の水滴が含まれていても、その水蒸気 は、空気通路5から混合室18に流入する300℃位の温度の空気と混合して飽和度が低下することにより、水蒸気中の水滴が蒸発して消滅または減少する。また、水蒸気中の水滴が水蒸気と空気の混合気の旋回による遠心力で混合室18の300〜400℃位の温度の外周面や先端側端面に付着して蒸発する。
【0041】
従って、混合気噴射口20から噴出する水蒸気と空気の混合気は、水滴を含まない、または、ほとんど含まない。
【0042】
また、蒸気ボイラ51から多流体噴射ノズル6に供給される水蒸気は、供給量が変動することがある。水蒸気の供給量が変動しても、水蒸気は、混合室18に流入し、空気通路5から流入する空気と混合することにより、その変動が緩和される。混合気噴射口20から噴出する混合気中の水蒸気量は、水蒸気の供給量程には変動しない。
【0043】
混合室18を旋回する水蒸気と空気の混合気は、混合気噴射口20から円筒形状に噴出し、これと同芯状に燃料噴射口14から先広円錐筒形状に噴出する燃料の根本部の外周面に衝突して、燃料と混合する。水蒸気と空気の混合気は、燃焼火炎の周囲に噴出する。
【0044】
水蒸気中の水滴や水蒸気供給量の変動に起因する燃焼効率の悪化、燃焼火炎の不安定化や消炎が発生し難い。燃焼火炎の温度上昇が抑えられて窒素酸化物 NOXの発生が抑制される。
【0045】
[実 験]
本例の多流体噴射式燃焼器において、水蒸気を噴出しないときの排気の窒素酸化物NOX濃度に対して水蒸気を噴出したときの排気の窒素酸化物NOX濃度が低減した割合を示す低減率と、理論空燃比に対する実際の空燃比の割合を示す運転当量比の関係を求めた。
【0046】
ガス燃料の供給流量に対する水蒸気の供給流量の重量割合が0.6程度であると、図6に実線で示すように、運転当量比が0.28程度になる定格運転時に は、窒素酸化物NOX濃度低減率が半分近くになる。ガス燃料の供給流量に対する水蒸気の供給流量の重量割合を1以下にすることにより、排気の窒素酸化物 NOX濃度が十分に低い燃焼を実現することができる。
【0047】
比較のため、本例の多流体噴射式燃焼器において、多流体噴射ノズル6の蒸気供給口16にガス燃料を、燃料供給口13に水蒸気をそれぞれ供給し、水蒸気を燃焼火炎の中心に噴出し、排気の窒素酸化物NOX濃度低減率と運転当量比の関係を同様にして求めた。
【0048】
すると、図6に破線で示すように、排気の窒素酸化物NOX濃度が非常に低くなるが、水蒸気に水滴が含まれると、特に局部に溜った凝縮水が塊になって噴出されると、直ちに燃焼火炎が吹き消える。実用化が困難である。
【0049】
水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の中心である場合は、水蒸気噴出位置が燃焼噴出位置の外回りである場合より、水蒸気中の水滴や水蒸気噴出量の変動による影響が大きい。
【0050】
<第2例、実施形態例(図7〜図9参照)>
本例の多流体噴射式燃焼器は、第1例のそれを改良したものである。
【0051】
蒸気流出口17は、図7と図8に示すように、数が多く、開口方向が蒸気通路15や混合室18の径方向である。空気流入口19は、図7と図9に示すよう に、数が多い。
【0052】
燃焼室4は、1室からなる。取付部材3と内筒2の間には、図7に示すよう に、円輪形状の気流旋回器付きの空気流入口71を設け、空気通路5の空気を旋回して燃焼室4の上流端に流入する構成にしている。
【0053】
混合気噴射口20の外回りには、図7に示すように、燃焼室4より小径の周壁72を設けている。周壁72内は、混合気噴射口20から噴出する水蒸気と空気の混合気と燃料噴射口14から噴出する燃料とが衝突して混合する衝突空間73にしている。衝突空間73から流出する水蒸気、空気と燃料の混合気は、燃焼室4で空気流入口71から流入する燃焼用空気と混合して燃焼する。
その他の点は、第1例におけるのとほぼ同様である。
【0054】
<第3例、参照例(図10と図11参照)>
本例の多流体噴射式燃焼器は、燃料に、第1例と第2例におけるガス燃料に代えて、液体燃料を使用するものである。
【0055】
多流体噴射ノズル6は、図10に示すように、円形断面の燃料通路11を同芯状に設け、燃料通路11の基端に燃料供給口13を設け、燃料通路11の先端に燃料噴射口を燃焼室4に開口して設けている。燃焼室4は、1室からなる。燃料通路11に供給された液体燃料は、燃料噴射口から燃焼室4に噴出する。
【0056】
燃料通路11の外回り位置には、図10に示すように、円輪断面の蒸気通路 15を同芯状に設け、蒸気通路15の基端に蒸気供給口16を設けている。ま た、燃料通路11の外回り位置には、円環形状の混合室18を同芯状に設け、混合室18の後端に蒸気通路15の先端の蒸気流出口を接続している。蒸気通路 15に供給された水蒸気は、混合室18に流入する。
【0057】
混合室18は、外周壁に複数の空気流入口19を周方向等間隔位置に貫通している。各空気流入口19は、図11に示すように、その貫通位置の外周壁内面の接線方向に開口している。
【0058】
また、混合室18は、図10に示すように、先端側に円環形状の気流旋回器 81を同芯状に設け、先端に円輪断面の混合気噴射口20を燃焼室4に開口して同芯状に設けている。混合気噴射口20は、これと同芯の燃料噴射口に近接してその外回りに配置している。
【0059】
多流体噴射ノズル6の外周面と取付部材3の内周面の間には、図10と図11に示すように、円環形状の空間82を設け、取付部材3の内周面と外周面の間に空気流入通路83を周方向等間隔位置に径方向に貫通している。空気通路5の空気は、空気流入通路83、空間82と空気流入口19を経て混合室18に流入して旋回する。
【0060】
混合室18に流入した水蒸気と空気は、混合して旋回し、気流旋回器81を通過して旋回速度を高め、混合気噴射口20から旋回しつつ噴出し、水蒸気と空気の旋回混合気の中心部に燃料噴射口から液体燃料が噴出し、この液体燃料に水蒸気と空気の混合気が衝突し、液体燃料が微粒化されて水蒸気と空気の混合気と混合する。
【0061】
液体燃料の微粒子と空気及び水蒸気の混合気は、先広円錐筒形状に噴出し、点火プラグ61によって着火して燃焼する。
【0062】
その他の点は、第1例におけるのとほぼ同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1例、参照例の多流体噴射式燃焼器の頭部の縦断側面図。
【図2】 図1のA−A線矢視図。
【図3】 図1のB−B線端面図。
【図4】 図1のC−C線端面図。
【図5】 同多流体噴射式燃焼器を使用したガスタービンプラントの概略図。
【図6】 同多流体噴射式燃焼器におけるNOX濃度低減率と運転当量比の関係を示す線図。
【図7】 第2例、実施形態例の多流体噴射式燃焼器の頭部の縦断側面図。
【図8】 図7のD−D線端面図。
【図9】 図7のE−E線端面図。
【図10】 第3例、参照例の多流体噴射式燃焼器の頭部の縦断側面図。
【図11】 図10のF−F線端面図。
【符号の説明】
1 外筒
2 内筒
4 燃焼室
5 空気通路
6 多流体噴射ノズル
11,12 燃料通路
14 燃料噴射口
15 蒸気通路
18 混合室
20 混合気噴射口
71 空気旋回器付きの空気流入口
72 周壁
73 衝突空間
Claims (1)
- 外筒に内筒を挿入して、内筒内を燃焼室に、内筒と外筒の間を空気通路にそれぞれ構成し、空気通路から燃焼室に燃焼用空気を流入させる空気流入口を設け、
燃料通路と蒸気通路をそれぞれ形成した多流体噴射ノズルを設け、多流体噴射ノズルの先端に形成した燃料噴射口を燃焼室に開口し、
蒸気通路と空気通路を接続した円環形状の混合室を設け、混合室において、蒸気通路から流入する水蒸気が空気通路から流入する空気と混合して旋回し、水蒸気は飽和度が低下して水蒸気中の水滴が蒸発し、また、水蒸気中の水滴が旋回による遠心力で混合室の外周面や端面に付着して蒸発し、水蒸気中の水滴が消滅または減少する構成にし、
混合室に形成した混合気噴射口を燃焼室に開口して燃料噴射口の外回りに配置し、混合気噴射口から噴出する水蒸気と空気の混合気が燃料噴射口から噴出する燃料の根本部に衝突する構成にし、
混合気噴射口の外回りに燃焼室より小径の周壁を設けて周壁内を、混合気噴射口から噴出する水蒸気と空気の混合気と燃料噴射口から噴出する燃料とが衝突して混合する衝突空間にし、衝突空間から流出する水蒸気、空気と燃料の混合気が燃焼室で空気流入口から流入する燃焼用空気と混合して燃焼する構成にしたことを特徴とする多流体噴射式燃焼器。
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1998
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