JP3657489B2 - 気中開閉器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、気中開閉器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の気中開閉器として、例えば特開平10−33475号公報に示されたものがある。図4は、このような従来の気中開閉器を示す断面図である。図4において、69は金属製の開閉器ケース、70、71は複数のブッシングであり、開閉器ケース69を貫通するとともに開閉器ケース69に支持されている。
【0003】
72は固定接触子であり、一方のブッシング70の内端部に固定支持されている。73は回動可能な可動接触子であり、他方のブッシング71の内端部に回動可能に支持され固定接触子72に接離可能にされている。
【0004】
74は絶縁材料で形成された細隙形の消弧室部であり、固定接触子を収容する固定接触子収容部74a、可動接点73の移動軌跡に沿って細隙を形成する細隙部74b及び上端部に形成された挿入口部74cを有する。そして、固定接触子収容部74a、細隙部74b及び挿入口部74cの内部が消弧室74dとなっている。消弧室部74は、ブッシング70に支持されている。可動接触子73は、挿入口部74cを介して細隙部74b内に挿入可能にされ、固定接触子72と接離する。
【0005】
このような気中開閉器において、可動接触子73が固定接触子72から開離する方向へ回動される際、固定接触子72と可動接触子73の先端との間にはアークAが発生する。このアークAは、消弧室部74内(消弧室74d)に閉じ込められ密度の高い状態となる。また、細隙部74bの内壁がアークAの熱によって分解し消弧性ガスが発生する。
【0006】
このため、消弧室部74内、特に細隙部74b内のアークガスの密度すなわち圧力が非常に大きくなる。従って、可動接触子73が回動して消弧室部74の挿入口部74cから離脱する位置まで開離したとき、挿入口部74cからホットガスが勢いよく吹き出す。アークAは、細隙部74bの細隙効果にて冷却されるとともに挿入口部74cから勢いよく吹き出すホットガスにより吹き飛ばされ消弧される。
【0007】
ところが、ホットガスが吹出す方向にアース電位のもの(この従来例では金属製の開閉器ケース69)があると、十分絶縁回復していないホットガスが触れて地絡を生じる場合がある。この地絡を防ぐためには、アース電位のものの前に絶縁性の隔壁(バリア)を取付ける構造にするか、ホットガスの吹出す方向の離隔距離を十分に取る必要があり、いずれの場合も開閉器ケース69を大きくする必要がある。
【0008】
そこで、消弧室部から勢いよくホットガスが吹き出し地絡するのを防止するために提案されたものとして、例えば特開昭52−142271号公報に示されたようなものがある。図5は、このような気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。
【0009】
図5において、細隙部74bの途中にガス排出通路部75が分岐して設けられている。従って、電流遮断時に発生したアークBによるホットガスは挿入口部74cとガス排出通路部75との2つに分かれて吹出すことになる。
【0010】
ガス排出通路部75の存在により、遮断途中においてアークBがガス排出通路部75近傍において図5において点線Bで示すようにガス排出通路部75側に引き延ばされ、冷却され消弧される。また、可動接触子73の挿入口部74cから吹き出すホットガスの勢いが緩和される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示すような改良された従来の気中開閉器においても、遮断する電流が7.2kV、600Aクラスになると限界があり、二手に分かれたホットガスのうち、よりアース電位に近い方から開閉器ケースへ地絡する場合があることが実験で確かめられている。従って、開閉器ケースを小さくするには、やはり限界があった。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、小形化できる気中開閉器を得ることを目的としている。さらに、遮断時の再起電圧が厳しい変圧器の励磁電流等誘導性の小電流遮断性能にも優れた気中開閉器を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の気中開閉器においては、収容ケース内に収容された第一の接触子、開口部を有し第一の接触子を取り囲む絶縁材料製の消弧室部、収容ケース内に回動可能に設けられ開口部を介して消弧室部内に挿脱され第一の接触子と接離する第二の接触子、及び消弧室部内に連通し消弧室部内の圧力が上昇するとき消弧室部内からガスが流入するともに消弧室部内の圧力が下降するとき消弧室部内へガスが流出することにより消弧室の圧力の上昇速度及び下降速度を緩和する緩衝室を形成する緩衝室部を設けたものである。
遮断時のアークによりホットガスが発生し消弧室部内の圧力が上昇するが、ホットガスが緩衝室に移動することにより消弧室部内の圧力上昇が緩和される。また、緩衝室に移動し蓄積されたホットガスは、細隙部内の圧力が緩衝室の圧力よりも低くなったとき細隙部内へ戻り挿入口部から放出される。このため、消弧室部及び緩衝室部からホットガスが急激に吹出すのを抑制でき、開閉器ケースへの地絡を防止できる。
【0014】
そして、緩衝室部は、緩衝室と外部とを連通する貫通孔部が所定位置に設けられるとともに緩衝室の圧力上昇により動作して貫通孔部を閉塞する閉塞手段が設けられたものであることを特徴とする。
大きい電流のアークはエネルギーが大きいので消弧室部及びこれに連通する緩衝室内の圧力の上昇が大きくなる。このため、閉塞手段が動作して貫通孔部を閉塞するので緩衝室による緩衝作用が有効に働いて電流を効果的に遮断できる。また、小さい電流のアークはエネルギーが小さいので緩衝室内の圧力はさほど上昇しない。従って、閉塞手段が動作しないので貫通孔部は閉塞されず、圧力緩衝作用が小さくなるため、小さい電流も有効に遮断することができると考えられる。
【0015】
さらに、緩衝室部は、連通通路部と、この連通通路部を介して消弧室部内と連通する圧力緩和室が形成された圧力緩和室部とを有するものであることを特徴とする。
連通通路部の流路断面積を適当に選び消弧室部内と圧力緩和室部との間における連通通路部の絞り効果を調整することにより、緩衝部室の緩衝作用を制御できる。
【0016】
また、圧力緩和室部は、消弧室部とは別の材料で形成されたものであることを特徴とする。
圧力緩和室部を別の材料で形成するようにすれば、圧力緩和室の材料を任意に選択することができ、例えば消弧室部よりも安価な材料を選択すればそれだけ安価になる。
【0017】
そして、緩衝室部は、消弧室部と同じ材料を用いて消弧室部と一体に形成されたものであることを特徴とする。
消弧室部と同じ材料で一体に緩衝室部を形成することにより、部品数を削減し組立工数を低減できる。
【0018】
さらに、緩衝室部は、緩衝室内に強磁性材料製のアークガイドが設けられたものであることを特徴とする。
アークガイドが中間電極として働き、遮断時に発生するアークはこのアークガイドにより分断されアーク抵抗が大きくなるので、遮断が容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の一形態である気中開閉器の断面図である。図1において、1は開閉器ケースであり、鋼板で箱型に形成され、アース電位とされている。2、3はブッシングであり、三相分が開閉器ケース1の側壁をそれぞれ対向するようにして貫通し、支持されている。4、5は通電用スタッドであり、上記ブッシング2、3に貫通され固定支持されている。
【0020】
6は固定接触子側通電板であり、通電用スタッド5に取付けねじ7により取付け固定されている。8は可動接触子側通電板であり、他方の通電用スタッド4に取付けねじ9により取付け固定されている。10は固定接触子であり、固定接触子側通電板6に取付けねじ11により取付けられている。12は可動接触子であり、可動接触子側通電板8に支持ねじ13により回動可能なように支持され、固定接触子10と接離する。
【0021】
14は、消弧室部であり、固定接触子10を取り囲む固定接触子収容部14a、可動接点12の移動軌跡に沿って細隙を形成する細隙部14b及び挿入口部14cを有する。固定接触子収容部14aと細隙部14bとは連通し、細隙部14bの端部に挿入口部14cが設けられている。そして、固定接触子収容部14a、細隙部14b及び挿入口部14cの内部が消弧室14dとなっている。
【0022】
消弧室部14は、固定接触子側通電板6に取付けねじ(図示省略)により取付けられ耐アーク性に優れた樹脂、例えばポリアセタール樹脂にて一体成形されている。可動接触子12は、挿入口部14cを介して細隙部14b内に挿入可能にされ、固定接触子10と接離する。
【0023】
21はガス出入通路21aを有するガス出入通路部、22は圧力緩和室としてのバッファ室22aを有するバッファ室部22である。ガス出入通路部21は、細隙部14bから分岐して可動接触子12の先端部が回動する回動軌跡よりも外側(図1の右下側)に設けられている。ガス出入通路21aは、断面が縦長の矩形であり、その断面積は細隙部14bより若干小さくかつ後述するバッファ室22aの断面積の約10の1程度にされている。
【0024】
バッファ室部22は、ゴムにて先端部が閉ざされた円筒形に形成されている。このゴムは、消弧室部14を形成するポリアセタール樹脂よりも安価な材料であって若干弾性変形するものを選定している。円筒形のバッファ室22aの大きさは約200ccである。
【0025】
バッファ室部22は、ガス出入通路部21の円筒形に形成された外周部21bに若干弾性変形して気密に嵌合され、細隙部14b内に連通している。上記ガス出入通路部21を通って、細隙部14bとバッファ室部22との間をガスが行き来する。このとき、ガス出入通路部21の絞り作用によりガスの流通速度が適切に制御される。なお、ガス出入通路部21とバッファ室部22にてこの発明の緩衝室部24を構成し、ガス出入通路21a及びバッファ室22aにて緩衝室24aを構成している。
【0026】
25は強磁性鋼板製のアークガイドであり、ガス出入通路部21のガス出入通路21aを形成する壁面の内側に図1の紙面に垂直な方向に対向するようにして2枚設けられている。
【0027】
次に動作について説明する。通常の負荷電流200〜600Aの範囲の電流を遮断する場合、可動接触子12が固定接触子10から開離するときに可動接触子12の先端部と固定接触子10との間でアークCが発生する。発生したアークCにより消弧室部14内の圧力が上昇するが、ガス通路部21を通ってバッファ室部22内にガスが移動することにより消弧室部14内の圧力上昇が緩和される。
【0028】
なお、一旦バッファ室22aに入り込んだガスは、可動接触子12が消弧室部14の挿入口部14cから抜け出た後、細隙部14b内の圧力がバッファ室22aの圧力よりも低くなったとき、ガス出入通路部21を通過して細隙部14b内に戻り挿入口部14cから放出され、消弧室部14内は通常の圧力に戻る。上記バッファ室22aにガスが流入するとき及びバッファ室22aから細隙部14bに戻るとき、ガス出入通路部21が絞り装置として働く。
【0029】
ここで、上記図1の実施の形態におけるバッファ室22aの容積が50、100、200、300、500、1000ccのバッファ室部22を用意し、これらを順次取り換えて行った遮断性能の評価試験について説明する。
【0030】
なお、供試気中開閉器は、定格電圧(交流)7.2kV、定格電流600A、固定接触子収容部14aの容積約20cc、細隙部14bの容積約6cc、ガス通路部21の容積約2ccである。すなわち、消弧室14dの容積は16ccであり、緩衝室24aの容積はガス通路部21の容積2ccに上記各バッファ室部22の容積を加えたものになる。
【0031】
評価は、挿入口部14cからのガスの吹き出し距離を高速度カメラにて撮影するとともに遮断時間を測定した。結果は次の通りであった。効果の有無は、バッファ室22aがないとき(容積が零)の挿入口部14cからのガスの吹き出し距離を基準に効果の有無を比較した。
【0032】
なお、バッファ室22aの容積が零のとき、緩衝室24aとしてはガス通路部21の容積2ccがあるが、消弧室14dの容積26ccに比し小さいので、影響は少ないと考えられる。また、バッファ室部22はゴム製ではあるが、アーク発生時の消弧室部14内の圧力上昇では殆ど膨張しないので、緩衝室24aの容積はほぼ一定と考えることができる。
【0033】
遮断電流が200Aのとき、
バッファ室22aの容積が 50ccのとき、効果なし。
バッファ室22aの容積が100ccのとき、若干効果あり。
バッファ室22aの容積が200ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が300ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が500ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が1000ccのとき、効果あり。
【0034】
遮断電流が600Aのとき、
バッファ室22aの容積が 50ccのとき、効果なし。
バッファ室22aの容積が100ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が200ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が300ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が500ccのとき、効果あり。
バッファ室22aの容積が1000ccのとき、効果あり。
【0035】
ところで、バッファ室22aの容積が500ccを超えても緩衝効果はあるが、バッファ室22aの容積をあまり大きくするとバッファ室部22の大きさはもちろんのこと開閉器ケース1も大きくなるので、本願発明の小形化できるという効果が減殺される。さらに、ホットガスの細隙部14b内における圧力が低下し過ぎてアークの冷却、吹出し効果が減殺され好ましくない。
【0036】
また、バッファ室部22が大きくなると、高価な絶縁材料例えば耐アーク性に優れた樹脂であるポリアセタール樹脂の使用量が増え、高価になる。これら諸要素を勘案すると、6.6kVクラスの気中開閉器の場合、バッファ室22aの容積の上限は500cc程度とするのが、適当である。
【0037】
また、バッファ室22aの容積がおよそ100ccよりも小さいと圧力緩和効果が小さくなり、特に大電流の遮断時に挿入口部14cからのホットガスの吹出しが多くなって地絡防止の点で厳しくなる。従って、緩衝室24aの容積は、100〜500cc程度にするのが適当である。
【0038】
以上のように、緩衝室24aの容積を適切に、具体的にはおよそ100〜500ccに選び適度に消弧室部14内のアークによる圧力上昇を緩和して可動接触子12が挿入口部14cから抜け出るときに挿入口部14cから可動接触子12の開離方向へアークにより加熱された空気であるホットガスが急激に吹出すのを抑制する。また、緩衝室24aに流入したホットガスを直ちに外部へ放出しないで細隙部14bに戻すことにより、ホットガスを外部へ急激に放出しないようにしている。これらにより、アース電位である開閉器ケース1への地絡を防止することができる。
【0039】
従って、ホットガスの吹き出す方向の離隔距離、すなわち開閉器ケース1と挿入口部14cとの離隔距離を小さくできるので、開閉器ケース1、ひいては気中開閉器を小形化できる。
【0040】
もちろん、開路状態においては可動接触子が消弧室部14から完全に離脱した状態になるので、消弧室部14、特に細隙部14bの内面がアークにより汚損されても、固定接触子10と可動接触子12間の耐電圧が低下するおそれはない。
【0041】
このバッファ室部22は、先端部が閉ざされ消弧室部14以外とは連通していないので、開閉器ケース1内に直接ホットガスを放出することはなく、また消弧室部14内のホットガスの圧力を極端に低下させることはない。従って、バッファ室部22に蓄積された圧力を可動接触子12が挿入口部14cから抜け出た後に放出することにより挿入口部14c近傍のホットガスに乱流を起させ適度に拡散させて遮断性能を安定化させる作用効果がある。
【0042】
また、バッファ室部22は圧力緩和効果をもたらすことが目的であり、直接高温のアークに触れることはないので、例えば上記のようにゴム系等の安価な材料で形成することが可能である。さらに、消弧室部14の大きさを小さくできるので、ポリアセタール樹脂などの高価な耐アーク性樹脂の使用量を低減できる。もちろん、バッファ室部22の材料としてプラスチック系等の材料を使用することもできる。このように、バッファ室部22を消弧室部14とは別の材料を使用しうるように別体にすれば、バッファ室部22の材料を任意に選択することができる。
【0043】
なお、アークガイド25が中間電極として働き、固定接触子10と可動接触子12間で発生したアークCはこのアークガイド25を介して両接触子間に飛ぶ状態に移行する。すなわち、アークはアークガイド25により分断されアークの抵抗が大きくなる。また、細隙部14bの細隙効果によって冷却される。さらに、細隙部14bを形成する樹脂の一部がアークの熱によって分解してホットガスが発生する。これらにより、アークは可動接触子12が消弧室部14の挿入口部14cから抜け出た時点で遮断される。なお、実験の結果、アークガイド25が1枚の場合でも、ほぼ同様な効果が得られた。
【0044】
なお、バッファ室部22をアークによる消弧室の圧力上昇により弾性変形してその容積が拡大する弾性ゴム製とすれば、弾性ゴムの弾性変形によるバッファ室の容積の膨張収縮が圧力緩衝作用を助けるので、バッファ室部22の容積を小さくすることができ、一層小型化を図ることができる。
【0045】
実施の形態2.
図2は、この発明の他の実施の形態である気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。図2において、31はガス出入通路31aを有するガス出入通路部、32は圧力緩和室としてのバッファ室32aを有するバッファ室部である。ガス出入通路部31とバッファ室部32にてこの発明の緩衝室部34を構成し、ガス出入通路31a及びバッファ室32aにて緩衝室34aを構成している。なお、ガス出入通路部31及びバッファ室部32は、消弧室部14と同じ材料で消弧室部14と一体に形成されている。
【0046】
ガス出入通路部31は、可動接触子12の先端部が移動する移動軌跡よりも外側にあって、そのガス出入通路31aはその断面が縦長の矩形である。このガス出入通路31aを介してバッファ室32aが細隙部14bの内部と連通しており、ガスはガス出入通路31aを通って細隙部14bとバッファ室32aとの間を行き来する。このとき、ガス出入通路部31はガス流通を絞る作用をするのは図1の実施の形態のガス出入通路部21と同様である。また、緩衝室34aの容積、すなわちガス出入通路31aとバッファ室32aとの合計容積は、約300ccである。
【0047】
このように、消弧室部14と同じ材料で消弧室部14と一体に緩衝室部34を形成することにより、部品数を削減し組立工数を低減できる。
【0048】
実施の形態3.
図3は、さらにこの発明の他の実施の形態である気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。気中開閉器の別の用途として、7.2kV、200A〜600A程度の負荷電流開閉だけでなく無負荷変圧器の励磁電流の遮断性能を要求されるものもある。この場合、上記図1や図2に示した実施の形態のものは、7.2kV、200〜600A程度の負荷電流の遮断性能については優れた能力をもつが、励磁電流の遮断性能については遮断時の再起電圧が厳しくなるため7.2kV10〜15A程度の遮断が限界であることが実験結果より明らかになった。
【0049】
この励磁電流の遮断性能を向上させる手段として、図3に示すような気中遮断器が有効である。図3において、42はバッファ室部であり、合成ゴムにて形成され、その内部がバッファ室42aとされている。そして、バッファ室部42の底部に円形の断面積約40平方ミリメートルの貫通孔42aが形成された貫通孔部42bが1箇所設けられている。バッファ室部42は、ガス出入り通路部21の外周部21bに気密に嵌合されており、ガス出入通路部21を介して消弧室14dに連通している。
【0050】
また、バッファ室部42の底部には、バッファ室42aの室内側から貫通孔42aを閉塞し得るよう貫通孔部42に相対する位置に開閉弁46を固設している。開閉弁46は、板厚0.1mmの燐青銅板を図3のように概略「く」の字状に曲げたもので、所定の弾性を有する。開閉弁46は通常状態では貫通孔42aを閉塞せずバッファ室42aは貫通孔部42を介して外部と連通している。
【0051】
7.2kV、200〜600A程度の負荷電流遮断時には発生したアークのエネルギーで細隙部14bの圧力が比較的大きく上昇するので、ガス出入通路部21を介してガスがバッファ室部42内に流入しバッファ室42aの圧力も高くなる。
【0052】
このため、バッファ室42a内と外部との圧力差が大きくなり開閉弁46が押され弾性変形して貫通孔部42bを塞ぐ。これにより、バッファ室部42の内圧が適度に上昇し図1や図2の実施の形態で述べたのと同様の作用効果により地絡を防止できるとともに安定にアークを遮断することができる。
【0053】
逆に、誘導性の小電流例えば変圧器の無負荷電流遮断のように再起電圧は厳しいが10〜30Aレベルの小電流遮断の場合は、図3に示したように、バッファ室部42の底部に貫通孔部42bを設け、開閉弁46にて貫通孔部42bを閉塞し得るように構成し、同じ条件で励磁電流の遮断試験を行うと、遮断限界性能を15Aから約30Aに上げることができた。
【0054】
この場合、高速度カメラで開閉弁46の動きを撮影し観測すると遮断電流が小さいのでバッファ室42の圧力がそれほど上昇せず、開閉弁46は貫通孔部42bを塞いでいなかった。
【0055】
このように、バッファ室42aを完全に密閉せずに小さな貫通孔42aを有する貫通孔部42bを設けるとともに、その貫通孔部42bに対向して所定の圧力で動作する開閉弁46を設けることにより、負荷電流200〜600Aの開閉性能だけでなく30Aクラスまでの励磁電流等の誘導性の電流の遮断性能を要求される用途についても適用可能となる。
【0056】
なお、バッファ室部42をアークによる消弧室14dの圧力上昇により弾性変形してその容積が拡大する弾性ゴム製とし、バッファ室部42の内圧により動作する開閉弁をバッファ室部と一体に弾性ゴムで形成することもできる。
【0057】
以上の各実施の形態では、7.2kVの高圧の気中開閉器に緩衝部を設けるものについて説明したが、3.3kV、22kVあるいは33kVクラスの気中開閉器に適用しても同様の効果を奏する。なお、消弧室部14はその挿入口部14cが図4の消弧室74のように上方に開口するように配設されたものあっても同様の効果を奏する。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0059】
本発明の気中開閉器においては、収容ケース内に収容された第一の接触子、開口部を有し第一の接触子を取り囲む絶縁材料製の消弧室部、収容ケース内に回動可能に設けられ開口部を介して消弧室部内に挿脱され第一の接触子と接離する第二の接触子、及び消弧室部内に連通し消弧室部内の圧力が上昇するとき消弧室部内からガスが流入するともに消弧室部内の圧力が下降するとき消弧室部内へガスが流出することにより消弧室の圧力の上昇速度及び下降速度を緩和する緩衝室を形成する緩衝室部を設けたものであるので、遮断時のアークによりホットガスが発生し消弧室部内の圧力が上昇するが、ホットガスが緩衝室に移動することにより消弧室部内の圧力上昇が緩和される。また、緩衝室に移動し蓄積されたホットガスは、細隙部内の圧力が緩衝室の圧力よりも低くなったとき細隙部内へ戻り挿入口部から放出される。このため、消弧室部及び緩衝室部からホットガスが急激に吹出すのを抑制でき、開閉器ケースへの地絡を防止できる。従って、ホットガスが吹き出す方向の離隔距離、すなわち開閉器ケースと挿入口との離隔距離を小さくできるので、開閉器ケース、ひいては気中開閉器を小形化できる。
【0060】
そして、緩衝室部は、緩衝室と外部とを連通する貫通孔部が所定位置に設けられるとともに緩衝室の圧力上昇により動作して貫通孔部を閉塞する閉塞手段が設けられたものであることを特徴とするので、大きい電流のアークはエネルギーが大きいので消弧室部及びこれに連通する緩衝室内の圧力の上昇が大きくなる。このため、閉塞手段が動作して貫通孔部を閉塞するので緩衝室による緩衝作用が有効に働いて電流を効果的に遮断できる。また、小さい電流のアークはエネルギーが小さいので緩衝室内の圧力はさほど上昇しない。従って、閉塞手段が動作しないので貫通孔部は閉塞されず、圧力緩衝作用が小さくなるため、小さい電流も有効に遮断することができると考えられ、誘導性の小電流の遮断性能が向上する。
【0061】
さらに、緩衝室部は、連通通路部と、この連通通路部を介して消弧室部内と連通する圧力緩和室が形成された圧力緩和室部とを有するものであることを特徴とするので、連通通路部の流路断面積を適当に選び消弧室部内と圧力緩和室部との間における連通通路部の絞り効果を調整することにより、緩衝部室の緩衝作用を制御できる。
【0062】
また、圧力緩和室部は、消弧室部とは別の材料で形成されたものであることを特徴とするので、圧力緩和室部を別の材料で形成するようにすれば、圧力緩和室の材料を任意に選択することができ、例えば消弧室部よりも安価な材料を選択すればそれだけ製作費用が安価になる。
【0063】
そして、緩衝室部は、消弧室部と同じ材料を用いて消弧室部と一体に形成されたものであることを特徴とするので、消弧室部と同じ材料で一体に緩衝室部を形成することにより、部品数を削減し組立工数を低減できる。
【0064】
さらに、緩衝室部は、緩衝室内に強磁性材料製のアークガイドが設けられたものであることを特徴とするので、アークガイドが中間電極として働き、遮断時に発生するアークはこのアークガイドにより分断されアーク抵抗が大きくなるため、遮断が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態である気中開閉器の断面図である。
【図2】 この発明の他の実施の形態である気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。
【図3】 さらに、この発明の他の実施の形態である気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。
【図4】 従来の気中開閉器を示す断面図である。
【図5】 従来の別の気中開閉器の消弧室部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 開閉器ケース、10 固定接触子、12 可動接触子、14 消弧室部、14b 細隙部、14c 挿入口部、14d 消弧室、
21,31 ガス出入通路部、22,32,42 バッファ室部、
22a,32a,42a バッファ室、24,34,44 緩衝室部、
24a,34a,44a 緩衝室、25 アークガイド、42a 貫通孔部、
42b 貫通孔、46 開閉弁。

Claims (6)

  1. 収容ケース内に収容された第一の接触子、開口部を有し上記第一の接触子を取り囲む絶縁材料製の消弧室部、上記収容ケース内に回動可能に設けられ上記開口部を介して上記消弧室部内に挿脱され上記第一の接触子と接離する第二の接触子、及び上記消弧室部内に連通し上記消弧室部内の圧力が上昇するとき上記消弧室部内からガスが流入するともに上記消弧室部内の圧力が下降するとき上記消弧室部内へ上記ガスが流出することにより上記消弧室の圧力の上昇速度及び下降速度を緩和する緩衝室を形成する緩衝室部を備えた気中開閉器。
  2. 緩衝室部は、緩衝室と外部とを連通する貫通孔部が所定位置に設けられるとともに緩衝室の圧力上昇により動作して上記貫通孔部を閉塞する閉塞手段が設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の気中開閉器。
  3. 緩衝室部は、連通通路部と、この連通通路部を介して消弧室部内と連通する圧力緩和室が形成された圧力緩和室部とを有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気中開閉器。
  4. 圧力緩和室部は、消弧室部とは別の材料で形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の気中開閉器。
  5. 緩衝室部は、消弧室部と同じ材料を用いて消弧室部と一体に形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の気中開閉器。
  6. 緩衝室部は、緩衝室内に強磁性材料製のアークガイドが設けられたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の気中開閉器。
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